JP3002571B2 - 放射線検出器 - Google Patents

放射線検出器

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JP3002571B2 JP3202717A JP20271791A JP3002571B2 JP 3002571 B2 JP3002571 B2 JP 3002571B2 JP 3202717 A JP3202717 A JP 3202717A JP 20271791 A JP20271791 A JP 20271791A JP 3002571 B2 JP3002571 B2 JP 3002571B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はデジタルX線画像装置に
関し、特に医療用X線CT装置に関し、X線スキャノグ
ラフィー装置、骨塩量測定装置あるいは手荷物検査装置
等における多素子放射線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、医療用X線CT装置、X線スキャ
ノグラフィー装置、骨塩量測定装置あるいは手荷物検査
装置等のデジタルX線画像装置、特にX線CT装置の画
質向上の要求は高くなっている。画質向上のためにはキ
ーコンポーネントのX線検出器の性能向上が不可欠であ
る。現在、X線検出器の主流はXe電離箱型検出器である
が、原理、構造的に性能は限界に近く、より高密度化、
高感度化は望めない。近年、これに代わる高性能の多素
子固体検出器が提案されている。この検出器はシンチレ
ータと光電変換素子であるフォトダイオードで構成され
るX線検出素子を複数個配列したもので、電離箱型検出
器に比べ本質的に画像のS/Nが良いため注目されてい
る。図2に本発明の係る多素子固体検出器の基本的な構
造の一例を示す。検出器に入射するX線6を光に変換す
るシンチレータ2と、この光を電気信号に変換するフォ
トダイオード3と、隣接するX線検出素子間を隔離する
隔離板1と、入射X線は透過させ、検出器の外からの進
入光を遮り、シンチレータ2から発した光を反射し、フ
ォトダイオード3に導く前面反射板5および、これらを
搭載する回路基板4とからなっている。検出器の性能は
X線利用効率により評価され、X線利用効率を高くする
には、シンチレータ2の光変換効率(X線を光に変換す
る効率)、フォトダイオード3の光電変換効率、検出器
の空間的なX線の利用効率(X線空間利用効率)、さら
に検出器内の光の伝達効率を高くすることが重要であ
る。
【0003】X線空間利用効率を高くするには、検出器
において、デッドスペース即ち、入射X線の検出に寄与
しないシンチレータ2以外の領域、具体的には図2中で
隣接する素子間を隔離する隔離板1、の占める空間の比
率を少なくする必要がある。また、光の伝達効率を高く
するには、シンチレータ2内部での光の自己吸収を少な
くし、隔離板1および前面反射板5の表面における光の
吸収を少なくし、光を効率良くフォトダイオード3に導
くことが重要である。
【0004】X線CT装置の再生画像における空間分解
能は上記検出器の各素子の開口幅(図2における隔離板
と隔離板との間隔)による。最近のCT装置では、空間
分解能を向上させるため、開口幅は狭く1mmを下回る
ものが多い。開口幅が狭くなると、検出素子に入射する
放射線量が少なくなり検出素子の出力信号は減少し、そ
の結果S/Nが低下する。従ってS/N低下を最小限に
留めるためには種々の工夫が必要になる。
【0005】また、開口幅が狭くなり素子幅が狭くなる
と、シンチレータ2から発した光が直接フォトダイオー
ド3に到達する比率は減少し、大部分の光はその光路に
おいて、隔離板1の表面および前面反射板5の表面で様
々な方向に反射され、シンチレータ2内で屈折が数多く
繰り返され、フォトダイオード3に到達する。前面反射
板5や隔離板1の表面反射率を100%とすることは不
可能で、反射の度に必ず光の吸収が生じ、検出効率の低
下は避けられない。このため表面の反射率が低い場合に
は光の吸収量は相乗的に増加し、検出効率はさらに低下
する。従って、表面の反射率は極力高くする必要があ
る。
【0006】また、前面反射板5や隔離板1の表面に細
かな凹凸のある拡散反射面の場合には反射光が散乱され
光路に広がり、表面での反射回数はより多くなる。この
ため検出効率はさらに低下するので、表面状態は平滑な
鏡面とすることが望ましい。しかし完全な全反射を与え
る完全鏡面を得ることは非常に困難であり、完全鏡面に
どれだけ近づけるかが隔離板1の性能、さらには検出器
の性能に影響する。
【0007】X線空間利用効率および光の伝達効率を高
くする従来手段としては、特開平1ー202684、特
開昭58ー219471等の提案がある。前者の特開平
1ー202684では、上記の隔離板1を得る手段とし
てTa、W、Mo等の金属薄板をケミカルエッチングにより所
定の形状に形状加工し、この表面に隔離板とは異なる金
属、例えばCu、Ni、Cr等をメッキしたのち機械的に表面を
平滑化し、光反射膜を形成し表面の反射率向上を図って
いる。また、後者の特開昭58−219471では光反
射性を有する隔離壁を、光反射剤(硫酸バリウム、二酸
化チタン等)と接着剤との混合物を隣接するX線検出素
子の間隙に充填して形成する提案がなされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】X線利用効率を高くす
るべく上記従来技術、特開平1ー202684に於いて
は、隔離板の厚さが薄くても隣接する素子間での放射線
の隔離を充分にするため、隔離板の材質に例えば原子番
号の大きなTa、W、Mo等を用い、また、光の伝達効率を高
くするため、その表面に光沢Niメッキを施して光反射
率の向上を図っている。然し乍ら、上記のTa、W、Mo等の
金属に対するメッキは特殊なメッキ法、メッキ技術を必
要とし、光沢メッキのみでは充分な光沢が得られず、充
分な光沢を得るにはメッキ層を十分厚くし、表面をバフ
研磨で鏡面に仕上げる必要があった。研磨のため研磨代
を取るためメッキ層を厚く(20〜50μm)すると、
デッドスペースが増加してX線空間利用効率の低下をき
たし、メッキ層にクラックや皮膜剥離が発生し易くな
る。さらにバフ研磨工程は自動化が困難で、手作業に頼
ることが多く、再現性良く一定の条件の研磨面を得るに
は熟練を要するため、生産性が悪く、歩留まり低下によ
るコスト高につながる。また研磨面の表面状態の不安定
は表面の反射率のバラツキの原因となり、検出器におけ
る各素子の出力のバラツキ、線質特性のバラツキを生
じ、特に第3世代方式のX線CT装置においては多素子
放射線検出器のこれら特性バラツキが環状偽画像(リン
グアーチファクト)発生の大きな原因となる。
【0009】一方、光の伝達効率を高くすることを目的
とした他の従来技術、特開昭58ー219471では隔
離壁の材質に例えば硫酸バリウム粉末と接着剤との混合
物を用いている。この場合、硫酸バリウム粉末は光反射
率が90%以上と高い値を示すが、粉末であるため密度
が低く、充分な反射特性を有し、高い光の伝達効率を得
て、さらに隣接素子への光の漏れ込みを無くすために
は、接着剤への硫酸バリウム粉末の充填密度の大小によ
って異なるが0.5mm〜3mmと、かなりの厚みが必
要である。このため多素子放射線検出器においてはX線
空間利用効率は極端に悪くなる。また、接着剤のX線照
射による着色劣化に伴い反射特性が劣化する怖れを考慮
する必要がある。以上のように従来の技術においてはX
線利用効率の向上に対して充分な配慮がなされておら
ず、良好な性能を有する隔離板あるいは隔離壁を得るこ
とが困難であった。
【0010】本発明の目的はX線空間利用効率および光
の伝達効率を高くする、光反射率が均質で再現良く性能
の揃った隔離板を提供し、検出効率を向上させ再生画像
のS/N向上を図る、デジタルX線画像装置に用いるシ
ンチレータとフォトダイオードとからなる特性の優れた
多素子放射線検出器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段
として、隔離板の材質にTa、W、Mo、Au、Pb、Fe、Cu等の薄い
板材を用い、板材を所定の形状に加工した後、表面にオ
ルガノシリケートの加水分解、縮合によって得られる極
く薄いオルガノポリシロキサンを主成分とする膜を設け
表面を平滑化し鏡面とする。さらに、鏡面となったオル
ガノポリシロキサンを主成分とする膜の表面に蒸着等の
手段によりAl、Au、Ag等と、SiO2、MgF2、TiO2等による増
反射多層光学薄膜を設け、光反射率を高くする。
【0012】
【作用】多素子検出器における隣接する素子間で放射線
の漏れ込みの発生を極力防止するために、隔離板の材質
にTa、W、Mo、Au、Pb、Fe、Cu等の薄い板材を用い、これに増
反射多層光学薄膜を設け、隔離板の厚さを薄くすること
ができX線空間利用効率の向上が図れる。
【0013】また上記板材の表面に、オルガノシリケー
トの加水分解、縮合によって得られるオルガノポリシロ
キサンを主成分とする膜を設けることにより、上記板材
の表面の凹凸部位は埋められ平滑化され、鏡面状態とな
る。オルガノポリシロキサン膜は極く薄く(1〜5μ
m)形成することができ、かつ優れた平滑な鏡面を形成
することができるので、この表面における光の拡散は減
少し光の伝達効率が向上する。さらに増反射光学薄膜を
設け表面の光反射率を高くすることができる。これによ
り隔離板の表面における光の吸収が減少し、光の伝達効
率がさらに向上する。
【0014】
【実施例】本発明に係る多素子固体X線検出器の基本的
な構造の一例を図2に示す。前述の通り隔離板1、シン
チレータ2、フォトダイオード3、回路基板4、前面反
射板5からなる。
【0015】このような構造の検出器では、開口幅が狭
くなり素子幅が狭くなると、シンチレータ2から発した
光が直接フォトダイオード3に到達する比率は減少し、
大部分の光はその光路において、隔離板1および前面反
射板5の表面で様々な方向に反射され、シンチレータ2
内で屈折が数多く繰り返され、フォトダイオード3に到
達する。これらの反射面の表面反射率を100%とする
ことは不可能で、反射の度に必ず光の吸収が生じ、検出
効率の低下は避けられない。このため隔離板1および前
面反射板5の表面の反射率が低い場合には光の吸収量は
相乗的に増加し、検出効率はさらに低下する。従って、
表面の反射率は極力高くする必要がある。
【0016】また、前面反射板5や隔離板1の表面に細
かな凹凸のある拡散反射面の場合には反射光が散乱され
光路に広がり、表面での反射回数はより多くなり、光の
検出効率はさらに低下するので、表面は平滑な鏡面とす
ることが望ましい。しかし完全な全反射を与える完全鏡
面を得ることは非常に困難であり、完全鏡面にどれだけ
近づけるかが課題で、隔離板の性能、さらには検出器の
性能に影響する。
【0017】図3は金属板の表面粗さを段階的に変え、
表面に入射角45度で光を照射した場合、鏡面反射方向
に反射する光の成分と、これ以外の方向に散乱される光
の成分の比率、即ち正反射成分の比率を実験により求め
た値である。
【0018】実験によれば、正反射成分の比率が約70
%以上の場合には、検出素子の感度はほぼ一定に近づき
大きく増加することはないので、図3から表面粗さをR
a=0.03μm以下にする必要があることが判明し
た。
【0019】以下、本発明による一実施例を図1を用い
て説明する。図1は本発明による隔離板の一実施例を示
す断面詳細図である。材質には空間利用効率を高め、隣
接する素子間相互での放線の漏れ込みを最小限にする目
的で、薄板でも放射線を多く吸収するMoの薄板1a
(板厚約100μm)を用いる。Moは放射線の吸収係
数が高く、比較的形状加工が容易で、機械的剛性の高い
物質で本発明の隔離板の材料に適している。この他に放
射線の吸収係数が高い物質、例えばTa、W、Au、Pb、Fe、Cuの
金属板材、あるいはこれらを構成素材とする張り合わせ
板材(クラッド材)、さらにはTa、W、Au、Pb、Mo、Fe、Cuの
いずれかを主成分とする合金の薄い(50〜300μ
m)金属板材が使用できる。
【0020】図4は開口幅が約1mmのX線CT用多素
子固体検出器における隔離板1の材質を、それぞれ10
0μm厚のTa、Mo、PBP(燐青銅板)、SUS(ステ
ンレス板)と変化させた場合の、空間分解能の特性を表
すMTF(Modulation transfer function)の変化を素子
間相互のX線の漏れ込みを考慮した計算機シミュレーシ
ョンにより算出した結果である。計算ではX線焦点サイ
ズの効果は無視した。図4に示す通り、SUS、PB
P、Mo、Taの順にMTF特性が良くなることが判る。こ
れは、隔離板の物質のX線の吸収係数の差によるもの
で、X線の吸収係数の大きな物質では隣接する素子に漏
れ込むX線が少なくなることによる。また、Mo及びSU
Sの隔離板を用いた実際の検出器で再生画像を比較する
と、Mo使用の場合とSUS使用の場合では、強いていえ
ばMoの隔離板を使用したほうが若干優れている。放射線
検出器をより安価に製造しようとする場合には、上に説
明したように、Ta、Moの場合に比較し再生画像が若干劣
るが、安価で入手が容易、かつ形状加工の容易なCuある
いは燐青銅、真鍮等のCuを主成分とする合金、Feあるい
はステンレス等Feを主成分とする合金を使用することが
でき、通常用途の医療用X線CT装置の検出器として十
分使用できるものである。一方、TaはX線の吸収係数で
はMoを上回るが、価格、形状加工の容易さの点ではMoの
方が実用的である。
【0021】次に本実施例による隔離板の製作工程の概
略を記す。まず、Moの薄板1aを隔離板として必要な寸
法形状に加工する。形状加工法としては、金型による打
ち抜き加工、超音波加工、レーザー加工、放電加工、電
子ビーム加工、プラズマジェット加工、ケミカルエッチ
ング法等が適用できる。本実施例では加工中の反り、曲
がりを少なく、加工の際のバリの発生を少なくし、複数
を同時に加工して隔離板の製造作業の効率向上と加工寸
法精度を高める目的で、ケミカルエッチング法を用いて
形状加工を行なう。ケミカルエッチング法により約12
cm×25cm(板厚約100μm)のMo薄板内に約
1.5mm×30mmの隔離板をタブで接続した連続パ
ターンで形成する。
【0022】所定の形状に形状加工したMoの薄板1a
は、その表裏両表面を凹凸の少ない平滑な、表面粗さRa
=0.03μm以下の鏡面にする目的でRnSi(OR’)
m、m=4-n、n=0、1、2、3、R=H、Cl、Br、CH3、C2H
5、R’=炭素数が1から10であるアルキル基、なる
一般式で表されるオルガノシリケートの中から選択され
る物質の加水分解、縮合によってシロキサン結合を形成
して得られるオルガノポリシロキサン薄膜1b(膜厚:
1〜5μm)を設ける。
【0023】この種のオルガノポリシロキサン薄膜には
一般的には4官能性のオルトアルキルシリケート例えば
Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4が最も多く用いられ、次いで3
官能性のCH3Si(OCH3)3、CH3Si(OC2H5)3が多く用いられ
ている。4官能性のものは、最も表面の硬度の高い薄膜
が得られる。3官能性のものは、膜の表面の硬度は4官
能性のものに比較して低いが、膜の表面にはCH3基が存
在するため撥水性が高く、対衝撃性が比較的高いと云う
特徴が有る。また、得られる膜は液の濃度、塗布法によ
り若干の差はあるが、4官能性のものは1μm以下の極
く薄い膜となることが多く、3官能性のものは、1〜3
μmとやや厚めになる。本実施例では、Moの薄板1aは
ケミカルエッチング法を用いて形状加工を行なうが、こ
の加工工程中のレジスト塗布工程でレジストの密着強度
を高めるため、Mo板の表面を粗く(Rmax:1μm程度)
している。このため表面の凹凸を完全に埋めるには、3
官能性のものがより効果的である。
【0024】本実施例でのオルガノポリシロキサン薄膜
の形成には、3官能性構造単位のアルコキシシラン系の
メチルトリメトキシシラン、CH3Si(OCH3)3を溶媒(例え
ば、エタノール、イソプロパノール、エチルセロソル
ブ、イソブタノール、エチレングリコール等)と共に加
水分解し、高縮合体のオリゴマーとし、膜厚を厚くする
ために平均粒径が15〜20nmφのSiO2を混合したも
のを酢酸の触媒作用により加水分解、縮合させ、オルガ
ノポリシロキサンを生成し、多次元架橋構造とするもの
である。このオルガノポリシロキサン膜の生成工程は、
形状加工の完了したMoの薄板1aを、上述のオリゴマー
とカルビトール、ブチルアルコール等の有機溶剤との混
合液に浸し引き上げて(ディップコート法)、混合液を
表裏両面に塗布し、150〜200℃で5〜120分間
加熱するだけの簡単な工程である。塗布法には他に、ス
プレーコート法、ロールコート法等があるが、経済性、
塗布後の面の平滑性を考慮するとディップコート法が最
適である。また、生成されたオルガノポリシロキサン薄
膜の膜厚はSiO2混合の効果により2〜5μmとやや厚め
になり、表面状態は、表面粗さがRa=0.03以下の平
滑な鏡面となる。また上述の通り、膜の表面にはCH3
が存在するため撥水性が高く、対衝撃性が比較的高い。
このため完成した隔離板は取り扱いが容易となる。さら
にオルガノポリシロキサン膜は他の有機高分子樹脂膜に
比べ耐放射線性が高く、200万R程度の曝射では機械
的強度に全く変化が現われず劣化はみられない。
【0025】この他、オルガノポリシロキサンとアルキ
ド樹脂との共重合体、オルガノポリシロキサンと多官能
アクリル系樹脂との共重合体を用いることも可能であ
る。但し、耐放射線は上述のオルガノシリケート単体を
用いる方が幾分優れる。いずれにしても、オルガノポリ
シロキサンを主成分とする膜であれば隔離板表面の凹凸
を有効に埋めて平坦な面とすることができる。
【0026】さらに鏡面となったオルガノポリシロキサ
ン薄膜の表裏両表面に、真空蒸着により、Al(約100
0Å)とMgF2(約900Å)とTiO2(約600Å)の組
合せからなる増反射多層光学薄膜1cを設ける。この増
反射光学薄膜は波長域400〜780nmの光反射率を
85%以上(本実施例で使用したシンチレータのピーク
波長540nmでは95%)と高くすることができる。
増反射光学薄膜には、例えば真空蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等の手段によるAl、Ag等の単
層光学薄膜、あるいはAlとSiO2の組合せ、AuとSiO2の組
合せ、AgとSiO2の組合せ、AuとMgF2とTiO2の組合せ、Ag
とMgF2とTiO2の組合せ等の増反射多層光学薄膜等をシン
チレータの発光スペクトルに合わせて用いることも可能
である。
【0027】以上のように、従来に比べ単純な安価な方
法で、熟練を必要とせずに製作できるので、均質で性能
の揃った隔離板を得ることができる。
【0028】なお、本実施例では、検出器の外からの進
入光を遮り、入射X線は効率良く透過し、放射線の吸収
が少ない、例えばAlや樹脂等の薄板からなる前面反射板
5のシンチレータ側内面の表面にも上記の増反射多層光
学薄膜を設け、光反射率を向上させ、検出器の光伝達効
率の向上を図っている。
【0029】以上の実施例で隔離板の材質としてMoを用
い、隔離板の厚みを約100μm程度に薄くできX線空
間利用効率の向上を図ることができる。
【0030】隔離板の表面には、極く薄い(1〜5μ
m)オルガノポリシロキサン膜を設け、表面を平滑化し
鏡面(Ra=0.03μm以下)とするため隔離板の素材
となる金属薄板の表面は研磨などによる整面加工は不要
で粗面のまま使用できる。
【0031】オルガノポリシロキサン膜上に増反射多層
光学薄膜を形成し隔離板とするので、X線空間利用効率
の向上(従来のメッキ膜に比較して8〜10%増、硫酸
バリウム拡散反射膜比較して約2.5倍増)を図ること
ができる。表面を平滑化し鏡面(Ra=0.03μm以
下)とするため隔離板の表面における光の拡散成分が減
少し、正反射成分の比率が増加することにより光の伝達
効率は向上する。
【0032】さらに上述のオルガノポリシロキサン膜の
表面の増反射多層膜により、表面の光反射率を85%以
上(ピーク波長540nmでは95%)と高くすること
ができ隔離板の表面における光の吸収が減少し、光の伝
達効率はさらに向上する。例えば、表面の光の全反射率
が92%と全く同じ値を示す硫酸バリウム拡散面を有す
る隔離壁を用いた検出器と本発明による隔離板を用いた
検出器との性能を比較すると、検出素子の開口幅が同じ
として、本発明による隔離板を用いた検出器はX線空間
利用効率で約2.5倍、検出器出力で5〜8%の向上が
図れる。
【0033】オルガノポリシロキサン膜は他の有機高分
子樹脂膜に比較して耐放射線性が高く、200万R程度
の曝射では機械的強度に全く変化が現われない。
【0034】オルガノポリシロキサン膜の形成は、簡単
な工程からなり、従来の電気メッキ、研磨による整面加
工に比べ容易で、熟練を必要とせず、安価で実施でき、
コストダウンが可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上のように本発明の放射線検出器は従
来の検出器に比べ優れたX線利用効率と検出器出力を有
し、素子間での特性のバラツキも小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による隔離板の一実施例を示す断面図。
【図2】多素子放射線固体検出器の基本的な構造の一例
を示す1部欠斜視図。
【図3】実験により求めた金属板の表面粗さと正反射成
分の比率の関係を示すグラフ。
【図4】隔離板の材質を変化させたときのMTF特性の
差異を示す図。
【符号の説明】
1…隔離板、1a…金属板材、1b…オルガノポリシロ
キサン膜、1c…増反射多層光学薄膜、2…シンチレー
タ、3…フォトダイオード、4…回路基板、5…前面反
射板、6…入射X線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 功一 千葉県柏市新十余二2−1 株式会社日 立メディコ技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−230887(JP,A) 特開 平2−208592(JP,A) 特開 平2−311750(JP,A) 特表 平6−508862(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/20 G09J 183/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線を光に変換するシンチレータと、該光
    を電気信号に変換するフォトダイオードとを有する複数
    の検出素子を配列し、隣接する前記検出素子を隔離する
    隔離板を前記検出素子間に配置する放射線検出器におい
    て、前記隔離板は、金属性の薄板と、該金属性の薄板の
    表裏両面に形成されたオルガノポリシロキサンを主成分
    とする薄膜と、該オルガノポリシロキサンを主成分とす
    る薄膜の表面に増反射光学薄膜とを有することを特徴と
    する放射線検出器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記オルガノポリシロキサンを主成分とする薄膜は、n
    を1、2、3、4の何れか、mを4−nとし、RをH、
    Cl(塩素原子)、Br、CH 3 、C 2 5 の何れか、
    R’を炭素数が1から10までのアルキル基の何れかと
    する、一般式、R n Si(OR’) m で表されるオルガノ
    シリケートの加水分解、縮合によってシロキサン結合を
    形成して得られる薄膜であることを特徴とする放射線検
    出器。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記オルガノポリシロキサンを主成分とする薄膜は、C
    3 Si(OCH 3 3 、CH 3 Si(OC 2 5 3 の何れ
    かのオルガノシリケートの加水分解、縮合によってシロ
    キサン結合を形成して得られる薄膜であることを特徴と
    する放射線検出器。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記オルガノポリシロキサンを主成分とする薄膜は、表
    面粗さがRa=0.03μm以下の鏡面であることを特
    徴とする放射線検出器。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記オルガノポリシロキサンを主成分とする薄膜の厚さ
    が1〜5μmであることを特徴とする放射線検出器。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記金属性の薄板は、Ta、W、M o、Au、Pb、F
    e、Cuの何れかの薄板であることを特徴とする放射線
    検出器。
  7. 【請求項7】請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記金属性の薄板は、Ta、W、Mo、Au、Pb、F
    e、Cuの何れかを主成分とする合金の薄板であること
    を特徴とする放射線検出器。
  8. 【請求項8】請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記増反射光学薄膜は、Al、Au、Agの何れかとS
    iO 2 の組合せを含む多層膜からなることを特徴とする
    放射線検出器。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載の放射線検出器において、
    前記増反射光学薄膜は、Al、Au、Agの何れかとM
    gF 2 とTiO 2 の組合せを含む多層膜からなることを特
    徴とする放射線検出器。
  10. 【請求項10】 X線を光に変換するシンチレータと、該
    光を電気信号に変換するフォトダイオードとを有する複
    数の検出素子を配列し、隣接する前記検出素子を隔離す
    る隔離板を前記検出素子間に配置する放射線検出器に使
    用する前記隔離板の製造方法において、金属性の薄板の
    表裏両面にオルガノポリシロキサンを主成分とする薄膜
    を形成する工程と、該薄膜の表面に増反射光学薄膜を形
    成することを特徴とする隔離板の製造方法。
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