JP3013059B2 - 両面キャストコート紙の製造方法 - Google Patents

両面キャストコート紙の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、包装用紙、包装用カー
トン、ノートや書籍の表紙、ファイル、カタログ、印刷
用紙などに使用される両面キャストコート紙の製造方法
に関するもので、高温、高湿、高圧下に於いてもブロッ
キングすることのない、強光沢で平滑性に優れた両面キ
ャストコート紙をリウエット法により生産する方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】キャストコート紙の製造方法は、ウエッ
トキャスト法、ゲル化キャスト法、リウエットキャスト
法などがある。このうち、リウエットキャスト法は、紙
にコートした塗料を予め乾燥させた後、乾燥塗料面に水
を主成分とする再湿潤液を塗布し塗料を膨潤可塑化せし
めて後、鏡面状に研磨されたキャストドラムに圧接して
乾燥し、平滑で強光沢のキャストコート紙を得る方法で
あり、ウエット法、ゲル化法に比べて生産性が大である
特徴を有している。
【0003】両面キャストコート紙の製造方法は、一工
程で表裏両面のキャスト層を同時に形成する方法も提案
されているが、一般には原紙の片面にキヤスト層を形成
する第一工程を終了して、コート紙を巻き取った後、引
き続き反対面にキャストコート層を形成せしめる第二工
程よりなっている。従来公知のキャストコート紙の一般
的な塗料組成物により両面キャスト紙をリウエット法に
よって製造すると、低温、低湿、低加圧下では問題はな
いが、30°C以上の高温度、90%以上の高湿度、3
t/m以上の高圧力下のそれぞれ単独もしくは複合条
件下に於いては塗被面同志がブロッキングして密着し、
印刷工程などの後加工時にブロッキング解除作業が必要
であるのみでなく、甚だしい時にはブロッキング解除の
剥離時に紙面の破壊を起こすなどの問題点がある。
【0004】 キャストコート紙用バインダーは、合成
樹脂系ラテックスとしてはスチレン−ブタジエン(SB
Rと略称する)、メチルメタクリレート−ブタジエン、
アクリル酸エステル系、酢酸ビニル系ラテックスなどが
あるが一般的にはSBRが使用されている。SBRとは
言っても近時はメチルメタクリレートが共重合されてい
る場合が多く、厳密にはSMBラテックスと言うべきで
あるがここではこれらも含めてSBRと称する。ブロッ
キングとバインダーの関連について説明すると、SBR
は熱可塑性の樹脂であるために配合比が大であるほど高
温時のブロッキングが大となる。また、水溶性バインダ
ーには澱粉、ポリビニルアルコール、カゼインなどがあ
るが、キャストコート紙には高度の耐水性とキャストド
ラム離型性に優れていることから一般にはカゼインが使
用されている。カゼインを多用すると高湿度時に水分に
より膨潤を起こしてブロッキングを加速することにな
る。
【0005】コート紙用塗料は顔料とこれを相互に結合
し、更に塗料を紙面に接着するバインダーと分散剤、消
泡剤、離型剤などの助剤とから構成される。塗料の主構
成材料である顔料は、白色顔料であり、白紙光沢、平滑
性、印刷適性などのキャストコート紙としての品質特性
に大きな影響を及ぼすばかりでなく、水蒸気透過性の指
標である透気度に大きく関係して生産性をも支配する。
顔料はまず大きく無機顔料と有機顔料に分けられる。無
機顔料としては、精製した天然鉱物質顔料であるカオリ
ンクレー、タルク、粉砕炭酸カルシウム、複合合成顔料
であるサチンホワイト、半合成顔料である酸化チタン、
沈降性炭酸カルシウム、水酸化アルミなどがある。無機
顔料は同一成分として分類されるものでも産地と製法に
よって多数の粒子形状や粒径があり、これらの選択によ
ってキャストコート紙の品質が支配されるばかりでなく
生産性にも大きな影響を及ぼす。
【0006】 有機顔料としては、種々の樹脂の単独も
しくは複合からなるプラスチックピグメント、顔料と接
着剤の一部を兼ね備えたバインダーピグメントなどがあ
り、更に中空構造、芯鞘の二重構造など多数の有機顔料
が上市されている。プラスチック顔料は、スチレン、尿
素樹脂など単体樹脂のみよりなるものと、スチレンを核
とし、外周にアクリル酸エステル、メチルメタクリレー
ト、アクリルニトリル、ブタジエンなどを配した二重構
造のものなどがあり、外周を覆う樹脂が接着機能を持つ
ものを上述したごとくバインダーピグメントとして分類
することもある。一次粒子の平均粒径は、ほぼ0.2〜
0.5ミクロンであり、密実型と中空型とがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】両面キャストコート紙
におけるブロッキングを防止するための対策の一つとし
て塗料に使用するバインダーからの対応がある。すなわ
ち、バインダーとして使用されるSBRの高温ブロッキ
ング性を低下せしめる対策としては、柔軟で粘着性の強
いブタジエンを低配合とし、硬くて非粘着性のスチレン
を高配合として共重合した、ガラス転移点の高いSBR
の使用は顕著な効果があるが、塗料が硬くなり、印刷に
続く後加工である製本や罫線入れなどの折り加工時に割
れ、折れなどのトラブルの原因となるばかりか接着強度
が低下してピッキング不良を生ぜしめ、これを防止する
ためにバインダー比率をアップすると、顔料粒子間の間
隙を埋めて透気度が不良となってブリスタートラブルの
原因となる。(ここでいうブリスターとは原紙表面にキ
ャストコート面を形成した後、反対面の加工を行なう第
二工程のキャストドラム通過時に、ドラム表面温度が高
温に加熱されているために、塗料および再湿潤液中の水
分が水蒸気となって原紙と第一工程の塗被層を透過して
揮散する際に、水蒸気が塗料層を通過出来ずに紙層内に
おける膨れ、即ち紙の層内もしくは層間剥離を発生する
現象をいう。)
【0008】ブリスターを防止するためにはキャストド
ラムの温度を低下せしめて急激な水蒸気の発生を抑制し
なければならないが、温度を下げるとバインダーのキュ
アリング不足のため塗料面の強度が低下し、印刷時にピ
ッキング不良などのトラブルの原因となる。かかるトラ
ブルを防止するためには速度を大幅に低下しなければな
らず生産性のダウンを来たすという問題点があった。本
発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するため
になされたもので、両面キャストコート紙の白紙光沢度
と平滑度を維持しつつ、耐ブロッキング性を改善する方
法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者は両面キャス
トコート紙の耐ブロッキング性を確保するための手段と
して鋭意研究の結果、亜鉛、マグネシウム、アルミニュ
ウム、チタニュウムを含む金属塩を少なくとも一種含む
水溶液を再湿潤液として使用すると、高温、高湿、高圧
下に於いてもブロッキングが発生しないか、したとして
も非常に軽微で印刷工程の原紙セット作業において容易
に解除される程度に軽減するという事実を見出だし解決
したものである。
【0010】 上記金属塩のうち代表的な硫酸亜鉛の水
溶液は、カゼインを含む顔料コート紙のキャレンダー処
理時に塗被面の耐水性を向上せしめるのに広く使用され
ているが、本発明のごとくリウエット法キャスト紙製造
の際、再湿潤液として使用することは従来の方法では不
可能であった。即ち、硫酸亜鉛水溶液をキャスト紙の再
湿潤液として使用すると、たとえそれが0.5%程度の
低濃度であっても、一度乾燥した塗料層への浸透、可塑
化が悪くキャスト紙の最も顕著な特色である白紙光沢が
不良で、ピンホールやクレーターも解消しない。これは
硫酸亜鉛に限らず本願発明の他の金属塩、即ち、亜鉛、
マグネシウム、アルミニュウム、チタニュウムを含む硫
酸、硝酸、酢酸、蟻酸、蓚酸および塩化物などの金属塩
水溶液を両面キャスト紙の製造において再湿潤液に使用
すると上述のごとく耐ブロッキング性は良好であるが得
られたキャストコート紙の白紙光沢度はJIS P 8
142による75度鏡面光沢度によって測定した数値で
70%以下となり、キャストコート紙としては使用に耐
えない程度の低光沢度となる。これは、これらの金属塩
水溶液が乾燥した塗料面を膨潤可塑化する機能に劣るた
めと考えられる。
【0011】 紙コーティング用塗料に用いられるSB
Rには接着強度はもとより耐水、耐摩、ピッキングなど
塗料に不可欠な強度を得るために、ドライヤーの熱や二
次添加物によって架橋反応を生成せしめる様にカルボキ
シル基、アミド基、エポキシ基、水酸基などの官能基が
共重合されているのが一般的であり、本発明も官能基を
持つSBRを使用する。なお、官能基を持つSBRを変
性SBRという。変性SBRとカゼインをバインダーと
する両面キャスト用塗料に再湿潤液として上記のごとき
金属塩を使用するとブロッキングが大幅に改善する原因
は必ずしも明らかではないが、塩を構成する金属と塗料
中のバインダーであるSBRの官能基とが反応して架橋
構造を形成してSBRの粘着性を押さえて高温における
耐ブロッキング性を、またカゼインの水酸基と反応して
金属コンプレックスを形成して耐水性を大として高湿に
おける耐ブロッキング性をもたらすものと考えられる。
【0012】 製造工程における塗料の乾燥と再湿潤液
の塗布条件を検討せるに、塗料をコートした後に塗料を
乾燥するドライヤー出口の塗被層中の水分を10〜25
%、より好ましくは12〜20%に調整し、ドライヤー
出口の直後において紙面温度が低下しないうちに金属塩
水溶液よりなる再湿潤液をダンピングしてキャストドラ
ムに圧接すると、塗被層には水分がかなり残留している
ことと、再湿潤液の塗布位置がドライヤー出口直後であ
ることから塗被層はドライヤーでの熱を保持しているた
めに容易に膨潤可塑化され、プレッシャーロールとキャ
ストドラムのニップによる加圧で容易に形成されると同
時に再湿潤液に使用した塩中の金属とバインダーの官能
基との反応が促進されて架橋構造を形成し、塗被面は充
分な白紙光沢と平滑性および耐ブロッキング性を併せ持
つ両面キャストコート紙が得られることが判り、解決し
たものである。
【0013】一般に塗料はドライヤーに於いて十分に加
熱乾燥されないと塗料面の強度が発現せず、印刷工程で
ピッキング不良のトラブルを起す。しかしながら本発明
のごとくバインダーとの反応性に優れた金属塩水溶液を
0.3%以上、より好ましくは0.5%以上使用すると
直ちに架橋反応を形成して、加熱されたキャストドラム
を通過した時点で十分なピッキング強度を発現する。ま
た、このようにして得られたキャスト紙は表面のバイン
ダーを一部ゲル化する作用があるために塗被層表面にミ
クロポーラスが生成して印刷適性にも優れたキャスト紙
が得られる。
【0014】耐ブロッキング性を得るためには、通常、
片面のみ金属塩水溶液を使用することで目的を達せられ
るが、更に高度の耐ブロッキング性を発揮せしめるには
第二工程の再湿潤液にも上記と同様の方法で金属塩水溶
液を使用する必要がある。しかしながら、第二工程では
塗料中の残存水分と、再湿潤液が第一、第二塗被面を通
過して揮散する際にブリスターを起こしやすいので、キ
ャストドラムにおいて過剰な加熱は好ましくないが、ド
ラム温度を低下するとピッキング強度が低下する。これ
を避けるに第二工程のキャストドラムの通過時間を延長
して緩やかに乾燥せしめるために、第一工程に比べて減
速することは止むを得ない。
【0015】 生産性の低下を極力防ぎつつ本発明を実
施するためには、透気度、即ち水蒸気透過性を高度に保
ち、強光沢性と良好な印刷適性、ピッキング強度などを
併せもつことが必要であり、このためには塗料組成面か
らの対面が要求される。本発明で使用する顔料は、紙の
片面に塗料をコートして片面キャストコート紙に仕上げ
た段階で、ガーレー透気度で1,000秒以下、JIS
P 8142による75度の入射角度で白紙光沢度8
0%以上とを同時に満足することが望ましい。しかしな
がら透気度と白紙光沢の関係は、顔料粒子径が大である
ほど透気度は良好であるが、逆に光沢度は低下するとい
う二律背反の関係にある。また、顔料の形状によっても
透気度と白紙光沢は大きく異なる。このため両物性を同
時に満足するような粒子径と形状を持った顔料を選択す
ることが重要である。
【0016】多数の無機、有機顔料のテストの結果、無
機顔料としては、キャストコート紙としての生産性を落
とさないための適度の透気度と強光沢を同時に満足する
ものとしてエンゲルハードコーポレーションのカオリン
UW−90、昭和電工(株)の水酸化アルミであるハイ
ジライトH−43を選定した。無機顔料の内で主流をな
すカオリンは、最も一般的な紙塗料用顔料であり、粒子
径の小さいものほどコート紙の白色度、光沢度が優れて
いるが水蒸気透過性の指標である透気度には劣る。水酸
化アルミは、薄い六角板状結晶型を持ち、白色度、光沢
度、平滑度の向上のみならず透気度の改良にも効果があ
る。
【0017】有機顔料としては透気度に優れた三井東圧
(株)の尿素系樹脂顔料のユーパールC−122を選定
した。ユーパールC−122は、平均一次粒子径は約
0.2μmであるが、塗料用顔料として使用する際には
二次凝集して5〜10ミクロンm以上の平均粒子径を形
成するため透気度には優れているが凝集体のため高度の
白紙光沢を発現することには問題がある。このため使用
する添加率には制限があり、30%以上の高添加とする
とキャストコート紙の白紙光沢を80%以上に維持する
ことは難しい。
【0018】また、透気度は、塗工量にも大きく影響さ
れる。透気度を良好に保つためには20g/m以下に
することが望ましいが、塗工量が少なくなると白紙光沢
が低下して80%を維持することが難しくなる。塗工量
が25g/m以上となると白紙光沢は良好となるが透
気度が不良となる。本発明は、塗工量20g/m程度
で80%以上の白紙光沢を発現するように研究されたも
のである。使用する原紙によっても透気度は大差があ
る。米坪量は勿論のこと、パルプ配合のN/L比、故紙
使用の有無、比率、填料の有無、種類、程度、分布状
態、密度などによって大きく変動する。
【0019】
【作用】透気度に優れた顔料配合とし、ドライヤー出口
の塗料水分を10〜25%、より好ましくは12〜20
%、と可塑化し易い状態にしてドライヤー出口直後で紙
面温度が高度に維持されている塗面に亜鉛、マグネシウ
ム、アルミニュウム、チタニュウムを含む硫酸、硝酸、
酢酸、蟻酸、蓚酸および塩化物などの金属塩水溶液を塗
布し、ラテックスの官能基と反応せしめて架橋構造をと
ることによりピッキング強度の向上とラテックスの粘着
性の低減をもたらし、同時にカゼインの水酸基を封鎖し
て耐水性を向上し、もって高温、高湿、高圧下の耐ブ
ロッキング性を発現せしめるとともに、バインダーをゲ
ル化せしめてミクロポーラス性を付与することにより、
透気度とピッキング強度を高度に維持するものである。
【0020】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。実施
例に示す部及び%は、重量部、重量%である。表1は塗
料配合を、表2は実施例を、表3は比較例を、図1は製
造装置の側面説明図をそれぞれ示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【図1】
【0025】実施例1 米坪100g/mの上質紙の片面に表1の塗料を塗布
量が約20g/mとなる様にエアーナイフコーターに
よって塗布し、ドライヤーによって塗料面の水分が12
〜20%になる様に乾燥し、ドライヤー出口の直後にあ
る図1の5の位置で硫酸亜鉛3%水溶液を塗布して後、
線圧150kg/cm、直径600mmのプレッシャー
ロールと120°Cに加熱された直径1,500mmの
キャストドラムからなる装置により圧接してキャスト仕
上げして巻き取る。この時の加工スピードは70m/
分、光沢度は84%であった。第二工程として、上記巻
き取りキャストコート紙の反対面に第一工程と同様にし
てコートし、乾燥し、液を塗布して両面リウエットキャ
スト加工を行う。第二工程ではプリスターの発生を防止
するためにドラム温度を100°Cに調整し、ドラム温
度の低下により塗層表面のピッキング強度が低下するの
防止するために加工スピードは40m/分に減速し
た。白紙光沢度とピンホールは表2に示すごとく良好で
ある。得られた両面キャスト紙を5cm×5cmにカッ
トし、表と裏面を交互に合わせて同じ寸法のステンレス
板の間にセットして10kg(4t/m)の荷重をか
けて30°C95%RHに調節された恒温恒湿槽に置
き、48時間後にブロッキング状態をチェックしたとこ
ろブロッキングはなく良好であった。
【0026】実施例2 第一工程は硫酸亜鉛の濃度を5%とした以外は実施例1
と同様にして加工した。第二工程は通常のリウエット法
により、ドライヤーで充分乾燥し、再湿潤液に水を使用
し、塗布位置もドラム近辺の図1に示す6で行なった。
第二工程の加工スピードは50m/分であった。このキ
ャスト紙のブロッキングは軽度のしごきにより容易に解
除する程度で良好であった。
【0027】実施例3 実施例3は硫酸亜鉛0.5%を第一工程、第二工程に使
用し、実施例1と同様な方法で加工した。第一、第二工
程の加工速度は実施例1と同様であるがブロッキングは
やや劣るものの軽度のしごきにより容易に解除される程
度で良好である。 実施例4 第一工程は硝酸亜鉛、第二工程は蟻酸亜鉛各々3%液を
塗布位置、図1の5/5で用いて表2のごとき結果を得
た。ブロッキングは、解除に僅かの力を要するが許容範
囲であった。 実施例5,6,7 それぞれ第一工程、第二工程で表2に示すごとく金属塩
水溶液の種類をかえてテストした。加工速度は実施例1
同様である。
【0028】
【比較例】比較例は表3に示す。 比較例1 表3に示すごとく再湿潤液は水を使用し、塗被層の乾燥
と再湿潤液塗布位置は通常のリウエット法と同様の図1
の6で行なった。白紙光沢度は高いが、ブロッキングは
大で、剥離する時にサンプルの基材が破壊した。 比較例2 再湿潤液にポリエチレンエマルジョン系離型剤を1%と
意識的に多量に使用したがドラムとの密着性が悪くピン
ホールが多発し、ブロッキング性も離型剤の大量添加の
割りには不良であった。 比較例3 蟻酸カルシウムを使用したが白紙光沢度は最も大である
もののブロッキングは不良であり、金属塩でも種類によ
っては耐ブロッキングに効果のないことが解る
【0029】比較例4 ブロッキングに最もすぐれていた硫酸亜鉛は0.2%の
低濃度でも通常のリウエット法では白紙光沢度が6〜7
ポイント低く、ブロッキング性も良くない。 比較例5,6,7 比較例5は硫酸亜鉛15%の高濃度では塗料面の水分の
如何を問わず面の成形性が充分でないことを示してい
る。比較例6は通常のリウエット法で硫酸亜鉛3%液を
使用したが可塑化せず光沢、ピンホールとも不良であ
る。比較例7は再湿潤液塗布位置がドラム近辺である以
外は実施例1と同様であり耐ブロッキング性は良好であ
るが光沢度、ピンホールはキャストコート紙としては不
充分である。
【0030】
【発明の効果】両面キャストコート紙は各種塗料コート
紙中の最高級グレードに位置し、最近の高級化指向に乗
って自動車用カタログ、通信販売用パンフレット、会社
案内などに多数使用されているが、夏期の高温高湿時に
ブロッキングが発生するという問題点があった。この防
止策をラテックスに求めると塗料の硬化による割れ、印
刷適性などの新たな問題点が発生するが、本発明は塗被
面水分を10〜25%、より好ましくは12〜20%と
し、特定の金属塩水溶液からなる再湿潤液をドライヤー
出口直後で使用して、高度の白紙光沢、平滑性と耐割れ
性を維持しつつブロッキングを防止する方法を確立し
た。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明におけるリウエット法キャストコ
ート紙製造法に用いた装置の説明図である。
【符号の説明】
1 アンリール 2 アプリケーターロール 3 エアーナイフ 4 ドライヤー 5 ドライヤー出口直後の再湿潤液塗布位置 6 ドラム近辺の再湿潤液塗布位置 7 プレッシャーロール 8 キャストドラム 9 ポープリール

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙の両面に官能基を有する合成ラテック
    スと水溶性ポリマーを接着剤とする塗料を塗被し、乾燥
    後再湿潤液により塗面を膨潤可塑化せしめて鏡面状に研
    磨された加熱ドラムに圧接して強光沢紙を製造するリウ
    エット法両面キヤストコート紙の製造において、再湿潤
    液塗布まえの塗被層の水分が10%以上25%以下であ
    る塗被面の片面もしくは両面に、再湿潤液として亜鉛、
    マグネシウム、アルミニュウム、チタニュウムを含む金
    属塩を少なくとも一種含む水溶液を用いることを特徴と
    する両面キャストコート紙の製造方法。
  2. 【請求項2】 亜鉛、マグネシウム、アルミニュウム、
    チタニュウムを含む塩が硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸、蓚酸
    および塩化物などの金属塩であり、濃度が0.3%以上
    10%以下であることを特徴とする請求項1の両面キャ
    ストコート紙の製造方法。
  3. 【請求項3】 塗料を塗被して所定水分に乾燥後、再湿
    潤液の塗布位置がドライヤー出口直後であることを特徴
    とする請求項1および2の両面キヤストコート紙の製造
    方法。
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