JP3009268B2 - 懸濁重合トナーおよびその製造方法 - Google Patents

懸濁重合トナーおよびその製造方法

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JP3009268B2
JP3009268B2 JP3258682A JP25868291A JP3009268B2 JP 3009268 B2 JP3009268 B2 JP 3009268B2 JP 3258682 A JP3258682 A JP 3258682A JP 25868291 A JP25868291 A JP 25868291A JP 3009268 B2 JP3009268 B2 JP 3009268B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、懸濁重合トナーおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法の一例においては、感光体上
に、帯電、露光により静電潜像が形成され、この静電潜
像はトナーを含む現像剤によって現像されてトナー像が
形成され、次いでこのトナー像が転写材に転写され、定
着されて可視画像が形成される。一方、転写材に転写さ
れずに感光体上に残留したトナーは、例えばブレード等
のクリーニング部材によりクリーニングされる。このよ
うな電子写真法に用いられるトナーの製造方法として
は、従来、バインダーとしての熱可塑性樹脂に、着色
剤、その他必要に応じて用いられる添加剤を添加し、こ
れらを溶融混練した後、粉砕、分級してトナーを製造す
るいわゆる粉砕法が知られている。
【0003】この粉砕法では、樹脂の脆性破壊による微
粉の発生を防止する等の理由から、例えば体積平均粒径
が3〜6μm程度の小粒径のトナーを製造することが実
際上困難であり、通常は、体積平均粒径が約10μm程
度となってしまう。しかし、このような粒径の大きいト
ナーでは、最近の高画質化の要求に応えることができ
ず、細線再現性が劣る問題がある。
【0004】かかる事情から、近年においては、懸濁重
合法によりトナーを製造する方法が提案されている。 (1)特開昭61−22354号公報および特開平2−
148046号公報には、懸濁重合における分散剤とし
てリン酸3カルシウムを用いることが記載されている。 (2)特開昭60−254159号公報には、懸濁重合
における分散剤として水溶性タンパク質を用いることが
記載されている。 (3)特開昭59−161号公報および特開平1−24
4471号公報には、懸濁重合における分散剤としてポ
リビニルアルコールを用いることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の方
法では、得られる懸濁重合トナーの形状が真球度の高い
ものになってしまい、クリーニング工程において残留ト
ナーを十分にクリーニングできない問題がある。
【0006】本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、懸
濁重合の途中で分散剤を除去することにより、球形微粒
子の会合が生じて、異形化された非球形のトナー粒子が
得られることを見出し、本発明を完成するに至ったもの
である。そこで、本発明の第1の目的は、クリーニング
性の良好な非球形の懸濁重合トナーを提供することにあ
る。本発明の第2の目的は、クリーニング性の良好な非
球形の懸濁重合トナーを確実に製造することができる懸
濁重合トナーの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、本発明の懸濁重合トナーは、分散剤を含む水性媒体
中で、重合性単量体を含む単量体組成物を懸濁重合して
得られる懸濁重合トナーであって、懸濁重合において、
重合粒子の飽和分子量に対する重合粒子の分子量の割合
として定義される重合度が40〜80の範囲にある時期
に前記分散剤が除去されて微粒子が会合したものである
ことを特徴とする。そして、本発明の懸濁重合トナーの
製造方法は、分散剤を含む水性媒体中で、重合性単量体
を含む単量体組成物を懸濁重合してトナーを製造する方
法であって、懸濁重合において、重合粒子の飽和分子量
に対する重合粒子の分子量の割合として定義される重合
度が40〜80の範囲にある時期に前記分散剤を除去す
ることにより微粒子を会合させることを特徴とする。ま
た、分散剤として難水溶性無機化合物を用い、懸濁重合
において、重合粒子の飽和分子量に対する重合粒子の分
子量の割合として定義される重合度が40〜80の範囲
にある時期に酸を添加して前記難水溶性無機化合物を溶
解させて当該分散剤を除去することを特徴とする。
【0008】以下、本発明を具体的に説明する。 〔懸濁重合トナー〕本発明の懸濁重合トナーは、分散剤
を含む水性媒体中で、重合性単量体を含む単量体組成物
を懸濁重合して得られる懸濁重合トナーであって、懸濁
重合の途中で前記分散剤が除去されたものである。懸濁
重合においては、図1に示すように、重合時間の経過と
ともに重合粒子の分子量が飽和するまで増加していくの
で、本発明において「懸濁重合の途中」とは、下記数1
で定義される重合度が40〜80の範囲にある時期をい
う。ただし、図1において、重合開始時点とは、懸濁液
が重合を開始する所定温度に到達した時点をいい、重合
終了時点とは、懸濁液中の重合粒子の分子量が飽和した
時点をいう。
【0009】
【数1】
【0010】懸濁重合の途中で分散剤が除去されること
により、以後の懸濁重合の過程においては微粒子同士の
会合が積極的に促進され、異形化された非球形の懸濁重
合トナーが得られる。従って、この懸濁重合トナーによ
れば、クリーニング工程において感光体上の残留トナー
を良好にクリーニングすることができる。
【0011】懸濁重合トナーの体積平均粒径は3〜6μ
mであることが好ましい。かかる小粒径のトナーによれ
ば、解像度が高く細線再現性の優れた画像を形成するこ
とができる。なお、懸濁重合トナーの体積平均粒径は、
レーザー回折式粒度分布測定装置「HELOS」(SY
MPATEC社製)により測定された値である。
【0012】分散剤としては、難水溶性無機化合物を好
適に用いることができる。難水溶性無機化合物を用いた
場合には、酸を添加することにより難水溶性無機化合物
を除去することができる。難水溶性無機化合物として
は、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリ
ウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム等の難水溶性
塩類、正リン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩のうち
の難水溶性のリン酸塩等が挙げられる。好ましいもの
は、第2リン酸塩(M2 HPO4 )、第3リン酸塩(M
3 PO4 )、ピロリン酸正塩(M4 2 7 )、ピロリ
ン酸酸性塩(M2 2 2 7 )、トリポリリン酸塩
(M5 3 10)であって、前記Mがカルシウム、マグ
ネシウム、バリウム、鉄、カドミウム、ストロンチウム
等の金属塩である。また、例えば、第3リン酸ナトリウ
ムと塩化カルシウムとの付加生成物Ca3 (PO4 2
・Ca(OH)2 等も用いることができる。特に好まし
いものは、リン酸3カルシウム〔Ca3 (PO4 2
である。
【0013】重合性単量体としては、従来公知のものを
用いることができ、特にラジカル重合性のものが良好で
ある。トナーとして要求される熱特性、静電気特性を満
たすように、1種または2種以上のものを組合せて用い
ることができる。具体的には、ビニル芳香族系単量体、
アクリル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエ
ーテル系単量体、オレフィン系単量体等を好適に用いる
ことができる。
【0014】ビニル芳香族系単量体としては、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェ
ニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレ
ン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルス
チレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチル
スチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルス
チレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチル
スチレン、3,4−ジクロロスチレン等のスチレン系単
量体およびその誘導体が挙げられる。
【0015】アクリル系単量体としては、アクリル酸、
メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、
アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、
アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ア
ミノアクリル酸プロピル、メタクリル酸ステアリル、メ
タクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチ
ルアミノエチル等が挙げられる。
【0016】ビニルエステル系単量体としては、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等が挙げ
られる。ビニルエーテル系単量体としては、ビニルメチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチル
エーテル、ビニルフェニルエーテル等が挙げられる。オ
レフィン系単量体としては、エチレン、プロピレン、イ
ソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン等のモノオレフィン系単量体、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレン等のジオレフィン系単量
体等が挙げられる。
【0017】さらに、懸濁重合トナー粒子の特性を改良
するために架橋性単量体を添加してもよい。架橋性単量
体としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、
ジビニルエーテル、ジエチレングリコールメタクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレ
ングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリル等の
不飽和結合を2個以上有するものが挙げられる。
【0018】トナー中には、必要に応じて着色剤、定着
性向上剤、荷電制御剤等の添加剤が含有されるが、これ
らの添加剤を用いる場合には、懸濁重合の際に、重合性
単量体と混合して単量体組成物を構成し、この単量体組
成物を水性媒体中に添加して使用する。
【0019】着色剤としては、従来公知のものを用いる
ことができる。また、必要に応じて、着色剤の表面処理
を行い、分散性を改良したものを用いてもよい。トナー
として必要とされる色彩を付与できるものであれば、ど
のような着色剤でも使用することができるが、具体的に
は、無機または有機顔料が好ましく用いられ、特に有機
顔料が好ましく用いられる。黒色の着色剤としては、例
えば、市販されているカーボンブラック、重合性単量体
等によりグラフト処理されたカーボンブラック、シラン
カップリング剤やアルミニウムカップリング剤等の表面
処理剤により表面処理されたカーボンブラック等が挙げ
られる。
【0020】マゼンタまたはレッド用の顔料としては、
C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッ
ド3、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメン
トレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピ
グメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、
C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメン
トレッド53:1、C.I.ピグメントレッド57:
1、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメ
ントレッド123、C.I.ピグメントレッド139、
C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメント
レッド149、C.I.ピグメントレッド166、C.
I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッ
ド178、C.I.ピグメントレッド222等が挙げら
れる。
【0021】オレンジまたはイエロー用の顔料として
は、C.I.ピグメントオレンジ31、C.I.ピグメ
ントオレンジ43、C.I.ピグメントイエロー12、
C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメント
イエロー14、C.I.ピグメントイエロー15、C.
I.ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエ
ロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.
ピグメントイエロー138等が挙げられる。
【0022】グリーンまたはシアン用の顔料としては、
C.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブ
ルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、
C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブ
ルー60、C.I.ピグメントグリーン7等が挙げられ
る。
【0023】定着性向上剤としては、従来公知のものを
用いることができる。特に、ポリオレフィン系のものが
好ましいが、これに限定されるものではない。また、1
種または2種以上を組合せて用いてもよい。ポリオレフ
ィン系の定着性向上剤としては、低分子量ポリエチレ
ン、低分子量ポリプロピレン、酸変性処理されたポリエ
チレン、酸変性処理されたポリプロピレン、酸化処理さ
れたポリエチレン、酸化処理されたポリプロピレン、例
えばパラフィンワックス等のその他の炭素連鎖を有する
化合物等が挙げられる。
【0024】荷電制御剤としては、例えば、金属錯体系
染料、ニグロシン系染料、アンモニウム系化合物等が挙
げられる。
【0025】以上のようにして得られた懸濁重合トナー
に、さらに必要に応じて流動化剤等を外部から添加混合
してもよい。かかる流動化剤としては、シリカ、酸化チ
タン、酸化アルミニウム等の無機酸化物、無機窒化物、
炭化物、有機微粒子等が挙げられる。これらは適宜併用
してもよい。
【0026】〔懸濁重合トナーの製造方法〕 本発明の懸濁重合トナーの製造方法においては、分散剤
を含む水性媒体中で、重合性単量体を含む単量体組成物
を懸濁重合してトナーを製造する方法であって、懸濁重
合の途中で前記分散剤を除去することにより、微粒子を
会合させることによって懸濁重合トナーを製造する。
【0027】製造例の一例においては、トナーのバイン
ダー樹脂を構成することとなる重合性単量体と、着色剤
等の添加剤とを加え、例えばサンドミル等により十分に
撹拌し、分散して単量体組成物を調製する。この単量体
組成物に、必要に応じて重合開始剤を添加した後、これ
を例えば難水溶性無機化合物からなる分散剤を含んだ水
性媒体中に加え、高速撹拌機等により分散、懸濁して、
所定の温度条件に保って重合反応を進行させる。重合粒
子の重合度が40〜80の範囲となる懸濁重合の途中に
おいて、懸濁液中に酸等を添加して難水溶性無機化合物
を分解して除去し、さらに重合反応を継続させる。水性
媒体中に微細な油滴となって懸濁した単量体組成物は、
会合しながら重合固化し、着色剤等の添加剤を含んだ非
球形の懸濁重合トナー粒子が得られる。
【0028】必要に応じて用いられる重合開始剤として
は、例えば、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2' −アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2' −アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル)、2,2' −アゾビス(2−メ
チルブチロニトリル)、1,1' −アゾビス(シクロヘ
キサン−1−カルボニトリル)等の油溶性アゾビス系重
合開始剤、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、te
rt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、
過酸化アセチル、過安息香酸tert−ブチル等の有機
過酸化物が挙げられる。重合開始剤の使用量は、求める
分子量に応じて使用量は調節可能であるが、重合性単量
体に対して0.1〜10重量%の範囲が好ましく、特に
1.5〜7重量%の範囲が好ましい。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの態様に限定されるものではない。なお、以下
において「部」は「重量部」表す。 〔実施例1〕 単量体組成物 重合性単量体 スチレン 90部 ブチルメタクリレート 10部 着色剤 カーボンブラック 5部 定着性向上剤 ポリプロピレン 5部 以上の単量体組成物をサンドグラインダーにより十分に
混和均一化し、重合開始剤として2,2' −アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.8部を添加し
た。
【0030】 水性媒体 (A)リン酸3ナトリウム12水和物 25.6 部 (Na3 PO4 ・12H2 O) ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.04部 (C12256 4 SO3 Na) 水(H2 O) 53.4 部 (B)塩化カルシウム 11.2 部 (CaCl2 ) 水(H2 O) 102.0 部 上記(A),(B)を混合し、難水溶性無機化合物〔C
3 (PO4 2 〕を含む水性媒体を調製した。この難
水溶性無機化合物〔Ca3 (PO4 2 〕は、下記式で
表される反応により生成するものである。 2Na3 PO4 + 3CaCl2 → Ca3 (PO4 2 + 6NaCl
【0031】〔懸濁液の作製〕上記単量体組成物を上記
水性媒体に投入し、ホモミキサー(特殊機化製)を用い
て懸濁し、微粒懸濁液を作製した。
【0032】〔会合粒子の作製〕前記懸濁液を低い撹拌
速度で撹拌しながら、窒素雰囲気中、70℃で重合を開
始させた。重合粒子の重合度が40となった時点で、塩
酸(HCl)を添加し、系内のpHを2として重合を継
続させた。この重合継続中の系を、パーキンエルマー社
製の装置(型式PHI560)を用いて、ESCA(表
面分析)により分析したところ、難水溶性無機化合物
〔Ca3 (PO4 2 〕は、塩酸(HCl)の添加によ
り、下記数2で示すように分解されて、ほとんど除去
(溶解)されたことが確認できた。なお、下記数2の反
応は、懸濁液のpHが5未満の条件で生ずるので、懸濁
液のpHが5未満となるように塩酸(HCl)を添加す
ればよい。
【0033】
【数2】
【0034】重合開始後5時間で、重合粒子の分子量が
飽和したので、重合を終了させ、重合粒子を得た。
【0035】〔後処理〕塩酸水溶液(pH=1)に、前
記重合粒子を投入し、わずかに残っていた難水溶性無機
化合物〔Ca3 (PO4 2 〕を完全に溶解除去し、そ
の後、水洗、濾過、乾燥し、懸濁重合トナーを得た。
【0036】得られた懸濁重合トナーについて、下記の
項目について評価した。 (1)体積平均粒径D50 上記懸濁重合トナーについて、レーザー回折式粒度分布
測定装置「SALD−1100」(島津製作所製)を用
いて、体積平均粒径D50を測定した。
【0037】(2)変動係数Cv(標準偏差/D50) 上記(1)で測定された体積平均粒径D50を用いて、変
動係数Cv(標準偏差/D50)を求めた。この変動係数
Cvが小さいほど粒径分布が狭いことを意味する。
【0038】(3)異形化の度合いN 上記懸濁重合トナーについて、流動式比表面積自動測定
装置「フローソーブII2300型」(マイクロメリティ
ックス社製)を用いて、窒素(N2 )の吸着量を測定
し、この値からBET比表面積を測定し、このBET比
表面積に基づいて球形と仮定して計算される粒径Dを、
前記(1)の体積平均粒径D50で除した値を求めて、こ
れを異形化の度合いNとした。球形粒子であるときは、
N=1となり、非球形粒子であるときはN>1となる。
【0039】〔実写評価〕上記懸濁重合トナーを用いて
現像剤を調製し、レーザービームプリンター「DC80
28」(コニカ(株)製)を用いて、初期評価として、
1サイクル(帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニ
ング)の実写テストを行い、クリーニング後の感光体上
に残留したトナーの有無によりクリーニング性を評価し
た。トナーの残留がない場合を○、トナーの残留がある
場合を×とした。以上の結果を後記表1に示す。
【0040】〔実施例2〕実施例1において、塩酸(H
Cl)を添加する時期を重合粒子の重合度が48となっ
た時点としたほかは、実施例1と同様にして懸濁重合ト
ナーを製造し、実施例1と同様にして評価した。結果は
後記表1に示す。
【0041】〔実施例3〕実施例1において、塩酸(H
Cl)を硫酸(H2SO4 )に変更し、この硫酸(H2
SO4 )を添加する時期を重合粒子の重合度が61とな
った時点としたほかは、実施例1と同様にして懸濁重合
トナーを製造し、実施例1と同様にして評価した。結果
は後記表1に示す。
【0042】〔実施例4〕実施例1において、塩酸(H
Cl)を添加する時期を重合粒子の重合度が72となっ
た時点としたほかは、実施例1と同様にして懸濁重合ト
ナーを製造し、実施例1と同様にして評価した。結果は
後記表1に示す。
【0043】〔実施例5〕実施例1において、塩酸(H
Cl)を硝酸(HNO3 )に変更し、この硝酸(HNO
3 )を添加する時期を重合粒子の重合度が80となった
時点としたほかは、実施例1と同様にして懸濁重合トナ
ーを製造し、実施例1と同様にして評価した。結果は後
記表1に示す。
【0044】〔比較例1〕実施例1において、塩酸(H
Cl)を添加する時期を重合粒子の重合度が0である時
点(重合開始時点)としたほかは、実施例1と同様にし
て懸濁重合トナーを製造し、実施例1と同様にして評価
した。結果は後記表1に示す。
【0045】〔比較例2〕実施例1において、塩酸(H
Cl)を添加する時期を重合粒子の重合度が35となっ
た時点としたほかは、実施例1と同様にして懸濁重合ト
ナーを製造し、実施例1と同様にして評価した。結果は
後記表1に示す。
【0046】〔比較例3〕実施例1において、塩酸(H
Cl)を添加する時期を重合粒子の重合度が82となっ
た時点としたほかは、実施例1と同様にして懸濁重合ト
ナーを製造し、実施例1と同様にして評価した。結果は
後記表1に示す。
【0047】〔比較例4〕実施例1において、塩酸(H
Cl)を添加する時期を重合粒子の重合度が100(重
合終了時)となった時点としたほかは、実施例1と同様
にして懸濁重合トナーを製造し、実施例1と同様にして
評価した。結果は後記表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】前記表1に示すように、本発明の実施例に
よれば、クリーニング性の良好な非球形の懸濁重合トナ
ーが得られる。しかし、比較例1では、重合開始時に塩
酸を添加しているため、懸濁液滴の会合が著しく過剰と
なり、懸濁状態が崩壊して相分離の状態となり、懸濁重
合トナーを製造することができなかった。比較例2で
は、会合粒子が得られてもその会合力が弱いため、十分
に非球形の懸濁重合トナーが得られなかった。比較例3
および4では、塩酸の添加時期が遅すぎるために、会合
が不十分であり、懸濁重合トナーの形状が球形に近いも
のとなってしまった。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1の
発明によれば、クリーニング性の良好な非球形の懸濁重
合トナーが得られる。また、請求項2の発明によれば、
クリーニング性の良好な非球形の懸濁重合トナーを確実
に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】懸濁重合における重合反応時間と重合粒子の分
子量との関係を示すグラフである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散剤を含む水性媒体中で、重合性単量
    体を含む単量体組成物を懸濁重合して得られる懸濁重合
    トナーであって、懸濁重合において、重合粒子の飽和分
    子量に対する重合粒子の分子量の割合として定義される
    重合度が40〜80の範囲にある時期に前記分散剤が除
    去されて微粒子が会合したものであることを特徴とする
    懸濁重合トナー。
  2. 【請求項2】 分散剤を含む水性媒体中で、重合性単量
    体を含む単量体組成物を懸濁重合してトナーを製造する
    方法であって、懸濁重合において、重合粒子の飽和分子
    量に対する重合粒子の分子量の割合として定義される重
    合度が40〜80の範囲にある時期に前記分散剤を除去
    することにより微粒子を会合させることを特徴とする懸
    濁重合トナーの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項2の製造方法において、分散剤と
    して難水溶性無機化合物を用い、懸濁重合において、重
    合粒子の飽和分子量に対する重合粒子の分子量の割合と
    して定義される重合度が40〜80の範囲にある時期に
    酸を添加して前記難水溶性無機化合物を溶解させて当該
    分散剤を除去することを特徴とする懸濁重合トナーの製
    造方法。
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