JP2994706B2 - メタクリル酸製造用触媒および該触媒を用いたメタクリル酸の製造方法 - Google Patents

メタクリル酸製造用触媒および該触媒を用いたメタクリル酸の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、メタクリル酸製造用触媒およびこの触媒を
用いたメタクリル酸の製造方法に関し、詳しくはメタク
ロレイン、イソブチルアルデヒド、イソ酪酸あるいはこ
れらの混合物から気相接触酸化反応あるいは気相接触酸
化脱水素反応によってメタクリル酸を製造するのに、あ
るいはイソブチレンなどを出発原料として酸化して得ら
れるメタクロレイン含有混合ガスを酸化してメタクリル
酸を製造するのに好適な酸化触媒およびこの触媒を用い
たメタクリル酸の製造方法に関する。
(従来技術) メタクロレインなどの気相接触酸化反応によってメタ
クリル酸を効率よく製造するために種々の改良触媒が提
案されている。これら改良は、主として触媒を構成する
成分およびその比率の選択にかかわるものであるが、な
かには触媒物性の特定化や触媒調製法に関するものもあ
る。
触媒自体の比表面積、細孔容積、細孔径などの触媒物
性についての提案はいくつかあるものの、得られる触媒
はその性能面において不十分であり、いまだ満足すべき
水準にあるものは見出されていない。
例えば、特開昭49−116022号公報および特開昭50−37
710号公報には、触媒比表面積は、それぞれ、0.01〜5m2
/gおよび0.01〜50m2/gの範囲が好ましいと記載されてい
る。しかし、比表面積を上記範囲に特定した触媒でも、
反応温度が高かったり、あるいはメタクリル酸の選択率
が低く、工業的に必ずしも満足のいくものではない。
比表面積と細孔容積とに関するものとして、特公昭54
−13876号公報には、比表面積を4〜20m2/g、細孔容積
を0.08〜0.5ml/gとし、リン、モリブデンおよびX(こ
こで、Xはタリウム、周期律表I A属およびII属金属の
なかから選ばれる少なくとも1種の金属を表す)を必須
成分とする触媒を転動式造粒機で成形する方法が開示さ
れている。しかし、この公報の実施内容をみるかぎり反
応温度が高く工業触媒としては満足のいくものではな
い。
一方、触媒調製法に関しては、特に成型触媒の場合、
強度が充分高くなく、耐摩耗性も劣るといった問題があ
るため、これら問題を解決するものとして担持型触媒が
提案されている。例えば、特開昭52−153889号公報、特
開昭53−50116号公報、特開昭57−32734号公報、特開昭
56−37050号公報、特開昭60−48143号公報および特開昭
59−12758号公報には、このような担持型触媒が開示さ
れている。しかし、これら公報には、触媒活性物質の担
持方法として、その前駆体を予め焼成し、粉砕してから
担持させる方法などが開示されるほかは、担体の物性の
特定化あるいは薬液の調製方法が開示されているにすぎ
ない。
メタクロレイン、イソブチルアルデヒドまたはイソ酪
酸、あるいはこれらの2種以上の混合物の気相接触酸化
反応あるいは気相接触酸化脱水素反応によりメタクリル
酸を製造する反応は発熱量が著しく大きい発熱反応であ
り、触媒活性物質層における蓄熱が大きい。特にホット
スポットと呼ぼれる局所的異常高温部では過度の酸化反
応により収率が低下するのみならず、熱負荷による触媒
の劣化によって触媒寿命が短くなるという問題が生じ
る。従って、触媒活性物質層における蓄熱を低減せしめ
生成メタクリル酸の逐次反応を押さえることがメタクリ
ル酸を高収率、高選択率で製造するために望ましいこと
である。このためには、触媒活性物質層の薄層化が必要
であるが、従来のメタクリル酸製造用触媒の調製に用い
られてきた含浸担持法や浸漬担持法によっては、触媒活
性物質層を不活性担体に形成することが困難であった
り、あるいは形成しても簡単に剥離してしまうという問
題がある。
また、メタクリル酸製造用触媒としては、その工業的
実施に際しては、触媒強度などが問題となり、耐摩耗
性、耐剥離性などに優れた触媒が望ましい。しかし、従
来の含浸担持法や浸漬担持法によっては強固な触媒活性
物質層を形成することが困難であり、工業的に満足のい
くメタクリル酸製造用触媒は得られていない。
そこで、本発明者らは、上記問題点を解決するため種
々研究した結果、特定の触媒活性物質を焼付担持法によ
り不活性担体に担持すると強固な触媒活性物質層が形成
され、触媒強度に優れた触媒が得られること、またこの
担持法によれば特定の範囲の比表面積、細孔容積および
細孔径分布を有する触媒活性物質層を形成できるため、
高活性かつ高選択性の触媒を再現性よく調製できること
を見出し、すでに特許出願を行った(特願平1−220380
号明細書)。
一方、イソブチレン、tert−ブタノールおよびメチル
tert−ブチル エーテルから選ばれる少なくとも1種
の原料化合物を気相接触酸化してメタクロレインを生成
する反応(前段反応)およびこのメタクロレイン含有混
合ガスをそのまま酸化してメタクリル酸を生成する反応
(後段反応)からなるプロセス(以下、これを「連続プ
ロセス」という)を採用した場合、後段反応に使用する
メタクリル酸製造用触媒は前段反応からのガス(以下、
「前段反応出口ガス」という)中の原料未反応物や高沸
点副生物(以下、これらを「不純物」と総称する)によ
り活性が抑制されることが知られている。
従って、メタクリル酸の工業的生産に使用するメタク
リル酸製造用触媒としては、高活性かつ高選択率の優れ
た触媒性能を示すのみならず、上記連続プロセスにおけ
る前段反応出口ガス中の不純物によって活性の抑制を受
けにくいものが望ましい。
(発明が解決しようとする課題) 本発明の一つの目的は、メタクリル酸を高収率かつ高
選択率で生成するメタクリル酸製造用触媒を提供するこ
とである。
本発明の他の目的は、前記連続プロセスの後段反応に
使用しても前段反応出口ガス中の不純物による活性抑制
が小さく、高活性、高選択性という優れた触媒活性を示
すメタクリル酸製造用触媒を提供することである。
本発明の他の目的は、メタクリル酸生成反応における
蓄熱を低減し、生成メタクリル酸の逐次反応を抑えると
ともに熱負荷による劣化を防止したメタクリル酸製造用
触媒を提供することである。
本発明の他の目的は、耐摩耗性、耐剥離性などの機械
的強度に優れ工業的実施に好適なメタクリル酸製造用触
媒を提供することである。
本発明の他の目的は、上記メタクリル酸製造用触媒を
用いてメタクリル酸を効率よく製造する方法を提供する
ことである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らの研究によれば、触媒活性物質層を不活性
担体上に形成してメタクリル酸製造用触媒を製造する
際、予め組成の異なる2種以上の触媒溶液またはスラリ
ーを用意し、これらを順次不活性担体に担持し、さらに
必要に応じてこの操作を繰り返して多層構造の触媒活性
物質層を形成することにより触媒の活性および選択性の
最適化を図ることが可能であると同時に、連続プロセス
の後段反応に使用しても前段反応出口ガス中の不純物の
影響を受けにくく、耐久性にも優れた触媒が得られるこ
とを見出した。
すなわち、本発明の一つは、不活性担体および該担体
上に担持してなる触媒活性物質層からなるメタクリル酸
製造用触媒であって、 該触媒活性物質層が下記式(1): MoaPbAcBdCeDfOx (1) (ここで、Moはモリブデン、Pはリン、Aはヒ素、アン
チモン、ゲルマニウム、ビスマス、ジルコニウム、セリ
ウムおよびセレンから選ばれる少なくとも1種の元素、
Bは銅、鉄、クロム、ニッケル、マンガン、コバルト、
スズ、銀、亜鉛、パラジウム、ロジウムおよびテルルか
ら選ばれる少なくとも1種の元素、Cはバナジウム、タ
ングステンおよびニオブから選ばれる少なくとも1種の
元素、Dはアルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリ
ウムから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素を表
し、a、b、c、d、e、fおよびxはそれぞれMo、
P、A、B、C、DおよびOの原子比を表し、a=12の
とき、b=0.5〜4、c=0〜5、d=0〜3、e=0
〜4、f=0.01〜4であり、xはそれぞれの元素の酸化
状態によって定まる数値である)で表される酸化物から
なる多層構造の担持層であり、また 該触媒活性物質層が、式(1)によって表される酸化
物の各元素成分を含有する化合物を混合し、さらに必要
に応じて加熱して、組成の異なる2種以上のスラリーま
たは溶液を調製し、これらスラリーまたは溶液を不活性
担体に順次噴霧し、また必要に応じてこの操作を繰り返
して形成したものであることを特徴とするメタクリル酸
製造用触媒に関する。
本発明の他の目的は、上記メタクリル酸製造用触媒に
メタクロレイン、イソブチルアルデヒドおよびイソ酪酸
から選ばれる1種または2種以上からなる原料ガスを接
触させて酸化することを特徴とするメタクリル酸の製造
方法を提供することである。
本発明の他の目的は、上記メタクリル酸製造用触媒に
メタクロレイン含有混合ガスを接触させて酸化すること
を特徴とするメタクリル酸の製造方法を提供することで
ある。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のメタクリル酸製造用触媒は、不活性担体とこ
の担体上に担持せしめた多層構造の触媒活性物質層とか
らなる。不活性担体としては、炭化ケイ素、シリカ、α
−アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニア、その他耐火
物など一般に使用されている公知のものを使用すること
ができる。不活性担体の形状については特に制限はな
く、球状、ペレット状あるいはリング状などいずれでも
よい。特に、直径が3〜10mm程度の球状担体、外径が3
〜10mm程度で長さが外径の0.3〜1.7倍程度のペレット状
担体あるいはリング状担体が好適に使用される。
上記触媒活性物質層は前記式(1)で表される酸化物
からなる。この触媒活性物質層は、触媒の出発原料とし
ての、前記式(1)の酸化物の元素成分、Mo、P、A、
B、C、またはDを含有する化合物を混合し、さらに必
要に応じて加熱してスラリーまたは溶液を調製し、この
スラリーまたは溶液を不活性担体に噴霧した後、乾燥、
焼成することによって形成される(本発明においては、
この触媒活性物質層の形成法を「焼付担持法」とい
う)。
触媒の出発原料としての上記各元素成分を含有する化
合物には特に制限はなく、各元素成分を含有する、酸化
物あるいは焼成によって酸化物を生成する化合物であれ
ばいずれも使用することができる。焼成によって酸化物
を生成する化合物としては、例えば水酸化物、金属酸、
硝酸塩、炭酸塩、アンモニウム塩、酢酸塩、ギ酸塩など
を挙げることができる。
例えば、モリブデン含有化合物の具体例としては、三
酸化モリブデン、パラモリブデン酸アンモニウム、モリ
ブデン酸、リンモリブデン酸、リンバナドモリブデン酸
などを挙げることができる。リン含有化合物の具体例と
しては、オルトリン酸、メタリン酸、亜リン酸、リン酸
第1アンモニウム、リン酸第2アンモニウムなどを挙げ
ることができる。
なお、上記元素成分を2以上含有する化合物も使用す
ることができる。
本発明の焼付担持法によれば、まず上記各元素成分を
含有する化合物を媒体に添加、混合し、さらに必要に応
じて加熱してスラリーまたは溶液を調製する。上記媒体
としては、通常、水を使用するが、アルコール、アセト
ンなどの有機溶剤も使用することができる。
上記スラリーまたは溶液には、触媒活性物質層の比表
面積、細孔容積および細孔径分布を再現性よく制御する
ために、あるいは粉体結合剤として硝酸アンモニウム、
セルロース、デンプン、ポリビニルアルコール、ステア
リン酸などを添加してもよく、また触媒の粉化度を小さ
くするためにウイスカーやガラス繊維なども添加するこ
とができる。
なお、上記スラリーまたは溶液はそのまま使用するこ
とができるが、一旦このスラリーまたは溶液を濃縮、乾
固した後、乾燥、焼成、粉砕して得た粉体を再度水に分
散または溶解させて使用することもできる。
上記スラリーまたは溶液における触媒の出発原料など
の固形分濃度は通常50〜500g/である。
本発明の焼付担持法によれば、次に上記スラリーまた
は溶液を不活性担体に噴霧して層を形成する。この層の
形成は、例えば外部から加熱可能な回転炉中で行うのが
好ましい。すなわち、100〜400℃、好ましくは100〜250
℃に保持した回転炉中に不活性担体を入れて、この温度
に不活性担体を予熱した後、回転炉を回転させながら噴
霧器などの手段によりスラリーを不活性担体に噴霧して
均一な厚みの層を形成する。
本発明によれば、予め組成の異なる2種類以上のスラ
リーまたは溶液を用意し、これらを順次噴霧した後、乾
燥、焼成して触媒活性物質層を多重に形成するものであ
り、この多層構造の触媒活性物質層は、複数個の組成の
異なる酸化物の層から構成されている。
なお、本発明における「組成の異なる」とは、構成元
素成分が異なるほかに、構成元素成分が同一であって
も、その原子比が異なるものも包含するものである。
上記多層構造の触媒活性物質層においては、触媒性能
の面では優れているものの不純物の影響を受けやすい組
成の層は内側に担持させ、逆に不純物の吸着力が弱く、
不純物の吸着によりメタクロレインの酸化性能が抑制さ
れにくい組成を有する層を表層側に担持させるのがよ
い。これによって、特に連続プロセスの後段反応に使用
する場合の前段反応出口ガス中の不純物による影響を極
力少なくすることができる。
従って、本発明の、多層構造の触媒活性物質層を有す
るメタクリル酸製造用触媒は、単一層構造の触媒活性物
質層を有するメタクリル酸製造用触媒に比べて、不純物
を含有するメタクロレイン含有混合ガスの酸化に優れた
性能を発揮することから、特に連続プロセスの後段反応
に使用する触媒として効果的に使用することができる。
なお、本発明における多層構造の触媒活性物質層を構
成する層は全てが相異なる組成を有する必要はなく、前
記目的をより効果的に達成するため、あるいは触媒性能
の最適化を図るために、組成の異なる2種以上のスラリ
ーまたは溶液を順次噴霧する操作を1回または複数回繰
り返して行い、同一組成の層が複数個存在するようにし
てもよい。
本発明の焼付担持法によれば、最後に、上記担持層
を、必要に応じて乾燥した後、200〜600℃、好ましくは
300〜500℃で空気気流中ないしは窒素気流中で焼成し
て、前記式(1)で表される酸化物からなる多層構造の
触媒活性物質層を形成する。
なお、上記乾燥、焼成は各層ごとに実施してもよい
が、全ての層を噴霧、形成した後に、実施してもよい。
上記焼成後の不活性担体への触媒活性物質の担持量
は、通常、担体100ml当り5〜100gであり、特に10〜50g
の範囲が好適である。5g未満では触媒活性物質層が薄す
ぎて触媒活性が低下し、一方100gを超えると触媒活性物
質層が厚くなって本発明の目的とする薄層化を達成する
ことができない。
上記のようにして得られるメタクリル酸製造用触媒の
うち、特に触媒活性物質層の比表面積、細孔容積および
細孔径分布が下記特定範囲にある触媒が好適である。
比表面積=1〜20m2/g 細孔容積=0.1〜1ml/g 細孔径分布= 1〜10μmの範囲の細孔 20〜70% 0.5〜1μm未満の範囲の細孔 20%以下 0.1〜0.5μm未満の範囲の細孔 20〜70% 本発明における触媒活性物質層の比表面積は、全自動
表面積測定装置4−ソーブ(湯浅アイオニクス(株)
製)によって測定したものであり、1〜20m2/g、好まし
くは3〜15m2/gである。比表面積が1m2/g未満では触媒
活性が低すぎ、一方20m2/gを超えるとメタクリル酸の選
択率が低下するため好ましくない。
細孔容積は、水銀圧入式ポロシメーター(オートポア
9200型、島津製作所(株)製)を用いて求めたものであ
り、0.1〜1ml/g、好ましくは0.2〜0.8ml/gである。細孔
容積が0.1ml/g未満では、触媒活性が低すぎ、一方1ml/g
を超えるとメタクリル酸の選択率が低下するのみなら
ず、耐摩耗性、耐剥離性といった機械的強度の面からも
好ましくない。
細孔径分布は、上記細孔容積の測定に使用したと同じ
水銀圧入式ポロシメーターを用いて求めた。1〜10μm
の範囲の細孔径を有する細孔が占める容積は、全細孔容
積の20〜70%、好ましくは25〜50%であり、0.5〜1μ
m未満の範囲の細孔径を有する細孔が占める容積は、全
細孔容積の20%以下、好ましくは15%以下であり、また
0.1〜0.5μm未満の範囲の細孔径を有する細孔が占める
容積は、全細孔容積の20〜70%、好ましくは40〜65%で
ある。
通常、細孔径が小さい細孔は、比表面積や細孔容積へ
の寄与は大きいが、メタクリル酸製造の活性や選択率の
点から細孔径の小さい細孔の割合が大きくなるだけでは
不十分であり、1〜10μmという比較的大きい径の細孔
が共存することによって触媒性能も向上するのである。
すなわち、触媒活性物質層の比表面積、細孔容積およ
び細孔径分布を同時に上記特定範囲に調整することによ
って、本発明の目的が一段と効果的に達成されるのであ
る。
本発明における焼付担持法によれば、このような特定
範囲の比表面積、細孔容積および細孔径分布を有する触
媒活性物質層を容易に形成することができる。さらに、
本発明の焼付担持法によれば、このような特定範囲の比
表面積、細孔容積および細孔径分布を有する触媒活性物
質層を再現性よく形成できることから、性能の均一な触
媒の製造が可能となる。
本発明のメタクリル酸製造用触媒を用いて、メタクロ
レイン、イソブチルアルデヒドまたはイソ酪酸、あるい
はこれらの混合物を気相酸化してメタクリル酸を製造す
る場合、その実施に際しての装置、条件などについては
特に制限はない。すなわち、反応条件についていえば、
気相接触酸化または気相接触酸化脱水素反応によるメタ
クリル酸の製造に一般に用いられている条件下で実施す
ることができる。
例えば、1〜10容量%のメタクロレイン、イソブチル
アルデヒドまたはイソ酪酸といった原料化合物、この原
料化合物に対し容量比で1〜10倍の範囲の分子状酸素、
および希釈剤としての不活性ガス、例えば窒素、炭酸ガ
ス、水蒸気(特に、水蒸気の使用は副生成物の生成をお
さえ、目的生成物の収率向上に有利である)などからな
る混合ガスを200〜400℃の温度範囲で常圧〜10気圧の圧
力下に100〜5,000hr-1(STP)の空間速度で本発明のメ
タクリル酸製造用触媒に接触させればよい。
なお、原料化合物としてメタクロレインを使用する場
合、メタクロレインは必ずしも純粋である必要はなく、
イソブチレンまたはtert−ブタノールなどを接触的に反
応させて得られるメタクロレイン含有混合ガスも使用す
ることができる。このようなメタクロレイン含有混合ガ
スの使用は工業的プロセスにおいては特に推奨されるも
のである。
特に、本発明のメタクリル酸製造用触媒は、連続プロ
セスの後段反応に使用した場合、前段反応出口ガス中の
不純物によって影響を受けることが少ないので、連続プ
ロセスの後段反応に使用する触媒として好適である。
(発明の効果) 本発明のメタクリル酸製造用触媒は、前記の通り、特
定の組成を有する多層構造の触媒活性物質層を不活性担
体に焼付担持法によって形成したものであるから、高い
活性を有し、メタクリル酸を高収率、かつ高選択率で製
造することが可能となる。特に、触媒活性物質層の比表
面積、細孔容積および細孔径分布を同時に特定範囲に調
整することによって一段と高収率、かつ高選択率でメタ
クリル酸を製造することが可能となる。
本発明のメタクリル酸製造用触媒においては、触媒活
性物質層が複数個の組成の異なる酸化物の層で構成され
た多層構造であり、しかも触媒性能の面では優れている
ものの不純物の影響を受けやすい組成の層が内側に、一
方不純物の吸着力が弱く、不純物の吸着によりメタクロ
レインの酸化性能が抑制されにくい組成を有する層が表
層側に担持されることから、特に連続プロセスの後段反
応に使用した場合、前段反応出口ガス中の不純物による
影響を受けにくく、純メタクロレインからの酸化反応と
同様に、高収率、かつ高選択率でメタクリル酸を製造す
ることができる。従って、耐久性に優れ、長期にわたっ
て優れた触媒性能を発揮することができる。
本発明のメタクリル酸製造用触媒においては、触媒活
性物質層は薄層化してあるため、メタクリル酸生成反応
時の蓄熱を低減することができ、これによって生成メタ
クリル酸の逐次反応を抑え、触媒の熱負荷による劣化を
防止することができる。
本発明のメタクリル酸製造用触媒においては、触媒活
性物質層は焼付担持法によって形成されているため、不
活性担体に強固に担持されており、高い機械的強度を有
し、耐剥離性に優れていることから工業的実施に充分満
足のいくものである。
本発明のメタクリル酸製造用触媒は、長時間その優れ
た性能を発揮し、長時間使用後も反応温度を著しく上げ
ることなく、反応開始時と同程度の高収率、高選択率を
得ることができる。
本発明の触媒の製造法は、簡単であり、また高い再現
性をもって製造することができる。すなわち、触媒性能
が均一なメタクリル酸製造用触媒が生産可能であり、こ
の優れた再現性の故に工業的に極めて優れた触媒という
ことができる。
本発明の酸化方法によれば、メタクロレイン、イソブ
チルアルデヒド、イソ酪酸またはこれらの混合物を出発
原料として効率よくメタクリル酸を製造することができ
る。特に、メタクロレイン含有混合ガスの酸化を効率よ
く実施することができる。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。なお、転化率、選択率および単流収率は以下の通り
定義される。
実施例1 加熱したイオン交換水40にパラモリブデン酸アンモ
ニウム8,830gとメタバナジン酸アンモニウム531.4gを加
えて撹拌し、溶解した。
この溶液に亜ヒ酸123.7gとリン酸(85重量%)523.8g
とを加え、次いで硝酸(比重1.38)4と硝酸セシウム
812.3gとを5イオン交換水に溶解した溶液を加えて、
加熱撹拌してスラリー(イ)を調製した。
上記スラリー(イ)の調製において、リン酸の使用量
を624.7gとした以外は同様にしてスラリー(ロ)を調製
した。
炭化ケイ素からなるペレット状担体(外径6mm、長さ
6.0mm)1,600mlを、外部から加熱できる内容積20のス
テンレス製ドラムにいれ、120〜200℃に予熱しておい
て、ドラムを回転させながらスラリー(イ)、次いでス
ラリー(ロ)を順次担体上に噴霧して担持層を形成し
た。
この担持層を形成した担体を空気流通下400℃で3時
間焼成して触媒活性物質層を形成し、触媒(1)を得
た。
この触媒(1)における触媒活性物質層の担持量(酸
化物として、以下同じ)は、担体100ml当り20gであっ
た。なお、スラリー(イ)の乾燥、焼成後の酸化物組成
(酸素を除く原子比、以下同じ)は、 Mo12P1.091.09Cs1.0As0.3 であり、スラリー(ロ)の乾燥、焼成後の酸化物組成
は、 Mo12P1.31.09Cs1.0As0.3 であった。
上記触媒(1)1,500mlを内径25.4mmの鋼鉄製反応器
に充填し、イソブチレンをMo−Co−W−Fe酸化物系多元
触媒の存在下に気相接触酸化して得られた、下記組成 メタクロレイン 3.5(容量%) イソブチレン 0.04 メタクリル酸+酢酸 0.24 水蒸気 20 酸素 9 その他(主として窒素) 67.22 の混合ガスを導入し、反応温度300℃、空間速度1,200hr
-1(STP)で酸化反応を行った。結果を表1に示す。
実施例2 実施例1において、酸化反応に供する混合ガス中のイ
ソブチレンおよびその他の成分(主として窒素)の割合
をそれぞれ0.08容量%および67.18容量%に変更した以
外は実施例1と同様にして酸化反応を行った。結果を表
1に示す。
実施例2は、未反応イソブチレンの後段反応に使用す
る触媒への影響を調べるために実施したものであり、実
施例1に比べて、前段反応出口ガス中の未反応イソブチ
レン含量を増加させた混合ガスを使用している。
触媒(1)は、メタクロレイン含有混合ガス中のイソ
ブチレン含量を増加させても、活性低下は比較的小さ
い。この結果から、触媒(1)は連続プロセスにおける
前段反応条件の変化に対しても非常に安定であり、工業
触媒として好適であることが理解される。
実施例3 実施例1において、ペレット状担体の代わりに炭化ケ
イ素からなるリング状担体(外径6mm、長さ5mm、貫通孔
内径3mm)1,600mlを使用した以外は実施例1と同様にし
て触媒(2)を調製した。
この触媒(2)の触媒活性物質層の組成は実施例1と
同じであり、触媒活性物質の担持量は担体100ml当り20g
であった。
以下、触媒(1)の代わりに上記触媒(2)を使用
し、また原料ガスとして下記平均ガス組成を有するガス
を使用した以外は実施例1と同様にして酸化反応を行っ
た。結果を表1に示す。
メタクロレイン 3.5(容量%) イソブチレン 0.08 メタクリル酸+酢酸 0.24 水蒸気 20 酸素 9 その他(主として窒素) 67.18 実施例3の結果から、担体の形状をペレット状からリ
ング状に変更した場合も、触媒(2)のように二重担持
層にすると残存イソブチレンによると考えられる活性低
下がかなり抑えられることが理解される。
実施例4 モリブデン酸アンモニウム4,770gを18の水に溶解し
た。
別に、85%オルトリン酸259.6gを1,350mlの水で希釈
し、これにそ硝酸銅163.3gおよび亜ヒ酸111.4gを溶解
し、上記モリブデン酸アンモニウム水溶液に加え、加熱
しながら充分撹拌し熟成を行った。
また別に、85%オルトリン酸259.6gを1,350mlの水で
希釈し、これに五酸化バナジウム204.8gを加え、加熱撹
拌しながら水分を蒸発させてゆくと黄色の錯体が得られ
た。この錯体を上記リン、モリブデン、銅およびヒ素の
反応沈澱物に加え、最後に水酸化カリウム126.3gを水1,
350mlに溶解した溶液を加えスラリー(ハ)を調製し
た。
上記スラリー(ハ)の調製において、硝酸銅および水
酸化カリウムの使用量をそれぞれ54.4gおよび189.5gと
変更した以外は同様にしてスラリー(ニ)を調製した。
実施例1において、ペレット状担体の代わりにα−ア
ルミナからなるリング状担体(外径6mm、長さ5mm、貫通
孔内径3mm)を使用し、先ずスラリー(ハ)を、次にス
ラリー(ニ)を順次担持した以外は実施例1と同様にし
て触媒(3)を調製した。
触媒(3)における触媒活性物質の担持量は、担体10
0ml当り20gであった。
スラリー(ハ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P2Cu0.3K1V1As0.5 であり、スラリー(ニ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P2Cu0.11.5V1As0.5 であった。
以下、触媒(2)の代わりに上記触媒(3)を使用し
た以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
実施例5 モリブデン酸アンモニウム5,088gを純水10に溶解し
た水溶液に85%リン酸553.8gを加え、次いで硝酸セシウ
ム936.2gを水3.6に溶解した水溶液を加え、さらに硝
酸ビスマス582.6gと五酸化アンチモン194.3gを粉体のま
ま加え、最後に無水クロム酸120.1gと二酸化セレン133.
2gとを水3.6に溶解した水溶液を加えてスラリー
(ホ)を得た。
上記スラリー(ホ)の調製において、五酸化アンチモ
ンの使用量を19.4gに変更した以外は同様にしてスラリ
ー(ヘ)を調製した。
次に、実施例1において、ペレット状担体の代わりに
炭化ケイ素からなる球状担体(外径6mm)を使用し、先
ずスラリー(ホ)を、次にスラリー(ヘ)を順次焼付担
持した以外は実施例1と同様にして触媒(4)を調製し
た。
この触媒(4)における触媒活性物質層の担持量は、
担体100ml当り20gであった。スラリー(ホ)の乾燥、焼
成後の酸化物組成は Mo12P2Bi0.5Sb0.5Cs2.0Cr0.5Se0.5 であり、スラリー(へ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P2Bi0.5Sb0.05Cs2.0Cr0.5Se0.5 であった。
以下、触媒(2)の代わりに上記触媒(4)を使用し
た以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
実施例6 三酸化モリブデン4,802g、五酸化バナジウム252.8g、
酸化銅44.2g、酸化鉄44.4g、酸化スズ41.9gおよび85%
オルトリン酸320.5gをイオン交換水40に分散した。こ
れを約3時間加熱撹拌した後、水酸化カリウム15.6gを
添加し、さらに約3時間煮沸下還流してスラリー(ト)
を調製した。
このスラリー(ト)の調製において、五酸化バナジウ
ムおよびオルトリン酸の使用量をそれぞれ303.4gおよび
384.6gに変更した以外は同様にしてスラリー(チ)を調
製した。
次に、実施例1において、ペレット状担体の代わりに
炭化ケイ素からなるリング状担体(外径6mm、長さ5mm、
貫通孔内径3mm)を使用し、先ずスラリー(ト)を、次
にスラリー(チ)を順次担持した以外は実施例1と同様
にして触媒(5)を調製した。
この触媒(5)における触媒活性物質の担持量は、担
体100ml当り20gであった。スラリー(ト)の乾燥、焼成
後の酸化物組成は Mo12P1V1K0.1Cu0.2Fe0.2Sn0.1 であり、スラリー(チ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は M12P1.21.20.1Cu0.2Fe0.2Sn0.1 であった。
以下、触媒(2)の代わりに上記触媒(5)を使用し
た以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
実施例7 実施例1のスラリー(イ)において、触媒調製規模を
半分にし、硝酸セシウムの代わりに硝酸バリウム272.3g
を使用する以外は実施例1と同様にしてスラリー(リ)
を調製した。
このスラリー(リ)の調製において、亜ヒ酸および硝
酸バリウムの使用量をそれぞれ20.6gおよび435.7gに変
更した以外は同様にしてスラリー(ヌ)を調製した。
次に、実施例1において、炭化ケイ素からなるペレッ
ト状担体の代わりにα−アルミナからなるペレット状担
体(外径6mm、長さ6mm)を使用し、先ずスラリー(リ)
を、次にスラリー(ヌ)を順次担持する以外は実施例1
と同様にして触媒(6)を調製した。
この触媒(6)における触媒活性物質の担持量は、担
体100ml当り20gであった。スラリー(リ)の乾燥、焼成
後の酸化物組成は Mo12P1.091.09Ba0.5As0.3 であり、スラリー(ヌ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P1.091.09Ba0.8As0.1 であった。
以下、触媒(2)の代わりに上記触媒(6)を使用す
る以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
実施例8 実施例1において、硝酸セシウム812.3gとともに酸化
ゲルマニウム130.7g、硝酸ジルコニウム222.7gおよび硝
酸コバルト121.3gを添加した以外は実施例1と同様にし
てスラリー(ル)を調製した。
このスラリー(ル)の調製において、硝酸セシウムお
よび硝酸ジルコニウムの使用量をそれぞれ1,218.5gおよ
び334.1gに変更した以外は同様にしてスラリー(ヲ)を
調製した。
次に、実施例1において、ペレット状担体の代わりに
α−アルミナからなるリング状担体(外径6mm、長さ5m
m、貫通孔内径3mm)を使用し、先ずスラリー(ル)を、
次にスラリー(ヲ)を順次担持する操作を2回繰り返し
た以外は実施例1と同様にして触媒(7)を調製した。
この触媒(7)における触媒活性物質の担持量は、担
体100ml当り20gであった。また、スラリー(ル)の乾
燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P1.09As0.31.09Cs1.0Ge0.3Zr0.2Co0.1 であり、スラリー(ヲ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P1.09As0.31.09Cs1.5Ge0.3Zr0.3Co0.1 であった。
以下、触媒(2)の代わりに上記触媒(7)を使用し
た以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
実施例9 実施例1において、硝酸セシウム812.3gとともに二酸
化テルル199.5g、硝酸マンガン239.2gおよび硝酸ニッケ
ル242.3gを添加した以外は実施例1と同様にしてスラリ
ー(ワ)を調製した。
このスラリー(ワ)の調製において、メタバナジン酸
アンモニウム、硝酸マンガンおよび硝酸ニッケルの担持
量をそれぞれ633.8g、358.8gおよび363.5gに変更した以
外は同様にしてスラリー(カ)を調製した。
次に、実施例1において、炭化ケイ素からなるペレッ
ト状担体の代わりにシリカ−アルミナからなるペレット
状担体(外径6mm、長さ6mm)を使用し、先ずスラリー
(ワ)を、次にスラリー(カ)を順次担持する操作を2
回繰り返した以外は実施例1と同様にして接触(8)を
調製した。
この触媒(8)における触媒活性物質の担持量は、担
体100ml当り20gであった。また、スラリー(ワ)の乾
燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P1.09As0.31.09Cs1.0Te0.3Mn0.2Ni0.2 であり、スラリー(カ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P1.09As0.31.3Cs1.0Te0.3Mn0.3Ni0.3 であった。
以下、触媒(2)の代わりに上記触媒(8)を使用し
た以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
実施例10 実施例1において、硝酸セシウム812.3gとともにタン
グステン酸アンモニウム562.8g、硝酸亜鉛247.9gおよび
硝酸銀70.8gを添加した以外は実施例1と同様にしてス
ラリー(ヨ)を調製した。
このスラリー(ヨ)の調製において、硝酸セシウム、
タングステン酸アンモニウムおよび硝酸銀の使用量をそ
れぞれ1,056.0g、225.1gおよび35.4gに変更した以外は
同様にしてスラリー(タ)を調製した。
次に、実施例1において、ペレット状担体の代わりに
シリカ−アルミナからなるリング状担体(外径6mm、長
さ5mm、貫通孔内径3mm)を使用し、また先ずスラリー
(ヨ)を、次にスラリー(タ)を順次担持する操作を3
回繰り返す以外は実施例1と同様にして触媒(9)を調
製した。
この触媒(9)における触媒活性物質の担持量は、担
体100ml当り20gであった。また、スラリー(ヨ)の乾
燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P1.09As0.31.09Cs1.00.5Zn0.2Ag0.1 であり、スラリー(タ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P1.09AS0.31.09Cs1.30.2Zn0.2Ag0.05 であった。
以下、触媒(2)の代わりに上記触媒(9)を使用し
た以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
実施例11 実施例1において、硝酸セシウム812.3gとともに硝酸
タリウム555.0g、五酸化ニオブ166.1g、硝酸ストロンチ
ウム441.0gおよび硝酸パラジウム96.0gを添加した以外
は実施例1と同様にしてスラリー(レ)を調製した。
このスラリー(レ)の調製において、亜ヒ酸、硝酸タ
リウムおよび硝酸ストロンチウムの使用量をそれぞれ8
2.5g、721.5gおよび617.4gに変更した以外は同様にして
スラリー(ソ)を調製した。
次に、実施例1において、ペレット状担体の代わりに
炭化ケイ素からなる球状担体(外径6mm)を使用し、ま
た先ずスラリー(レ)を、次にスラリー(ソ)を順次担
持する操作を3回繰り返す以外は実施例1と同様にして
触媒(10)を調製した。
この触媒(10)における触媒活性物質の担持量は、担
体100ml当り20gであった。また、スラリー(レ)の乾
燥、焼成後の酸化物組成は、 Mo12P1.09As0.31.09Cs1.0Tl0.5Sr0.5Nb0.3Pb0.1 であり、スラリー(ソ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P1.09As0.21.09Cs1.0Tl0.8Sr0.7Nb0.3Pd0.1 であった。
以下、触媒(2)の代わりに上記触媒(10)を使用し
た以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
実施例12 実施例1において、硝酸セシウム812.3gとともに硝酸
ルビジウム307.2g、硝酸カルシウム196.8gおよび硝酸ロ
ジウム135.4gを添加した以外は実施例1と同様にしてス
ラリー(ツ)を調製した。
このスラリー(ツ)の調製において、硝酸ルビジウム
および硝酸カルシウムの使用量をそれぞれ553.0gおよび
393.6gに変更した以外は同様にしてスラリー(ネ)を調
製した。
次に、実施例1において、ペレット状担体の代わりに
炭化ケイ素からなるリング状担体(外径6mm、長さ5mm、
貫通孔内径3mm)を用い、また先ずスラリー(ツ)を、
次にスラリー(ネ)を順次担持する操作を3回繰り返す
以外は実施例1と同様にして触媒(11)を調製した。
この触媒(11)における触媒活性物質の担持量は、担
体100ml当り20gであり、またスラリー(ツ)の乾燥、焼
成後の酸化物組成は Mo12P1.09As0.31.09Cs1.0Rb0.5Ca0.2Rh0.1 であり、スラリー(ネ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は Mo12P1.09As0.31.09Cs1.0Rb0.9Ca0.4Rh0.1 であった。
以下、触媒(2)の代わりに上記触媒(11)を使用し
た以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
実施例13 三酸化モリブデン4,320g、五酸化バナジウム227.4gお
よび85%オルトリン酸432.5gを水15に加え、24時間加
熱還流した。そこへ粉末状の酸化セリウム215.1g、硝酸
カリウム379.2gおよび粉末状酸化銅39.8gを加えてスラ
リー(ナ)を調製した。
上記スラリー(ナ)の調製において、酸化セリウムお
よび酸化銅の使用量をそれそれ43.0gおよび19.9gに変更
した以外は同様にしてスラリー(ラ)を調製した。
次に、実施例1において、炭化ケイ素からなるペレッ
ト状担体の代わりにα−アルミナからなるペレット状担
体を使用し、また先ずスラリー(ナ)を、次にスラリー
(ラ)を順次担持する操作を3回繰り返す以外は実施例
1と同様にして触媒(12)を調製した。
触媒(12)において、触媒活性物質の担持量は、担体
100ml当り20gであり、またスラリー(ナ)の乾燥、焼成
後の酸化物組成は Mo12V1P1.51.5Cu0.2Ce0.5 であり、スラリー(ラ)の乾燥、焼成後の酸化物組成は Mo12V1P1.51.5Cu0.1Ce0.1 であった。
以下、触媒(2)の代わりに上記触媒(12)を使用し
た以外は実施例3と同様にして酸化反応を行った。結果
を表2に示す。
実施例14 実施例1で得られた触媒(1)を用い、実施例3と同
一条件下にて4、000時間の連続反応を行った。反応開
始温度は300℃としたが、4、000時間後反応開始時とほ
ぼ同一のメタクロレイン転化率を得るには、反応温度は
7℃上げるだけで十分であった。4,000時間後の反応結
果は、反応温度307℃、メタクロレイン転化率84.4%、
メタクリル酸選択率86.7%であった。
実施例15 実施例1で得た触媒(1)を用いてイソブチルアルデ
ヒドの酸化脱水素反応を行った。
すなわち、触媒(1)1,500mlを直径25.4mmの鋼鉄製
反応管に充填し、イソブチルアルデヒド:酸素:水蒸
気:窒素=5.0:12.5:10.0:72.5(容量比)の混合ガスを
空間速度800hr-1(STP)で導入し、温度290℃で反応を
行った。結果を表3に示す。
実施例16 実施例1で得た触媒(1)を用いてイソ酪酸の酸化脱
水素反応を行った。
すなわち、触媒(1)1,500mlを直径25.4mmの鋼鉄製
反応器に充填し、イソ酪酸:酸素:水蒸気:窒素=5.0:
10.0:10.0:75.0(容量比)の混合ガスを空間速度2,000h
r-1(STP)にて導入し、温度290℃で反応を行った。結
果を表4に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 青木 幸雄 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 日本触媒化学工業株式会社触媒研 究所内 審査官 関 美祝 (56)参考文献 特開 昭48−28416(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B01J 21/00 - 38/74 C07B 6/00 300

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】不活性担体および該担体上に担持してなる
    触媒活性物質層からなるメタクリル酸製造用触媒であっ
    て、 該触媒活性物質層が、下記式(1): MOaPbAcBdCeDfOx (1) (ここで、Moはモリブデン、Pはリン、Aはヒ素、アン
    チモン、ゲルマニウム、ビスマス、ジルコニウム、セリ
    ウムおよびセレンから選ばれる少なくとも1種の元素、
    Bは銅、鉄、クロム、ニッケル、マンガン、コバルト、
    スズ、銀、亜鉛、パラジウム、ロジウムおよびテルルか
    ら選ばれる少なくとも1種の元素、Cはバナジウム、タ
    ングステンおよびニオブから選ばれる少なくとも1種の
    元素、Dはアルカリ金属、アルカリ土類金属およびタリ
    ウムから選ばれる少なくとも1種の元素、Oは酸素を表
    し、a、b、c、d、e、fおよびxはそれぞれMo、
    P、A、B、C、DおよびOの原子比を表し、a=12の
    とき、b=0.5〜4、c=0〜5、d=0〜3、e=0
    〜4、f=0.01〜4であり、xはそれぞれの元素の酸化
    状態によって定まる数値である)で表される酸化物から
    なる多層構造の担持層であり、また 該触媒活性物質層が、上記式(1)で表される酸化物の
    各元素成分を含有する化合物を混合し、さらに必要に応
    じて加熱して、組成の異なる2種以上のスラリーまたは
    溶液を調製し、これらスラリーまたは溶液を不活性担体
    に順次噴霧し、また必要に応じてこの操作を繰り返して
    形成したものであることを特徴とするメタクリル酸製造
    用触媒。
  2. 【請求項2】触媒活性物質層が下記特性: 比表面積=1〜20m2/g、 細孔容積=0.1〜1ml/g、 細孔径分布= 1〜10μmの範囲の細孔 20〜70% 0.5〜1μm未満の範囲の細孔 20%以下 0.1〜0.5μm未満の範囲の細孔 20〜70% (全細孔容積に対する容積割合) を有する請求項(1)に記載のメタクリル酸製造用触
    媒。
  3. 【請求項3】請求項(1)のメタクリル酸製造用触媒に
    メタクロレイン、イソブチルアルデヒドおよびイソ酪酸
    から選ばれる1種または2種以上からなる原料ガスを接
    触させて酸化することを特徴とするメタクリル酸の製造
    方法。
  4. 【請求項4】請求項(1)のメタクリル酸製造用触媒に
    メタクロレイン含有混合ガスを接触させて酸化すること
    を特徴とするメタクリル酸の製造方法。
  5. 【請求項5】メタクロレイン含有混合ガスがイソブチレ
    ン、tert−ブタノールおよびメチル tert−ブチル エ
    ーテルから選ばれる1種または2種以上からなる原料ガ
    スを接触的に酸化反応させて得られたものである請求項
    (4)に記載のメタクリル酸の製造方法。
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