JP2992910B2 - 情報処理装置 - Google Patents

情報処理装置

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JP2992910B2
JP2992910B2 JP3203709A JP20370991A JP2992910B2 JP 2992910 B2 JP2992910 B2 JP 2992910B2 JP 3203709 A JP3203709 A JP 3203709A JP 20370991 A JP20370991 A JP 20370991A JP 2992910 B2 JP2992910 B2 JP 2992910B2
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清 ▲瀧▼本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報の記録あるいは再
生等を行う情報処理装置に関し、更に詳しくは、一方を
プローブ電極とした少なくとも一対の電極間に配置した
記録媒体が、電解質の存在下で電気化学的な酸化還元反
応によって、可逆的な状態変化を起こすことを用いた情
報処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メモリ材料の用途は、コンピュー
タおよびその関連機器,ビデオディスク,ディジタルオ
ーディオディスク等のエレクトロニクス産業の中核をな
すものであり、その材料開発も極めて活発に進んでい
る。メモリ材料に要求される性能は用途により異なる
が、一般的に高密度で記録容量が大きいものが必要とさ
れている。
【0003】従来までは磁性体や半導体を素材とした半
導体メモリや磁気メモリが主であったが、近年レーザー
技術の進展に伴い、有機色素,フォトポリマーなどの有
機薄膜を用いた光メモリによる安価で高密度な記録媒体
が登場してきた。
【0004】光メモリにおいては、記録媒体の表面の凹
凸、反射率の差異を利用して、μmオーダーの高密度記
録再生が可能になってきた。かかる記録媒体として金属
または金属化合物の薄膜、有機色素薄膜等が用いられ、
レーザー光の熱を利用して、蒸発・溶融により穴をあけ
たり反射率を変化させて、情報を記録しており、かかる
方法においては、使用するレーザー光のスポット径が記
録密度を規定している。さらに、現在にあっては、映像
情報化が急速に進んでおり、より小型で大容量の高密度
メモリの開発の要求が高まっている。
【0005】一方、最近、導体の表面原子の電子構造を
直接観察できる走査型トンネル顕微鏡(以後、STMと
略す)が開発され[G.Binning et a
l.,Helvetica Physica Act
a,55,726(1982)]、単結晶、非晶質を問
わず実空間像が高い分解能で測定ができるようになり、
しかも、電流による損傷を媒体に与えることなく、低電
力で観測できる利点をも有し、さらに大気中でも作動
し、種々の材料に対して用いることができるため、広範
囲な応用が期待されている。
【0006】このSTMは、金属の探針と導電性物質の
間に電圧を加えて1nm程度の距離まで近づけると、そ
の間にトンネル電流が流れることを利用している。この
電流は両者の間の距離変化に非常に敏感であり、トンネ
ル電流を一定に保つように探針を走査することにより、
実空間の表面構造を描くことができると同時に、表面原
子の全電子雲に関する種々の情報をも読み取ることがで
きる。
【0007】かかるSTMの記録再生技術への応用とし
ては、電子ビーム,イオンビーム,X線あるいは光など
の電磁波により、記録媒体の表面状態を変化させて記録
しSTMで再生する方法や、記録媒体として電圧電流特
性においてメモリ効果を有する材料、例えばカルコゲン
化物類の薄膜層やπ電子系有機化合物の薄膜層を用い
て、記録再生をSTMを用いて行う方法が提案されてい
る。
【0008】また、STMのプローブ電極に電界放出が
生じる電圧をかけRh−Zr合金の試料表面に局所的に
溶融させてコーン状の突起を作るという試みがなされて
いる[U.Stafer et al.,Appl.P
hys.Lett.51(4)27 July 198
7]。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、酸化
還元反応により、記録媒体上の非常に微小な領域に、可
逆な状態変化を生ぜしめることにより、メモリー性を有
した従来より高密度でかつ消去可能な情報処理装置を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するための構成として、第1に、少なくとも1つのプロ
ーブ電極と該プローブ電極と対向配置した作用電極とを
有し、可動イオンを供給する電解質及び該電解質の存在
下で外部からの電圧印加によって酸化状態と還元状態と
の間の可逆的な変化を容易に制御しうる記録媒体が前記
プローブ電極と前記作用電極の間に配置され、更に、前
記プローブ電極と前記作用電極との間に電圧を印加する
手段と前記プローブ電極と前記記録媒体との距離を制御
する手段を設けた装置であって、前記記録媒体の状態変
化における酸化反応又は還元反応に対する反応を補償す
る反応補償領域を、プローブ最先端部を除くプローブ上
又はその近傍、或いは記録媒体表面近傍に備えた情報処
理装置、としている点にある。
【0011】すなわち、本発明の第1の特徴は、図1で
示すように、プローブ電極3と作用電極4との間にバイ
アス電圧を印加するによって、記録媒体(基板上に作用
電極4及び記録層5を積層したもの)に惹き起こされる
酸化反応又は還元反応の電荷補償を行う反応補償領域6
を備えることにあり、プローブ電極3最先端を除くプロ
ーブ電極上に設けるか、プローブ電極3及び記録媒体表
面近傍に新たに専用電極を備える構成にある。
【0012】本発明の第2の特徴は、前記反応補償領域
6が、記録媒体と同一材料で形成され、かつ、その初期
状態において補償領域の酸化還元状態が記録媒体の逆状
態に設定されていることにある。
【0013】一般に電気化学反応系における電極反応で
は、二電極間で電荷の補償が行われることによって、電
荷が蓄積することなく反応が進行する。例えば、一方の
電極で電子放出を伴う酸化反応が起こった場合、他方の
電極では電子付加を伴う還元反応が進行し、電子の収支
が相殺され電荷が補償される。また、測定用電解液セル
における反応系では、注目する測定材料の形成される作
用電極に対して、対向電極として、それ自身は反応しな
いが触媒作用が強いPt,Au,Ir等の貴金属又はカ
ーボンが用いられる。この場合、作用電極4で進行する
酸化反応又は還元反応の補償反応として対向電極側で発
生する対反応としては、ガスの発生又は反応生成物の析
出を伴う反応が殆どであり、系全体としては非可逆な反
応系である。測定セルの場合は、対向電極表面積を作用
電極に比べて遥かに大きくすると同時に、電解液の補
充,撹拌又は洗浄による対向電極表面吸着ガス又は反応
生成物の脱離を行うことができるために非可逆な反応系
であることは問題とならない。
【0014】しかし、STMメモリーシステムとして考
える場合には、対向電極に相当するプローブ電極、特に
その先端部におけるガスの発生や反応生成物の析出は、
プローブ電極先端部が関与するトンネル電流を用いた距
離制御,再生等のSTM動作に支障をきたすことにな
る。同時に非可逆な系では、ガス発生に伴う膜剥離,耐
久性,特性劣化等の点で問題があり、系全体としてガス
発生や反応生成物析出の起こらない可逆な反応系が望ま
しい。
【0015】そこで、本発明においては、STM動作の
要であるプローブ電極3先端部において不要な副反応が
起こらない様に、プローブ先端部近傍に反応媒体側で進
行する酸化反応又は還元反応の対反応を補償する領域を
設け、系全体として可逆な反応系を成立させることを提
案する。
【0016】反応補償領域6における反応は、その反応
電位がプローブ電極先端部におけるガス発生電位又は副
反応生成物析出電位よりも小さく、かつ可動イオンの収
支を含めた反応系全体として可逆的であればよい。
【0017】特に、本発明においては、理想的な補償反
応として記録媒体で進行する反応の逆反応を用いること
を提案し、本発明の第2の特徴とする。反応補償領域を
記録媒体と同一材料で形成し、かつその初期状態におい
て、反応補償領域の酸化還元状態を記録媒体の逆状態に
設定することによって、記録媒体と同じ反応電位,反応
当量を有し、同一の可動イオンを付加,脱離する理想的
な可逆反応系を実現することができる。
【0018】本発明においては、一方の電極に少なくと
も1つのプローブ電極を用い、更にプローブ電極をST
Mを用いて記録媒体のごく近傍、およそ1nm程度まで
近づけることにより酸化還元反応を起こす領域を制限
し、極めて微小な領域に電子状態の異なる分子もしくは
分子団を生ぜしめることによって、高密度記録を達成し
ている。
【0019】かかる電子状態の相異なる領域の識別は、
従来光記録に用いられている読み取りをもってしては不
可能であり、分子近傍の電子雲の拡がりに関して極めて
敏感なSTMを利用して初めて可能となる。具体的には
プローブ電極と対向電極間に流れるトンネル電流値の変
化により検知するが、トンネル電流値を一定に保つよう
プローブ電極と記録媒体の距離を制御し、その際の制御
信号により検知してもよい。
【0020】本発明に関わる記録媒体及び反応補償体に
用いられる材料としては、広く可逆的な酸化還元反応が
可能な有機化合物及び無機化合物に亘り、典型的な例と
してエレクトロクロミー材料が掲げられる。
【0021】かかるエレクトロクロミズムとは、電気化
学的な酸化還元反応によって、電子移動体の一方もしく
は両方が着色する現象をいい、金属イオンあるいは有機
分子の価数の変化により、電子状態及びそのバンド構造
が変化することにより、吸収スペクトルあるいは導電率
といった物理特性が可逆的にスウィッチングするもので
ある。かかるメモリー性に鑑み、表示用途以外に記録媒
体としての応用も有望視されている。有機物ではビオロ
ゲンポリマー,スチリル類化合物,希土類ジフタロシア
ニン,TTF化ポリスチレン等、或いは主に電解重合膜
のドーピングによって得られ易いポリチオフェン,ポリ
アニリン,ポリピロール,ポリチェニレン等の導電性高
分子群等々、無機物ではWO3,IrOX等の遷移金属酸
化物等が代表的である。
【0022】次に、前記目的を達成できる第2の構成
は、少なくとも1つのプローブ電極と該プローブ電極と
対向配置した作用電極とを有し、可動イオンを供給する
電解質及び該電解質の存在下で外部からの電圧印加によ
って酸化状態と還元状態との間の可逆的な変化を容易に
制御しうる記録媒体が前記プローブ電極と前記作用電極
の間に配置され、更に、前記プローブ電極と前記作用電
極との間に電圧を印加する手段と前記プローブ電極と前
記記録媒体との距離を制御する手段を設けた装置であっ
て、前記記録媒体の酸化状態と還元状態間の変化に関与
する電子が、前記プローブ電極と前記記録媒体間に発生
するトンネル電流によって供給される情報処理装置、と
している点にある。
【0023】ここで、前記電解質は電解液であって、前
記記録媒体面近傍に電位規制用の基準参照電極を備え、
又前記プローブ電極の最先端部を除いた電解液に浸漬さ
れた部位が不活性絶縁材料で被覆されている構成とする
点、また、前記電解質は、ゲル状又は固体状電解質であ
って、該ゲル状又は固体状電解質が前記記録媒体と前記
作用電極との間に配置される構成とする点、さらには、
前記記録媒体と前記作用電極との間に電子阻止層を配置
することをも構成とする点、また、前記記録媒体と前記
作用電極が互いに伝導型の異なる半導体材料であり、両
者の接合界面がダイオード特性を有する構成とする点、
また、前記作用電極に対向する、前記プローブ電極以外
の第2の対向電極を有する構成とする点、等を満足した
情報処理装置をも特徴とするものである。
【0024】以下、本発明の構成及び作用についてさら
に詳述する。
【0025】本発明では、プローブ電極と作用電極との
間に印加される電圧によって惹き起こされる、記録媒体
における可逆な酸化還元反応に関与する電子が、少なく
とも記録時においてはプローブ電極と記録媒体間に生ず
るトンネル電流によって供給されることにある。これに
よれば、関与電子がプローブ最先端の数原子のみからの
トンネル電子であるため、記録媒体において惹き起こさ
れる酸化還元反応も実効トンネル電流域に限定され、十
数Å〜百Åφ以下の極微な領域に限定した可逆的状態変
化を制御することが可能となる。
【0026】以下、図2を用いて上述した本発明の特徴
をさらに詳しく説明する。一般に可動イオンの付加,脱
離を伴う可逆的な酸化還元反応は、陽イオン(Kati
on)K+,陰イオン(Anion)A-とすれば、化学
式1又は化学式2で表わせる。
【0027】
【化1】
【0028】
【化2】 ここで、電解質が電解液である一般的な系の場合を考え
る。図2(a)に示す様に、電解セル容器2内に満たさ
れた可動陽イオンK+を含む電解液中で、作用電極4上
に形成された反応媒体5と先端の尖ったプローブ電極3
が対向する反応系において、プローブ電極3側を作用電
極4に対して正方向にバイアスすることによって、陽イ
オンK+が反応媒体5中に強制的にドリフトし、同時に
作用電極4側から注入される電子によって化1式に示す
順方向反応が進行し生成物MKが作られる。
【0029】酸化還元反応を起こすために、可動イオン
を媒体中に強制的にドリフトする方向に電圧印加した場
合には、この反応に関与する電子は常に反応媒体5の形
成された作用電極4側より供給される。一方、逆方向バ
イアスでは、陽イオンK+はプローブ電極3周辺部に集
まり、反応媒体5中には導入されず、従って反応が進行
しない。化1式の逆反応(図2(b))、化式2の順反
応(図2(c))、化式2の逆反応(図2(d))の場
合でも状況は同じであり、各反応の進行する方向に反応
媒体5中に可動イオンを注入又は注出する方向に、作用
電極4及びプローブ電極3間にバイアス印加する場合に
は、各反応に関与する電子は常に作用電極4側から供給
されるため、プローブ電極3,作用電極4間に発生する
トンネル電子は反応に関与できない。一方、逆方向のバ
イアス印加では可動イオンが関与できず、従って反応は
進行しない。
【0030】しかしながら、作用電極4側からの注出入
電子が関与する反応における反応領域は、バイアス印加
によってプローブ電極3,作用電極4間に発生する広が
りのある電界に相当する数百nmφ以上の比較的大きな
ものであり、本発明の趣旨に適わない。
【0031】そこで、前述本発明を実現する構成上の特
徴として、作用電極4と反応媒体5間に電子阻止層19
を形成するか、又は反応媒体5と作用電極4に夫々電導
型の異なる半導体材料を用い、バイアス印加時に電子障
壁層を形成することによって、反応媒体5と作用電極4
間の電子移動を遮断することを提案する。図2(a)に
示す様に、まず化式1の順方向反応を起こすために、プ
ローブ電極3電位を作用電極4に対して正方向にバイア
スし、電解液中の陽イオンを反応媒体5中に強制的にド
リフトさせる。しかし、この時作用電極4からの電子は
上述の電子阻止層19によって遮断されているため、反
応は進行しない。陽イオン供給直後に反対極性のパルス
電圧を印加し、反応媒体5中の陽イオンが電解液中に拡
散又はドリフトする前にプローブ先端部よりトンネル電
子を供給することによって、化1式の順方向反応を進行
させることが可能となる。この場合、反応領域はトンネ
ル電流領域に限定され、十数Åφ〜百Åφの極微領域で
の可逆な酸化還元反応を実現でき、この反応領域を記録
ビットとすれば、従来よりはるかに高密度な記録再生等
が可能な情報処理装置を提供することができる。
【0032】化1式の逆反応,化2式の順反応及び逆反
応(図2(b))についても同様で、まず可動イオンを
反応方向に注出入させ、電子のトンネル時間がイオンの
移動時間に比べてはるかに短いことを利用して、イオン
が逆拡散又は逆方向ドリフトする前にプローブ電極3及
び反応媒体5間でトンネル電子の注出入を行うことによ
って、トンネル電子の関与する酸化還元反応を進行する
ことができる。図2ではプローブ電極3の極性を切り換
えることによって可動イオンの注出入,トンネル電子の
注出入を行なったが、可動イオンの注出入用の対向平坦
電極を別に設け、プローブ電極3はトンネル電子発生時
のみ制御電極的に使用するようにしてもよい。図2
(c),(d)は、反応媒体5と作用電極4との導電型
を異ならせpn接合を形成するもので、反応の進行する
方向で逆方向バイアスとなるようにすれば、電子阻止層
19を設けることなく作用電極4側からの電子供給を遮
断することができる。
【0033】以上の様にして、トンネル電子によって極
微領域の酸化還元反応を起こす、即ち記録するためには
上記プローブ電極3と記録媒体の記録層5(前述反応媒
体5に相当)との距離を10Å以内の距離に、0.1Å
以下の精度で制御し、プローブ電極3及び記録媒体間に
電圧印加した時に発生するトンネル電流を検知し、前述
したSTM解析技術を応用することにより実現可能であ
る。記録ビットを再生する場合も同様で、反応した記録
ビットの導電率,表面仕事関数,分子間結合状態,分子
団サイズ等の物理状態の違いに対応した電子状態の相異
を反映するトンネル電流を検知し、STM技術によって
Åオーダーの面内方向分解能を実現することができる。
【0034】さて、大気中,真空中と比較して、電解液
中でのSTM解析において特に問題となるのは、可動イ
オンの移動に伴って発生するファラダイックな電流とト
ンネル電流との識別が困難なことであり、その解決の為
には距離制御,再生時においては記録媒体の記録層5表
面及びプローブ電極3表面の電位を表面反応の発生する
反応電位以下に抑えること、更に、例え反応が起こって
も影響が最小となる様に反応面積を必要最小限に抑える
ことが重要である。
【0035】そこで、本発明の次なる特徴として、電解
液中でのシステムにおいては、記録層5表面及びプロー
ブ電極3表面の電位を規制する参照電極7を記録媒体面
近傍に有し(図1参照)、更にトンネル電子発生部であ
るプローブ電極3最先端部1nm〜数百nmφの領域を
除く電解液中浸漬部が、高分子ポリマー又はガラス等の
不活性な絶縁材で被覆され、不要な表面反応の発生する
領域を最小限に制限することを提案し、上述要求を満足
する。
【0036】本発明の次なる特徴は、電解質として固体
状又はゲル状電解質を用い、記録層5と作用電極4との
間に電解質を配置し、プローブ電極3及び作用電極4間
に一方向のバイアス電圧を印加することによって、電解
質と記録媒体間での可動イオンの注出入、及び記録媒体
とプローブ電極間でのトンネル電子注出入を同時に成立
させる構成を提案することにある。
【0037】本発明に関わる記録層5としては、広く可
逆的な酸化還元反応が可能な有機化合物,無機化合物に
亘り、典型的な例としてエレクトロクロミー材料が掲げ
られる。エレクトロクロミズムとは、電気化学的な酸化
還元反応によって、電子移動体の一方もしくは両方が着
色する現象であり、金属イオンあるいは有機分子の価数
の変化により、電子状態及びそのバンド構造が変化する
ことにより、吸収スペクトル,導電率といった物理特性
が可逆的にスイッチング可能で、メモリー性も有するた
め表示用途以外に記録媒体としての応用も有望視されて
いる。有機物では、ビオロゲンポリマー,スチリル類化
合物,希土類ジフタロシアニン,TTF化ポリスチレン
等、或いは主に電解重合膜のドーピングによって得られ
易いポリチオフェン,ポリアニリン,ポリピロール,ポ
リチェニレン等の導電性高分子群等々、無機物ではWO
3,IrOx等の遷移金属酸化物等が代表的である。
【0038】電子阻止層19としては、Al23等の各
種酸化膜或は窒化膜等の無機材料、有機系ではLB法に
よって良好な絶縁特性の報告されている直鎖脂肪酸系,
ポリイミド系材料が好適である。
【0039】固体状又はゲル状電解質としては、Si
O,MgF2,Cr23,ZrO2,Ta25等の含水誘
電体、又はβ−アルミナ,RbAg45,Li3N,ア
クリルアミドメチル,プロパンスルホン酸ポリマー,N
afion,PbF2,LiF,CaCl2等の反応媒体
に見合った可動イオンを含む固体電解質、又は各種電解
液をポリエーテル系等のポリマーに含漬させてゲル化し
たもの等が考えられる。
【0040】導電性の低い試料をSTMで解析する際、
導電性材料の表面にごく薄く、数十オングストローム以
下の膜厚で形成しなければならない。かかる超薄膜記録
層の形成に関しては、具体的には蒸着法,電解重合法,
プラズマ重合法,MBE法やクラスターイオンビーム法
等の適用も可能であるが、有機物に限定して言えば制御
性,容易性そして再現性から公知の従来技術の中ではラ
ングミュアーブロジェット法(LB法)が極めて好適で
ある。
【0041】かかるLB法は、分子内に親水性部位と疎
水性部位とを有する構造の分子において、両者のバラン
ス(両親媒性のバランス)が適度に保たれている時、分
子は水面上で親水性基を下に向けて単分子の層になるこ
とを利用して単分子膜またはその累積膜を形成する方法
である。
【0042】このLB法によれば、1分子中に疎水性部
位と親水性部位とを有する有機化合物の単分子膜または
その累積膜を基板上に容易に形成することができ、分子
オーダーの厚みを有し、かつ大面積にわたって均一、均
質な有機超薄膜を安定に供給することができる。従っ
て、STMによる解析に必要な超薄膜を容易に形成しう
る。更に、エレクトロクロミズムの弱点である応答速度
に関しても、これを律速している要因は自由電荷のドリ
フト速度であって、かかる超薄膜の状態では問題になら
ない。
【0043】本発明において、無機及び有機材料が積層
された薄膜を支持するための基板としては、金属,ガラ
ス,セラミックス,プラスチック材料等いずれでもよ
い。上記の如き基板は、任意の形状でよく平板状である
のが好ましいが、平板に何ら限定されない。すなわち前
記成膜法においては、基板の表面がいかなる形状であっ
てもその形状通りに膜を形成し得る利点を有するからで
ある。
【0044】一方、本発明で用いられる電極材料も高い
伝導性を有し、かつ電解質と不用な反応を起こさないも
のであれば良く、例えばAu,Pt,Ag,Pd,A
l,In,Sn,Pb,Wなどの金属やこれらの合金、
さらにはグラファイトやシリサイド、またさらにはIT
Oなどの導電性酸化物を始めとして数多くの材料が挙げ
られ、これらの本発明への適用が考えられる。かかる材
料を用いた電極形成法としても従来公知の薄膜技術で充
分である。
【0045】また、プローブ電極3の先端は記録/再生
/消去の分解能を上げるためできるだけ尖らせる必要が
ある。本発明では、1mmφの太さの白金の先端を90
°のコーンになるように機械的に研磨し超高真空中で電
界をかけて表面原子を蒸発させたものを用いているが、
何らこれに限定されるものではない。
【0046】また、プローブ電極3の最先端を除く電解
液中浸漬部は、ポリマー,ガラス等の絶縁不活性材料に
よって被覆されており、プローブ電極表面上での副反応
によるファラダイック電流を極力小さくし、距離制御,
再生時におけるトンネル電流信号のS/N比を保証して
いる。
【0047】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0048】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例を示す情報処理装置を示すブロック構成図である。本
図中、23は電流電圧変換増幅器で、22はプローブ電
流が一定になるように圧電素子を用いた微動駆動機構9
を制御するサーボ回路である。27は参照電極7の電位
を基準にしてプローブ電極3及び作用電極4の表面電位
及び両電極間のバイアス電圧を制御する電位規制回路、
26はプローブ電極3と作用電極4の間に記録/消去用
のパルス電圧を印加するためのパルス印加回路である。
【0049】ここで、パルス電圧を印加するときプロー
ブ電流が急激に変化することから、サーボ回路22はそ
の間出力電圧が一定になるように、HOLD回路をON
にするように制御している。
【0050】25はXY方向にプローブ電極3を移動制
御するためのXY走査駆動回路である。粗動駆動機構1
0と粗動駆動回路24は、あらかじめ10-9A程度のプ
ローブ電流が得られるようにプローブ電極3と記録層5
との距離を粗動制御するものである。これらの各機能
は、すべてコンピュータ21により中央制御されてい
る。
【0051】本実施例では、プローブ電極3として、白
金製のプローブ電極を用いた。このプローブ電極3は、
記録層5の表面との間に流れるトンネル電流を一定に保
つように、圧電素子によりその距離(Z)を微動制御さ
れている。更に微動駆動機構9は距離Zを一定に保った
まま、面内(X,Y)方向にも微動制御できるように設
計されている。
【0052】本発明に係る反応補償領域6は、プローブ
電極3及び記録層5表面の近傍に、記録層5に対向する
平坦な電極上に配置され、固定されていてもよいが、望
ましくは、独立又はプローブ電極3に連動して駆動制御
される。
【0053】かかる反応補償領域6は、記録層5と同一
材料にて形成される。本実施例では、LB法を用いてル
テチウムジフタロシアニン[LuH(Pc)2]のt−
ブチル誘導体の単分子膜が形成された。以下にその詳細
を示す。
【0054】光学研磨したガラス基板を中性洗剤および
トリクレンを用いて洗浄した後、スパッタ法によりIT
Oを真空蒸着し、電極を形成した。次に、[LuH(P
c)2]のt−ブチル誘導体をクロロホルム/トリメチ
ルベンゼン/アセトン(1/1/2)混合溶媒に溶か
し、濃度0.5mg/mlの溶液を得た。上述の基板を
20℃の純粋水相中に水没させた後上記溶液を水相上に
展開し、水面上に単分子膜を形成した。溶媒の蒸発を待
ち、単分子膜の表面圧を20mN/mまで高め、更にこ
れを一定に保ちながら前記基板を水面を横切るように速
度3mm/分で静かに引きあげ、基板上に単分子膜を形
成した。記録層5も全く同様にして形成される。
【0055】反応補償領域6の電位は、電位規制回路2
7によって独立に制御されてもよいが、本実施例ではプ
ローブ電極3と等電位に設定されている。
【0056】本実施例のように、反応補償領域6が記録
層5と同一材料で形成される場合には、反応補償領域6
の初期状態は記録層5と反応の状態に設定される。即
ち、予めKClを電解液とする他の電解セルにて形成
し、初期還元状態である[LuH(Pc)2]と反対の
酸化状態[LuH(Pc)2]・2Clに初期設定され
た後、プローブ電極3,作用電極4及び反応補償領域6
の形成された反応補償電極より構成される反応系が電位
規制回路27を中継して閉じられる。電解液1は1MK
Cl水溶液を用い、各電極が浸漬するまで加えられた。
【0057】以下、記録・再生動作について順に説明す
る。プローブ電極3と記録層5の間の距離設定は、電子
規制回路27(ポテンショスタット)によって各電極電
位を規制しながら、プローブ電極3に記録層5表面電位
に対して−0.3Vの電圧を印加した状態で、粗動駆動
回路24を介して圧電ピエゾ素子等で構成される粗動駆
動機構10によって、徐々に記録層5をプローブ電極3
に接近させて行く。同時に、プローブ電極3と作用電極
4間に流れる電流をモニターしながら、両電極間にトン
ネル電流が発生し始める〜10Åの距離で粗動駆動を停
止し、次に微動駆動機構9によって設定距離に対応する
トンネル電流値になるように、サーボ回路22を介して
プローブ電極3を引き込む。以後XY走査駆動回路25
を介して微動駆動機構9によってX,Y走査を行いなが
ら、トンネル電流が一定となる様にサーボ回路22を働
らかせ、この時サーボ回路22の出力電圧である微動駆
動機構9へのZ方向制御信号をモニタすることによっ
て、記録層5表面の凹凸状態又は電子状態を検知するこ
とができる。
【0058】以上の様にして、まず数百nm□の領域を
走査し、数Å〜十数Å以内の範囲で十分に平坦であるこ
とを確認した後、領域中心位置にてZ方向サーボ信号及
びXY走査信号をホールドしてプローブ電極3を固定し
た後、プローブ電極3及び反応補償電極に記録層5表面
に対して+1.5Vのパルス電圧を印加することによっ
て、図3(a)に示す様に、記録層5ではアニオン(A
-,ここではCl-)が注入されると、同時に電子が作用
電極4に放出され、化学式3
【0059】
【化3】 の酸化反応が進行し、プローブ電極3と作用電極4間の
距離に依存した電界の広がりに相当する、数十nm〜百
数十nmφの微小な記録ビットが形成される。ここで、
もし反応補償電極がない場合、記録層5における酸化反
応の対反応としてプローブ電極表面にてK++e-→Kの
還元反応が進行し、プローブ電極上にカリウムが析出す
る。電解液としてHClを用いた場合には、2H++2
-→H2の還元反応が進行し、プローブ電極表面よりH
2ガスが発生する。いずれの場合も、プローブ電極3に
よる距離制御再生等のSTM動作に重大な支障を来たす
恐れがある。これに対して、本発明による構成では、電
解液としてHClを用いた場合には図3(a)に示すよ
うに記録層5での酸化反応と平行して、反応補償領域6
にてアニオンCl-放出に伴う化学式4
【0060】
【化4】 の還元反応が進行するため、反応生成分析出,ガス発生
等の副反応の心配がなく、反応系全体として良好な可逆
性を維持することができ、本発明の目的を達成できる。
【0061】再生は、プローブ電極3を記録層5表面に
対して−0.3Vに保ったまま、記録前に走査した周辺
数百nmの領域を再走査することにより行う。記録ビッ
トが形成された[LuH(Pc)2]・2Clの酸化領
域では、20〜150nmφの領域に対応して凹凸状態
又は電子状態の顕著な変化が認められ、トンネル電流換
算で3桁の信号変化が検出される。
【0062】一方、消去は、プローブ電極3及び反応補
償電極に記録層5表面に対して−1.5Vのパルス電圧
を印加することによって、記録層5側では記録時の逆反
応である還元反応が進行し、同時に反応補償領域では対
反応である酸化反応が進行し、両者間で可動イオン,電
子の補償が行われる。パルス印加後、記録ビットは初期
状態へと還元され、消去可能であることを確認した。
【0063】図3(b)は、記録層5と作用電極4間に
電子阻止層19が設けられた場合の原理図である。この
場合には、記録層5と作用電極4間での電子の移動が遮
断されるため、記録時においても、記録層5上での酸化
還元反応に関与する電子はプローブ電極3及び記録層5
間に発生するトンネル電流によって供給される。従っ
て、形成される記録ビットは、プローブ電極3の先端数
原子のみが関与する実効トンネル電流域に相当する1n
m〜10nmφの極微の記録ビットを形成することがで
きる。記録は2段階に分けて行われ、まず第一段階でプ
ローブ電極,反応補償電極電位を−1.5V(記録層表
面に対して)にバイアスし、記録層側ではアニオンCl
-が注入され、一方反応補償電極側では還元反応が進行
する。ここで、第2段階として、逆極性パルス+2.5
V(作用電極4に対して)をプローブ電極3に印加する
ことによって、プローブ電極3及び記録層5間でトンネ
ル電流が発生し、記録層中の過剰電子がトンネル電子と
して放出され、記録層5における酸化反応が進行する。
【0064】(実施例2)実施例1では特に反応補償領
域6の材料が記録層5と同一材料の場合について述べた
が、特に同一材料に限定されることはなく、反応電位が
ガス発生や反応生成物析出電位よりも低い可逆な酸化還
元反応が可能で、相方の可動イオンを供給できる適当な
電解質が存在するような材料であればよい。例えば、
[LuH(Pc)2]を記録層5とする系で、典型的な
無機エレクトロクロミック材料である三酸化タングステ
ンWO3を反応補償領域材料として用いることができ
る。
【0065】ここで、電解液を0.5MHCl水溶液と
した場合に、記録時に記録層5で進行する酸化反応、化
学式5
【0066】
【化5】 に対する対反応として、反応補償領域において、化学式
【0067】
【化6】 の還元反応が進行し、電解液の分解反応、化学式7
【0068】
【化7】 に伴う可動イオンと電子の収支を補償し、系全体として
ガス発生や反応生成物析出などのない良好な可逆性を維
持することができる。
【0069】(実施例3)実施例1では反応補償領域6
を、プローブ電極3及び記録層5とは異なる、新たに設
けられた補償電極上に形成したが、必らずしもこれに限
定されることはない。図4(a)はプローブ電極3の最
先端部を除く電極表面上に、不活性絶縁被膜を設ける代
わりに反応補償領域6を形成するもので、プローブ電極
先端部に最も近い理想的配置であると同時に、新たに電
極を設ける必要がないという利点を有する。
【0070】また、図4(b)は反応補償領域6を記録
媒体と同一の支持体上に一体形成するもので、反応補償
領域6が記録層5と同一材料の場合には、単に支持体上
に作用電極4,記録層5を形成する時に、ウェット処理
或いはドライエッチング等により、互いに絶縁された二
つの領域に分割するのみでよく、形成後片側を異なる初
期状態に設定し、プローブ電極3と等電位に配線するこ
とによって、反応補償領域6として使用することができ
る。
【0071】図5(a)〜(c)は、半導体プロセスを
応用したマイクロメカニクス技術を応用して、本発明に
よるシステムを集積して複数個形成する概念図である。
同一Si基板18上に、ZnO等の圧電薄膜バイモルフ
構造による微動駆動用カンチレバー型アクチュエータ1
2を数十〜数百個形成したものであり、各カンチレバー
上には図示するように駆動電極14の他に、プローブ電
極3とプローブ電極を取り囲むようにして形成された電
極13上に反応補償領域6が設けられている。また、参
照電極7は支持Si基板18上に固定されているが、各
カンチレバー上あるいはプローブ電極近傍に夫々設ける
ようにしてもよい。また、駆動電極14及び配線電極1
5,16は、不要な副反応を防止するために、不活性絶
縁被覆膜17で被覆する必要がある。
【0072】(実施例4)実施例1〜3は全て電解質と
して電解液を用いる系におけるものであったが、本実施
例では電解質としてゲル状又は固体状電解質を用いるこ
とによって、図6に示す如く、作用電極4上に固体電解
質1を記録層5と反応補償領域(層)6で挟持するよう
にして形成した構成であり、記録媒体部として一体化し
たことを特徴とする。
【0073】例えば、記録層5及び反応補償層6として
実施例1で述べた[LuH(Pc)2]t−ブチル誘導
体を用いる場合、固体電解質層として二フッ化鉛PbF
22を用いることができる。まず、ITO作用電極4上
に[LuH(Pc)2]tブチル誘導体単分子膜を前述
LB法にて形成した後、フッ化物水溶液電解セル中にて
酸化し[LuH(Pc)2]・2Fとし、ひき続きPb
2をモリブデンボートを550〜600℃に加熱し、
蒸着前真空度5×10-6torr,蒸着速度5Å/se
cの条件で50〜500Å真空蒸着し、最後に再び[L
uH(Pc)2]t−ブチル誘導体を同様に単分子層に
形成することによって、一体化記録媒体部を得る。
【0074】プローブ電極3に−0.3V(作用電極4
に対して)印加し、その時発生するトンネル電流をモニ
タしながら、実施例1と同様にSTM動作を行い、プロ
ーブ電極3と記録層5の距離を数Åに制御した後、プロ
ーブ電極3に+2.0V(作用電極4に対して)パルス
印加することによって固体電解質層1よりアニオンF-
が注入されると同時に、記録層5よりプローブ電極3の
最先端数原子に向かってトンネル電子が放出され、その
実効トンネル電流域に相当する極微領域において、化学
式8
【0075】
【化8】 の酸化反応が進行し、十数Å〜数十Åφの極微の記録ビ
ットを形成することができる。一方、平行して反応補償
層6では対反応として、化学式9
【0076】
【化9】 の還元反応が進行し、系全体としてガス発生や反応生成
物析出などのない良好な可逆性を維持することができ、
ガス発生に伴う界面剥離等による特性劣化のない高い信
頼性を達成することができる。
【0077】再生は、プローブ電極3に−0.3V(作
用電極4に対して)の電圧、消去は、プローブ電極3に
−2.0V(作用電極4に対して)のパルス電圧を印加
することによって、実施例1と同様に行うことができ
る。
【0078】他の記録層材料,補償層材料と固体電解質
との組み合わせとして、例えば、記録層と補償層に同一
材料を用いる場合として、無機エレクトロクロミー材料
として有名なWO3又はIrOxと、固体電解質層として
良好なプロトン導伝体であるTa25の組み合わせ、又
は記録層,補償層材料としてアニリンモノマーを含む過
塩素酸水溶液系から電解重合されたドーピング膜である
ポリアニリンと、ゲル状電解質としてLiBF4又はL
iClO4/プロピレンカーボネイト溶液をポリマーと
混合してゲル化したものの組み合わせ、或いは更に、こ
れらの記録層,補償層材料を互いに異なる組み合わせで
用いる場合等々、様々な材料構成を考えることができ
る。
【0079】(実施例5)図7に示すのは、本実施例に
係る情報処理装置のブロック構成図である。本図中、プ
ローブ電極3は、記録層5表面との間に流れるトンネル
電流を一定に保つように、圧電素子によりその距離
(Z)を微動制御されている。更に微動駆動機構9は距
離Zを一定に保ったまま、面内(X,Y)方向にも微動
制御できるように設計されている。
【0080】さて、本実施例においては、記録,再生,
消去に使われるプローブ電極3は、電極表面上における
副反応によるファラダイック電流を極力小さくし、距離
制御,再生時におけるトンネル電流信号S/N比を大き
くするために、プローブ最先端部を除く電解液中浸漬部
は、ポリマー,ガラス等の不活性絶縁被覆膜8によって
被覆されている。プローブ電極3の近傍には、Ag・A
gCl型又はPt,Au wire等の簡易型の参照電
極7が設けられており、電解液系の電位基準として、電
位規制回路(ポテンショスタット)27を介在して、プ
ローブ電極3,記録層5の各表面の電位を規制し、電極
近傍の電気二重層又は記録時の電極反応に伴う電位変動
を補正している。記録媒体部は、支持体の上に形成され
た作用電極4と、その上に形成された電子阻止層19、
更にその上に形成された記録層5によって構成されてお
り、作用電極4と記録層5の間の電子移動は遮断されて
いる。本実施例では記録層5としてルテシウム,ジフタ
ロシアニン[LuH(Pc)2]のt−ブチル誘導体の
単分子膜、電子阻止層19としてカプトン型ポリイミド
の2層膜を用い、いずれもLB法にて形成した。
【0081】以下に、その詳細を記す。まず、光学研磨
したガラス基板を中性洗剤およびトリクレンを用いて洗
浄した後、スパッタ法によりITOを真空蒸着し、作用
電極4を形成した。カプトン型ポリイミド膜は、水相と
して純水を用い、表面圧35mN/m,累積速度5mm
/minで垂直浸漬法により上記ITO電極4上にポリ
イミドの前駆体であるPAADをYタイプに2層積層し
た後イミド化処理を行い作製した。イミド化処理は、無
水酢酸,ピリジン,ベンゼン混合液による化学処理によ
った。
【0082】次に、[LuH(Pc)2]t−ブチル誘
導体のクロロホルム/トリメチルベンゼン/アセトン
(1/1/2)混合溶媒による濃度0.5mg/mlの
溶液を用い、同様に水相として純水,垂直浸漬法によっ
て表面圧20mN/m,累積速度3mm/minの条件
で、前述のポリイミド2層膜上に[LuH(Pc)2
のt−ブチル誘導体の単分子膜を形成した。
【0083】以上の様にして形成された記録媒体部を、
電解セル容器2の底面上に固定し、次いで電解質1とし
て塩化カリウム(KCl)水溶液を記録層5及びプロー
ブ電極3,参照電極7が浸るまで加えた。
【0084】以下、記録,再生動作について順に説明す
る。プローブ電極3と記録層5の間の距離設定は、電位
規制回路27によって各電極電位を規制しながら、プロ
ーブ電極3に記録層表面電位に対して−0.3Vの電圧
を印加した状態で、粗動駆動回路24を介して圧電ピエ
ゾ素子等で構成される粗動機構10により、徐々に記録
層5をプローブ電極3に接近させて行く。同時に、プロ
ーブ電極3と作用電極4間に流れる電流をモニターしな
がら、両電極間にトンネル電流が発生し始める〜10Å
の距離で粗動駆動を停止し、次に微動駆動機構9によっ
て、設定距離に対応するトンネル電流値になるように、
サーボ回路22を介してプローブ電極3を引き込む。以
後、XY走査駆動回路25を介して微動駆動機構9によ
ってX,Y走査を行いながら、トンネル電流が一定とな
る様にサーボ回路22を働らかせ、この時サーボ回路2
2の出力電圧である微動駆動機構9へのZ方向制御信号
をモニタすることによって、記録層表面の凹凸状態、又
は電子状態を検知することができる。
【0085】以上の様にして、まず数十nm□の領域を
走査し、数Å〜十数Å以内の範囲で十分に平坦であるこ
とを確認した後、プローブ電極3を領域中心位置で、Z
方向微駆動サーボ信号及びXY走査信号をホールドし固
定した後、まずAg・AgCl参照電極7に対してプロ
ーブ電極3電位を−1.5V(参照電極7に対して)記
録層表面電位を0V(参照電極7に対して)に維持し、
電解液中のCl-イオンを記録層中にドリフト注入す
る。この時、もしポリイミド2分子膜からなる電子阻止
層19がなければ、記録層5側から作用電極4へ電子が
放出され、化学式10
【0086】
【化10】 の酸化反応が進行し、プローブ電極3と作用電極4間距
離に依存した電界の広がりに対応する比較的大きな領域
に渡って、酸化領域即ち記録ビットが形成されることに
なる。ところが、本実施例における構成では、電子阻止
層19の存在により電子の放出は行われず、従って上記
酸化反応は進行せず、注入されたアニオンCl-はイオ
ンのまま記録層中に残される。然る後に、プローブ電極
3,記録層表面間に逆極性の2.5Vパルス電圧を印加
することによって、パルス印加時のみプローブ電極電位
(記録層5表面に対して)は1.0Vとなり、記録層表
面上のプローブ電極最先端部数原子に対応する極微領域
より、プローブ電極最先端部数原子に向かってトンネル
電子が発生し、その極微領域に対応する[LuH(P
c)2]分子のみで前述の酸化反応が進行する。この場
合、反応領域は実効トンネル電流域に限定され、パルス
幅によっても多少変動はあるが、十数Å〜数十Åφの極
微の記録ビットを形成することができる。パルス印加
後、プローブ電極電位を初期状態の−0.3V(記録層
5表面に対して)に戻すことによって、酸化反応の進行
しなかった他の領域中に残留したCl-イオンは電解液
中へと再放出される。
【0087】再生は、プローブ電位を−0.3V(記録
層5表面に対して)に保ったまま、記録前に走査した周
辺数十nmの領域を再走査することにより行った。記録
ビットが形成された[LuH(Pc)2]・2Clの酸
化領域では、20〜50Åφの領域に対応して凹凸状態
又は電子状態の顕著な変化が認められ、トンネル電流換
算で3桁の信号変化が検出できた。
【0088】消去は、まず記録時と逆極性のプローブ電
位1.5V(参照電極7に対して),記録層表面電位0
V(参照電極7に対して)にバイアスした状態で、両電
極間に逆極性の−2.5Vパルス電圧を印加し、瞬間的
にプローブ電極電位を−1.0V(記録層5表面に対し
て)に変化させることによって行われた。パルス印加と
同時にプローブ電極側から記録層へとトンネル電子が注
入され、記録層中にて化学式11
【0089】
【化11】 の還元反応が進行し、パルス電圧印加期間後アニオンC
-は記録層中から放出され、記録ビットは初期状態へ
と還元し、消去可能であることを確認した。
【0090】(実施例6)図8に本実施例の概略図を示
す。本実施例では、記録層5の形成される作用電極4に
対向する電極として、プローブ電極3以外の第2の対向
電極28が設けられていることを特徴とする。実施例5
ではプローブ電極3を唯一の対向電極として用い、記録
/消去時において、可動イオンを注出入する第1の段階
からトンネル電子を注入する第2の段階へ移行する時
に、逆極性のパルスを重畳することによって反応を進行
させたが、本実施例においては、第1の段階即ち可動イ
オン注出入制御のためのバイアス印加は、記録層5表面
に平行に対向して新たに設けられた平坦な第2の対向電
極28が行い、プローブ電極3は制御電極として用い、
第2の対向電極28のバイアス下で、逆極性パルスを印
加することによって第2の段階であるトンネル電子の注
出入によって反応を進行させる。
【0091】ここで、第2の対向電極13は、支持体に
Au、又はPtを真空蒸着して形成した。記録層5,電
子阻止層19等に用いられる材料,記録/再生/消去に
伴う印加バイアス条件等は、全て実施例5と同様であ
る。
【0092】図9(a)〜(c)は、前述した半導体プ
ロセスを応用したマイクロメカニクス技術を応用して、
上述のシステムを集積して複数個形成する概念図であ
る。同一Si基板18上にZnO等の圧電薄膜バイモル
フ構造による微動駆動カンチレバー型アクチュエータ1
2を数十〜数百個形成したものであり、各カンチレバー
上には図示するように駆動電極14の他に、プローブ電
極3と第2の対向電極28が設けられている。また、図
9(a),(b)では参照電極7は支持Si基板18上
に固定されているが、各カンチレバー上あるいはプロー
ブ電極近傍に夫々設けるようにしてもよい。また、駆動
電極14及び配線電極15,16は、不要な副反応を防
止するために、不活性絶縁性被覆膜17で被覆する必要
がある。
【0093】(実施例7)図10に本実施例の概略図を
示す。
【0094】本実施例の特徴は、電子阻止層19を設け
る代りに、記録層5,作用電極4の各々に、導伝型の異
なる半導体層を用いることによって、接合界面にダイオ
ード特性を持たせ、逆方向バイアス時に発生する電子障
壁を利用するものである。
【0095】例えば、作用電極4として、酸素欠陥型u
型半導体であるITOをスパッタリング法により形成し
た後、記録層5として、無機エレクトロクロミック材料
として有名なP型伝導を示すアリジウム酸水酸化物Ir
x(OH)n-xをひき続き形成することによって実現す
る。かかるIrOx(OH)n-xは、金属Irをターゲッ
トとして、O2,H2雰囲気中で高周波スパッタリングし
50〜500Å形成する。
【0096】電解液として0.05M H2SO4を用
い、書き込みバイアスとして、まずプローブ電極電位を
−1.5V(記録層5表面に対して)に設定し、プロト
ンH+を記録層中に注入する。この時、作用電極4,記
録層5接合界面には空乏層が発生し、電子障壁が形成さ
れる為、作用電極4からは電子は供給されず、プロトン
+はイオンの状態で膜中に留まっており、連続して逆
極性の2.5Vパルス電圧を重畳することによって、プ
ローブ電極3より記録層5にトンネル電子を注入し、化
学式12
【0097】
【化12】 の還元反応を進行させることが可能である。再生,消去
法も実施例1に準ずる。
【0098】他の記録層5としては、例えば、電解重合
法により形成される導伝性高分子群が掲げられる。これ
らの電解重合膜では、電解液中にてアクセプター又はド
ナー型イオン種をドープすることによって容易にその導
伝型を制御することができ、本実施例には好適である。
例えば、アニリンモノマーを含む過塩素水溶液系で電解
重合されたポリアニリンPAnはP型伝導を示す。この
膜は電気化学的に活性であり、アニオン種ClO4 -のド
ープ,脱ドープ反応を可逆的に繰り返すことができる。
【0099】(実施例8)前述実施例5〜7では、全て
電解質として電解液を用いた系におけるものであった
が、本実施例では電解質1として固体電解質を用いるこ
とによって、図11に示す如く、固体電解質層1を記録
層5と作用電極層4とで挟持する構成で、記録媒体部と
して一体化したことを特徴とする。この系においては、
プローブ電極3−作用電極4間の単極性のバイアス印加
で、固体電解質と記録層間での可動イオンの注出入、プ
ローブ電極と記録層間でのトンネル電子の注出入が同時
に成立する利点があり、電解液系で考えたような極性の
反転を伴う2段階の電位制御を必要としない。
【0100】例えば、記録層5として、実施例5で述べ
た[LuH(Pc)2]t−ブチル誘導体を用いる場
合、固体電解質1として、二フッ化鉛PbF2を用いる
ことができる。かかるPbF2は、モリブデンボードを
550〜600℃に加熱し、蒸着前真空度5×10-6
orr,蒸着速度5Å/secの条件で、50〜500
Å真空蒸着することによって形成し、ひき続いて前述L
B法にて[LuH(Pc)2]t−ブチル誘導体単分子
膜を形成する。
【0101】プローブ電極3に−0.3V(作用電極4
に対して)印加し、その時発生するトンネル電流をモニ
タしながら、実施例5と同様にSTM動作を行い、プロ
ーブ電極3と記録層5の距離を数Åに制御した後、プロ
ーブ電極3に+2.0V(作用電極4に対して)パルス
印加することによって、固体電解質層1よりアニオンF
-が注入されると同時に、記録層5よりプローブ電極3
の最先端数原子に向かってトンネル電子が放出され、そ
の実効トンネル電流域に相当する極微領域において、化
学式13
【0102】
【化13】 の酸化反応が進行し、十数Å〜数十Åφの極微の記録ビ
ットを形成することができる。
【0103】再生は、プローブ電極−0.3V(作用電
極4に対して)、消去はプローブ電極−2.0V(作用
電極4に対して)を各々印加することによって、実施例
5と同様に行うことができる。
【0104】他の記録層5,固体電解質1の組み合わせ
としては、例えば、記録層5として代表的な遷移金属酸
化物である三酸化タングステンWO3、固体電解質層1
として良好なプロトン導伝体である五酸化タンタルTa
25の系を掲げることができる。
【0105】プローブ電極3に−1.5V(作用電極4
に対して)パルス電圧を印加することによって、Ta2
5層からはプロトンH+が注入されると同時に、プロー
ブ電極先端数原子からはトンネル電子が放出,注入され
ることによって、化学式14
【0106】
【化14】 の還元反応が進行し、十数Å〜数十Åφの極微の記録ビ
ットが形成される。
【0107】
【発明の効果】以上述べたように、プローブ電極と、可
逆な酸化還元反応を行う記録層と記録層における反応を
補償する領域によって構成される系によって、記録層の
反応に伴うガス発生,反応生成物析出等のない、系全体
として可逆性を有する情報処理装置を提供することによ
って、従来型の光学,磁気メモリ記録に比較して、超高
密度な記録が可能となった。また、先に述べた最近種々
提案されているSTM技術を応用した記録再生方法と比
較しても、消去可能という点で大きな利点を有してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報処理装置を示すブロック図で
ある。
【図2】本発明を説明する原理図である。
【図3】本発明を説明する原理図である。
【図4】本発明による反応補償領域配置のバリエーショ
ンを示す図である。
【図5】本発明によるマルチプローブ電解液システムへ
の応用例を示す図である。
【図6】本発明による固体電解質システムへの応用例を
示す図である。
【図7】本発明の情報処理装置を示すブロック図であ
る。
【図8】本発明による他の実施例の概念図である。
【図9】本発明によるマルチプローブ電解液システムへ
の応用例を示す図である。
【図10】本発明による他の実施例の概念図である。
【図11】本発明による他の実施例の概念図である。
【符号の説明】
1 電解質 2 電解セル容器 3 プローブ電極 4 作用電極 5 記録層(反応媒体) 6 反応補償領域 7 参照電極 8 不活性絶縁被覆膜 9 微動駆動機構 10 粗動駆動機構 11 X,Yステージ 12 カンチレバー型アクチュエータ 13 反応補償電極 14 駆動電極 15 プローブ電極用配線電極 16 反応補償電極用配線電極 17 不活性絶縁被覆膜 18 Si基板 19 電子阻止層 21 コンピュータ 22 サーボ回路 23 電流電圧変換増幅回路 24 粗動駆動回路 25 XY走査駆動回路 26 パルス印加回路 27 電位規制回路 28 第2の対向電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武田 俊彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−76840(JP,A) 特開 平2−146128(JP,A)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つのプローブ電極と該プロ
    ーブ電極と対向配置した作用電極とを有し、可動イオン
    を供給する電解質及び該電解質の存在下で外部からの電
    圧印加によって酸化状態と還元状態との間の可逆的な変
    化を容易に制御しうる記録媒体が前記プローブ電極と前
    記作用電極の間に配置され、更に、前記プローブ電極と
    前記作用電極との間に電圧を印加する手段と前記プロー
    ブ電極と前記記録媒体との距離を制御する手段を設けた
    装置において、 前記記録媒体の状態変化における酸化反応又は還元反応
    に対する反応を補償する反応補償領域を、プローブ最先
    端部を除くプローブ上又はその近傍、或いは記録媒体表
    面近傍に備えていることを特徴とする情報処理装置。
  2. 【請求項2】 前記反応補償領域が、記録媒体と同一材
    料で形成され、その初期状態が記録媒体と反対の状態に
    設定されることを特徴とする請求項1記載の情報処理装
    置。
  3. 【請求項3】 少なくとも1つのプローブ電極と該プロ
    ーブ電極と対向配置した作用電極とを有し、可動イオン
    を供給する電解質及び該電解質の存在下で外部からの電
    圧印加によって酸化状態と還元状態との間の可逆的な変
    化を容易に制御しうる記録媒体が前記プローブ電極と前
    記作用電極の間に配置され、更に、前記プローブ電極と
    前記作用電極との間に電圧を印加する手段と前記プロー
    ブ電極と前記記録媒体との距離を制御する手段を設けた
    装置において、 前記記録媒体の酸化状態と還元状態間の変化に関与する
    電子が、前記プローブ電極と前記記録媒体間に発生する
    トンネル電流によって供給されることを特徴とする情報
    処理装置。
  4. 【請求項4】 前記電解質は電解液であって、前記記録
    媒体面近傍に電位規制用の基準参照電極を備え、又前記
    プローブ電極の最先端部を除いた電解液に浸漬された部
    位が不活性絶縁材料で被覆されていることを特徴とする
    請求項3記載の情報処理装置。
  5. 【請求項5】 前記記録媒体と前記作用電極との間に、
    電子阻止層が配置されていることを特徴とする請求項4
    記載の情報処理装置。
  6. 【請求項6】 前記記録媒体と前記作用電極が互いに伝
    導型の異なる半導体材料であり、両者の接合界面がダイ
    オード特性を有することを特徴とする請求項4記載の情
    報処理装置。
  7. 【請求項7】 前記作用電極に対向する、前記プローブ
    電極以外の第2の対向電極を有することを特徴とする請
    求項5又は6記載の情報処理装置。
  8. 【請求項8】 前記電解質がゲル状又は固体状電解質で
    あって、該ゲル状又は固体状電解質が前記記録媒体と前
    記作用電極との間に配置されることを特徴とする請求項
    3記載の情報処理装置。
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