JP3007317U - ヘアクリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワンタッチ型ヘアクリップの装飾板を脱着可
能にしてヘアクリップのデザインの多様化を図る。 【構成】 装飾板に固定された基板と挟着板との間に髪
束を挟着し両板の対応する部分に設けられたワンタッチ
係脱機構によって固定および開放するようになされたヘ
アクリップにおいて、前記装飾板と基板との長手方向の
対応する端部の間に装脱用の嵌合突起および嵌合孔から
なる装脱機構を設け、装飾板の弾性を利用して基板に対
し簡単かつ確実に装飾板を装脱できるようにした。 【効果】 装飾板が基板に対して簡単に交換できるの
で、基板や挟着板等からなる一つの組合せ体を用意して
おくだけでこれに対して種々の装飾板を選択的に交換し
て組合せる事によりヘアクリップのデザインを多様に変
えることができる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はヘアクリップに係り、特に装飾板と挟着板とによって髪束をワンタッ チ操作で簡単かつ確実に挟着・固定しかつこの挟着を解除することのできるヘア クリップに関する。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決すべき課題】

頭面に沿って長手方向に湾曲する装飾板とこれに対して回動開閉される長手方 向に湾曲する挟着板との間に頭束を挟着し、両板の対応する係着部に対して加え られるワンタッチ操作で挟着板を弾性に抗して装飾板に嵌合させることにより頭 束を挟着・固定し、かつこの係着部に対するワンタッチ操作によりこの係着を解 除して挟着板を弾性に抗して開放するヘアクリップが従来から知られている（実 開昭６１−１７４５０４号等）。

【０００３】 このようなヘアクリップは装脱操作が極めて簡単でかつ頭束の確実な挟着効果 を与えるため使用に際して便宜であるが、部品点数や加工工程が多いので製造コ ストが比較的高く、装飾板のデザインの異なった多種類のヘアクリップをとりそ ろえておくことは使用者にとって負担となり、この種の物品の需要の増大の隘路 となっている。本考案の課題は前記従来のワンタッチ型のヘアクリップの利点を 生かしかつ装飾板を多様に選択して変化をもたせることのできるヘアクリップを 提案することにある。

【０００４】

【課題を解決するための技術的課題】

前記本考案の課題は長手方向に沿って上方に湾曲し長手方向の一方の端部付近 に枢支部を他方の端部付近に係着部を夫々有し、かつ長手方向の両端部付近に装 脱用の嵌合孔を有する基板と、長手方向に沿って上方に湾曲し長手方向の一方の 端部付近に前記基板の枢支部に回動可能に枢着される枢着部を他方の端部に前記 基板の係着部に対して係脱可能な弾着部を有する挟着板と、前記基板と前記枢着 板との間で長手方向に沿って下方に湾曲し長手方向の両端部に係合されたバネ板 部材と、長手方向に沿って上方に湾曲し上面に装飾部を有しかつ下面の長手方向 の両端部付近に前記基板に形成した装脱用の嵌合孔と対応する装脱用の嵌合突起 を有し、この嵌合突起を前記基板の各嵌合孔よりも長手方向の僅かに内側に形成 した弾性部材よりなる装飾板とからなるヘアクリップによって解決される。

【０００５】

【作用】

本考案のヘアクリップは前記のような基板、挟着板および装飾板等からなり、 頭束の挟着固定およびその解除はいずれも前記従来技術におけるヘアクリップと 基本的には同様なワンタッチ操作によって行われる。すなわち、髪束を挟着固定 する際には、装飾板側の基板と挟着板との間に髪束を挟着した状態で基板の枢支 部を軸として挟着板を枢着部により回動させ、その回動端部の弾着部を前記基板 の係着部に弾性に抗して係着させる。またこの挟着・固定状態から髪束を解放す る際には、基板の係着部を押圧し係着状態を解除すると挟着部材が弾性によって 自動的に開放状態に復帰する。

【０００６】 特に本考案においては、前記装飾板の下面およびこれに対応する前記基板の上 面の夫々の長手方向の両端部の近傍に夫々形成した装脱用の嵌合突起および嵌合 孔によって装飾板が基板に対して装脱可能である。したがって前記基板に対して 種々のデザインの装飾板を選択して取付けることができる。

【０００７】 この場合、本考案においては前記装飾板の下面の長手方向の両端部の近傍に形 成された装脱用の嵌合突起は前記基板の上面の長手方向の両端部の近傍に形成し た装脱用の嵌合孔に対する本来の装脱位置よりも僅かに長手方向の内側に位置さ せてある。

【０００８】 したがって、たとえば装飾板を基板に装着させる際には、前記嵌合突起および 嵌合孔が互いにほゞ対応する位置となるように両板を合せ、たとえば装飾板の湾 曲部を軽く下方に押圧する。これによって装飾板がその弾性に抗して長手方向に 伸長され、突起が基板に沿って僅かに長手方向の外側に滑動し、基板の嵌合孔と 丁度一致する位置で嵌合孔に入りこむ。この状態での装飾板には本来の上方湾曲 状態への弾性復帰性向が生じているので、突起の外周面が嵌合孔の孔壁に押圧さ れてそれらの間に摩擦力が生じ、嵌合突起が嵌合孔内に確実に保持されて装飾板 が基板に確実に固定される。

【０００９】 またこの状態で湾曲した装飾板を前記と同様にして弾性に抗して伸長する方向 に力を加えると、嵌合突起が嵌合孔の孔壁から離れるので両者の間に摩擦力が作 用しなくなり嵌合突起が嵌合孔から容易に抜けて装飾板が基板から脱着される。

【００１０】 したがって装飾板と基板とは容易に組合せることができ、組合せ状態で確実に 結合されると共にこの状態から簡単に分離される。基板と挟着板およびこれらの 間に介在するバネ板部材を予め組合せ体として用意しておくことにより、これに 対してデザインの異なった種々の装飾板を選択して取付けることができ、ヘアク リップを好みに応じた多様な装飾面を有するものとして用いることができる。尚 本考案においては嵌合突起の中心を対応する嵌合孔の中心よりもその孔径の１〜 ５％だけ長手方向の内側にづれて位置させることが好ましい。

【００１１】

【実施例】

以下本考案を図面に示す実施例によって説明する。

【００１２】 図１は本考案のヘアクリップの一実施例の正面図、図２は前記実施例において 基板に対して挟着板を回動させ開放した状態を示す裏面図、図３は前記実施例の 要部の右側面図、図４は前記実施例の作用効果を説明するための説明図である。

【００１３】 図１ないし図３に示すように、本考案のヘアクリップは、表面に装飾部２を有 する長手方向に沿って上方に湾曲した装飾板１、これに対して装脱可能な上方に 湾曲した基板３、基板３に対して回動可能に枢着され上方に湾曲した挟着板４お よび前記基板３と挟着板４との間に介在し、両端を基板３の長手方向の両端部に 係合された長手方向に沿って下方に湾曲するバネ板５とからなり、これらはいず れも弾性を有する金属板又は合成樹脂板等から形成されている。

【００１４】 前記基板３の長手方向の一方の端部の近傍にはその幅方向の両側に枢支部とし ての一対の枢支片６、６が起立されその枢支孔７、７に前記挟着板４の長手方向 の一方の端部の幅方向の両側に形成した枢着部の枢軸８、８が夫々回転可能に軸 支されている。

【００１５】 前記基板３の長手方向の他方の端部の近傍にはその幅方向の両側に係着部の操 作片９、９が起立されており、これら操作片９、９は常時互いに幅方向の外側に 離間するような弾性性向を有しかつ挟着板４の係着時に弾性に抗して幅方向の内 側に押圧操作されるようになされている。

【００１６】 前記一対の操作片９、９には夫々幅方向の内側に延設されその延設端部に互い に幅方向に重なり合う一対の係着部材１０、１０が形成されている。これら係着 部材１０、１０は常時はそれらの上端頭部で第一の幅方向寸法をもって重なり合 い、操作片９、９を弾性に抗して内側に押圧操作する際にさらに重なり合ってこ れよりも小さな第二の幅方向をとるように形成されている。

【００１７】 前記各係着部材１０の上端は図３に示すように、頂部から幅方向の外側に向け て円弧状に形成された係着誘導縁１０Ａおよびこの誘導縁１０Ａの下方に形成さ れた水平な係着切欠部１０Ｂを備えている。

【００１８】 一方挟着板４の長手方向の他方の回動端部には前記基板３の長手方向の他方の 端部の近傍における前記係着部の係着部材１０、１０に対応する弾着部としての 係着溝１１が形成されており、この係着溝１１の幅方向寸法は前記係着部材１０ 、１０の重なり合いによる前記第一の幅方向寸法よりは小さく前記第二の幅方向 寸法よりは大きくなるように形成されている。

【００１９】 また挟着板４の前記係着溝１１はその長手方向の回動端部付近の板部に互い に平行な切欠線を設け、これらの間の部分を切り起こすことによって形成されて いる。この切起しにより係着溝１１の上方を覆うように形成された部分は挟着板 ４の基板３に対する係着時において係着部材１０、１０が係着溝１１から露出す ることを防止する保護板１２となる。

【００２０】 また挟着板４にはその長手方向に沿って溝１３が形成されており、基板３に対 する挟着板４の係着時にそれらの間に介在する板バネ５の下方湾曲部の頂部が突 出可能なようにしてある。

【００２１】 本考案においては装飾板１の長手方向の両端部の近傍に装脱用の嵌合突起１４ 、１４が設けられており、一方これに対応して前記基板３の長手方向の両端部の 近傍には装飾板１を装脱するための嵌合孔１５、１５が設けられている（図４に それらの各一方の端部における組合せを拡大し示す）。

【００２２】 各嵌合突起１４は対応する各嵌合孔１５より僅かに小さくかつ嵌合孔に対して 円滑に挿入および取り外しが可能なような径方向寸法を備えており、図４に示す ようにその軸芯を前記基板３の嵌合孔１５の中心よりも僅かに長手方向の内側に づらせた実線位置、具体的には嵌合孔の中心径より孔径の１〜５％の寸法だけ内 側に寄った位置に形成し、装飾板２の湾曲部を指で押して伸長させたとき嵌合突 起１４が左方に移動して丁度嵌合孔１５と対応する位置に来るように形成してあ る。

【００２３】 本考案の実施例のヘアクリップの動作は基本的には従来のこの種の形式のヘア クリップと同一である。実施例の図１に示す状態のヘアクリップに髪束を挟着固 定する際には、図に示すように基板３に対して挟着板４を枢着部（７）、（８） により充分に開放して挟着板４とバネ板５との間に髪束（図示せず）をまとめて 位置させ、挟着板４の回動端をその弾性に抗して基板３の一対の操作片９、９の 間に回動させる。こゝで操作片９、９の係着部材１０、１０は係着溝１１の幅方 向寸法より大きな第一の幅方向寸法で互いに重なり合っているが、挟着板３の回 動降下にともなってその上端の円弧状の係着縁部９Ａが係着溝１１の溝壁によっ て操作片９、９の弾性に抗して重なり合いの部分が第二の幅方向寸法になるまで 押圧されると係着溝１１を乗りこえて上方に突出し、係着切欠部１０Ｂのところ で（図３に示すように）弾性的にスナップ係着される。この状態で髪束は基板３ と挟着板４との間にバネ板５の弾性下に確実に挟着固定される。

【００２４】 次いでヘアクリップをはずす際には、図３に示す状態で基板３の操作片９、９ をその幅方向の外側から内方へ弾性に抗して押圧する。これによって一対の係着 部材１０、１０が互いに移動して重なり合いそれらの幅方向寸法が係着溝１１の 幅方向寸法より小さくなるので係着頭部１０と係着溝１１との間の係着が解除さ れ、挟着板４は蓄勢されていた弾性によって図１の状態に復帰しヘアクリップが はずれる。

【００２５】 こゝで本実施例においては、基板３に組合わされている装飾板１を必要に応じ て交換することができる。即ち、図４に示すように弾性を有する装飾板１をたと えばその上方の湾曲部を押して若干伸長させると、それまでその長手方向の各端 部（図では左端部のみを示す）の近傍に設けられていた嵌合突起１４が図４の実 線位置から僅かに左方に移動して、基板３の端部に対応して設けられている嵌合 孔１５と丁度合致する点線の位置まで移動する。これによって装飾板１を基板３ から容易にはすすことができるようになる。

【００２６】 この状態の基板３に対して別の装飾板を取換えて装着する際にも単に基板３の 上面に装飾板１を重ねてその湾曲部を前記と同様に上方から押圧すればよい。装 飾板１と基板３とはいずれも上方に湾曲されているので、実線位置にあった装飾 板１の突起１４は板面の弾性に抗した伸長にともなって挟着板４上を円滑に摺動 し基板３の嵌合孔１５と対応する点線位置に来ると孔中に落ち込む。この状態で は装飾板１がその蓄勢された弾性によって元の湾曲状態に復帰する性向を生じる ので嵌合突起１４の図中右側面が基板３の嵌合孔１５の右側の孔溝１５Ａに押し 付けられこの摩擦力によって装飾板１と基板４との装着状態が確実に保持される 。

【００２７】 すなわち本実施のヘアクリップにあっては、基板３、挟着板４およびバネ板５ の組合せに対して装飾板１を基板３の上面に重ねてその弾性に抗して僅かに伸長 させることにより容易に取りはずしおよび取り付けができるので、前記組合せ体 に対して装飾板１を簡単に交換することができる。

【００２８】

【考案の効果】

ヘアクリップの装飾板は比較的材料コストが高くこれに基板や挟着板等の組合 せを一体化して製作されるヘアクリップを装飾板のデザインに応じて種々そろえ ることは使用者にとって負担となっていたが、本考案によれば基板および挟着板 等からなる一つの組合せ体を用意することによりこれに対して異なったデザイン の装飾板を簡単な操作で交換することができるので、従来において種々のデザイ ンのヘアクリップを多数揃える場合と同様な効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の正面図である。

【図２】本考案の実施例における係着解除状態を示す平
面図である。

【図３】本考案の実施例における挟着状態を示す右側面
図である

【図４】本考案の実施例の作用を示す説明図である。

【符号の説明】

１……装飾板 ２……装飾部 ３……基板 ４……挟着板 ５……バネ板 ６……枢支片 ７……枢支孔 ８……枢軸 ９……係着用の操作片 １０…係着部材 10Ａ…係着誘導縁 10Ｂ…係着切欠 １１…係着溝 １２…保護板 １３…溝 １４…嵌合突起 １５…嵌合孔 15Ａ…孔壁

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向に沿って上方に湾曲し長手方向
   の一方の端部付近に枢支部を他方の端部付近に係着部を
   夫々有し、かつ長手方向の両端部付近に装脱用の嵌合孔
   を有する基板と、長手方向に沿って上方に湾曲し長手方
   向の一方の端部付近に前記基板の枢支部に回動可能に枢
   着される枢着部を長手方向の他方の端部に前記基板の係
   着部に対して係脱可能な弾着部を有する挟着板と、前記
   基板と前記枢着板との間で長手方向に沿って下方に湾曲
   し長手方向の両端部に係合されたバネ板部材と、長手方
   向に沿って上方に湾曲し上面に装飾部を有しかつ下面の
   長手方向の両端部付近に前記基板に形成した装脱用の嵌
   合孔と対応する装脱用の嵌合突起を有し、各嵌合突起を
   前記基板の各嵌合孔よりも長手方向の僅かに内側に形成
   した弾性部材よりなる装飾板とからなるヘアクリップ。
2. 【請求項２】 前記装飾板に形成した各嵌合突起の軸心
   が前記基板に形成した嵌合孔の中心よりも孔径の約１〜
   ５％長手方向の内側に位置されている請求項１記載のヘ
   アクリップ。