JP3013536B2 - 磁気再生装置 - Google Patents

磁気再生装置

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JP3013536B2
JP3013536B2 JP3217812A JP21781291A JP3013536B2 JP 3013536 B2 JP3013536 B2 JP 3013536B2 JP 3217812 A JP3217812 A JP 3217812A JP 21781291 A JP21781291 A JP 21781291A JP 3013536 B2 JP3013536 B2 JP 3013536B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気再生装置に関し、
特に、例えばビデオ信号をディジタル信号に変換してい
わゆるパーシャルレスポンス方式を利用して磁気記録媒
体に記録した信号を再生するための磁気再生装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気記録再生においては、磁気
記録媒体に対する記録再生特性による振幅歪みや位相歪
み等を補償するために、等化器(イコライザ)が用いら
れる。近年、このような磁気記録再生においても通信で
用いられているような適応等化方式が採用されるように
なってきている。
【0003】適応等化は、従来より電話回線を利用した
高速データ伝送を行うための技術として開発されてきた
ものである。電話回線では、回線の接続状態により伝送
路特性が変化する。このため固定イコライザを用いたの
では伝送路特性を補正しきれず、適応的にイコライザの
特性を調整する必要が生じる。
【0004】このような通信系では、波形等が予め判っ
ている信号を伝送して伝送路特性を調べた後に必要な信
号を伝送する方法(自動等化)と、送信したい信号自体
を用いて伝送路特性を調べる方法(適応等化)とがあ
る。いずれの場合も、等化器の目的は、伝送路を通過す
る際に歪んでしまった受信信号波形から歪みを自動的に
取り除くことによって送信信号波形を忠実に復元するこ
とにある。
【0005】以上のような適応等化の磁気記録再生への
適用を考察するため、磁気記録再生装置として、ビデオ
信号をディジタル信号に変換し、いわゆるパーシャルレ
スポンス方式を用いて磁気テープ(ビデオテープ)に記
録再生するようなディジタルVTR(ビデオテープレコ
ーダ)を想定する。このパーシャルレスポンス方式と
は、伝送路(あるいは記録媒体)の伝達特性による符号
間干渉を積極的に利用して、符号のスペクトラムを整形
する方式のことであり、例えば、パーシャルレスポンス
には、NRZI符号、インターリーブドNRZI符号等
が属している。記録側にはいわゆるプリコーダが設けら
れ、入力データを再生時(識別時)の符号誤りの伝播を
避けるために中間系列に変換する。このようなパーシャ
ルレスポンス方式を利用して磁気記録再生を行うディジ
タルVTRに上記適応等化方式を採用した場合の再生側
の構成の一例を図6に示す。
【0006】この図6において、磁気テープ(図示せ
ず)に記録された磁気信号は、磁気ヘッド101により
電気信号に変換された後、再生アンプ102により増幅
され、検出特性回路103に送られる。この検出特性回
路103は、上記パーシャルレスポンスの検出特性(エ
ンコード特性)であり、クラスIVの時は(1+D)の
特性を有している。検出特性回路103からの出力信号
は、いわゆるFIR(有限インパルス応答)フィルタあ
るいはトランスバーサルフィルタから成るイコライザ1
04に供給されて適応的なイコライジング処理が施され
た後、復号回路105に供給され、レベル比較(コンパ
レート)等による“1”、“0”の判別がなされて記録
時のデータ系列の復号が行われる。
【0007】復号回路105からの出力dが加算器(誤
差検出器)106に送られてイコライザ104からの出
力yが減算されることで、誤差(残差)eが取り出さ
れ、この誤差eが適応制御部107に送られる。この適
応制御部107には、上記検出特性回路103からの出
力xがいわゆる参照入力として供給されている。適応制
御部107は、上記誤差(残差)の信号パワーを最小と
するようにイコライザ104のフィルタ特性を調整す
る。イコライザ104にいわゆるトランスバーサルフィ
ルタが用いられている場合には、各タップ毎の乗算係数
(タップ係数)が適応的に修整、更新されて、トランス
バーサルフィルタの特性が、磁気記録再生の際の電磁変
換特性の逆特性に近い形となるように調整される。
【0008】復号回路105からの出力は、信号処理回
路108に送られて、同期ブロックの再生、エラー訂正
等が行われ、ビデオ信号処理回路109に送られて元の
画像データの復元が行われる。この他、図示しないが、
信号処理回路108からの出力データは、オーディオ信
号処理回路や、サブコード信号処理回路等に送られてそ
れぞれの処理が行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般にVT
Rに使用される磁気テープ(ビデオテープ)には、特性
の異なる複数種類のテープが市場に供給されており、こ
れらの各種テープに応じてイコライザ特性も異なるた
め、上記適応的な特性調整処理を行う際に、フィルタ係
数(タップ係数)の初期値によってはタップ係数が収束
するまでに時間がかかることも多い。
【0010】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、テープ種類によってイコライザ特性が異
なる場合に、適応等化処理のフィルタ係数あるいはタッ
プ係数が短時間で収束し得るような磁気再生装置の提供
を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る磁気再生装
置は、磁気記録媒体に記録された磁気データを再生する
磁気再生装置において、磁気ヘッドからの再生信号の特
性を補償するイコライザとなるフィルタと、このフィル
タからの出力信号を復号する復号回路と、上記フィルタ
への入力信号及び上記復号回路への入出力信号に基づい
て上記フィルタの特性を適応的に調整する適応制御部
と、テープ種類に応じた複数のイコライザ特性に対応す
る複数のフィルタ係数が記憶され、使用されるテープ種
類に応じてこれらのフィルタ係数を初期値として上記適
応制御部から上記フィルタに与えるように制御する手段
とを有することにより、上述の課題を解決する。
【0012】また、上記適応制御部による適応的なフィ
ルタ特性の調整の際の計算結果に基づいて上記テープ種
類に応じた上記複数のフィルタ係数の一つを上記初期値
に選択することが好ましい。
【0013】
【作用】予め記憶しておいたテープ種類に対応するフィ
ルタ係数の内の一つが、使用されるテープ種類に応じて
選択されて、上記フィルタの係数の初期値として設定さ
れるから、適応処理の際の係数の収束時間が短くなり、
速やかな適応が行える。また、使用されるテープ種類の
判別は、適応的なフィルタ特性の調整の際の計算結果に
基づいて行うことにより、手動でのテープ種類切換操作
が不要となり、機械的なテープ種類判別機構等を不要と
して、簡単な構成でフィルタ係数の初期値選択の自動化
が実現できる。
【0014】
【実施例】図1は、本発明に係る磁気再生装置の一実施
例としての、前述したようなディジタルVTRの再生系
の概略構成を示すブロック回路図である。この図1にお
いて、磁気テープ(図示せず)に記録された磁気信号
は、VTRのメカブロック(図示せず)内の磁気ヘッド
11により電気信号に変換された後、再生アンプ12に
より増幅され、検出特性回路13に送られる。この検出
特性回路13は、前述したパーシャルレスポンスの検出
特性(エンコード特性)である(1+D)の特性を有し
ている。検出特性回路13からの出力信号は、イコライ
ザの主要部となるフィルタ14に供給される。このフィ
ルタ14としては、一般的にいわゆるFIR(有限イン
パルス応答)フィルタあるいはトランスバーサルフィル
タが用いられ、そのフィルタ特性が後述する適応制御部
17により適応的に調整されるようになっている。この
フィルタ14からの出力信号は、復号回路15に供給さ
れ、レベル比較(コンパレート)等による“1”、
“0”の判別がなされて記録時のデータ系列の復号が行
われる。この復号回路15からの出力信号は、出力端子
15OTを介して取り出され、前述した図6に示す信号処
理回路108等に送られる。
【0015】加算器(誤差検出器)16は、復号回路1
5の出力dからイコライザのフィルタ14の出力yを減
算することで誤差(残差)eを取り出し、この誤差eを
適応制御部17に送っている。適応制御部17には、上
記検出特性回路13からの出力xがいわゆる参照入力と
して供給されている。この適応制御部17が上記誤差
(残差)の信号パワーを最小とするようにフィルタ14
の係数(タップ係数)を修整、更新することで、イコラ
イザ特性が磁気記録再生の際の電磁変換特性の逆特性に
近い形となるように調整される。すなわち、フィルタ1
4と適応制御部17とでいわゆる適応フィルタを構成し
ており、適応等化器とは、イコライザに適応フィルタを
用いたものと見ることができる。
【0016】次に、図1の初期値設定制御部18は、デ
ィジタルVTRに使用されるテープ種類に応じて、それ
ぞれのテープの記録再生特性に対応したイコライザ特性
を得るためのフィルタ係数(あるいはタップ係数)が予
めROM等のメモリに記憶されており、VTRに実際に
使用されるテープ種類に応じてこれらのフィルタ係数の
内から1種類を選択して、適応制御部17からフィルタ
14に送るように制御している。ここで、VTRに実際
に使用されるテープの種類の情報は、種々の方法により
得ることができるが、例えば、ユーザがVTRの操作パ
ネル等に設けられたテープ種類選択スイッチ等を手動で
切換操作して得るようにしたり、テープカセットに設け
られたテープ種類を識別するためのインデックスホール
等を機械的スイッチ等により検出してテープ種類情報を
自動的に得るようにしてもよい。さらに、後述するよう
に、再生信号を適応等化処理のための計算過程で得られ
る誤差信号や係数変動量等を測定することで、テープ種
類を自動判別するようにすれば、機械的なテープ種類判
別機構等を用いずに、簡単な構成でテープ種類情報を自
動的に得ることができる。
【0017】このように、VTR等で実際に使用される
テープ種類に応じて、適合するフィルタ係数(フィルタ
タップ係数)の初期値を選択することにより、適応処理
過程の収束の高速化を実現でき、短時間で最適のイコラ
イズ特性に到達することができる。すなわち、最適タッ
プ係数(フィルタタップ係数)への速やかな収束が可能
となる。
【0018】次に、上記フィルタ14と適応制御部17
とから成るいわゆる適応フィルタの具体的な構成の一例
について、図2を参照しながら説明する。この図2にお
いて、入力端子14INからの参照入力xは、タップ数に
応じた遅延素子、例えば4個の遅延素子21a、21
b、21c、21dの直列回路に送られている。入力端
子14INからの入力x0 及び各遅延素子21a、21
b、21c、21dからの各出力x-1、x-2、x-3、x
-4は、それぞれ係数乗算器22a、22b、22c、2
2d、22eに送られ、それぞれフィルタ係数(フィル
タタップ係数)w0 、w1 、w2 、w3 、w4 と乗算さ
れた後、加算される。すなわち、係数乗算器22a、2
2bからの各出力は加算器23aで加算され、係数乗算
器22cからの出力と加算器23aからの出力は加算器
23bで加算され、以下同様に加算器23c、23dで
各係数乗算器22d、22eからの出力も順次加算さ
れ、出力yとなって、上記復号回路15に送られてい
る。各フィルタ係数w0 、w1 、w2 、w3 、w4 は、
適応制御部17からの係数修整(更新)制御信号により
修整されるようになっている。
【0019】適応制御部17で用いられる適応アルゴリ
ズムとしては、多くの手法のものが提案されているが、
その一具体例として、LMS(リーストミーンスクウェ
ア、最小自乗平均)アルゴリズムについて説明する。こ
こで、上記遅延素子の個数を一般化してL個とし、遅延
素子211 、212 、・・・、21L とする。このと
き、上記最初の入力x0 とこれらの各遅延素子211
212 、・・・、21Lからの各出力x-1、x-2、・・
・、x-Lがそれぞれ係数乗算器220 、221 、22
2 、・・・、22L に送られ、それぞれフィルタ係数w
0 、w1 、w2 、・・・、wL と乗算されて、加算器に
送られて加算されるものとする。
【0020】入力xのデータ系列のk回目のサンプル周
期時点(時刻k)における入力データ及び上記各遅延素
子211 、212 、・・・、21L からの各遅延出力デ
ータを、それぞれxk 、xk-1 、xk-2 、・・・、x
k-L とするとき、FIRフィルタ処理される入力ベクト
ルXk を、 Xk =〔xk k-1 k-2 ・・・ xk-L T ・・・(1) とおく。この(1)式のTは転置記号を示す。この入力
ベクトルXk に対して、上記各フィルタ係数(加重係
数)をwk0、wk1、wk2、・・・、wkLとし、FIRフ
ィルタ出力をyk とすると、入出力の関係は次の(2)
式のようになる。 yk =wk0k +wk1k-1 +・・・+wkLk-L ・・・(2) さらに、フィルタ係数ベクトル(加重ベクトル)W
k を、 Wk =〔wk0k1k2 ・・・ wkLT ・・・(3) と定義すれば、入出力関係は、 yk =Xk T k =Wk T k ・・・(4) のように記述される。希望の応答をdk とすれば、出力
との誤差εk は、 εk =dk −yk =dk −Xk T k ・・・(5) のように表される。εk が、0に近づくように、Wk
更新するため、次式を用いる。 Wk+1 =Wk −μ▽k ・・・(6) この式でμは、適応の速度と安定性を決める利得因子で
あり、▽k は、グラジエントを表す。LMSアルゴリズ
ムでは、▽k は、εk 2 の短時間平均より推定したもの
ではなく、εk 2 を直接偏微分して用いる。 ▽k =δεk 2 /δW =−2εk k ・・・(7) この(7)式を上記(6)式に代入して、係数更新式
は、 Wk+1 =Wk +2μεk k ・・・(8) のように表される。
【0021】ここで、上記フィルタ係数(フィルタタッ
プ係数)の初期値が、磁気記録電磁変換特性の逆特性に
近い形になるような値に設定されていれば、何度かの繰
り返し計算の後、最適のタップ係数値に収束する。しか
しながら、テープ種類による磁気記録電磁変換特性の違
いのため、固定的な初期値では、タップ係数の収束に時
間がかかることがある。そこで、上述したように、各テ
ープ種類に対応するようないくつか(複数組)のタップ
係数を用意しておき、VTRで実際に使用されるテープ
の種類に応じてこれらの複数(組)のタップ係数の一つ
(1組)を選んで、初期値として上記フィルタ14(の
係数乗算器)に与えれば、収束がより速くなるわけであ
る。
【0022】このとき、テープ種類に応じてどの初期値
かを選ぶことが必要とされる。最も簡単な方法として
は、使用者(ユーザ)が手動でテープ種類選択スイッチ
を切り換えることが挙げられる。また次に、テープカセ
ットに予め設けられた識別用の孔(インデックスホール
等)を機械的に検出することが考えられる。これらの方
法は、手動操作が面倒であったり、機械的なテープ種類
判別機構等が必要とされたりすることから、これら外部
から信号を与えることなしに、テープ種類を識別し、初
期タップ値の設定を行うような方法を提案する。この識
別のためのアルゴリズムについて図3乃至図5を参照し
ながら説明する。すなわち、図3は誤差期待値E
(e2 )の時間的変化を示し、図4は係数値の時間的変
化を示し、図5はアルゴリズムを視覚化して機能ブロッ
ク的に表すブロック図である。この図5において上記図
1と対応する部分には同じ指示符号を付して説明を省略
する。
【0023】先ず、テープ種類毎の標準的な初期タップ
(フィルタタップ係数)値を用意する。このときの初期
タップ値は、各テープ種類毎に適応アルゴリズムを動作
させたときの収束値を用いる。これらの複数組の初期タ
ップ値毎に、それぞれ適応アルゴリズム機能ブロック3
1、32、33が設けられる。
【0024】次に、再生動作の始動時には、上記各テー
プ種類毎に設定された初期タップ値毎の適応アルゴリズ
ム機能ブロック31、32、33を、それぞれ並列に動
作させる。この並列動作中に、適応処理計算途中の値を
測定する。測定する値としては、誤差信号や係数変化の
量等の累積値が考えられる。初期タップ係数値が上記収
束値に近いものであれば、いずれの累積値も最小なもの
として測定される。
【0025】例えば、誤差信号について見るとき、図3
は各初期タップ値に対しての誤差信号、具体的には誤差
期待値E(e2 )の収束状態を示している。この図3の
曲線A、B、C、Dが、それぞれ異なるテープ種類毎に
設定された初期タップ値に対して、曲線Dに対応するテ
ープ種類のテープが実際に使用された場合を示してい
る。初期タップ値が収束状態のタップ値より大幅にずれ
ているものが曲線A、収束状態に最も近いものが曲線
D、中間のものが曲線B、Cである。大幅にずれている
もの(曲線A)は、1回の更新に対しての変化量が多
い。ただし、磁気記録に適用した場合は、この誤差はノ
イズ成分が含まれたものであるので、平均を求める意味
もあり、累積値を用いた方がよい。具体的には、誤差信
号の2乗であるe2 の累積値を用いる方法や、誤差信号
の絶対値|e|の累積値を用い方法等が考えられる。
【0026】タップ係数については、図4に、各初期タ
ップ値に対してのタップ係数値の収束状態を示してい
る。この図4において、初期タップ値が収束状態のタッ
プ値より大幅にずれているものが曲線A、収束状態に最
も近いものが曲線C、中間のものが曲線Bである。大幅
にずれているもの(曲線A)は、1回の更新に対しての
変化量が大きい。ただし、タップ係数1つに関しての変
化量では判断が困難であるので、タップ係数の変化量の
総和の累積値を用いる。具体的には、係数変化の絶対値
|wnk−wnk-1|の総和の累積値等を用いればよい。
【0027】次に、上述の過程により、各適応アルゴリ
ズム機能ブロック31、32、33にてそれぞれ得られ
た誤差信号の累積値、あるいはタップ係数変化量総和値
の累積値を、比較判別機能ブロック34に送り、累積値
が最小になったものを、最適な初期タップ値として用
い、以降の適応処理によるタップ更新を行う。これは、
各適応アルゴリズム機能ブロック31、32、33から
フィルタタップ係数をフィルタ14に切換選択スイッチ
35を介して送るようにし、この切換選択スイッチを比
較判別機能ブロック34からの判別結果に応じて切換制
御するような機能として表すことができる。なお、図5
では3種類のテープ種類の場合を示しているが、さらに
テープ種類が多い場合には、適応アルゴリズム機能ブロ
ックの個数を増加させればよいことは勿論である。ま
た、図5は、上記適応制御部17内部でソフトウェア的
に実現されるアルゴリズムをハードウェア的に表したも
のであり、他に種々の表わし方が考えられるものであ
る。
【0028】以上のようなアルゴリズムにより、実際に
使用されるテープに対し、その種類に応じた最適な初期
タップ係数が自動選択される。従って、複数種類のテー
プが使用される場合でも、テープに適合したイコライザ
特性が即座に選択でき、上記適応制御部17での適応ア
ルゴリズムの始動時より、良好なエラーレートの状態が
実現できる。
【0029】なお、本発明は上記実施例のみに限定され
るものではなく、例えば、フィルタ14の具体的構成
や、適応制御部17に用いられるアルゴリズム等は上記
実施例のFIRフィルタやLMSアルゴリズムに限定さ
れない。また、適用機器はディジタルVTRに限定され
ず、ディジタルテープレコーダ、アナログVTR等にも
本発明を適用することができる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明に係る磁気再生装置によれば、磁気記録媒体に記録さ
れた磁気データを再生する磁気再生装置において、磁気
ヘッドからの再生信号の特性を補償するイコライザとし
て適応フィルタを用い、テープ種類に応じた複数のイコ
ライザ特性に対応する複数のフィルタ係数の内の、使用
されるテープ種類に応じたフィルタ係数を初期値として
上記適応フィルタに与えるように制御しているため、適
応処理の際にフィルタ係数が収束するまでに要する時間
を短縮できる。
【0031】また、上記適応的なフィルタ特性の調整の
際の計算結果に基づいて上記テープ種類に応じた上記複
数のフィルタ係数の一つを上記初期値として選択するこ
とにより、手動でのテープ種類選択スイッチの切換操作
等が不要となり、また、テープカセットのインデックス
ホール等を機械的に検出してテープ種類判別を行わせる
ような機構部等も不要となり、簡単な構成で、実際に使
用されるテープ自体の特性から、フィルタ特性の最適な
初期値の自動選択が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁気再生装置の一実施例となるデ
ィジタルVTRの再生系の一部の概略構成を示すブロッ
ク回路図である。
【図2】該実施例に用いられる適応等化器(適応フィル
タ)の内部構成の具体例を示すブロック回路図である。
【図3】誤差期待値E(e2 )の時間的変化を示すグラ
フ。
【図4】係数値の時間的変化を示すグラフ。
【図5】適応制御部でのテープ種類識別アルゴリズムを
視覚化して機能ブロック的に表した再生系の一部を概略
的に示すブロック図である。
【図6】従来技術の説明に供するディジタルVTRの再
生系の概略構成を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
11・・・・・磁気ヘッド 13・・・・・検出特性回路 14・・・・・フィルタ(イコライザ) 15・・・・・復号回路(コンパレータ) 16・・・・・加算器(誤差検出器) 17・・・・・適応制御部 18・・・・・初期値設定制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−222907(JP,A) 特開 昭63−285776(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気記録媒体に記録された磁気データを
    再生する磁気再生装置において、 磁気ヘッドからの再生信号の特性を補償するイコライザ
    となるフィルタと、 このフィルタからの出力信号を復号する復号回路と、 上記フィルタへの入力信号及び上記復号回路への入出力
    信号に基づいて上記フィルタの特性を適応的に調整する
    適応制御部と、 テープ種類に応じた複数のイコライザ特性に対応する複
    数のフィルタ係数が記憶され、使用されるテープ種類に
    応じてこれらのフィルタ係数を初期値として上記適応制
    御部から上記フィルタに与えるように制御する手段とを
    有することを特徴とする磁気再生装置。
  2. 【請求項2】 上記適応制御部による適応的なフィルタ
    特性の調整の際の計算結果に基づいて上記テープ種類に
    応じた上記複数のフィルタ係数の一つを上記初期値とし
    て選択することを特徴とする請求項1に記載の磁気再生
    装置。
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