JP2999447B2 - モータの故障診断方法及びモータの運転制御方法 - Google Patents

モータの故障診断方法及びモータの運転制御方法

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JP2999447B2 JP7856398A JP7856398A JP2999447B2 JP 2999447 B2 JP2999447 B2 JP 2999447B2 JP 7856398 A JP7856398 A JP 7856398A JP 7856398 A JP7856398 A JP 7856398A JP 2999447 B2 JP2999447 B2 JP 2999447B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のモータを1
つの保護回路を介して制御するようにしたモータ運転シ
ステムにおけるモータの故障診断方法及びこれを利用し
たモータの運転制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、車両用空調装置の如くステッピ
ングモータを使用している装置にあっては、これらのモ
ータを駆動制御するための駆動回路をモータに内蔵され
ているコイルの数だけ設け、これらの駆動回路によって
モータ内の複数のコイルを制御する方法が採用されてい
る。このようなモータ制御システムにおいては、オート
コントロールユニット内のモータ用電源とモータとを接
続するワイヤハーネスが接地事故を生じるとそこに過電
流が流れオートコントロールユニット内の素子が損傷す
る虞れが生じる。さらに、モータのコイルが短絡した場
合、過電流が流れてしまいスイッチング素子の破損が生
じることになる。このような事故の発生を未然に防止す
るため、従来から各種の故障診断方法が提案されてきて
いる。
【0003】特開平2−162117号公報には、アク
チュエータの実位置と目標位置との差の絶対値が所定量
を越える状態が所定時間継続した場合にアクチュエータ
の故障と判定する構成が開示されている。また、特開平
7−20186号公報には、電気回路に微弱電圧を印加
して出力端子の電位を測定することによりその短絡事故
を検出するようにした故障診断のための構成が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の構成に
よると、使用されるアクチュエータが位置検出信号を出
力する構成でない場合にはその実位置の検出ができない
のでこれを採用することができない。したがって、一般
に位置検出信号を出力しないステッピングモータを使用
している車両用空調装置にあってはこの構成を用いるこ
とができない。また、後者の構成によると、駆動信号や
電源ラインの障害に起因する故障を検出する回路はパル
ス駆動方式に対応する必要があるので、このための専用
の回路構成を必要とし、コストの上昇を招くことにな
る。
【0005】また、複数のモータを1つの保護回路を介
して制御するシステムにおける故障診断の場合、故障診
断結果に応じて保護回路を作動させる構成にしようとす
ると、例えば複数のモータのうちのある1つのモータの
コイルがショートしており、そのモータを駆動させた時
のみ過電流が流れる場合であっても、その診断結果に応
答し保護回路によってその他の正常なモータへの電源も
遮断されてしまうという問題が生じる。
【0006】さらに、同時にイニシャライズ駆動しよう
としたとき、ある1つのモータがショートしていると、
全てのモータへの電源供給が遮断されてしまうため、他
の正常なモータも作動不良となり、駆動回路において認
識される各モータの回転位置と実際の回転位置との間に
ズレが生じてしまい、ステップずれを生じるという問題
を生じる。
【0007】本発明の目的は、従来技術における上述の
問題点を克服することができるモータの故障診断方法を
提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、複数のモータを1つ
の保護回路を介して制御するようにしたモータ運転シス
テムにおいて各モータの故障診断を行い、この診断結果
に従ってモータの運転制御を行うことができるようにし
たモータ運転制御方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、位置検出信号を持た
ない複数のステッピングモータを1つの保護回路を介し
て制御するようにしたモータ制御システムにおいてもコ
ストの上昇なしにモータの故障診断を行うことができる
ようにしたモータの故障診断方法を提供することにあ
る。
【0010】本発明の他の目的は、故障診断結果にした
がってモータ回路の短絡保護等を行う場合に、保護作動
中のモータのステップずれを防止し、正常なモータの駆
動を可能とするようにしたモータの運転制御方法を提供
することにある。
【0011】本発明の別の目的は、故障診断結果にした
がってモータ回路の短絡保護を行う場合に、イニシャラ
イズ時のステッピングモータのステップずれを防止する
ことができるようにしたモータの運転制御方法を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の請求項1の発明の特徴は、複数のステッピングモータ
のそれぞれに対応するステッピングモータの運転を制御
するための駆動回路を設けると共に、前記複数のステッ
ピングモータに対して共通に1つの短絡保護及び診断の
インテリジェント機能付のパワースイッチ素子を設けて
成るモータ制御システムにおけるモータの故障診断方法
において、前記複数のステッピングモータのうちのいず
れか1つのステッピングモータを前記駆動回路のうちの
対応する駆動回路によって駆動し、このとき前記パワー
スイッチ素子から得られる自己診断検出出力に応答して
前記いずれか1つのステッピングモータの故障診断を行
うようにした点にある。パワースイッチ素子は、ハイサ
イド又はローサイドパワースイッチ素子として設けるこ
とができる。
【0013】好ましい1つの実施の形態においては、複
数のステッピングモータの各一方の端子と電源の高圧側
との間に短絡保護及び診断のインテリジェント機能付の
ハイサイドパワースイッチ素子を設け、複数のステッピ
ングモータの各他方の端子と電源のアース側との間に駆
動回路が設けられているシステムにおいて、駆動回路に
よって対応するステッピングモータを駆動し、このと
ハイサイドパワースイッチ素子から得られる自己診断検
出出力に応答してこの駆動されたステッピングモータの
故障診断が行われる。この実施の形態において、ハイサ
イドパワースイッチ素子に代えて、各駆動回路と電源の
アース側との間に短絡保護及び診断のインテリジェント
機能付のローサイドパワースイッチ素子を設け、各ステ
ッピングモータの各一方の端子を直接電源の高圧側に接
続してもよい。
【0014】ハイサイド又はローサイドに設けられるパ
ワースイッチ素子は、保護、診断のインテリジェント機
能付であり、駆動回路によって駆動されたステッピング
モータに断線、短絡等の故障が生じると、電源保護のた
めにデューティ動作を行う等して負荷であるステッピン
グモータへの電力の供給を制限して電源回路の保護を図
ると共に、負荷に故障が生じていることを示す信号を出
力する。したがって、駆動回路によってステッピングモ
ータを1つづつ駆動する際に、上記信号の内容をチェッ
クすることにより、どのステッピングモータが故障して
いるのかを診断することができる。また、故障内容を判
別する構成とすることもできる。
【0015】請求項2の発明の特徴は、複数のステッピ
ングモータのそれぞれに対応するステッピングモータの
運転を制御するための駆動回路を設けると共に、前記複
数のステッピングモータに対して共通に1つの短絡保護
及び診断のインテリジェント機能付のパワースイッチ素
子を設けて成るモータ制御システムにおけるモータの運
転制御方法において、前記複数のステッピングモータを
前記駆動回路を用いて選択的に駆動した場合において、
選択駆動されたステッピングモータに故障が生じたこと
を示す信号が得られたとき、前記選択駆動されたステッ
ピングモータに対して対応する駆動回路から駆動制御信
号が出力されるのを禁止するようにした点にある。この
場合にも、パワースイッチ素子は複数のステッピングモ
ータのハイサイド又はローサイドのいずれに設けてもよ
い。
【0016】駆動制御信号の出力の禁止状態は、一旦電
源をオフとして再び電源をオンとした時点で解除される
構成とすることができる。この場合、再度電源オンの場
合に当該故障と判断されたステッピングモータへの過電
流等の故障の有無を適宜の手段によって判定し、故障な
しのときは正常復帰と判断して原点リセットを行い、そ
の後は通常駆動可能とすることができる。一方、再度電
源オンの場合にも故障ありと判断された場合には当該ス
テッピングモータが故障状態のままと判断し、駆動制御
信号の出力を禁止したままとすることができる。
【0017】この構成を例えば通風経路の変更や吹き出
し温度の調節を複数のステッピングモータで行うように
構成された空調装置に適用し、複数のステッピングモー
タのうちある特定のステッピングモータを駆動させた時
に故障を検出する時には、そのステッピングモータへの
駆動制御信号の出力のみを禁止し、他のステッピングモ
ータは駆動可能とする構成としてもよい。この状態にお
いて電源を一旦オフとし、その後電源をオンとした場合
の処理については先の場合と同様にすることができる。
すなわち、再度電源オンの場合に当該ステッピングモー
タへの過電流等の故障の有無をハイサイド又はローサイ
ドのいずれかに設けられるパワースイッチ素子によって
判定し、故障なしのときは正常復帰と判断して原点リセ
ットを行い、その後は通常駆動可能とすることができ
る。一方、再度電源オンの場合にも故障ありと判断され
た場合には当該ステッピングモータが故障状態のままと
判断し、駆動制御信号の出力を禁止したままとすること
ができる。
【0018】請求項3の発明の特徴は、複数のステッピ
ングモータのそれぞれに対応するステッピングモータの
運転を制御するための駆動回路を設けると共に、前記複
数のステッピングモータに対して共通に1つの短絡保護
及び診断のインテリジェント機能付のパワースイッチ素
子を設けて成るモータ制御システムにおけるモータの運
転制御方法において、ステッピングモータのイニシャラ
イズ作動が指示された時には、イニシャライズ前に各ス
テッピングモータに順次駆動信号を与え、この時の故障
診断結果から各ステッピングモータが正常か故障かを判
断し、正常と判断されたステッピングモータのみイニシ
ャライズを行うようにした点にある。
【0019】なお、上記処理後電源がオフとされ、その
後再び電源がオンとされた場合において、故障と判断さ
れたステッピングモータのみに順次駆動信号を与え、こ
の時の故障診断結果からステッピングモータが正常に戻
ったか故障のままかを判断し、正常に戻ったと判断され
たステッピングモータについてはイニシャライズを行う
ようにしてもよい。いずれの場合においても、故障と判
断されてイニシャライズを行わなかったステッピングモ
ータに対しては、駆動信号を与えないように制御する構
成とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例につき詳細に説明する。
【0021】図1は本発明を車両用空調装置に適用した
場合の実施の形態の一例を示す概略構成図である。車両
用空調装置1は、ダクト2内にブロア3、エバポレータ
4、ヒータコア5が図示の如く配置されている。ダクト
2内には、さらに、インテークドア6、ミックスドア7
及びモードドア8が設けられており、これらは、ステッ
ピングモータ9、10、11とそれぞれリンク結合され
ている。コントロールユニット12は、内気センサ1
3、外気センサ14、日射センサ15、温度設定器1
6、及び水温センサ17からの各出力に応答して、ステ
ッピングモータ9、10、11及びブロア3へそれぞれ
駆動信号を与え、これによりブロア3及びステッピング
モータ9、10、11の各運転制御を行うシステム構成
となっている。
【0022】なお、コントロールユニット12からの駆
動信号によりステッピングモータ9、10、11を駆動
してインテークドア6、ミックスドア7、モードドア8
を操作し、車両用空調装置1の運転を制御する基本的な
構成それ自体は公知であるから、ここではその基本的な
構成についてのこれ以上の詳しい説明を省略する。
【0023】図2には、コントロールユニット12の詳
細構成を示すブロック図が示されている。コントロール
ユニット12は、ステッピングモータ9〜11及び図1
においては図示しなかったステッピングモータEを駆動
するための共通駆動回路21を有し、共通駆動回路21
からは、4組の駆動制御信号K11〜K14、K21〜
K24、K31〜K34、及びK41〜K44が出力さ
れ、各組の駆動制御信号は対応する駆動トランジスタ回
路XA〜XDに入力されている。ステッピングモータ9
〜11及びEは駆動トランジスタ回路XA〜XDと図示
の如く接続されている。駆動トランジスタ回路XAはス
テッピングモータ9のコイルL1〜L4への各駆動電流
を制御するための駆動トランジスタ22〜25を有して
いる。
【0024】ステッピングモータ9のコイルL1〜L4
の各一端は共通に接続されており、コイルL1〜L4の
各他端はそれぞれ駆動トランジスタ22〜25のうち対
応する駆動トランジスタに接続されている。すなわち、
コイルL1の他端は駆動制御信号K11が与えられてい
るベースを有する駆動トランジスタ22のコレクタ−エ
ミッタ回路を介してアースされており、駆動制御信号K
11に従って駆動トランジスタ22がオン、オフされる
ことによりコイルL1への駆動電流が制御される。他の
コイルL2〜L4への駆動電流も、同様にして、対応す
る駆動トランジスタ23〜25によってそれぞれ制御さ
れる。他の駆動トランジスタ回路XB〜XD、及びステ
ッピングモータ10、11、Eも同様の構成であるか
ら、図2においてはそれらの詳細を図示するのを省略し
ている。26は共通駆動回路21及びステッピングモー
タ9、10、11、Eに電力を供給するための電源、2
7はステッピングモータ9〜11及びEに対して共通に
設けられた保護、診断機能付のインテリジェントハイサ
イドスイッチ素子である。図2では、車両用空調装置1
の運転に必要なその他の制御のための機能を果たす構成
は図示するのを省略してある。共通駆動回路21はマイ
クロコンピュータにより構成され、ここで所定の駆動制
御プログラムが実行されることにより、所要の機能を果
たすことができる構成となっている。
【0025】ステッピングモータ9のコイルの各一端は
共通に接続され、保護、診断機能付のインテリジェント
ハイサイドスイッチ素子27を介して電源26の出力端
に接続されている。他のステッピングモータ10、1
1、Eも同様である。電源26はキースイッチKSを介
してバッテリBに接続されており、キースイッチKSを
オンとすることによってバッテリBからの電圧が電源2
6において所定の一定直流電圧とされ、この一定直流電
圧がコントロールユニット12内の各部及び保護、診断
機能付のインテリジェントハイサイドスイッチ素子27
に供給される。なお、キースイッチKSには、始動モー
タ(図示せず)への電力の供給をオン、オフするための
スタータスイッチSTが含まれており、スタータスイッ
チSTのオン、オフ状態が配線29を介して共通駆動回
路21においてモニターできる構成となっている。
【0026】保護、診断機能付のインテリジェントハイ
サイドスイッチ素子27は市販の機能IC素子を用いて
構成され、その電源入力端子27Aに印加された電圧が
そのオン動作によって出力端子27Bから出力され、ス
テッピングモータ9、10、11、Eに印加される。こ
の保護、診断機能付のインテリジェントハイサイドスイ
ッチ素子27は、出力端子27Bが外部の回路を介して
アース端子27Cとの間で短絡するなどして所定レベル
以上の負荷電流が流れる状態になると、これをその内部
に設けられた検知ユニットによって検出し、出力端子2
7Bの出力がデューティ動作を行い内部又は外部の素子
が焼損することがないように出力端子27Bからの電圧
出力をデューティ制御する構成となっている。
【0027】入力端子27Dは、電源入力端子27Aに
印加された電圧を出力端子27Bに出力するのか否かを
制御するための入力信号を印加するための端子であり、
保護、診断機能付のインテリジェントハイサイドスイッ
チ素子27は入力端子27Dへの入力に応答して出力端
子27Bに接続される負荷への電圧印加をオン、オフで
きるハイサイドスイッチとして作動する。27Eは自己
診断検出端子であり、例えば入力端子27Dが「H」と
なって出力オンの状態のときに負荷が短絡状態になると
「L」レベルになる。入力端子27D、自己診断検出端
子27Eは共通駆動回路21に接続されている。
【0028】図3には、保護、診断機能付のインテリジ
ェントハイサイドスイッチ素子27の作動を示す真理値
表が示されている。この表から、出力端子27B、入力
端子27D、自己診断検出端子27Eの各レベル状態を
比較することにより、その出力側が、「通常」、「負荷
オープン」、「負荷ショート又は過熱」のいずれの状態
であるかを判定することができることが判る。なお、こ
のような構成の保護、診断機能付のインテリジェントハ
イサイドスイッチ素子27としては、例えば、東芝製の
TDP1008Sを使用することができる。共通駆動回
路21は、図3に示した真理値表に基づいて負荷の状態
を入力端子27D、と自己診断検出端子27Eとのレベ
ル状態から判定することができる機能を有している。
【0029】共通駆動回路21は、ステッピングモータ
9、10、11、Eのうちのいずれか1つを選択的に駆
動するため、選択駆動すべきステッピングモータに対応
した1組の駆動制御信号を出力し、対応する駆動トラン
ジスタをステッピングモータの回転駆動のためにオン、
オフ制御すると同時に、保護、診断機能付のインテリジ
ェントハイサイドスイッチ素子27の入力端子Dに
「H」レベルの信号を出力してインテリジェントハイサ
イドスイッチ素子27をオン状態とする。これにより、
選択された所望のステッピングモータのみが駆動され
る。
【0030】次に、保護、診断機能付のインテリジェン
トハイサイドスイッチ素子27の自己診断機能を利用し
てステッピングモータ9、10、11、Eの故障診断を
行う方法について説明する。先ず、共通駆動回路21か
ら保護、診断機能付のインテリジェントハイサイドスイ
ッチ素子27の入力端子27Dに対して「H」レベルの
信号を与えておき、駆動制御信号K11〜K14のみを
「H」レベル状態とする。このときステッピングモータ
9が正常であれば自己診断検出端子27Eの端子は
「H」状態であるが、若し、ステッピングモータ9が短
絡事故を起こしていると自己診断検出端子27Eは
「L」レベルとなる。したがって、自己診断検出端子2
7Eの出力を常にモニタしている共通駆動回路21は駆
動制御信号K11〜K14を出力した時点でステッピン
グモータ9が正常か、故障かを判定することができる。
以後、同様にして、駆動制御信号K21〜K24、K3
1〜K34、K41〜K44を出力し、その時の自己診
断検出端子27Eのレベル状態をチェックすることによ
り、ステッピングモータ9、10、11、Eの全てにつ
いての故障診断を行うことができる。
【0031】このように、各ステッピングモータに駆動
制御信号を与え、このときのインテリジェントハイサイ
ドスイッチ素子27の所定の各端子のレベル状態から、
各ステッピングモータが「通常運転」、「負荷オープン
運転」、「負荷ショート又は過熱運転」の何れであるか
を判定することができる。したがって、その判定結果を
例えばコードに置き換えて発光ダイオード等の発光素子
を用いて点滅表示させることができる。
【0032】この点滅表示を具体例で説明する。共通駆
動回路21が故障診断モードに入ると共通駆動回路21
の表示部21Aに1秒間だけ「3」を表示し、この間に
各ステッピングモータ9、10、11、Eの故障診断を
行う。1秒経過後、故障がない場合には「30」を表示
する。故障があった場合には、そのステッピングモータ
の固有の表示(例えば、各ステッピングモータ9、1
0、11、Eに対応する数字31、32、33、34)
を小さい順に2回ずつ点滅表示する。ここで、負荷オー
プン運転となっている開放故障の場合にはそのステッピ
ングモータに固有の数字のみの点滅表示とし、負荷ショ
ート運転となっている短絡故障の場合には固有の数字に
「−」の符号を付したものを点滅表示し、故障内容が判
るようにすることができる。
【0033】このように、保護、診断機能付のインテリ
ジェントハイサイドスイッチ素子27の有する自己診断
機能を利用してステッピングモータ9、10、11、E
の故障の有無を判定し、その判定内容を上述の如くして
表示するので、特別なフィードバック信号を追加するこ
となしにステッピングモータ9、10、11、Eの故障
診断及びその内容表示が可能となる。また、特別な回路
を追加する必要もなく、共通駆動回路21にセットされ
ているソフトウェアの変更のみで足りるので、コストの
上昇は僅かであり経済的である。
【0034】図1及び図2に示した車両用空調装置1で
は、保護、診断機能付のインテリジェントハイサイドス
イッチ素子27の自己診断機能を利用して、ステッピン
グモータ9、10、11、Eの故障診断を行ってその結
果を表示する構成について説明した。この故障診断結果
を利用してステッピングモータ9、10、11、Eを効
率よく運転制御することが可能である。
【0035】図4には、そのような運転制御方法を共通
駆動回路21において実行させるための運転制御プログ
ラムを示すフローチャートが示されている。図4のフロ
ーチャートについて説明すると、ステップ31におい
て、短絡故障を示すフラグF1が立っているか否かが判
別される。フラグF1の初期設定はF1=「0」である
から、短絡故障を生じていない場合にはステップ31の
判別結果はNOとなり、ステップ32に入る。ここで、
保護、診断機能付のインテリジェントハイサイドスイッ
チ素子27の入力端子27Dを「H」レベルとし、これ
により所要のステッピングモータに保護、診断機能付の
インテリジェントハイサイドスイッチ素子27を介して
電圧を印加する。次のステップ33では自己診断検出端
子27Eが「H」レベルとなったか否かが判別される。
ステップ33の判別結果がYESの場合にはステッピン
グモータが短絡故障を生じていないことになり(図3参
照)、ステップ34に進む。
【0036】ステップ34では、スタータスイッチST
のオフ状態からオン状態への切り換えが初回か否かを示
すフラグF2が立っているか否かが判別される。フラグ
F2の初期設定はF2=「1」であるから、スタータス
イッチSTのオフ状態からオン状態への切り換えが初回
でない場合にはF2=「0」であり、ステップ34の判
別結果はNOとなり、ステップ35に入る。ステップ3
5ではステッピングモータに対する通常制御が実行さ
れ、ステップ36でフラグF1をリセットし、次の制御
に進む。
【0037】一方、ステップ31の判別結果がYESと
なった場合(短絡故障が生じている場合)にはステップ
37でスタータスイッチSTのオフ状態からオン状態へ
の切り換えが初回か否かが判別される。初回の切り換え
である場合にはステップ37の判別結果はYESとな
り、ステップ38に入り、ここでフラグF2が立てられ
てからステップ32に入る。原点リセットはイグニッシ
ョンオフからオンの初回のみ行うからである。若し初回
の切り換えでない場合にはステップ37の判別結果はN
Oとなり,ステップ39に入る。これは、スタータスイ
ッチSTのオフ状態からオン状態への切り換えが初回で
ない場合には自己診断の必要がないからである。
【0038】ステップ39では入力端子27Dを「L」
レベル状態として保護、診断機能付のインテリジェント
ハイサイドスイッチ素子27をオフ状態にしてステップ
40に入り、ここで、いま短絡故障と判定されたステッ
ピングモータへの駆動制御信号の出力を中止する。そし
て、次のステップ41においてフラグF1を立て、次の
制御に進む。
【0039】すなわち、ステップ31でフラグF1が立
っていると判別された場合、スタータスイッチSTのオ
フからオンへの切り換えが初回である場合にはフラグF
2を立ててステップ32に入り、保護、診断機能付のイ
ンテリジェントハイサイドスイッチ素子27をオンとし
てこのとき駆動のために選択されたステッピングモータ
の故障についての自己診断を行い、その結果に応じてそ
のステッピングモータを通常運転または駆動中止とす
る。しかし、ステップ31でフラグF1が立っていると
判別された場合においてスタータスイッチSTのオフか
らオンへの切り換えが初回でないときは、自己診断を行
うことなしにステップ39に進み、保護、診断機能付の
インテリジェントハイサイドスイッチ素子27をオフと
し(ステップ39)、そのステッピングモータの駆動を
中止する。ステップ33の判別結果がNOの場合も、ス
テップ39に進み、保護、診断機能付のインテリジェン
トハイサイドスイッチ素子27をオフとし(ステップ3
9)、そのステッピングモータの駆動を中止する。
【0040】ステップ34の判別結果がYESとなった
場合には、すなわち、ステップ37でスタータスイッチ
STのオフ状態からオン状態への切り換えが初回である
と判別された場合には、ステップ42に入り、ここで原
点リセットを行い、ステップ43でフラグF2をリセッ
トしてからステップ35に進み、通常制御が行われる。
【0041】すなわち、ステップ31の判別結果がNO
の場合には、保護、診断機能付のインテリジェントハイ
サイドスイッチ素子27をオンとして自己診断検出端子
27Eのレベルをチェックし(ステップ32、33)、
この結果によってステッピングモータが短絡故障か否か
を判断し、ステッピングモータが短絡故障の場合には短
絡と判断されたステッピングモータの駆動を中止する構
成である。したがって、図4に示した制御が複数のステ
ッピングモータに対して順次実行されると、複数のステ
ッピングモータ9、10、11、Eのうちの短絡故障と
判定されたステッピングモータのみが駆動中止となり、
正常と判断されたステッピングモータに対しては通常の
制御が行われる。
【0042】この結果、ステッピングモータが1つ故障
しただけで他のステッピングモータも駆動できなくなる
という不具合を生じることがない。そして、駆動制御信
号の出力が中止されているステッピングモータに対して
も、スタータスイッチSTのオフ状態からオン状態への
切り換えが初回であると判別された場合には必ず再チェ
ックを行うため(ステップ32、33)、このとき故障
が直っていれば通常制御への復帰が可能となる。また、
ステップ34でフラグF2のチェックを行っており、フ
ラグF2が立っている場合には原点リセットを行うよう
にしたので、1つのステッピングモータが故障していて
も他の正常なステッピングモータは適切にイニシャライ
ズを行うことができる。
【0043】なお、ここで、ステッピングモータへの駆
動制御信号の出力が中止となっている場合において、入
力端子27Dが「H」レベルで自己診断検出端子27E
が「L」レベルならば、共通ラインがアースと短絡して
いると判断し、入力端子27Dへの入力を「L」レベル
とし、全てのステッピングモータに対する駆動制御信号
の出力を中止するように構成してもよい。
【0044】また、あるステッピングモータへの駆動制
御信号が出力されているときだけ入力端子27Dが
「H」レベルで自己診断検出端子27Eが「L」レベル
ならば、そのステッピングモータのコイルが短絡と判断
し、入力端子27Dへの出力は「H」レベルとしたま
ま、そのステッピングモータに対する駆動制御信号の出
力のみを中止するようにしてもよい。
【0045】上述の如く、保護、診断機能付のインテリ
ジェントハイサイド素子を用いてステッピングモータ駆
動のための回路を構成し、このインテリジェントハイサ
イド素子の自己診断機能を利用して各ステッピングモー
タの故障判定を行うようにしたので、ステッピングモー
タに特別なフィードバック信号を追加せずにステッピン
グモータのそれぞれについての故障診断が可能となる。
また、故障判定は、保護、診断機能付のインテリジェン
トハイサイド素子の入出力の状態から行うことができる
ので、特別な回路の付加も不必要であり、ソフトウェア
のみで対応できるのでコストの面においても極めて有利
である。
【0046】さらに、インテリジェントハイサイド素子
の自己診断機能を利用してステッピングモータの故障判
定を行い、故障と判定されたステッピングモータに対し
てのみ駆動を禁止するので、正常なステッピングモータ
への電源供給が停止されてしまうことはない。そして、
故障と判定されたステッピングモータに対して保護のた
めの回路動作が実行されても、正常なステッピングモー
タにおいてステップずれを生じることなく、正常と判定
されたステッピングモータについては通常の制御を支障
なく行うことができる。
【0047】次に、図5及び図6を参照してインテリジ
ェントハイサイドスイッチ素子27の自己診断機能を利
用して、共通駆動回路21によってステッピングモータ
9、10、11、Eのイニシャライズを効率よく行うこ
とができるようにした、ステッピングモータ9、10、
11、Eの運転制御方法を説明する。
【0048】図5は、そのような運転制御を共通駆動回
路21において実行させるための運転制御プログラムを
示すフローチャートであり、ステップ51において短絡
故障を示すフラグF1が立っているか否かが判別され
る。フラグF1の初期設定はF1=「0」であるから、
短絡故障を生じていない場合にはステップ51の判別結
果はNOとなり、ステップ52に入る。ステップ52で
はイニシャライズ作動指示が出されたか否かが判別され
る。イニシャライズ作動指示が出されていない場合には
ステップ52の判別結果はNOとなり、ステップ53に
おいてステッピングモータの通常制御が実行される。一
方、ステップ52においてイニシャライズ作動指示が出
されたと判別されるとステップ52の判別結果はYES
となり、ステップ54に入る。ステップ54ではステッ
ピングモータ9、10、11、Eの全てについて正常か
否かのチェックが行われる。
【0049】図6には、ステップ54において実行され
るステッピングモータのチェックのための処理を示す詳
細フローチャートが示されている。ステッピングモータ
のチェックのための処理(ステップ54)に入ると、先
ず、ステップ71でステッピングモータ9、10、1
1、Eを駆動するための駆動制御信号K11〜K14、
K21〜K24、K31〜K34、K41〜K44を順
次出力する。次のステップ72ではインテリジェントハ
イサイドスイッチ素子27の入力端子27Dを「H」レ
ベルとしたときに自己診断検出端子27Eのレベルが
「H」となるか否かを判別する。すなわち、ステップ7
2でそのステッピングモータが少なくとも異常でないこ
とがインテリジェントハイサイドスイッチ素子27の自
己診断機能を利用してチェックされる。
【0050】ステップ72において入力端子27Dが
「H」レベルのとき自己診断検出端子27Eも「H」レ
ベルであると判定されるとステップ72の判別結果はY
ESとなり、ステップ73に入る。ステップ73では、
インテリジェントハイサイドスイッチ素子27の入力端
子27Dを「L」レベルとしたときに自己診断検出端子
27Eのレベルが「L」となるか否かを判別する。この
場合も、また、インテリジェントハイサイドスイッチ素
子27の自己診断機能を利用してステッピングモータの
チェックが行われる。
【0051】ステップ73において入力端子27Dが
「L」レベルの時自己診断検出端子27Eも「L」レベ
ルであると、ステップ73の判別結果はYESとなり、
ステップ74に入り、ここでそのステッピングモータが
正常であると判定される。すなわち、ステップ72、7
3の判別結果がいずれもYESとなった場合にはステッ
ピングモータにおいて短絡故障、解放故障及び過熱が生
じていないと判定される(図3参照)。次のステップ7
5では、ステップ74において正常と判定されたステッ
ピングモータを特定するためのコードと正常であること
を示すコードとをメモリに記憶して次のステップ55に
進む。
【0052】一方、ステッピングモータに何等かの異常
が発生している場合にはステップ72又は73のいずれ
か一方における判別結果がNOとなり、ステップ76に
入り、ここでそのステッピングモータが何らかの異常を
生じていると判定される。そして、ステップ77におい
て異常と判定されたステッピングモータを特定するため
のコードと正常であることを示すコードとをメモリに記
憶して次のステップ55に進む。
【0053】図5に戻ると、ステップ55ではステップ
75、77における記憶動作の結果に基づき全てのステ
ッピングモータが正常であったか否かが判別される。全
てのステッピングモータが正常であった場合にはステッ
プ56に入り、ここで全てのステッピングモータをイニ
シャライズし、次のステップ57でフラグF1をリセッ
トしてイニシャライズ動作を終了する。一方、ステップ
55において全てのステッピングモータが正常ではない
と判別された場合には、ステップ55の判別結果はNO
となり、ステップ58において、ステップ75において
正常なステッピングモータであるとして記憶されたステ
ッピングモータのみをイニシャライズし、次のステップ
59でフラグF1をリセットしてイニシャライズ動作を
終了する。
【0054】なお、ステップ51においてフラグF1が
立っていると判別された場合には、すなわち全てのステ
ッピングモータが正常ではないと判別された場合には、
ステップ60に入り、ここで、スタータスイッチSTの
オフからオンへの切り換えが初回であるか否かが判別さ
れる。初回でないと判別された場合はステップ60の判
別結果はNOとなり、ステップ52に入る。すなわち、
スタータスイッチSTのオフからオンへの切り換えが初
回でない場合はフラグF1が立っていてもステップ52
を必ず実行する。一方、スタータスイッチSTのオフか
らオンへの切り換えが初回であると、ステップ60の判
別結果はYESとなり、イニシャライズの作動指示の有
無に拘らずステップ54が実行されることになる。な
お、ステップ76で異常と判定されたステッピングモー
タに関しては、イニシャライズを行わないのは勿論のこ
と、以後のステップにおいて駆動を禁止するように構成
してもよい。
【0055】図5及び図6に示したイニシャライズ方法
によれば、インテリジェントハイサイドスイッチ素子2
7の自己診断機能を利用して全てのステッピングモータ
について予め正常、異常の判定を行っておき、正常と判
定されたステッピングモータについてのみイニシャライ
ズを行うようにしたので、一部のステッピングモータに
おいて異常が発生した場合にも正常なステッピングモー
タについてはイニシャライズを行い、共通駆動回路21
からの駆動制御信号に基づいて所要の作動を正常に実行
させることができる。なお、駆動制御信号の出力が禁止
されている場合でも、スタータスイッチSTをオフから
オンに切り換えた場合には必ず再チェックを行うことに
なるので(ステップ60)、通常制御への復帰が可能で
ある。したがって、例えば何等かの理由でステッピング
モータが過熱等の障害を発生したとしても、時間の経過
により過熱がおさまれば、スタータスイッチSTを再度
オンとしたときにステップ54で正常と判断されるの
で、これによりイニシャライズが行われ通常制御への復
帰が可能となる。
【0056】図1乃至図6に示されている実施例におい
ては、ステッピングモータ9、10、11及びEに対し
てそのハイサイド側に共通に設けられた保護、診断機能
付のインテリジェントハイサイドスイッチ素子27によ
って、ステッピングモータ9、10、11、Eの故障診
断を行う構成を示した。しかしながら、本発明は、保
護、診断機能付のインテリジェントスイッチ素子をステ
ッピングモータのハイサイドに設ける構成にのみ限定さ
れるものではなく、保護、診断機能付のインテリジェン
トスイッチ素子をステッピングモータのローサイドに設
ける構成の場合にも同様にして適用することができ、同
様の効果を得ることができる。
【0057】図7には、保護、診断機能付のインテリジ
ェントスイッチ素子をステッピングモータのローサイド
に設けた場合のコントロールユニットの構成の一例が示
されている。図7の各要素のうち、図2の各要素と対応
するものには同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】図7においては、ステッピングモータ9、
10、11及びEのそれぞれにおける複数のコイルの各
一端は共通に接続され、電源26の出力端、すなわち電
源のハイサイドに直接接続されている。一方、駆動トラ
ンジスタ回路XA〜XDを構成する各トランジスタのエ
ミッタはすべて共通に接続され、保護、診断機能付のイ
ンテリジェントローサイドスイッチ素子28を介して共
通駆動回路21のアース、すなわちローサイドに接続さ
れている。ここで、保護、診断機能付のインテリジェン
トローサイドスイッチ素子28は、図2に示した保護、
診断機能付のインテリジェントハイサイドスイッチ素子
27と全く同一の構成の素子であり、保護、診断機能付
のインテリジェントローサイドスイッチ素子28の各端
子28A〜28Eは、保護、診断機能付のインテリジェ
ントハイサイドスイッチ素子27の各端子27A〜27
Eに対応している。
【0059】保護、診断機能付のインテリジェントロー
サイドスイッチ素子28がオン動作状態となると、端子
28Aから28Cに電流を流すことができ、出力端子2
8Bが外部の回路を介してアース端子28Cとの間で短
絡するなどして所定レベル以上の負荷電流が流れる状態
になると、これをその内部に設けられた検知ユニットに
よって検出し、出力端子28Bの出力がデューティ動作
を行う。
【0060】入力端子28Dは、電源入力端子28Aに
印加された電圧を出力端子28Bに出力するのか否かを
制御するための入力信号を印加するための端子であり、
保護、診断機能付のインテリジェントローサイドスイッ
チ素子28は入力端子28Dへの入力に応答して出力端
子28Bに接続される負荷への電圧印加をオン、オフで
きるローサイドスイッチとして作動する。28Eは自己
診断検出端子であり、例えば入力端子28Dが「H」と
なって出力オンの状態のときに負荷が短絡状態になると
「L」レベルになる。入力端子28D、自己診断検出端
子28Eは共通駆動回路21に接続されている。図3に
示した真理値表は、保護、診断機能付のインテリジェン
トローサイドスイッチ素子28にも同様に適用される。
したがって、図7の構成を用いても、図2の構成の場合
と同様の動作となる。
【0061】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、短絡保護及び
診断のインテリジェント機能付のパワースイッチ素子を
用いてステッピングモータ駆動のための回路を構成し、
このパワースイッチ素子の自己診断機能を利用して各ス
テッピングモータの故障判定を行う構成であるから、ス
テッピングモータに特別なフィードバック信号を追加せ
ずにステッピングモータのそれぞれについての故障診断
が可能となる。また、故障判定は、パワースイッチ素子
の入出力の状態から行うことができるので、特別な回路
の付加も不必要であり、ソフトウェアのみで対応できる
のでコストの面においても極めて有利である。
【0062】請求項2の発明によれば、短絡保護及び診
断のインテリジェント機能付のパワースイッチ素子の自
己診断機能を利用してステッピングモータの故障判定を
行い、故障と判定されたステッピングモータに対しての
み駆動を禁止する構成であるから、正常なステッピング
モータへの電源供給が停止されてしまうことはなく、故
障と判定されたステッピングモータに対して保護のため
の回路動作が実行されても、正常なステッピングモータ
においてステップずれを生じることなく、正常と判定さ
れたステッピングモータについては通常の制御を支障な
く行うことができる。
【0063】請求項3の発明によれば、ステッピングモ
ータの運転開始時に、短絡保護及び診断のインテリジェ
ント機能付のパワースイッチ素子の自己診断機能を利用
して各ステッピングモータの故障判定を行い、正常と判
定されたステッピングモータに対してのみイニシャライ
ズを行うので、故障と判定されたステッピングモータが
あっても、正常と判定されたステッピングモータについ
てはイニシャライズを行って通常運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を車両用空調装置に適用した場合の実施
の形態の一例を示す概略構成図。
【図2】図1に示したコントロールユニットの詳細構成
を示すブロック図。
【図3】図2に示した保護、診断機能付のインテリジェ
ントハイサイド素子の作動を示す真理値表を示す図。
【図4】インテリジェントハイサイド素子の自己診断機
能を利用してステッピングモータの運転制御を行うよう
にした本発明の他の実施例を説明するためのフローチャ
ート。
【図5】インテリジェントハイサイド素子の自己診断機
能を利用してステッピングモータの運転制御を行うよう
にした本発明の別の実施例を説明するためのフローチャ
ート。
【図6】図5に示したフローチャート中のステッピング
モータのチェックステップの処理を説明するための詳細
フローチャート。
【図7】図2に示したコントロールユニットにおいて、
保護、診断機能付のインテリジェントハイサイド素子に
代えて保護、診断機能付のインテリジェントローサイド
素子を用いた場合の構成の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
12 コントロールユニット 9〜11、E ステッピングモータ 21 共通駆動回路 22〜25 駆動トランジスタ 26 電源 27 インテリジェントハイサイドスイッチ素子 27A 電源入力端子 27B 出力端子 27C アース端子 27D 入力端子 27E 自己診断検出端子 28 インテリジェントローサイドスイッチ素子 K11〜K14、K21〜K24、K31〜K34、K
41〜K44 駆動制御信号 KS キースイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 和光 埼玉県大里郡江南町大字千代字東原39番 地 株式会社ゼクセル 江南工場内 (56)参考文献 特開 平2−162117(JP,A) 特開 平7−20186(JP,A) 実開 平2−125600(JP,U) 実開 平6−62741(JP,U) 実開 平7−11845(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 8/36 - 8/40 H02H 7/08 H02P 5/46 - 5/52 H02P 6/04 H02P 7/67 - 7/80

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のステッピングモータのそれぞれに
    対応するステッピングモータの運転を制御するための駆
    動回路を設けると共に、前記複数のステッピングモータ
    に対して共通に1つの短絡保護及び診断のインテリジェ
    ント機能付のパワースイッチ素子を設けて成るモータ制
    御システムにおけるモータの故障診断方法において、 前記複数のステッピングモータのうちのいずれか1つの
    ステッピングモータを前記駆動回路のうちの対応する駆
    動回路によって駆動し、このとき前記パワースイッチ素
    子から得られる自己診断検出出力に応答して前記いずれ
    1つのステッピングモータの故障診断を行うようにし
    たことを特徴とするモータの故障診断方法。
  2. 【請求項2】 複数のステッピングモータのそれぞれに
    対応するステッピングモータの運転を制御するための駆
    動回路を設けると共に、前記複数のステッピングモータ
    に対して共通に1つの短絡保護及び診断のインテリジェ
    ント機能付のパワースイッチ素子を設けて成るモータ制
    御システムにおけるモータの運転制御方法において、前記複数のステッピングモータを前記駆動回路を用いて
    選択的に駆動した場合において 、選択駆動されたステッ
    ピングモータに故障が生じたことを示す信号が得られた
    とき前記選択駆動されたステッピングモータに対して
    対応する駆動回路から駆動制御信号出力されるのを禁
    止するようにしたことを特徴とするモータの運転制御方
    法。
  3. 【請求項3】 複数のステッピングモータのそれぞれに
    対応するステッピングモータの運転を制御するための駆
    動回路を設けると共に、前記複数のステッピングモータ
    に対して共通に1つの短絡保護及び診断のインテリジェ
    ント機能付のパワースイッチ素子を設けて成るモータ制
    御システムにおけるモータの運転制御方法において、 ステッピングモータのイニシャライズ作動が指示された
    時には、イニシャライズ前に各ステッピングモータに順
    次駆動信号を与え、この時の故障診断結果から各ステッ
    ピングモータが正常か故障かを判断し、正常と判断され
    たステッピングモータのみイニシャライズを行うように
    したことを特徴とするモータの運転制御方法。
  4. 【請求項4】 前記駆動制御信号の出力の禁止状態が生
    じたときは、一旦電源をオフとして再び電源をオンとし
    た時点でステッピングモータの故障の有無を再度判定
    し、故障なしのときはその後は通常駆動可能とするよう
    にした請求項2記載のモータの運転制御方法。
  5. 【請求項5】 前記駆動制御信号の出力の禁止状態が生
    じたときは、一旦電源をオフとして再び電源をオンとし
    た時点でステッピングモータの故障の有無を再度判定
    し、故障なしのときは正常復帰と判断して原点リセット
    を行い、その後は通常駆動可能とするようにした請求項
    2記載のモータの運転制御方法。
  6. 【請求項6】 前記駆動制御信号の出力の禁止状態が生
    じたときは、一旦電源をオフとして再び電源をオンとし
    た時点でステッピングモータの故障の有無を再度判定
    し、故障なしのときはその後は通常駆動可能とし、一
    方、再度電源オンの場合にも故障ありと判断された場合
    には当該ステッピングモータが故障状態のままと判断
    し、駆動制御信号の出力を禁止したままとするようにし
    た請求項2記載のモータの運転制御方法。
  7. 【請求項7】 前記駆動制御信号の出力の禁止状態が生
    じたときは、一旦電源をオフとして再び電源をオンとし
    た時点でステッピングモータの故障の有無を再度判定
    し、故障なしのときは正常復帰と判断して原点リセット
    を行い、その後は通常駆動可能とし、一方、再度電源オ
    ンの場合にも故障ありと判断された場合には当該ステッ
    ピングモータが故障状態のままと判断し、駆動制御信号
    の出力を禁止したままとするようにした請求項2記載の
    モータの運転制御方法。
  8. 【請求項8】 一旦電源をオフとして再び電源をオンと
    した時点でステッピングモータの故障の有無を再度判定
    し、このとき故障なしと判定されたステッピングモータ
    についてはイニシャライズを行うようにした請求項3記
    載のモータの運転制御方法。
  9. 【請求項9】 前記パワースイッチ素子が、前記複数の
    ステッピングモータのハイサイドに設けられている請求
    項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記パワースイッチ素子が、前記複数
    のステッピングモータのローサイドに設けられている請
    求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記パワースイッチ素子が、前記複数
    のステッピングモータのハイサイドに設けられている請
    求項2記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記パワースイッチ素子が、前記複数
    のステッピングモータのローサイドに設けられている請
    求項2記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記パワースイッチ素子が、前記複数
    のステッピングモータのハイサイドに設けられている請
    求項3記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記パワースイッチ素子が、前記複数
    のステッピングモータのローサイドに設けられている請
    求項3記載の方法。
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