JP3002570B2 - 動脈硬化度測定装置 - Google Patents

動脈硬化度測定装置

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JP3002570B2
JP3002570B2 JP3190700A JP19070091A JP3002570B2 JP 3002570 B2 JP3002570 B2 JP 3002570B2 JP 3190700 A JP3190700 A JP 3190700A JP 19070091 A JP19070091 A JP 19070091A JP 3002570 B2 JP3002570 B2 JP 3002570B2
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常雄 中川
紀夫 河村
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日本コーリン株式会社
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  • Measuring Pulse, Heart Rate, Blood Pressure Or Blood Flow (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生体内の動脈の硬化度を
測定することができる動脈硬化度測定装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術および課題】動脈硬化状態は生体の循環器
や神経の状態に密接に関連しており、重要な医学情報で
あることから、動脈硬化度を測定することが望まれる。
しかし、動脈硬化度は動脈血管壁の硬さの程度を表すも
のであるから、皮膚の上から容易に測定することは困難
であった。
【0003】本発明者等は以上の事情を背景として種々
研究を重ねた結果、生体の動脈を圧迫するカフ等の圧迫
装置の圧迫圧力をその生体の最高血圧値よりも所定量高
い目標圧迫圧力まで昇圧した後降圧させることにより最
高血圧値等の血圧値を測定する一方、その動脈の圧迫装
置よりも末梢側に設けられた脈波センサ等の脈波検出手
段により脈波を検出する場合においては、圧迫装置の圧
迫圧力が目標圧迫圧力まで昇圧された時点では抹消側の
動脈において脈波は発生せず、降圧過程において圧迫圧
力が最高血圧値に到達すると抹消側の動脈において脈波
が発生して脈波検出手段により脈波の検出が開始される
のであるが、その降圧過程における脈波の発生時点は圧
迫圧力が最高血圧値まで降圧した時点から所定時間ずれ
るのが普通であるとともに、降圧過程において脈波が発
生したときの圧迫圧力は最高血圧値よりも所定量小さく
なるのが普通であり、それらのずれ時間や圧力差は被検
者の動脈硬化度に関連して変化することを見い出した。
本発明はかかる知見に基づいて為されたものである。
【0004】
【課題を解決するための第1の手段】すなわち、第1発
明の要旨とするところは、生体内の動脈の硬化度を測定
するための装置であって、(a) 前記動脈を圧迫する圧迫
装置の圧迫圧力を降圧させることにより最高血圧値を測
定する血圧測定手段と、(b) 前記動脈の前記圧迫装置よ
りも末梢側に設けられ、その末梢側の動脈から脈波を検
出するための脈波検出手段と、(c) 前記圧迫装置の圧迫
圧力の降圧過程において、その圧迫圧力が前記最高血圧
値に到達した時点から前記末梢側の動脈から脈波が発生
した時点までの間の脈波発生時間を求める脈波発生時間
算出手段と、(d) その脈波発生時間算出手段により求め
られた脈波発生時間に基づいて、その脈波発生時間と動
脈硬化度との間の予め記憶された関係から前記生体の動
脈硬化度を決定する動脈硬化度決定手段とを含むことに
ある。
【0005】
【作用および第1発明の効果】かかる構成の動脈硬化度
測定装置においては、血圧測定手段により最高血圧値を
測定するための圧迫装置の圧迫圧力降圧過程において、
その圧迫圧力が前記最高血圧値に到達した時点から前記
動脈の末梢側から脈波が発生した時点までの間の脈波発
生時間が脈波発生時間算出手段により求められるととも
に、動脈硬化度決定手段により、脈波発生時間算出手段
にて求められた脈波発生時間に基づいて、その脈波発生
時間と動脈硬化度との間の予め記憶された関係から生体
の動脈硬化度が決定されるので、動脈硬化度を皮膚の上
から容易に測定することができるのである。これによ
り、循環器の健康状態を表す重要な指標である動脈硬化
度が容易に測定されるばかりでなく、たとえば、麻酔の
深さと動脈硬化度との関係から麻酔深度の測定に利用さ
れ得るとともに、交感神経と動脈硬化度との関係から精
神状態の測定に利用され得る。
【0006】
【課題を解決するための第2の手段】また、第2発明の
要旨とするところは、生体内の動脈の硬化度を測定する
ための装置であって、(a) 前記動脈を圧迫する圧迫装置
の圧迫圧力を降圧させることにより最高血圧値を測定す
る血圧測定手段と、(b) 前記動脈の前記圧迫装置よりも
末梢側に設けられ、その末梢側の動脈から脈波を検出す
るための脈波検出手段と、(c) 前記血圧測定手段により
測定された最高血圧値と、前記圧迫装置の圧迫圧力の降
圧過程において前記末梢側の動脈から脈波が発生したと
きの圧迫圧力との間の圧力差を求める圧力差算出手段
と、(d) その圧力差算出手段により求められた圧力差に
基づいて、その圧力差と動脈硬化度との間の予め記憶さ
れた関係から前記生体の動脈硬化度を決定する動脈硬化
度決定手段とを含むことにある。
【0007】
【作用および第2発明の効果】かかる構成の動脈硬化度
測定装置においては、動脈を圧迫する圧迫装置の圧迫圧
力を降圧させることにより血圧測定手段により測定され
た最高血圧値と、その圧迫圧力の降圧過程において前記
抹消側の動脈から脈波が発生したときの圧迫圧力との間
の圧力差が圧力差算出手段により求められるとともに、
動脈硬化度決定手段により、圧力差算出手段にて求めら
れた圧力差に基づいて、その圧力差と動脈硬化度との間
の予め記憶された関係から生体の動脈硬化度が決定され
るので、第1発明の場合と同様に、動脈硬化度を皮膚の
上から容易に測定することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。
【0009】図3は、本発明の動脈硬化度測定装置の一
構成例を示す図であって、たとえば手術中や手術後の患
者に対して用いられる。図3において、10はゴム製袋
状のカフであって本実施例の圧迫装置を構成するもので
あり、たとえば人体の上腕部12に巻回された状態で取
り付けられる。カフ10には、圧力センサ14、切換弁
16、および空気ポンプ18が配管20を介して接続さ
れている。切換弁16は、カフ10内への圧力の供給を
許容する圧力供給状態と、カフ10内を徐々に排気する
徐速排気状態と、カフ10内を急速に排気する急速排気
状態とに切り換えられるように構成されている。圧力セ
ンサ14は、カフ10内の圧力を検出してその圧力を表
す圧力信号SPを静圧弁別回路22および脈波弁別回路
24にそれぞれ供給する。静圧弁別回路22はローパス
フィルタを備えており、圧力信号SPに含まれる定常的
な圧力(カフ圧P)を表すカフ圧信号SKを弁別してそ
のカフ圧信号SKをA/D変換器26を介して制御装置
28へ供給する。脈波弁別回路24はバンドパスフィル
タを備えており、圧力信号SPに含まれる脈波を表す脈
波信号SM1 を弁別してその脈波信号SM1 をA/D変
換器30を介して制御装置28へ供給する。この脈波信
号SM1 が表す脈波は、被測定者の心拍に同期して上腕
動脈から発生してカフ10に伝達される圧力振動波であ
る。
【0010】上記制御装置28は、CPU、ROM、R
AM、およびI/Oポート等を備えた所謂マイクロコン
ピュータにて構成されており、CPUは、ROMに予め
記憶されたプログラムに従ってRAMの記憶機能を利用
しつつ信号処理を実行することにより、I/Oポートか
ら駆動信号を出力して図示しない駆動回路を介して切換
弁16および空気ポンプ18を制御することによりカフ
圧Pを調節し、カフ圧Pを目標カフ圧まで昇圧した後、
そのカフ圧Pの徐速降圧過程で逐次採取される脈波に基
づいてたとえば最高血圧値SYSおよび最低血圧値DI
Aを決定してその決定した血圧値を表示器32に表示さ
せ、かかる血圧測定を予め定められた一定時間毎に繰り
返し行う。本実施例においては、カフ10、圧力センサ
14、切換弁16、空気ポンプ18、静圧弁別回路2
2、脈波弁別回路24、A/D変換器26,30、およ
び制御装置28等が血圧測定手段を構成する。なお、上
記CPUには、図示しないクロック信号源から時刻信号
が常時供給されている。
【0011】一方、図3において、34は脈波検出用プ
ローブであって、容器状を成すハウジング36の開口端
が人体の体表面38に対向する状態で、カフ10が装着
された上腕部12と同じ上肢の手首42に装着バンド4
0により着脱可能に取り付けられるようになっている。
ハウジング36の内部には、ダイヤフラム44を介して
脈波センサ46が相対移動可能かつハウジング36の開
口端からの突出し可能に設けられており、これらハウジ
ング36およびダイヤフラム44等によって圧力室48
が形成されている。この圧力室48内には、空気ポンプ
50から調圧弁52を経て圧力エアが供給されるように
なっており、これにより、脈波センサ46は圧力室48
内の圧力に応じた押圧力で前記体表面38に押圧され
る。
【0012】上記脈波センサ46は、たとえば、単結晶
シリコン等から成る半導体チップの押圧面54に複数の
半導体感圧素子(図示せず)が互いに僅かな間隔を隔て
て一方向に配列されて成る。脈波センサ46は、半導体
感圧素子の配列方向が橈骨動脈56を横断するように手
首42の体表面38に押圧されることにより、前記上腕
動脈の末梢側に位置する橈骨動脈56から発生して体表
面38に伝達される圧力振動波すなわち脈波を検出し、
その脈波を表す脈波信号SM2をA/D変換器58を介
して制御装置28へ供給する。本実施例においては、上
記上腕動脈がクレームにおける動脈に相当し、上記橈骨
動脈56が末梢側の動脈に相当するとともに、上記脈波
検出用プローブ34が脈波検出手段を構成する。
【0013】制御装置28は、予め記憶されたプログラ
ムに従って、空気ポンプ50および調圧弁52へ図示し
ない駆動回路を介して駆動信号を出力して圧力室48内
の圧力を調節し、圧力室48内の徐速昇圧過程で逐次得
られる脈波信号SM2 に基づいて、橈骨動脈56の壁の
一部が平坦となる圧力室48内の圧力すなわち脈波セン
サ46の最適押圧力HDPを決定し且つ各半導体感圧素
子のうちの最大振幅の信号を出力する素子を橈骨動脈5
6の中心真上に位置するアクティブ素子として決定し、
調圧弁52を前記最適押圧力HDPを維持するように制
御しつつアクティブ素子から逐次採取される脈波信号S
2 に基づいて脈波を逐次検出する一方、その脈波の大
きさとカフ10にて実際に測定された血圧値との間の関
係をカフ10にて血圧測定が行われる毎に求め、この関
係から、脈波センサ46から逐次検出される脈波に基づ
いて最高血圧値および最低血圧値を決定し、その決定し
た血圧値を表示器32に逐次表示させる。なお、上記上
腕動脈を圧迫するカフ10のカフ圧Pを前記目標カフ圧
まで昇圧した状態においては、通常、その上腕動脈にお
いて血流が止められることによりその上腕動脈よりも末
梢側に位置する橈骨動脈56からは脈波は検出されなく
なる。
【0014】また、制御装置28は、予め記憶されたプ
ログラムに従って、カフ圧Pの降圧過程において、その
カフ圧Pが前記最高血圧値SYSに到達した時点から、
手首42の橈骨動脈56から脈波が発生して脈波センサ
46により脈波の検出が再開された時点までの間の脈波
発生時間Tを求めるとともに、その脈波発生時間Tに基
づいて、脈波発生時間と動脈硬化度との間の予め記憶さ
れた関係から患者の動脈硬化度を決定し、その決定され
た動脈硬化度を表示器32に逐次表示させる。したがっ
て、本実施例においては、制御装置28が脈波発生時間
算出手段および動脈硬化度決定手段を構成する。
【0015】ここで、図6に示すように、弾性壁から成
るチューブ60(動脈に相当)の一端から往復ポンプ6
2(心臓に相当)により液体を周期的に圧送し、圧力帯
64(カフに相当)でチューブ60の中間部を圧迫して
液体の流れを止めてから徐々にその圧迫を緩めつつ、チ
ューブ60の他端側で脈波センサ66により脈波を検出
するモデルを考えると、その脈波センサ66における脈
波の発生挙動はチューブ60の弾性壁の硬さに影響され
ることが明らかであり、チューブ60の弾性壁が柔らか
くなるに伴って脈波センサ66にて検出される脈波の発
生が遅くなると考えられる。本発明の動脈硬化度測定装
置の測定原理はかかる基本原理に基づいているのであ
る。
【0016】本発明者等は、上記動脈硬化度の測定原理
を裏付けるために下記の試験を行った。すなわち、動脈
硬化度が比較的低いと思われる若年者と動脈硬化度が比
較的高いと思われる中高年者とを対象として、25℃の
室温においてベッド上で10分間安静にした後、脈波セ
ンサ46の押圧力を前記最適押圧力HDPに維持した場
合、最適押圧力よりも50%低い押圧力に維持した場
合、および最適押圧力よりも50%高い押圧力に維持し
た場合について、前記脈波発生時間Tをそれぞれ測定し
た。この場合において、カフ圧Pの降圧速度を各対象者
について同一に設定するとともに、脈波検出側と反対側
の腕の掌を寒冷水で刺激中の場合についても同様にして
脈波発生時間T(sec)を測定した。この試験結果を下記
の表1に示す。この表から以下のようなことが分かる。
(1) 寒冷刺激を加えない場合において、中高年者の方が
若年者よりも脈波発生時間Tが短い。これは中高年者の
方が動脈硬化が進行しているためであると推定される。
(2) 寒冷刺激を加えた方が加えない場合よりも脈波発生
時間Tが短い。これは寒冷刺激により動脈が緊張(硬
化)して脈波伝播速度が大きくなったためであると推定
される。(3) 寒冷刺激を加えた場合においては、中高年
者と若年者との間には脈波発生時間Tに有意差はない。
これは若年者の方が寒冷刺激に対する反応が大きいため
であると推定される。(4) 脈波センサ46の押圧力が小
さい程脈波発生時間Tが短い。これは脈波センサ46の
押圧力が小さい方が微弱な動脈内圧変化に対する反応が
大きいためであると推定される。上記(1) ,(2) から、
動脈が硬くなる程脈波発生時間Tが短くなる一方、動脈
が柔らかくなる程脈波発生時間Tが長くなることが分か
る。
【0017】
【表1】
【0018】以下、本実施例の動脈硬化度測定装置の作
動を図1および図2のフローチャートに従って説明す
る。
【0019】電源が投入されると、図示しない初期処理
が実行されて後述のフラグF1 およびフラグF2 などが
クリアされた後、図1の血圧モニタ・動脈硬化度決定ル
ーチンと図2のカフ血圧測定ルーチンとが並列処理され
る。図2のカフ血圧測定ルーチンにおいては、まず、ス
テップSB1が実行されて図示しない起動スイッチがO
N操作されたか否かが判断される。この判断が否定され
た場合にはステップSB1が繰り返し実行されて待機状
態とされるが、肯定された場合にはステップSB2が実
行されることにより、後述の血圧モニタ・動脈硬化度決
定ルーチンにおいて脈波センサ46の押圧力が最適押圧
力HDPにホールドされ且つアクティブ素子が決定され
たか否かが判断される。この判断が否定された場合には
待機状態とされるが、ステップSB2の判断が肯定され
た場合には、ステップSB3が実行されることにより、
切換弁16が圧力供給状態に切り換えられ且つ空気ポン
プ18が駆動されてカフ10内が患者の予想される最高
血圧値より高い目標カフ圧Pm(たとえば180mmHg程
度の圧力)まで昇圧された後空気ポンプ18が停止させ
られるとともに、ステップSB4が実行されて、切換弁
16が徐速排気状態に切り換えられることにより、カフ
10内の徐速降圧が開始される。
【0020】次に、ステップSB5が実行されることに
より、脈波信号SM1 が読み込まれて脈波が1拍検出さ
れたか否かが判断される。この判断が否定された場合に
はステップSB5が繰り返し実行されるが、肯定された
場合にはステップSB6が実行されて、検出された脈波
の振幅が算出されるとともにステップSB7が実行され
てその振幅およびそのときのカフ圧Pが時刻と共に記憶
された後、ステップSB8の血圧値決定ルーチンが実行
される。この血圧値決定ルーチンにおいては、検出され
た脈波の振幅の変化に基づいて最高血圧値および最低血
圧値等の血圧値を決定するための良く知られたオシロメ
トリック方式の血圧値決定アルゴリズムに従って最高血
圧値SYSおよび最低血圧値DIAが決定される。次
に、ステップSB9が実行されて、血圧測定が完了した
か否かが判断され、未だ完了していない場合にはステッ
プSB5乃至ステップSB9が繰り返し実行される。血
圧測定が完了してステップSB9の判断が肯定された場
合には、続くステップSB10が実行されることによ
り、切換弁16が急速排気状態に切り換えられてカフ1
0内が急速に排圧されるとともに、ステップSB11が
実行されて決定された血圧値が表示器32に表示され
る。
【0021】続くステップSB12においては、血圧値
と脈波の大きさとの間の関係が決定される。すなわち、
ステップSB8にて決定されたカフ10による最高血圧
値SYSおよび最低血圧値DIAと、後述の血圧モニタ
・動脈硬化度決定ルーチンおいてカフ10の急速排気完
了後に読み込まれた脈波の最高値および最低値とに基づ
いて、たとえば本出願人が先に出願して公開された実開
平2−82309号公報に記載された関係決定方法と同
様にして前記関係が決定されるのである。このようにし
て血圧値と脈波の大きさとの関係が決定されると、ステ
ップSB13が実行されて、その関係が決定されたこと
を表すためにフラグF1の内容が「1」とされた後、ス
テップSB14が実行される。
【0022】上記ステップSB14においては、起動ス
イッチがOFF操作されたか否かが判断され、この判断
が否定された場合には、ステップSB15が実行され
て、予め定められた一定時間(たとえば5〜10分間)
経過したか否かが判断される。ステップSB15の判断
が否定された場合には待機状態とされるが、肯定された
場合にはステップSB16が実行されて、前記フラグF
1 の内容がクリアされた後、ステップSB3以下が実行
されて、カフ10による血圧値が再び測定されるととも
にその測定された血圧値に基づいて前記関係が更新され
ることとなる。一方、起動スイッチがOFF操作されて
ステップSB14の判断が肯定された場合には、ステッ
プSB17が実行されて前記フラグF1の内容がクリア
された後、ステップSB1に戻されて待機状態とされ
る。
【0023】図1の血圧モニタ・動脈硬化度決定ルーチ
ンにおいては、まず、ステップSA1が実行されて起動
スイッチがON操作されたか否かが判断される。この判
断が否定された場合にはステップSA1が繰り返し実行
されて待機状態とされるが、肯定された場合にはステッ
プSA2が実行されることにより、圧力室48内を徐速
昇圧させる過程で逐次得られる脈波信号SM2 に基づい
て、脈波センサ46の前記最適押圧力HDPを決定して
その最適押圧力HDPにホールドするとともに最大振幅
の信号を出力する半導体感圧素子を前記アクティブ素子
として決定する。次に、ステップSA3が実行されるこ
とにより、前記カフ血圧測定ルーチンにおいてカフ圧P
の徐速降圧中であるか否かが判断される。ステップSA
3の判断が否定された場合には、ステップSA4が実行
されて、カフ圧Pの急速排気が完了しているか否かが判
断される。この判断が否定された場合、すなわちカフ圧
Pの昇圧中や急速排圧中である場合には、ステップSA
3およびステップSA4が繰り返し実行されるが、ステ
ップSA4の判断が肯定された場合には、ステップSA
5が実行されて、後述のフラグF2 の内容がクリアされ
る。
【0024】次に、ステップSA6が実行されることに
より、脈波センサ34からの脈波信号SM2 が読み込ま
れて脈波が1拍検出されたか否かが判断される。この判
断が否定された場合にはステップSA6が繰り返し実行
されるが、肯定された場合にはステップSA7が実行さ
れて、その検出された脈波の最高値および最低値が決定
された後、ステップSA8が実行される。このステップ
SA8においては、前記フラグF1 の内容が「1」であ
るか否か、すなわち前記血圧値と脈波の大きさとの関係
が決定(更新)されているか否かが判断される。ステッ
プSA6において1拍目の脈波が検出された時点におい
ては、前記関係は未だ決定(更新)されていないため、
ステップSA8の判断は否定されてステップSA6に戻
されるが、ステップSA6にて検出されたたとえば1拍
目の脈波に基づいて前記関係が決定(更新)された場合
には、ステップSA8の判断は肯定されてステップSA
9が実行されることにより、ステップSA6にて今回検
出された脈波の最高値および最低値に基づいて前記関係
から最高血圧値および最低血圧値が決定されるととも
に、ステップSA10が実行されて、決定された血圧値
が表示器32に表示される。次に、ステップSA11が
実行されて、起動スイッチがOFF操作されたか否かが
判断される。この判断が肯定された場合にはステップS
A1に戻されるが、否定された場合にはステップSA3
以下が繰り返し実行されて、脈波センサ34により脈波
が1拍検出される毎に前記関係から血圧値がモニタされ
ることとなる。
【0025】一方、カフ圧Pの徐速降圧中であって上記
ステップSA3の判断が肯定された場合には、ステップ
SA12が実行されて、フラグF2 の内容が「1」であ
るか否かが判断される。このフラグF2 は、カフ圧Pの
徐速降圧中において脈波センサ34により最初の1拍目
の脈波が検出されたか否かを表すためのものであって、
その内容が「1」であるときに1拍目の脈波が検出され
たことを示す。当初はフラグF2 の内容は「0」とされ
ておりステップSA12の判断は否定されるため、続く
ステップSA13が実行されて、脈波センサ34により
最初の1拍目の脈波が検出されたか否かが判断される。
この判断が否定された場合にはステップSA13が繰り
返し実行されるが、1拍目の脈波が検出されてステップ
SA13の判断が肯定された場合には、ステップSA1
4が実行されて、フラグF2 の内容が「1」とされた
後、ステップSA15が実行される。
【0026】上記ステップSA15においては、ステッ
プSA13にて1拍目の脈波が検出された時刻t1 から
上記カフ血圧測定ルーチンにおけるカフ圧Pの徐速降圧
中においてそのカフ圧Pが最高血圧値SYSまで到達し
たときの時刻tsys を差し引くことにより、脈波発生時
間T(図4参照)が算出される。次に、ステップSA1
6が実行されることにより、たとえば図5に示すような
脈波発生時間Tと動脈硬化度との間の予め記憶された関
係から、ステップSA15にて検出された脈波発生時間
Tに基づいて患者の動脈硬化度が決定される。
【0027】次に、ステップSA17が実行されること
により、ステップSA16にて決定された動脈硬化度が
表示器32に表示された後、上記ステップSA11が実
行される。起動スイッチがOFF操作されておらず且つ
未だカフ圧Pの徐速降圧中である場合には、ステップS
A11およびステップSA3に続いてステップSA12
が実行される。このとき、ステップSA12の判断は肯
定されるので、ステップSA13乃至ステップSA17
がスキップさせられて、カフ圧Pの徐速降圧が終了する
までステップSA3,ステップSA12,およびステッ
プSA11が繰り返し実行されることとなる。そして、
カフ圧Pの徐速降圧が終了してステップSA3の判断が
否定され且つステップSA4の判断が肯定されると、ス
テップSA5にてフラグF2 の内容がクリアされた後血
圧モニタが行われるとともに、再びカフ10による血圧
測定が開始されてステップSA3の判断が肯定された場
合には、ステップSA12の判断は否定されて動脈硬化
度が再び決定される。これにより、カフ10による血圧
測定が行われる毎に患者の動脈硬化度が逐次決定され且
つ表示されることとなる。
【0028】このように本実施例によれば、上腕部12
を圧迫するカフ10内の降圧過程において、カフ圧Pが
最高血圧値SYSに到達した時点からその上腕部12と
同じ上肢の手首42から脈波が発生した時点までの間の
脈波発生時間Tが算出されるとともに、その算出された
脈波発生時間Tに基づいて、脈波発生時間と動脈硬化度
との間の予め記憶された関係から患者の動脈硬化度が決
定されるので、患者の動脈硬化度を皮膚の上から容易に
測定することができる。
【0029】ところで、麻酔時においては動脈の硬化度
(柔軟度)が変化することが知られているとともに、交
感神経が興奮すると動脈が硬くなることが知られている
が、本実施例においては、患者の動脈硬化度が所定時間
毎に測定されるため、麻酔の深さと動脈硬化度との関係
から手術中における患者の麻酔深度をモニタしたり、あ
るいは交感神経の興奮と動脈硬化度との関係から病棟な
どにおける患者の精神状態をモニタしたりすることも可
能である。
【0030】また、本実施例によれば、カフ10および
脈波センサ34等を用いた従来の血圧監視装置をそのま
ま流用して動脈硬化度測定装置を構成できる利点があ
る。
【0031】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明はその他の態様で実施するこ
ともできる。
【0032】たとえば、前記実施例では、上腕部12を
圧迫するカフ10内の降圧過程においてカフ圧Pが最高
血圧値SYSに到達した時点からその上腕部12と同じ
上肢の手首42内の橈骨動脈56から脈波が発生した時
点までの間の脈波発生時間Tに基づいて、脈波発生時間
と動脈硬化度との間の予め記憶された関係から動脈硬化
度が決定されているが、カフ圧Pを降圧させることより
測定された最高血圧値SYSとカフ圧Pの降圧過程にお
いて橈骨動脈56から脈波が発生したときのカフ圧P1
との間の圧力差ΔP(図4参照)に基づいて、圧力差Δ
Pと動脈硬化度との間の予め記憶された関係から動脈硬
化度を決定するようにした場合においても、前記実施例
と同様の効果が得られる。この場合においては、上記ス
テップSA15において前記圧力差ΔPが算出されると
ともに、前記図5の関係における横軸が圧力差ΔPとさ
れることとなる。
【0033】また、前記実施例では、脈波発生時間と動
脈硬化度との間の関係は動脈硬化度を5段階として段階
的に定められているが、動脈硬化度を5段階以上として
もよいし、あるいは直線状や曲線状の関係とすることも
できる。
【0034】また、前記実施例では、脈波検出手段によ
り上腕動脈の末梢側に位置する橈骨動脈から脈波が検出
されるように構成されているが、必ずしもその必要はな
く、たとえば、カフを大腿動脈に設けてその大腿動脈よ
りも末梢側に位置する足背動脈から脈波を検出すること
もできるし、あるいは、それら橈骨動脈や足背動脈より
も更に末梢側に位置する指内の毛細血管(図6のモデル
における流通抵抗68に相当)から脈波を検出してその
脈波の発生に基づいて予め定められた関係から動脈硬化
度を決定するように構成することもできる。
【0035】また、前記実施例では、脈波センサ34か
らの脈波に基づいて血圧値がモニタされ且つカフ10に
よる血圧測定および動脈硬化度の測定が所定時間毎に行
われるように構成されているが、脈波センサ34にて血
圧値をモニタすることなくカフ10による血圧測定およ
び動脈硬化度の測定を1回だけ行うように構成してもよ
い。この場合において、カフ10により測定される血圧
値は少なくとも最高血圧値だけが測定されればよい。
【0036】また、前記実施例では、脈波センサ34の
手首42に対する押圧力はバンド40の装着状態によっ
て決定されるようになっているが、たとえば本出願人が
先に出願して公開された実開平2−82309号公報に
記載されているように、手首等に取り付けられるハウジ
ング内に脈波センサを突出し可能に設けてそのハウジン
グ内の圧力を調節することにより脈波センサの押圧力を
決定するようにしてもよい。
【0037】また、前記実施例では、血圧測定手段は圧
力センサ14を備えたオシロメトリック方式の血圧測定
装置にて構成されているが、マイクロフォンを備えたコ
ロトコフ音方式の血圧測定装置にて構成されてもよいこ
とは勿論である。
【0038】また、前述の実施例では、脈波検出手段は
橈骨動脈56を圧迫することにより圧脈波を検出する脈
波検出用プローブ34にて構成されているが、必ずしも
その必要はなく、たとえば、オキシメータ用プローブの
ように光学的に脈波を検出するものであってもよい。
【0039】その他、本発明はその趣旨を逸脱しない範
囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3の装置の作動の一部を示すフローチャート
である。
【図2】図3の装置の作動の他の一部を示し且つ図1の
フローチャートと並列処理されるフローチャートであ
る。
【図3】本発明の動脈硬化度測定装置の一例を示す図で
あって、その構成を示すブロック線図である。
【図4】血圧測定の際のカフ圧Pの変化状態およびカフ
圧Pの降圧過程で橈骨動脈から発生する脈波の一例を示
す図であって、脈波発生時間T等を説明するための図で
ある。
【図5】図1のフローチャートのステップSA16にて
用いられる関係の一例を示す図である。
【図6】図1の動脈硬化度測定装置の測定原理を説明す
るためのモデルを示す図である。
【符号の説明】
10 カフ(圧迫装置) {10 カフ、14 圧力センサ、16 切換弁、18
空気ポンプ、22 静圧弁別回路、24 脈波弁別回
路、26,30 A/D変換器、28 制御装置}血圧
測定手段 28 制御装置(脈波発生時間算出手段、動脈硬化度決
定手段) 34 脈波検出用プローブ(脈波検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−135634(JP,A) 特開 平3−80830(JP,A) 特開 昭62−60533(JP,A) 特開 平2−174829(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/02 - 5/0295

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体内の動脈の硬化度を測定するための
    装置であって、 前記動脈を圧迫する圧迫装置の圧迫圧力を降圧させるこ
    とにより最高血圧値を測定する血圧測定手段と、 前記動脈の前記圧迫装置よりも末梢側に設けられ、該末
    梢側の動脈から脈波を検出するための脈波検出手段と、 前記圧迫装置の圧迫圧力の降圧過程において、該圧迫圧
    力が前記最高血圧値に到達した時点から前記末梢側の動
    脈から脈波が発生した時点までの間の脈波発生時間を求
    める脈波発生時間算出手段と、 該脈波発生時間算出手段により求められた脈波発生時間
    に基づいて、該脈波発生時間と動脈硬化度との間の予め
    記憶された関係から前記生体の動脈硬化度を決定する動
    脈硬化度決定手段とを含むことを特徴とする動脈硬化度
    測定装置。
  2. 【請求項2】 生体内の動脈の硬化度を測定するための
    装置であって、 前記動脈を圧迫する圧迫装置の圧迫圧力を降圧させるこ
    とにより最高血圧値を測定する血圧測定手段と、 前記動脈の前記圧迫装置よりも末梢側に設けられ、該末
    梢側の動脈から脈波を検出するための脈波検出手段と、 前記血圧測定手段により測定された最高血圧値と、前記
    圧迫装置の圧迫圧力の降圧過程において前記末梢側の動
    脈から脈波が発生したときの該圧迫圧力との間の圧力差
    を求める圧力差算出手段と、 該圧力差算出手段により求められた圧力差に基づいて、
    該圧力差と動脈硬化度との間の予め記憶された関係から
    前記生体の動脈硬化度を決定する動脈硬化度決定手段と を含むことを特徴とする動脈硬化度測定装置。
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