JP3008034B2 - 体内注入可能な高濃度架橋化アテロコラ−ゲン移植用組成物 - Google Patents
体内注入可能な高濃度架橋化アテロコラ−ゲン移植用組成物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、体内に注入して使用す
ることができ、そして軟組織陥凹状欠損部補正修復材と
して用いることができる、ポリエポキシ化合物により架
橋したコラ−ゲン水性懸濁液に関する。
ることができ、そして軟組織陥凹状欠損部補正修復材と
して用いることができる、ポリエポキシ化合物により架
橋したコラ−ゲン水性懸濁液に関する。
【0002】
【従来の技術】コラ−ゲンは、動物の皮膚、角膜、血
管、腱、骨などに多く分布するタンパク質であり、分子
量約30万で、3本のポリペプチド鎖からなる螺旋構造
を持ち、1分子の長さ約300nm、直径約1.5nm
の棒状の分子である。コラ−ゲンの分子は、ミクロフィ
ブリルと呼ばれる分子5本が束となり、かつ隣の分子に
対し各々67nmだけずれた構造を形成する。このミク
ロフィブリルの太さは約4nmであり、コラ−ゲン線維
の基本単位構造である。ミクロフィブリルは多数束に集
合しフィブリルを形成し、フィブリルはさらに束となり
コラ−ゲン線維を形成する。腱などは、コラ−ゲン線維
が配列した組織であり、皮膚は、コラ−ゲン線維が絡み
合った組織である。
管、腱、骨などに多く分布するタンパク質であり、分子
量約30万で、3本のポリペプチド鎖からなる螺旋構造
を持ち、1分子の長さ約300nm、直径約1.5nm
の棒状の分子である。コラ−ゲンの分子は、ミクロフィ
ブリルと呼ばれる分子5本が束となり、かつ隣の分子に
対し各々67nmだけずれた構造を形成する。このミク
ロフィブリルの太さは約4nmであり、コラ−ゲン線維
の基本単位構造である。ミクロフィブリルは多数束に集
合しフィブリルを形成し、フィブリルはさらに束となり
コラ−ゲン線維を形成する。腱などは、コラ−ゲン線維
が配列した組織であり、皮膚は、コラ−ゲン線維が絡み
合った組織である。
【0003】線維状コラ−ゲンは分子間に架橋を有し、
この分子間架橋はコラ−ゲン分子末端に存在する三重螺
旋を組まないテロペプチドに通常存在している。アテロ
コラ−ゲンは、ペプシン等の酵素処理によりテロペプチ
ド部を消化することにより得られるものである。そし
て、コラ−ゲンの主要な抗原決定基はテロペプタイド部
に存在するため、このテロペプチド部を消化させたアテ
ロコラ−ゲンは抗原性をほとんど有さず、医用材料とし
て優れた材料である。
この分子間架橋はコラ−ゲン分子末端に存在する三重螺
旋を組まないテロペプチドに通常存在している。アテロ
コラ−ゲンは、ペプシン等の酵素処理によりテロペプチ
ド部を消化することにより得られるものである。そし
て、コラ−ゲンの主要な抗原決定基はテロペプタイド部
に存在するため、このテロペプチド部を消化させたアテ
ロコラ−ゲンは抗原性をほとんど有さず、医用材料とし
て優れた材料である。
【0004】このアテロコラ−ゲンは、これを水性液に
して、皮膚などの軟組織陥凹状欠損傷における組織欠損
部に注入することによって、組織欠損部を切開すること
なく該部の修復に用いることができる。この注入の際、
一般的に、水性液のコラ−ゲン濃度が高いほど修復効果
は向上し、皮膚***効果は持続する。また、創傷治癒お
よび美容上の観点から一カ所への大量の注入ではなく数
カ所に微量注入するのが好ましく、このためには27G
または30Gなどの細い注射針を用いる必要があり、し
たがってアテロコラ−ゲンの水性液は低粘度が要求され
る。すなわち、体内注入用のアテロコラ−ゲン水性液
は、高濃度にして、低粘度のものが要求される。
して、皮膚などの軟組織陥凹状欠損傷における組織欠損
部に注入することによって、組織欠損部を切開すること
なく該部の修復に用いることができる。この注入の際、
一般的に、水性液のコラ−ゲン濃度が高いほど修復効果
は向上し、皮膚***効果は持続する。また、創傷治癒お
よび美容上の観点から一カ所への大量の注入ではなく数
カ所に微量注入するのが好ましく、このためには27G
または30Gなどの細い注射針を用いる必要があり、し
たがってアテロコラ−ゲンの水性液は低粘度が要求され
る。すなわち、体内注入用のアテロコラ−ゲン水性液
は、高濃度にして、低粘度のものが要求される。
【0005】ところで、このような体内注入用コラ−ゲ
ンとしては、コラ−ゲン中性水溶液(特公昭62−37
020号公報)、コラ−ゲン線維の水性懸濁液(米国特
許第3949073号明細書)、グルタルアルデヒドに
て架橋したアテロコラ−ゲンの水性懸濁液(特公平1−
36840号公報)などが提案されている。
ンとしては、コラ−ゲン中性水溶液(特公昭62−37
020号公報)、コラ−ゲン線維の水性懸濁液(米国特
許第3949073号明細書)、グルタルアルデヒドに
て架橋したアテロコラ−ゲンの水性懸濁液(特公平1−
36840号公報)などが提案されている。
【0006】これらのうち、水溶液タイプのものは、中
性で、低温において粘稠な液体である。これは、生体に
移植されると体温によりコラ−ゲン線維形成を起こし、
生体コラ−ゲンと同様のコラ−ゲン構造を構築する。こ
のため、生体内での分解・吸収は緩慢であり皮膚***効
果は高い。しかし、粘稠であるため注入が、特に高濃度
の場合には困難であるほか、一ヵ所に多量に注入する
と、緻密なコラ−ゲン構造が形成され生体自己組織の細
胞の侵潤が阻害される傾向が認められる。
性で、低温において粘稠な液体である。これは、生体に
移植されると体温によりコラ−ゲン線維形成を起こし、
生体コラ−ゲンと同様のコラ−ゲン構造を構築する。こ
のため、生体内での分解・吸収は緩慢であり皮膚***効
果は高い。しかし、粘稠であるため注入が、特に高濃度
の場合には困難であるほか、一ヵ所に多量に注入する
と、緻密なコラ−ゲン構造が形成され生体自己組織の細
胞の侵潤が阻害される傾向が認められる。
【0007】また、コラ−ゲン線維の水性懸濁液のもの
は、コラ−ゲン分子分散液を生体と等しい条件にするこ
とにより線維形成させ、水に分散したるものである。こ
のままでは細かい注射針を用いた注入による移植が困難
であるため、線維形成後に再度微細構造にしなければな
らない。これにより、注入は容易となるが、体内に移植
されたコラ−ゲンが注入直後に皮内に拡散し、かつ分解
・吸収も速やかに起こる。このため、皮膚***効果は低
く注入を頻繁に行わなければならなかった。この欠点を
改善する目的でコラ−ゲン濃度を高めたものも開発され
たが、注入するコラ−ゲンの物理的状態は変わらないた
め、体内における拡散、分解・吸収が速く皮膚***効果
の改善はあまり認められなかった。
は、コラ−ゲン分子分散液を生体と等しい条件にするこ
とにより線維形成させ、水に分散したるものである。こ
のままでは細かい注射針を用いた注入による移植が困難
であるため、線維形成後に再度微細構造にしなければな
らない。これにより、注入は容易となるが、体内に移植
されたコラ−ゲンが注入直後に皮内に拡散し、かつ分解
・吸収も速やかに起こる。このため、皮膚***効果は低
く注入を頻繁に行わなければならなかった。この欠点を
改善する目的でコラ−ゲン濃度を高めたものも開発され
たが、注入するコラ−ゲンの物理的状態は変わらないた
め、体内における拡散、分解・吸収が速く皮膚***効果
の改善はあまり認められなかった。
【0008】更に、これら未架橋のコラ−ゲン注入材の
場合、主要な抗原決定基であるテロペプタイドは除去さ
れているにもかかわらず2〜3%の人に反応が認めら
れ、かつ、反応のない人においても継続的に投与を繰り
返すと2〜3%に新たに反応が認められ、問題となる。
場合、主要な抗原決定基であるテロペプタイドは除去さ
れているにもかかわらず2〜3%の人に反応が認めら
れ、かつ、反応のない人においても継続的に投与を繰り
返すと2〜3%に新たに反応が認められ、問題となる。
【0009】上述した欠点を改善する試みとして、グル
タルアルデヒドで架橋したアテロコラ−ゲンが使用され
た。これはアテロコラ−ゲンにグルタルアルデヒドを用
いて新たに化学的な架橋を導入したものの水性懸濁液で
あり、体内における分解・吸収については抵抗性が向上
し、かつ抗原性はさらに低下した。しかし、グルタルア
ルデヒドで架橋されたアテロコラ−ゲンは疎水性に変化
し、水性懸濁液とした場合の流動性は未架橋タイプのも
のに比べて劣り、特に高濃度においては流動性が悪くな
り注入が困難となる。さらに移植物の生体内における経
時的変化として、自己組織への同一化が低く、また石灰
化などの器質化がしばしば認められ、特に高濃度におい
ては顕著である。このため、高濃度のものを注入するこ
とは適当ではなく、皮膚***効果は未架橋のものに比
べ、いくぶん改善されたにすぎない。また架橋剤として
用いられているグルタルアルデヒドには細胞毒性があ
り、この点でも問題となる。
タルアルデヒドで架橋したアテロコラ−ゲンが使用され
た。これはアテロコラ−ゲンにグルタルアルデヒドを用
いて新たに化学的な架橋を導入したものの水性懸濁液で
あり、体内における分解・吸収については抵抗性が向上
し、かつ抗原性はさらに低下した。しかし、グルタルア
ルデヒドで架橋されたアテロコラ−ゲンは疎水性に変化
し、水性懸濁液とした場合の流動性は未架橋タイプのも
のに比べて劣り、特に高濃度においては流動性が悪くな
り注入が困難となる。さらに移植物の生体内における経
時的変化として、自己組織への同一化が低く、また石灰
化などの器質化がしばしば認められ、特に高濃度におい
ては顕著である。このため、高濃度のものを注入するこ
とは適当ではなく、皮膚***効果は未架橋のものに比
べ、いくぶん改善されたにすぎない。また架橋剤として
用いられているグルタルアルデヒドには細胞毒性があ
り、この点でも問題となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
に鑑み、高濃度にして使用しても、低粘度で流動性が良
く注入が容易であり、かつ抗原性が低く、石灰化を起こ
さず、毒性のない、皮膚***効果の持続性に優れた体内
注入用架橋化アテロコラ−ゲン組成物を提供することを
目的とする。
に鑑み、高濃度にして使用しても、低粘度で流動性が良
く注入が容易であり、かつ抗原性が低く、石灰化を起こ
さず、毒性のない、皮膚***効果の持続性に優れた体内
注入用架橋化アテロコラ−ゲン組成物を提供することを
目的とする。
【0011】
【問題点を解決するための手段】上記の目的を達成する
ため、本発明者らは、体内注入に使用するアテロコラ−
ゲンの架橋剤について種々検討を行なった結果、架橋剤
としてポリエポキシ化合物が極めて適することを知り、
本発明を完成するに至った。
ため、本発明者らは、体内注入に使用するアテロコラ−
ゲンの架橋剤について種々検討を行なった結果、架橋剤
としてポリエポキシ化合物が極めて適することを知り、
本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、緩衝液により生理的な状
態に調整されたアテロコラ−ゲン水性懸濁液からなり、
(a)アテロコラ−ゲン含有量が55〜75mg/ml
であり、(b)アテロコラ−ゲンの20〜100重量%
がポリエポキシ化合物で架橋された架橋アテロコラ−ゲ
ンである移植用組成物に係わる。
態に調整されたアテロコラ−ゲン水性懸濁液からなり、
(a)アテロコラ−ゲン含有量が55〜75mg/ml
であり、(b)アテロコラ−ゲンの20〜100重量%
がポリエポキシ化合物で架橋された架橋アテロコラ−ゲ
ンである移植用組成物に係わる。
【0013】本発明で用いるアテロコラ−ゲンは、種々
の動物の結合組織に、ペプシン等の酵素を作用させ、コ
ラ−ゲン分子間の架橋を切断することにより可溶化、抽
出されるコラ−ゲンである。酵素による可溶化の際、抗
原決定基であるテロペプタイドが除去されるため、アテ
ロコラ−ゲンの供与体と移植される受容体は遺伝学的に
同一種である必要は無い。アテロコラ−ゲンは、通常、
入手の容易さにより牛の真皮をペプシンにより可溶化し
て得ている。
の動物の結合組織に、ペプシン等の酵素を作用させ、コ
ラ−ゲン分子間の架橋を切断することにより可溶化、抽
出されるコラ−ゲンである。酵素による可溶化の際、抗
原決定基であるテロペプタイドが除去されるため、アテ
ロコラ−ゲンの供与体と移植される受容体は遺伝学的に
同一種である必要は無い。アテロコラ−ゲンは、通常、
入手の容易さにより牛の真皮をペプシンにより可溶化し
て得ている。
【0014】本発明で架橋に用いるポリエポキシ化合物
としては、親水性ポリエポキシ化合物が好ましく、特に
ポリエ−テルポリオ−ル誘導体が好ましい。たとえば、
グリセロ−ルジグリシジルエ−テル、グリセロ−ルトリ
グリシジルエ−テル、ジグリセロ−ルテトラグリシジル
エ−テル、トリグリセロ−ルペンタグリシジルエ−テ
ル、ポリ(メチレングリコ−ル)ジグリシジルエ−テル
(重合度1〜10)、ポリ(エチレングリコ−ル)ジグ
リシジルエ−テル(重合度1〜10)、ポリ(トリメチ
レングリコ−ル)ジグリシジルエ−テル(重合度1〜
8)、ポリ(プロピレングリコ−ル)ジグリシジルエ−
テル(重合度1〜8)などが挙げられる。これらの架橋
剤を用いる架橋反応は、通常水系にて20℃〜37℃の
温度で、0.5〜72時間行なわれる。ここで言う水系
とは、蒸留水、そのpHを塩酸或は水酸化ナトリウムな
どにより変化させた水、またリン酸緩衝液、ホウ酸緩衝
液、炭酸緩衝液などで緩衝した水などで、特に限定され
るものではない。
としては、親水性ポリエポキシ化合物が好ましく、特に
ポリエ−テルポリオ−ル誘導体が好ましい。たとえば、
グリセロ−ルジグリシジルエ−テル、グリセロ−ルトリ
グリシジルエ−テル、ジグリセロ−ルテトラグリシジル
エ−テル、トリグリセロ−ルペンタグリシジルエ−テ
ル、ポリ(メチレングリコ−ル)ジグリシジルエ−テル
(重合度1〜10)、ポリ(エチレングリコ−ル)ジグ
リシジルエ−テル(重合度1〜10)、ポリ(トリメチ
レングリコ−ル)ジグリシジルエ−テル(重合度1〜
8)、ポリ(プロピレングリコ−ル)ジグリシジルエ−
テル(重合度1〜8)などが挙げられる。これらの架橋
剤を用いる架橋反応は、通常水系にて20℃〜37℃の
温度で、0.5〜72時間行なわれる。ここで言う水系
とは、蒸留水、そのpHを塩酸或は水酸化ナトリウムな
どにより変化させた水、またリン酸緩衝液、ホウ酸緩衝
液、炭酸緩衝液などで緩衝した水などで、特に限定され
るものではない。
【0015】またポリエポキシ化合物はアテロコラ−ゲ
ン1g当り0.1mg〜2gの割合で使用する。反応液
中のアテロコラ−ゲン濃度は0.1重量%〜5重量%の
範囲で行ないえる。所定の時間反応させた後、架橋反応
混合物を回収し、これを、グリシン、エタノ−ルアミン
などのアミノ基を有する試薬と反応させ、架橋反応を停
止させる。次いで洗浄を十分に行なった後、アテロコラ
−ゲン濃度が6重量%〜10重量%になるまで濃縮す
る。
ン1g当り0.1mg〜2gの割合で使用する。反応液
中のアテロコラ−ゲン濃度は0.1重量%〜5重量%の
範囲で行ないえる。所定の時間反応させた後、架橋反応
混合物を回収し、これを、グリシン、エタノ−ルアミン
などのアミノ基を有する試薬と反応させ、架橋反応を停
止させる。次いで洗浄を十分に行なった後、アテロコラ
−ゲン濃度が6重量%〜10重量%になるまで濃縮す
る。
【0016】次いでこれに、リン酸緩衝液を加え、生理
的な状態に調整すると共に、アテロコラ−ゲン濃度を5
5〜75mg/ml(5.5〜7.5重量%)に調整す
る。かくして本発明の目的とする体内注入可能な高濃度
架橋化アテロコラ−ゲン移植用組成物を得ることができ
る。
的な状態に調整すると共に、アテロコラ−ゲン濃度を5
5〜75mg/ml(5.5〜7.5重量%)に調整す
る。かくして本発明の目的とする体内注入可能な高濃度
架橋化アテロコラ−ゲン移植用組成物を得ることができ
る。
【0017】通常、上記の如くして架橋反応させると、
アテロコラ−ゲン液中の全てのアテロコラ−ゲン分子が
架橋されて架橋化アテロコラ−ゲンとなる。すなわちア
テロコラ−ゲンの100重量%がポリエポキシ化合物で
架橋されたものが得られる。本発明の移植用組成物にお
いては、このアテロコラ−ゲン分子の全てがポリエポキ
シ化合物で架橋されたものが用いられるが、該組成物中
に存在するアテロコラ−ゲン分子の20重量%以上、好
ましくは40重量%以上がポリエポキシ化合物で架橋さ
れているものも使用できる。このようにするには、例え
ば上記の如く架橋化反応させたアテロコラ−ゲン液に、
架橋化アテロコラ−ゲンの含有量が所定量となるよう
に、アテロコラ−ゲンを添加して調製する。架橋化アテ
ロコラ−ゲンの含有量が20重量%未満では、体内にお
ける分解・吸収を充分に抑制することが出来なく、軟組
織陥凹状欠損部に注入してその***効果を長期に亘り維
持することができない。
アテロコラ−ゲン液中の全てのアテロコラ−ゲン分子が
架橋されて架橋化アテロコラ−ゲンとなる。すなわちア
テロコラ−ゲンの100重量%がポリエポキシ化合物で
架橋されたものが得られる。本発明の移植用組成物にお
いては、このアテロコラ−ゲン分子の全てがポリエポキ
シ化合物で架橋されたものが用いられるが、該組成物中
に存在するアテロコラ−ゲン分子の20重量%以上、好
ましくは40重量%以上がポリエポキシ化合物で架橋さ
れているものも使用できる。このようにするには、例え
ば上記の如く架橋化反応させたアテロコラ−ゲン液に、
架橋化アテロコラ−ゲンの含有量が所定量となるよう
に、アテロコラ−ゲンを添加して調製する。架橋化アテ
ロコラ−ゲンの含有量が20重量%未満では、体内にお
ける分解・吸収を充分に抑制することが出来なく、軟組
織陥凹状欠損部に注入してその***効果を長期に亘り維
持することができない。
【0018】また、本発明における架橋化アテロコラ−
ゲンは、アテロコラ−ゲン分子の側鎖アミノ基の10%
以上がポリエポキシ化合物と反応している。この反応が
アミノ基の10%未満のものは、架橋させた効果が発揮
されない。すなわち、アテロコラ−ゲンの体内における
分解・吸収を充分に抑制することが出来ない。
ゲンは、アテロコラ−ゲン分子の側鎖アミノ基の10%
以上がポリエポキシ化合物と反応している。この反応が
アミノ基の10%未満のものは、架橋させた効果が発揮
されない。すなわち、アテロコラ−ゲンの体内における
分解・吸収を充分に抑制することが出来ない。
【0019】本発明のポリエポキシ化合物で架橋化した
アテロコラ−ゲンの水性懸濁液は、他の架橋剤による架
橋化アテロコラ−ゲンの水性懸濁液と異なり、同濃度に
おいて極めて低い粘度を示すと言う特異な挙動を示す。
例えば、グルタルアルデヒドで架橋したアテロコラ−ゲ
ンの3.5%水性懸濁液は、回転粘度計を用い粘弾性を
測定すると、回転数100s-1の剪断応力の場合500
0mPa・sを示すが、ポリエポキシ化合物架橋化コラ
−ゲンの場合は、その3.5%水性懸濁液においては、
回転数100s-1の剪断応力の場合900mPa・sと
いう低い粘度特性を示し、6%水性懸濁液においてさえ
回転数100s-1の剪断応力の場合5000mPa・s
である。
アテロコラ−ゲンの水性懸濁液は、他の架橋剤による架
橋化アテロコラ−ゲンの水性懸濁液と異なり、同濃度に
おいて極めて低い粘度を示すと言う特異な挙動を示す。
例えば、グルタルアルデヒドで架橋したアテロコラ−ゲ
ンの3.5%水性懸濁液は、回転粘度計を用い粘弾性を
測定すると、回転数100s-1の剪断応力の場合500
0mPa・sを示すが、ポリエポキシ化合物架橋化コラ
−ゲンの場合は、その3.5%水性懸濁液においては、
回転数100s-1の剪断応力の場合900mPa・sと
いう低い粘度特性を示し、6%水性懸濁液においてさえ
回転数100s-1の剪断応力の場合5000mPa・s
である。
【0020】このように、本発明におけるのポリエポキ
シ化合物架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液は、高濃度
においても低粘度で流動性が良いため体内への注入をス
ム−スに容易に行い得る利点がある。したがって本発明
においては、55〜75mg/mlという高濃度におい
て体内に注入することが出来る。そして、高濃度にして
体内に注入するほど皮膚***効果が発揮される。55m
g/ml未満の濃度では、皮膚***効果、その保持効果
すなわち容量保持効果が未だ充分とは言い難い。また、
75mg/mlを超える濃度になるポリエポキシ化合物
架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液の粘度が高くなり、
流動性が低下するため注入が困難となる。
シ化合物架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液は、高濃度
においても低粘度で流動性が良いため体内への注入をス
ム−スに容易に行い得る利点がある。したがって本発明
においては、55〜75mg/mlという高濃度におい
て体内に注入することが出来る。そして、高濃度にして
体内に注入するほど皮膚***効果が発揮される。55m
g/ml未満の濃度では、皮膚***効果、その保持効果
すなわち容量保持効果が未だ充分とは言い難い。また、
75mg/mlを超える濃度になるポリエポキシ化合物
架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液の粘度が高くなり、
流動性が低下するため注入が困難となる。
【0021】また本発明における架橋化アテロコラ−ゲ
ンは、示差走査熱量計を用いた転移温度の測定で40℃
以上の転移温度(ゼラチンに転移する温度)を示すもの
が好ましく、特に転移温度50〜80℃のものが望まし
い。転移温度が40度未満のものは架橋の程度が充分で
なく、アテロコラ−ゲンの体内における分解・吸収を充
分に抑制することが出来ない。
ンは、示差走査熱量計を用いた転移温度の測定で40℃
以上の転移温度(ゼラチンに転移する温度)を示すもの
が好ましく、特に転移温度50〜80℃のものが望まし
い。転移温度が40度未満のものは架橋の程度が充分で
なく、アテロコラ−ゲンの体内における分解・吸収を充
分に抑制することが出来ない。
【0022】本発明のポリエポキシ化合物架橋化アテロ
コラ−ゲン水性懸濁液は、架橋剤としてポリエポキシ化
合物を用いたので、グルタルアルデヒドなどを用いた場
合に比し毒性がなく、かつ抗原性が低く、石灰化を起こ
さないため、組織反応が小さく、線維芽細胞の進入及び
自己組織への同化が早く、皮膚***効果を早期に達成で
きる利点がある。したがって、交通事故、手術、外傷等
により生じた軟組織陥凹状欠損部に注入して使用するの
に好適である。また必要に応じこれに他の添加剤、例え
ば局所麻酔剤などを添加して使用することもできる。
コラ−ゲン水性懸濁液は、架橋剤としてポリエポキシ化
合物を用いたので、グルタルアルデヒドなどを用いた場
合に比し毒性がなく、かつ抗原性が低く、石灰化を起こ
さないため、組織反応が小さく、線維芽細胞の進入及び
自己組織への同化が早く、皮膚***効果を早期に達成で
きる利点がある。したがって、交通事故、手術、外傷等
により生じた軟組織陥凹状欠損部に注入して使用するの
に好適である。また必要に応じこれに他の添加剤、例え
ば局所麻酔剤などを添加して使用することもできる。
【0023】
【実施例】以下、実施例にもとづき本発明を詳細に説明
する。新鮮な仔牛の背部の皮を切り取り、その周縁部を
切り落した後、この背部の皮を水道水で洗浄して皮の外
部に付着している汚れを落し、さらにパイロジエンフリ
−水で洗浄した。こうして得られた皮を70%エタノ−
ルに浸漬した後、カミソリを用いて毛根部を残さないよ
うに、毛及び皮の上面を削ぎ落した。この時新たに現れ
た真皮の表面に汚れが付着しないように注意する。一
方、皮の裏面もカミソリで削ぎ落し、こうして仔牛皮の
真皮層のみを、汚染されないように取り出した。この真
皮層を70%アルコ−ルに一夜浸漬後、過剰のアルコ−
ルを除去した後、無菌的に粉砕した。次にパイロジエン
フリ−の5%NaCl水で洗浄し、遠心脱水し、さらに
パイロジエンフリ−水で洗浄後、70%アルコ−ルに一
夜浸漬した。遠心脱液により過剰のアルコ−ルを除去
し、粉砕真皮を無菌の溶解槽に入れ、パイロジエンフリ
−水を加え、さらに、パイロジエンフリ−水に溶解し且
つ濾過除菌したペプシンを加えた。この際、ペプシンは
粉砕真皮に対し0.5%(乾燥重量基準で)を加えた。
また、粉砕真皮の濃度を約0.5%〜0.9%、pHを
HClにより3に調整し、温度を20℃に維持した。こ
の溶解槽内の混合物を20℃で3日間緩やかに撹拌処理
し、真皮不溶性コラ−ゲンを完全に溶解して、アテロコ
ラ−ゲン溶液を得た。
する。新鮮な仔牛の背部の皮を切り取り、その周縁部を
切り落した後、この背部の皮を水道水で洗浄して皮の外
部に付着している汚れを落し、さらにパイロジエンフリ
−水で洗浄した。こうして得られた皮を70%エタノ−
ルに浸漬した後、カミソリを用いて毛根部を残さないよ
うに、毛及び皮の上面を削ぎ落した。この時新たに現れ
た真皮の表面に汚れが付着しないように注意する。一
方、皮の裏面もカミソリで削ぎ落し、こうして仔牛皮の
真皮層のみを、汚染されないように取り出した。この真
皮層を70%アルコ−ルに一夜浸漬後、過剰のアルコ−
ルを除去した後、無菌的に粉砕した。次にパイロジエン
フリ−の5%NaCl水で洗浄し、遠心脱水し、さらに
パイロジエンフリ−水で洗浄後、70%アルコ−ルに一
夜浸漬した。遠心脱液により過剰のアルコ−ルを除去
し、粉砕真皮を無菌の溶解槽に入れ、パイロジエンフリ
−水を加え、さらに、パイロジエンフリ−水に溶解し且
つ濾過除菌したペプシンを加えた。この際、ペプシンは
粉砕真皮に対し0.5%(乾燥重量基準で)を加えた。
また、粉砕真皮の濃度を約0.5%〜0.9%、pHを
HClにより3に調整し、温度を20℃に維持した。こ
の溶解槽内の混合物を20℃で3日間緩やかに撹拌処理
し、真皮不溶性コラ−ゲンを完全に溶解して、アテロコ
ラ−ゲン溶液を得た。
【0024】ペプシン可溶化仔牛真皮由来アテロコラ−
ゲン水溶液(pH3)を、滅菌した孔径1μm、0.8
0μm、0.65μm及び0.45μmのフィルタ−を
用いて順次濾過し、0.45μmのフィルタ−について
は2回濾過した。この溶液に無菌0.5N−NaOHを
加えpH7に調整し線維形成を行い、パイロジエンフリ
−、2段蒸留水を用い、2%−アテロコラ−ゲン水溶液
を調整した。これに0.04M−Na2HPO4、0.3
M−NaCl水溶液を加え、pH9とし、35℃にて5
時間保温撹拌した後、エチレングリコ−ルジグリシジル
エ−テルを最終濃度を0.5%となるまで加えた。35
℃にて15時間撹拌しながら反応させ、反応終了後分散
液を遠心分離にて回収した。
ゲン水溶液(pH3)を、滅菌した孔径1μm、0.8
0μm、0.65μm及び0.45μmのフィルタ−を
用いて順次濾過し、0.45μmのフィルタ−について
は2回濾過した。この溶液に無菌0.5N−NaOHを
加えpH7に調整し線維形成を行い、パイロジエンフリ
−、2段蒸留水を用い、2%−アテロコラ−ゲン水溶液
を調整した。これに0.04M−Na2HPO4、0.3
M−NaCl水溶液を加え、pH9とし、35℃にて5
時間保温撹拌した後、エチレングリコ−ルジグリシジル
エ−テルを最終濃度を0.5%となるまで加えた。35
℃にて15時間撹拌しながら反応させ、反応終了後分散
液を遠心分離にて回収した。
【0025】得られた反応生成物を二段蒸留水に分散し
てコラ−ゲン濃度を2%となし、さらに0.04M−N
a2HPO4、0.3M−NaCl、0.4M−グリシン
水溶液を加え、コラ−ゲン濃度1%に調整し、35℃に
て15時間撹拌し、未反応のエポキシ基を失活させた。
これを遠心分離にて回収、0.02M−Na2HPO4、
0.15M−NaCl水溶液にて十分に洗浄した後、コ
ラ−ゲン濃度6重量%(60mg/ml)のポリエポキ
シ化合物架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液を得た。こ
の架橋化アテロコラ−ゲンのε−アミノ基修飾率をTN
BS法にて調べたところ、49.2%であり、示差走査
熱量計による分析で転移温度60.1℃を示した。
てコラ−ゲン濃度を2%となし、さらに0.04M−N
a2HPO4、0.3M−NaCl、0.4M−グリシン
水溶液を加え、コラ−ゲン濃度1%に調整し、35℃に
て15時間撹拌し、未反応のエポキシ基を失活させた。
これを遠心分離にて回収、0.02M−Na2HPO4、
0.15M−NaCl水溶液にて十分に洗浄した後、コ
ラ−ゲン濃度6重量%(60mg/ml)のポリエポキ
シ化合物架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液を得た。こ
の架橋化アテロコラ−ゲンのε−アミノ基修飾率をTN
BS法にて調べたところ、49.2%であり、示差走査
熱量計による分析で転移温度60.1℃を示した。
【0026】粘弾性の測定 東京計器製コ−ンプレ−トタイプE型回転粘度計を用い
測定した。結果を図1、図2および図3に示す。図1は
エチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル架橋化アテロ
コラ−ゲンの3.5重量%(35mg/ml)水性懸濁
液の粘弾測定結果で、回転数100s-1の剪断応力のと
き900mPa・sという低い粘度特性を示し、また図
2にみるように、6重量%(60mg/ml)水性懸濁
液のとき回転数100s-1の剪断応力で5000mPa
・sを示した。図3は従来のグルタルアルデヒドで架橋
したアテロコラ−ゲンの3.5重量%(35mg/m
l)水性懸濁液の粘弾測定結果で、このような低濃度に
おいてさえ、回転数100s-1の剪断応力で5000m
Pa・sを示した。このように、本発明のポリエポキシ
化合物架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液は、他の架橋
剤による架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液と異なり極
めて低い粘度を示した。
測定した。結果を図1、図2および図3に示す。図1は
エチレングリコ−ルジグリシジルエ−テル架橋化アテロ
コラ−ゲンの3.5重量%(35mg/ml)水性懸濁
液の粘弾測定結果で、回転数100s-1の剪断応力のと
き900mPa・sという低い粘度特性を示し、また図
2にみるように、6重量%(60mg/ml)水性懸濁
液のとき回転数100s-1の剪断応力で5000mPa
・sを示した。図3は従来のグルタルアルデヒドで架橋
したアテロコラ−ゲンの3.5重量%(35mg/m
l)水性懸濁液の粘弾測定結果で、このような低濃度に
おいてさえ、回転数100s-1の剪断応力で5000m
Pa・sを示した。このように、本発明のポリエポキシ
化合物架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液は、他の架橋
剤による架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液と異なり極
めて低い粘度を示した。
【0027】in.vitro試験 ヒト線維芽細胞による培養試験によって、ポリエポキシ
化合物架橋化コラ−ゲンの細胞増殖を試験した。培養皿
に、ポリエポキシ化合物架橋化コラ−ゲンを塗布し、風
乾後、培養皿に6.5×104個の細胞を播いて37℃
のCO2インキュベ−タを用い培養した。又比較のため
未架橋のコラ−ゲン及びグルタルアルデヒド架橋化コラ
−ゲンを用いて同様に培養した。結果を第4図に示す。
図4において、黒丸はポリエポキシ化合物架橋化アテロ
コラ−ゲン、白四角は未架橋アテロコラ−ゲン、黒三角
はグルタルアルデヒド架橋化アテロコラ−ゲンについて
のそれぞれの結果である。上記ポリエポキシ化合物架橋
化アテロコラ−ゲンを塗布したものは細胞が良好な増殖
を示し、細胞の形態も正常な形態を有していた。一方、
未架橋アテロコラ−ゲン及びグルタルアルデヒド架橋化
アテロコラ−ゲンを塗布したものは細胞の増殖が見られ
なかった。
化合物架橋化コラ−ゲンの細胞増殖を試験した。培養皿
に、ポリエポキシ化合物架橋化コラ−ゲンを塗布し、風
乾後、培養皿に6.5×104個の細胞を播いて37℃
のCO2インキュベ−タを用い培養した。又比較のため
未架橋のコラ−ゲン及びグルタルアルデヒド架橋化コラ
−ゲンを用いて同様に培養した。結果を第4図に示す。
図4において、黒丸はポリエポキシ化合物架橋化アテロ
コラ−ゲン、白四角は未架橋アテロコラ−ゲン、黒三角
はグルタルアルデヒド架橋化アテロコラ−ゲンについて
のそれぞれの結果である。上記ポリエポキシ化合物架橋
化アテロコラ−ゲンを塗布したものは細胞が良好な増殖
を示し、細胞の形態も正常な形態を有していた。一方、
未架橋アテロコラ−ゲン及びグルタルアルデヒド架橋化
アテロコラ−ゲンを塗布したものは細胞の増殖が見られ
なかった。
【0028】in.vivo試験 4週齢のオスのSD−ラットを用い、背部皮下に上記調
製した6重量%(60mg/ml)ポリエポキシ化合物
架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液0.3mlを注入し
た。一定期間毎に生検し、組織学的に検討した。結果を
表1に示す。また、比較のため、3.5重量%(35m
g/ml)ポリエポキシ化合物架橋化アテロコラ−ゲン
水性懸濁液0.3mlを注入したときの結果を表2に示
す。なお、各表中(−)は認めない、少ない、(±)は
正常、普通、(+)はやや多い、(++)は多い、大き
い、(+++)激しい、極めて大きい、を示す。ポリエポ
キシ化合物架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液の濃度が
高いほど容量保持効果が良いことがわかる。
製した6重量%(60mg/ml)ポリエポキシ化合物
架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液0.3mlを注入し
た。一定期間毎に生検し、組織学的に検討した。結果を
表1に示す。また、比較のため、3.5重量%(35m
g/ml)ポリエポキシ化合物架橋化アテロコラ−ゲン
水性懸濁液0.3mlを注入したときの結果を表2に示
す。なお、各表中(−)は認めない、少ない、(±)は
正常、普通、(+)はやや多い、(++)は多い、大き
い、(+++)激しい、極めて大きい、を示す。ポリエポ
キシ化合物架橋化アテロコラ−ゲン水性懸濁液の濃度が
高いほど容量保持効果が良いことがわかる。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】本発明の体内注入用架橋化アテロコラ−
ゲン組成物は、アテロコラ−ゲンの体内吸収性を制御す
るため架橋化する架橋剤としてポリエポキシ化合物を用
いたので、高濃度で使用しても、低粘度で流動性が良
く、体内注入をスム−スに行なうことができ、したがっ
て***効果を長期に亘り維持できる。しかも本発明の体
内注入用架橋化アテロコラ−ゲン組成物は、毒性が無
く、かつ抗原性が低く、石灰化を起こさないため、組織
反応が小さく、線維芽細胞の進入及び自己組織への同化
が早く、皮膚***効果を早期に達成できると言う顕著な
効果を奏する。
ゲン組成物は、アテロコラ−ゲンの体内吸収性を制御す
るため架橋化する架橋剤としてポリエポキシ化合物を用
いたので、高濃度で使用しても、低粘度で流動性が良
く、体内注入をスム−スに行なうことができ、したがっ
て***効果を長期に亘り維持できる。しかも本発明の体
内注入用架橋化アテロコラ−ゲン組成物は、毒性が無
く、かつ抗原性が低く、石灰化を起こさないため、組織
反応が小さく、線維芽細胞の進入及び自己組織への同化
が早く、皮膚***効果を早期に達成できると言う顕著な
効果を奏する。
【図1】ポリエポキシ化合物架橋化アテロコラ−ゲンの
粘弾性特性図
粘弾性特性図
【図2】ポリエポキシ化合物架橋化アテロコラ−ゲンの
粘弾性特性図
粘弾性特性図
【図3】従来のグルタルアルデヒド架橋アテロコラ−ゲ
ンの粘弾性特性図
ンの粘弾性特性図
【図4】ポリエポキシ化合物架橋化アテロコラ−ゲンに
ついての細胞培養増殖試験の結果を示した図。
ついての細胞培養増殖試験の結果を示した図。
Claims (2)
- 【請求項1】緩衝液により生理的な状態に調整されたア
テロコラ−ゲン水性懸濁液からなり、(a)アテロコラ
−ゲン含有量が55〜75mg/mlであり、(b)ア
テロコラ−ゲンの20〜100重量%がポリエポキシ化
合物で架橋された架橋アテロコラ−ゲンであることを特
徴とする移植用組成物。 - 【請求項2】架橋アテロコラ−ゲンが、コラ−ゲン分子
の側鎖アミノ基の10%以上がポリエポキシ化合物と架
橋反応したものであり、示差走査熱量計による転移温度
測定において、40℃以上の転移温度を有する請求項1
記載の移植用組成物。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3113660A JP3008034B2 (ja) | 1990-04-23 | 1991-04-19 | 体内注入可能な高濃度架橋化アテロコラ−ゲン移植用組成物 |
US07/872,722 US5314874A (en) | 1991-04-19 | 1992-04-15 | Intracorporeally injectable composition for implanting highly concentrated cross-linked atelocollagen |
DE69212203T DE69212203T2 (de) | 1991-04-19 | 1992-04-16 | Intrakorporale injizierbare Zusammensetzung zum Implantieren von hochkonzentriertem vernetzten Atelokollagen |
EP92303469A EP0509833B1 (en) | 1991-04-19 | 1992-04-16 | An intracorporeally injectable composition for implanting highly concentrated cross-linked atelocollagen |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2-105430 | 1990-04-23 | ||
JP10543090 | 1990-04-23 | ||
JP3113660A JP3008034B2 (ja) | 1990-04-23 | 1991-04-19 | 体内注入可能な高濃度架橋化アテロコラ−ゲン移植用組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04227265A JPH04227265A (ja) | 1992-08-17 |
JP3008034B2 true JP3008034B2 (ja) | 2000-02-14 |
Family
ID=26445715
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3113660A Expired - Fee Related JP3008034B2 (ja) | 1990-04-23 | 1991-04-19 | 体内注入可能な高濃度架橋化アテロコラ−ゲン移植用組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3008034B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5510418A (en) * | 1988-11-21 | 1996-04-23 | Collagen Corporation | Glycosaminoglycan-synthetic polymer conjugates |
US5162430A (en) * | 1988-11-21 | 1992-11-10 | Collagen Corporation | Collagen-polymer conjugates |
US5306500A (en) * | 1988-11-21 | 1994-04-26 | Collagen Corporation | Method of augmenting tissue with collagen-polymer conjugates |
US5475052A (en) * | 1988-11-21 | 1995-12-12 | Collagen Corporation | Collagen-synthetic polymer matrices prepared using a multiple step reaction |
US5800541A (en) * | 1988-11-21 | 1998-09-01 | Collagen Corporation | Collagen-synthetic polymer matrices prepared using a multiple step reaction |
US5565519A (en) * | 1988-11-21 | 1996-10-15 | Collagen Corporation | Clear, chemically modified collagen-synthetic polymer conjugates for ophthalmic applications |
WO2004082694A1 (ja) * | 2003-03-20 | 2004-09-30 | Cosmotec Co. Ltd. | 細胞治療用材料、及び血管内治療方法 |
CA2581093C (en) | 2004-09-17 | 2014-11-18 | Angiotech Biomaterials Corporation | Multifunctional compounds for forming crosslinked biomaterials and methods of preparation and use |
-
1991
- 1991-04-19 JP JP3113660A patent/JP3008034B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04227265A (ja) | 1992-08-17 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |