JP3010195B2 - ポリ(1,4−フェニレンオキシド)の製造方法 - Google Patents

ポリ(1,4−フェニレンオキシド)の製造方法

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JP3010195B2
JP3010195B2 JP10071440A JP7144098A JP3010195B2 JP 3010195 B2 JP3010195 B2 JP 3010195B2 JP 10071440 A JP10071440 A JP 10071440A JP 7144098 A JP7144098 A JP 7144098A JP 3010195 B2 JP3010195 B2 JP 3010195B2
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四郎 小林
浩 宇山
秀之 東村
貴久 小口
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐衝撃性に優れた
エンジニアリングプラスティックであるポリ(1,4−
フェニレンオキシド)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリ(1,4−フェニレンオキシド)の
製造は種々の方法が報告されており、酸素を酸化剤とし
て用い、劇物である塩化第1銅等の銅化合物とアミン類
からなる触媒を用いる方法が代表的である。しかし、酸
素を酸化剤とする方法では、酸素雰囲気下(空気下も含
む)における有機溶媒の爆発範囲を避けるために、反応
系を加圧にしなければならない等の欠点を有していた。
【0003】一方、過酸化物を酸化剤として用いる方法
は、不活性ガス雰囲気下でも反応可能であり、爆発範囲
を避けることができる。これまで、西洋ワサビペルオキ
シダーゼ触媒存在下に過酸化水素を酸化剤に用いる方法
が提案されているが、酵素触媒は工業的に利用するには
高価である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、過酸
化物を酸化剤として、安価な触媒を用いるポリ(1,4
−フェニレンオキシド)の製造方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、触媒に鉄錯体、酸化
剤に過酸化物を用いて2,6−ジ置換フェノール類を酸
化重合することによりポリ(1,4−フェニレンオキシ
ド)が得られることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。すなわち、本発明は、鉄錯体触媒の存在下に酸化剤
として過酸化物を用い、下記一般式(1)
【化1】 (式中、R1、R2は、それぞれ独立に置換基を有してい
てもよい炭化水素基、ハロゲン基、炭化水素オキシ基、
アミノ基又は置換アミノ基を示す)で表される2,6−
ジ置換フェノールを酸化重合することを特徴とするポリ
(1,4−フェニレンオキシド)の製造方法を提供する
ものである。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について詳しく説
明する。本発明で用いられる2,6−ジ置換フェノール
(以下、単にフェノールとも言う)は前記一般式(1)
で表されるものであり、このフェノールは単独で用いる
こともでき、また、2種以上を共に用いることもでき
る。
【0007】前記一般式(1)において、R1及びR2
炭化水素基を含むが、この炭化水素基には、脂肪族炭化
水素基及び芳香族炭化水素基が包含される。脂肪族炭化
水素基には、鎖状及び環状のアルキル基及びアルケニル
基が包含される。脂肪族炭化水素基の炭素数は、通常、
1〜20、好ましくは1〜8である。芳香族炭化水素基
は、単環又は多環のものであってよく、この芳香族炭化
水素基には、アリール基及びアリールアルキル基が包含
される。前記炭化水素基は、ハロゲン、炭化水素オキシ
基、アミノ基、置換アミノ基等の置換基を有していても
よい。前記置換基を有していてもよい炭化水素基の具体
例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、アミル、ヘキシ、ビニル、プロピレン、アリル、フ
ェニル、トリル、ベンジル、フェネチル、ナフチル、ナ
フチルメチル及びそれらの置換体等を挙げることができ
る。
【0008】前記一般式(1)において、R1及びR2
ハロゲン基を含むが、このハロゲン基としては、塩素、
臭素、ヨウ素及びフッ素が包含される。
【0009】前記一般式(1)において、R1及びR2
炭化水素オキシ基を含むが、この炭化水素オキシ基に
は、脂肪族炭化水素オキシ基及び芳香族炭化水素オキシ
基が包含される。脂肪族炭化水素オキシ基には、鎖状又
は環状のアルコキシ基及びアルケニルオキシ基が包含さ
れる。脂肪族炭化水素オキシ基の炭素数は、通常、1〜
20、好ましくは1〜8である。芳香族炭化水素オキシ
基は、単環又は多環のものであってよく、この芳香族炭
化水素オキシ基には、アリールオキシ基及びアリールア
ルキルオキシ基が包含される。前記炭化水素オキシ基
は、ハロゲン、アミノ基、置換アミノ基等の置換基を有
していてもよい。前記置換基を有していてもよい炭化水
素オキシ基の具体例としては、例えば、メトキシ、エト
キシ、プロピルオキシ、ブトキシ、アミルオキシ、ヘキ
シオキシ、ビニルオキシ、プロピレンオキシ、アリルオ
キシ、フェノキシ、トリルオキシ、ベンジルオキシ、フ
ェネチルオキシ、ナフチルオキシ、ナフチルメチルオキ
シ及びそれらの置換体等を挙げることができる。
【0010】前記一般式(1)において、R1及びR2
アミノ基又は置換アミノ基を含むが、この場合の置換ア
ミノ基は下記一般式(3)で表されるものを示すことが
できる。
【化3】 前記式中、R8及びR9は置換されていてもよい炭化水素
基を示す。この場合の炭化水素基及び置換基としては、
前記R1及びR2に関して示したものを挙げることができ
る。
【0011】本発明で用いる触媒は、鉄錯体触媒であ
る。このものは、常温で液状又は固体状であることがで
きる。また、鉄錯体触媒は、反応条件下においては、原
料フェノールや反応溶媒に対して可溶性を示すものが好
ましい。本発明で用いる鉄錯体触媒において、その配位
子としては、鉄イオンに配位し得る構造の有機化合物で
あればよく、このようなものには、アミノ基や水酸基、
カルボン酸基等を分子中に1つ又は複数個含有する有機
化合物、例えば、鎖状又は環状アミン、フェノール化合
物、安息香酸等が包含される。
【0012】本発明で好ましく用いられる鉄錯体触媒
は、下記一般式(2)で表されるものである。
【化2】 前記式中、R3は二官能性炭化水素基を表し、R4及びR
5はそれぞれ独立に水素、炭化水素基を示し、R6及びR
7はそれぞれ独立に水素、置換されていてもよい炭化水
素基、ハロゲン基、炭化水素オキシ基、アミノ基又は置
換アミノ基を示す。
【0013】前記R3は2官能性炭化水素基を示すが、
このようなものには、2価脂肪族炭化水素基及び2価芳
香族炭化水素基が包含される。2価脂肪族基としては、
炭素数1〜20、好ましくは1〜8のアルキレン基が挙
げられ、2価芳香族基としては、フェニレン、トリレ
ン、ナフチレン等のアリーレン基の他、フェニレンジメ
チレン(−CH264CH2−)等のフェニレンジアル
キレン基等が挙げられる。
【0014】前記R4及びR5は、置換されていてもよい
炭化水素基を示すが、このようなものとしては、前記一
般式(1)のR1及びR2に関して示したものを挙げられ
ることができる。
【0015】前記R6及びR7は置換されていてもよい炭
化水素基、ハロゲン基、炭化水素オキシ基、アミノ基及
び置換アミノ基を包含するが、このようなものとして
は、前記一般式(1)のR1及びR2に関して示したもの
を挙げることができる。
【0016】本発明において鉄錯体触媒は、単独又は2
種以上を混合して用いることができる。これらは任意の
量を使用することができるが、一般的には原料フェノー
ルに対して、好ましくは0.001〜50モル%、さら
に好ましくは0.01〜1モル%程度使用する。
【0017】本発明の方法は、第3級アミンの存在下で
実施するのが好ましい。第3級アミンを反応系に存在さ
せることにより、重合活性の向上等の効果を得ることが
できる。第3級アミンは、常温で液体ないし固体状のも
ので、原料フェノールや反応溶媒に可溶性を示すもので
あれば従来公知の各種のものが用いられる。第3級アミ
ンの使用量は、原料フェノールに対して、0.01〜1
0重量%の割合で用いるのが好ましい。第3級アミンの
具体例としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミ
ン、2、6−ルチジン、N,N,N,−N−テトラエチル
エチレンジアミン等が挙げられる。
【0018】酸化剤として用いる過酸化物は、従来公知
の各種のもの(有機過酸化物、過酸化水素等)使用でき
るが、好ましくは過酸化水素が使用される。過酸化水素
は任意の濃度で使用できる。使用される過酸化物は、原
料フェノールに対して2モル当量以下にすることが好ま
しい。
【0019】本発明において、原料フェノールの酸化重
合は、反応溶媒の存在下に行うことが好ましい。反応溶
媒は触媒に不活性であり、また、触媒をある程度溶解す
るものであれば公知の各種の有機溶媒を使用できる。一
般には、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジ
メトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン
などの炭化水素類;アルコール類;アミド類;ニトリル
類などの有機溶媒、またはそれらと水を混合したもの等
が用いられる。
【0020】反応温度は、反応媒体が液状を保つ範囲で
あればよいが、好ましくは−20℃〜80℃である。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これらの実施例は本発明を限定するものではな
い。
【0022】実施例1 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2,6−ジ
メチルフェノール611mgと触媒のμ−オキソビス
{N,N−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(II
I)}〔前記一般式(2)において、R3:−C24
4、R5、R6、R7:H〕3.3mgを入れ、これに1,
4−ジオキサン10mLとピリジン0.1mLを加え、
撹拌により溶解させた。さらに5wt%過酸化水素3.
4mLを1時間にわたって加え、その後2時間撹拌し
た。反応終了後、メタノール100mLに反応液を加え
てポリマーを析出させた。これを遠心分離により単離
し、真空乾燥することにより黄色の粉末556mgを得
た。得られたポリマーについて日本電子製EX−270
を用いてNMR測定をしたところ、ポリ(1,4-フェ
ニレンオキシド)の生成が確認された。また、その分子
量を東ソー製HLC−8010ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーを用いて求めたところ、標準ポリスチ
レン換算値として、数平均分子量11300、分子量分
布1.39であった。
【0023】実施例2 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2.6−ジ
メチルフェノール611mgと触媒のμ−オキソビス
{N,N−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(II
I)}3.3mgを入れ、これに1,4−ジオキサン10m
Lを加え、撹拌により溶解させた。さらに5wt%過酸
化水素3.4mLを1時間にわたって加え、その後2時
間撹拌した。反応終了後、メタノール100mLに反応
液を加えてポリマーを析出させた。これを遠心分離によ
り単離し、真空乾燥することによりポリマー粉末477
mgを得た。得られたポリマーのゲルパーミエーション
クロマトグラフィー測定をしたところ、標準ポリスチレ
ン換算値として、数平均分子量16400、分子量分布
1.47のピークと数平均分子量1300、分子量分布
1.20のピークが見られ、各々のピークの面積比は5
0:50であった。
【0024】実施例3 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2,6−ジ
メチルフェノール611mgと触媒のμ−オキソビス
{N,N−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(II
I)}3.3mgを入れ、これにテトラヒドロフラン10
mLとピリジン0.1mLを加え、撹拌により溶解させ
た。さらに5wt%過酸100mLに反応液を加えてポ
リマーを析出させた。これを遠心分離により単離し、真
空乾燥することによりポリマー粉末556mgを得た。
得られたポリマーの分子量をゲルパーミエーションクロ
マトグラフィーを用いて求めたところ、標準ポリスチレ
ン換算値として、数平均分子量16400、分子量分布
1.36であった。
【0025】実施例4 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2,6−ジ
メチルフェノール611mgと触媒のμ−オキソビス{N,N
−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(III)}3.
3mgを入れ、これにジメトキシエタン10mLとピリ
ジン0.1mLを加え、撹拌により溶解させた。さらに
5%過酸化水素3.4mLを1時間にわたって加え、そ
の後2時間撹拌した。反応終了後、メタノール100m
Lに反応液を加えてポリマーを析出させた。これを遠心
分離により単離し、真空乾燥することによりポリマー粉
末556mgを得た。得られたポリマーの分子量をゲル
パーミエーションクロマトグラフィーを用いて求めたと
ころ、標準ポリスチレン換算値として、数平均分子量1
8700、分子量分布1.38であった。
【0026】実施例5 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2,6−ジ
メチルフェノール611mgと触媒のμ−オキソビス
{N,N−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(II
I)}3.3mgを入れ、これにアセトニトリル10mL
とピリジン0.1mLを加え、撹拌により溶解させた。
さらに5wt%過酸化水素3.4mLを1時間にわたっ
て加え、その後2時間撹拌した。反応終了後、メタノー
ル100mLに反応液を加えてポリマーを析出させた。
これを遠心分離により単離し、真空乾燥することにより
ポリマー粉末556mgを得た。得られたポリマーの分
子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い
て求めたところ、標準ポリスチレン換算値として、数平
均分子量2270、分子量分布1.57であった。
【0027】実施例6 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2,6−ジ
メチルフェノール611mgと触媒のμ−オキソビス
{N,N−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(II
I)}3.3mgを入れ、これにイソプロパノール10m
Lとピリジン0.1mLを加え、撹拌により溶解させ
た。さらに5wt%過酸化水素3.4mLを1時間にわ
たって加え、その後2時間撹拌した。反応終了後、メタ
ノール100mLに反応液を加えてポリマーを析出させ
た。これを遠心分離により単離し、真空乾燥することに
よりポリマー粉末428mgを得た。得られたポリマー
の分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーを
用いて求めたところ、標準ポリスチレン換算値として、
数平均分子量2210、分子量分布1.36であった。
【0028】実施例7 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2,6−ジ
メチルフェノール611mgと触媒のμ−オキソビス{N,N
−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(III)}3.
3mgを入れ、これにN,N−ジメチルホルムアミド1
0mLとピリジン0.1mLを加え、撹拌により溶解さ
せた。さらに5%過酸化水素3.4mLを1時間にわたっ
て加え、その後2時間撹拌した。反応終了後、メタノー
ル100mLに反応液を加えてポリマーを析出させた。
これを遠心分離により単離し、真空乾燥することにより
ポリマー粉末600mgを得た。得られたポリマーの分
子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用い
て求めたところ、標準ポリスチレン換算値として、数平
均分子量1930、分子量分布1.40であった。
【0029】実施例8 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2,6−ジ
メチルフェノール611mgと触媒のμ−オキソビス
{N,N−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(II
I)}3.3mgを入れ、これに1,4−ジオキサン8mL
と蒸留水2mLとピリジン0.1mLを加え、撹拌によ
り溶解させた。さらに5wt%過酸化水素3.4mLを
1時間にわたって加え、その後2時間撹拌した。反応終
了後、メタノール100mLに反応液を加えてポリマー
を析出させた。これを遠心分離により単離し、真空乾燥
することによりポリマー粉末452mgを得た。得られ
たポリマーの分子量をゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーを用いて求めたところ、標準ポリスチレン換算
値として、数平均分子量3840、分子量分布1.64
であった。
【0030】実施例9 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2,6−ジ
メチルフェノール611mgと触媒のμ−オキソビス
{N,N−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(II
I)}3.3mgを入れ、これに1,4−ジオキサン10m
Lと2,6−ルチジン0.1mLを加え、撹拌により溶
解させた。さらに5wt%過酸化水素3.4mLを1時
間にわたって加え、その後2時間撹拌した。反応終了
後、メタノール100mLに反応液を加えてポリマーを
析出させた。これを遠心分離により単離し、真空乾燥す
ることによりポリマー粉末556mgを得た。得られた
ポリマーの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーを用いて求めたところ、標準ポリスチレン換算値
として、数平均分子量13900、分子量分布1.56
であった。
【0031】実施例10 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2,6−ジ
メチルフェノール611mgと触媒のμ−オキソビス
{N,N−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(II
I)}3.3mgを入れ、これに1,4−ジオキサン10m
Lとトリエチルアミン0.1mLを加え、撹拌により溶
解させた。さらに5wt%過酸化水素3.4mLを1時
間にわたって加え、その後2時間撹拌した。反応終了
後、メタノール100mLに反応液を加えてポリマーを
析出させた。これを遠心分離により単離し、真空乾燥す
ることによりポリマー粉末556mgを得た。得られた
ポリマーの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラ
フィーを用いて求めたところ、標準ポリスチレン換算値
として、数平均分子量9630、分子量分布1.28で
あった。
【0032】実施例11 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2−メチル
−6−アリルフェノール741mgと触媒のμ−オキソ
ビス{N,N−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト
鉄(III)}3.3mgを入れ、これに1,4−ジオキサン
10mLとピリジン0.1mLを加え、撹拌により溶解
させた。さらに5wt%過酸化水素3.4mLを1時間
にわたって加え、その後2時間撹拌した。反応終了後、
メタノール100mLに反応液を加えてポリマーを析出
させた。これを遠心分離により単離し、真空乾燥するこ
とによりポリマー粉末655mgを得た。得られたポリ
マーについてNMR測定を行ったところ、ポリ(1,4
−フェニレンオキシド)の生成が確認された。また、ポ
リマーの分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ
ィーを用いて求めたところ、標準ポリスチレン換算値と
して、数平均分子量8710、分子量分布3.42であ
った。
【0033】実施例12 電磁撹拌機を備えた50mL丸底フラスコに2,6−ジ
フェニルフェノール1.23gと触媒のμ−オキソビス
{N,N−ジ(サリチリジン)エチレンジアミナト鉄(II
I)}3.3mgを入れ、これに1,4−ジオキサン10
mLとピリジン0.1mLを加え、撹拌により溶解させ
た。さらに5wt%過酸化水素3.4mLを1時間にわ
たって加え、その後2時間撹拌した。反応終了後、メタ
ノール100mLに反応液を加えてポリマーを析出させ
た。これを遠心分離により単離し、真空乾燥することに
よりポリマー粉末721mgを得た。得られたポリマー
についてNMR測定を行ったところ、ポリ(1,4−フ
ェニレンオキシド)の生成が確認された。また、分子量
をゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて求
めたところ、標準ポリスチレン換算値として、数平均分
子量1490、分子量分布1.22であった。
【0034】
【発明の効果】本発明のポリ(1,4−フェニレンオキ
シド)の製造方法は、2,6−置換フェノールを反応原
料として用いるとともに酸化剤として過酸化物を用い、
触媒として鉄錯体を用いる方法であり、目的製品を収率
良くかつ安価に製造することができ、その産業的意義は
多大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 東村 秀之 茨城県つくば市梅園2−13−1 住友化 学梅園社宅3−201 (72)発明者 小口 貴久 茨城県つくば市春日3−5−5 モア・ リッシェルつくば春日101 審査官 ▲吉▼澤 英一 (56)参考文献 特開 平8−53545(JP,A) 特開 平9−286854(JP,A) 特開 平9−291146(JP,A) 特公 昭47−32837(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/00 - 65/48 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄錯体触媒の存在下に酸化剤として過酸
    化物を用いて、下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1、R2は、それぞれ独立に炭化水素基、ハロ
    ゲン基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、アミノ基
    又は置換アミノ基を示す)で表される2,6−ジ置換フ
    ェノールを酸化重合することを特徴とするポリ(1,4
    −フェニレンオキシド)の製造方法。
  2. 【請求項2】 過酸化物が過酸化水素であることを特徴
    とする請求項1記載のポリ(1,4−フェニレンオキシ
    ド)の製造方法。
  3. 【請求項3】 鉄錯体触媒が、下記一般式(2) 【化2】 (式中、R3は二官能性炭化水素基を示し、R4及びR5
    はそれぞれ独立に水素、炭化水素基又は置換炭化水素基
    を示し、R6及びR7はそれぞれ独立に水素、炭化水素
    基、ハロゲン基、置換炭化水素基、炭化水素オキシ基、
    アミノ基又は置換アミノ基を示す)で表される鉄錯体で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載のポリ(1,
    4−フェニレンオキシド)の製造方法。
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