JP3277451B2 - ビタビ復号装置 - Google Patents

ビタビ復号装置

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JP3277451B2 JP34194495A JP34194495A JP3277451B2 JP 3277451 B2 JP3277451 B2 JP 3277451B2 JP 34194495 A JP34194495 A JP 34194495A JP 34194495 A JP34194495 A JP 34194495A JP 3277451 B2 JP3277451 B2 JP 3277451B2
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  • Error Detection And Correction (AREA)
  • Dc Digital Transmission (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力データをパー
シャルレスポンス方式で波形等化し、データ間の相関を
利用して最も確からしいデータ系列を検出するビタビ復
号装置に関するものであり、光記録再生装置、磁気記録
再生装置、光磁気記録再生装置等に用いて好適なビタビ
復号装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルビデオテープレコーダや
光ディスク装置等の記録再生装置において、パーシャル
レスポンス方式とビタビ復号方式を組み合わせたPRM
L(Partial Response Maximu
m Likelihood)方式と呼ばれる信号処理技
術が注目を集めている。
【0003】即ち、PRML方式とは、再生波形の形を
整える等化にパーシャルレスポンス(PR:Parti
al Response)方式を使用し、データの検出
に最尤(ML:Maximum Likelihoo
d)復号方式であるビタビ復号方式を使用するものであ
る。このようなPRML方式を用いることにより、既存
の記録再生系を大幅に変えずに信号処理によって記録密
度を1.2〜1.5倍程度に高めることができる。ま
た、PRML方式は、記録媒体から読みだしたデータの
S/N比を高く保ったまま波形等化することができ、実
用上問題が生じないデータ誤り率を確保することができ
るという特徴を持っている。
【0004】例えば、PRML方式を用いた光ディスク
の記録再生装置で光ディスクにデジタルデータを記録し
た場合、光ディスクに記録されたデジタルデータは、ヘ
ッドアンプの特性上高域落ちのある周波数特性を持って
再生される。
【0005】この再生データI(t)は、図13に示す
ようなビタビ復号装置に供給される。即ち、上記図10
に示すように、再生データI(t)は、任意の周波数特
性を有する等化回路201に供給され、等化回路201
により、再生データI(t)は一定の応答、即ち、イン
パルス応答を有する出力データr(t)に変換される。
また、等化回路201で得られた出力データr(t)
は、自動利得制御(AGC:Automatic Ga
in Control)回路202に供給される。AG
C回路202は、等化回路201からの出力データr
(t)のレベル変動を除去し、レベル変動を除去した出
力データr(t)をアナログ/デジタル(A/D)変換
器203に供給する。A/D変換器203は、AGC回
路202からの出力データr(t)をデジタルデータr
d(t) に変換し、そのデジタルデータrd(t) をビ
タビ復号回路204に供給する。
【0006】ここで、パーシャルレスポンスには、どの
ような符号間干渉を与えるかによって、いくつもの方式
がある。これらの方式は、等化回路201で得られた出
力データr(t)のインパルス応答で分類することがで
き、PR(1,1)やPR(1,2,1)等がある。P
R(1,1)は、高周波数成分の雑音を抑制する方式で
あり、この方式を使用することによりビタビ復号回路2
04の構成を簡単にすることができる。また、PR
(1,2,1)を使用した場合、ビタビ復号回路204
の構成は複雑になるが、S/N比をより改善できる方式
である。このように、どの方式を使用するかによって、
どの周波数成分を強調するかが決定される。
【0007】また、パーシャルレスポンス方式で波形等
化して得られた出力データr(t)はインパルス応答が
既知であるため、出力データr(t)をアナログ的に扱
う事で元のデジタルデータI(t)を類推することがで
きる。
【0008】そこで、ビタビ復号回路204は、この類
推を記録再生時に生じるノイズの影響が最も小さくなる
様に、データ間の相関関係を有効に利用して一番確から
しいデータ系列を検出する。即ち、符号間干渉がある場
合には、再生データをサンプリングして得られるデータ
系列には限られたパターンしか現れないと言うことを利
用して、そのパターンと実際のサンプリング結果を比較
することにより誤りを検出する。そして、サンプリング
結果に最も似ているパターンを検出しその誤りを訂正す
る。また、符号間干渉だけでなく記録符号によっても再
生データが取り得るパターンは決ってくる。このような
制約も考慮に入れて、ビタビ復号回路204では、誤り
訂正の精度を高めている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ビタビ復号
回路204の誤り訂正能力が効率よく効果を発揮するの
は、ビタビ復号回路204に供給されるデジタルデータ
d(t) に含まれるノイズのスペクトラムがホワイト
レベルから高域上がりの特性を有する時である。しか
し、上記図10に示したように、ビタビ復号回路204
には、A/D変換器203から直接デジタルデータrd
(t) が供給されていた。即ち、ビタビ復号回路20
4に供給されるデジタルデータrd(t) は、ノイズの
抑圧処理が施されていないデータであった。このため、
デジタルデータrd(t) が低域ノイズ成分を多く含ん
でいる場合、ビタビ復号回路204の誤り訂正能力が低
下し、誤訂正を起こしてしまう場合があった。
【0010】そこで、本発明は、上述の如き従来の実情
に鑑みてなされたものであり、次のような目的を有する
ものである。
【0011】即ち、本発明の目的は、誤り訂正の精度を
高めたビタビ復号装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明に係るビタビ復号装置は、入力信号を波形
等化してパーシャルレスポンス特性を有する信号に変換
する第1の波形等化手段と、上記第1の等化手段の出力
信号のレベル変動を除去するレベル制御手段と、上記レ
ベル制御手段の出力信号をデジタル化する変換手段と、
上記変換手段の出力信号にノイズ抑圧処理を施すノイズ
抑圧手段と、上記ノイズ抑圧手段の出力信号を復号する
ビタビ復号回路とを備え、上記ノイズ抑圧手段は、上記
変換手段の出力信号から上記ビタビ復号回路が誤動作し
やすい帯域のノイズに対してより確からしく復号を行う
ことのできるサブ復号手段と、上記サブ復号手段の出力
信号を波形再等化してパーシャルレスポンス特性を有す
る信号に変換する第2の波形等化手段と、上記変換手段
の出力信号の位相を上記第2の波形等化手段の出力信号
の位相に合わせる第1の遅延手段と、上記第2の波形等
化手段の出力信号と上記第1の遅延手段の出力信号との
差分を取る第1の演算手段と、上記第1の演算手段の出
力信号の低域成分を抽出する抽出手段と、上記変換手段
の出力信号の位相を上記抽出手段の出力信号の位相に合
わせる第2の遅延手段と、上記抽出手段の出力信号と上
記第2の遅延手段の出力信号との差分を取りその差分信
号を上記ビタビ復号回路に供給する第2の演算手段とを
備えることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係るビタビ復号装置は、サ
ブ復号手段は、上記変換手段でデジタル化された信号の
最上位ビットデータを生成信号として出力することを特
徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0015】本発明に係るビタビ復号装置は、例えば、
光磁気ディスクから得られた高周波信号(以下、再生R
F信号と言う。)Ia(t) をパーシャルレスポンス
(PR:Partial Response)方式で波
形等化し、ビタビ復号方式で復号する装置であり、図1
に示すように、入力された再生RF信号Ia(t) を波
形等化する等化器(EQ:Equalizer)1と、
等化器1の出力信号のレベル変動を除去する自動利得制
御(AGC:Automatic Gain Cont
rol)回路2と、AGC回路2の出力信号をデジタル
化するアナログ/デジタル(A/D)変換器3と、A/
D変換器3の出力信号にノイズ抑圧処理を施すノイズ抑
圧手段4と、ノイズ抑圧手段4の出力信号を復号するビ
タビ復号回路5とを備えている。
【0016】また、ノイズ抑圧手段4は、A/D変換器
3の出力信号の最上位ビットデータをパーシャルレスポ
ンス方式で波形等化するPR等化器41と、A/D変換
器3の出力信号の位相を遅延する遅延回路(DL)42
と、PR等化器41の出力信号と遅延回路42の出力信
号との差分を取る加算器43と、加算器43の加算出力
信号の低域ノイズ成分を抽出するフィルタ(LPF:L
ow Pass Filter)44と、A/D変換器
3の出力信号の位相を遅延する遅延回路(DL)45
と、遅延回路45の出力信号の位相を遅延する遅延回路
(DL)46と、フィルタ44の出力信号と遅延回路4
6の出力信号との差分を取る加算器47とを備えてい
る。
【0017】上記図1に示したビタビ復号装置100
は、例えば、図2に示すように、光磁気ディスク102
の記録再生装置に適用されており、ビタビ復号装置10
0に入力される再生RF信号Ia(t) は、光磁気ディ
スク102から再生ヘッドPDで読み出されたデータS
(t)が再生アンプ103で増幅された信号である。
【0018】ここで、光磁気ディスク102には、デー
タ圧縮や誤り符号が付加されたデータS(t)が記録さ
れている。また、このデータS(t)は、光磁気ディス
ク102にデータを記録する前に、データ誤りの伝播を
防ぐためのプリコード処理が施されたものである。即
ち、データS(t)は、記録符号化されたデータに記録
再生系で付与するものとは逆の符号間干渉が予め加えら
れている。これにより、再生RF信号I(t)の波形が
記録波形と1対1に対応することとなる。
【0019】上述のようなデータS(t)は、駆動回路
101により駆動される記録ヘッドLDで光磁気ディス
ク102に記録されており、この光磁気ディスク102
から得られた再生RF信号Ia(t) は、ビタビ復号装
置100の等化器1に供給される。
【0020】等化器1は、例えば、トランスバーサルフ
ィルタ(TransversalFilter)を用い
て波形等化するトランスバーサルフィルタ等化方式を適
用している。このトランスバーサルフィルタは、図3に
示すように、デジタルフィルタのFIR(Finite
Impulse Response)フィルタに相当
するものであり、パルス送出時間間隔T毎にタップを有
する遅延回路D-N+1〜DN-1 と、各タップ毎に重み係数
cn(n=−N,・・・,−1,0,1,・・・,N)
を乗じる利得調整回路C-N〜CN と、利得調整回路C-N
〜CN の各出力を加算する加算回路Pとから構成されて
いる。また、トランスバーサルフィルタにおけるタップ
数、及び、タップの重み係数cnは、この等化器1の出
力信号Ib(t) の波形がPR(1,2,1)の波形と
なるように設計されている。
【0021】PR(1,2,1)の特性は、図4に示す
ように、等化器1の出力信号Ia (t)のピーク値を
「2」で規格化すると、そのピーク値となる前後のサン
プリングタイミングにおいて1/2(=1)の振幅が現
れる。また、PR(1,2,1)は、図5に示すよう
に、1サンプリング時刻分の遅延子Dを持って、(1+
D)2 の特性を与える方式と言うことができる。
【0022】タップの重み係数cnは、例えば、図6に
示すように、各識別点での入力波形と目標波形の差X
1 ,X2 ,X3 ,・・・の自乗の総和が最小となるよう
に、最小自乗誤差法(MSE法)のアルゴリズムに従っ
て更新されるようになされている。また、タップの重み
係数cnを更新する際、再生RF信号Ia(t) がPR
(1,2,1)の波形に近くように自動調節しながら波
形等化する。
【0023】このようにして、目標波形であるPR
(1,2,1)に近く波形等化して得られた等化出力信
号Ib(t) は、図7に示すように、完全に波形等化さ
れていないため、等化誤差Δkが生じている。このよう
な等化誤差Δkが生じた等化出力信号Ib(t) は、A
GC回路2に供給される。
【0024】AGC回路2は、等化器1からの等化出力
信号Ib(t) のレベル変動を除去する。即ち、AGC
回路2は、等化出力信号Ib(t) の振幅特性、DC成
分を任意の基準レベルに制御してA/D変換器3に供給
する。
【0025】A/D変換器3は、AGC回路2でレベル
変動が除去された信号IC(t) を、例えば、8ビット
のデジタルデータIe(t) に変換し、そのデジタルデ
ータIe(t) を遅延回路42と遅延回路45に各々供
給すると共に、図8に示すような、8ビットのデジタル
データIe(t) の最上位ビット(MSB)データId
(t) をPR等化器41に供給する。
【0026】即ち、この実施の形態では、最上位ビット
データId(t) を、8ビットのデジタルデータI
e(t) から得られたビタビ復号回路5とは異なるサブ
復号結果としている。このような、最上位ビットデータ
d(t) を使用することでサブ復号結果とする方法
は、コンパクト・ディスク(CD:Compact d
isc)プレーヤー等で一般的に用いられており、再生
RF信号をセンターのレベルでコンパレートする方法と
等価である。
【0027】ここで、サブ復号結果としては、ビタビ復
号回路5が影響を受けるノイズ帯域の成分とは異なるノ
イズ帯域の成分を有するものである必要がある。従っ
て、ビタビ復号回路5は低域ノイズ成分の影響を強く受
け易い特徴を持っていることから、サブ復号結果として
低域ノイズ成分に強い最上位ビットデータId(t) を
使用している。また、最上位ビットデータId(t)
は、一般に、10-2バイトエラーレート(BER:By
te Err Rate)以上の確からしさを持ってい
る。
【0028】PR等化器41は、上述した等化器1と同
様に、トランスバーサルフィルタ等化方式を適用してお
り、A/D変換器3からの最上位ビットデータI
d(t) に対して、目標のPR(1、2、1)の特性を
有するように波形等化を行う。尚、PR等化器4におけ
る波形等化処理は、等化器1における波形等化処理と同
様であり、その詳細は省略する。即ち、PR等化器41
は、最上位ビットデータId(t)を図9に示すような
目標のPR(1、2、1)の特性を有する理想的な8ビ
ットのデジタルデータIf(t) に変換し、このデジタ
ルデータIf(t) を加算器43に供給する。ここで、
デジタルデータIf(t) は、通常、10-2BER程度
以下の誤差を含んでいる。
【0029】一方、遅延回路42は、シフトレジスタか
ら成り、A/D変換器3からのデジタルデータI
e(t) をPR等化器41の遅延量と等しい時間分遅延
させて、PR等化器41から出力されるデジタルデータ
f(t) との位相差を「0」にする。そして、遅延回
路42は、遅延したデジタルデータIg(t) を加算器
43に供給する。
【0030】加算器43は、遅延回路42からのデジタ
ルデータIg(t) とPR等化器41からのデジタルデ
ータIf(t) との差分を取る。即ち、デジタルデータ
f(t)からデジタルデータIg(t) を引くことに
より、A/D変換器3に供給される信号IC(t) のノ
イズ成分Ih(t) を得る。但し、このノイズ成分I)
は、10-2BER相当の誤差を含んでいる。ここで、ノ
イズ成分Ih(t)は、PR等化器41で生じた10-2
BER程度以下の誤差も含んでいるが、この誤差には、
最上位ビットデータId(t) の特性上、高周波成分を
多く含み、低域ノイズ成分が少ないものとする。このよ
うなノイズ成分Ih(t) は、フィルタ44に供給され
る。
【0031】フィルタ44は、加算器43からのノイズ
成分Ih(t) から低域ノイズ成分Ii(t) を抽出
し、その低域ノイズ成分Ii(t)を加算器47に供給
する。
【0032】一方、遅延回路45は、上述した遅延回路
42と同じ遅延量を有しており、その遅延量と等しい時
間分A/D変換器3からのデジタルデータIe(t) を
遅延し、遅延したデジタルデータIe(t) を次段の遅
延回路46に供給する。
【0033】遅延回路46は、前段の遅延回路45から
のデジタルデータIe(t) をフィルタ44から出力さ
れる低域ノイズ成分Ii(t) の軸間軸と一致させるの
に等しい時間分遅延し、その遅延した低域ノイズ成分I
i(t) を低域ノイズ成分Ij(t) として加算器47
に供給する。
【0034】加算器47は、遅延回路46からのデジタ
ルデータIe(t) とフィルタ44からの低域ノイズ成
分Ij(t) との差分を取る。即ち、デジタルデータI
e (t)から低域ノイズ成分Ij(t)を引くことによ
り、ビタビ復号回路5が強力に効果を発揮する高域ノイ
ズ成分を多く含むデータIk(t) を生成し、そのデー
タIk(t)をビタビ復号回路5に供給する。
【0035】ビタビ復号回路5は、加算器47からのデ
ータIk(t) を基準にして、最も確からしいデータ系
列を検出する。
【0036】例えば、パーシャルレスポンス特性がPR
(1,2,1)の場合のビタビ復号回路5の動作を以下
に説明する。
【0037】上述したようにPR(1,2,1)は3サ
ンプリング周期分に亘って符号間干渉の影響がある。従
って、ある時刻におけるサンプリング値s(t)は、ノ
イズ源がないものとすれば、ある時刻に対応するデータ
Sd(t)と過去の2サンプリング時刻におけるデータ
[Sd(t−2),Sd(t−1)]によって決定され
る。この過去2サンプリング時刻におけるデータの組合
せを状態と呼ぶ。状態の遷移を時系列的に表したものを
リトレス線図という。図10にPR(1,2,1)のリ
トレス線図を示す。このリトレス線図において、矢印の
横の数字は矢印の終点の時刻におけるデータである。ま
た、時刻k−1から時刻kへの遷移状態(すなわち矢
印)それぞれに対してノイズを含まない理想的なサンプ
リング値y(k)はパーシャルレスポンス特性によって
決まる。図11にPR(1,2,1)におけるy(k)
の値を示す。時刻k−1から時刻kへの遷移における実
際のサンプリング値がs(k)であったときに、その遷
移がリトレス線図上のある遷移状態出あると仮定したと
きの確からしさを、その遷移状態(すなわち矢印)のブ
ランチメトリックという。ブランチメトリックの具体的
な評価値としては、例えば、{y(k)−s(k)}2
を用いる。この場合、ブランチメトリックが小さいほど
確からしさの度合いは高くなる。あるデータ系列はリト
レス線上の1本の経路(パス)として表される。このパ
ス上のブランチメトリックの合計をそのパスのパスメト
リックといい、そのパスに対応するデータ系列の確から
しさを表す。ビタビ復号回路は、パスメトリックが最小
となるパスを求め、このパスに対応するデータ系列を出
力する回路である。
【0038】上記ビタビ復号回路5の具体的な構成を図
12のブロック図に示す。すなわち、ビタビ復号回路5
は、ブランチメトリック計算回路51とACS(Ad
d,Compare,Select)回路52とパスメ
モリ回路53からなる。
【0039】ブランチメトリック計算回路51は、各状
態遷移に対応するブランチメトリックを計算する。
【0040】また、ACS回路52は、時刻k−1で各
状態に達するパスメトリックを記憶するパスメトリック
メモリ、リトレス線図に従って時刻k−1のパスメトリ
ックにブランチメトリックを加算する回路、時刻kで合
流するパスメトリックの大きさを比較する回路、この比
較結果に従って値の小さいパスメトリックを選択する回
路を備えている。選択された値は新たなパスメトリック
としてパスメトリックメモリを更新する。このようにし
てACS回路52が選択したパスは現在時刻において
は、状態の数(PR(1,2,1)の場合は4)だけで
あるが、これらのパスを生き残りパスと呼ぶ。生き残り
パスを過去に辿っていくと、ある時点で1つのパスにま
とまる。この時点より以前はパスメトリックを最小にす
るパスとして確定した部分である。
【0041】パスメモリ回路53は、上記ACS回路5
2が選択した結果に従って生き残りパスを記憶し、確定
したパスに対応する最も確からしいデータ系列を出力す
る。
【0042】上述のように、本実施の形態では、ノイズ
抑圧手段4で低域ノイズ成分が抑圧されたデータI
k(t) がビタビ復号回路5に供給されるため、低域ノ
イズ成分の影響を受け易いビタビ復号回路5の欠点を補
うことができ、ビタビ復号器5の誤り訂正能力が効率よ
く効果を発揮することができる。
【0043】また、上述したようなビタビ復号装置に限
らず、ノイズ帯域により効果の異なる2つの復号回路を
組み合わせた復号装置にも適用することができる。例え
ば、サブ復号結果を得るためのサブ復号回路として低域
ノイズ成分に強い復号回路を用い、ビタビ復号回路5の
代わりに高域ノイズ成分に強い復号回路を用いてもよ
い。このように、ノイズ帯域別に効果のある復号回路を
選択して用いることができるため、搬送波対ノイズ比
(C/N:Carrier to Noise rat
io)の悪い再生RF信号を復号する場合でも、従来と
同等の復号出力を得ることができる。このため、光磁気
ディスク等に、より高密度に情報を記録することができ
る。
【0044】即ち、C/Nが悪い入力信号に対して、B
ERが低い復号信号を得ることができるため、記録密度
を高めた記録再生装置に有効である。また、ビタビ復号
回路の復号効率を理論的に限界以上に高めることができ
るため、パーシャルレスポンス方式とビタビ復号方式を
組み合わせたPRML方式を適用したビタビ復号装置の
応用範囲を広げることができる。
【0045】尚、上述した実施例において、サブ復号結
果は、ビタビ復号回路5が影響を受けるノイズ帯域とは
異なるノイズ帯域の成分を有するものであるとしたが、
これに限らず、ビタビ復号回路5が誤動作しやすいノイ
ズ帯域に対して強い成分を有するものであればよい。
【0046】
【発明の効果】本発明に係るビタビ復号装置では、第1
の波形等化手段は、入力信号を波形等化してパーシャル
レスポンス特性を有する信号に変換する。レベル制御手
段は、上記第1の等化手段の出力信号のレベル変動を除
去する。変換手段は、上記レベル制御手段の出力信号を
デジタル化する。サブ復号手段は、上記変換手段の出力
信号から上記ビタビ復号回路が誤動作しやすい帯域のノ
イズ信号を生成する。第2の波形等化手段は、上記サブ
復号手段の出力信号を波形再等化してパーシャルレスポ
ンス特性を有する信号に変換する。第1の遅延手段は、
上記変換手段の出力信号の位相を上記第2の波形等化手
段の出力信号の位相に合わせる。第1の演算手段は、上
記第2の波形等化手段の出力信号と上記第1の遅延手段
の出力信号との差分を取る。抽出手段は、上記第1の演
算手段の出力信号の低域成分を抽出する。第2の遅延手
段は、上記変換手段の出力信号の位相を上記抽出手段の
出力信号の位相に合わせる。第2の演算手段は、上記抽
出手段の出力信号と上記第2の遅延手段の出力信号との
差分を取る。ビタビ復号回路は、上記第2の演算手段の
出力信号を復号する。上記ビタビ復号回路には、低域ノ
イズ成分が抑圧された信号が供給されるため、上記ビタ
ビ復号回路の誤り訂正能力の効果を効率よく発揮するこ
とができる。従って、誤り訂正の精度を高めることがで
きる。
【0047】また、本発明に係るビタビ復号装置では、
サブ復号手段は、上記変換手段でデジタル化された信号
の最上位ビットデータを生成信号として出力することを
特徴とする。上記最上位ビットデータは、低域ノイズ成
分の影響を受けにくいデータであるため、上記変換手段
の出力信号から上記ビタビ復号回路の出力信号のノイズ
帯域とは異なるノイズ帯域を有する信号を生成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るビタビ復号装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図2】上記ビタビ復号装置を適用した光磁気ディスク
の記録再生系の構成を示すブロック図である。
【図3】トランスバーサルフィルターの構成を示すブロ
ック図である。
【図4】PR(1,2,1)における等化回路の特性を
説明するための波形図である。
【図5】PR(1,2,1)における等化回路の特性を
説明するための回路図である。
【図6】最小自乗誤差法を説明するための波形図であ
る。
【図7】等化誤差が生じた信号を示す波形図である。
【図8】最上位ビットデータを示す波形図である。
【図9】目標の波形特性を有する信号を示す波形図であ
る。
【図10】PR(1,2,1)のリトレス線図である。
【図11】PR(1,2,1)におけるy(k)の値を
示す図である。
【図12】ビタビ復号回路の具体的な構成例を示すブロ
ック図である。
【図13】従来のビタビ復号装置の構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 等化器 2 AGC回路 3 A/D変換器 4 ノイズ抑圧手段 5 ビタビ復号回路 41 PR等化器 42,45,46 遅延回路 43,47 加算器 44 フィルタ 100 ビタビ復号装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04L 25/08 H04L 25/08 B (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03M 13/00 G11B 20/00 H04B 3/00 H04L 25/00 H04L 1/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号を波形等化してパーシャルレス
    ポンス特性を有する信号に変換する第1の波形等化手段
    と、 上記第1の等化手段の出力信号のレベル変動を除去する
    レベル制御手段と、 上記レベル制御手段の出力信号をデジタル化する変換手
    段と、 上記変換手段の出力信号にノイズ抑圧処理を施すノイズ
    抑圧手段と、 上記ノイズ抑圧手段の出力信号を復号するビタビ復号回
    路とを備え、 上記ノイズ抑圧手段は、上記変換手段の出力信号から上
    記ビタビ復号回路が誤動作しやすい帯域のノイズに対し
    てより確からしく復号を行うことのできるサブ復号手段
    と、上記サブ復号手段の出力信号を波形再等化してパー
    シャルレスポンス特性を有する信号に変換する第2の波
    形等化手段と、上記変換手段の出力信号の位相を上記第
    2の波形等化手段の出力信号の位相に合わせる第1の遅
    延手段と、上記第2の波形等化手段の出力信号と上記第
    1の遅延手段の出力信号との差分を取る第1の演算手段
    と、上記第1の演算手段の出力信号の低域成分を抽出す
    る抽出手段と、上記変換手段の出力信号の位相を上記抽
    出手段の出力信号の位相に合わせる第2の遅延手段と、
    上記抽出手段の出力信号と上記第2の遅延手段の出力信
    号との差分を取りその差分信号を上記ビタビ復号回路に
    供給する第2の演算手段とを備えることを特徴とするビ
    タビ復号装置。
  2. 【請求項2】 サブ復号手段は、上記変換手段でデジタ
    ル化された信号の最上位ビットデータを生成信号として
    出力することを特徴とする請求項1記載のビタビ復号装
    置。
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