JP3009364U - 積層構造体 - Google Patents

積層構造体

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JP3009364U JP1994010094U JP1009494U JP3009364U JP 3009364 U JP3009364 U JP 3009364U JP 1994010094 U JP1994010094 U JP 1994010094U JP 1009494 U JP1009494 U JP 1009494U JP 3009364 U JP3009364 U JP 3009364U
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山 隆 雅 守
水 俊 宏 清
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温、高湿状態でのガラス板との接着耐久性
に優れた位相差板として有用な積層構造体を提供するこ
と。 【構成】 位相差フィルム(1)/シラン系化合物層
(2)/アクリル系粘着剤層(3)の構成を有する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】 本考案は、位相差フィルムを有する積層構造体に関し、更に詳しくはガラス基 材との接着性、特に湿熱条件下での接着性に優れた位相差板用の積層構造体に関 する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子卓上計算機、電子時計、ワープロ、自動車や機械類の計器類等 に液晶表示装置が用いられており、該表示装置の視認性の向上を目的としてポリ ビニルアルコール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ エーテルスルフォン系樹脂、ポリアリレート系樹脂等の光学フィルムを用いた位 相差フィルムや位相差板が多用されている。 該位相差板に用いられている光学フィルム、即ち位相差フイルムとして実用に 供されているものとして、入射光線の波長λに対して1/4λの位相差が生じる 機能を有する、いわゆる1/4波長板がある。これは直線偏光と円偏光との相互 交換素子として、レーザー光線のビームスプリッター等に使用されている。 また、STN型液晶ディスプレイ(STN−LCD)において、STN−LC Dの色ずれ防止のために位相差フイルムが用いられるようになっている。 そして、該位相差フィルムとしては、延伸処理等により複屈折性が付与された ポリビニルアルコールフィルム等の光学フィルムが用いられており、該フィルム の両面に三酢酸セルロースフィルム等の保護層が積層されて、位相差板(保護層 /位相差フィルム/保護層)として用いられている。 実際には、位相差フィルム/アクリル系粘着剤、保護層/位相差フィルム/保 護層/アクリル系粘着剤等の構成で、液晶セル面等の基材に貼着されて利用され ている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の如き構成を有するアクリル系粘着剤層が設けられた位相 差フィルム或いは位相差板では、ガラス基材との接着性、特に湿熱条件下での接 着性に劣るという欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本考案者は上記の如き現況に鑑み、位相差フィルム/シラン系化合物 層/アクリル系粘着剤層或いは保護層/位相差フィルム/保護層/シラン系化合 物層/アクリル系粘着剤層の構成を有する積層構造体が、表示パネル等のガラス 基材に貼着されたとき、湿熱条件下での接着性及び位相差特性に優れることを見 いだし本考案の完成に至った。
【0005】 本考案にかかる積層構造体を図面を用いて説明する。 図1〜4は、本考案にかかる積層構造体を示す断面図であり、図1は位相差フ ィルム(1)の一方の表面にシラン系化合物層(2)を設け、更にアクリル系粘 着剤層(3)を積層した構成よりなるものであり、図2は両面に保護層(a)を 有する位相差フィルム(1)の該保護層(a)の一方の表面にシラン系化合物層 (2)を設け、更にアクリル系粘着剤層(3)を積層した構成よりなるものであ り、図3及び図4はアクリル系粘着剤層(3)の外側に更に離型用フィルム(4 )を積層した構成をそれぞれ示すものであり、このように離型用フィルムを設け ておけば、図1或いは図2の積層構造体の製造時及び保管時、更には加工時にお いて極めて有用である。
【0006】 本考案に用いられる位相差フイルム(1)としては、ポリビニルアルコール系 樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリメチ ルメタクリレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ エステル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリスルフォン系 樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂などの高分子からなる分子配向されたフィ ルムが挙げられるが、加工性等の点でポリビニルアルコール系樹脂のフィルムが 好適に用いられ、以下該フィルムについて具体的に説明する。
【0007】 ポリビニルアルコール系樹脂は、通常酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルを ケン化して製造されるものであるが、本発明では、必ずしもこれに限定されるも のではなく、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含 む)、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと 共重合可能な成分を含有していてもよい。また、ポリビニルアルコール樹脂を酸 の存在下でアルデヒド類と反応させたポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホ ルマール樹脂などのいわゆるポリビニルアセタール樹脂及びその他ポリビニルア ルコール系樹脂誘導体も挙げられるが、これらに限定されるものではない。これ らのうちでは、耐熱性が良好であるという点から、高ケン化度で高重合度のPV Aが好ましい。即ち、ケン化度は95モル%以上が好ましく、更には99モル% 以上、とくには99.5モル%以上であって、重合度は1000以上が好ましく 、更には1000〜5000である。 上記のフイルムの製造法としては、ポリビニルアルコール系樹脂を水又は有機 溶媒に溶解した原液を流延製膜する方法が挙げられる。
【0008】 位相差フィルム(1)は、上記の如く製膜されたポリビニルアルコール系樹脂 原反フイルム又はシートを続いて一軸延伸を施したもので、必要に応じて任意の 段階でホウ素化合物等で耐水化処理を行い得る。 かくして得られたフイルムは厚さ30〜100μm程度、好ましくは40〜8 0μm程度のものであり、物性的にはレターデーション値が25〜700nm程 度で、未だ耐湿性を有しない基材である。
【0009】 光学主軸が一定で、かつ光学的色斑が少ない位相差フイルム(1)をうるため には原反フイルム又はシートは、厚さ精度が良好であり、できるだけ光学的に均 質なものであるのが好ましい。フイルム又はシートに製膜時にダイラインなどが 発生することは好ましくない。
【0010】 このようにして得られた位相差フイルム(1)は、その両面に接着剤を介して 光学的透明度と機械的強度に優れた保護層(a)を設けることができる。 該保護層(a)としては、従来から知られているセルロースアセテート系フィ ルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹 脂フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエーテルエーテルケトン系フィ ルム、ポリスルホン系フィルムが挙げられるが、三酢酸セルロースフィルム等の セルロースアセテート系フィルムが好適に用いられる。
【0011】 また、位相差フィルム(1)或いは保護層(a)の外側に積層されるシラン系 化合物層(2)に用いられるシラン系化合物とは、ビニルシラン、エポキシシラ ン、メタクリルシラン等が挙げられ、具体的にビニルシランとしては、ビニルト リクロロシラン、ジビニルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニ ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−(β−メト キシエトキシ)シラン、P−アルリルフェニルエチルジクロロシラン、P−ビニ ルフェニルトリクロロシラン、アルソルメチルジクロロシラン、ビニルジフェニ ルクロロシラン等が挙げられ、エポキシシランとしては、γ−グリシドキシプロ ピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β− (3、4−エポキシシクロヘキシ)−エチルトリメトキシシラン等が挙げられ、 更にメタクリシランとしては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン 、γ−メタクリロキシプロピルトリメエキシシラン等が挙げられ、これらは1種 または2種以上が用いられ、中でもグリシジル基を含有したエポキシシラン系化 合物が好適に用いられる。
【0012】 更に本考案のアクリル系粘着剤層(3)に用いられるアクリル系粘着剤のアク リル系樹脂の構成成分としては、ガラス転移温度の低く柔らかい主モノマー成分 やガラス転移温度の高く硬いコモノマー成分、更に必要に応じ少量の官能基含有 モノマー成分が挙げられる。
【0013】 具体的には、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ベンジル 、アクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数2〜12程度のアクリル酸 アルキルエステルやメタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタク リル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メ タクリル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数4〜12程度のメタクリル酸 アルキルエステルなど主モノマー成分が挙げられ、前記のコモノマー成分として は、アクリル酸メチルやメタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル 酸プロピル等のアルキル基の炭素数1〜3のメタクリル酸アルキルエステル、酢 酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる 。
【0014】 前記以外に官能基含有モノマー成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、ク ロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、グルタ コン酸、イタコン酸等の多価カルボン酸、及びこれらの無水物等のカルボキシル 基含有モノマーや2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ プロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシルプロピル(メタ )アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等やN−メチ ロールアクリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー等の他に(メタ)アクリ ルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、 アリルグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0015】 かかる官能基含有モノマー成分のうちで、特にカルボキシル基含有モノマーの 使用が好ましい。 かかる主モノマー成分の含有量は、他に含有させるコモノマー成分や官能基含 有モノマー成分の種類や含有量により一概に規定できないが、一般的には上記主 モノマーを50重量%以上含有させることが好ましい。
【0016】 本考案のアクリル系樹脂は、主モノマー、コモノマー、更に必要に応じて官能 基含有モノマーを有機溶剤中でラジカル共重合させる如き、当業者周知の方法に よって容易に製造される。 前記重合に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭 化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、n−プロピルアルコール 、イソプロピルアルコールなどの脂肪族アルコール類、メチルエチルケトン、メ チルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられる。前 記ラジカル重合に使用する重合触媒としては、通常のラジカル重合触媒であるア ゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ キサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどが具体例として挙げられる。 上記のアクリル系樹脂は、架橋剤及び必要に応じて架橋助剤等の添加剤が配合 されて最終的に本考案のアクリル系粘着剤となる。
【0017】 該架橋剤としては、イソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド 系化合物、アミン化合物、金属塩、金属アルコキシド、金属キレート化合物、ア ンモニウム塩及びヒドラジン化合物等が例示される。 該架橋剤のうちイソシアネート系化合物としては、トリレンジイソシアネート 、水素化トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイソ シアネートアダクト、トリメチロールプロパンのキシリレンジイソシアネートア ダクト、トリフェニルメタントリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニル メタン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど、及びこれらの ケトオキシムブロック物またはフェノールブロック物などが挙げられる。
【0018】 エポキシ系化合物としては、ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型のエポ キシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール ジグリシジルエーテル、グリセリンジまたはトリグリシジルエーテル、1,6− ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジ ルエーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミン、N,N,N’,N’ −テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシ ジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0019】 アルデヒド系化合物としては、グリオキザール、マロンジアルデヒド、スクシ ンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムアルデ ヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが挙げられる。 アミン化合物としては、ヘキサメチレンジアミン、トリエチルジアミン、ポリ エチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチ ルテトラミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹脂、メラミン樹脂などが挙げら れる。
【0020】 金属塩としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、ア ンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金属の 塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの塩、たとえば、塩化第二銅、塩 化アルミニウム、塩化第二鉄、塩化第二スズ、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マ グネシウム、硫酸アルミニウム、酢酸銅、酢酸クロムなどが挙げられる。 金属アルコキシドとしては、テトラエチルチタネート、テトラエチルジルコネ ート、アルミニウムイソプロピオネートなどが挙げられる。
【0021】 金属キレート化合物としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、 ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム等の 多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル配位化合物などが挙げられる 。 アンモニウム塩としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモ ニウム、プロピオン酸アンモニウムなどが挙げられる。 ヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒドラート、およびそれ らの塩基塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機塩類、ギ酸、シュウ酸等の有機酸塩類が 挙げられる。 上記の架橋剤の配合量は、アクリル系樹脂100重量部に対して0.001〜 8重量部、好ましくは0.01〜4重量部、更に好ましくは0.05〜2.5重 量部である。 該架橋剤の配合量が多すぎると高温時の粘着物性が低下し、逆に少なすぎると 凝集力が低下する傾向にある。
【0022】 本考案の積層構造体を作製するに当たっては、位相差フィルム(1)の片面或 いは保護層(a)が両面に積層された位相差フィルム(1)の一方の保護層(a )の表面にシラン系化合物を塗工して該化合物層(2)を形成した後、更にシラ ン系化合物層(2)の表面にアクリル系粘着剤を塗工して該粘着剤層(3)を形 成するのである。 本考案においては、シラン系化合物層(2)とアクリル系粘着剤層(3)の2 層構造とする点に特徴があり、シラン系化合物とアクリル系粘着剤を予め混合し た組成物の層を形成させても本考案の効果は得難いのである。 該粘着剤層(3)の表面には、通常離型用フィルム(4)が積層され、図3或 いは図4に示す如き積層構造体となる。
【0023】 保護層(a)と位相差フィルム(1)の積層に関しては、天然或いは合成ゴム 、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、 ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等を主成分とする接着剤ないし 粘着剤等を用いて、風乾法、化学硬化法、熱硬化法、熱熔融法等により接着せし めることができる。 次に、シラン系化合物層(2)を設けるには、上記の如きシラン系化合物のイ ソプロピルアルコール溶液(通常は固形分0.005〜10重量%)を通常の方 法、例えばバーコート、ロールコート、グラビアコート、エアナイフコート等に より、乾燥後の塗布量が0.005〜2g/m2(塗布乾燥厚み0.005〜2 μ)程度になるように均一に塗布し、乾燥させる。 その後、上記の如きアクリル系粘着剤をシラン系化合物と同様に乾燥後の塗布 量が5〜50g/m2(塗布乾燥厚み5〜50μ)程度になるように均一に塗布 し、乾燥させてアクリル系粘着剤層(3)を設ける。
【0024】 アクリル系粘着剤層(3)の表面に設けられる離型用フィルム(4)としては 、紙の表面に離型性シリコーン、ワックス、パラフィン類、塩化クロムステアレ ート又は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等の合成樹脂による剥離層を設けた剥離紙 や、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレ ート(PET)フィルム等を基材とする合成樹脂系のものが使用できる。 かかる方法で得られた位相差フィルム/シラン系化合物層/アクリル系粘着剤 層、位相差フィルム/シラン系化合物層/アクリル系粘着剤層/離型用フィルム 或いは保護層/位相差フィルム/保護層/シラン系化合物層/アクリル系粘着剤 層、保護層/位相差フィルム/保護層/シラン系化合物層/アクリル系粘着剤層 /離型用フィルムの構成を有する積層構造体は、ガラス板等の基材に貼着されて 実装に供されたとき、耐湿熱接着性に優れて良好な光学特性を示し、電子卓上計 算機、電子時計、ワープロ、自動車や機械類の計器類等の液晶表示装置、サング ラス、防目メガネ、立体メガネ、表示素子(CRT、LCD等)用反射低減層、 医療機器、建築材料、玩具等に利用することができる。
【0025】
【作用】
本考案によれば、本考案の積層構造体をガラス板等の基材に貼着して位相差板 用途に供したとき、耐湿熱耐久性に優れ、良好な位相差性能を得ることができる 。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本考案を更に具体的に説明する。 実施例1 アクリル系樹脂(樹脂成分:n−ブチルアクリレート/アクリル酸=95重量 %/5重量%、Tg(ガラス転移温度)=−50℃)100重量部に架橋剤(日 本ポリウレタン工業社製、商品名;コロネートL)を1重量部(固形分換算)添 加した固形分25重量%溶液(トルエン/酢酸エチルの重量比が1/1の溶媒) のアクリル系粘着剤を得た。 次に、膜厚75μのポリビニルアルコール位相差フィルム(平均重合度170 0、平均ケン化度99.8モル%、1.12倍延伸、R値390nm)(1)の 両側を保護層(a)として厚さ80μの三酢酸セルロースフィルムで積層した位 相差板(200mm×200m)を作製し、この片面にバーコーターを用いて乾 燥塗布厚が0.1μとなるよう固形分量2重量%のγ−グリシドキシプロピルト リメトキシシラン溶液を塗布してシラン系化合物層(2)を形成させた後、同様 に更に乾燥塗布厚が25μとなるようアクリル系粘着剤を塗布してアクリル系粘 着剤層(3)を形成させて、図2に示すごとき本考案の積層構造体を得た。
【0027】 かかる積層構造体を厚さ1.1mmのガラス板上に圧着して、60℃,95% RHで48時間放置した後60℃の乾燥状態で更に48時間放置し、これを1サ イクルとして10サイクル繰り返し処理を行った後、位相差板(保護層/位相差 フィルム/保護層)縁部に剥離はなく、何ら異常は認められなかった。又、分光 光度計(大塚電子社製、RETS2000)を用いてリターデーション値及び透 過率を測定したところ、上記処理前と比べて変化がなく良好で液晶表示装置用位 相差板として非常に商品価値の高いものであった。
【0028】 実施例2 実施例1において、保護層(a)を省略して図1の如き積層構造体とした以外 は、実施例1と同様に評価を行った結果、位相差フィルム縁部に剥離はなく、何 ら異常は認められなかった。又、実施例1と同様にリターデーション値及び透過 率を測定したところ、実施例1と同様変化がなく良好で液晶表示装置用位相差板 として非常に商品価値の高いものであった。
【0029】 比較例 実施例1において、シラン系化合物層(2)及びアクリル系粘着剤層(3)の 代わりにγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを0.4重量%含有させ たアクリル系粘着剤層(6)(乾燥塗布厚が25μ)を用いて、実施例1と同様 の評価を行った結果、位相差板縁部に端から中央に向かって5mm程度の剥離が 認められ、実施例1と同様にリターデーション値及び透過率を測定したところ、 透過率の変化はなかったものの剥離端部においてリターデーション値の変化が3 0nm以上と大きく位相差板としての商品価値に欠けるものであった。
【0030】
【考案の効果】
本考案によれば、本考案の積層構造体をガラス板等の基材に貼着して位相差板 用途に供したとき、耐湿熱耐久性に優れ、良好な位相差性能を得ることができる 。
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の積層構造体で3層構成よりなる積層体
の断面図
【図2】本考案の積層構造体で保護層(a)を設けた5
層構成よりなる積層体の断面図
【図3】本考案の積層構造体で離型用フィルム(4)を
設けた4層構成よりなる積層体の断面図
【図4】本考案の積層構造体で保護層(a)及び離型用
フィルム(4)を設けた6層構成よりなる積層体の断面
【図5】本考案の積層構造体をガラス板に貼着した時の
断面図
【図6】本考案の積層構造体をガラス板に貼着した時の
断面図
【図7】従来の粘着剤層付き位相差板
【符号の説明】
(1) 位相差フィルム (2) シラン系化合物層 (3) アクリル系粘着剤層 (4) 離型用フィルム (5) ガラス板 (6) シラン系化合物含有アクリル系粘着剤層 (a) 保護層
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/30 A 8115−4F C09J 7/02 JHR JJN JJW JLE G02F 1/133 500 1/1335 510

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位相差フィルム(1)/シラン系化合物
    層(2)/アクリル系粘着剤層(3)の構成を有する積
    層構造体。
  2. 【請求項2】 位相差フィルム(1)の両側に保護層
    (a)を設けた請求項1記載の積層構造体。
  3. 【請求項3】 アクリル系粘着剤層(3)の外側に離型
    用フィルム(4)を設けた請求項1又は2記載の積層構
    造体。
  4. 【請求項4】 シラン系化合物層(2)が、ビニルシラ
    ン、エポキシシラン、メタクリルシランの少なくとも1
    種以上からなる請求項1〜3いずれか記載の積層構造
    体。
  5. 【請求項5】 エポキシシランがグリシジル基を含有し
    たエポキシシラン系化合物である請求項4記載の積層構
    造体。
  6. 【請求項6】 位相差フィルム(1)がポリビニルアル
    コール系樹脂からなる請求項1〜5いずれか記載の積層
    構造体。
  7. 【請求項7】 保護層(a)が、セルロース系フィルム
    からなる請求項1〜6いずれか記載の積層構造体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3398262B2 (ja) 1995-07-14 2003-04-21 リンテック株式会社 粘着シート

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