JP3010775B2 - 接木苗製造装置 - Google Patents

接木苗製造装置

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JP3010775B2
JP3010775B2 JP3094806A JP9480691A JP3010775B2 JP 3010775 B2 JP3010775 B2 JP 3010775B2 JP 3094806 A JP3094806 A JP 3094806A JP 9480691 A JP9480691 A JP 9480691A JP 3010775 B2 JP3010775 B2 JP 3010775B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、台木苗と穂木苗を自動
的に供給・接着して接木苗を製造する接木苗製造装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウリ科、ナス科の果菜類、特にガラス
室、ビニールハウス等の施設において栽培されている果
菜類の苗は、キュウリで85%、ナスで95%、スイカ
で100%が接木苗を用いている。接木苗を用いる主な
目的は連作障害回避、低温伸長性の付与であるが、近年
バイオテクノロジーの発展により品種改良に要する期間
が短縮されつつあるものの、接木苗使用効果を上回る効
果は現段階では期待できないのが現状である。
【0003】この接木作業はほとんどが手作業で行われ
ており、その作業能率は、たとえ簡単な器具を用いて行
ったとしても1人1日500〜700株程度である。こ
のように接木作業の作業能率の向上には限界があり、機
械化による能率化、高精度化が要請されている。
【0004】そこで従来、特開平2−107125号公
報に記載される接木苗製造装置が提案されている。この
接木苗製造装置は、台木苗及び穂木苗をそれぞれ別に人
手により載せる台木苗載せ台及び穂木苗載せ台と、台木
苗載せ台および穂木苗載せ台に載せられた苗の所定位置
を搬送アームにより把持してそれぞれ別に搬送する搬送
機構と、それぞれの搬送機構により搬送される苗を所定
位置で切断する切断機構と、両搬送機構により把持され
た台木および穂木の切断面を所定回動位置で対向させて
接合させ、その接合位置を固定する接着機構とを、いず
れも台板上に上向きに設置して成り、接着した接木苗は
台板に穿設した排出口から落下して収容するようにした
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの装置にあっ
ては、駆動部が搬送アームの下方に位置するため、接着
した苗を排出口から落下させる構成を採らざるを得ず、
アームの把持部を開放して苗を落下させる際に各搬送ア
ーム先端に苗の子葉が引っ掛かり次工程に支障をきたす
虞があり、また落下の衝撃により苗を損傷しやすい上、
排出した苗を各ポットに植付ける作業は人手で行わねば
ならない。また接合が失敗した場合には穂木搬送機構に
穂木の子葉部が残留するため、次順位の穂木苗を把持す
る工程に支障をきたすという問題点がある。さらに苗載
せ台に苗を供給する工程は人手で行う必要がある。
【0006】本発明はこの従来の接木苗製造装置の有す
る上記問題点に鑑み、これをさらに改良し、実用的かつ
作業能率の高い接木苗製造装置を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下のように構成した。
【0008】請求項1の発明は、所定位置で待機する台
木となる苗を台木苗把持手段により把持して接木位置ま
で搬送すると共に、所定の高さ位置に配置する台木搬送
機構と、所定位置で待機する穂木となる苗を穂木苗把持
手段により把持して接木位置まで搬送すると共に所定の
高さ位置に配置する穂木搬送機構と、前記両搬送機構で
搬送される各苗の所定部をそれぞれ切断する切断機構
と、前記両搬送機構で接木位置まで搬送された台木及び
穂木の両切断面を接着する接着機構とを備え、前記台木
搬送機構には、台木苗把持手段を昇降する昇降機構を備
えると共に、前記把持手段が下降して停止する位置には
苗配送機構を設けることを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、前記穂木搬送機構に
は、穂木苗を把持する穂木苗把持手段を、接木の終了後
に台木苗把持手段より先に接木位置より後退する後退機
構を備えることを特徴とする請求項1記載の接木苗製造
装置である。
【0010】請求項3の発明は、前記台木搬送機構の所
定位置に台木となる苗を供給する台木供給機構は、苗の
子葉下面の子葉展開基部付近を懸架する保持具と、該苗
の根鉢部を前方に押し出す根鉢押出具と、これら保持具
及び根鉢押出具を同時に駆動する手段とを備えることを
特徴とする請求項1または2記載の接木苗製造装置であ
る。
【0011】
【作用】上記のように構成した接木苗製造装置は、台木
となる苗が一本ずつ台木搬送機構に供給されると、台木
搬送機構はその苗を把持して接木位置まで搬送する。一
方、穂木となる苗が一本ずつ穂木搬送機構に供給される
と、穂木搬送機構はその苗を把持して接木位置まで搬送
する。そして、両搬送機構で搬送中の各苗を対応する切
断機構により所定部をそれぞれ切断し、台木及び穂木が
接木位置までくるとその両切断面を接着機構で接着して
接木苗を製造するものである。そして、この接木苗は、
台木苗把持手段により把持されて、下方に配置する苗配
送機構まで下降する。
【0012】
【実施例】本発明実施例につき以下に図面に従って説明
する。本発明の接木苗製造装置1は、台木育苗器11に
より育苗された台木となる苗が一本ずつ台木供給機構2
1により台木搬送機構31に供給されると、台木搬送機
構31はその苗を把持して接木位置まで搬送する一方、
穂木育苗器12により育苗された穂木となる苗が一本ず
つ穂木供給機構22により穂木搬送機構32に供給され
ると、穂木搬送機構32はその苗を把持して接木位置ま
で搬送するように構成する。そして、両搬送機構31,
32で搬送中の各苗は対応する切断機構41,42によ
り所定部がそれぞれ切断され、台木及び穂木が接木位置
までくるとその両切断面をクリップ挟着機構51で接着
し、接着済みの接木苗は配送コンベア71により所定位
置に向けて配送するように構成する。
【0013】上記台木供給機構21および穂木供給機構
22は、図2に示すとおり、いずれも台木苗3及び穂木
苗4をその子葉展開基部3a,4a付近を懸架して保持
すべき適当な間隔のスリットを有する保持具としての保
持板23と、該保持板23の下面より垂下して苗の根鉢
部を前方に押し出す根鉢押出具としての根鉢押出板24
とを、往復動可能な供給シリンダ25のロッド26の先
端に一体的に固着したものであり、これらを機枠2の左
右に夫々設置する。また苗が所定位置にきたことを検出
する反射型の光センサ27a,27bを、保持板23を
挟んで上下に夫々配置し、下方の光センサ27a及び上
方の光センサ27bが共に苗が所定位置にきたことを検
出すると、これに応動して供給シリンダ25のロッド2
6が前進するように構成する。
【0014】また台木搬送機構31は、支軸33aを中
心に回転用シリンダ31aにより180度回動可能な台
木搬送アーム34aと、該台木搬送アーム34aの先端
に台木をつかむために開閉自在に装着した左右一対のフ
ィンガー35a,35aを有し、また支軸33aはシリ
ンダ37により昇降自在に構成して支軸33aに一体の
台木搬送アーム34aを上下方向に昇降自在とする。穂
木搬送機構32は、支軸33bを中心に回転用シリンダ
32aにより180度回動可能な穂木搬送アーム34b
と、該穂木搬送アーム34bの先端に穂木をつかむため
に開閉自在に装着した左右一対のフィンガー35b,3
5bを有し、また穂木搬送アーム34bの後端はその長
さ方向に伸縮駆動するシリンダ36と接続してアーム3
4bはその長さ方向に前後動自在に構成する。台木搬送
機構31及び穂木搬送機構32は、図2に示すようにい
ずれも所定の高さ位置に配置してその下方に配送コンベ
ア71等が設定可能な空間を設ける。また、台木搬送ア
ーム34a及び穂木搬送アーム34bは、機枠2上桟部
に設置した駆動源であるシリンダ31a,32aの下方
にそれぞれ懸吊した形で設置する。さらに、前記光セン
サ27aに対向すべき位置に反射板28aを適宜に機枠
2に設けると共に、光センサ27bに対向する位置には
反射板28bを搬送アーム34a,34bに取付ける。
これら反射板28a,28bは上記光センサ27a,2
7bの発光部が発した光をこれらの受光部に向け夫々反
射するものである。
【0015】また、上記台木搬送機構31及び穂木搬送
機構32の各搬送アーム34a,34bの回動経路の途
中には、台木切断機構41及び穂木切断機構42を設け
る。この台木切断機構41及び穂木切断機構42は図1
に示すように、機枠2前桟部より夫々後方の支軸33
a,33bに向けて設置したシリンダ43a,43bの
先端に切断刃44,46を適宜の傾斜角度をもって取付
けたものである。なおこれらの切断機構は、例えば切断
刃44(,46)を円盤の外端に取付け、該円盤をモー
タ等により回転駆動するように構成しても良い。台木供
給機構21と台木切断機構41とは、台木搬送機構31
の支軸33aを中心に直交するように配置し、また穂木
切断機構42と穂木供給機構22とは、支軸33bを中
心に直交するように配置するのが好ましい。このような
配置にすると、組立ての際の位置決めやその微調整作業
等が容易となる。
【0016】本装置による接木苗接合に用いるクリップ
62は、手作業による接木苗製造工程に一般に用いられ
ているものであり、図3に示すようにその前端は上下に
張り出した突起62a,62aを有する。このクリップ
62を供給すべきクリップ挟着機構51は、椀体52の
内面に沿って螺旋状の上昇路53を設けて成る振動型の
パーツフィーダ54の取出し部に、四角筒体の上側面中
央部を長さ方向に切欠すると共に底面には突起62aを
誘導すべき溝を形成した誘導レール55を連結すると共
に、図3に示すとおり誘導レール55の前端上部にはク
リップ押出シリンダ56を備えるものであり、この誘導
レール55の前端は図1のように上記台木搬送機構31
の支軸33aと穂木搬送機構32の支軸33bを結ぶ線
上に位置させる。そしてクリップ挟着機構51は、上記
パーツフィーダ54からクリップ62を誘導レール55
へ順次装填し、クリップ押出シリンダ56のアームの前
進によりクリップ62を一個ずつ押し出して前方に供給
するように構成する。またクリップ挟着機構51前端上
部には、開閉自在のフィンガー59,59の先端に可撓
性ある挟持体60,60を延設して成る仮止め機構61
を配置する。
【0017】一方、育苗器11及び12は、台木苗3及
び穂木苗4を種子段階より栽培し、本装置による接木苗
製造工程に供するものである。この育苗器11及び12
は図4(a)に示すように前後に長い育苗器単体13,
13…を左右方向に多数並列したものである。各育苗器
単体13は、直方体の本体14に、苗3(,4)を栽培
すべき凹部15を長さ方向に複数個一定間隔で設け、そ
の各凹部15は配列方向と直交する両側部を開口して成
り、かつ各凹部15は育苗器単体13,13…を容器1
0内に収容したときには左右方向に一体的に連続するよ
うに構成する。この育苗器11,12は栽培時及び移送
時には容器10内に一体的に収容し、各凹部15,15
…には土や人工培地等の培土13bを装填すると共に、
これに種子を撤布して各凹部15に一本ずつの苗3(,
4)を栽培するものである。
【0018】16及び17は育苗器送り装置であり、台
木供給側B1と穂木供給側B2とで左右対称に構成す
る。即ち図1及び図2に示すように、上記育苗器11,
12を載置すべき育苗器載置台6,7を左右に設置し、
上記育苗器11,12を左右から機体中央方向に付勢す
べき適宜の機構(図示しない)を設けると共に、育苗器
単体13を前方に送るべき送りシリンダ19のアーム先
端に起立した支柱19aに、育苗器単体13の後端に係
合すべき送り爪18の中部を枢着し、該送り爪18の他
端には球体18aを固着し、この球体18aと遊嵌する
受部材20aを、支柱19aの内方に上方に向けて隣接
した送り爪駆動シリンダ20のアーム先端に一体的に接
続して成るものである。
【0019】そして図1に示すように、接合された接木
苗5を次工程に搬送すべき配送コンベア71を、機枠2
の下方に、上記苗供給方向(図中A1−A2方向)に対
して略直角方向(図中B1−B2方向)に配置する。こ
の配送コンベア71は、図示しないがポット供給工程及
び土詰め機を図中左方向に有すると共に、接木苗5を管
理すべき順化環境制御工程を図中右方向に有し、台木側
から穂木側に向かう方向にポット30を送るものであ
る。
【0020】本装置に用いる各エアシリンダ及び各フィ
ンガーには、図示しないエアコンプレッサから圧縮空気
を供給して作動する。これら各エアシリンダ及び各フィ
ンガーなどは、図示しないプログラマブルコントローラ
により後述のようにあらかじめ定めた順序により作動す
る。
【0021】しかして、本発明の接木苗製造装置1を作
動して、台木3及び穂木4を接合して接木苗5を製造す
る工程を説明する。
【0022】接木苗製造工程に先立ち、予め上記育苗器
単体13を左右に多数並列して構成した育苗器11,1
2を容器10内に収容し、各凹部15,15…に土や人
工培地等の培土13bを装填し、これに種子を撤布して
各凹部15に一本ずつの苗3(,4)を栽培しておく。
この栽培は光照射方向の調節等により、各苗3(,4)
の子葉3c,4cが一定方向になるように行い、特に後
述する理由から、台木苗3にあっては全て左右(A1−
A2)方向、穂木苗4にあっては全て前後(B1−B
2)方向に統一することが好ましい。
【0023】そして、育苗器11,12を育苗器送り装
置16,17の育苗器載置台6,7に載置したのち、育
苗器送り装置16,17を作動し、育苗器単体13を一
本ずつ前方に送る。即ち、送り爪駆動シリンダ20を駆
動して送り爪18を下向きに旋回させ、最も機枠2側に
位置する育苗器単体13の後端に係合したのち、送りシ
リンダ19を押出作動して該育苗器単体13を前方に徐
々に送り出す。このとき各育苗器単体13,13…に亙
って左右方向に連なった培土13bは図4(b)に示す
ように各育苗器単体13,13の境界面に沿って剪断さ
れ、送り出された育苗器単体13の各凹部15には、培
土13bが各凹部15の形状に対応したサイコロ状の根
鉢13cを成して載置された状態となる。
【0024】かくして前方に送られた育苗器単体13の
台木苗3が台木供給機構21の光センサ27a及び光セ
ンサ27bに共に検知されると、送りシリンダ19が一
旦停止すると共に供給シリンダ25が押出作動し、図7
(a)に示すように台木苗3の胚軸部3bを保持板23
のスリットにて挟持しつつ、台木苗3の根鉢13cを根
鉢押出板24により機体内方に向け押出して育苗器単体
13の凹部15より確実に取り出し、あらかじめ受取位
置で待機する台木搬送機構31の開状態のフィンガー3
5a,35aの間に突き出す。このとき、育苗器単体1
3から根鉢13cが脱すると苗3は根鉢13cの重量に
より落下しようとするが、子葉展開基部3aで保持板2
3上面のスリットに受け止められて保持される(図7
(b))。ここで苗3は根鉢13cの重量により子葉展
開基部3aが保持板23に受け止められるまで確実に下
降するので、苗の高さが多様であってもその子葉展開基
部3aを必ず保持板23の上面に正確に配置でき、その
後の切断工程等における切断位置の誤差を極めて小さく
押えることができる。またこのように育苗器単体13か
ら直接に台木苗3を取り出し保持板23に配置できるの
で、従来人手によって苗載せ台のスリットに配置してい
たこの苗配置工程を大幅に簡略化でき、苗の自動的な連
続供給を可能とするものである。さらに、根鉢押出板2
4が保持板23と同時に根鉢13cを押出すので、この
台木苗3の取出しに際して子葉3cや根に無理な牽引力
が加わることはなく、台木苗3を損傷する虞はない。加
えて、光センサ27a,27bを設け、苗3が所定の位
置にきたときに台木供給機構21の供給シリンダ25を
作動させるようにしたので、育苗器単体13の凹部15
内における苗3の位置にかかわらず確実に苗3を取出せ
て誤作動が少なく、また育苗する苗の種類にかかわらず
汎用性がある。さらに、上述のように光センサ27a及
び光センサ27bが共に苗を検知した場合にのみ供給シ
リンダ25が押出作動するように構成しているので、高
さが低く接木に適さない異常苗は高位置の光センサ27
bには検出されず、接合工程に供給されずに排除されて
前方に送られる。従って、異常苗を用いた不良接木苗の
発生を未然に防止できると共に、接合される相手方の苗
を無駄にしないという利点がある。
【0025】次に、突き出された台木苗3を台木搬送機
構31のフィンガー35a,35aを閉じて挟持し、ア
ーム34aを旋回してクリップ挟着機構51の先端であ
る接木位置まで搬送する。このとき、回動経路中に配置
した台木切断機構41によって、台木苗3の子葉展開の
片葉部分を約30度の切断角度で切断する。この切断工
程において不要の切断片は落下するが、上述のように駆
動源であるシリンダ31a,32aは搬送アーム34
a,34bより上方に設置しているので、これらシリン
ダ31a,32aに培土片などの異物が侵入する虞はな
い。
【0026】一方、穂木苗4に関してもこの台木苗3同
様の工程により、育苗器12から取出し、穂木供給機構
22の保持板23を介して穂木搬送機構32のフィンガ
ー35b,35bに挟持させ、そして搬送アーム34b
を旋回してクリップ挟着機構51の先端である接木位置
まで搬送する。穂木苗4はアーム34bの回動中に穂木
切断機構42により切断するが、この穂木の切断は、穂
木苗4の胚軸部を約10度の切断角度で切断する。
【0027】このようにしてクリップ挟着機構51の先
端である接木位置まで搬送された台木苗3と穂木苗4
は、各切断面を対向した状態で配置されるが、実際には
両切断面間には若干の間隙があるため、仮止め機構61
を作動して挟持体60により左右から接合部位を挟んで
両切断面を接合することにより仮止めする。ここでクリ
ップ挟着機構51が作動してクリップ62を前方に向け
供給し、台木苗3と穂木苗4の接合部位を左右側方から
クリップ62により挟着して接着することにより、接木
苗5を製造する。ここで、前述のように各台木苗3及び
穂木苗4はそれらの子葉3c,4cの方向を統一して栽
培した結果、接着時に台木苗3の子葉3cは穂木苗4の
子葉4cと略直角方向となるから、台木の子葉3cと穂
木の子葉4cが干渉しないので接合部が離反するような
力が掛からず、接木苗の活着率が向上し、また台木の子
葉の成長が穂木の子葉に妨げられることがないという利
点がある。
【0028】こののち、穂木搬送機構32のフィンガー
35b,35bを開状態にすると共に、穂木搬送アーム
34bはシリンダ36の作動により急速に後退させて穂
木苗4を手放す。その一方、台木搬送機構31のフィン
ガー35a,35aは接木苗5の胚軸部3bを挟持した
まま、シリンダ37の押出作動により下方の配送コンベ
ア71に向け下降し、配送コンベア71に上を配送され
てくるポット30に接木苗5の根鉢13cを載置したの
ち、フィンガー35a,35aを開状態とすれば、配送
コンベア71の移動により接木苗5はフィンガー35
a,35b間から脱出して搬送される。ここで、上述の
ように台木搬送機構31及び穂木搬送機構32は、上方
に配置すると共に、その下方に配置する配送コンベア7
1上に接木苗5を下降させるように構成したので、接木
苗5とりわけ根鉢13cの損傷を有効に防止できるとい
う利点がある。また接木苗5は配送コンベア71の移動
によりフィンガー35,35間より脱出して搬送される
ので、搬送アーム34aが再び上昇する際に接木苗5の
子葉部が搬送アーム34aに引掛かって上昇し次工程に
支障をきたす虞はない。
【0029】ここで、穂木搬送アーム26は上述のよう
にシリンダ25の作動により急速に後退するように構成
するので、接着工程における接着が失敗した場合にも、
フィンガー35b,35b上に残された穂木苗4は慣性
により搬送アーム26の後退作動に追従できず、落下排
出されるので、穂木搬送アーム26に残留することはな
く、穂木搬送アーム26は次順位の穂木苗4を把持する
工程を支障なく行う事ができるという利点がある。
【0030】そして配送コンベア71は接木苗5を図示
しない順化環境制御工程に搬送する。接合された台木苗
3と穂木苗4は、その後約2週間で活着するものであ
る。なお、異常苗を除いたすべての苗を供給し終えた育
苗器単体13は、機体前方に送ったのち適宜の装置によ
りこれを回収し、洗浄・殺菌等の処理を施したのち再利
用に供することができる。
【0031】その後、接着工程を終えた搬送アーム34
a,34bは逆方向に回動して苗供給機構21,22に
再び対向するが、ここで上述のように光センサ27bに
向け反射すべき反射板28bは搬送アーム34a,34
bに止着したので、苗の通過を検出すべき光センサ27
bによって搬送アーム34a,34bが定位置に復帰し
たことをも確認できるという利点がある。
【0032】ところで、上記育苗器11,12は、上述
の構成のほか図5(a)に示すように、育苗器単体13
に凹部15,15…を長手方向の一方に寄せると共に所
定間隔で設け、かつ、各育苗器単体13はその前後方向
を交互に反対にして複数並列した場合に、各凹部15が
いわゆる市松模様をなすように構成してもよい。この場
合には、各苗の左右に充分な空間が確保できるので、比
較的子葉の大きい品種の苗も小面積で余裕をもって育苗
でき、また適度の密植の結果苗の成育が均一になる上、
育苗器単体13を一本ずつ苗供給装置に送る工程におい
ては小さい押出力で培土13bを剪断しうるという利点
がある。さらに、図5(b)に示すように隣接する各凹
部15の開口部分が互いに連続するように構成すれば、
各凹部15に収容する培土13bは互いに接触してその
接触部分において水分がよく流通し、育苗器11全体に
おける各凹部15の培土13bの含有水分量を平均化で
きるという利点がある。また、これらいずれの場合にお
いても、育苗器単体13は単一種類を用いることができ
るので経済的である。
【0033】また、苗供給機構の他の実施例につき図6
に従って説明する。本実施例は上述の育苗器11,12
を用いずに、既存の育苗器であるプラグトレイ即ち上方
に向け口径を大きく形成し底部に水抜孔85bを有する
凹部85a,85a…を縦横に多数一体的に連設して成
る育苗器85を用いて、苗3を供給するためのものであ
る。即ち、図6(a)に示すように、苗3をその子葉展
開基部3a付近を懸架して保持すべき適当な間隔のスリ
ットを有する保持板23を、往復動可能な供給シリンダ
25のアーム26の先端に一体的に固着し、さらにその
下方には上向きにロッド87aを突出するシリンダ87
を設置し、該ロッド87a先端には爪88を突出し、爪
88基部には先端肩部89を設ける。しかして例えば適
宜手段により紙面の後方より育苗器85を前方に送って
図示の位置にきたタイミングで、シリンダ87のアーム
87aが上方に突出して根鉢13cを爪88により突き
刺し、先端肩部89によりこれを保持しつつ持上げる
(図6(b))。そして供給シリンダ25を押出作動し
て保持板23のスリットに苗3の胚軸部3bを挿入する
と共にアーム87aを下降すれば、苗3の子葉展開基部
3aは保持板23上面に確実に保持され(図6
(c))、苗3は供給シリンダ25の押出作動により搬
送アーム24aに供給される。このように構成すれば、
既存の育苗器85をそのまま利用して苗を供給できると
いう利点がある。
【0034】なお育苗器11は接木苗製造装置のほか、
苗を取出して供給する各種の装置において適用しうるも
のである。
【0035】
【発明の効果】以上のとおり構成した本発明は、以下の
ような効果を奏する。
【0036】請求項1の発明では、把持手段を昇降機構
により昇降自在にすると共に、その把持手段が下降して
停止する位置に苗配送機構を設けるので、接木苗を損傷
させずに自動的に次工程に搬送でき、省力化が実現でき
る。
【0037】請求項2の発明では、穂木苗把持手段は、
接木の終了後に台木苗把持手段より先に接木位置より後
退する後退機構を備えるので、接着機構による接着が失
敗した場合には、穂木苗は、穂木苗把持手段の後退動作
に追従できず、穂木苗把持手段から落下して残留するこ
とはない。もって穂木苗把持手段は次工程の作業を支障
なく実行できる。
【0038】請求項3の発明では、苗の子葉下面の子葉
展開基部付近を保持する保持具と、該苗の根鉢部を前方
に押し出す根鉢押出具と、これら保持具及び根鉢押出具
を同時に押出駆動するようにしたので、従来人手によっ
て保持板のスリットに配置していたこの苗配置工程を大
幅に簡略化でき、苗の自動的な連続供給を可能とすると
共に、台木苗の取出しに際して子葉や根に無理な牽引力
が加わらず、台木苗を損傷する虞はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の接木苗製造装置を示す斜視図で
ある。
【図2】本発明実施例の接木苗製造装置を示す正面図で
ある。
【図3】クリップ挟着機構の要部を示す斜視図である。
【図4】育苗器の実施例を示す斜視図であり、(a)は
その斜視図、(b)はその使用状態を示す斜視図であ
る。
【図5】(a)及び(b)は育苗器の他の実施例を示す
斜視図である。
【図6】(a),(b)及び(c)は苗供給機構の他の
実施例及びその作動を示す正面図である。
【図7】(a)及び(b)は苗供給機構の作動を示す正
面図である。
【符号の説明】
3 台木苗 4 穂木苗 5 接木苗 11,12 育苗器 15 凹部 23 保持板 24 根鉢押出板 21 台木供給機構 22 穂木供給機構 31 台木搬送機構 32 穂木搬送機構 41 台木切断機構 42 穂木切断機構 51 クリップ挟着機構 62 クリップ 71 配送コンベア
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01G 1/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定位置で待機する台木となる苗を台木
    苗把持手段により把持して接木位置まで搬送すると共
    に、所定の高さ位置に配置する台木搬送機構と、 所定位置で待機する穂木となる苗を穂木苗把持手段によ
    り把持して接木位置まで搬送すると共に所定の高さ位置
    に配置する穂木搬送機構と、 前記両搬送機構で搬送される各苗の所定部をそれぞれ切
    断する切断機構と、 前記両搬送機構で接木位置まで搬送された台木及び穂木
    の両切断面を接着する接着機構とを備え、 前記台木搬送機構には、台木苗把持手段を昇降する昇降
    機構を備えると共に、前記把持手段が下降して停止する
    位置には苗配送機構を設けることを特徴とする接木苗製
    造装置。
  2. 【請求項2】 前記穂木搬送機構には、穂木苗を把持す
    る穂木苗把持手段を、接木の終了後に台木苗把持手段よ
    り先に接木位置より後退する後退機構を備えることを特
    徴とする請求項1記載の接木苗製造装置。
  3. 【請求項3】 前記台木搬送機構の所定位置に台木とな
    る苗を供給する台木供給機構は、苗の子葉下面の子葉展
    開基部付近を懸架する保持具と、該苗の根鉢部を前方に
    押し出す根鉢押出具と、これら保持具及び根鉢押出具を
    同時に駆動する手段とを備えることを特徴とする請求項
    1または2記載の接木苗製造装置。
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