JP3002319U - ブラスト装置における研掃材分級装置の篩 - Google Patents

ブラスト装置における研掃材分級装置の篩

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JP3002319U JP1994002648U JP264894U JP3002319U JP 3002319 U JP3002319 U JP 3002319U JP 1994002648 U JP1994002648 U JP 1994002648U JP 264894 U JP264894 U JP 264894U JP 3002319 U JP3002319 U JP 3002319U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 篩目の長辺の線材間に挾まった変形研掃材あ
るいは異物が振動で容易に落下する線材網織物でなる篩
を提供し、目づまりがなく分級処理能力を向上する。 【構成】 長方形で成る格子状の篩目に形成した篩13
を傾斜して設け、この篩に振動を与える振動手段を設
け、篩の上方上端上にブラスト加工で使用され回収され
た研掃材を落下させる。篩は、縦線材31と横線材32
で格子状に織成した線材網織物の前記横線材32の配列
のうち2本毎に1本ずつを残して他の横線材を除去し、
前記残した横線材を分級する研掃材Rの粒径より小さい
長さの短辺とし前記縦線材31を研掃材Rの粒径より大
きい長さの長辺とする長方形の格子状の篩目に形成す
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、ブラスト加工時、衝撃により破砕あるいは変形した研掃材(以下、 「変形研掃材」という)や、被加工物から切削、剥離した破片等の異物や工作機 械等の前加工による切削屑や切粉等の異物(以下、「異物」という)や、ブラス ト加工の際に発生した粉塵等が混在している再使用可能な研掃材を分級する研掃 材分級装置に関し、特に、長方形で成る格子状の篩目に形成した篩を傾斜して設 け、この篩の上方上端上に研掃材の搬出口を臨ませ、振動モータ等の振動手段に より装置全体を振動させて再使用可能な研掃材を分級する研掃材分級装置に関す る。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ブラスト装置における研掃材分級装置には、格子状の篩目に形成した 篩を使用するものと、極めて小さい粒径の研掃材については空気流によって分級 するものとがあり、また両者を併用したものがある。 例えば、図8は本考案の研掃材分級装置の篩を装着したブラスト装置の全体を 示すものでもあるが、一般のブラスト装置の全体の概要を、この図8に基づいて 説明する。
【0003】 被加工物を出し入れする出入口26を備えたブラスト装置20のキャビネット 23内に研掃材を噴射するノズル25を設け、このノズル25は管を介してキャ ビネット23の上部に設けた研掃材回収タンク24の下端の研掃材調整器37に 連通し且つ前記ノズル25は図示せざる圧縮機に連通しており、この圧縮機から 圧縮空気が供給され、圧縮空気と共に研掃材回収タンク24内の研掃材が供給さ れ被加工物に噴射する。被加工物は出入口26からキャビネット23内へ投入さ れる。研掃材回収タンク24内には研掃材が収納され、この研掃材は、アランダ ム、ガラスビーズ、ステンレス、鋼球、ナイロン等の合成樹脂、クルミなどの植 物、まれにアルミニウム等多くの種類があり、研掃材粒径には#8〜#220な ど様々の種類があり、それぞれ被加工物に応じて使用される。なお、前記研掃材 は一例として、噴射圧力5kg/cm2、噴射速度50〜100m/secで、径7mmのノ ズル25より被加工物の表面へ噴射される。これらのブラスト加工条件はそれぞ れ、被加工物に応じて設定される。
【0004】 前記キャビネット23の下部にはホッパ27が設けられ、ホッパ27の最下端 にバケットコンベアダクト21を連結し、このバケットコンベアダクト21の搬 出口22をキャビネット23の上部の研掃材回収タンク24の上部に傾斜して設 けた篩の上方上端上に臨ませる。前記ノズル25よりキャビネット23内に噴射 された研掃材や粉塵は、バケットコンベアダクト21内のバケットコンベアによ り上方へ運ばれ、篩の上方上端上へ給送される。
【0005】 一般に、研掃材分級装置の篩は、篩を傾斜して設け、さらに分級処理能力を向 上させるために前記篩を振動モータ17により振動させる。篩は格子状の篩目を 備え、再使用可能な研掃材を篩上に沿って下降させ、他の粉塵等を篩目を通過さ せ落下させることにより再使用可能な研掃材を分級する。篩の下方端には分級さ れた再使用可能な研掃材を集める管28を設け、この管28の出口を研掃材回収 タンク24の上方の開口内に嵌挿し、この開口と管28との間隙をゴム板等で覆 って塞いでいる。篩により分級された使用可能な研掃材は篩の下方端の管28を 経て研掃材回収タンク24内に回収される。一方、篩目を通過して篩の底面へ落 下した異物や粉塵等は管29を介してダストコレクタ38へ導かれ、ダストコレ クタ38に集積され、清浄な空気がダストコレクタ38の上部に設けられた排風 機39から放出される。なお、管29と篩の底面の下端の出口との連結部は、篩 の振動で篩の底面の下端の出口が管29にぶつかる等の影響を受けないように前 記出口と管29に間隙を設け、この間隙はゴム板等で覆われて塞がれている。
【0006】 なお、前記バケットコンベアダクト21を導管に換えてこの導管の一端を前記 篩の上方上端上に連通し、この導管の一端と篩との連結部をゴム板等で覆い、ま た篩の外壁面から外方の空気をほとんど流入しないように設け、さらに前記研掃 材回収タンク24の上部を図示せざる管を介して前述した管29に連通すること ができる。この場合、ダストコレクタ38の排風機39を回転し、ダストコレク タ38内の空気を外気へ放出すると、排風機39によりブラスト装置20のキャ ビネット23、前記篩内、研掃材回収タンク24内がそれぞれ負圧になり、さら に前記ノズル25よりキャビネット23内に噴射された圧縮空気により、キャビ ネット23からホッパ27を経て前記導管内を上昇する気流が生じ、順に篩内、 研掃材回収タンク24、管29、ダストコレクタ38へ流れる気流が生じる。し たがって、キャビネット23内の研掃材や粉塵等は前記気流に乗って篩の上方上 端上へ給送され分級される。さらに、前記研掃材回収タンク24はサイクロンの 機能を有し、篩で分級されたにもかかわらず研掃材内に若干含まれる粉塵が研掃 材回収タンク24で研掃材から分離され、管29を経てダストコレクタ38へ送 られ処理される。
【0007】 上記のブラスト装置におけるブラスト加工では、ノズル25より被加工物に噴 射し使用された研掃材は回収され反復使用されるが、回収された研掃材の中には ブラスト加工時の衝撃により破砕あるいは変形した変形研掃材や、被加工物から 切削、剥離した異物やブラスト加工時発生した粉塵等が混在している。また、前 記異物の中には、研掃材あるいは被加工物の材質によっては研掃材の粒径より大 きな被加工物の破片あるいは研掃材の粒径より小さな破片が生じることがある。 また、前記破砕した研掃材の中には、正常形体の研掃材がほぼ中央部から真二つ に割れ、半形体となったものや、これがさらにほぼ半分に割れてもとの正常形体 の4半分形体となったもの、あるいは真二つに割れずに一部欠けたものなど、様 々な形態に破砕したものがある。また、前記変形した研掃材の中には、僅かにつ ぶれたものや、細長く変形したものがある。以上のように、再使用可能な研掃材 以外の異物や変形研掃材や粉塵が多く混在すると、ブラスト加工条件が変化する ためブラストの効果がないばかりか時には有害であるので、これらを前記研掃材 分級装置で選別して取り除くのである。
【0008】 従来の研掃材分級装置の篩にあっては、例えば、実開昭54−95974号公 報に開示されているように、長方形で成る格子状の篩目に形成し、この篩目の長 辺の長さを、分級する研掃材の粒径より大きく形成し、短辺の長さを、分級する 研掃材の粒径より小さく形成している。
【0009】 前記篩は、図11(A)に示すように縦線材41と横線材42で長方形の格子 状の篩目に形成し、篩目の長方形の長辺を成す縦線材41と短辺を成す横線材4 2はそれぞれ、各線材41、41(又は42、42)間に挾み込んだ変形研掃材 あるいは異物を落下させない張力で緊張している状態で織成されている。
【0010】 また、前記篩は、図11(B)、同図(C)に示すように長方形の篩目を板材 にパンチングして形成しており、この篩目は板材に形成した孔であるので、篩目 の長方形の長辺および短辺は線材網織物のように緩む可能性は全くないので、長 辺間あるいは短辺間に挾み込まれた変形研掃材あるいは異物は、全く落下しない 。
【0011】 以上のように、従来の研掃材分級装置の篩は、研掃材及び粉塵等を篩上に下降 させ、篩目の短辺より小さい変形研掃材と異物と粉塵を篩目を通過させて落下さ せ、一方、篩目の短辺より大きい再使用可能な研掃材を篩上に沿って下降させて 、再使用可能な研掃材と、それ以外の変形研掃材と異物と粉塵等を分級するもの である。
【0012】
【考案が解決しようとする課題】
従来の研掃材分級装置においては、以下の問題点があった。
【0013】 (1)従前の図11(A)に示すような縦線材と横線材で成る篩は、いわゆる 金網のように縦線材と横線材を交叉して織成した線材網織物であり、通常の線材 網織物は、短辺及び長辺を成す線材がそれぞれ緊張している状態である。前述し た研掃材の中に混在する変形研掃材や異物にはそれぞれ、図6に示すようないく つかの種類がある。すなわち、変型研掃材には小さく破砕した研掃材Cおよび細 長く変形した研掃材D等があり、異物には再使用可能な研掃材Rの粒径より大き い被加工物の破片等の異物L、再使用可能な研掃材Rの粒径より小さく剥離した 被加工物の破片等の異物M等があり、その他粉塵等Sがある。これらの変形掃材 や異物の中には、その大きさが篩目の短辺の長さとほぼ同じか或いはわずかに大 きいものがあり、このような変形研掃材や異物は篩目の長辺の線材間に挾まって 引っ掛かり、振動モータにより篩に振動を与えているにもかかわらず、篩目を通 過しないという事態が生じた。そのため、篩に目づまりが生じ、篩の研掃材分級 処理能力の低下をもたらした。
【0014】 また、従前の図11(B)、同図(C)に示すような長方形の篩目をパンチン グして形成した篩も、前述の図11(A)と同様の目づまりの事態が生じた。
【0015】 通常、ブラスト装置の1本のノズルから噴射される研掃材の量は1〜10kg/m inで、10本のノズルを有するブラスト装置では10〜100kg/minであり、1 時間当り60〜6000kgの処理量となり、分級装置の分級処理能力は極めて重 要である。
【0016】 (2)上記の(1)項の理由から篩目に目づまりが生じると、ブラシで擦ると いった極めて繁雑な作業を強いられるという問題点があった。
【0017】 (3)上記の(1)項の理由から篩目に目づまりが生じると分級速度が遅くな るので、いきおい篩全体を大きくしなければならず、さらに前出の篩に大きな振 動を与えるために振動用モータの容量を大きくしなければならず、この大きな振 動により分級装置各部が頻繁に故障するという問題点があった。
【0018】 このように篩を大きくし振動を大きくする方法は、分級装置の分級処理能力を 向上させようとする一般的な方法でもあるが、たとえ、篩に大きな振動を与えて も、軽い重量の変形研掃材あるいは異物に生じる慣性力は微少であり、篩目の長 辺を成す縦線材41および短辺を成す横線材42はそれぞれ、各線材41、41 (又は42、42)間に挾み込んだ変形研掃材あるいは異物を落下させない張力 で緊張している状態で織成されているので、前記変形研掃材あるいは異物が前記 慣性力により各線材41、41(又は42、42)を押し拡げて落下することは なく、前出と同様に篩に目づまりが生じるので、真の解決とはならないことは明 らかである。ちなみに、 研掃材粒径が#100(平均粒子径 0.125mm)の鋼球でなる研 掃材の1個当りの計算重量は、 4/3πr3=4/3π×(0.0625)3 =1.022×10-3mm3 =1.022×10-6mm3 比重7.8とすると、 7.8×1.022×10-6(g) 約8.0×10-6(g) と非常に軽いので、振動手段により研掃材に与えられる往復運動の速度を大きく しても、研掃材にもたらされる慣性力は微少である。
【0019】 (4)上記の(1)項の理由から篩目に目づまりが生じるため、篩の傾斜角度 を小さくして長い時間をかけて篩上に研掃材を流下させるとすれば、分級速度が 遅くなり分級処理能力が低下するという問題点が生じ、一方、この傾斜角度が小 さい篩上に、篩の傾斜角度が大きい場合と同一の処理量を与えると、篩上の研掃 材の層が厚くなり上層の研掃材等は篩面に接触する可能性が減少するので分級さ れないまま篩の下端に到達してしまい、やはり充分な分級が行なわれないことに なり真の解決とはならない。
【0020】 本考案は叙上の問題点を解決するために開発されたもので、篩目の長辺の線材 間に挾まった変形研掃材あるいは異物が振動で容易に落下する線材網織物でなる 篩を提供し、分級処理能力を向上した研掃材分級装置を提供することを目的とす る。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の本考案のブラスト装置における研掃材分級 装置の篩においては、多数の縦線材31とこれに交叉する多数の横線材32で成 る線材網織物の各縦・横線材が変形研掃材あるいは異物を挾み込んで落下させな い張力で格子状の篩目に織成された篩13を傾斜して設け、この篩13に振動を 与える振動手段17を設け、前記篩13の上方上端上に研掃材タンク又は搬送ダ クトの搬出口22を臨ませる。前記篩13の線材網織物の縦線材31と横線材3 2で長方形の格子状の篩目に形成し、この篩目の長方形の短辺の長さを、分級す る研掃材Rの粒径より小さく、長辺の長さを、分級する研掃材Rの粒径より大き く形成する。前記長辺を成す線材31(又は32)を、前記振動手段によって変 形研掃材(破砕した研掃材Cや変形した研掃材D)あるいは異物Mにもたらされ る慣性力より小さい張力で張設したものである。
【0022】 第2の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩においては、分級す る研掃材Rの粒径より大きいメッシュから成る上段篩12と、多数の縦線材31 とこれに交叉する多数の横線材32で成る線材網織物の各縦・横線材が変形研掃 材あるいは異物を挾み込んで落下させない張力で格子状の篩目に織成された下段 篩13aを上下二段重ねて傾斜して設け、前記上下段篩全体に振動を与える振動 手段17を設け、前記上段篩12の上方端上に研掃材タンク又は搬送ダクトの搬 出口22を臨ませる。前記下段篩13aの線材網織物の縦線材31と横線材32 で長方形の格子状の篩目に形成し、この篩目の長方形の短辺の長さを、分級する 研掃材Rの粒径より小さく、長辺の長さを、分級する研掃材Rの粒径より大きく 形成する。前記長辺を成す線材31(又は32)を、前記振動手段によって変形 研掃材(破砕した研掃材Cや変形した研掃材D)あるいは異物Mにもたらされる 慣性力より小さい張力で張設したものである。
【0023】 第3の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩においては、多数の 縦線材31とこれに交叉する多数の横線材32で成る線材網織物の各縦・横線材 が変形研掃材あるいは異物を挾み込んで落下させない張力で略正方形のマス目の 格子状の篩目に織成された篩13を傾斜して設け、この篩13に振動を与える振 動手段17を設け、前記篩13の上方上端上に研掃材タンク又は搬送ダクトの搬 出口22を臨ませる。そして、上記の略正方形のマス目の格子状篩目に形成され た線材網織物の横線材32の配列のうちいくつかの横線材32毎に一の横線材3 2を、一の縦線材31が隣接する横線材32に交互に織成するように残して他の 横線材32を除去し、前記縦線材31が交叉する横線材32に対して上下に交互 に配置され、一の縦線材31は隣接する両側の縦線材31とは交叉する横線材3 2に対する上下の配置をそれぞれ互い違いに配置して織成する。
【0024】 そして前記残した横線材32で分級する研掃材の粒径より小さい長さの短辺を 形成し前記縦線材31で分級する研掃材の粒径より大きい長さの長辺を形成した 長方形の格子状の篩目に形成し、前記長辺を成す縦線材31を、前記振動手段に よって変形研掃材あるいは異物にもたらされる慣性力より小さい張力で張設した ものである。
【0025】 また、前述した第3の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩にお いては、前述したように多数の縦線材31とこれに交叉する多数の横線材32で 成る線材網織物の各縦・横線材が変形研掃材あるいは異物を挾み込んで落下させ ない張力で略正方形のマス目の格子状の篩目に織成され、前記縦線材31が交叉 する横線材32に対して上下に交互に配置され、一の縦線材31は隣接する両側 の縦線材31とは交叉する横線材32に対する上下の配置をそれぞれ互い違いに 配置して平織に織成する。しかも前記篩目は一辺が分級する研掃材の粒径より小 さい長さの略正方形のマス目の格子状に形成する。
【0026】 そして前記横線材32の配列を順に1,2,3,…nとし、この横線材32の 配列のうち、1,4,7,10,13,…等の 〔3(n−1)+1〕番目の横線材32を残して、 他の横線材を除去し、前記残した横線材32で分級する研掃材の粒径より小さ い長さの短辺を形成し前記縦線材31で分級する研掃材の粒径より大きい長さの 長辺を形成した長方形の格子状の篩目に形成することができる。
【0027】 さらに、多数の縦線材31とこれに交叉する多数の横線材32で成る線材網織 物を、前述したように一辺が分級する研掃材の粒径より小さい長さの略正方形の マス目の格子状の篩目に平織に織成し、 前記横線材の配列を順に1,2,3,…nとし、この横線材の配列のうち、1 ,6,11,16,21,…等の 〔5(n−1)+1〕番目の横線材32を残して、 他の横線材を除去し、前記〔5(n−1)+1〕番目の残した横線材を分級す る研掃材の粒径より小さい長さの短辺とし前記縦線材を分級する研掃材の粒径よ り大きい長さの長辺とする長方形の格子状の篩目に形成することができる。
【0028】 なお、本考案の篩の篩目に加工する前の平織に織成した線材網織物は、マス目 が前述したような略正方形とは限らず長方形に織成された場合でも本考案の篩に 加工することができる。すなわち、この場合は一旦、長方形のマス目に織成され た線材網織物からいくつかの横線材を除去して略正方形のマス目の格子状の平織 に形成し、この平織の線材網織物から前述したように横線材を除去して本考案の 篩に形成することができる。例えば、横線材が相接触して並べて織成された畳織 からいくつかの横線材を除去して前記平織と同様に縦線材と横線材が交互に織成 するように、一辺が分級する研掃材の粒径より小さい長さの略正方形のマス目の 格子状を成す線材網織物に形成し、この線材網織物から前述したように横線材を 除去して本考案の篩に形成することもできる。
【0029】 また、第4の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩においては、 多数の縦線材31とこれに交叉する多数の横線材32で成る線材網織物の各縦・ 横線材とが一定間隔を保ち相互に2本以上ずつ乗り越した綾織に織成され、且つ 前記線材網織物の各縦・横線材が変形研掃材あるいは異物を挾み込んで落下させ ない張力で略正方形のマス目の格子状の篩目に織成され、前記篩目は一辺が分級 する研掃材の粒径より小さい長さの略正方形のマス目の格子状に形成される。こ の綾織の線材網織物の横線材32の配列のうちいくつかの横線材32毎に一の横 線材32を残して他の横線材32を除去し、この除去する横線材32を除去した 後の線材網織物の織方が、各縦・横線材とが一定間隔を保ち相互に2本以上ずつ 乗り越した綾織となるように形成する。例えば各縦・横線材とが一定間隔を保ち 相互に2本ずつ乗り越した綾織の線材網織物の前記横線材32の配列を順に 1,2,3,…nとし、この横線材32の配列のうち、1,4,7,10,1 3,…等の 〔3(n−1)+1〕番目の横線材32を残して、 他の横線材32を除去し、前記〔3(n−1)+1〕番目の残した横線材32 で分級する研掃材の粒径より小さい長さの短辺を形成し前記縦線材で分級する研 掃材の粒径より大きい長さの長辺を形成した長方形の格子状の篩目に形成し、前 記長辺を成す縦線材を、前記振動手段によって変形研掃材あるいは異物にもたら される慣性力より小さい張力で張設することができる。
【0030】 なお、前述した第3及び第4の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置 の篩においては、前記線材網織物の横線材32の配列のうち除去する横線材32 はそれぞれ、線材網織物から引き抜いたり、あるいは線材網織物の篩目の間隔に 対応するピッチの切断歯を有するプレス型等の切断具で各縦線材31、31間の 位置で細かく切断して除去することができるが、好ましくは、除去するときに他 の線材に影響を及ぼして篩目の形状を変形することがなく、また非常に容易に除 去できるという点で、前記線材網織物の横線材32の配列のうち除去する横線材 32の材質を、除去する横線材32の材料以外の横線材32及び縦線材31の材 質より低い燃焼温度の材料で形成し、前記除去する横線材32を燃焼して除去す ることがよい。
【0031】 例えば、前記除去する横線材をポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン 、ポリ塩化ビニル、ナイロン等の樹脂で形成し、除去する横線材の材料以外の横 線材及び縦線材をステンレス、ハガネ、ニッケル等の金属で形成することができ る。ちなみに樹脂の燃焼温度は様々であるが、500℃以下であり、ステンレス 線の溶融温度は1536℃である。
【0032】 なお、前記除去する横線材32の材質を樹脂の他に、綿糸、生糸、毛糸、紙糸 等の材料で構成することができ、このときの横線材32は篩目の長方形の長辺を 成す縦線材31が波状に織成される程度の強度を有する直径に形成し、これらの 横線材32に張力を加えながら織成することができるが、綿糸、生糸、毛糸、紙 糸等の材料より強度が高く、ステンレス、ハガネ、ニッケル等の金属の溶融温度 より燃焼温度が低いという点で、特に樹脂が好ましい。
【0033】
【作用】
第1の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩は、ブラスト装置内 の被加工物の材質によっては、再使用可能な研掃材Rの粒径より大きい破片等の 異物Lが生ずる可能性が少ない場合には、篩を一段に構成することができる。し かし、第1の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩は、篩を1段に することに限定されず、篩目の大きさが異なるいくつかの篩を上下方向に多段に 重ねることもできる。
【0034】 ここでは、篩を一段とした研掃材分級装置の篩の作用について説明すると、研 掃材タンク又は搬送ダクトの搬出口22から篩13の上方端上にブラスト加工で 使用され回収された研掃材を落下させる。再使用可能な研掃材Rはその粒径が篩 13の篩目の長方形の短辺より大きいので篩13の篩目を通過せず、篩13の下 端から下方の分級タンクへ回収され再使用される。一方、他の破砕した研掃材C 、変形した研掃材D及び粉塵等Sは、それぞれの幅が篩13の篩目の長方形の短 辺より小さく、また長手方向の長さが前記篩目の長方形の長辺より小さいものは 、大部分が長辺の二辺にのみ接触するだけで迅速に篩13の篩目を通過してダス トコレクタ等へ移送される。しかし、篩13の篩目の長方形の短辺とほぼ同じか 或いはわずかに大きい幅を有する変形研掃材や異物は、前記篩目の長辺を成す縦 線材31、31間に挾まって引っ掛かる。しかし、振動モータ17等の振動手段 によって篩13に与えられている振動により前記変形研掃材や異物に微少な慣性 力がもたらされ、この慣性力が篩目の長辺を拡げるように作用し、しかも篩目の 長辺を成す縦線材31が前記慣性力によりわずかに拡がる程度に小さい張力で緩 く張設されているので、前記変形研掃材や異物は篩目の長辺を僅かに拡げながら 少しずつ移動し、遂には篩目を通過して落下する。また、前記篩目の長辺を成す 縦線材31間に挾まった変形研掃材や異物は、他の研掃材等で上方から押される と篩目の長辺を成す縦線材31が緩いので、縦線材31、31を僅かに押し拡げ るようにして落下することもある。したがって、厳密にいえば再使用不可能では ない程度に欠けた研掃材も落下するが、篩目の目ずまりが生ぜず分級処理能力は 飛躍的に向上する。
【0035】 第2の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩の作用は、研掃材タ ンク又は搬送ダクトの搬出口22から上段篩12の上方端上にブラスト加工で使 用され回収された研掃材を落下させる。研掃材は上段篩12上を下降するにつれ て、研掃材の粒径より大きい異物Lは上段篩12上に残り、他の再使用可能な研 掃材Rや破砕した研掃材Cや変形した研掃材D等の変形研掃材、研掃材Rの粒径 より小さい異物M及び粉塵等Sは上段篩12を通過して下段篩13aの上に落下 する。上段篩12を通過しない前記異物Lは上段篩12上を下降し、遂には上段 篩12の下端から下方の分級タンクへ落下する。
【0036】 一方、下段篩13aの上に落下した研掃材や粉塵等は、再使用可能な研掃材R と、他の破砕した研掃材C、変形した研掃材D及び粉塵等Sとに分級される。再 使用可能な研掃材Rはその粒径が下段篩13aの篩目の長方形の短辺より大きい ので下段篩13aの篩目を通過せず、下段篩13a上に沿って下降し、下段篩1 3aの下方端から回収され再使用される。一方、下段篩13aの上に落下した変 形研掃材は幅が下段篩13aの篩目の長方形の短辺より小さく、また長手方向の 長さが前記篩目の長方形の長辺より小さいものは、大部分が長辺の二辺にのみ接 触するだけで迅速に下段篩13aの篩目を通過してダストコレクタ等へ移送され る。また、研掃材の粒径より小さい異物M及び粉塵等Sも、下段篩13aの篩目 を通過してダストコレクタ等へ移送され廃棄される。なお、下段篩13aの篩目 の長辺を成す縦線材31、31間に挾まって引っ掛かった変形研掃材や異物は、 前述の第1の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩13と同様に、 下段篩13aに与えられている振動によりもたらされる変形研掃材や異物の慣性 力が篩目の長辺を成す縦線材31、31を拡げ、この篩目を通過して落下する。
【0037】 第3の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩においては、本考 案の篩に加工する前の略正方形のマス目の格子状に形成した線材網織物は、変形 研掃材あるいは異物が縦線材31、31間あるいは横線材32、32間に挾まっ た場合、この線材網織物に振動を与えても前記変形研掃材あるいは異物が通過で きないほどの張力で平織に織成されたものであり、各縦線材31はそれぞれ、交 叉する横線材32に対して上下に1本ずつ交互に配置され、いわば波状に形成さ れている。しかし、線材網織物の配列の横線材32のうちいくつかの横線材毎に 一の横線材を残して他の横線材32を除去して長方形の格子状の篩目を形成する と、縦線材31は波状であるので、長方形の篩目の短辺を成す横線材32、32 間の縦線材31の長さは、前記短辺を成す横線材32、32間の直線距離より長 いため、長辺を成す縦線材31は除去した横線材32の本数分だけ緩くなる。
【0038】 したがって、たとえ変形研掃材(破砕した研掃材Cや変形した研掃材D)ある いは異物Mが長辺を成す縦線材31,31間に挟み込まれたとしても、前記振動 手段17の振動でこれらの変形研掃材や異物に生じた微少な慣性力が前記長辺の 縦線材31、31を僅かに拡げる程度に緩く張設される。つまり長辺を成す縦線 材31は除去した横線材32の本数分だけ緩くなり、前記長辺を成す縦線材31 は、前記振動手段によって変形研掃材あるいは異物にもたらされる慣性力より小 さい張力で張設される。
【0039】 横線材32の配列のうち1,4,7,10,13,…等の 〔3(n−1)+1〕番目の横線材32を残して他の横線材32を除去した場 合、縦線材31は、 残した各〔3(n−1)+1〕番目の横線材32間で、除去された横線材32 の2本分だけ緩くなる。 例えば、残した1,4番目の横線材32、32間の縦線材31の長さは、2, 3番目の2本の横線材を上下に交互に配置された波状であるので1,4番目の横 線材32、32間の直線距離より長い。したがって、2,3番目の2本の横線材 を除去すると、1,4番目の横線材32、32間の縦線材31は1,4番目の横 線材32、32間の直線距離より長い分だけ緩くなる。
【0040】 なお、横線材の配列のうち、1,6,11,16,21,…等の 〔5(n−1)+1〕番目の横線材32を残して他の横線材を除去した場合は 、前述の〔3(n−1)+1〕番目の横線材32を残して他の横線材32を除去 した場合と同様の理由で、除去された横線材32の4本分だけ緩くなる。
【0041】 また、第4の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩においては、 いわゆる綾織の線材網織物の横線材32の配列のうちいくつかの横線材32毎に 一の横線材32を残して他の横線材32を除去し、前記残した横線材32で分級 する研掃材の粒径より小さい長さの短辺を形成し前記縦線材で分級する研掃材の 粒径より大きい長さの長辺を形成した長方形の格子状の篩目に形成したものであ り、前述の略正方形のマス目の格子状に平織に織成した線材網織物の 〔3(n−1)+1〕番目の横線材32を残して 他の横線材32を除去した場合と同様の理由で、長辺を成す縦線材31は除去 した横線材32の本数分だけ緩くなり、前記振動手段によって変形研掃材あるい は異物にもたらされる慣性力より小さい張力で張設される。
【0042】
【実施例】
〔第1実施例〕 実施例について図面を参照して説明すると、図1は本考案のブラスト装置にお ける研掃材分級装置の実施例を示すもので、ブラスト加工時、衝撃により破砕あ るいは変形した変形研掃材や、被加工物から切削、剥離した破片等の異物や、工 作機械等の前加工による切削屑や切粉等の異物や、ブラスト加工の際に発生した 粉塵等が混在している再使用可能な研掃材を分級するものである。
【0043】 なお、第1の本考案のブラスト装置における研掃材分級装置の篩は、篩を1段 にすることに限定されず、篩目の大きさが異なるいくつかの篩を上下方向に多段 に重ね、粒径の大きさのことなる研掃材を分級することもできるが、分級する研 掃材の粒径の大きさが1種類で、しかも研掃材Rの粒径より大きい破片等の異物 Lが生ずる可能性が少ない場合には、篩を一段に構成して充分に目的を果たす。 本実施例では、篩を一段とした研掃材分級装置の篩について説明する。 ブラスト装置は、図1では詳細を省略しているが、従来の技術で説明したよう に、図8に示すようにキャビネット23内に投入した被加工物に、研掃材回収タ ンク24から供給された研掃材を圧縮空気と共にノズル25より噴射してブラス ト加工し、キャビネット23内の研掃材や粉塵等は下部のホッパ27よりバケッ トコンベアダクト21内の1,4バケットコンベアにより運ばれ、傾斜して設け られた研掃材分級装置10の篩11の上方上端上に供給される。
【0044】 同図において、篩11は、1段の篩13の下面に平行に所定間隙を介して底板 14を設けて成り、傾斜角17度で傾斜して設けたものである。
【0045】 前記底板14の両側縁に側壁15、15(図6)を立設し、該側壁15、15 を上方へ延長し、前記篩13の両側縁に側壁を形成している。さらに、篩13の 上面には篩13に平行に所定間隙を介して上蓋16を設け、この上蓋16を前記 側壁15、15の上端縁に被蓋して設けている。なお、本実施例では篩11の傾 斜角は17度であるが、これに限定されない。
【0046】 さらに、底板14の下面には、篩11の全体を振動させる振動手段である振動 モータ17を連結しており、振動モータ17の作動により篩11が図6の矢印に 示すように幅方向に振動するように構成されている。なお、本実施例では、振動 モータ17は回転速度1500rpm,振動力150kgf,馬力65Wのユーラス型 バイブレータを使用しているが、これに限定されない。
【0047】 篩13の上方端側の上方にバケットコンベアダクト21の研掃材を搬出する搬 出口22を臨ませると共に篩13、底板14の下方端にそれぞれ分級タンク18 b,18cに連通するダクトを設けている。そしてバケットコンベアダクト21 はブラスト装置のキャビネット23の下方に連通しており、キャビネット23内 でブラスト加工した研掃材をバケットコンベアダクト21を介してバケットコン ベアで上方に搬送するように設けられている。
【0048】 なお、前記搬出口22はバケットコンベアダクト21のみならず従来の技術で説 明したように他のダクトや研掃材タンクの搬出口22であってもよい。
【0049】 〔篩13〕 篩13は図3(A)に示すように多数の縦線材31とこれに交叉する多数の横 線材32で成る線材網織物で、長方形の格子状の篩目に織成する。前記篩目の長 方形の短辺の長さは、分級する再使用可能な研掃材Rの粒径より小さく、また長 辺の長さは、分級する再使用可能な研掃材Rの粒径より大きく形成したものであ る。しかし、前記長辺を成す線材(この実施例では縦線材31である。)は、こ の縦線材31、31間に挟持された変形研掃材あるいは異物が振動モータ17の 振動によりもたらされる微少な慣性力により押し拡げられる程度に緩く、すなわ ち前記変形研掃材あるいは異物の慣性力より小さい張力で張設している。
【0050】 本実施例では、所望の分級する研掃材の粒径が#100で、線材網織物の材質 はステンレスであり、短辺の長さは#120の一辺と同じ長さ、長辺の長さは# 40の一辺と同じ長さである。
【0051】 一般に線材網織物には、平織、綾織、畳織、綾畳織があるが、篩として使用さ れるのは一般に平織であり、本実施例においては平織の線材網織物を使用してい る。
【0052】 そして、線材の材質は、亜鉛メッキ鉄線、ステンレス線、鋼線、銅、ニッケル 、鉄線、ブロンズ、真鍮、モネルなどがあり、本実施例ではステンレス線を使用 している。
【0053】 ちなみに線材の線径は#120の線材網織物では約0.08mmである。
【0054】 平織の線材網織物は、一般に図4(A)、図4(B)に示すように各縦線材3 1がそれぞれ、交叉する横線材32に対して上下に1本ずつ交互に配置され、一 の縦線材31は隣接する両側の縦線材31とは交叉する横線材32に対する上下 の配置をそれぞれ互い違いに配置して織成する織方であり、縦線材31および横 線材32で成す略正方形のマス目の各辺は図4(B)に示すようにそれぞれ緊張 している状態である。本明細書においては、この織方を単に「平織」という。な お、本実施例では縦線材31及び横線材32で#120の略正方形のマス目の格 子状に織成された線材網織物から本考案の長方形の篩目を有する篩に形成する。
【0055】 なお、この平織の織方により、隣接する横線材32、32の間隔をそれぞれ、 拡げて長方形でなる格子状の篩目に織成することができるが、この場合は、前述 の略正方形のマス目の格子状に織成した平織と同様に、長方形を成す縦線材31 及び横線材32はそれぞれ、緊張している状態であり、また振動モータ17の振 動により篩目の長辺の縦線材31,31の間に挾まった変形研掃材あるいは異物 に慣性力がもたらされても変形研掃材あるいは異物の重量は非常に小さいので慣 性力は微少であり、この微少な慣性力は前述の縦線材31および横線材32の張 力より小さいので、変形研掃材あるいは異物は縦線材31又は横線材31を拡げ ることができず落下しない。したがって、以上の線材網織物は本考案の目的を達 成するものではない。
【0056】 そこで、図4(A)に示すように#120の略正方形のマス目の格子状に形成 した線材網織物の各横線材32の配列のうち、2本毎に1本ずつの横線材32を 残し、他の横線材32を引き抜いて除去すると、図3(A)に示すように、横線 材32で成る短辺の長さが#120の一辺と同じ長さで、縦線材31で成る長辺 の長さが#40の一辺と同じ長さで構成される長方形の篩目が形成される。
【0057】 さらに詳しく説明するために、各縦線材31を図4(A)紙面の左から右へ配 列順に配列番号A1,A2,A3,A4,A5,…Anを付け、 一方、各横線材32を図4(A)紙面の上から下へ配列順に配列番号B1,B2 ,B3,B4,B5,…Bnを付けると、 各横線材32の配列のうち2本毎に1本ずつの横線材32を残すには、各横線 材32の配列番号のうち、 〔3(n−1)+1〕番目の横線材32、 すなわち配列番号B1,B4,B7,B10,…等の〔3(n−1)+1〕番目の 横線材32を残し、配列番号B2,B3,B5,B6,B8,B9,B11,B12,…等 の〔3(n−1)+1〕番目以外の各横線材32を除去することになる。
【0058】 略正方形のマス目の格子状に形成した線材網織物は、図4(B)に示すように 各縦線材31がそれぞれ、交叉する横線材32に対して上下に1本ずつ交互に配 置され、いわば波状に形成されている。しかし、〔3(n−1)+1〕番目以外 の各横線材32を除去すると、縦線材31は残した各〔3(n−1)+1〕番目 の横線材32間で、除去された横線材32の本数分だけ緩くなる。例えば、残し たB1,B4の横線材32、32間の縦線材31の長さは、図4(B)に示すよう に波状であるのでB1,B4の横線材32、32間の直線距離より長い。しかし、 B1,B4の横線材32、32間のB2,B3の2本の横線材32、32を除去する と、B1,B4の横線材32、32間の縦線材31はB1,B4の横線材32、32 間の直線距離より長い分だけ緩くなるのである。
【0059】 したがって、篩目の長辺を成す各縦線材31はそれぞれ、図3(B)に示すよ うに、配列番号B2,B3,B5,B6,B8,B9,B11,B12,…等の〔3(n− 1)+1〕番目以外の横線材32が除去された分だけ緩くなり、振動モータ17 により変形研掃材あるいは異物にもたらされる微少な慣性力より小さい張力で張 設される。ちなみに、線材の線径が約0.08mmであるので、緩み方は僅かであ る。
【0060】 なお、略正方形のマス目で成る線材網織物の各横線材32の配列のうち1本毎 に残し例えば図4(A)に示す配列番号B1,B3,B5,B7,…等の奇数番目の 横線材32を残し、他の横線材32すなわち配列番号B2,B4,B6,B8,…等 の偶数番目の横線材32を引き抜いて除去すると、配列番号B1,B3,B5,B7 ,…等の奇数番目の横線材32は1本の縦線材31に対して同じ側に位置するこ とになり、全体として平織に形成されず、長辺を成す各縦線材31はそれぞれ、 単に両端が篩の枠材で引っ張られている状態になるため、落下してはいけない再 使用可能な研掃材Rを通過させてしまうほどに緩くなり極めて不安定な状態とな るので本考案の目的を達成するものではない。
【0061】 したがって、略正方形のマス目で成る線材網織物の各横線材32の配列のうち いくつかの横線材32毎に一の横線材32を残し、他の横線材32を除去する場 合、前記除去する横線材32を除去した後の線材網織物は平織の織方と同じ状態 に形成されるように、すなわち縦線材31が交叉する横線材32に対して上下に 交互に配置され、一の縦線材31は隣接する両側の縦線材31、31とは交叉す る横線材32に対する上下の配置をそれぞれ互い違いに配置するように横線材3 2を残し、他の横線材32を除去する。そのためには図4(A)の線材網織物の 各横線材32の配列のうち2の倍数の本数毎に1本ずつの横線材32を残して他 の横線材32を引き抜いて除去することができる。
【0062】 例えば、4本毎に1本ずつの横線材32を残すには、図4(B)の各横線材3 2の配列番号のうち、 〔5(n−1)+1〕番目の横線材32、 すなわち配列番号B1,B6,B11,…等の 〔5(n−1)+1〕番目の横線材32を残し、 配列番号B2,B3,B4,B5,B7,B8,B9,B10,B12,B13,B14,B1 5,…等の〔5(n−1)+1〕番目以外の横線材32を引き抜いて除去するこ とになる。
【0063】 また、6本毎に1本ずつの横線材32を残すには、図4(B)の各横線材32 の配列番号のうち、 〔7(n−1)+1〕番目の横線材32、 すなわち配列番号B1,B8,B15,…等の〔7(n−1)+1〕番目の横線材 32を残し、他の横線材32は除去することになる。
【0064】 以上のように、略正方形のマス目に織成した線材網織物の各横線材32の配列 のうち2の倍数の本数毎に1本ずつを残して他の横線材32を引き抜いて除去す ることができるが、篩目の長辺の長さは研掃材Rの粒径より大きくすればよいの で必要以上に長くする必要がなく、また、篩目の長方形の形状を維持するために ある程度の緊張状態が必要であるので長辺の縦線材31を必要以上に緩くしない という点で、線材網織物の各横線材32の配列のうち2本毎に1本ずつを残して 他の横線材32を引き抜いて除去することが特に好ましい。
【0065】 さらに、上記の実施例では図4(A)の線材網織物の各横線材32の配列のう ち除去する横線材32は引き抜いて除去したが、その他、各横線材32を細かく 切断して除去することができる。 例えば、図3(A)において、配列番号B2,B3,B5,B6,B8,B9,B11 ,B12,…等の 〔3(n−1)+1〕番目以外の横線材32を切断する際、隣接する各縦線 材31間の位置で横線材32を切断することにより、横線材32の断片は全て落 下し除去される。 すなわち、〔3(n−1)+1〕番目以外の横線材32の断片は複数の交叉す る縦線材31、31の上下に交互に挾み込まれて線材網織物に残留せず、前記横 線材32の断片は切断すると同時に落下する。この切断方法は、例えば線材網織 物の格子状の篩目の間隔に対応するピッチの切断歯を有するオス、メスのプレス 型の切断装置により多数の除去する横線材32を同時に切断し除去することがで きる。好ましくは、横線材32を容易に除去でき、残す横線材32や縦線材31 に影響を及ぼして篩目の長方形の形状を変形することがないという点で、以下に 示すように横線材32を除去するとよい。
【0066】 図4(A)の略正方形のマス目の格子状の線材網織物を平織で織成する際、各 横線材32の配列のうち除去する横線材32の材質を燃焼温度が低い材料、例え ば樹脂、綿糸、生糸、毛糸、紙糸等の材料で構成し、前述の残す横線材32及び 縦線材31のそれぞれの材質を燃焼温度(金属の場合溶融温度)が高いステンレ ス、鋼線、銅線、ニッケル等の材料で構成し、この線材網織物を樹脂の横線材3 2より若干高い温度の炉中に投入し樹脂の横線材32を燃焼して除去する。ちな みに樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル 、ナイロン等があり、これらの樹脂の横線材32の燃焼温度は様々であるが、5 00℃以下であり、ステンレス線の縦線材31および横線材32の溶融温度は1 536℃である。
【0067】 前述した樹脂の発火温度、熱分解温度は以下のようである。それぞれ( )内 に順に(発火温度、熱分解温度)を示し、単位は℃である。 ポリエチレン;349,335〜450、ポリプロピレン;470,328〜410、ポリスチ レン;488〜496,300〜400、ポリ塩化ビニル;454,200〜300;、ナイロン;424 ,310〜380 なお、除去する横線材32の材質を綿糸、生糸、毛糸、紙糸等の材料で
構成 する場合、篩目の長方形の長辺を成す縦線材31が波状に織成される程度の強度 を持たせるために前記縦線材31の直径より若干太くし、それらの横線材32に 張力を加えながら織成することができるが、綿糸、生糸、毛糸、紙糸等の材料よ り強度が高く、ステンレス、鋼線、銅線、ニッケル等の金属の溶融温度より燃焼 温度が低いという点で、特に樹脂が好ましい。ちなみに綿糸の発火温度は254 ℃である。
【0068】 なお、以上の実施例では、略正方形のマス目の格子状をなす線材網織物の横線 材32を除去して本考案の篩目を形成すると説明したが、他の長方形の格子状を 成す平織の線材網織物、あるいは平織以外の他の織方である畳織、綾織等の線材 網織物の横線材32を適宜除去して本考案の篩を形成することができ、前述した 略正方形のマス目の線材網織物から本考案の篩を形成することに限定されない。
【0069】 一例として、畳織の線材網織物から本考案の篩を形成することについて以下に 説明する。 畳織とは、基本的には平織と同様に各縦線材31がそれぞれ隣接する横線材3 2に交互に織成され、一方、各横線材32がそれぞれ隣接する縦線材31に交互 に織成されているが、図9に示すように、いわゆる畳のように各横線材32が相 接触して並べられており格子の目が小さい織方である。本明細書においては、こ の織方を単に「畳織」という。
【0070】 以上の畳織の織方で、各縦線材31間の距離が分級する研掃材の粒径より小さ い間隔の線材網織物の横線材32の配列のうち、いくつかの横線材32毎に一の 横線材32を残し、他の横線材32を除去し、前記残した横線材32間の距離を 分級する研掃材の粒径より大きい間隔に形成して、縦線材31と横線材32で成 る長方形の格子状の篩目に形成することができる。この場合、前記残した横線材 32は、畳織の線材網織物の横線材32のうち、各縦線材31が隣接する横線材 32を交互に織成したかのように残され、前述実施例の平織の線材網織物から形 成された篩と同様の篩目が形成される。したがって、畳織の線材網織物から本考 案の篩を形成することは、除去される横線材32の本数が多いか少ないかの違い であって基本的には略正方形のマス目の格子状に形成された平織の線材網織物か ら本考案の篩を形成する場合と同様である。
【0071】 他の例として、綾織の線材網織物から本考案の篩を形成することについて以下 に説明する。
【0072】 綾織とは、図10(A)に示すように各縦線材31および各横線材32が一定 間隔を保ち相互に2本以上ずつ乗り越して織成された織方であり、縦線材31と 横線材32で格子状のマス目が形成される。 さらに詳しく説明するために、各縦線材31を図10(A)紙面の左から右へ 配列順に配列番号A1,A2,A3,A4,A5,…Anを付け、 一方、各横線材32を図10(A)紙面の上から下へ配列順に配列番号B1, B2,B3,B4,B5,…Bnを付けると、 配列番号A1の縦線材31は、図10(A)紙面において配列番号B2,B3の 横線材32の下に位置し、次いで配列番号B4,B5の横線材32の上に位置し、 次いで配列番号B6,B7の横線材32の下に位置し、このように順次2本ずつの 横線材32を乗り越して交互に織成され、さらに前記A1に隣接するA2の縦線材 31は、A1の縦線材31とは交叉する横線材32に対する上下の配置を1本ず つずれて順次2本ずつの横線材32を乗り越して交互に配置され、さらに前記A 2に隣接するA3の縦線材31は、A2の縦線材31とは交叉する横線材32に対 する上下の配置を1本ずつずれて順次2本ずつの横線材32を乗り越して交互に 配置され、他の縦線材31も同様に隣接する縦線材31とは交叉する横線材32 に対する上下の配置を1本ずつずれて順次2本ずつの横線材32を乗り越して交 互に配置されている。これを分かりやすく以下のように示す。
【0073】 A1は、B2,B3の下、B4,B5の上、B6,B7の下、…に位置する。 A2は、B1,B2の下、B3,B4の上、B5,B6の下、…に位置する。 A3は、… ,B1の下、B2,B3の上、B4,B5の下、…に位置する。 A4は、 …の下、B1,B2の上、B3,B4の下、…に位置する。 一方、配列番号B1の横線材32は、図10(A)紙面において配列番号A2, A3の縦線材31の上に位置し、次いで配列番号A4,A5の縦線材31の下に位 置し、次いで配列番号A6,A7の縦線材31の上に位置し、順次2本ずつの縦線 材31を乗り越して交互に織成され、さらに前記B1に隣接するB2の横線材32 は、B1の横線材32とは交叉する横線材32に対する上下の配置を1本ずつず れて順次2本ずつの横線材32を乗り越して交互に配置され、さらに前記B2に 隣接するB3の横線材32は、B2の横線材32とは交叉する横線材32に対する 上下の配置を1本ずつずれて順次2本ずつの横線材32を乗り越して交互に配置 され、他の横線材32も同様に隣接する横線材32とは交叉する横線材32に対 する上下の配置を1本ずつずれて順次2本ずつの横線材32を乗り越して交互に 配置されている。これを分かりやすく以下のように示す。
【0074】 B1は、A2,A3の上、A4,A5の下、A6,A7の上、…に位置する。 B2は、A1,A2の上、A3,A4の下、A5,A6の上、…に位置する。 B3は、… ,A1の上、A2,A3の下、A4,A5の上、…に位置する。 B4は、 …の上、A1,A2の下、A3,A4の上、…に位置する。 本明細書においては、上記の織方を単に「綾織」という。
【0075】 以上の綾織の織方で、一辺が分級する研掃材の粒径より小さい長さの略正方形 のマス目の格子状に形成された線材網織物の各横線材32の配列のうち2本毎に 1本ずつの横線材32を残す。 すなわち、各横線材32の配列番号のうち、 配列番号B1,B4,B7,B10,B13,B16,…等の 〔3(n−1)+1〕番目の横線材32を残し、 他の配列番号B2,B3,B5,B6,B8,B9,B11,B12,…等の 〔3(n−1)+1〕番目以外の横線材32を除去する。すると、図10(B) に示すように、前記〔3(n−1)+1〕番目の残した横線材32を短辺とし縦 線材31を長辺とする長方形の格子状の篩目が形成され、この織方はもとの綾織 と同様の織方である。
【0076】 例えば、配列番号A1の縦線材31は、図10(B)紙面において配列番号B1 ,B4の横線材32の上に位置し、次いで配列番号B7,B10の横線材32の下に 位置し、次いで配列番号B13,B16の横線材32の上に位置し、順次2本ずつの 横線材32を乗り越して交互に織成され、さらに前記A1の隣のA2の縦線材31 は、配列番号B4,B7の横線材32の上に位置し、次いで配列番号B10,B13の 横線材32の下に位置し、次いで配列番号B16,B19の横線材32の上に位置し 、順次2本ずつの横線材32を乗り越して交互に織成される。一方、配列番号B 1の横線材32は、図10(B)紙面において配列番号A2,A3の縦線材31の 上に位置し、次いで配列番号A4,A5の縦線材31の下に位置し、次いで配列番 号A6,A7の縦線材31の上に位置し、順次2本ずつの縦線材31を乗り越して 交互に織成され、さらに前記B1の隣のB4の横線材32は、配列番号A1,A2の 縦線材31の下に位置し、次いで配列番号A3,A4の縦線材31の上に位置し、 次いで配列番号A5,A6の縦線材31の下に位置し、順次2本ずつの縦線材31 を乗り越して交互に織成され、綾織の織方になる。
【0077】 したがって、篩目の長辺を成す各縦線材31は、図10(B)に示すように、 配列番号B2,B3,B5,B6,B8,B9,B11,B12,…等の各横線材32が除 去された分だけ緩くなり、振動モータ17により変形研掃材あるいは異物にもた らされる微少な慣性力より小さい張力で張設される。
【0078】 〔第1実施例の作用〕 第1実施例の作用について説明すると、図1においてキャビネット23内で研 掃材が被加工物に噴射され、ブラスト加工した後、衝撃により破砕あるいは変形 した研掃材や被加工物から剥離した破片等の異物や粉塵等を混在する研掃材はキ ャビネット23の底面に集積し、該研掃材はバケットコンベアダクト21に連通 するダクトを介してバケットコンベアダクト21内のバケットコンベアにより上 方へ搬送され搬出口22から傾斜している篩11の上方端側の篩13上へ落下す る。 このとき、篩11は図2の矢印で示すように、すでに振動モータ17により篩 11の幅方向に振動している。
【0079】 篩13上へ落下した研掃材や粉塵は、篩13上を下降するにつれて図1および 図2に示すように再使用可能な研掃材Rのみが篩13上に残り、他の小さく破砕 した研掃材C、変形した研掃材D、小さく剥離した被加工物の破片等の異物M、 粉塵等Sは、篩13を通過して下方の底板14上へ落下する。
【0080】 前記再使用可能な研掃材Rの粒径は篩13の篩目の長方形の短辺より大きいの で篩13を通過しない。小さく破砕した研掃材Cは、たとえ破損した部分が少し であっても破損した部分の幅が篩13の篩目の長方形の短辺より小さいのであれ ば、篩13が振動モータ17で振動していることも相俟って、篩13の篩目をス ムーズに通過して下方の底板14へ落下する。前記破砕した研掃材Cは篩13上 を回転しながら下降し、遂には図3(A)に示すように破損した部分の幅方向が 篩13の篩目の長方形の長辺を成す縦線材31、31間に位置し、一方、破損し ていない部分すなわち原形の粒径を保っている部分が篩目の短辺を成す横線材3 2、32間に位置する。研掃材Cの破損していない部分は前記篩目の長方形の長 辺が研掃材の粒径より長い(つまり、短辺の横線材32、32間の距離が研掃材 の粒径より長い)ので、篩13の篩目を通過して下方へ落下する。
【0081】 なお、前記研掃材Cの破損した部分の幅方向が篩目の長方形の短辺とはぼ同じ か或いは僅かに大きいために、図3(A)に示すように篩目の長辺を成す縦線材 31、31間に挾まって引っ掛かった場合は、篩13が振動モータ17で振動し ているので、この振動により研掃材Cに往復運動が与えられ、研掃材Cに微少な 慣性力が発生し、この慣性力が篩目の長辺を成す縦線材31、31を拡げるよう に作用する。
【0082】 ちなみに、本実施例で使用された#100のステンレス球の研掃材において、 粒径#100とは、JIS R6001により、100%通過しなければならな い1段の標準篩の大きさが210μであり、20%の量までとどまってよい2段 の標準篩の大きさは149μであり、40%の量までとどまってよい3段の標準 篩の大きさは125μであり、3段と4段の標準篩にとどまったものを合わせて 65%の量以上にならなければならない篩の大きさは3段篩が125μ、4段篩 が105μであり、最大3%まで通過してもよい5段の標準篩の大きさは74μ である。
【0083】 したがって、ステンレス球の研掃材の平均粒子径を0.125mmとして計算す ると、 粒径#100のステンレス球の1個の研掃材Cの計算重量は 約8.0×10-6g であり、非常に小さいので、研掃材Cの重量と研掃材Cに与えられる往復運動の 速度との関係により研掃材Cにもたらされる慣性力は微少ではあるが、縦線材3 1、31は前記研掃材Cの微少な慣性力より小さい張力で緩く張設されているの で、研掃材Cは振動による繰返しの慣性力により、縦線材31、31を僅かずつ 拡げて下方へ移動し遂には下方の底板14上へ落下する。
【0084】 なお、前記縦線材31、31は研掃材Cが通過するときに拡がるとはいえ、篩 目の長方形の元の形状が変形するほど拡がるのではなく、研掃材Cが接触してい る部分が膨らむように拡がり、研掃材Cが通過した後は元の位置に戻る。
【0085】 また、篩目の長辺を成す縦線材31、31間に挾まって引っ掛かった研掃材C は、この研掃材Cの上を多量の他の研掃材等が通過するときに、それらの多量の 研掃材等で上方から押され、長辺を成す縦線材31、31が緩く張設されている ので縦線材31、31を僅かに押し拡げるようにして落下することもある。また 、このような研掃材Cの上からの他の研掃材等の押圧力の作用と、前述した研掃 材Cの慣性力が篩目の長辺の縦線材31、31を拡げる作用との相乗効果により 、研掃材Cはよりスムーズに篩目を通過して落下する。
【0086】 その他の変形した研掃材D、小さく剥離した被加工物の破片等の異物M、粉塵 等Sも上記の破砕した研掃材Cの場合と同様に篩13から下方へ確実に落下し、 目づまりが生じない。以上のように篩13の分級処理能力が向上し、分級速度を 増大させた。
【0087】 したがって、分級された再使用可能な研掃材Rは篩13上を下降し、遂には篩 13下方端から下方の分級タンク18bに落下して回収されて再使用され、一方 、篩13を通過して底板14へ落下した小さく破砕した研掃材C、変形した研掃 材D、被加工物の破片等の異物M、粉塵等S等は、底板14上を下降して底板1 4の下方端から下方の分級タンク18cへ落下し、図示せざる集塵装置へ搬送さ れて処理される。
【0088】 〔第2実施例〕 図5は、ブラスト装置における研掃材分級装置の篩の実施例を示すもので、篩 11は、上段篩12と下段篩13aを互いに平行に所定間隙を設けて上下に重ね 合わせると共に、下段篩13aの下面に平行に所定間隙を介して底板14を設け て成り、傾斜角17度で傾斜して設けたものである。
【0089】 前記底板14の両側縁に側壁15、15(図6)を立設し、該側壁15、15 を上方へ延長し、前記上段篩12、下段篩13aの両側縁に側壁を形成している 。さらに、上段篩12の上面には上段篩12に平行に所定間隙を介して上蓋16 を設け、この上蓋16を前記側壁15、15の上端縁に被蓋して設けている。
【0090】 さらに、底板14の下面には、前述の第1実施例と同様に篩11の全体を図6 の矢印に示すように幅方向に振動させる振動手段である振動モータ17を連結し ている。また、図5ではブラスト装置を省略しているが、前述の第1実施例と同 様にブラスト加工後の研掃材や粉塵等を研掃材分級装置10の篩11の上方上端 上に供給される。
【0091】 上段篩12の上方端側の上方にバケットコンベアダクト21の研掃材を搬出す る搬出口22を臨ませると共に上段篩12、下段篩13a、底板14の下方端に それぞれ分級タンク18a,18b,18cに連通するダクトを設けている。
【0092】 〔上段篩12〕 篩11の上段篩12は図7に示すように所望の分級する研掃材すなわち再使用 可能な研掃材(同図中符号R)の粒径より幾分大きいメッシュから成り、この上 段篩12で前記再使用可能な研掃材Rの粒径より大きい例えば被加工物の破片等 の異物Lを選別する。
【0093】 なお、上段篩12は、前述の第1実施例と同様に長方形の格子状の篩目に形成 してもよい。但し、篩目の短辺の長さは研掃材Rの粒径より幾分大きい。
【0094】 本実施例の上段篩12のメッシュは、#16〜#10である。
【0095】 〔下段篩13a〕 篩11の下段篩13aは、前述の第1の本考案の篩13と同様に多数の縦線材 31とこれに交叉する多数の横線材32で成る線材網織物で、長方形の格子状の 篩目に織成され、前記篩目の長方形の短辺の長さは、分級する再使用可能な研掃 材Rの粒径より小さく、また長辺の長さは、分級する再使用可能な研掃材Rの粒 径より大きく形成したものであり、しかも長辺を成す縦線材31は、この縦線材 31、31間に挟持された変形研掃材あるいは異物が振動モータ17の振動によ りもたらされる微少な慣性力により押し拡がる程度に緩く、すなわち前記変形研 掃材あるいは異物の慣性力より小さい張力で張設している。
【0096】 本実施例では、前述の第1の本考案の篩13と同様に所望の分級する研掃材の 粒径が#100で、線材網織物の材質はステンレスであり、短辺の長さは#12 0の一辺と同じ長さ、長辺の長さは#40の一辺と同じ長さである。
【0097】 上記第2実施例の作用について説明すると、ブラスト装置でブラスト加工した 後、研掃材の噴射の衝撃により破砕あるいは変形した研掃材や被加工物から剥離 した破片等の異物や粉塵等を混在する研掃材はバケットコンベアダクト21の搬 出口22から、すでに振動モータ17により図6の矢印で示すように篩11の幅 方向に振動している篩11の上方端側の上段篩12上へ落下する。
【0098】 〔上段篩12の作用〕 上段篩12上に落下した研掃材は、上段篩12上を下降するにつれて図6およ び図7に示すように、上段篩12のメッシュ以上のもの、すなわち再使用可能な 研掃材Rの粒径より大きい被加工物の破片等の異物Lは上段篩12上に残り、他 の研掃材や粉塵、例えば図7中の再使用可能な研掃材R、小さく破砕した研掃材 Cおよび細長く変形した研掃材D等の変形研掃材、小さく剥離した被加工物の破 片等の異物M、粉塵等Sは、上段篩12を通過して下方の下段篩13a上へ落下 する。なお、篩11は振動しているので、この分級はよりスムーズに行なわれる 。上段篩12上に残った異物Lは図5に示すように上段篩12上に沿って下降し 、遂には上段篩12下方端から下方の分級タンク18aに落下して集積される。
【0099】 〔下段篩13aの作用〕 下段篩13a上へ落下した研掃材や粉塵は下段篩13a上を下降するにつれて 図5および図6に示すように再使用可能な研掃材Rのみが下段篩13a上に残り 、他の小さく破砕した研掃材C、変形した研掃材D、小さく剥離した被加工物の 破片等の異物M、粉塵等Sは、下段篩13aを通過して下方の底板14上へ落下 する。なお、下段篩13aは、前述の第1の本考案の篩13の実施例と略同様の 作用、効果を奏する。
【0100】 したがって、分級された再使用可能な研掃材Rは下段篩13a上を下降し、遂 には下段篩13a下方端から下方の分級タンク18bに落下して回収されて再使 用され、一方、下段篩13aを通過して底板14へ落下した小さく破砕した研掃 材C、変形した研掃材D、被加工物の破片等の異物M、粉塵等S等は、底板14 上を下降して底板14の下方端から下方の分級タンク18cへ落下し、図示せざ る集塵装置へ搬送されて処理される。
【0101】 〔第1及び第2実施例の他の応用例〕 なお、第1及び第2実施例の他の応用例として、研掃材分級装置10を、図8 に示すようにブラスト装置(このブラスト装置については、従来の技術において ブラスト装置全体の概要を説明した)のキャビネット23の上部に連通する研掃 材回収タンク24内に回収されるように研掃材回収タンク24と篩13又は下段 篩13aの下方端をダクトを介して連通し、上段篩12や底板14上を下降する 選別された粗大な異物Lや小さな粉塵等はそれぞれ、上段篩12と底板14の下 方端に連通するダクトを介してダストコレクタ38へ回収されるように構成する ことができる。
【0102】
【考案の効果】
本考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような 効果を奏する。
【0103】 (1)多数の縦線材とこれに交叉する多数の横線材で成る線材網織物の各縦・ 横線材が変形研掃材あるいは異物を挾み込んで落下させない張力で格子状の篩目 に織成された篩を傾斜して設け、この篩に振動を与える振動手段を設け、前記篩 の上方上端上に研掃材タンク又は搬送ダクトの搬出口を臨ませたブラスト装置に おける研掃材分級装置において、前記篩の線材網織物の縦線材と横線材で長方形 の格子状の篩目に形成し、この長方形の短辺の長さを、分級する研掃材の粒径よ り小さく、長辺の長さを、分級する研掃材の粒径より大きく形成すると共に、前 記長辺を成す線材を、前記振動手段によって変形研掃材あるいは異物にもたらさ れる慣性力より小さい張力で張設したので、篩目の長方形の長辺の線材間に挾ま った破砕あるいは変形した変形研掃材あるいは異物は振動手段の振動で容易に落 下し、篩目の目づまりがしにくい篩を提供できた。したがって、篩の分級処理能 力を向上させ、さらには分級速度を増大することができた。
【0104】 (2)上記(1)項の理由で、目づまりを除去するためにブラシで擦るといっ た繁雑な作業は不要である。
【0105】 (3)上記(1)項の理由で、篩全体を大きくしたり、振動モータ等の振動手 段の容量を大きくすることなく、コンパクトな構造の研掃材分級装置を提供でき た。
【0106】 (4)分級する研掃材の粒径より大きいメッシュから成る上段篩と、多数の縦 線材とこれに交叉する多数の横線材で成る線材網織物の各縦・横線材が変形研掃 材あるいは異物を挾み込んで落下させない張力で格子状の篩目に織成された下段 篩を上下二段重ねて傾斜して設け、前記上下段篩全体に振動を与える振動手段を 設け、前記上段篩の上方端上に研掃材タンク又は搬送ダクトの搬出口を臨ませた ブラスト装置における研掃材分級装置において、前記下段篩を線材網織物の縦線 材と横線材で長方形の格子状の篩目に形成し、この長方形の短辺の長さを、分級 する研掃材の粒径より小さく、長辺の長さを、分級する研掃材の粒径より大きく 形成すると共に、前記長辺を成す線材を、前記振動手段によって変形研掃材ある いは異物にもたらされる慣性力より小さい張力で張設したので、上記(1)項の 効果に加えて、分級する研掃材の粒径より大きい異物および研掃材の粒径より小 さい異物や変形研掃材、粉塵等を同時に分級できた。
【0107】 (5)多数の縦線材とこれに交叉する多数の横線材で成る線材網織物の各縦・ 横線材が変形研掃材あるいは異物を挾み込んで落下させない張力で略正方形のマ ス目の格子状の篩目に織成された篩を傾斜して設け、この篩に振動を与える振動 手段を設け、前記篩の上方上端上に研掃材タンク又は搬送ダクトの搬出口を臨ま せたブラスト装置における研掃材分級装置の篩において、前記線材網織物の横線 材の配列のうちいくつかの横線材毎に一の横線材を残して他の横線材を除去し、 且つ前記縦線材が交叉する横線材に対して上下に交互に配置され、一の縦線材は 隣接する両側の縦線材とは交叉する横線材に対する上下の配置をそれぞれ互い違 いに配置して織成すると共に、前記横線材で分級する研掃材の粒径より小さい長 さの短辺を形成し前記縦線材で分級する研掃材の粒径より大きい長さの長辺を形 成した長方形の格子状の篩目に形成し、前記長辺を成す縦線材を、前記振動手段 によって変形研掃材あるいは異物にもたらされる慣性力より小さい張力で張設し たので、篩目の長辺をなす各縦線材は除去した横線材の本数分だけ緩くなり、振 動手段の振動によりもたらされる長辺の線材間に挾み込んだ変形研掃材や異物の 微少な慣性力より小さい張力で緩く張設され、しかももとの平織の織方と同様に 織成されたかのような安定した篩を形成できた。
【0108】 (6)前記横線材の配列を順に1,2,3,…nとし、この横線材の配列のう ち、3(n−1)+1番目の横線材を残して他の横線材を除去し、前記線材網織 物の縦線材が交叉する横線材に対して上下に交互に配置され、一の縦線材は隣接 する両側の縦線材とは交叉する横線材に対する上下の配置をそれぞれ互い違いに 配置して平織に織成すると共に、前記横線材で分級する研掃材の粒径より小さい 長さの短辺を形成し前記縦線材を分級する研掃材の粒径より大きい長さの長辺を 形成した長方形の格子状の篩目に形成したので、篩目の長辺をなす各縦線材は除 去した横線材の2本分だけ緩くなり、振動手段の振動によりもたらされる長辺の 線材間に挾み込んだ変形研掃材や異物の微少な慣性力より小さい張力で緩く張設 され、しかももとの平織の織方と同様に織成されたかのような安定した篩を形成 できた。
【0109】 (7)前記横線材の配列を順に1,2,3,…nとし、この横線材の配列のう ち、5(n−1)+1番目の横線材を残して他の横線材を除去し、前記線材網織 物の縦線材が交叉する横線材に対して上下に交互に配置され、一の縦線材は隣接 する両側の縦線材とは交叉する横線材に対する上下の配置をそれぞれ互い違いに 配置して平織に織成すると共に、前記横線材で分級する研掃材の粒径より小さい 長さの短辺を形成し前記縦線材で分級する研掃材の粒径より大きい長さの長辺を 形成した長方形の格子状の篩目に形成したので、篩目の長辺をなす各縦線材は除 去した横線材の4本分だけ緩くなり、振動手段の振動によりもたらされる長辺の 線材間に挾み込んだ変形研掃材や異物の微少な慣性力より小さい張力で緩く張設 され、しかももとの平織の織方と同様に織成されたかのような安定した篩を形成 できた。
【0110】 (8)多数の縦線材とこれに交叉する多数の横線材で成る線材網織物の各縦・ 横線材とが一定間隔を保ち相互に2本以上ずつ乗り越した綾織に織成され、且つ 前記線材網織物の各縦・横線材が変形研掃材あるいは異物を挾み込んで落下させ ない張力で略正方形のマス目の格子状の篩目に織成され、前記線材網織物の横線 材の配列のうちいくつかの横線材毎に一の横線材を残して他の横線材を除去し、 且つ各縦・横線材とが一定間隔を保ち相互に2本以上ずつ乗り越した綾織に形成 する。例えば、前記横線材の配列を順に1,2,3,…nとし、この横線材の配 列のうち、3(n−1)+1番目の横線材を残して他の横線材を除去し、各縦・ 横線材とが一定間隔を保ち相互に2本ずつ乗り越した綾織に形成すると共に、前 記横線材で分級する研掃材の粒径より小さい長さの短辺を形成し前記縦線材で分 級する研掃材の粒径より大きい長さの長辺を形成した長方形の格子状の篩目に形 成し、前記長辺を成す縦線材を、前記振動手段によって変形研掃材あるいは異物 にもたらされる慣性力より小さい張力で張設したので、篩目の長辺をなす各縦線 材は除去した横線材の2本分だけ緩くなり、振動手段の振動によりもたらされる 長辺の線材間に挾み込んだ変形研掃材や異物の微少な慣性力より小さい張力で緩 く張設され、しかももとの綾織の織方と同様に織成されたかのような安定した篩 を形成できた。
【0111】 (9)線材網織物の横線材の配列のうち除去する横線材を、残す横線材及び縦 線材の材料より低い燃焼温度の材料で形成し、例えば前記除去する横線材を樹脂 で形成し残す横線材及び縦線材を金属で形成し、前記除去する横線材を燃焼して 除去したので、振動手段の振動によりもたらされる長辺の線材間に挾み込んだ変 形研掃材や異物の微少な慣性力より小さい張力で緩く張設された篩を容易に形成 でき、しかももとの織方の状態を変形させるような悪影響を与えることがないの で良好な織方の篩を形成できた。
【0112】 (10)線材網織物の横線材の配列のうち除去する横線材を、それぞれ線材網 織物の篩目に対応する切断歯を有するプレス型等の切断具で、各縦線材間の位置 で細かく切断して除去し、振動手段の振動によりもたらされる長辺の線材間に挾 み込んだ変形研掃材や異物の微少な慣性力より小さい張力で緩く張設された篩を 容易に形成できた。
【0113】 尚、分級速度について本考案の装置の下段篩のみの分級と従来の正方形のメッ シュの篩とを比較した実験を行ったところ下表のような結果が得られた。
【0114】
【表1】
【0115】 振動モータ17:回転速度1500rpm,振動力150kgf,馬力65W ユーラス型バイブレータ;篩傾斜角 17°
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の本考案の実施例を示す装置の全体正面図
である。
【図2】図1の矢視B−B線断面図である。
【図3】図3(A)は、本考案の実施例を示す装置の篩
の部分平面図である。図3(B)は、図3(A)の矢視
C−C線断面図である。
【図4】図4(A)は、本考案の実施例の篩に加工する
前の平織の線材網織物の部分平面図である。図4(B)
は、図4(A)の矢視D−D線断面図である。
【図5】第2の本考案の実施例を示す装置の全体正面図
である。
【図6】図5の矢視F−F線断面図である。
【図7】第2の本考案の実施例を示す装置の上段篩の部
分平面図である。
【図8】本考案の装置の他の応用例の全体正面図であ
る。
【図9】本考案の他の実施例の篩に加工する前の畳織の
線材網織物の部分平面図である。
【図10】図10(A)は、本考案の他の実施例の篩に
加工する前の綾織の線材網織物の部分平面図である。図
10(B)は、本考案の他の実施例の篩の部分平面図で
ある。
【図11】図11(A)は、従来の篩の部分平面図であ
る。図11(B)は、従来の他の篩の部分平面図であ
る。図11(C)は、従来の他の篩の部分平面図であ
る。
【符号の説明】
11 篩 12 上段篩 13 篩 13a 下段篩 14 底板 15 側壁 16 上蓋 17 振動モータ 18a,18b,18c 分級タンク 20 ブラスト装置 21 バケットコンベアダクト 22 搬出口 23 キャビネット 24 研掃材回収タンク 25 ノズル 26 出入口 27 ホッパ 28 管 29 管 31 縦線材 32 横線材 37 研掃材調整器 38 ダストコレクタ 39 排風機 41 縦線材 42 横線材 R 再使用可能な研掃材 L 研掃材の粒径より大きい異物 C 破砕した研掃材 D 変形した研掃材 M 研掃材の粒径より小さい異物 S 粉塵等

Claims (10)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多数の縦線材とこれに交叉する多数の横
    線材で成る線材網織物の各縦・横線材が変形研掃材ある
    いは異物を挾み込んで落下させない張力で格子状の篩目
    に織成された篩を傾斜して設け、この篩に振動を与える
    振動手段を設け、前記篩の上方上端上に研掃材タンク又
    は搬送ダクトの搬出口を臨ませたブラスト装置の篩にお
    ける研掃材分級装置において、 前記篩の線材網織物の縦線材と横線材で長方形の格子状
    の篩目に形成し、この長方形の短辺の長さを、分級する
    研掃材の粒径より小さく、長辺の長さを、分級する研掃
    材の粒径より大きく形成すると共に、前記長辺を成す線
    材を、前記振動手段によって変形研掃材あるいは異物に
    もたらされる慣性力より小さい張力で張設したことを特
    徴とするブラスト装置における研掃材分級装置の篩。
  2. 【請求項2】分級する研掃材の粒径より大きいメッシュ
    から成る上段篩と、 多数の縦線材とこれに交叉する多数の横線材で成る線材
    網織物の各縦・横線材が変形研掃材あるいは異物を挾み
    込んで落下させない張力で格子状の篩目に織成された下
    段篩を上下二段重ねて傾斜して設け、前記上下段篩全体
    に振動を与える振動手段を設け、前記上段篩の上方端上
    に研掃材タンク又は搬送ダクトの搬出口を臨ませたブラ
    スト装置における研掃材分級装置の篩において、 前記下段篩を線材網織物の縦線材と横線材で長方形の格
    子状の篩目に形成し、この長方形の短辺の長さを、分級
    する研掃材の粒径より小さく、長辺の長さを、分級する
    研掃材の粒径より大きく形成すると共に、前記長辺を成
    す線材を、前記振動手段によって変形研掃材あるいは異
    物にもたらされる慣性力より小さい張力で張設したこと
    を特徴とするブラスト装置における研掃材分級装置の
    篩。
  3. 【請求項3】 多数の縦線材とこれに交叉する多数の横
    線材で成る線材網織物の各縦・横線材が変形研掃材ある
    いは異物を挾み込んで落下させない張力で略正方形のマ
    ス目の格子状の篩目に織成された篩を傾斜して設け、こ
    の篩に振動を与える振動手段を設け、前記篩の上方上端
    上に研掃材タンク又は搬送ダクトの搬出口を臨ませたブ
    ラスト装置における研掃材分級装置の篩において、 前記線材網織物の横線材の配列のうちいくつかの横線材
    毎に一の横線材を残して他の横線材を除去し、且つ前記
    縦線材が交叉する横線材に対して上下に交互に配置さ
    れ、一の縦線材は隣接する両側の縦線材とは交叉する横
    線材に対する上下の配置をそれぞれ互い違いに配置して
    織成すると共に、前記横線材で分級する研掃材の粒径よ
    り小さい長さの短辺を形成し前記縦線材で分級する研掃
    材の粒径より大きい長さの長辺を形成した長方形の格子
    状の篩目に形成し、前記長辺を成す縦線材を、前記振動
    手段によって変形研掃材あるいは異物にもたらされる慣
    性力より小さい張力で張設したことを特徴とするブラス
    ト装置における研掃材分級装置の篩。
  4. 【請求項4】 前記横線材の配列を順に1,2,3,…
    nとし、この横線材の配列のうち、3(n−1)+1番
    目の横線材を残して他の横線材を除去し、前記線材網織
    物の縦線材が交叉する横線材に対して上下に交互に配置
    され、一の縦線材は隣接する両側の縦線材とは交叉する
    横線材に対する上下の配置をそれぞれ互い違いに配置し
    て平織に織成すると共に、前記横線材で分級する研掃材
    の粒径より小さい長さの短辺を形成し前記縦線材を分級
    する研掃材の粒径より大きい長さの長辺を形成した長方
    形の格子状の篩目に形成した請求項3記載のブラスト装
    置における研掃材分級装置の篩。
  5. 【請求項5】 前記横線材の配列を順に1,2,3,…
    nとし、この横線材の配列のうち、5(n−1)+1番
    目の横線材を残して他の横線材を除去し、前記線材網織
    物の縦線材が交叉する横線材に対して上下に交互に配置
    され、一の縦線材は隣接する両側の縦線材とは交叉する
    横線材に対する上下の配置をそれぞれ互い違いに配置し
    て平織に織成すると共に、前記横線材で分級する研掃材
    の粒径より小さい長さの短辺を形成し前記縦線材で分級
    する研掃材の粒径より大きい長さの長辺を形成した長方
    形の格子状の篩目に形成した請求項3記載のブラスト装
    置における研掃材分級装置の篩。
  6. 【請求項6】 多数の縦線材とこれに交叉する多数の横
    線材で成る線材網織物の各縦・横線材とが一定間隔を保
    ち相互に2本以上ずつ乗り越した綾織に織成され、且つ
    前記線材網織物の各縦・横線材が変形研掃材あるいは異
    物を挾み込んで落下させない張力で略正方形のマス目の
    格子状の篩目に織成された篩を傾斜して設け、この篩に
    振動を与える振動手段を設け、前記篩の上方上端上に研
    掃材タンク又は搬送ダクトの搬出口を臨ませたブラスト
    装置における研掃材分級装置の篩において、 前記線材網織物の横線材の配列のうちいくつかの横線材
    毎に一の横線材を残して他の横線材を除去し、且つ各縦
    ・横線材とが一定間隔を保ち相互に2本以上ずつ乗り越
    した綾織に形成すると共に、前記横線材で分級する研掃
    材の粒径より小さい長さの短辺を形成し前記縦線材で分
    級する研掃材の粒径より大きい長さの長辺を形成した長
    方形の格子状の篩目に形成し、前記長辺を成す縦線材
    を、前記振動手段によって変形研掃材あるいは異物にも
    たらされる慣性力より小さい張力で張設したことを特徴
    とするブラスト装置における研掃材分級装置の篩。
  7. 【請求項7】 前記横線材の配列を順に1,2,3,…
    nとし、この横線材の配列のうち、3(n−1)+1番
    目の横線材を残して他の横線材を除去し、各縦・横線材
    とが一定間隔を保ち相互に2本ずつ乗り越した綾織に形
    成すると共に、前記横線材で分級する研掃材の粒径より
    小さい長さの短辺を形成し前記縦線材で分級する研掃材
    の粒径より大きい長さの長辺を形成した長方形の格子状
    の篩目に形成し、前記長辺を成す縦線材を、前記振動手
    段によって変形研掃材あるいは異物にもたらされる慣性
    力より小さい張力で張設した請求項6記載のブラスト装
    置における研掃材分級装置の篩。
  8. 【請求項8】 前記線材網織物の横線材の配列のうち除
    去する横線材を、残す横線材及び縦線材の材料より低い
    燃焼温度の材料で形成し、前記除去する横線材を燃焼し
    て除去した請求項3,4,5,6又は7記載のブラスト
    装置における研掃材分級装置の篩。
  9. 【請求項9】 前記線材網織物の横線材の配列のうち除
    去する横線材を樹脂で形成し、残す横線材及び縦線材を
    金属で形成した請求項8記載のブラスト装置における研
    掃材分級装置の篩。
  10. 【請求項10】 前記線材網織物の横線材の配列のうち
    除去する横線材をそれぞれ、各縦線材間の位置で切断し
    て除去した請求項3,4,5,6又は7記載のブラスト
    装置における研掃材分級装置の篩。
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