JP3007326B2 - 耐摩耗性、耐薬品性に優れた転写材及び表面保護シート並びにこれらを用いた耐摩耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法 - Google Patents
耐摩耗性、耐薬品性に優れた転写材及び表面保護シート並びにこれらを用いた耐摩耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法Info
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- JP3007326B2 JP3007326B2 JP22442498A JP22442498A JP3007326B2 JP 3007326 B2 JP3007326 B2 JP 3007326B2 JP 22442498 A JP22442498 A JP 22442498A JP 22442498 A JP22442498 A JP 22442498A JP 3007326 B2 JP3007326 B2 JP 3007326B2
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Description
おいて保護印刷層にクラックを発生させないで耐摩耗
性、耐薬品性に優れた成形品を得ることのできる転写
材、表面保護シートおよびこれらを用いた耐摩耗性、耐
薬品性に優れた成形品の製造方法に関し、とくにインラ
インの印刷工程でも活性エネルギー線照射前の保護印刷
層に流動性や粘着性が残らないようにすることができる
ものである。
成形品を得る方法としては、離型性を有する基体シート
の片面に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる保
護印刷層が設けられ、保護層上に絵柄印刷層、接着印刷
層などの他の印刷層が設けられた転写材を成形品表面に
接着させ、基体シートを剥離する方法、及び離型性を有
しない基体シートの片面に活性エネルギー線硬化性樹脂
組成物からなる保護印刷層が設けられ、反対面に絵柄印
刷層、接着印刷層などの他の印刷層が設けられた表面保
護シートを成形品表面に接着させる方法等がある。
性、耐薬品性に優れた成形品を得る場合、転写材や表面
保護シートのようなシート材の作製時に活性エネルギー
線を照射して活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を架橋
硬化(プレキュア)させておくと、成形品へのシート材
接着時に成形品曲面部に位置する保護印刷層でクラック
が発生しやすい。
作製時に行なわずに成形品へのシート材接着の後に行な
うと(アフターキュア)、保護印刷層のクラックの発生
を無くすることはできるが、活性エネルギー線照射前の
保護印刷層には、以下に述べるような問題点がある。
形成するには、図9に示すような既製の多色グラビア輪
転印刷機などが使用される。このような機械の印刷の主
な流れは、印刷されるシートを巻出し部15より連続的
に送り出した後、先ず多色グラビア輪転印刷部16の最
初の印刷ユニットにおいて、表面にインキパン19から
インキの供給された回転する版胴18とこの版胴18に
対して圧力を加える圧胴20との間にシートを通すこと
によってシート上にインキを転移して印刷層を形成し、
続けてシートを蒸気ドラム、熱風、冷風などの乾燥部2
2に通すことによって印刷層を乾燥した後、シートを次
の印刷ユニットに送り、前印刷ユニットと同様にして別
の印刷層をシート上に形成するといった工程を、必要に
応じてシートの印刷層形成面を変えたり変えなかったり
しながら、何度かくり返し、全ての印刷層を形成した後
にシートを巻取り部17に巻き取る。なお、この機械に
おいては、見当合わせのために、多数のガイドロール2
1にてテンションを微細に調節する。
通常の印刷層は上記各印刷ユニットの乾燥部22を通過
することにより流動性や粘着性が消えるのであるが、従
来の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる保護印
刷層はその程度の乾燥では流動性や粘着性が残ってしま
う。なぜなら、上記乾燥部22は、加熱温度が低く、長
さも2m位しかないからである。しかも、乾燥部22に
おけるシートの通過スピードが印刷層の印刷スピードに
合わせられているため、保護印刷層が乾燥部22で加熱
される時間は、たとえばスピードが40m/分とすると
約3秒間にしかならないのである。
ート上に形成された保護印刷層のインキが印刷機のガイ
ドロール21などに転移してしまったり、絵柄印刷層、
接着印刷層などのインキが版胴18より保護印刷層上に
うまく転移されず、逆に一度基体シート上に形成された
保護印刷層のインキが絵柄印刷層、接着印刷層などを形
成する版胴18の方へ転移する所謂バックトラップが起
こったりする。また、表面保護シートの場合では、やは
り一度基体シート上に形成された保護印刷層のインキが
印刷機のガイドロール21などに転移してしまったり、
離型性を有しない基体シートの片面に保護印刷層を設け
反対面に絵柄印刷層、接着印刷層などを設けるので、全
印刷層の形成後にシートを巻取り部17で巻き取ったと
きに保護印刷層のインキが絵柄印刷層、接着印刷層など
の設けられた面に転移してしまったりする。
シートの接着時に成形品曲面部に位置する保護印刷層で
クラックの発生がなく、かつ活性エネルギー線照射前の
保護印刷層に流動性や粘着性が残らないようにするに
は、シート材の製造工程において保護印刷層形成後に保
護印刷層専用の特別な乾燥が必要となる。つまり、図1
0に示すような保護印刷層専用の印刷システムを設計お
よび組立てし、印刷されるシートを巻出し部15より連
続的に送り出した後、先ず保護印刷層用グラビア輪転印
刷部23でシート上にインキを転移して保護印刷層を形
成し、続けて長さが10〜30m位で温度も200℃近
くまで上げられる保護印刷層用乾燥部24にシートを通
すことによって保護印刷層を流動性や粘着性が残らなく
なるまで乾燥した後、シートを巻取り部17に一度巻き
取る。この場合、他の印刷層と別の装置であるので印刷
スピードは保護印刷層の乾燥に合わせて設定できる。そ
して、この巻き取ったシートを図9に示すような既製の
多色グラビア輪転印刷機の巻出し部15にあらためてセ
ットし、他の印刷層を形成するのである。
保護印刷層専用の特別な乾燥を行なって転写材や表面保
護シートを製造する場合、保護印刷層2の形成と他の印
刷層の形成との間で、一度ラインよりはずさなければな
らず、手間がかかる。また、転写材や表面保護シートの
製造のためだけに保護印刷層専用の印刷システムを新た
に設計および組立しなければならず、設備投資が必要と
なる。しかも、複数の装置を必要とするので、既製の多
色グラビア輪転印刷機だけの場合と比べて稼働コストが
余分にかかる。
点を取り除き、成形品への転写材や表面保護シートの接
着時に成形品曲面部に位置する保護印刷層でクラックの
発生がなく、かつインラインの印刷工程でも活性エネル
ギー線照射前の保護印刷層に流動性や粘着性が残らない
ようにすることのできる耐摩耗性、耐薬品性に優れた転
写材及び表面保護シート並びにこれらを用いた耐摩耗
性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法を提供すること
を目的としている。
に、本発明の耐摩耗性、耐薬品性に優れた転写材は、離
型性を有する基体シートの離型面に(メタ)アクリル当
量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量平均分子
量5000〜50000のポリマーと多官能イソシアネートを重
付加反応させたものであってそのウレタン結合量が6000
〜50000g/eqである反応生成物を有効成分として含
有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる保護
印刷層が設けられ、上記保護印刷層上に他の印刷層が設
けられているように構成した。
グリシジル(メタ)アクリレート系重合体とα,β−不
飽和モノカルボン酸を付加反応させた反応生成物である
ように構成した。
ジル(メタ)アクリレート系重合体が、グリシジル(メ
タ)アクリレートの単独重合体、またはグリシジル(メ
タ)アクリレートとカルボキシル基を含有しないα,β
−不飽和単量体からなる共重合体であるように構成し
た。
を有する基体シートがその表面上に、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂、又はこれらの共重合樹脂や混合物を主成分
とし、酸触媒を含有した部分艶消し層を有しているよう
に構成した。
品の製造方法は、上記耐摩耗性、耐薬品性に優れた転写
材を成形品表面に接着させた後、基体シートを剥離する
工程および活性エネルギー線を照射する工程を経るよう
に構成した。
た成形品の製造方法は、上記耐摩耗性、耐薬品性に優れ
た転写材を成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂
を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面
に転写材を接着させた後、基体シートを剥離する工程お
よび活性エネルギー線を照射する工程を経るように構成
した。
保護シートは、離型性を有する基体シートの離型面に
(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜
500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと多官能イ
ソシアネートを重付加反応させたものであってそのウレ
タン結合量が6000〜50000g/eqである反応生成物を
有効成分として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組
成物からなる保護印刷層が設けられ、上記基体シートの
反対面に他の印刷層が設けられているように構成した。
マーが、グリシジル(メタ)アクリレート系重合体と
α,β−不飽和モノカルボン酸を付加反応させた反応生
成物であるように構成した。
て、グリシジル(メタ)アクリレート系重合体が、グリ
シジル(メタ)アクリレートの単独重合体、またはグリ
シジル(メタ)アクリレートとカルボキシル基を含有し
ないα,β−不飽和単量体からなる共重合体であるよう
に構成した。
品の製造方法は、上記耐摩耗性、耐薬品性に優れた表面
保護シートを成形品表面に配置し、基体シートを加熱し
て軟化させ、下方より真空吸引することにより成形品表
面に表面保護シートを接着させた後、活性エネルギー線
を照射する工程を経るように構成した。
た成形品の製造方法は、上記耐摩耗性、耐薬品性に優れ
た表面保護シートを成形金型内に挟み込み、キャビテイ
内に樹脂を射出充満させ、樹脂成形品を得るのと同時に
その表面に表面保護シートをを接着させた後、活性エネ
ルギー線を照射する工程を経るように構成した。
について詳細に説明する。
す模式断面図、図2は本発明に係る転写材の他の実施例
を示す模式断面図、図3は本発明に係る転写材を用いた
耐摩耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程の一
実施例を示す模式図、図4は本発明に係る転写材を用い
た耐摩耗性および耐薬品性に優れた成形品の製造工程の
他の実施例を示す模式図、図5は本発明に係る表面保護
シートの一実施例を示す模式断面図、図6は本発明に係
る表面保護シートの他の実施例を示す模式断面図、図7
は本発明に係る表面保護シートを用いた耐摩耗性、耐薬
品性に優れた成形品の製造工程の一実施例を示す模式
図、図8は本発明に係る表面保護シートを用いた耐摩耗
性、耐薬品性に優れた成形品の製造工程の他の実施例を
示す模式図である。図中、1は基体シート、2は保護印
刷層、3は絵柄印刷層、4は接着印刷層、5は転写層、
6は転写材、7は成形品、8は耐熱ゴム状弾性体、9は
可動型、10は固定型、11は溶融樹脂、12は表面保
護シート、13はヒーター、14は真空吸引をそれぞれ
示す。
性に優れた転写材6について説明する。
当量100〜300g/eq、水酸基価20〜500、重量平均分
子量5000〜50000のポリマーと多官能イソシアネートを
保護印刷層の印刷前にあらかじめ重付加反応させたもの
であってそのウレタン結合量が6000〜50000g/eqで
ある反応生成物を有効成分として含有する活性エネルギ
ー線硬化性樹脂組成物からなる保護印刷層2が離型性を
有する基体シート1の離型面に設けられ、保護印刷層2
上に絵柄印刷層3や接着印刷層4などの他の印刷層が設
けられたものである。
リプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリアミド
系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂などの樹脂シート、アルミニウム
箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、コート紙、セロハ
ンなどのセルロース系シート、あるいは以上の各シート
の複合体など、通常の転写材の基体シートとして用いら
れるものを使用することができる。
4などからなる転写層5の基体シート1からの剥離性が
良い場合には、基体シート1上に転写層5を直接設けれ
ばよい。基体シート1からの転写層5の剥離性を改善す
る場合には、基体シート本体上に離型層を全面的に形成
し、これを以て離型性を有する基体シートとすればよ
い。離型層は、転写後または成形同時転写後に基体シー
ト1を剥離した際に、基体シート1本体とともに離型す
る。離型層の材質としては、エポキシ樹脂系離型剤、エ
ポキシメラミン樹脂系離型剤、アミノアルキッド樹脂系
離型剤、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系離型
剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型剤、
尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、パラ
フィン系離型剤およびこれらの複合型離型剤などを用い
ることができる。離型層の形成方法には、各種印刷法や
コート法などが用いられる。
の離型面を艶消し状態にしてもよい。たとえば、エンボ
ス加工を施したり、離型層中に炭酸カルシウム、シリ
カ、酸化亜鉛、炭酸マグネシウム、ポリエチレンワック
ス、ガラスビーズなどの微粉末を含有させたりする。こ
うして転写材6を成形品7表面に接着させた後に離型性
を有する基体シートを剥離すると、基体シート離型面の
微細な凹凸が転写層5の最表面に写し取られ、艶消表面
を有する成形品を得ることができる。
消しのための層を部分的に設けてもよい。この部分艶消
し層を基体シートとともに転写層5から剥離することに
よって、部分的に艶消表面を有する成形品を得ることが
できる。部分艶消し層の材質としては、前記離型層に用
いる材料と同じ材料中に上記微粉末を含有させたものを
用いることができる。部分艶消し層を形成するには、各
種印刷法が用いられる。エポキシ樹脂、メラミン樹脂ま
たはこれらの共重合樹脂や混合物を主成分とするインキ
中にパラトルエンスルフォン酸などの酸触媒を含有させ
ると、印刷後の乾燥が早くなり、保護印刷層やその上の
他の印刷層とともにインラインの印刷工程が可能とな
る。
樹脂組成物からなり、活性エネルギー線照射後に薬品や
摩擦から成形品7や絵柄印刷層3を保護するための層で
ある。本発明において活性エネルギー線硬化性樹脂組成
物の作製に用いるポリマーは、活性エネルギー線照射前
後の保護印刷層2の物理的・化学的要求性能を考慮し
て、特定の配合量とされる。すなわち、活性エネルギー
線照射時の硬化性の点から、(メタ)アクリル当量100
〜300g/eq、好ましくは150〜300g/eqとされ
る。(メタ)アクリル当量が300g/eqよりも大きい
場合は、活性エネルギー線照射後の耐摩耗性が不十分で
あり、また100g/eq未満のものは得ることが難し
い。また、重付加反応させる多官能イソシアネートとの
反応性の点から、ポリマーの水酸基価は20〜500、好ま
しくは100〜300とされる。水酸基価が20未満の場合に
は、多官能イソシアネートとの反応が不十分であり、活
性エネルギー線照射前の保護印刷層2の架橋度が低い。
そのため粘着性が残存したり、耐溶剤性が不足したりす
る。また、水酸基価が500を越えるものは得ることが難
しい。ポリマーの重量平均分子量は、5000〜50000、好
ましくは8000〜40000である。ポリマーの重量平均分子
量が5000未満では活性エネルギー線照射前の保護印刷層
2の粘着性が残存したり、耐溶剤性が不足する。また、
50000を越える場合には樹脂粘度が高くなり過ぎ、イン
キの印刷作業性が低下する。
なく、従来公知の方法を採用できる。例えば、[1]水
酸基を含有する重合体の側鎖の一部に(メタ)アクリロ
イル基を導入する方法、[2]カルボキシル基を含有す
る共重合体に水酸基を含有するα,β−不飽和単量体を
縮合反応させる方法、[3]カルボキシル基を含有する
共重合体にエポキシ基を含有するα,β−不飽和単量体
を付加反応させる方法、[4]エポキシ基含有重合体に
α,β−不飽和カルボン酸を反応させる方法などがあ
る。
リマーの製造方法をより具体的に説明する。例えば、グ
リシジル基を有するポリマーにアクリル酸などのα,β
−不飽和カルボン酸を反応させる方法により本発明で用
いるポリマーを容易に得ることができる。グリシジル基
を有するポリマーとして好ましいのは、例えば、グリシ
ジル(メタ)アクリレートの共重合体、およびグリシジ
ル(メタ)アクリレートとカルボキシル基を含有しない
α,β−不飽和単量体との共重合体等が挙げられる。こ
のカルボキシル基を含有しないα,β−不飽和単量体と
しては、各種の(メタ)アクリル酸エステル、スチレ
ン、酢酸ビニル、アクリロニトリルなどが例示できる。
カルボキシル基を含有するα,β−不飽和単量体を用い
ると、グリシジル(メタ)アクリレートとの共重合反応
時に架橋が生じ、高粘度化やゲル化するため、好ましく
ない。
を採用する際、ポリマーに関わる前記数値限定範囲を満
足するよう、適宜に使用単量体や重合体の種類、これら
の使用量などの条件設定を適宜行う必要がある。かかる
操作は当事者に周知である。
脂組成物の作製に用いる多官能イソシアネートとして
は、格別の限定はなく、公知の各種材料を使用できる。
たとえば、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジ
イソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニールメタンジイソシ
アネート、1,6-ヘキサンジイソシアネート、上記の3量
体、多価アルコールと上記ジイソシアネートを反応させ
たプレポリマーなどを用いることができる。本発明で、
多官能イソシアネートをポリマーと重付加反応させる理
由は、活性エネルギー線照射前の保護印刷層2の粘着性
を低く保ち、さらに転写材6の場合は保護印刷層2上に
積層される絵柄印刷層3や接着印刷層4の形成インキに
含まれる溶剤への耐溶剤性をある程度満足させることに
ある。すなわち、ポリマーに含有される水酸基と、多官
能イソシアネートのイソシアネート基とを反応させ、軽
度の架橋物を形成させて、上記性能を付与せんとするも
のである。
重付加反応の割合は、重付加反応で得られた反応生成物
中のウレタン結合量が6000〜50000g/eq、より好ま
しくは8000〜30000g/eqになるように決定する必要
がある。ウレタン結合量が6000/eq未満だと、重付加
反応の際に架橋が進みすぎてゲルが発生するので均一な
ワニスが得られない。また、ウレタン結合量が50000g
/eqを超えると、架橋性が不十分となり粘着性が残存
したり、耐溶剤性が不足し、既製の多色グラビア輪転印
刷機などのインライン印刷工程により転写材6を得るこ
とが困難となる。
各所定条件でポリマーと多官能イソシアネートを保護印
刷層の印刷前にあらかじめ重付加反応させた反応生成物
を有効成分として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂
組成物からなるもので設けたことにある。すなわち、こ
の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる保護印刷
層2は特別な乾燥を行なわなくてもタックフリーの状態
にあるので、保護印刷層2上に他の層を刷り重ねたり、
転写材を巻き取ったりすることできる。しかも、保護印
刷層についてのみ特別な装置で印刷および乾燥を行なう
必要がなく、既製の多色グラビア輪転印刷機などのイン
ライン印刷工程で他の印刷層と同様に印刷および乾燥を
行なうことによって、耐摩耗性、耐薬品性に優れた転写
材や表面保護シートを製造することができる。
エネルギー線硬化性樹脂組成物は、エチレン性不飽和基
を含む。転写完了後にこの活性エネルギー線硬化性樹脂
組成物を活性エネルギー線に露出すると、エチレン性不
飽和基が重合し、樹脂が架橋される。
ー線硬化性樹脂組成物は、ポリマーと多官能イソシアネ
ートを重付加反応させた反応生成物以外に、必要に応じ
て以下のような成分を含有することができる。たとえ
ば、反応性希釈モノマー、溶剤、着色剤などである。ま
た、活性エネルギー線照射に際して電子線を用いる場合
には、光重合開始剤を用いることなく充分架橋硬化を発
揮することができるが、紫外線を用いる場合には、公知
各種の光重合開始剤を添加する必要がある。
ー線硬化性樹脂組成物には、必要に応じて滑剤を含有さ
せてもよい。保護印刷層2の表面が粗面化されるので、
シートが巻きやすくなり、ブロッキングが生じ難くなる
ためである。また、擦れや引っ掻きに対する抵抗性を増
すことができる。滑剤としては、例えば、ポリエチレン
ワックス、パラフィンワックス、合成ワックス、モンタ
ンワックス等のワックス類、シリコーン系、フッ素系等
の合成樹脂類を用いうる。滑剤は、0.5〜15重量%、好
ましくは1〜6重量%の量で含有させる。滑剤の量が0.
5重量%を下回るとブロッキングの防止や摩擦引っ掻き
抵抗の効果が少なくなり、15重量%を上回ると保護印刷
層2の透明性が極端に悪くなる。
ー線硬化性樹脂組成物には、耐光性向上を目的として紫
外線吸収剤を含有させてもよい。紫外線吸収剤として
は、種々のものが使用できるが、とくに、
ゾール、式
ジン、式
タクリルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリア
ゾール等を用いることが好ましい。これらの化合物を紫
外線吸収剤として用いる場合は、他の紫外線吸収剤を含
有させた場合に比べ保護印刷層2の紫外線吸収効果(耐
光性)に優れている。また、上記式で示す紫外線吸収剤
は、この活性エネルギー線硬化性樹脂組成物との相溶性
に優れているため、保護印刷層2の耐摩耗性や透明性を
維持したまま多量に含有させうる。
すものである。絵柄印刷層3の材質としては、ポリビニ
ル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポ
リアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリビニルア
セタール系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セルロ
ースエステル系樹脂、アルキッド樹脂などの樹脂をバイ
ンダーとし、適切な色の顔料または染料を着色剤として
含有する着色インキを用いるとよい。
層を接着するものである。接着印刷層4としては、成形
品7の素材に適した感熱性あるいは感圧性の樹脂を適宜
使用する。たとえば、成形品7の材質がポリアクリル系
樹脂の場合はポリアクリル系樹脂を用いるとよい。ま
た、成形品7の材質がポリフェニレンオキシド・ポリス
チレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチレン系共
重合体樹脂、ポリスチレン系ブレンド樹脂の場合は、こ
れらの樹脂と親和性のあるポリアクリル系樹脂、ポリス
チレン系樹脂、ポリアミド系樹脂などを使用すればよ
い。さらに、成形品7の材質がポリプロピレン樹脂の場
合は、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩素化エチレン−酢
酸ビニル共重合体樹脂、環化ゴム、クマロンインデン樹
脂が使用可能である。
限定されるものではなく、たとえば、成形品7の地模様
や透明性を活かし、表面保護処理だけを目的とした転写
材6を用いる場合には、基体シート1の上に保護印刷層
2および接着印刷層4を上述のように順次形成して転写
層5より絵柄印刷層3を省略することができる(図2参
照)。
設けてもよい。アンカー層は、転写層5の各層間の密着
性を高めたり、薬品から成形品7や絵柄印刷層3を保護
したりするための樹脂層であり、たとえば、二液硬化性
ウレタン樹脂、メラミン系やエポキシ系などの熱硬化性
樹脂、塩化ビニル共重合体樹脂などの熱可塑性樹脂を用
いることができる。
本発明に係る耐摩耗性および耐薬品性に優れた成形品の
製造方法について説明する。
7上に転写材6を配置する(図3参照)。耐熱ゴム状弾
性体8、例えばシリコンラバーを備えたロール転写機、
アップダウン転写機などの転写機を用い、温度80〜260
℃程度、圧力50〜200kg/m2程度の条件に設定した耐熱
ゴム状弾性体8を介して転写材6の基体シート1側から
熱または/および圧力を加える。こうすることにより、
接着印刷層4が成形品7表面に接着する。次いで、冷却
後に基体シート1を剥がすと、基体シート1と保護印刷
層2との境界面で剥離が起こる。また、基体シート1上
に離型層を設けた場合には、基体シート1を剥がすと、
離型層と保護印刷層2との境界面で剥離が起こる。最後
に、活性エネルギー線を照射することにより、成形品7
に転写された保護印刷層2を架橋硬化させる。なお、活
性エネルギー線を照射する工程を、基体シート1を剥離
する工程の前に行なってもよい。
線、γ線などを挙げることができる。照射条件は、活性
エネルギー線硬化性樹脂組成物に応じて定められる。
はないが、特に樹脂成形品、木工製品もしくはこれらの
複合製品などを挙げることができる。樹脂としては、ポ
リスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ABS樹
脂、AS樹脂、AN樹脂などの汎用樹脂を挙げることが
できる。また、ポリフェニレンオキシド・ポリスチレン
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート変性ポリフェニ
レンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、
ポリブチレンテレフタレート樹脂、超高分子量ポリエチ
レン樹脂などの汎用エンジニアリング樹脂やポリスルホ
ン樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリフェ
ニレンオキシド系樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエ
ーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、液晶ポリエステル
樹脂、ポリアリル系耐熱樹脂などのスーパーエンジニア
リング樹脂を使用することもできる。さらに、ガラス繊
維や無機フィラーなどの補強材を添加した複合樹脂も使
用できる。
による成形同時転写法を利用して樹脂成形品7表面に耐
摩耗性および耐薬品性を付与する方法について説明する
(図4参照)。まず、可動型9と固定型10とからなる
成形用金型内に転写層5を内側にして、つまり、基体シ
ート1が固定型10に接するように転写材6を送り込
む。成形用金型を閉じた後、可動型9に設けたゲートよ
り溶融樹脂11を金型内に射出充満させ、成形品7を形
成するのと同時にその面に転写材6を接着させる。樹脂
成形品7を冷却した後、成形用金型を開いて樹脂成形品
7を取り出す。最後に、基体シート1を剥がした後、活
性エネルギー線を照射することにより保護印刷層2を架
橋硬化させる。また、活性エネルギー線を照射した後、
基体シート1を剥がしてもよい。
12を用いて耐摩耗性および耐薬品性に優れた成形品を
製造する別の方法もある。この方法では、離型性を有し
ない基体シート1の片面に保護印刷層2が設けられ、反
対面に絵柄印刷層3や接着印刷層4などの他の印刷層が
設けられた耐摩耗性および耐薬品性に優れた表面保護シ
ート12を用いる(図5参勝)。表面保護シート12
は、基体シート1として離型性を有しない材料を用い、
また保護印刷層2の上に重ねて絵柄印刷層3や接着印刷
層4を形成しないこと以外は転写材6と同様の材料及び
操作で作製される。離型性を有しない基体シート1とし
ては、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、塩化
ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂な
どの樹脂シートを使用することができる。また、成形品
7の地模様や透明性を活かし、表面保護処理だけを目的
とした表面保護シート12を用いる場合には、絵柄印刷
層3を省略することができる(図6参照)。なお、基体
シート1や絵柄印刷層3が成形品7に対して充分接着性
を有する場合には、接着印刷層4を設けなくてもよい。
優れた表面保護シート12を用いて成形品7表面に耐摩
耗性、耐薬品性を付与する方法について説明する(図7
参照)。まず、表面保護シート12を、接着印刷層4側
を下にして成形品7表面に配置する。次に、ヒーター1
3などにより基体シート1を加熱して軟化させた後、下
方より真空吸引14する。こうすることにより、接着印
刷層4が成形品7表面に接着される。最後に、活性エネ
ルギー線を照射することにより保護印刷層2を架橋硬化
させる。なお、下方より真空吸引14するともに、上方
より加圧してもよい。表面保護シート12への加圧は、
流体などにより直接、あるいは可撓性シートを介して行
なう。
優れた表面保護シート12を用い、転写材の場合と同様
に、射出成形による成形と同時に絵付けを行なう方法
(インサート成形法)を利用して樹脂成形品7表面に耐
摩耗性、耐薬品性を付与することもできる(図8参
照)。まず、可動型9と固定型10とからなる成形用金
型内に、保護印刷層2が固定型10に接するように、表
面保護シート12を送り込む。成形用金型を閉じた後、
可動型9に設けたゲートより溶融樹脂11を金型内に射
出充満させ、成形品7を形成するのと同時にその面に表
面保護シート12を接着させる。樹脂成形品7を冷却し
た後、成形用金型を開いて樹脂成形品7を取り出す。最
後に、活性エネルギー線を照射することにより保護印刷
層2を架橋硬化させる。
さらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。なお、以下、部および%は重量
基準である。
ムを用い、基体シートの片面にメラミン系離型剤からな
る離型層、下記ワニスA200部(固形分100部)に対して
光重合開始剤(商品名イルガキュアー184、チバガイ
ギー社製)5部を配合した保護印刷層、アクリル系イン
キを用いた絵柄印刷層、アクリル樹脂からなる接着印刷
層をグラビア印刷法にて順次印刷形成して転写材を得
た。
た。まず、攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導
入管を備えた反応装置に、グリシジルメタアクリレート
(以下、GMAという)250部、ラウリルメルカプタン
1.3部、酢酸ブチル1000部および2,2'−アゾビスイソブ
チロニトリル(以下、AIBNという)7.5部を仕込ん
だ後、窒素気流下に約1時間かけて系内温度が約90℃に
なるまで昇温し、1時間保温した。次いで、あらかじめ
GMA750部、メチルメタクリレート(以下MMAとい
う)225部、ラウリルメルカプタン3.7部およびAIBN
22.5部からなる混合液を仕込んだ滴下ロートより、窒素
気流下に混合液を約2時間を要して系内に滴下し、3時
間同温度に保温後、AIBN10部を仕込み、1時間保温
した。その後、120℃に昇温し、2時間保温した。60℃
まで冷却後、窒素導入管を空気導入管につけ替え、アク
リル酸(以下、AAという)507部、メトキノン2.0部お
よびトリフェニルフォスフィン5.4部を仕込み混合した
後、空気バブリング下にて、110℃まで昇温した。同温
度にて8時間保温後、メトキノン1.4部を仕込み、冷却
して、不揮発分が50%となるようメチルエチルケトンを
加えた。得られたワニス中に含まれるポリマーは、アク
リル当量214g/eq、水酸基価262、重量平均分子量20
000(GPCによるスチレン換算による)であった。さ
らに、この系に水添キシリレンジイソシアネート(商品
名タケネート600、武田薬品株式会社製)15.1部、メ
チルエチルケトン15.1部を仕込み、80℃にて2時間保
温し重付加反応を行ない、ワニスAを得た。なお、この
反応生成物中のウレタン結合量は、計算により9677g/
eqに相当した。
して成形品の表面に接着した後、紫外線を照射した。な
お、成形条件は、樹脂温度220℃、金型温度55℃、樹脂
圧力約300kg/cm2とした。成形品は、材質をポリカー
ボネート樹脂とし、縦95mm、横65mm、立ち上がり4.5m
m、コーナー部のR2.5mmのトレー状に成形した。照射条
件は、120w/cm、1灯、ランプ高さ10cm、照射時間
は6秒とした。
施例1と同様に実施した。ワニスBは、実施例1の水添
キシリレンジイソシアネート15.1部を1,6ヘキサンジイ
ソシアネート3量体(商品名コロネートHX、日本ポリ
ウレタン工業株式会社製)15.1部に変化させた。
カ粒子を含むエポキシメラミン樹脂にパラトルエンスル
フォン酸を酸触媒として5%加えたもののメチルエチル
ケトン溶液を用いて部分艶消し層を保護印刷層と同じイ
ンラインの印刷工程にて形成した外は実施例1と同様に
実施した。
重付加反応させる前のワニスを使用する以外は実施例1
と同様に実施した。
5.1部を30.1部に変化させた。この場合の反応生成物中
のウレタン結合量は、計算により4902g/eqに相当す
る。
て、それぞれインライン適性、耐薬品性、耐摩耗性、ク
ラックの有無の性能評価を行なった。
に指触乾燥しているか、次の層でバックトラップしない
か等により、○良好、×不良のいずれかで評価した。
せ、50往復擦った後の表面の状態を観察し、目視判定
により、○発生なし、×発生のいずれかで評価した。
ウールに荷重(100g、300g)をかけ、可動距離2c
m、2往復/秒で、200往復後の表面の傷つき程度を
観察し、目視判定により、○良好、×不良のいずれかで
評価した。
察し、目視判定により、○発生なし、×発生のいずれか
で評価した。
ある。最外層に(メタ)アクリル当量100〜300g/e
q、水酸基価20〜500、重量平均分子量5000〜50000のポ
リマーと多官能イソシアネートを保護印刷層の印刷前に
あらかじめ重付加反応させたものであってそのウレタン
結合量が6000〜50000g/eqである反応生成物を有効
成分として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
からなる保護印刷層を有する実施例1および2は、耐摩
耗性および耐薬品性に優れ、成形品曲面部においてクラ
ックが発生していないうえに、インライン適性に優れて
いた。
薬品性、クラックで優れていても、ポリマーと多官能イ
ソシアネートとが保護印刷層の印刷前に重付加反応され
ていないためインライン適性に劣っていた。
シアネートの重付加反応におけるウレタン結合量が6000
g/eqに満たないため、ゲル状物が生成し、均一なワ
ニスが得られず評価ができなかった。
形品の製造方法は、使用する転写材および表面保護シー
トの保護印刷層が活性エネルギー線硬化性樹脂組成物か
らなり、成形品の表面に形成されたこの保護印刷層が活
性エネルギー線照射により架橋硬化されるので、耐摩耗
性、耐薬品性に優れた成形品を得ることができ、かつ成
形品へのシート材接着時に成形品曲面部に位置する保護
印刷層でクラックの発生がない。
が(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20
〜500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと多官能
イソシアネートを保護印刷層の印刷前にあらかじめ重付
加反応させたものであってそのウレタン結合量が6000〜
50000g/eqである反応生成物を有効成分として含有
するので、活性エネルギー線照射前の保護印刷層に流動
性や粘着性が残らない。しかも、保護印刷層のために特
別な乾燥が不要である。したがって、既製の多色グラビ
ア輪転印刷機などによるインラインの印刷工程でも、耐
摩耗性、耐薬品性に優れた転写材や表面保護シート製造
することができる。
図である。
面図である。
薬品性に優れた成形品の製造工程の一実施例を示す模式
図である。
薬品性に優れた成形品の製造工程の他の実施例を示す模
式図である。
模式断面図である。
す模式断面図である。
性、耐薬品性に優れた成形品の製造工程の一実施例を示
す模式図である。
性、耐薬品性に優れた成形品の製造工程の他の実施例を
示す模式図である。
である。
らなる保護印刷層を流動性や粘着性が残らないように形
成するための印刷システムを示す模式図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 離型性を有する基体シートの離型面に
(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜
500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと多官能イ
ソシアネートを重付加反応させたものであってそのウレ
タン結合量が6000〜50000g/eqである反応生成物を
有効成分として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組
成物からなる保護印刷層が設けられ、該保護印刷層上に
他の印刷層が設けられていることを特徴とする耐摩耗
性、耐薬品性に優れた転写材。 - 【請求項2】 ポリマーが、グリシジル(メタ)アクリ
レート系重合体とα,β−不飽和モノカルボン酸を付加
反応させた反応生成物である請求項1記載の耐摩耗性、
耐薬品性に優れた転写材。 - 【請求項3】 グリシジル(メタ)アクリレート系重合
体が、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、
またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル
基を含有しないα,β−不飽和単量体からなる共重合体
である請求項2記載の耐摩耗性、耐薬品性に優れた転写
材。 - 【請求項4】 離型性を有する基体シートが、エポキシ
樹脂、メラミン樹脂又はこれらの共重合樹脂や混合物を
主成分とし、酸触媒を含有した部分艶消し層を有してい
る請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗性、耐薬品性
に優れた転写材。 - 【請求項5】 請求項1〜4記載の転写材を成形品表面
に接着させた後、基体シートを剥離する工程および活性
エネルギー線を照射する工程を経ることを特徴とする耐
摩耗性、耐薬品性に優れた成形品の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜4記載の転写材を成形金型内
に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満させ、樹脂
成形品を得るのと同時にその表面に転写材を接着させた
後、基体シートを剥離する工程および活性エネルギー線
を照射する工程を経ることを特徴とする耐摩耗性、耐薬
品性に優れた成形品の製造方法。 - 【請求項7】 離型性を有しない基体シートの片面に
(メタ)アクリル当量100〜300g/eq、水酸基価20〜
500、重量平均分子量5000〜50000のポリマーと多官能イ
ソシアネートを重付加反応させたものであってそのウレ
タン結合量が6000〜50000g/eqである反応生成物を
有効成分として含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組
成物からなる保護印刷層が設けられ、該基体シートの反
対面に他の印刷層が設けられていることを特徴とする耐
摩耗性、耐薬品性に優れた表面保護シート。 - 【請求項8】 ポリマーが、グリシジル(メタ)アクリ
レート系重合体とα,β−不飽和モノカルボン酸を付加
反応させた反応生成物である請求項7記載の耐摩耗性、
耐薬品性に優れた表面保護シート。 - 【請求項9】 グリシジル(メタ)アクリレート系重合
体が、グリシジル(メタ)アクリレートの単独重合体、
またはグリシジル(メタ)アクリレートとカルボキシル
基を含有しないα,β−不飽和単量体からなる共重合体
である請求項8記載の耐摩耗性、耐薬品性に優れた表面
保護シート。 - 【請求項10】 請求項7〜9記載の表面保護シートを
成形品表面に配置し、基体シートを加熱して軟化させ、
下方より真空吸引することにより成形品表面に表面保護
シートを接着させた後、活性エネルギー線を照射する工
程を経ることを特徴とする耐摩耗性、耐薬品性に優れた
成形品の製造方法。 - 【請求項11】 請求項7〜9記載の表面保護シートを
成形金型内に挟み込み、キャビテイ内に樹脂を射出充満
させ、樹脂成形品を得るのと同時にその表面に表面保護
シートをを接着させた後、活性エネルギー線を照射する
工程を経ることを特徴とする耐摩耗性、耐薬品性に優れ
た成形品の製造方法。
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JPH11123897A JPH11123897A (ja) | 1999-05-11 |
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-
1998
- 1998-08-07 JP JP22442498A patent/JP3007326B2/ja not_active Expired - Lifetime
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