JP2999060B2 - ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法 - Google Patents

ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法

Info

Publication number
JP2999060B2
JP2999060B2 JP10763992A JP10763992A JP2999060B2 JP 2999060 B2 JP2999060 B2 JP 2999060B2 JP 10763992 A JP10763992 A JP 10763992A JP 10763992 A JP10763992 A JP 10763992A JP 2999060 B2 JP2999060 B2 JP 2999060B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lining
polyethylene powder
water
polyethylene
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10763992A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05301073A (ja
Inventor
繁夫 長谷川
忠 玉井
盛生 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP10763992A priority Critical patent/JP2999060B2/ja
Publication of JPH05301073A publication Critical patent/JPH05301073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2999060B2 publication Critical patent/JP2999060B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Chemical Treatment Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭素鋼からなる各種装置
の配管、機器に用いられるポリエチレンライニングの下
地処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリエチレン粉体ライニングは炭
素鋼からなる被ライニング材表面を脱脂洗浄し、ブラス
ト処理または酸洗浄してからリン酸塩による化成処理被
膜を形成させたのち、200〜300℃に該被ライニン
グ材を予備加熱して、ポリエチレンの粉体を供給して被
ライニング材の保有熱または被ライニング面の逆側から
の供給熱によりポリエチレンの粉体を熱溶融して連続し
たポリエチレンライニング被膜を形成する方法が行われ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これまで、ポリエチレ
ン粉体ライニングは水道用配管あるいは海水取水管など
比較的温度の低い(30℃以下)液と接する環境に多用
され、耐久性の面でもそれなりの実績を有している。と
ころが従来の方法で施工したポリエチレン粉体ライニン
グ材を化学プラント、発電プラントなど液温が50〜6
0℃の環境に用いた場合、ポリエチレンの被膜が短時間
で剥離したり、ブリスタを生じる事故が多発している。
剥離及びブリスタ部の被ライニング面を調査すると、必
ず被ライニング面の腐食が認められることから、従来の
ポリエチレンライニング材は液温が高く、かつ、水蒸気
及び酸素の透過が加速される温度勾配環境に用いた場
合、下地面が腐食されやすいことが分かる。
【0004】従来のポリエチレン粉体ライニング法にお
けるブラスト処理またはリン酸塩による化成処理などの
下地処理は塗装及び樹脂またはゴムライニングなどの下
地処理として産業界で広範囲に適用されている方法であ
るが、200〜300℃で被ライニング材を加熱し、ポ
リエチレン粉末を熱溶融させるポリエチレン粉体ライニ
ング法における下地処理方法としては次のような理由で
必ずしも適正とは言い難い。
【0005】先ず、ブラスト処理は被ライニング面の錆
または異物などを除去することと、ブラストにより生じ
た表面の凹凸のアンカ効果によって、塗膜またはライニ
ングの付着力を向上するとともに、前記錆または異物付
着に起因する局部電池形成による腐食を抑制する狙いが
ある。しかし、ブラスト処理面は活性金属面が露出して
おり、腐食環境に暴露された場合、全面腐食が進行し、
腐食を抑制する効果は期待できない。
【0006】そこで一般の塗装、樹脂ライニング、ゴム
ライニングなどではZn,Sn,Alなどの粉体を配合
したプライマーを塗布し、ブラスト面の腐食を防止する
方法が採用されている。ところが、ポリエチレン粉体ラ
イニングの場合、200〜300℃に加熱するため、前
記防食効果を期待したプライマーは樹脂の熱分解及び前
記Zn,Sn,Alが酸化されて、ZnO2 ,Sn
2 ,Al2 3 などに変化し、電気化学的な防食作用
も消失するため使用できず、ライニング用のポリエチレ
ン粉体を直接供給してライニングしている。また、被ラ
イニング材の予備加熱工程及びポリエチレン粉体の溶融
は空気中で行われており、この間に被ライニング材のブ
ラスト面は局部的に酸化され、腐食環境に暴露された場
合、局部電池形成による腐食されやすいFe2 3 系の
酸化膜が部分的に形成されやすい。
【0007】一方、リン酸塩による化成処理被膜を形成
させる下地処理は腐食性物質の拡散抑制及びその被膜中
に含まれる金属塩による電気化学的防錆効果を狙いとし
て一般的に塗装下地処理として適用されている方法であ
る。しかしながら、リン酸塩による化成処理被膜はMn
3 (PO4 2 ・2MnHPO4 ・4H2 OとFeHP
4 ・4H2 Oの混合結晶あるいはZn3 (PO4 2
・4H2 OとFeHPO4 ・2〜4H2 Oの混合結晶あ
るいはγ・Fe2 3 ・FePO4 ・2H2 OまたはF
eHPO4 ・4〜8H2 Oなどからなっている。これら
の結晶は100〜240℃で結晶水を放出するととも
に、リン酸マンガン系被膜では250℃付近、リン酸亜
鉛系では130℃から酸化分解が始まる。従って、20
0〜300℃で加熱溶融させるポリエチレン粉体ライニ
ングにおいては脱水によるポーラス化、脱水時のリン酸
被膜のクラック発生及び化成処理被膜の付着力の低下ば
かりでなく、リン酸被膜中のMn,Znなどの酸化によ
る防食効果の低下、更にはこれらの塩の酸化が進行して
いる場合には腐食電位の逆転による腐食の加速などにつ
ながり、一般的に適用されている塗装下地処理と同等の
防錆効果は期待できず、ポーラス化、クラック発生によ
る付着力の低下で、剥離やブリスタが短時間に発生しや
すくなる。
【0008】従って、耐食性、被付着性、耐摩耗性など
に優れたポリエチレンライニングを従来使用してきた常
温付近の環境よりも耐ブリスタ性の面で問題となる高温
環境への適用拡大を図るためには付着性に優れ、かつ耐
食性に優れた下地処理方法の開発が望まれており、技術
的課題になっている。
【0009】本発明は上記技術水準に鑑み、かつ上記技
術的課題に応じて、高温環境下でも優れたポリエチレン
ライニングを施工できる下地処理方法を提供しようとす
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明はポリエチレン粉
体の溶融温度以上に予備加熱した炭素鋼からなる被ライ
ニング材に該ポリエチレン粉末を供給し、被ライニング
材の熱によって粉末を溶融させ、被ライニング材表面に
連続したポリエチレンの被膜を形成させるライニング方
法において、被ライニング材表面を脱脂洗浄し、水洗
後、塩酸酸洗し、水洗したのち、苛性ソーダ、オルトリ
ン酸ソーダ、亜硝酸ソーダからなる沸騰水溶液に浸漬
し、該被ライニング材表面にFe3 4 を主体とする被
膜を形成させ、次いで水洗後、pHが4.5〜6.0で
あって、CrO3 濃度が0.005〜0.05wt%の
クロム酸水溶液に浸漬したのち乾燥させることを特徴と
するポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法であ
る。
【0011】
【作用】本発明は被ライニング材の表面を脱脂、酸洗
し、水洗後、塩酸酸洗し、水洗して清浄にし、この面に
耐熱、耐食性に優れ、付着力にも優れているFe3 4
の均一で緻密な被膜を形成しており、ポリエチレン粉体
の熱溶融時に従来生じていた局部的な酸化膜の形成がな
く、高温環境に使用した場合でもFe3 4 の均一膜に
よって母材の腐食が抑制されるため、剥離やブリスタを
生じることなく、長期間の使用に耐えるポリエチレン粉
体ライニング材を提供することができる。
【0012】本発明の脱脂、酸洗し、水洗後、塩酸酸洗
し水洗するのは、次工程の耐熱性、耐食性に優れ、付着
力に優れたFe3 4 を均一に被ライニング材表面に形
成させるためである。
【0013】被ライニング材表面に均一で緻密な耐熱
性、耐食性及び付着力に優れたFe34 被膜を形成す
るためには苛性ソーダ40〜50wt%、オルトリン酸
ソーダ5〜15wt%、亜硝酸ソーダ2〜8wt%の沸
騰水が用いられるが、好ましくは苛性ソーダ45wt
%、オルトリン酸ソーダ10wt%、亜硝酸ソーダ5w
t%の沸騰水であり、結晶粒径の均一なFe3 4 被膜
が形成される。
【0014】本発明において、被ライニング材表面にF
3 4 を主体とする被膜を形成させたのち、次いで水
洗後、pHが4.5〜6.0であって、CrO3 濃度が
0.005〜0.05wt%のクロム酸水溶液に浸漬す
ることによって、前記Fe34 被膜に付着しているア
ルカリを中和するとともに、Fe3 4 結晶の欠乏箇所
があった場合、下地金属までCrO3 が入り欠乏部が防
食される。pHが4.5未満と低く、CrO3 が0.0
5wt%を越えて高い場合には、Fe3 4 結晶の欠乏
部から入ったクロム酸により下地金属が腐食され、Fe
3 4 の結合力を弱め、耐ブリスタ性が悪くなる。ま
た、pHが6.0を越えて高く、CrO3が0.005
wt%未満の場合は欠乏部下地金属のクロムによる防食
効果が低くなる。
【0015】
【実施例】厚さ3mm、直径120mmの炭素鋼板を6
0℃のオルソケイ酸ソーダ3%溶液に10分間浸漬し脱
脂洗浄したのち、温水洗浄し、次いで50℃の塩酸5%
溶液に10分間浸したのち、90℃の温水で洗浄した。
【0016】次いで、苛性ソーダ45wt%、オルトリ
ン酸ソーダ10wt%、亜硝酸ソーダ5wt%、水40
wt%からなる溶液を135〜145℃に加熱した処理
槽に20分間浸漬した。浸漬後の鋼板を温水で洗浄した
のち、pHが4.5〜6.0であって、CrO3 濃度が
0.005〜0.05wt%のクロム酸水溶液に常温で
10秒間浸漬したのち熱風乾燥した。
【0017】このFe3 4 被膜を形成させたのちクロ
ム酸水溶液に浸漬し乾燥した炭素鋼板を250℃±10
℃に熱板上で加熱したのちメルトフローレート3.0g
/10minで平均粒径100μmのポリエチレン粉体
を前記下地処理をした面に均一に散布し、1mm厚のポ
リエチレンライニング膜を形成させた。
【0018】表1に前記下地処理において、Fe3 4
被膜形成後のクロム酸水溶液浸漬におけるクロム酸濃度
を変えて下地処理した炭素鋼にポリエチレン粉体ライニ
ングした供試材の接着強さ測定結果と、前記供試材を用
いてポリエチレンライニング側にpHが0.5の硫酸水
溶液を入れて60℃に加熱し、ライニングをしていない
鋼板側に20℃の冷却水で冷却した条件下で、ブリスタ
が発生するまでの時間を測定し、その結果をリン酸亜鉛
系化成処理面にポリエチレン粉体をライニングした参考
材にブリスタが発生するまでの期間との倍率で示した。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の下地処理を適用することによ
り、従来剥離やブリスタ発生が問題となり実用し難かっ
た50〜60℃の環境にポリエチレン粉体ライニングが
適用可能になった。ポリエチレン粉体ライニングは前記
環境条件に用いられる他の樹脂(熱硬化性樹脂)ライニ
ングやゴムライニングに比べて生産コストも低く、樹脂
ライニングやゴムライニングで施工できないような小口
径の配管内面にも施工できる利点もあり、本発明により
ポリエチレン粉体ライニングの適用範囲の拡大が見込ま
れることから、その工業的効果は大きく、かつ長期寿命
確保による信頼性向上効果も大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C23C 22/78 C23C 22/78 22/83 22/83 (56)参考文献 特開 昭63−27248(JP,A) 特公 昭46−26843(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/00 - 7/26 C23C 22/00 - 22/86

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン粉体の溶融温度以上に予備
    加熱した炭素鋼からなる被ライニング材に該ポリエチレ
    ン粉末を供給し、被ライニング材の熱によって粉末を溶
    融させ、被ライニング材表面に連続したポリエチレンの
    被膜を形成させるライニング方法において、被ライニン
    グ材表面を脱脂洗浄し、水洗後、塩酸酸洗し、水洗した
    のち、苛性ソーダ、オルトリン酸ソーダ、亜硝酸ソーダ
    からなる沸騰水溶液に浸漬し、該被ライニング材表面に
    Fe3 4 を主体とする被膜を形成させ、次いで水洗
    後、pHが4.5〜6.0であって、CrO3 濃度が
    0.005〜0.05wt%のクロム酸水溶液に浸漬し
    たのち乾燥させることを特徴とするポリエチレン粉体ラ
    イニングの下地処理方法。
JP10763992A 1992-04-27 1992-04-27 ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法 Expired - Fee Related JP2999060B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10763992A JP2999060B2 (ja) 1992-04-27 1992-04-27 ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10763992A JP2999060B2 (ja) 1992-04-27 1992-04-27 ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05301073A JPH05301073A (ja) 1993-11-16
JP2999060B2 true JP2999060B2 (ja) 2000-01-17

Family

ID=14464296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10763992A Expired - Fee Related JP2999060B2 (ja) 1992-04-27 1992-04-27 ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2999060B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05301073A (ja) 1993-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3404286B2 (ja) 金属の表面処理方法、および該表面処理方法により得られた表面を有する金属部材
JP4416167B2 (ja) 防食被覆鋼材用化成下地処理剤、防食被覆鋼材用化成下地処理方法及び防食被覆鋼材
WO2011118588A1 (ja) 容器用鋼板及びその製造方法
US5672390A (en) Process for protecting a surface using silicate compounds
US5205874A (en) Process of protecting metallic and wood surfaces using silicate compounds
JP2002294466A (ja) マグネシウム合金用化成処理液及び表面処理方法並びにマグネシウム合金基材
WO2004065648A2 (en) Corrosion resistant coating with self-healing characteristics
JP3212355B2 (ja) ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法
JP2999060B2 (ja) ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法
JP2999061B2 (ja) ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法
JP2999059B2 (ja) ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法
JP3082778B2 (ja) ポリエチレン粉体ライニングの下地処理方法
JP3873680B2 (ja) 防食被覆鋼材の製造方法
JPS61183475A (ja) 改善されたすず浸漬めつき方法
JP3903743B2 (ja) 接着性、加工性、溶接性に優れた亜鉛系めっき鋼板とその製造方法
AU691794B2 (en) Process for protecting a surface using silicate compounds
JP2941560B2 (ja) ポリプロピレンライニングの下地処理方法
JP2002060963A (ja) 防食被覆鋼材の製造方法
JP4617575B2 (ja) 防食被覆鋼材の製造方法
JPH045753B2 (ja)
JPS62151577A (ja) 防食性能に優れた有機被覆鋼材
US1745185A (en) Process for coating metal articles with lead
CA2365432A1 (en) Hureaulite conversion coating as a base for the bonding of rubber to metal
JPH02202559A (ja) 金属表面被覆組成物および被覆法
WO1994013855A1 (en) Composition and process for treating tinplate

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19991012

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees