JP3010249B2 - Frp雄型の補強構造 - Google Patents

Frp雄型の補強構造

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三行 井野
康宏 前田
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株式会社イナックス
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、浴槽等の容器形状の成
形品を雄型と雌型とからなる成形型で成形し、圧縮エア
ーを用いて、脱型する場合の脱型性能の向上を図ったF
RP雄型の補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、浴槽等の容器形状の成形品を製造
するための成形型として、ガラス繊維強化プラスチック
(FRP)からなる合成樹脂型が用いられている。図4
に示す従来の浴槽用成形型は、浴槽の表面側を成形する
上向き凸形状の雄型12と、浴槽成形品11の裏面側を
成形する下向き凹形状の雌型13と、枠型14とで構成
されている。ここで、雄型12はガラスマット層やガラ
スクロス層等を多数積層したFRP型であり、雄型12
全体に亘ってその厚みは均等になされている。また、雄
型12は複数の補強材15を縦横に固定して雄型12が
内側に撓まないような頑構造になされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種のFR
P型の構造においては、雌型13を上方へ脱型した後
に、浴槽成形品11の底面に形成される排水孔16を介
して、浴槽成形品11の表面と雄型12の上面との間へ
圧縮エアーを注入して浴槽成形品11を下型12から脱
型しているが、従来のFRP雄型12は前記補強材15
によって頑丈に固定されているために、圧縮エアーが浴
槽成形品11の表面全体に亘わて十分に回らず、このた
め脱型しにくいという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のFRP雄型の補強構造は、浴槽等の成形品の底面と
なる部分からFRP雄型との間に注入される圧縮エアー
により脱型されるFRP雄型において、前記成形品の底
面となる部分及び上端縁となる部分を成形するFRP雄
型部分が他の部分よりも補強された構造である。
【0005】本発明に係る請求項2記載のFRP雄型の
補強構造は、請求項1記載における前記FRP雄型部分
の補強手段が、レジコンである構造である。
【0006】
【作用】請求項1においては、浴槽等の成形品の底面と
なる部分を成形するFRP雄型部分及び成形品の上端縁
となる部分が他の部分よりも補強されているので、成形
品の底面となる部分からFRP雄型との間に圧縮エアー
を注入した場合、該底面となる部分のFRP雄型部分を
膨れさせないで、圧縮エアーを成形品の側面壁にまで回
して、さらに成形品の上端縁となる部分まで十分に送る
ことができる。また、成形品の上端縁となる部分も補強
しているので、成形品の上端縁部分を変形させることも
ない。
【0007】請求項2においては、FRP雄型部分の補
強手段が、レジコンであるので、FRP雄型の強度に併
せて補強部分の強度を調整できるので、圧縮エアーの圧
力に応じた適度の強度を有する補強が簡単にできる。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係るFRP雄型の補強構造に
ついて図面を参照して説明する。図1はFRPからなる
合成樹脂型を用いた浴槽の成形状態を示す断面図であ
る。本発明に係るFRP雄型1は、樹脂又は人造大理石
等からなる浴槽成形品2を成形するための型構造の一部
を構成しており、雌型3,枠型4等の基本的な型構造は
図4に示す従来の型構造と同じである。FRP雄型1
は、ガラスマット層やガラスクロス層等を所定の順序で
多数積層して10mm程度の厚みの型であり、厚みは全
体に亘って一様になされている。このFRP雄型1は、
浴槽成形品2を成形部分により、底面を成形する底面成
形部5,浴槽成形品2の手摺り部に相当する上端縁部を
成形する上端縁成形部6,側面壁を成形する側面壁成形
部7に区分される。
【0009】前記底面成形部5及び上端縁成形部6の下
面側には、レジンコンクリート(いわゆる、レジコン)
からなる補強体8が固着されている。一方、側面壁成形
部7には、この種のレジコン製の補強体8は設けられて
いない。このため、側面壁成形部7は、底面成形部5及
び上端縁成形部6に比べて、脱型の際に注入する圧縮エ
アーの圧力に対してより柔軟性を有することになる。
【0010】上記構成からなるFRP雄型1において雌
型3を離型した後(図2参照)、浴槽成形品2の底面と
なる部分に形成される排水孔9からFRP雄型1との間
に、矢視するように圧縮エアーを注入すると、底面成形
部5及び上端縁成形部6が、側面壁成形部7よりもレジ
コンにより補強されているので、側面壁成形部7は圧縮
エアーを下方へ通しやすい状態のやや内寄りに膨れる
(図3参照)。このため、補強体8で補強している圧縮
エアーの注入口に当たる浴槽成形品2の底面や、圧縮エ
アーの出口にあたる浴槽成形品2の上端縁を損傷しない
ようにして、FRP雄型1の表面の全体に亘って離型に
必要なエアーを送ることができる。
【0011】すなわち、浴槽成形品2の底面に形成され
た排水孔9を通して圧縮エアーが注入されると、この圧
縮エアーの注入口に当たるFRP雄型1の底面成形部5
が補強体8により補強されているので、圧縮エアーの圧
力で底面成形部5が膨れることがなく、浴槽成形品2の
底面となる部分とFRP雄型1の表面との間に圧縮エア
ーが側面壁成形部7へ十分流れる。
【0012】而して、この側面壁成形部7には、補強体
8が設けられていないので、前記圧縮エアーは側面壁成
形部7をやや内寄りに膨れさせた状態にして上端縁成形
部6まで一気に注入される。そして、この上端縁成形部
6にも、補強体8が設けられているので、側面壁成形部
7に沿って流れてくる圧縮エアーが、上端縁成形部6に
おいて面方向に向かうが、補強体8を設けているため
に、浴槽成形体2の手摺り部を変形させることがない。
【0013】また、本例ではFRP雄型部分の補強手段
が、レジコンであるので、樹脂に加える硬化剤の使用量
によって補強強度を簡単に調整できるので、圧縮エアー
の圧力に応じたた適度の強度を有する補強を簡単にする
ことができる。勿論、レジコンに変えて、木材等の板材
や金属板や金属パイプ等で補強してもよく、金属板や金
属パイプで補強する場合には、FRP雄型部分との間に
シリコン等の弾性接着剤を貼付してこれら金属製の補強
体を雄型1に接着すればよい。
【0014】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、浴
槽等の容器を成形するためのFRP雄型において、圧縮
エアーを雄型と成形品との間に十分に送ることができる
ので、容易に脱型することができる。よって、成形品に
損傷を与えることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るFRP雄型の補強構造の実施例を
示す断面図である。
【図2】上型を離型した状態を示す断面図である。
【図3】圧縮エアーを注入した状態を示す断面図であ
る。
【図4】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…FRP雄型 2…浴槽成形品 3…雌型 5…底面成形部 6…上端縁成形部 7…側面壁成形部 8…補強体 9…排水孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−27509(JP,A) 特開 昭52−30861(JP,A) 特開 昭54−30264(JP,A) 実開 昭55−33747(JP,U) 実開 平5−88915(JP,U) 実開 平5−35227(JP,U) 実開 平3−70912(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B29C 33/38 B29C 33/46

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浴槽等の成形品の底面となる部分からF
    RP雄型との間に注入される圧縮エアーにより脱型され
    るFRP雄型において、前記成形品の底面となる部分及
    び上端縁となる部分を成形するFRP雄型部分が他の部
    分よりも補強されたことを特徴とするFRP雄型の補強
    構造。
  2. 【請求項2】 前記FRP雄型部分の補強手段が、レジ
    コンであることを特徴とする請求項1記載のFRP雄型
    の補強構造。
JP33523694A 1994-12-08 1994-12-08 Frp雄型の補強構造 Expired - Fee Related JP3010249B2 (ja)

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JPH08155967A JPH08155967A (ja) 1996-06-18
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