JP3011630B2 - 燃焼装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、燃料ガスと燃焼用空気
との混合気を燃焼する炎口が一端面に形成され、この炎
口に連通する混合室と、この混合室に燃料ガス及び燃焼
用空気を導入する導入口とが形成された扁平な燃焼部の
複数個が、間隔を隔てて並設され、燃焼用空気又は淡混
合気を吐出する吐出口が前記炎口と同一側に備えられ、
この吐出口に連通する通気室と、この通気室に燃焼用空
気を導入する空気導入口とが、前記燃焼部を構成部材と
して隣合う燃焼部どうしの間に形成され、前記燃焼部の
導入口に燃料ガスを供給するガス供給手段と、この燃焼
部の導入口及び前記空気導入口に燃焼用空気を供給する
空気供給手段とが設けられている燃焼装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】かかる燃焼装置は、装置全体の燃焼温度
を低くして窒素酸化物であるＮＯｘの発生を極力低減さ
せる為に、隣合う燃焼部どうしの間に燃焼用空気又は淡
混合気を吐出する吐出口を配置したものであり、従来、
図７に示すように、上述したような燃焼装置において、
燃焼部としての燃焼用バーナ０１に形成した濃混合気を
燃焼する為の濃用炎口０２の火炎形成部０３の左右両側
に、吐出口０４から高速で吐出される燃焼用空気または
淡混合気の流速を低下させる抵抗板０５を配置して、火
炎形成部０３に隣接する吐出口部分０７近くにおける燃
焼用空気や淡混合気の流速を低下させ、火炎形成部０３
で形成した火炎をリフトさせることなく、その火炎の吹
き消えを極力防止できるようにしている（例えば、実開
平６１−１４９６１５号公報参照）。

【０００３】そして、この従来技術においては、火炎形
成部０３に隣接する吐出口部分０７近くにおける燃焼用
空気や淡混合気の流速を低下させることのみを考慮し
て、隣合う燃焼用バーナ０１の隣接間隔のうちの当該燃
焼用バーナ０１側にのみ抵抗板０５を部分的に配置して
いるから、互いに対向している抵抗板０５の間には狭い
吐出口０４が形成されており、この狭い吐出口０４から
は、図中の矢印で示すように、燃焼用空気や淡混合気が
高速で吐出されることになる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この為、燃焼装置の点
火に際して、特定の燃焼用バーナ０１の火炎形成部０３
に点火して形成された火炎が、隣合う燃焼用バーナ０１
の火炎形成部０３を順に点火していく、所謂、火移り性
能が低下する欠点がある。つまり、隣合う燃焼用バーナ
０１の火炎形成部０３の間には狭い吐出口０４が形成さ
れているから、火炎形成部０３に形成された火炎が隣合
う燃焼用バーナ０１の火炎形成部０３に移ろうとする際
に、その火炎が狭い吐出口０４から高速で吐出される燃
焼用空気や淡混合気によって吹き飛ばされ易く、火移り
が阻害されるのである。

【０００５】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あって、その目的は、火移り性能を向上させることにあ
る。又、他の目的は、火炎形成部で形成した火炎の吹き
消えを極力防止して、安定した燃焼を可能にしながら、
火移り性能を向上させることにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の燃焼装置は、燃
料ガスと燃焼用空気との混合気を燃焼する炎口が一端面
に形成され、この炎口に連通する混合室と、この混合室
に燃料ガス及び燃焼用空気を導入する導入口とが形成さ
れた扁平な燃焼部の複数個が、間隔を隔てて並設され、
燃焼用空気又は淡混合気を吐出する吐出口が前記炎口と
同一側に備えられ、この吐出口に連通する通気室と、こ
の通気室に燃焼用空気を導入する空気導入口とが、前記
燃焼部を構成部材として隣合う燃焼部どうしの間に形成
され、前記燃焼部の導入口に燃料ガスを供給するガス供
給手段と、この燃焼部の導入口及び前記空気導入口に燃
焼用空気を供給する空気供給手段とが設けられている燃
焼装置であって、その第１特徴構成は、前記炎口がその
長手方向に沿って間隔を隔てて配置した複数の火炎形成
部からなり、前記吐出口から吐出させる燃焼用空気また
は淡混合気を整流する整流板が当該吐出口の長手方向に
沿って配置され、前記火炎形成部のうちの特定の火炎形
成部に隣接する吐出口の対応部分に、この吐出口から吐
出させる燃焼用空気又は淡混合気の流速を前記隣合う燃
焼部どうしの隣接間隔の全長に亘って低下させる抵抗体
が配置され、前記整流板を部分的に膨出させて形成した
屈曲部が前記抵抗体に構成されている点にある。

【０００７】

【０００８】

【０００９】第２特徴構成は、前記第１特徴構成におい
て、前記整流板の複数が吐出口の長手方向に直交する方
向に間隔を隔てて並設され、前記複数の整流板のうちの
燃焼部側に配置した整流板には、前記火炎形成部の各々
に対応させて、当該火炎形成部側に膨出する膨出部が各
別に設けられている点にある。

【００１０】第３特徴構成は、前記第１又は第２特徴構
成において、前記屈曲部が、前記隣合う燃焼部どうしの
隣接間隔を一定間隔に保持する間隔保持部材に兼用され
ている点にある。

【００１１】第４特徴構成は、前記第１，第２又は第３
特徴構成において、前記隣合う燃焼部どうしの間に形成
された吐出口が淡混合気を燃焼する淡用炎口に構成さ
れ、この淡用炎口に連通する前記通気室が淡混合気を生
成する淡用混合室に構成され、この淡用混合室に淡混合
気生成用の燃料ガス又は混合気を噴出する噴出口を有す
る淡用ガス導通路と、この淡用ガス導通路に燃料ガスを
供給する淡用ガス供給手段とが設けられ、かつ、前記燃
焼部が濃混合気を燃焼する濃燃焼部に構成されている点
にある。

【００１２】第５特徴構成は、前記第４特徴構成におい
て、前記淡用ガス導通路が、前記濃燃焼部の濃用炎口か
らの混合気吐出方向視において、前記濃燃焼部と重複す
る位置に配置されている点にある。

【００１３】

【作用】第１特徴構成による作用は、次の通りである。
火炎形成部のうちの特定の火炎形成部に隣接する吐出口
から吐出させる燃焼用空気又は淡混合気の流速が、隣合
う燃焼部どうしの隣接間隔の全長に亘って遅くなり、そ
の特定の火炎形成部に形成された火炎が、隣合う燃焼部
の火炎形成部に移ろうとする際に、その火炎が燃焼用空
気や淡混合気によって吹き飛ばされにくい。

【００１４】また、整流板によって整流した燃焼用空気
または淡混合気を吐出口から吐出させることができると
ともに、淡混合気を整流する場合は、吐出口から吐出さ
せようとする淡混合気をその整流板によって冷却でき
る。そして、吐出口の長手方向に沿って配置した整流板
を屈曲させて形成した屈曲部で抵抗体を構成することに
より、抵抗体を別途製作し、さらに、その抵抗体を別途
組み付けることを要しない。

【００１５】上述の作用に加えて、整流板を部分的に膨
出させて形成した屈曲部は、抵抗体としてだけでなく、
当該整流板のパネル強度を高めることができる。

【００１６】第２特徴構成による作用は、第１特徴構成
による作用に加えて、次の通りである。複数の整流板に
よって効果的に整流した燃焼用空気または淡混合気を吐
出口から吐出させることができるとともに、淡混合気を
整流する場合は、吐出口から吐出されようとする淡混合
気をそれらの整流板によって効果的に冷却できる。そし
て、複数の整流板のうちの燃焼部側に配置した整流板と
火炎形成部の各々との間の吐出口部分においては、その
整流板に設けた膨出部が燃焼用空気又は淡混合気の吐出
抵抗となり、火炎形成部近くにおける燃焼用空気又は淡
混合気の流速が遅くなって、それらの火炎形成部に形成
された火炎の各々がリフトしにくくなる。

【００１７】第３特徴構成による作用は、第１又は第２
特徴構成による作用に加えて、隣合う燃焼部どうしの隣
接間隔を一定間隔に保持する間隔保持部材を別途製作し
て、さらに、その間隔保持部材を別途組み付けることを
要しない。

【００１８】第４特徴構成による作用は、第１，第２又
は第３特徴構成による作用に加えて、所謂、濃淡燃焼装
置を構成することができる。

【００１９】第５特徴構成による作用は、第４特徴構成
による作用に加えて、濃燃焼部の間に形成した淡用混合
室内に淡用ガス導通路が位置せず、淡混合気が淡用混合
室内を通過する際の抵抗となりにくい。

【００２０】

【発明の効果】第１特徴構成による効果は、次の通りで
ある。特定の火炎形成部に形成された火炎が、隣合う燃
焼部の火炎形成部に移ろうとする際に、その火炎が燃焼
用空気や淡混合気によって吹き飛ばされにくいから、隣
合う燃焼部の火炎形成部を点火し易くなり、火移り性能
が向上する。

【００２１】また、整流した燃焼用空気または淡混合気
を吐出口から吐出させることができるから、燃焼を安定
させ易いとともに、淡混合気を整流する場合は、淡混合
気を冷却できるので、逆火を防止できる。特に、抵抗体
を別途製作して、その抵抗体を別途組み付けることを要
しないから、構造並びに組付けを簡略化できる。

【００２２】上述の効果に加えて、整流板のパネル強度
を高めることができるから、厚みの薄い整流板を使用し
て、装置全体の軽量化を図ることができる。

【００２３】第２特徴構成による効果は、第１特徴構成
による効果に加えて、次の通りである。効果的に整流し
た燃焼用空気または淡混合気を吐出口から吐出させるこ
とができるから、燃焼を一層安定させ易いとともに、淡
混合気を整流する場合は、淡混合気を効果的に冷却でき
るので、逆火を一層防止できる。特に、火炎形成部の各
々に形成された火炎がリフトしにくくなるから、火炎形
成部で形成した火炎の吹き消えを極力防止して、安定し
た燃焼を可能にしながら、火移り性能を向上させること
ができる。

【００２４】第３特徴構成による効果は、第１又は第２
特徴構成による効果に加えて、間隔保持部材を別途製作
して、さらに、その間隔保持部材を別途組み付けること
を要しないから、構造並びに組付けを簡略化できる。

【００２５】第４特徴構成による効果は、第１，第２又
は第３特徴構成による効果に加えて、濃淡燃焼装置を構
成することができるから、所望の火力を確保しながら、
装置全体の燃焼温度を低くして窒素酸化物の発生を極力
低減させ得る。

【００２６】第５特徴構成による効果は、第４特徴構成
による効果に加えて、淡混合気が淡用混合室内を通過す
る際の抵抗となりにくいから、燃焼用空気又は淡混合気
の圧力損失を低減できる。

【００２７】

【実施例】図１，図２は、例えば給湯装置のバーナユニ
ット等に使用する燃焼装置を示し、バーナケース１の内
側に、多数の第１通気孔２が形成されている通気壁３を
備えた箱状枠体４が取り付けられ、この箱状枠体４の内
部に、扁平な燃焼部としての濃燃焼用バーナ５の複数個
を位置決め状態で収容して、これらの濃燃焼用バーナ５
が所定間隔を隔てて平行に並設されている。

【００２８】前記バーナケース１には点火器５３と箱状
の燃料ガス供給室６が取り付けられ、点火器５３は、一
端側に配置した濃燃焼用バーナ５の長手方向中央に対応
させて設けられ、バーナケース１及び燃料ガス供給室６
と、箱状枠体４との間には、当該箱状枠体４の周壁７を
囲むように空気の通風路８が形成され、周壁７の下部に
は多数の第２通気孔９が形成されている。

【００２９】前記バーナケース１の底壁１０と通気壁３
との間に空気室１１が形成され、この底壁１０には空気
供給手段としてのファンＦの空気吐出口１２が開口さ
れ、空気吐出口１２から空気室１１に吐出された空気
は、箱状枠体４の内部と通風路８とに流入し、通風路８
に流入した空気は、主として後述する燃料ガスとの混合
気生成用に使用され、その残部がバーナケース１内面に
沿って上方に吐出される。

【００３０】前記濃燃焼用バーナ５の各々は、扁平な濃
用炎口１３が形成されている細幅の炎口板１４と、上端
側をこの炎口板１４周部に接続させてある扁平な筒状壁
１５とを備えている燃焼ケース１６の下側に、濃用炎口
１３に連通する濃用混合室１７と、この濃用混合室１７
に濃混合気生成用の燃料ガスと燃焼用空気を導入する濃
用導入口１８とを設けて構成され、濃用混合室１７に供
給された燃料ガスと燃焼用空気は、当該濃用混合室１７
と燃焼ケース１６とを通過する過程で混合されて濃混合
気が生成され、生成された濃混合気を濃用炎口１３から
吐出させて燃焼するように構成されている。

【００３１】前記濃用炎口１３は、複数の火炎形成部１
９を炎口板１４の長手方向に沿って所定間隔を隔てて配
置して構成され、これらの火炎形成部１９には、炎口板
１４の長手方向両端に配置した平面視でＶ字状の端部火
炎形成部２０と、これらの端部火炎形成部２０どうしの
中間位置に配置した複数の中間火炎形成部２１との二種
類があり、中間火炎形成部２１の各々は、炎口板長手方
向に対して直交する方向に長い３個のスリット状の混合
気噴出口を形成して構成されている。

【００３２】前記濃燃焼用バーナ５の下側に、後述する
淡用混合室としての通気室２３に淡混合気生成用の混合
気を噴出させる噴出孔２７を備えた淡用ガス導通路２８
と、この淡用ガス導通路２８に燃料ガスと燃焼用空気と
を導入する淡用導入口２９とが設けられている。

【００３３】前記濃燃焼用バーナ５と淡用ガス導通路２
８と淡用導入口２９は、折曲した一連の金属板をスポッ
ト溶接等で互いに張り合わせて構成され、淡用ガス導通
路２８は、濃燃焼用バーナ５の濃用炎口１３からの濃混
合気吐出方向視において、当該濃燃焼用バーナ５と上下
に重複する位置に配置され、濃用導入口１８と淡用導入
口２９の各々は、箱状枠体４の周壁７に形成した貫通孔
に接続されている。

【００３４】前記隣合う濃燃焼用バーナ５の炎口板１４
どうしの間に、燃焼用空気又は淡混合気を吐出する吐出
口２２が形成され、濃燃焼用バーナ５をその構成部材と
して、これらの濃燃焼用バーナ５どうしの間に形成され
た扁平な間隔空間が吐出口２２に連通する通気室２３に
構成され、濃燃焼用バーナ５どうしの間に位置させる状
態で通気室２３に連通している第１通気孔２が、この通
気室２３に燃焼用空気を導入する空気導入口に構成さ
れ、通気室２３のうちの燃焼ケース１６横側部分が、吐
出口２２から吐出させる燃焼用空気又は淡混合気を整流
する整流路２４に構成されている。

【００３５】前記整流路２４の各々には、図３に示すよ
うに、４枚の金属製の整流板２５，２６が吐出口２２の
長手方向に沿って配置され、これらの整流板２５，２６
は、炎口板１４の上面よりも上方に突出させる状態で、
吐出口２２の長手方向に直交する方向に間隔を隔てて並
設され、一つの濃燃焼用バーナ５の一側脇に配置した二
枚の整流板２５，２６を一組として、その一組ずつが各
濃燃焼用バーナ５の燃焼ケース１６の両側脇に対して間
隔を隔てて予め組付けられている。

【００３６】このように、整流板２５，２６を炎口板１
４の上面よりも上方に突出させると、当該整流板２５，
２６の放熱面積が広くなるので、後述の淡混合気を吐出
口２２から吐出する際に、その淡混合気を効果的に冷却
することができるとともに、淡混合気を濃混合気よりも
高い位置で燃焼させることができる。

【００３７】前記二枚を一組とする整流板２５，２６の
うちの濃燃焼用バーナ５側に配置した第１整流板２５に
は、中間火炎形成部２１の各々に対応させて、第１整流
板２５を屈曲させて形成した屈曲部としての、中間火炎
形成部２１側に部分的に膨出する第１膨出部４６が各別
に設けられている。

【００３８】また、前記二枚を一組とする整流板２５，
２６のうちの、濃燃焼用バーナ５から離れる外側に配置
した第２整流板２６には、第１整流板２５に設けた第１
膨出部４６のうちの整流板両端側に配置した第１膨出部
４６と整流板中央に配置した第１膨出部４７との各々に
対応させて、第２整流板２６を屈曲させて形成した屈曲
部としての、それらの第１膨出部側に部分的に膨出する
第２膨出部４８が設けられている。

【００３９】更に、第２膨出部４８のうちの整流板中央
部に配置した第１膨出部４７に対応させて設けた第２膨
出部４９の上部に、第２整流板２６を屈曲させて形成し
た屈曲部としての、その第２膨出部４９の膨出方向とは
逆方向に膨出する第３膨出部５０が設けられている。

【００４０】前記第１整流板２５と第２整流板２６は、
第１整流板２５は第１膨出部４６の各々を燃焼ケース１
６側面に接当させる状態で、また、第２整流板２６は第
２膨出部４８の各々を対応する第１膨出部４６の凹入面
側に接当させる状態で、燃焼ケース１６の各々に予め組
み付け固定され、隣合う濃燃焼用バーナ５どうしは、第
２整流板２６の第３膨出部５０どうしを互いに接当させ
る状態で箱状枠体４に収容されている。

【００４１】そして、図４，図５に示すように、中間火
炎形成部２１のうちの中央に配置した火炎形成部５１に
隣接する吐出口２２の対応部分に、第１整流板２５の中
央に配置した第１膨出部４７と、その第１膨出部４７に
隣合う第２膨出部４９と、互いに接当させてある第３膨
出部５０とからなる抵抗体５２が構成され、この抵抗体
５２で、火炎形成部５１に隣接する吐出口２２から吐出
させる燃焼用空気又は淡混合気の流速を、隣合う濃燃焼
用バーナ５どうしの隣接間隔の全長に亘って低下させ
て、バーナケース１の一端側に配置した濃燃焼用バーナ
５から他端側に配置した濃燃焼用バーナ５に亘る火移り
性能の向上を図っている。

【００４２】また、抵抗体５２を構成している第１膨出
部４７と第２膨出部４９と第３膨出部５０とが、隣合う
濃燃焼用バーナ５どうしの隣接間隔を一定間隔に保持す
る間隔保持部材に兼用されている。

【００４３】前記燃料ガス供給室６には、濃用混合室１
７に濃用燃料ガスを供給する濃用ガス供給手段としての
濃用ガスノズル３０と、淡用ガス導通路２８に淡用燃料
ガスを供給する淡用ガス供給手段としての淡用ガスノズ
ル３１とが、各々の濃用導入口１８と淡用導入口２９と
に対応させる状態で取り付けられ、濃用ガスノズル３０
の各々は対応する濃用導入口１８に差し込まれ、淡用ガ
スノズル３１の各々は対応する淡用導入口２９に差し込
まれている。尚、図６において示す右端の濃燃焼用バー
ナ５の下側に設けた淡用導入口２９には淡用ガスノズル
３１が差し込まれていない。

【００４４】そして、濃用ガスノズル３０から濃用導入
口１８内に燃料ガスを吹き込むと、そのエゼクタ作用に
よって通風路８内の空気が所定の割合で燃焼用空気とし
て当該濃用導入口１８内に吸引され、濃用混合室１７を
通過する過程でそれらが混合されて濃混合気を生成し、
生成した濃混合気は濃用炎口１３から吐出される。

【００４５】また、淡用ガスノズル３１から淡用導入口
２９内に燃料ガスを吹き込むと、そのエゼクタ作用によ
って通風路８内の空気が所定の割合で燃焼用空気として
当該淡用導入口２９内に吸引され、淡用ガス導通路２８
を通過する過程でそれらが混合されて淡混合気生成用の
混合気を生成し、生成した混合気は噴出孔２７から通気
室２３に噴出される。

【００４６】前記燃料ガス供給室６には、図６に示すよ
うに、濃用ガスノズル３０が連通する濃用燃料ガス室３
２と淡用ガスノズル３１が連通する淡用燃料ガス室３３
とに区画する第１区画壁３４が設けられ、濃用燃料ガス
室３２は、濃用ガスノズル３０が一つおきに連通する第
１濃用燃料ガス室３５と残りの濃用ガスノズル３０が連
通する第２濃用燃料ガス室３６とに区画する波形の第２
区画壁３７が設けられている。

【００４７】前記淡用燃料ガス室３３には淡用流量調整
弁３８を介して淡用燃料ガス供給路３９が、第１濃用燃
料ガス室３５には第１濃用流量調整弁４０を介して第１
濃用燃料ガス供給路４１が、第２濃用燃料ガス室３６に
は第２濃用流量調整弁４２を介して第２濃用燃料ガス供
給路４３が、各々接続され、淡用燃料ガス供給路３９と
第１，第２濃用燃料ガス供給路４１，４３がメインガス
量調整弁４４を介して燃料ガス供給路４５に接続されて
いる。

【００４８】そして、燃焼負荷が大きい高負荷時は、淡
用燃料ガス室３３と第１濃用燃料ガス室３５と第２濃用
燃料ガス室３６との各々に燃料ガスを供給し、燃焼負荷
が小さい低負荷時は、淡用流量調整弁３８を閉じるとと
もに第１濃用流量調整弁４０又は第２濃用流量調整弁４
２のいずれかを閉じて、第１濃用燃料ガス室３５又は第
２濃用燃料ガス室３６のいずれかに燃料ガスを供給し、
燃焼負荷が中くらいの中負荷時は、淡用流量調整弁３８
のみを閉じて、第１濃用燃料ガス室３５と第２濃用燃料
ガス室３６の双方に燃料ガスを供給するように構成して
ある。

【００４９】従って、高負荷時には、隣合う濃燃焼用バ
ーナ５の炎口板１４どうしの間に形成した吐出口２２の
全部が淡混合気を燃焼する淡用炎口として、また、濃燃
焼用バーナ５どうしの間に形成された通気室２３が淡混
合気を生成する淡用混合室として夫々機能し、濃用炎口
１３から吐出される濃混合気と淡用炎口２２から吐出さ
れる淡混合気とが燃焼される。尚、この淡混合気は、噴
出孔２７から淡用混合室２３に噴出された混合気と、第
１通気孔２を介して淡用混合室２３に流入した空気とが
当該淡用混合室２３を通過する過程で混合されて生成さ
れる。

【００５０】また、中負荷時或いは低負荷時には、噴出
孔２７からは混合気が噴出されず、第１通気孔２を介し
て流入した空気が濃燃焼用バーナ５に対する二次空気と
して通気室２３を通過し、吐出口２２から吐出される。

【００５１】〔その他の実施例〕１． 抵抗体は、燃焼部どうしの隣接間毎に異なる位置に
配置されていても良い。２． 本発明による燃焼装置は、淡混合気を燃焼させない
ものであっても良い。３． 前記実施例において、淡用導入口２９の各々と、淡
用ガスノズル３１の各々を互いに接続して、淡用ガス導
通路２８に淡用燃料ガスのみを供給するよう構成し、噴
出孔２７から通気室２３に噴出させた淡用燃料ガスと、
第１通気孔２から通気室２３に導入された燃焼用空気と
を混合して、淡混合気を生成するようにしても良い。

【００５２】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部断面側面図

【図２】一部切り欠き斜視図

【図３】要部斜視図

【図４】要部断面図

【図５】要部平面図

【図６】要部の一部断面側面図

【図７】従来例を示す要部断面図

【符号の説明】

２ 空気導入口 ５ 燃焼部（濃燃焼部） １３ 炎口（濃用炎口） １７ 混合室 １８ 導入口 １９ 火炎形成部 ２２ 吐出口（淡用炎口） ２３ 通気室（淡用混合室） ２５ 整流板 ２６ 整流板 ２７ 噴出口 ２８ 淡用ガス導通路 ３０ ガス供給手段 ３１ 淡用ガス供給手段 ４６ 膨出部 ４７ 屈曲部 ４９ 屈曲部 ５０ 屈曲部 ５１ 特定の火炎形成部 ５２ 抵抗体 Ｆ 空気供給手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石原 忍 大阪府大阪市港区南市岡１丁目１番52号 株式会社ハーマン内 (56)参考文献 特開 平７−269813（ＪＰ，Ａ) 特開 平６−193832（ＪＰ，Ａ) 実開 昭62−118923（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭62−156217（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F23D 14/08 F23C 11/00

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料ガスと燃焼用空気との混合気を燃焼
   する炎口（１３）が一端面に形成され、この炎口（１
   ３）に連通する混合室（１７）と、この混合室（１７）
   に燃料ガス及び燃焼用空気を導入する導入口（１８）と
   が形成された扁平な燃焼部（５）の複数個が、間隔を隔
   てて並設され、 燃焼用空気又は淡混合気を吐出する吐出口（２２）が前
   記炎口（１３）と同一側に備えられ、この吐出口（２
   ２）に連通する通気室（２３）と、この通気室（２３）
   に燃焼用空気を導入する空気導入口（２）とが、前記燃
   焼部（５）を構成部材として隣合う燃焼部（５）どうし
   の間に形成され、 前記燃焼部（５）の導入口（１８）に燃料ガスを供給す
   るガス供給手段（３０）と、この燃焼部（５）の導入口
   （１８）及び前記空気導入口（２）に燃焼用空気を供給
   する空気供給手段（Ｆ）とが設けられている燃焼装置で
   あって、 前記炎口（１３）がその長手方向に沿って間隔を隔てて
   配置した複数の火炎形成部（１９）からなり、前記吐出口（２２）から吐出させる燃焼用空気または淡
   混合気を整流する整流板（２５，２６）が当該吐出口
   （２２）の長手方向に沿って配置され、 前記火炎形成部（１９）のうちの特定の火炎形成部（５
   １）に隣接する吐出口（２２）の対応部分に、この吐出
   口（２２）から吐出させる燃焼用空気又は淡混合気の流
   速を前記隣合う燃焼部（５）どうしの隣接間隔の全長に
   亘って低下させる抵抗体（５２）が配置され、 前記整流板（２５，２６）を部分的に膨出させて形成し
   た屈曲部（４７，４９，５０）が前記抵抗体（５２）に
   構成されている 燃焼装置。
2. 【請求項２】 前記整流板（２５，２６）の複数が吐出
   口（２２）の長手方向に直交する方向に間隔を隔てて並
   設され、前記複数の整流板（２５，２６）のうちの燃焼
   部（５）側に配置した整流板（２５）には、前記火炎形
   成部（１９）の各々に対応させて、当該火炎形成部（１
   ９）側に膨出する膨出部（４６）が各別に設けられてい
   る請求項１記載の燃焼装置。
3. 【請求項３】 前記屈曲部（４７，４９，５０）が、前
   記隣合う燃焼部（５）どうしの隣接間隔を一定間隔に保
   持する間隔保持部材に兼用されている請求項 １又は２記
   載の燃焼装置。
4. 【請求項４】 前記隣合う燃焼部（５）どうしの間に形
   成された吐出口（２２）が淡混合気を燃焼する淡用炎口
   に構成され、この淡用炎口（２２）に連通する前記通気
   室（２３）が淡混合気を生成する淡用混合室に構成さ
   れ、この淡用混合室（２３）に淡混合気生成用の燃料ガ
   ス又は混合気を噴出する噴出口（２７）を有する淡用ガ
   ス導通路（２８）と、この淡用ガス導通路（２８）に燃
   料ガスを供給する淡用ガス供給手段（３１）とが設けら
   れ、かつ、前記燃焼部（５）が濃混合気を燃焼する濃燃
   焼部に構成されている請求項１，２又は３記載の燃焼装
   置。
5. 【請求項５】 前記淡用ガス導通路（２８）が、前記濃
   燃焼部（５）の濃用炎口（１３）からの混合気吐出方向
   視において、前記濃燃焼部（５）と重複する位置に配置
   されている請求項４記載の燃焼装置。