JP2992677B2 - 骨形成促進医薬組成物 - Google Patents

骨形成促進医薬組成物

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JP2992677B2
JP2992677B2 JP8141286A JP14128696A JP2992677B2 JP 2992677 B2 JP2992677 B2 JP 2992677B2 JP 8141286 A JP8141286 A JP 8141286A JP 14128696 A JP14128696 A JP 14128696A JP 2992677 B2 JP2992677 B2 JP 2992677B2
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哲夫 星野
廣哉 村西
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は骨疾患予防・治療剤
として有用な非ペプチド性骨形成促進作用物質と生体内
分解性高分子重合物とを含有してなる増強された骨形成
作用を有する医薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】骨疾患、特に骨折はスポーツや交通事故
等種々の原因によりあらゆる階層の人々に生じうる傷害
であり、一般的にその治癒には長期を要するために正常
な日常生活の遂行に重大な支障を及ぼす。また近年、人
口の老齢化に伴い骨粗鬆症患者が増加し、それに比例し
て骨粗鬆症関連四肢骨折の発生頻度が著しく増大してい
る。特に大腿骨頸部骨折は、長期の入院と、長期の入院
による痴呆等を含む内科的合併症を高い頻度で伴い、大
きな社会的、経済的重要問題となりつつある。骨折患者
の早期離床を可能とすることは急務の課題である。骨折
治癒は局所に起こり局所で進行していく一つの創傷治癒
である。通常、生体内では骨折部局所において種々の局
所性因子が有効に働き、その治癒を促進している。この
ような因子の例として、骨形成タンパク(BMP)、ト
ランスホーミング成長因子(TGF)等のペプチド性生
理活性物質が知られており、またこれらのペプチド性生
理活性物質が、動物モデルにおいて骨形成を促進すると
の報告がある〔プロシーディング・ナショナル・アカデ
ミー・サイエンス・米国(Proceeding National Academ
y Science USA)、第87巻、2220〜2224頁、
1990年、エンドクリノロジー(Endcrinology)、第
124巻、2991〜2993頁、1989年〕。一
方、非ペプチド性の骨形成促進作用物質としては、プロ
スタグランジンA1誘導体、ビタミンD3誘導体、ベンジ
ルホスホン酸誘導体あるいはフェノールスルホフタレン
誘導体等が報告されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述のペプチド性生理
活性物質はいずれも分子量が5,000以上のペプチド
あるいは蛋白であり、生体内代謝が早く、安定性に欠け
る。そのため安定化を試みた製剤が造られているが骨形
成促進活性が十分でなく、製剤の品質等の面で満足でき
るものではない〔クリニカル・オーソピディクス・アン
ド・リレーティド・リサーチ(Clinical Orthopaedics
and Related Research)、278、274〜285
頁〕。また、前述の非ペプチド性の骨形成促進作用物質
は、骨折治癒のための骨形成促進活性の面で臨床上の効
果が十分ではない。前記のような理由から、安定性、安
全性、活性が高く、長期にわたる骨折治療に臨床上有効
に働く、かつ優れた品質を有している骨疾患治療剤が国
民医学的見地からも切望されている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる問
題点を解決するため鋭意研究を進めた結果、非ペプチド
性骨形成促進作用物質と生体内分解性高分子重合物とを
含有してなる骨疾患治療剤が、意外にも単独投与に比べ
非ペプチド性骨形成促進作用物質の骨形成促進作用が増
強され、特に骨折の治癒促進にきわめて有効に作用する
ことを見出した。そしてこれらの知見に基づいてさらに
研究した結果、本発明を完成した。すなわち本発明は、
(1)非ペプチド性骨形成促進作用物質と生体内分解性
高分子重合物とを含有してなる医薬組成物、(2)さら
にリン酸またはその塩を含む前記(1)記載の医薬組成
物、(3)非ペプチド性骨形成促進作用物質が非ステロ
イドである前記(1)記載の医薬組成物、(4)局所投与
用である前記(1)記載の医薬組成物、(5)骨折治癒促
進を目的とする前記(1)記載の医薬組成物、(6)徐放
性製剤である前記(1)記載の医薬組成物、(7)非ペプ
チド性骨形成促進作用物質が式
【化4】 〔式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を、R
は水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、
Bはエステル化またはアミド化されていてもよいカルボ
キシル基を、Xは−CH(OH)−または−CO−を、
kは0または1を、k’は0、1または2を示す〕で表
される化合物またはその塩である前記(1)記載の医薬組
成物、(8)環Aがハロゲン、C1-10アルキル、C1-10
アルコキシ、−O−(CH2)n−O−(nは1ないし3の
整数)およびC1-10アルキルチオから選ばれた1または
2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環である
前記(7)記載の医薬組成物、(9)Bが−CON(R1)
(R2)(R1およびR2がそれぞれ水素原子、置換されて
いてもよい炭化水素基または置換されていてもよい5な
いし7員の複素環基を示す)である前記(7)記載の医薬
組成物、(10)R1が水素原子またはC1-10アルキル
基、かつR2が(i)ハロゲン、C1-6アルコキシ、モノ−
またはジ−C1-6アルコキシホスホリル、モノ−または
ジ−C1-6アルコキシホスホリル−C1-3アルキル、式
【化5】 またはC1-6アルコキシカルボニルで置換されていても
よいフェニルまたはフェニル−C1-3アルキル基または
(ii)フェニルで置換されていてもよい1または2個の窒
素原子あるいは1個の窒素原子と1個の硫黄原子をもつ
5または6員の複素環基である前記(9)記載の医薬組成
物、(11)Rが水素原子、C1-6アルキル基またはフ
ェニル基である前記(7)記載の医薬組成物、(12)k
が1、かつk′が0である前記(7)記載の医薬組成物、
(13)非ペプチド性骨形成促進作用物質が式
【化6】 〔式中、R3は低級アルキル基を、R4およびR5はそれ
ぞれ低級アルキル基、または一緒になって低級アルキレ
ン基を示す。〕で表される光学活性化合物である前記
(1)記載の医薬組成物、(14)R3、R4およびR5がそ
れぞれC1-6アルキル基である前記(13)記載の医薬組成
物、(15)非ペプチド性骨形成促進作用物質が(2
R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリル
メチル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4
−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3
−ベンゾチエピン−2−カルボキサミドである前記(1)
記載の医薬組成物、(16)非ペプチド性骨形成促進作
用物質に対する生体内分解性高分子重合物の重量比が約
1ないし100倍である前記(1)記載の医薬組成物、
(17)(2R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキ
シホスホリルメチル)フェニル〕−1,2,4,5−テト
ラヒドロ−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5
−オキソ−3−ベンゾチエピン−2−カルボキサミドと
生体内分解性高分子重合物とを含有してなる前記(1)記
載の医薬組成物、(18)さらにリン酸またはその塩を
含む前記(17)記載の医薬組成物、(19)リン酸または
その塩がリン酸ナトリウムである前記(18)記載の医薬組
成物、(20)生体内分解性高分子重合物における(2
R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリル
メチル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4
−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3
−ベンゾチエピン−2−カルボキサミドの含有量が約5
ないし30%(w/w)であり、かつ(2R,4S)−
(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリルメチル)フェ
ニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4−メチル−7,
8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3−ベンゾチエピ
ン−2−カルボキサミドと生体内分解性高分子重合物に
おけるリン酸ナトリウムの含有量が約0.1ないし20
%(w/w)である前記(19)記載の医薬組成物、(2
1)生体内分解性高分子重合物が乳酸−グリコール酸共
重合体である前記(17)記載の医薬組成物、(22)乳酸
/グリコール酸共重合体の組成比が約90/10ないし
50/50(w/w)であり、かつその重量平均分子量
が約8,000ないし50,000である前記(21)記載
の医薬組成物、(23)生体内分解性高分子重合物が脂
肪族ポリエステルである前記(1)記載の医薬組成物、
(24)脂肪族ポリエステルが乳酸−グリコール酸共重
合物である前記(23)記載の医薬組成物、(25)懸濁液
である前記(1)記載の医薬組成物、(26)注射剤であ
る前記(1)記載の医薬組成物、(27)骨疾患予防・治
療剤を製造するための非ペプチド性骨形成促進作用物質
と生体内分解性高分子重合物とを含有する医薬組成物の
使用、(28)非ペプチド性骨形成促進作用物質の作用
を増強するための生体内分解性高分子重合物の使用、お
よび(29)非ペプチド性骨形成促進作用物質と生体内
分解性高分子重合物とを含有する骨形成促進作用の増強
された骨疾患予防・治療剤等に関する。
【0005】本発明で用いる非ペプチド性骨形成促進作
用物質としては、例えば特開平3−232880号公
報、特開平4−364179号公報及び特開平5−29
4960号公報等に記載されている含硫黄複素環化合物
{例、(2R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシ
ホスホリルメチル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラ
ヒドロ−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−
オキソ−3−ベンゾチエピン−2−カルボキサミド等}
またはその塩、特開平7−291983号公報に記載さ
れているベンゾピラン誘導体〔例、N−(4−ジメトキ
シホスホリルメチルフェニル)−4−オキソ−4H−1
−ベンゾピラン−2−カルボキサミド等〕またはその
塩、WO96/01267に記載されているホスホン酸
誘導体〔例、ジエチル 4−(7−シクヘキシル−3,
4−ジヒドロ−2−ナフタレンカルボキサミド)ベンジ
ルホスホネート)等〕またはその塩、ジャーナル・オブ
・ファーマコロジー・エクスペリメンタル・セラピュー
ティクス(Journal of Pharmacology Experimental The
rapeutics)、第258巻、第1120〜1126頁
(1991年)に記載されているプロスタグランジンA
1誘導体、バイオオーガニック・アンド・メディシナル
・ケミストリー・レターズ(Bioorganic & Medicinal C
hemistry Letters)、第3巻、第1815〜1819頁
(1993年)に記載されているビタミンD3 誘導体、
ヨーロッパ公開特許公報第524023号に記載されて
いるベンジルホスホン酸誘導体、ボーン(Bone)、第1
3巻、第249〜255頁(1992年)に記載されて
いるビスホスホン酸類及びバイオケミカル・アンド・バ
イオフィジカル・リサーチ・コミニュケーションズ(Bi
ochemical and Biophysical Research Communication
s)、第187巻、第814〜820頁(1992年)
に記載されているビタミンK2誘導体等が用いられる。
これらは適宜の割合で2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
【0006】前記非ペプチド性骨形成促進作用物質の中
でより好ましい例としては、例えば式(I):
【化7】 〔式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を、R
は水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、
Bはエステル化またはアミド化されていてもよいカルボ
キシル基を、Xは−CH(OH)−または−CO−を、
kは0または1を、k’は0、1または2を示す〕で表
される化合物またはその塩などが挙げられる。
【0007】前記式(I)において、環Aで示される置
換されたベンゼン環における置換基としては、例えば、
ハロゲン原子,ニトロ基,置換されていてもよいアルキ
ル基,置換されていてもよい水酸基,置換されていても
よいチオール基,置換されていてもよいアミノ基,アシ
ル基,モノ−またはジ−アルコキシホスホリル基,ホス
ホノ基,置換されていてもよいアリール基,置換されて
いてもよいアラルキル基または置換されていてもよい芳
香族複素環基が用いられ、これらの置換基は同一または
異なって1ないし4個、好ましくは1ないし2個ベンゼ
ン環上に置換していてもよい。該「ハロゲン原子」とし
ては、例えばフッ素,塩素,臭素,ヨウ素等が用いられ
る。
【0008】該「置換されていてもよいアルキル基」に
おけるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜10
のアルキル基(例えばメチル,エチル,プロピル,イソ
プロピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブ
チル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシ
ル,ヘプチル,オクチル,ノニルまたはデシル等)及び
炭素数3〜7のシクロアルキル基(例えばシクロプロピ
ル,シクロブチル,シクロヘキシルまたはシクロヘプチ
ル等)等が用いられ、これらは、例えばハロゲン原子
(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素等),水酸基,炭素数
1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ,エトキシ,プロ
ポキシ,ブトキシ,ヘキシルオキシ等),モノ−または
ジ−(炭素数1〜6のアルコキシ)ホスホリル基(例え
ば、メトキシホスホリル、エトキシホスホリル、ジメト
キシホスホリル、ジエトキシホスホリルなど),ホスホ
ノ基等で1〜3個置換されていてもよい。置換されたア
ルキル基の具体例としては,例えばトリフルオロメチ
ル,トリフルオロエチル,トリクロロメチル,ヒドロキ
シメチル,2−ヒドロキシエチル,メトキシエチル,1
−メトキシエチル,2−メトキシエチル,2,2−ジエ
トキシエチル,2−ジエトキシホスホリルエチル,ホス
ホノ基,ホスホノメチル等が挙げられる。
【0009】該「置換されていてもよい水酸基」におけ
る置換された水酸基としては、例えばアルコキシ基,ア
ルケニルオキシ基,アラルキルオキシ基,アシルオキシ
基,アリールオキシ基等が用いられる。該「アルコキシ
基」としては、好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ
基(例、メトキシ,エトキシ,プロポキシ,ブトキシ,
tert-ブトキシ,ペンチルオキシ,ヘキシルオキシ,ヘ
プチルオキシまたはノニルオキシ等)及び炭素数4〜6
のシクロアルコキシ基(例、 シクロブトキシ,シクロペ
ントキシまたはシクロヘキシルオキシ等)が用いられ
る。該「アルケニルオキシ基」としては、好ましくは炭
素数2〜10のアルケニルオキシ基、例えばアリルオキ
シ,クロチルオキシ,2−ペンテニルオキシ,3−ヘキ
セニルオキシ,2−シクロペンテニルメトキシまたは2
−シクロヘキセニルメトキシ等が用いられる。該「アラ
ルキルオキシ基」としては、好ましくは炭素数6〜19
のアラルキルオキシ基、さらに好ましくは炭素数6〜1
4のアリール−炭素数1〜4のアルキルオキシ基(例、
ベンジルオキシ, フェネチルオキシ等)が用いられる。
該「アシルオキシ基」としては、好ましくはアルカノイ
ルオキシ基、例えば炭素数2〜10のアルカノイルオキ
シ基(例、 アセチルオキシ,プロピオニルオキシ,n-ブ
チリルオキシ,ヘキサノイルオキシ等)が用いられる。
該「アリールオキシ基」としては、好ましくは炭素数6
〜14のアリールオキシ基(例、 フェノキシ,ビフェニ
ルオキシ等)が用いられる。これらの基はさらに、例え
ば前記したハロゲン原子,水酸基,炭素数1〜6のアル
コキシ基,モノ−またはジ−(炭素数1〜6のアルコキ
シ)ホスホリル基等で1〜3個置換されていてもよい。
置換された水酸基の具体例としては,例えばトリフルオ
ロメトキシ,2,2,2−トリフルオロエトキシ,ジフル
オロメトキシ,2−メトキシエトキシ,4−クロロベン
ジルオキシ,2−(3,4−ジメトキシフェニル)エトキ
シ等が挙げられる。
【0010】該「置換されていてもよいチオール基」に
おける置換されたチオール基としては、例えばアルキル
チオ基,アラルキルチオ基,アシルチオ基等が用いられ
る。該「アルキルチオ基」としては、好ましくは炭素数
1〜10のアルキルチオ基(例、メチルチオ,エチルチ
オ,プロピルチオ,ブチルチオ,ペンチルチオ, ヘキ
シルチオ,ヘプチルチオ,ノニルチオ等)及び炭素数4
〜6のシクロアルキルチオ基(例、 シクロブチルチオ,
シクロペンチルチオ, シクロヘキシルチオ等)が用いら
れる。該「アラルキルチオ基」としては,好ましくは炭
素数7〜19のアラルキルチオ基、さらに好ましくは炭
素数6〜14のアリール−炭素数1〜4のアルキルチオ
基、例えばベンジルチオまたはフェネチルチオ等用いら
れる。該「アシルチオ基」としては,好ましくはアルカ
ノイルチオ基、例えば炭素数2〜10のアルカノイルチ
オ基(例、 アセチルチオ,プロピオニルチオ,n-ブチリ
ルチオ,ヘキサノルチオ等)が用いられる。これらの基
はさらに例えば、前記したハロゲン原子,水酸基,炭素
数1〜6のアルコキシ基,モノ−またはジ−(炭素数1
〜6のアルコキシ)ホスホリル基等で1〜3個置換され
ていてもよい。置換されたチオール基の具体例として
は、例えばトリフルオロメチルチオ,2,2,2−トリフ
ルオロエチルチオ,2−メトキシエチルチオ,4−クロ
ロベンジルチオ,3,4−ジクロロベンジルチオ,4−
フルオロベンジルチオ,2−(3,4−ジメトキシフェニ
ル)エチルチオ等が挙げられる。
【0011】該「置換されていてもよいアミノ基」にお
ける置換されたアミノ基の置換基としては,前記した炭
素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアルケニ
ル基(例、アリル,ビニル,2−ペンテン−1−イル,
3−ペンテン−1−イル,2−ヘキセン−1−イル,3
−ヘキセン−1−イル,2−シクロヘキセニル,2−シ
クロペンテニル,2−メチル−2−プロペン−1−イ
ル,3−メチル−2−ブテン−1−イル等),炭素数6
〜14のアリール基または炭素数7〜19のアラルキル
基が1または2個同一または異なって用いられ、これら
の置換基は前記したハロゲン原子,炭素数1〜6のアル
コキシ基,モノ−またはジ−(炭素数1〜6のアルコキ
シ)ホスホリル基,ホスホノ基等で置換されていてもよ
い。置換されたアミノ基の具体例としては、例えばメチ
ルアミノ,ジメチルアミノ,エチルアミノ,ジエチルア
ミノ,ジブチルアミノ,ジアリルアミノ,シクロヘキシ
ルアミノ,フェニルアミノまたはN−メチル−N−フェ
ニルアミノ,N−メチル−N−(4−クロロベンジル)
アミノ,N,N−ジ(2−メトキシエチル)アミノ等が
挙げられる。
【0012】該「アシル基」としては,有機カルボン酸
アシル基または炭素数1〜6の炭化水素基(例、メチ
ル,エチル,n-プロピル,ヘキシル,フェニル等)を有
するスルホン酸アシル基等が用いられる。該「有機カル
ボン酸アシル基」としては、例えばホルミル,炭素数1
〜10のアルキル−カルボニル基(例、アセチル,プロ
ピオニル,ブチリル,バレリル,ピバロイル,ヘキサノ
イル,オクタノイル,シクロブタンカルボニル,シクロ
ヘキサンカルボニル,シクロヘプタンカルボニル等),
炭素数2〜10のアルケニル−カルボニル基(例、クロ
トニル,2−シクロヘキセンカルボニル等),炭素数6
〜14のアリール−カルボニル基(例、ベンゾイル
等),炭素数7〜19のアラルキル−カルボニル基
(例、べンジルカルボニル,ベンズヒドリルカルボニル
等),5または6員芳香族複素環カルボニル基(例、ニ
コチノイル,4−チアゾリルカルボニル等),5または
6員芳香族複素環アセチル基(例、3−ピリジルアセチ
ル, 4−チアゾリルアセチル等)が用いられる。該「炭
素数1〜6の炭化水素基を有するスルホン酸アシル基」
としては、例えばメタンスルホニル,エタンスルホニル
等が用いられる。これらの基はさらに置換基、例えば前
記したハロゲン原子,水酸基,炭素数1〜6のアルコキ
シ基,アミノ基等で1〜3個置換されていてもよい。ア
シル基の具体例としては,例えばトリフルオロアセチ
ル,トリクロロアセチル,4−メトキシブチリル,3−
シクロヘキシルオキシプロピオニル,4−クロロベンゾ
イル,3,4−ジメトキシベンゾイル等が挙げられる。
【0013】該「モノ−またはジ−アルコキシホスホリ
ル基」としては、例えばメトキシホスホリル,エトキシ
ホスホリル,プロポキシホスホリル,イソプロポキシホ
スホリル,ブトキシホスホリル,ペンチルオキシホスホ
リル,ヘキシルオキシホスホリル等のモノ−C1-6 アル
コキシホスホリル基、例えばジメトキシホスホリル,ジ
エトキシホスホリル,ジプロポキシホスホリル,ジイソ
プロポキシホスホリル,ジブトキシホスホリル,ジペン
チルオキシホスホリル,ジヘキシルオキシホスホリル等
のジ−C1-6 アルコキシホスホリル基等が用いられる。
好ましくはジ−C1-6 アルコキシ基、例えばジメトキシ
ホスホリル,ジエトキシホスホリル,ジプロポキシホス
ホリル,ジイソプロポキシホスホリル,エチレンジオキ
シホスホリル,ジブトキシホスホリル等が用いられる。
該「置換されていてもよいアリール基」におけるアリー
ル基としては,好ましくは炭素数6〜14のアリール
基、例えばフェニル,ナフチル,アントリル等が用いら
れ、これらは前記した炭素数1〜10のアルキル基,ハ
ロゲン原子,水酸基,炭素数1〜6のアルコキシ基等で
1〜3個置換されていてもよい。置換されたアリール基
の具体例としては,例えば4−クロロフェニル,3,4
−ジメトキシフェ ニル,4−シクロヘキシルフェニ
ル,5,6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチ ル等が挙
げられる。
【0014】該「置換されていてもよいアラルキル基」
におけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜
19のアラルキル基、例えばベンジル,ナフチルエチ
ル,トリチル等が用いられ、芳香環上に前記した炭素数
1〜10のアルキル基,ハロゲン原子,水酸基,炭素数
1〜6のアルコキシ基等等で1〜3個置換されていても
よい。置換されたアラルキル基の具体例としては,例え
ば4−クロロベンジル,3,4−ジメトキシベンジル,
4−シクロヘキシルベンジル,5,6,7,8−テトラヒ
ドロ−2−ナフチルエチル等が挙げられる。該「置換さ
れていてもよい芳香族複素環基」における芳香族複素環
基としては、好ましくは窒素原子,酸素原子または/及
び硫黄原子を1〜4個有する5〜6員芳香族複素環基、
例えばフリル,チエニル,イミダゾリル,チアゾリル,
オキサゾリル, チアジアゾリル等が用いられ、これらの
基は前記した炭素数1〜10のアルキル基,ハロゲン原
子,水酸基,炭素数1〜6のアルコキシ等で1〜3個置
換されていてもよい。
【0015】2個のアルキル基がベンゼン環A上で互い
に隣接して置換されている場合、互いに連結して式:−
(CH2)m−〔式中、mは3〜5の整数を示す〕で表わさ
れるアルキレン基(例、トリメチレン,テトラメチレ
ン,ペンタメチレン等)を形成してもよく、2個のアル
コキシ基が互いに隣接して置換されている場合、式:−
O−(CH2)n−O−〔式中、nは1〜3の整数を示す〕
で表されるアルキレンジオキシ基(例、メチレンジオキ
シ,エチレンジオキシ,トリメチレンジオキシ等)を形
成してもよい。このような場合は、ベンゼン環の炭素原
子とともに5〜7員環が形成される。前記式(I)にお
いて、Rは水素原子または置換されていてもよい炭化水
素基を示す。Rで示される「置換されていてもよい炭化
水素基」における炭化水素基としては、前記したような
アルキル基(好ましくは炭素数1〜10のアルキル
基),アルケニル基(好ましくは炭素数2〜10のアル
ケニル基),アリール基(好ましくは炭 素数6〜14
のアリール基),アラルキル基(好ましくは炭素数7〜
19のアラルキル)等が用いられる。炭化水素基上の置
換基としては、前記した5〜6員芳香族複素環基,ハロ
ゲン原子,ジ−C1-6アルコキシホスホリル基,ホスホ
ノ基等が用いられる。
【0016】Rは、例えばメチル,エチル,プロピル,
イソプロピル,ブチル,イソブチル,sec−ブチル,ter
t-ブチル,ペンチル,ネオペンチル,ヘキシル等の無置
換の炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。前記式
(I)において、Bはエステル化またはアミド化されて
いてもよいアルボキシル基を示す。Bで示される「エス
テル化されていてもよいカルボキシル基」におけるエス
テル化されたカルボキシル基としては、例えばアルコキ
シカルボニル基、好ましくは炭素数1〜10のアルコキ
シ−カルボニル基(例、メトキシカ ルボニル,エトキ
シカルボニル,プロポキシカルボニル,ブトキシカルボ
ニル等),アリールオキシ−カルボニル基、好ましくは
炭素数6〜14のアリールオキシ−カルボニル基(例、
フェノキシカルボニル等),アラルキルオキシカルボニ
ル基、好ましくは炭素数7〜19のアラルキルオキシ−
カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル等)等が
用いられる。
【0017】Bで示される「アミド化されていてもよい
カルボキシル基」におけるアミド化されたカルボキシル
基は、好ましくは、式:−CON(R1)(R2)〔式中、R
1,R2はそれぞれ水素原子,置換されていてもよい炭化
水素基または置換されていてもよい5〜7員複素環基を
示す。〕で表される置換されていてもよいカルバモイル
基である。R1,R2で示される「置換されていてもよい
炭化水素基」における炭化水素基としては、アルキル
基、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基(例、メチ
ル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,イソブ
チル,sec-ブチル,tert-ブチル,ペンチル,イソペン
チル,ネオペンチル,ヘキシル,ヘプチル,オクチル,
ノニル,デシル等)、アルケニル基、好ましくは炭素数
2〜10のアルケニル基(例、アリル,ビニル,2−ペ
ンテン−1−イル,3−ペンテン−1−イル,2−ヘキ
セン−1−イル,3−ヘキセン−1−イル,2−シクロ
ヘキセニル,2−シクロペンテニル,2−メチル−2−
プロペン−1−イル,3−メチル−2−ブテン−1−イ
ル等)、アリール基、好ましくは炭素数6〜14のアリ
ール基(例、フェニル,ナフチル,アントリル等)、ア
ラルキル基、好ましくは炭素数7〜19のアラルキル基
(例、ベンジル,ナフチルエチル,トリチル等)が用い
られ、これらの炭化水素基は、例えば(i)ハロゲン原子
(例、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素等),(ii)水酸基,
(iii)炭素数1〜6のアルコキシ基(例、メトキシ,エ
トキシ,プロポキシ,ブトキシ,tert-ブトキシ,ペン
チルオキシ,ヘキシルオキシ等),(iv)炭素数1〜6の
アルキル基(例、メチル,エチル,プロピル,イソプロ
ピル,ブチル,イソブチル,sec-ブチル,tert-ブチ
ル,ペンチル,イソペンチル,ネオペンチル,ヘキシル
等)で置換されていてもよいアミノ基(例、アミノ、メ
チルアミノ、エチルアミノ、ジメチルアミノ,ジエチル
アミノ,ジプロピルアミノ等),(v)アシル基(例、炭
素数1〜10のアルカノイル基等)で置換されたアミノ
基(例、アセチルアミノ,プロピオニルアミノ,ベンゾ
イルアミノ等),(vi)炭素数1〜6のアルキル基で置換
されていてもよいカルバモイル基(例、カルバモイル、
メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル,ジエチル
カルバモイル等),(vii)炭素数1〜6のアルコキシ−カ
ルボニル基(例、メトキシカルボニル,エトキシカルボ
ニル,プロポキシカルボニル等),(viii)モノ−または
ジ−アルコキシホスホリル基〔例、モノ−またはジ−C
1-6アルコキシホスホリル基(例えば、ジメトキシホス
ホリル,ジエトキシホスホリル,エチレンジオキシホス
ホリル等)等〕,(ix)モノ−またはジ−アルコキシホス
ホリルアルキル基〔例、モノ−またはジ−C1-6アルコ
キシホスホリル−C1-3アルキル基(例、メトキシホス
ホリルメチル、エトキシホスホリルメチル、メトキシホ
スホリルエチル、エトキシホスホリルエチル、ジメトキ
シホスホリルメチル、ジエトキシホスホリルメチル、ジ
メトキシホスホリルエチル、ジエトキシホスホリルエチ
ル等)等〕,(x)式
【化8】 (xi)ホスホノ基,(xii)芳香族複素環基(前記と同意
義)等で1〜3個置換されていてもよい。
【0018】R1,R2で示される「置換されていてもよ
い5〜7員複素環基」における5〜7員複素環基として
は、例えば1個の硫黄原子,窒素原子または酸素原子を
含む5〜7員複素環基,2〜4個の窒素原子を含む5〜
6員複素環基,1〜2個の窒素原子および1個の硫黄原
子または酸素原子を含む5〜6員複素環基が用いられ、
これらの複素環基は2個以下の窒素原子を含む6員環,
ベンゼン環または1個の硫黄原子を含む5員環と縮合し
ていてもよい。該「置換されていてもよい5〜7員複素
環基」が有していてもよい置換基としては、前記R1
よびR2で示される「置換されていてもよい炭化水素
基」の炭化水素基が有していてもよい置換基と同様のも
のが1ないし4個用いられる。R1,R2で示される5〜
7員複素環基の好ましい例としては、例えば2−ピリジ
ル,ピリミジル,ピラジニル,ピリダジニル,ピラゾリ
ル,イミダゾリル,チアゾリル,オキサゾリル,ピリド
[2,3−d]ピリミジル,ベンゾピラニル,1,8−ナフ
チリジル,キノリル,チエノ[2,3−b]ピリジル,テ
トラゾリル,チアジアゾリル,オキサジアゾリル,トリ
アジニル,トリアゾリル,チエニル,ピロリル,ピロリ
ニル,フリル,ピロリジニル,ベンゾチエニル,インド
リル,イミダゾリジニル,ピペリジル,ピペリジノ,ピ
ペラジニル,モルホリニル,モルホリノ等が挙げられ
る。
【0019】R1とR2は、互いに連結して式:−NR1
(R2)が5〜7員環を形成していてもよく、このよう
な環としては、例えばモルホリン,ピペリジン,チオモ
ルホリン,ホモピペリジン,ピペリジン,ピロリジン,
チアゾリジン,アゼピン等が挙げられる。R1およびR2
で示される「置換されていてもよい炭化水素基」の好ま
しい例である置換されたアルキル基の具体例としては、
例えばトリフルオロメチル,トリフルオロエチル,ジフ
ルオロメチル,トリクロロメチル,2−ヒドロキシエチ
ル,2−メトキシエチル,2−エトキシエチル,2,2
−ジメトキシエチル,2,2−ジエトキシエチル,2−
ピリジルメチル,3−ピリジルメチル,4−ピリジルメ
チル,2−(2−チエニル)エチル,3−(3−フリル)プ
ロピル,2−モルホリノエチル,3−ピロリルブチル,
2−ピペリジノエチル,2−(N,N−ジメチルアミノ)
エチル,2−(N−メチル−N−エチルアミノ)エチル,
2−(N,N−ジイソプロピルアミノ)エチル,5−(N,
N−ジメチルアミノ)ペンチル,N,N−ジメチルカルバ
モイルエチル,N,N−ジメチルカルバモイルペンチ
ル,エトキシカルボニルメチル,イソプロポキシカルボ
ニルエチル,tert−ブトキシカルボニルプロピル,2−
ジエトキシホスホリルエチル,3−ジプロポキシホスホ
リルプロピル,4−ジブトキシホスホリルブチル,エチ
レンジオキシホスホリルメチル,2−ホスホノエチル,
3−ホスホノプロピル等、置換されたアラルキル基の具
体例としては、例えば4−クロロベンジル,3−(2−
フルオロフェニル)プロピル,3−メトキシベンジル,
3,4−ジメトキシフェネチル,4−エチルベンジル,
4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ブチル,4−ア
セチルアミノベンジル,4−ジメチルアミノフェネチ
ル,4−ジエトキシホスホリルベンジル,2−(4−ジ
プロポキシホスホリルメチルフェニル)エチル等、置換
されたアリール基の具体例としては、例えば4−クロロ
フェニル,4−シクロヘキシルフェニル,5,6,7,8
−テトラヒドロ−2−ナフチル,3−トリフルオロメチ
ルフェニル,4−ヒドロキシフェニル,3,4,5−トリ
メトキシフェニル,6−メトキシ−2−ナフチル,4−
(4−クロロベンジルオキシ)フェニル,3,4−メチレ
ンジオキシフェニル,4− (2,2,2−トリフルオロエ
トキシ)フェニル,4−プロピオニルフェニル,4−シ
クロヘキサンカルボニルフェニル,4−ジメチルアミノ
フェニル,4−ベンゾイルアミノフェニル,4−ジエト
キシカルバモイルフェニル,4−tert−ブトキシカルボ
ニルフェニル,4−ジエトキシホスホリルフェニル,4
−ジエトキシホスホリルメチルフェニル,4−(2−ジ
エトキシホスホリルエチル)フェニル,2−ジエトキシ
ホスホリルメチルフェニル,3−ジエトキシホスホリル
メチルフェニル,4−ジプロポキシホスホリルフェニ
ル,4−(2−ホスホノエチル)フェニル,4−ホスホノ
メチルフェニル,4−ホスホノフェニル等、置換された
5〜7員複素環基の具体例としては、 例えば5−クロロ
−2−ピリジル,3−メトキシ−2−ピリジル,5−メ
チル−2−ベンゾチアゾリル,5−メチル−4−フェニ
ル−2−チアゾリル,3−フェニル−5−イソオキサゾ
リル,4−(4−クロロフェニル)−5−メチル−2−オ
キサゾリル,3−フェニル−1,2,4−チアジアゾ−ル
−5−イル,5−メチル−1,3,4−チアジアゾール−
2−イル,5−アセチルアミノ−2−ピリミジル,3−
メチル−2−チエニル,4,5−ジメチル−2−フラニ
ル,4−メチル −2−モルホリニル等が挙げられる。
【0020】前記のうち、環Aは好ましくは同一または
異なって、ハロゲン原子、置換されていてもよいア
ルキル基、置換されていてもよい水酸基、置換され
ていてもよいチオール基または/および置換されてい
てもよいアミノ基の1またはそれ以上、より好ましくは
1または2個で置換されていてもよいベンゼン環であ
る。より好ましい環Aとしては、同一または異なって、
ハロゲン原子,炭素数1〜10(さらに好ましくは炭素
数1〜5)のアルキル基,炭素数1〜10(さらに好ま
しくは炭素数1〜5)のアルコキシ基,式:−O−(C
2n−O−〔式中、nは1〜3の整数を示す〕で表さ
れるアルキレンジオキシ基または/および炭素数1〜1
0(さらに好ましくは炭素数1〜5)のアルキルチオ基
の1または2個で置換されていてもよいベンゼン環であ
る。環Aの特に好ましい例としては、式:−O−(CH
2n−O−〔式中、nは1〜3の整数を示す〕で表され
るアルキレンジオキシ基で置換されたベンゼン環であ
る。
【0021】Bは、例えばアルコキシ−カルボニル基お
よび式:−CON(R1)(R2)〔式中、R1,R2はそれぞ
れ水素原子,置換されていてもよい炭化水素基または置
換され ていてもよい5〜7員複素環基を示す〕で表さ
れる基などが好ましい。R1およびR2の好ましい例は、
1が水素原子または炭素数1〜10のアルキル基
(例、メチル、エチル、プロピル等)で、R2がハロゲ
ン(例、フッ素、塩素、臭素等),C1-6アルコキシ
(例、メトキシ、エトキシ等),モノ−またはジ−アル
コキシホスホリル(例、ジメトキシホスホリル、ジエト
キシホスホリルなどのモノ−またはジ−C1-6アルコキ
シホスホリル等),モノ−またはジ−アルコキシホスホ
リルアルキル(例、ジメトキシホスホリルメチル、ジエ
トキシホスホリルメチルなどのモノ−またはジ−C1-6
アルコキシホスホリル−C1-3アルキルなど)またはC
1-6アルコキシカルボニル(例、メトキシカルボニル、
エトキシカルボニル等)で置換されていてもよいフェニ
ルまたはフェニル−C1-3アルキル基、あるいはフェニ
ル基で置換されていてもよい1または2個の窒素原子あ
るいは1個の窒素原子と1個の硫黄原子をもつ5または
6員環複素環基(例、ピリジル等)である。R1および
2のより好ましい例としては、R1が水素原子で、R2
がモノ−またはジ−C1-6アルコキシホスホリル−C1-3
アルキルで置換されたフェニル基(例、4−ジエトキシ
ホスホリルメチルフェニル等)である。
【0022】前記式(I)において、Xは−CH(O
H)−または−CO−を示し、好ましくは、−CO−で
ある。前記式(I)において、kは0または1、k′は
0、1または2を示し、好ましくはkが1で、k′が0
の場合である。Rは水素原子、C1-6アルキル基(例え
ば、メチル、エチル等)またはフェニル基が好ましい。
化合物(I)のさらに好ましい例としては、例えば式(I
I)
【化9】 〔式中、R3は低級アルキル基を示し、R4およびR5
それぞれ低級アルキル基を示すか、または一緒に低級ア
ルキレン基を示す〕で表される光学活性ベンゾチエピン
誘導体である。前記式(II)において、R3、R4および
5で示される「低級アルキル基」としては、例えばメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソ
ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル等の炭素数1ないし
6(好ましくは、1ないし4)のアルキル基等が挙げら
れる。R4およびR5は一緒になって、低級アルキレン基
を形成してもよく、この場合例えば、
【化10】 〔式中、 pは2ないし4の整数を示す。〕で表すことが
できる。R3、R4およびR5としては、例えばそれぞれ
メチル、エチル等の炭素数1ないし4のアルキル基等が
好ましい。
【0023】化合物(II)は、(2R,4S)配位の光
学活性体であって、(2S,4R)配位の化合物を実質
的に含まず、光学純度が100%に近いほど好ましいも
のである。化合物(II)の特に好ましい例としては、例
えば(2R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシホ
スホリルメチル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒ
ドロ−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オ
キソ−3−ベンゾチエピン−2−カルボキサミド(以
下、化合物Aと称することもある)またはその塩であ
る。本発明で用いられる非ペプチド性骨形成促進物質の
塩は、好ましくは薬理学的に許容される塩が用いられ
る。薬理学的に許容される塩としては、無機塩基との
塩、有機塩基との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩
等が用いられる。非ペプチド性骨形成促進物質の塩を形
成させ得る塩としては、無機塩基としては、アルカリ金
属(例、ナトリウム,カリウム等)、アルカリ土類金属
(例、カルシウム、マグネシウム等)が、有機塩基とし
ては、例えばトリメチルアミン,トリエチルアミン,ピ
リジン,ピコリン,N,N−ジベンジルエチレンジアミ
ン,ジエタノールアミン等が、無機酸としては、塩酸,
臭化水素酸,ヨウ化水素酸,リン酸,硝酸,硫酸等が、
有機酸としては、ギ酸,酢酸,トリフルオロ酢酸,シュ
ウ酸,酒石酸,フマール酸,マレイン酸,メタンスルホ
ン酸,ベンゼンスルホン酸,p−トルエンスルホン酸,
クエン酸等が、塩基性または酸性アミノ酸としては、例
えばアルギニン、リジン、アスパラギン酸,グルタミン
酸等が用いられる。
【0024】本発明で用いられる非ペプチド性骨形成促
進物質は、例えば前記した公知の日本特許公開公報に記
載の方法または下記の方法あるいはそれに準じた方法に
より製造される。例えば式(III)
【化11】 〔式中、B’はエステル化されたカルボキシル基、Yは
ヒドロキシ基またはハロゲン原子を、他の記号は前記と
同意義を示す〕で表される化合物またはその塩を閉環反
応に付し、必要により酸化反応または/及び加水分解反
応、または加水分解後アミド化反応、または加水分解後
アミド化反応し、次いで酸化反応に付し、また必要によ
り還元反応に付すことにより化合物(I)またはその塩
を製造することができる。化合物(II)は具体的には、
例えば式(IV)
【化12】 〔式中、R3は前記と同意義を示す〕で表される光学活
性体またはそのカルボシキル基における反応性誘導体も
しくは塩と式(V)
【化13】 〔式中、R4およびR5はそれぞれ前記と同意義を示す〕
で表される化合物、そのアミノ基における反応性誘導体
もしくはその塩とを反応させることによって製造され
る。
【0025】化合物(V)のアミノ基における好適な反
応性誘導体としては、例えば化合物(V)とアルデヒド
(例えば、アセトアルデヒド等)、ケトン(例えば、ア
セトン等)等のようなカルボニル化合物との反応によっ
て生成するシッフ塩基型イミノまたはそのエナミン型互
変異性体;化合物(V)とビス(トリメチルシリル)ア
セトアミド、モノ(トリメチルシリル)アセトアミド、
ビス(トリメチルシリル)尿素等のようなシリル化合物
との反応によって生成するシリル誘導体;化合物(V)
と三塩化リンまたはホスゲンとの反応によって生成する
誘導体等が挙げられる。
【0026】化合物(IV)のカルボキシル基における好
適な反応性誘導体としては、常法に従って得られる、例
えば酸ハロゲン化物、酸無水物、活性化アミド、活性化
エステル等が挙げられる。この様な反応性誘導体の好適
な例としては、酸塩化物;酸アジ化物;例えばジアルキ
ルリン酸、フェニルリン酸、ジフェニルリン酸、ジベン
ジルリン酸、ハロゲン化リン酸等の置換されたリン酸、
ジアルキル亜リン酸、亜硫酸、チオ硫酸、硫酸、例えば
メタンスルホン酸等のスルホン酸、例えば酢酸、プロピ
オン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン酸、ペンタン酸、イ
ソペンタン酸、トリクロロ酢酸等の脂肪族カルボン酸ま
たは例えば安息香酸等の芳香族カルボン酸のような酸と
の混合酸無水物;対称酸無水物;イミダゾ−ル、4−置
換イミダゾ−ル、ジメチルピラゾ−ル、トリアゾ−ルま
たはテトラゾ−ルとの活性化アミド;または例えばシア
ノメチルエステル、メトキシメチルエステル、ジメチル
イミノメチルエステル、ビニルエステル、プロパルギル
エステル、p-ニトロフェニルエステル、トリクロロフェ
ニルエステル、ペンタクロロフェニルエステル、メシル
フェニルエステル、フェニルアゾフェニルエステル、フ
ェニルチオエステル、p-ニトロフェニルエステル、p-ク
レジルチオエステル、カルボキシメチルチオエステル、
ピラニルエステル、ピリジルエステル、ピペリジルエス
テル、8-キノリルチオエステル等の活性化エステル、ま
たは例えば N,N-ジメチルヒドロキシアミン、1-ヒドロ
キシ-2-(1H)-ピリドン、N-ヒドロキシスクシンイミド、
N-ヒドロキシフタルイミド、1-ヒドロキシ-1H-ベンゾト
リアゾ−ル、N-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカル
ボキシイミド等の N-ヒドロキシ化合物とのエステル等
が挙げられる。これら反応性誘導体は、使用する化合物
(IV)の種類によって任意に選択することができる。
【0027】化合物(IV)または(V)の反応性誘導体
の好適な塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩
等のアルカリ金属塩、例えばカルシウム塩、マグネシウ
ム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、例えば
トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン
塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N,N-ジベ
ンジルエチレンジアミン塩等の有機塩基塩等のような塩
基塩が挙げられる。
【0028】反応は通常、水、例えばメタノ−ル、エタ
ノ−ル等のアルコ−ル類、アセトン、ジオキサン、アセ
トニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレ
ン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N-ジメチルホ
ルムアミド、ピリジンのような常用の溶媒中で行われる
が、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であればその他のい
かなる有機溶媒中でも反応を行うことができる。これら
常用の溶媒は水との混合物として使用してもよい。この
反応において、化合物(IV)または(V)を遊離酸の形
または塩の形で使用する場合には、例えばN,N'-ジシク
ロヘキシルカルボジイミド;N-シクロヘキシル-N'-モル
ホリノエチルカルボジイミド;N-シクロヘキシル-N'-
(4-ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイミド;
N,N'-ジエチルカルボジイミド、N,N'-ジイソプロピルカ
ルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノプロピ
ル)カルボジイミド;N,N'-カルボニルビス(2-メチル
イミダゾ−ル);ペンタメチレンケテン-N-シクロヘキ
シルイミン;ジフェニルケテン-N-シクロヘキシルイミ
ン;エトキシアセチレン;1-アルコキシ-1-クロロエチ
レン;亜リン酸トリアルキル;ポリリン酸エチル;ポリ
リン酸イソプロピル;オキシ塩化リン;ジフェニルホス
ホリルアジド;塩化チオニル;塩化オキサリル;例えば
クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピル等のハロギ
酸低級アルキル;トリフェニルホスフィン;2-エチル-7
-ヒドロキシベンズイソオキサゾリウム塩、2-エチル-5-
(m-スルホフェニル)イソオキサゾリウムヒドロキシド
分子内塩;N-ヒドロキシベンゾトリアゾ−ル;1-(p-ク
ロロベンゼンスルホニルオキシ)-6-クロロ-1H-ベンゾ
トリアゾ−ル;N,N'-ジメチルホルムアミドと塩化チオニ
ル、ホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチルまたはオキ
シ塩化リン等との反応によって調製したいわゆるビルス
マイヤ−試薬等のような常用の縮合剤の存在下に反応を
行うのが望ましい。また、N-ヒドロシキベンゾトリアゾ
ールまたはN-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-エンド-2,3-
ジカルボキシイミドの存在下、N,N'-ジシクロヘキシル
カルボジイミド等の縮合剤を用いる方法も望ましい。反
応はまたアルカリ金属炭酸水素塩トリ(低級)アルキル
アミン、ピリジン、N-(低級)-アルキルモルホリン、N,
N-ジ(低級)アルキルベンジルアミン等のような無機塩
基または有機塩基の存在下に行ってもよい。反応温度は
特に限定されないが、通常は冷却下ないし加温下(−1
0〜120℃)に反応が行われる。反応時間は通常約
0.5時間〜約100時間、好ましくは約1時間〜約5
0時間である。
【0029】このようにして得られる化合物(II)は、
公知の分離精製手段例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、
晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単
離精製することができる。原料化合物(IV)は、例えば
特開平04−364179号に開示されている化合物
(IV)のラセミ体の光学分割により製造することができ
る。すなわち、化合物(IV)のラセミ体と光学活性塩基
(例、光学活性α−メチルベンジルアミン、ブルシン、
キニン、シンコニン等)との塩をつくり、生成するジア
ステレオマーの溶解度の差を利用して分別結晶を繰り返
し、難溶性塩を純粋に得た後、酸処理することにより一
方の光学活性体を製造する。また、化合物(IV)のラセ
ミ体と光学活性アルコール(例、光学活性乳酸メチル、
マンデル酸メチル等)とのエステルをつくり、生成する
ジアステレオマーの物性の差を利用して一方のエステル
体を純粋に得た後、加水分解することにより一方の光学
活性体を製造することもできる。
【0030】本発明で用いる生体内分解性高分子重合物
は、水に難溶または不溶で生体内分解型の高分子重合物
である。その具体例としては、例えば脂肪酸ポリエステ
ル〔例、α−ヒドロキシカルボン酸類(例、乳酸,グリ
コール酸,2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草
酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシ
カプロン酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、2−ヒド
ロキシカプリル酸等),ヒドロキシジカルボン酸類
(例、リンゴ酸等),ヒドロキシトリカルボン酸類
(例、リンゴ酸等),乳酸カプロラクトン,バレロラク
トン等の1種以上の重合物、共重合物、あるいはこれら
の混合物〕,およびその誘導体(例、ポリ乳酸,ポリグ
リコール酸及びポリエチレングリコールのブロック重合
物等),ポリ−α−シアノアクリル酸エステル,ポリ−
β−ヒドロキシ酪酸,ポリアルキレンオキサレート類
(例、ポリトリメチレンオキサレート,ポリテトラメチ
レンオキサレート等),ポリオルソエステル,ポリオル
ソカーボネート,ポリカーボネート類(例、ポリエチレ
ンカーボネート,ポリエチレンプロピレンカーボネート
等),ポリアミノ酸類(例、ポリ−γ−ベンジル−L−
グルタミン酸,ポリ−L−アラニン,ポリ−γ−メチル
−L−グルタミン酸等),ヒアルロン酸エステル類,ポ
リスチレン,ポリメタアクリル酸,アクリル酸とメタア
クリル酸との共重合物,ポリアミノ酸,デキンステアレ
ート,エチルセルロース,アセチルセルロース,ニトロ
セルロース,無水マレイン酸系共重合物,エチレンビニ
ールアセテート系共重合物,ポリビニールアセテート,
ポリアクリルアミド、コラーゲン、ゼラチン、フィブリ
ン、ヒドロキシアパタイト等が用いられる。
【0031】これらの生体内分解性高分子重合物は1種
でもよく、また2種以上の共重合物、あるいは単なる混
合物でもよい。重合の形式はランダム、ブロック、グラ
フトの何れでもよい。生体内分解性高分子重合物の好ま
しい例は、例えば脂肪族ポリエステル等である。特に、
例えばα−ヒドロキシカルボン酸類の1種以上から合成
された重合物、共重合物が生体内分解性および生体適合
性の観点から好ましく、具体的には乳酸,グリコール
酸,2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸等の1
種以上から合成された共重合物、またはこれらの混合物
が使用される。本発明における生体内分解性共重合物
は、自体公知の方法、例えば特開昭61−28521号
公報に記載の方法またはそれに準じた方法により製造さ
れる。
【0032】前記α−ヒドロキシカルボン酸類はD−
体、L−体、およびD、L−体のいずれでもよいが、
D、L−体が好ましい。前記α−ヒドロキシカルボン酸
類の単一重合物の例としては乳酸、グリコール酸、2−
ヒドロキシ酪酸等の単一重合物が挙げられ、該α−ヒド
ロキシカルボン酸類としては乳酸が好ましい。α−ヒド
ロキシカルボン酸類の共重合物の例としてはグリコール
酸と他のα−ヒドロキシカルボン酸類との共重合物が挙
げられ、例えばα−ヒドロキシカルボン酸類としては乳
酸、2−ヒドロキシ酪酸等が好ましい。具体的には、例
えば乳酸−グリコール酸共重合物、2−ヒドロキシ酪酸
−グリコール酸共重合物等、好ましくは乳酸−グリコー
ル酸共重合物等が用いられる。
【0033】本発明に使用されるこれらの生体内分解性
高分子重合物の平均分子量は約2,000ないし約80
0,000のものが好ましく、より好ましくは約5,0
00ないし約200,000の範囲から選定される。乳
酸単一重合物(以下、ポリ乳酸と称することもある)に
おいて、その重量平均分子量は約5,000から約10
0,000のものが好ましい。さらに好ましくは約6,
000から約50,000である。ポリ乳酸は、自体公
知の製造方法、例えば特開昭61−28521号公報に
記載の方法に従って合成できる。乳酸−グリコール酸共
重合物において、その乳酸とグリコール酸との組成比は
約100/0から約50/50(W/W)が好ましく、特
に約90/10から50/50(W/W)が好ましい。乳
酸−グリコール酸共重合物の重量平均分子量は約5,0
00から約100,000が好ましい。さらに好ましく
は約8、000から50,000である。乳酸−グリコ
ール酸共重合物は、自体公知の製造方法、例えば特開昭
61−28521号公報に記載の方法に従って合成でき
る。該共重合体は無触媒脱水重縮合で合成された物が好
ましい。
【0034】2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合
物において、グリコール酸が約40から約70モル%、
残りが2−ヒドロキシ酪酸である場合が好ましい。2−
ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合物の重量平均分子
量は、約5,000から約100,000が好ましい。
さらに好ましくは約8,000から約50,000であ
る。2−ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合物は、自
体公知の製造方法、例えば特開昭61−28521号公
報に記載の方法に従って合成できる。該共重合体は無触
媒脱水重縮合で合成された物が好ましい。前記した2−
ヒドロキシ酪酸−グリコール酸共重合物は、さらにポリ
乳酸と混合して使用してもよい。2−ヒドロキシ酪酸−
グリコール酸共重合物とポリ乳酸とを混合して使用する
場合、その混合比は例えば約10/90から約90/1
0(重量%)である。混合比はさらに好ましくは約25
/75から約75/25(重量%)である。
【0035】本明細書中、重量平均分子量は、ゲルパー
ミェーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した
ポリスチレン換算の分子量をいう。測定は、GPCカラ
ムKF804L×2(昭和電工製)、RIモニターL−
3300(日立製作所製)を使用し、移動相としてクロ
ロホルムを用いた。前記した生体内分解性高分子重合物
の使用量は、本発明の目的が達成される限り、非ペプチ
ド性骨形成促進物質の薬理活性の強さと、生体内分解性
高分子重合物からの薬物放出の速度および期間等によっ
て変えることができ、例えば当該生理活性物質に対して
約0.2ないし10,000倍(重量比)の量で用いら
れ、好ましくは約1ないし1,000倍(重量比)、さ
らに好ましくは約1ないし100倍(重量比)の量で用
いるのがよい。本発明の医薬組成物は、通常の医薬組成
物の製造法に従って製造することができ、例えば非ペプ
チド性骨形成促進作用物質を生体内分解性重合物に分散
させる、あるいはあらかじめ一定の形に成型した中空の
生体内分解性重合物内部に充填する等によって製造され
る。具体的には、例えば水中乾燥法、相分離法、噴霧乾
燥法あるいはこれらに準ずる方法などが挙げられる。 前記製造法によって得られる本発明の医薬組成物の形状
は、例えば微粒子状,球状,棒状,針状,ペレット状,
フイルム状,クリーム状等が挙げられるが、目的を達す
る限り特に限定されない。本明細書中、微粒子状の医薬
組成物を、マイクロカプセルまたはマイクロスフィアと
称することもある。以下に、例えばマイクロカプセルを
製造する場合の製造方法について記述する。
【0036】(1)水中乾燥法(o/w法) 本方法においては、まず生体内分解性重合物の有機溶媒
溶液を作製する。本発明の医薬組成物の製造の際に使用
する有機溶媒は、沸点が120℃以下であることが好ま
しい。該有機溶媒としては、例えばハロゲン化炭化水素
(例、ジクロロメタン、クロロホルム、クロロエタン、
ジクロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、
脂肪族エステル(例、酢酸エチル,酢酸ブチル等)、エ
ーテル類(例、エチルエーテル,イソプロピルエーテル
等)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン,トルエン,キシ
レンなど)等が挙げられる。これらは2種以上適宜の割
合で混合して用いてもよい。有機溶媒は、好ましくはジ
クロロメタン、アセトニトリルである。有機溶媒は、好
ましくはジクロロメタンである。生体内分解性重合物の
有機溶媒溶液中の濃度は、生体内分解性重合物の分子
量、有機溶媒の種類などによって異なるが、一般的には
約0.01〜約80%(w/w)から選ばれる。好ましくは
約0.1〜約70%(w/w)、さらに好ましくは約1〜約
60%(w/w)である。
【0037】このようにして得られた生体内分解性重合
物の有機溶媒溶液中に、非ペプチド性骨形成促進作用物
質を、必要により凍結乾燥あるいは真空乾燥した後、添
加し溶解させる。この際非ペプチド性骨形成促進作用物
質の添加量は、薬物の種類、骨形成における作用機作お
よび効果の持続時間等により異なるが、生体内分解性高
分子重合物の有機溶媒溶液中の濃度として、約0.00
1%〜約90%(w/w)、好ましくは約0.01%〜約8
0%(w/w)、さらに好ましくは約0.1〜50%(w/
w)である。
【0038】次いで、このようにして調製された有機溶
媒溶液をさらに水相中に加えて、タービン型撹拌機など
を用いてo/wエマルジョンを形成させる。この際の水
相体積は一般的には油相体積の約1倍〜約10,000
倍から選ばれる。さらに好ましくは、約2倍〜約5,0
00倍から選ばれる。特に好ましくは、約5倍〜約2,
000倍から選ばれる。前記外相の水相中に乳化剤を加
えてもよい。該乳化剤は、一般的に安定なo/wエマル
ジョンを形成できるものであれば何れでもよい。乳化剤
としては、例えばアニオン性界面活性剤、非イオン性界
面活性剤、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリビ
ニルピロリドン、ポリビニルアルコール、カルボキシメ
チルセルロース、レシチン、ゼラチン、ヒアルロン酸な
どが挙げられる。これらは適宜組み合わせて使用しても
よい。外水相中の乳化剤の濃度は、好ましくは約0.0
01%〜約20%(w/w)である。さらに好ましくは約
0.01%〜約10%(w/w)、特に好ましくは約0.0
5%〜約5%(w/w)である。
【0039】油相の溶媒の蒸発には、通常用いられる方
法が採用される。該方法としては、プロペラ型撹拌機、
あるいはマグネチックスターラー等で撹拌しながら常圧
もしくは徐々に減圧して行うか、ロータリーエバポレー
ターなどを用いて、真空度を調節しながら行う。このよ
うにして得られたマイクロカプセルは遠心分離法あるい
は濾過して分取した後、マイクロカプセルの表面に付着
している遊離の非ペプチド性骨形成促進物質、乳化剤な
どを、例えば水またはヘプタン等で数回繰り返し洗浄し
た後、再び、蒸留水などに分散して凍結乾燥する。前記
したo/w法においては、非ペプチド性骨形成促進作用
物質を生体内分解性重合物の有機溶媒溶液中に分散させ
る方法、すなわちs/o/w法によりマイクロカプセル
を製造してもよい。
【0040】(2)水中乾燥法(w/o/w法) 本方法においては、まず水に非ペプチド性骨形成促進作
用物質またはその塩を前記の濃度になるように溶解また
は分散し、これに必要であれば蛋白質(例、ゼラチン
等)、海草類(例、寒天等)、多糖類(例、アルギン酸
等)、合成高分子物質(例、ポリビニールアルコール
等)あるいは塩基性アミノ酸(例、アルギニン、リジン
等)等の薬物保持物質を加えて溶解もしくは懸濁し、内
水相とする。これらの内水相中には、非ペプチド性骨形
成促進作用物質またはその塩の安定性、溶解性を保つた
めのpH調整剤として、酢酸,シュウ酸,クエン酸など
の有機酸、炭酸,リン酸等の無機酸、水酸化ナトリウム
等のアルカリ金属水酸化物、アルギニン,リジン等の塩
基性アミノ酸及びそれらの塩(例、酢酸,シュウ酸,ク
エン酸などの有機酸、炭酸,リン酸,塩酸などの無機酸
等との塩)などを添加してもよい。また、さらに非ペプ
チド性骨形成促進作用物質の安定化剤として、蛋白質
(例、アルブミン、ゼラチンなど)、デンプン誘導体
(例、デキストリン,プルラン等)、有機酸(例、クエ
ン酸など)、エチレンジアミン四酢酸アルカリ金属塩
(例、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム等)、亜硫酸
水素アルカリ金属塩(例、亜硫酸水素ナトリウム等)、
合成高分子物質(例、ポリエチレングリコール等)など
を添加してもよい。あるいは保存剤として、一般に用い
られるパラオキシ安息香酸エステル類(例、メチルパラ
ベン,プロピルパラベン等)、ベンジルアルコール、ク
ロロブタノール、チメロサールなどを添加してもよい。
この際非ペプチド性骨形成促進作用物質の添加量は、薬
物の種類、骨形成における作用機作および効果の持続時
間等により異なるが、内水相中の濃度として、約0.0
01%〜約90%(W/W)、好ましくは約0.01%〜約
80%(W/W)、さらに好ましくは約0.1〜50%(W/
W)である。
【0041】このようにして得られた内水相液を、生体
内分解性高分子重合物を含む溶液(油相)中に加え、次
いで乳化操作を行い、w/oエマルジョンをつくる。該
乳化操作は、公知の分散法、例えば、断続振とう法、プ
ロペラ型撹拌機或いはタービン型撹拌機などのミキサー
による方法、コロイドミル法、ホモジナイザー法、超音
波照射法等が用いられる。前記生体内分解性高分子重合
物を含む溶液(油相)は、生体内分解性高分子物質を有
機溶媒中に溶解した物が用いられる。該溶媒としては、
沸点が約120℃以下で、かつ水と混和しない性質の物
であればよく、例えばハロゲン化炭化水素(例、ジクロ
ロメタン、クロロホルム、クロロエタン、ジクロロエタ
ン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、脂肪族エステ
ル(例、酢酸エチル,酢酸ブチル等)、エーテル類
(例、エチルエーテル,イソプロピルエーテル等)、芳
香族炭化水素(例、ベンゼン,トルエン,キシレンな
ど)等が挙げられる。これらは2種以上適宜の割合で混
合して用いてもよい。ついでこのようにして製造された
w/oエマルジョンをさらに水相中に加えて、w/o/
wエマルジョンを製造し、油相溶媒を蒸発させマイクロ
カプセルを製造する。具体的操作は前記(1)に準ず
る。
【0042】(3)相分離法 本方法においては、前記w/oエマルジョンに撹拌下、
コアセルベーション剤を徐々に加え、生体内分解性高分
子重合物を、析出、固化させる。コアセルベーション剤
としては、生体内分解性高分子重合物の溶媒に混和する
高分子系、鉱物油系または、植物油系の化合物で、カプ
セル化用重合物を溶解しない物であればよく、例えば、
シリコン油、植物油脂(例、ゴマ油,大豆油,コーン
油,綿実油,ココナツ油,アマニ油等)、鉱物油、炭化
水素類(例、n−ヘキサン,n−ヘプタン等)などが挙
げられる。これらは2種以上混合して用いてもよい。こ
のようにして得られたマイクロカプセルは、濾過して分
取した後、ヘプタン等により繰り返し洗浄し、コアセル
ベーション剤を除去する。さらに、水中乾燥法と同様の
方法で遊離薬物の除去、溶媒の脱離を行う。洗浄中の粒
子同士の凝集を防ぐために、凝集防止剤〔例、マンニト
ール,ラクトール,ブドウ糖,デンプン類(例、コーン
スターチ等)などの水溶性糖類、グリシン,アラニン等
のアミノ酸類、ゼラチン、フィブリン,コラーゲン等の
蛋白質等〕を加えてもよい。
【0043】(4)噴霧乾燥法 本方法によりマイクロカプセルを製造する場合には、前
記w/oエマルジョンを、ノズルを用いてスプレードラ
イヤー装置(噴霧乾燥機)の乾燥室内へ噴霧し、きわめ
て短時間に微粒化液滴内の有機溶媒及び水を揮発させマ
イクロカプセルを調製する。ノズルとしては、二液体ノ
ズル型、圧力ノズル型、回転ディスク型等がある。この
とき、所望により、w/oエマルジョンの噴霧と同時に
マイクロカプセルの凝集防止を目的として、前述の凝集
防止剤の水溶液を別ノズルより噴霧する事も有効であ
る。このようにして得られたマイクロカプセルは、必要
があれば加温し、減圧化でマイクロカプセル中の水分及
び溶媒の除去をより完全に行う。
【0044】前記したマイクロカプセル以外にも、適当
な方法で非ペプチド性骨形成促進物質を分散させた生体
内分解性高分子重合物を溶解し、球状,棒状,針状,ペ
レット状,フイルム状等に賦形して本発明の医薬組成物
を製造することもできる。該非ペプチド性骨形成促進物
質を分散させた生体内分解性高分子重合物は、例えば特
公昭50−17525号公報に記載の方法にしたがって
製造される。更には、該非ペプチド性骨形成促進物質を
分散させた生体内分解性高分子重合物を、例えば特開平
6−234656号公報に記載のターボカウンタージェ
ットミル粉砕機や超音波ジェット粉砕機を用いた方法等
で適当な大きさの粒径に粉砕し、本発明の医薬組成物を
製造することもできる。具体的には、例えば生体内分解
性高分子重合物の有機溶媒中に、非ペプチド性骨形成促
進作用物質を添加し溶解させる。次いで真空乾燥して得
られた固溶体を粗粉砕して篩濾し、さらに脱溶媒後、超
音波ジェット粉砕機を用いて制御された粒径に粉砕して
本発明の医薬組成物を製造する。
【0045】本発明の医薬組成物は、例えばマイクロカ
プセルそのまま、あるいはマイクロカプセルまたは球
状,棒状,針状,ペレット状,フイルム状,クリーム状
の医薬組成物を原料物質として種々の剤型に製剤化す
る。またはこの製剤を用いて、局所投与用の非経口剤
(例、筋肉内,皮下,臓器,関節部位などへの注射剤、
埋め込み剤、顆粒剤、散剤等の固形製剤、懸濁剤等の液
剤、軟膏剤等)などとして投与することもできる。例え
ば、マイクロカプセルを注射剤とするには、マイクロカ
プセルを分散剤(例、Tween 80、HCO−60等の界
面活性剤、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナ
トリウム、ヒアルロン酸等の多糖類、ポリソルベート
等)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン
等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、
ソルビトール、ブドウ糖等)、緩衝剤(例、炭酸カルシ
ウム等)、pH調整剤(例、リン酸ナトリウム、リン酸
カリウム等)等と共に水性懸濁剤とすることにより実用
的な注射用製剤が得られる。また、ゴマ油、コーン油な
どの植物油あるいはこれにレシチンなどのリン脂質を混
合したもの、あるいは中鎖脂肪酸トリグリセリド(例、
ミグリオール812等)と共に分散して油性懸濁剤とし
て実際に使用できる注射剤とする。本発明の医薬組成物
およびこれからなる医薬製剤は、リン酸またはその塩
(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等)を含
有していてもよく、リン酸塩を加えることによって、骨
形成促進作用をさらに増強させることができる。注射剤
にリン酸またはその塩が含まれる場合、その注射剤中の
リン酸ナトリウムあるいはリン酸カリウムの濃度は約
0.1mMないし500mMであり、約1mMないし1
00mMのときが好ましい。本発明の好ましい医薬製剤
の組成は、(A)乳酸−グリコール酸共重合体:乳酸/
グリコール酸共重合体の組成比が約90/10ないし5
0/50(w/w)で、かつ重量平均分子量が約8,0
00ないし50,000である、(B)(2R,4S)
−(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリルメチル)
フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4−メチ
ル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3−ベン
ゾチエピン−2−カルボキサミド、及び(C)リン酸ナ
トリウムの場合である。(A)における(B)の含有量
は、約5ないし30%(w/w)で、(A)及び(B)
における(C)の含有量は、約0.1ないし20%であ
る。
【0046】マイクロカプセルの粒子径は、例えば懸濁
注射剤として使用する場合にはその分散度、通針性を満
足する範囲であればよく、例えば平均粒子径として約
0.1〜約300μm の範囲が挙げられる。好ましく
は、約1〜150μm、さらに好ましくは、約2〜10
0μmの範囲の粒子径である。本発明の医薬組成物は、
前記のように懸濁液であることが好ましい。本発明の医
薬組成物は微粒子状であることが好ましい。なぜならば
該医薬組成物は、通常の皮下あるいは筋肉内注射に使用
される注射針を通して投与される方が、患者に対し過度
の苦痛を与えることがないからである。本発明の医薬組
成物は特に注射剤であることが好ましい。マイクロカプ
セルを無菌製剤にするには、製造全工程を無菌にする方
法、ガンマ線で滅菌する方法、防腐剤を添加する方法等
が挙げられるが、特に限定されない。
【0047】本発明の医薬組成物は、非ペプチド性骨形
成促進作用物質の作用が増強されているとともに徐放性
を有し、生体内分解性重合物の種類、配合量などにより
その徐放期間は異なるが、通常1週から3カ月の徐放期
間を有するので、骨疾患(例えば骨折,再骨折,骨粗鬆
症,骨軟化症,骨ペーチェット病,硬直性脊椎炎,慢性
関節リウマチ,変形性膝関節炎およびそれらの類似疾患
における関節組織の破壊等)の予防,治療、多発性骨髄
腫,肺癌,乳癌等の外科手術後の骨組織修復および歯周
疾患等における歯周組織の再生等に用いることができ
る。これらの中で特に骨折患者の場合、患部を固定しギ
ブスなどで覆うことが多いため、頻回投与を避け1回の
投与で持続的に治癒促進することが望まれるため、本発
明の医薬組成物は特に有効である。本発明の医薬組成物
から得られる徐放性製剤は、他の骨疾患治療剤と一緒に
用いることもできる。例えば、骨形成促進物質として化
合物(I)が用いられる場合、他の骨疾患治療薬と組合
わせて用いることもできる。組合わされる薬剤として
は、例えばカルシウム製剤(例、炭酸カルシウム等)、
カルシトニン製剤、ビタミンD製剤(例、アルファカル
シドール等)、性ホルモン類(例、エストロゲン、エス
トラジオール等)、プロスタグランジンA1、ビスホス
ホン酸類、イプリフラボン類、フッ素化合物(例、フッ
化ナトリウム等)、ビタミンK2、骨形成タンパク(B
MP)、繊維芽細胞増殖因子(FGF)、血小板由来増
殖因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子
(TGF−β)、インスリン様成長因子−1及び2(I
GF−1,−2)、副甲状腺ホルモン(PTH)などが
挙げられる。本発明の医薬組成物は、低毒性なので哺乳
動物(例、ヒト、牛、ウマ、豚、犬、ネコ、マウス、ラ
ット、ウサギ等)に対して安全に用いることができる。
本発明の医薬組成物は、一定した薬物量を長期にわたっ
て放出するため、無毒ないし低毒性で安定した薬効が得
られ、骨疾患の予防,治療、骨組織の修復および歯周疾
患等における歯周組織の再生等に合致した、安全で効能
の高い製剤として期待される。例えば骨折治療(例、大
腿骨頸部骨折等)に本発明の医薬組成物を用いる場合、
その骨形成促進作用を局所において効率的に発揮させ、
従来骨折後2〜6カ月要した治癒期間を大幅に短縮させ
ることが可能である。従って患者の社会生活への復帰を
早め、あるいは老年期の骨折に伴う種々の合併症の併発
を未然に防ぐことが可能となる。
【0048】本発明の医薬組成物の投与量は、非ペプチ
ド性骨形成促進物質の種類と含量、剤型、薬物放出の持
続時間、投与対象動物などにより異なるが、該非ペプチ
ド性骨形成促進物質の有効量であればよい。例えばマイ
クロカプセルとして骨折部位に使用する場合、1回当り
の投与量として、成人(体重50kg)当たり、有効成分
〔例えば化合物(I)〕として約0.01mgから500m
g。好ましくは約5mgから50mgを1週間ないし3カ月
に1回投与すればよい。
【0049】
【発明の実施の形態】以下に参考例、実施例、試験例を
挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらは本
発明を限定するものではない。尚、実施例および試験例
中で室温とは約0℃から約30℃を意味する。
【実施例】
参考例1 (2R,4S)−(−)−1,2,4,5−テトラヒド
ロ−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキ
ソ−3−ベンゾチエピン−2−カルボン酸 (R)−α
−メトキシカルボニルベンジルエステルの製造 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩(12.59g)のジクロロメタン
(200ml)溶液を、(±)−t−1,2,4,5−
テトラヒドロ−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ
−5−オキソ−3−ベンゾチエピン−2−カルボン酸
(15.34g)および(R)−(−)−マンデル酸メ
チル(18.19g)のN,N−ジメチルホルムアミド
(DMF)(200ml)溶液に0℃で滴下し、ついで4
−ジメチルアミノピリジン(DMAP)(3.34g)を加
えた。混合物を0℃で1時間、室温で15時間かきまぜ
た後、水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層は
水洗、乾燥(MgSO4)後、溶媒を留去し残留する結晶を
ろ取、エーテル−ヘキサンで洗浄した。酢酸エチル−ヘ
キサンから2回再結晶し、標記化合物(4.09g,収
率17%)を得た。融点140−141℃。施光度
[α]D(23℃)-244.2°(c=0.50,CHCl3)。
【0050】参考例2 (2R,4S)−(−)−1,2,4,5−テトラヒド
ロ−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキ
ソ−3−ベンゾチエピン−2−カルボン酸 参考例1と同様にして得た(2R,4S)−(−)−
1,2,4,5−テトラヒドロ−4−メチル−7,8−
メチレンジオキシ−5−オキソ−3−ベンゾチエピン−
2−カルボン酸 (R)−α−メトキシカルボニルベン
ジルエステル(4.18g)、酢酸(45ml)および
濃塩酸(30ml)の混合物を還流下に30分間かきま
ぜた。反応混合物を水(800ml)に注ぎ析出する結
晶をろ取し、酢酸エチル(150ml)に溶解した。酢
酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後、溶媒を留去し残
留する結晶をろ取、ヘキサンで洗浄した。酢酸エチル−
ヘキサンから再結晶し、標記化合物(1.62g,収率
59%)を得た。無色針状晶。融点 194−195
℃。旋光度[α]D(23℃)-210.8°(c=0.50,CH3O
H)。
【0051】参考例3 (2R,4S)−(−)−N−[4−(ジエトキシホス
ホリルメチル)フェニル]−1,2,4,5−テトラヒ
ドロ−4−メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オ
キソ−3−ベンゾチエピン−2−カルボキサミド(化合
物A)の製造
【化14】 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド塩酸塩(0.39g)のジクロロメタン(7
ml)溶液を、参考例2で得た(2R,4S)−(−)
−1,2,4,5−テトラヒドロ−4−メチル−7,8
−メチレンジオキシ−5−オキソ−3−ベンゾチエピン
−2−カルボン酸(0.47g)および4−アミノベン
ジルホスホン酸ジエチル(0.41g)のN,N−ジメ
チルホルムアミド(DMF)(7ml)溶液に0℃で滴下
し、ついで1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)
(0.28g)を加えた。混合物を0℃で1時間、室温
(25℃)で15時間かきまぜた後水に注ぎ酢酸エチル
で抽出した。酢酸エチル層は水洗、乾燥(MgSO4)後、
溶媒を留去し残留する結晶をろ取した。酢酸エチル−ヘ
キサンから、ついでメタノール−ヘキサンから再結晶
し、化合物A(0.37g,44%)を得た。無色プリ
ズム晶。融点 181−182℃。旋光度[α]D(23
℃)-187.4°(c=0.50,CHCl3)。
【0052】実施例1 〔表1〕に示す処方で乳酸−グリコール酸共重合物〔以
下PLGAと称する事がある。乳酸−グリコール酸の組
成比(モル%)及びGPC測定による重量平均分子量は
〔表1〕に記載した。和光純薬工業製〕及び乳酸単一重
合物(以下PLAと称する事がある)のジクロルメタン
溶液を調製した(以下溶液Aと称することがある)。同
様に、〔表1〕に示す処方で化合物Aのジクロルメタン
溶液を調製した(以下溶液Bと称することがある)。溶
液Aおよび溶液Bを均一に混合した後、あらかじめ15
℃に調節しておいた〔表1〕に記載した容量の0.1%
ポリビニルアルコール(EG−40、日本合成化学製)
水溶液(以下PVA溶液と称することがある)に注入
し、タービン型ホモミキサーを用い、7,000rpmで
O/Wエマルジョンとした。このO/Wエマルジョンを
室温で3時間撹拌してジクロルメタンを発揮させ、油相
を固化させた後、遠心分離器(05PR−22、日立製
作所)を用いて2,000rpm で捕集した。これを再び
蒸留水に分散後、さらに遠心分離を行い、遊離薬物等を
洗浄した。捕集されたマイクロカプセルは少量の蒸留水
を加えて再分散した後、凍結乾燥した。〔表1〕に記載
した粒径のマイクロカプセルが得られた。得られたマイ
クロカプセルへの化合物Aの取り込み率は100%であ
った。
【表1】
【0053】実施例2 乳酸−バレロラクトン共重合物(PLV 2500M
L、多木化学製、以下PLVと称することがある)、ま
たはグリコール酸−カプロラクトン共重合物(PGC
2500MG、多木化学製、以下PGCと称することが
ある)約8gを遠沈管にいれ水浴中約50℃で加温し、
化合物A約80mgをそれぞれに混合し、均一に分散して
軟膏状製剤を得た。冷所において保存した。 実施例3 実施例1で得られた500mgのマイクロカプセルNo.1
をティシール(日本臓器製薬製)用フィブリノーゲン液
2本に均一に分散し、ティシール用トロンビン液2本を
徐々に添加した。次いで速やかにプラスチック製注射筒
に吸入し、37℃で30分静置して固化させた。固化後
注射筒先端より押し出し、カミソリで切断して体積約2
00μl のペレットを作製した。
【0054】実施例4 化合物A4mgを骨補填剤である中空型ヒドロキシアパタ
イト(住友製薬製、ボーンセラムP、直径3mm長さ14
mm、孔径1mm)に充填した。中空孔の両端は粘土で密封
した。 実施例5 実施例1で得られた化合物A含有(含量4%)マイクロ
カプセルNo.3に20%の微粉化ゼラチン(新田ゼラ
チン製)を添加して、直系5.5mm、重量125mg
のマイクロカプセル含有錠剤を作成した。 実施例6 乳酸−グリコール酸の組成比85/15(モル%)、重
量平均分子量14,900のPLGA(和光純薬工業
製)を用いた以外は、実施例1に記載の方法に従って化
合物A含有(含量10%)マイクロカプセルNo.7を
作成した。平均粒径は31μmであった。 実施例7 実施例1に記載の方法に従って、乳酸−グリコール酸の
組成比85/15、重量平均分子量14,900のPL
GA(和光純薬工業製)2.4gおよび化合物A 0.
1gを含有するジクロロメタン溶液を調整した。さらに
この有機溶媒溶液にエストラジオール0.2gを溶解し
た後、PVA溶液に注入して、O/Wエマルションを作
成し、化合物Aおよびエストラジオールを含有するマイ
クロカプセルNo.8を作成した。平均粒子径は27μ
mであった。
【0055】試験例1 実施例1で得られたマイクロカプセルNo.1,5mgを精
秤しガラス製遠沈管にとり、粉末状態で37℃に静置し
た。一定時間後マイクロカプセルを少量のアセトニトリ
ルに溶解し高速液体クロマトグラフィー(以下HPLC
と称することがある)で定量分析した。得られた安定性
の結果を〔表2〕に示す。4週経日後も95%以上の含
量を示した。
【表2】 試験例2 実施例1で得られたマイクロカプセルNo.2〜No.4のそ
れぞれ5mgを精秤しガラスバイアルにとり、放出試験液
(10%牛血清アルブミン含有リン酸緩衝液、pH7.
0)10mlを加えて37℃水浴(TAITEC、インキ
ュベーターM−100、毎分115ストローク)中で振
とうした。経時的に100μl をサンプリングし、アセ
トニトリル100μl を加えて振とう後、遠心分離して
得た上清をHPLCで測定し、化合物Aの放出量を算出
した。放出試験の結果を〔表3〕に示す。 放出パターンの異なる3種のマイクロカプセルが得られ
た。
【表3】
【0056】試験例3 実施例1で得られたマイクロカプセルNo.3〜No.6のそ
れぞれ25mgを分散媒〔カルボキシメチルセルロース
(1.5mg)、ポリソルベート20(0.3mg)、マンニ
トール15mgを溶解した蒸留水〕0.3mlに分散して、
エーテル麻酔下5週令雄性SDラット(n=5)の頭部
皮下に22G注射針を用いて投与した。投与後一定時間
毎にラットを屠殺して投与部位に残存するマイクロカプ
セルを取り出し、このマイクロカプセル中の化合物Aを
HPLCで定量した。結果を〔表4〕に示す。In vivo
においても種々の放出パターンを示すマイクロカプセル
が得られた。すなわち、マイクロカプセルNo.3は1カ
月、マイクロカプセルNo.4および5は1カ月以上の、
マイクロカプセルNo.3は3週間の徐放期間を示した。
【表4】
【0057】試験例4 実施例2で得られた軟膏状製剤を軟膏チューブに充填
し、チューブの先端にマイクロピペット用チップを装着
して動物への投与を容易にした。エーテル麻酔下、5週
令雄性SDラット(n=5)の背部皮下に投与した。投
与量は投与前後のチューブの重量差から算出した。経時
的にラットを屠殺し、残存する化合物A量をHPLCに
より測定した。結果を〔表5〕に示す。1〜2週間で投
与全量を放出する軟膏状製剤が得られた。
【表5】
【0058】試験例5 ペントバルビタール麻酔下、6週齢雄性SDラット(n
=8)の頭部を切開し骨膜を剥離した。次いで歯科用ド
リルを用いて左側頭蓋冠に直径4mmの穴を開口した。縫
合後、1週間放置し実施例1で得られたマイクロカプセ
ルNo. 3(25mg)を分散媒〔カルボキシメチルセルロ
ース(1.5mg)、ポリソルベート20(0.3mg)、マ
ンニトール(15mg)を溶解した蒸留水〕0.3mlに分
散して、右側頭部皮下に22G注射剤を用いて投与し
た。対照として上記分散媒0.3mlのみを投与したラッ
トを用いた。3週後にラットを屠殺し、頭蓋冠を取り出
したのち、軟X線写真を撮影した。次に写真を用いて、
骨欠損部における新生骨面積を画像解析により測定算出
した。マイクロカプセル投与群において有意な新生骨面
積の増加が観察され、本発明の医薬組成物の優れた骨形
成促進活性が示された。
【0059】試験例6 ペントバルビタール麻酔下、6週齢雄性SDラット(n
=8)の左足を切開し、左側腓骨中央部を露出後、カッ
ターを用いて切断した。実施例1で得られたマイクロカ
プセルNo.1(25mg)を腓骨切断部に埋入し、縫合し
た。2週後にラットを屠殺し腓骨を摘出したのち、骨塩
量測定装置(DSC−600、アロカ東京)により骨塩
量を測定した。同様に未処理右側腓骨の骨塩量を測定し
た。左側腓骨の測定値より右側腓骨の測定値を差し引い
た値を仮骨骨塩量として算出した。対照として化合物A
を含有しないプラセボマイクロカプセルを、マイクロカ
プセルNo.1と同様の操作により調製して、試験例5と
同様の操作により比較した。結果を〔図1〕に示す。薬
物含有マイクロカプセルの投与により、有意な骨塩量の
増大が観察され、本発明の医薬組成物の優れた骨形成促
進活性が示された。
【0060】試験例7 実施例1で得られた化合物A含有(含量4%)マイクロ
カプセルNo.1(25mg)を、試験例6に記載の方
法に従いラット腓骨骨折モデルに局所投与し、投与後2
および3週間後に骨塩量を測定した。対照としてプラセ
ボマイクロカプセル(薬物非含有マイクロカプセル)投
与群および自然治癒群も同様に骨塩量を測定した。結果
を〔表6〕に示す。
【表6】 薬物含有マイクロカプセル投与群は、対照に比べ有意に
高い骨塩量を示し、本発明の医薬組成物の優れた骨形成
促進活性が示された。
【0061】試験例8 実施例5で得られたマイクロカプセル含有錠剤を、エー
テル麻酔下5週齢の雄性SDラット(n=5)の背部皮
下にインプラントした。以後、投与部位に残存する薬物
量をHPLCにより定量した。結果を〔図2〕に示す。
6週にわたる徐放性を示した。 試験例9 宮本らの方法〔宮本伸平,吉川秀喜,高岡邦夫:The Bo
ne, 7, 85-96 (1983)〕に従い、ウサギ(体重3ないし
4kg)の脛骨を切断し長さ5mmの骨欠損を生ぜし
め、次いで実施例5で得られたマイクロカプセル含有錠
剤を骨欠損部に挟み込み創外固定した。対照として化合
物Aを含有しないプラセボマイクロカプセル含有錠剤を
用いた。軟X線像による観察で、化合物A含有錠剤を投
与したウサギにおいては術後2カ月で骨癒合が見られ
た。一方、プラセボ錠剤投与ウサギにおいては骨癒合は
観察されなかった。
【0062】試験例10 実施例6で得られた化合物A含有(含量10%)マイク
ロカプセルNo.7を、試験例3に記載の方法に従いエ
ーテル麻酔下5週齢の雄性SDラット(n=5)の背部
皮下に投与した(化合物Aとして100mg/kgラッ
ト体重)。以後、薬物の血中濃度をHPLCにより定量
した。結果を〔図3〕に示す。投与後4週においても
0.05から0.1μg/mlの血中濃度を示した。
【0063】試験例11 試験例6に記載の方法でラット腓骨骨折モデルを作成
し、次いで実施例6で得られた化合物A含有(含量10
%)マイクロカプセルNo.7を、凍結乾燥粉末(1m
g/ラット)および試験例5に記載の分散媒に分散した
懸濁液(5mg/0.25ml/ラット)として局所投
与した。投与2週間後に、試験例6に記載の方法で骨塩
量を測定し、対照としたプラセボマイクロカプセル投与
群と比較した。結果を〔表7〕に示す。
【表7】 凍結乾燥粉末および懸濁液いずれにおいても、薬物含有
マイクロカプセル投与群は対照に比べ有意に高い骨塩量
を示し、本発明の医薬組成物の優れた骨形成促進活性が
示された。
【0064】試験例12 試験例6記載と同様にして、ラット腓骨骨折モデルを作
成し、ついで実施例6で得られた化合物A含有(含量1
0%)マイクロカプセルNo.7を、種々の濃度のリン
酸ナトリウムを含有する分散媒〔D−ソルビトール
(2.5g)、食塩(0.9g)、ポリソルベート
(0.1g)、カルボキシメチルセルロース(0.5
g)を蒸留水に溶解後、適量の塩酸でpH6.8に調整
した溶液〕に懸濁して局所投与(5mg/0.25ml
/ラット)した。2週間後に試験例6記載と同様にして
骨塩量を測定したところ、〔表8〕の結果を得た。
【表8】 〔表8〕の結果から、リン酸ナトリウムを加えることに
よって、さらに骨塩量の増加が見られた。したがって、
リン酸塩の添加によってさらに骨形成促進作用が増強さ
れることがわかる。
【発明の効果】本発明の医薬組成物は、低毒性かつ増強
された骨形成促進活性を長期にわたり示し、哺乳動物の
骨疾患、例えば(i)骨折、(ii)再骨折、(iii)骨粗鬆症、
(iv)骨軟化症、(v)骨ペーチェット病、(vi)硬直性脊椎
炎、(vii)慢性関節リウマチ、(viii)変形性膝関節炎お
よびそれらの類似疾患における関節組織の破壊等の予
防、治療剤として、(ix)多発性骨髄腫、肺癌、乳癌等の
外科手術後の骨組織修復剤として、また(x)歯周疾患等
における歯周組織の再生促進剤として安全に利用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】化合物A含有マイクロカプセルおよびプラセボ
マイクロカプセル(対照)をラットに投与後2週目の腓
骨の骨塩量(mg)を示すグラフである。
【図2】化合物A含有マイクロカプセルを含む錠剤を、
ラットの背部皮下にインプラント後の投与部位での化合
物Aの残存率の推移を示すグラフである。横軸は投与後
の時間(週)を、縦軸は化合物Aの皮下残存率(%)を
示す。
【図3】化合物A含有マイクロカプセルを、ラットの背
部皮下に投与後の化合物Aの血中濃度の推移を示すグラ
フである。横軸は投与後の時間(週)を、縦軸は化合物
Aの血中濃度(μg/ml)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 31/67 ACK A61K 31/67 ACK 33/42 33/42 47/34 47/34 C Z C07D 335/06 C07D 335/06 337/08 337/08 495/04 116 495/04 116 C07F 9/36 C07F 9/36 9/53 9/53 9/6574 9/6574 Z //(C07D 495/04 317:48 337:04) (C07D 495/04 319:18 337:04) (72)発明者 岩佐 進 京都府綴喜郡田辺町大住ケ丘1丁目21番 地の2 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/52 A61K 47/34

Claims (28)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】非ペプチド性骨形成促進作用物質と生体内
    分解性高分子重合物とを含有してなる局所投与用医薬組
    成物。
  2. 【請求項2】さらにリン酸またはその塩を含む請求項1
    記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】非ペプチド性骨形成促進作用物質が非ステ
    ロイドである請求項1記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】骨折治癒促進を目的とする請求項1記載の
    医薬組成物。
  5. 【請求項5】徐放性製剤である請求項1記載の医薬組成
    物。
  6. 【請求項6】非ペプチド性骨形成促進作用物質が式 【化1】 〔式中、環Aは置換されていてもよいベンゼン環を、R
    は水素原子または置換されていてもよい炭化水素基を、
    Bはエステル化またはアミド化されていてもよいカルボ
    キシル基を、Xは−CH(OH)−または−CO−を、k
    は0または1を、k’は0、1または2を示す〕で表さ
    れる化合物またはその塩である請求項1記載の医薬組成
    物。
  7. 【請求項7】環Aがハロゲン、C1-10アルキル、C1-10
    アルコキシ、−O−(CH2)n−O−(nは1ないし3の
    整数)およびC1-10アルキルチオから選ばれた1または
    2個の置換基で置換されていてもよいベンゼン環である
    請求項記載の医薬組成物。
  8. 【請求項8】Bが−CON(R1)(R2)(R1およびR2
    それぞれ水素原子、置換されていてもよい炭化水素基ま
    たは置換されていてもよい5ないし7員の複素環基を示
    す)である請求項記載の医薬組成物。
  9. 【請求項9】R1が水素原子またはC1-10アルキル基、
    かつR2が(i)ハロゲン、C1-6アルコキシ、モノ−また
    はジ−C1-6アルコキシホスホリル、モノ−またはジ−
    1-6アルコキシホスホリル−C1-3アルキル、式 【化2】 またはC1-6アルコキシカルボニルで置換されていても
    よいフェニルまたはフェニル−C1-3アルキル基または
    (ii)フェニルで置換されていてもよい1または2個の窒
    素原子あるいは1個の窒素原子と1個の硫黄原子をもつ
    5または6員の複素環基である請求項記載の医薬組成
    物。
  10. 【請求項10】Rが水素原子、C1-6アルキル基または
    フェニル基である請求項記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】kが1、かつk′が0である請求項
    載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】非ペプチド性骨形成促進作用物質が式 【化3】 〔式中、R3は低級アルキル基を、R4およびR5はそれ
    ぞれ低級アルキル基、または一緒になって低級アルキレ
    ン基を示す。〕で表される光学活性化合物である請求項
    1記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】R3、R4およびR5がそれぞれC1-6アル
    キル基である請求項12記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】非ペプチド性骨形成促進作用物質が(2
    R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリル
    メチル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4
    −メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3
    −ベンゾチエピン−2−カルボキサミドである請求項1
    記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】非ペプチド性骨形成促進作用物質に対す
    る生体内分解性高分子重合物の重量比が約1ないし10
    0倍である請求項1記載の医薬組成物。
  16. 【請求項16】(2R,4S)−(−)−N−〔4−(ジ
    エトキシホスホリルメチル)フェニル〕−1,2,4,5
    −テトラヒドロ−4−メチル−7,8−メチレンジオキ
    シ−5−オキソ−3−ベンゾチエピン−2−カルボキサ
    ミドと生体内分解性高分子重合物とを含有してなる請求
    項1記載の医薬組成物。
  17. 【請求項17】さらにリン酸またはその塩を含む請求項
    16記載の医薬組成物。
  18. 【請求項18】リン酸またはその塩がリン酸ナトリウム
    である請求項17記載の医薬組成物。
  19. 【請求項19】生体内分解性高分子重合物における(2
    R,4S)−(−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリル
    メチル)フェニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4
    −メチル−7,8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3
    −ベンゾチエピン−2−カルボキサミドの含有量が約5
    ないし30%(w/w)であり、かつ(2R,4S)−
    (−)−N−〔4−(ジエトキシホスホリルメチル)フェ
    ニル〕−1,2,4,5−テトラヒドロ−4−メチル−7,
    8−メチレンジオキシ−5−オキソ−3−ベンゾチエピ
    ン−2−カルボキサミドと生体内分解性高分子重合物に
    おけるリン酸ナトリウムの含有量が約0.1ないし20
    %(w/w)である請求項18記載の医薬組成物。
  20. 【請求項20】生体内分解性高分子重合物が乳酸−グリ
    コール酸共重合体である請求項16記載の医薬組成物。
  21. 【請求項21】乳酸/グリコール酸共重合体の組成比が
    約90/10ないし50/50(w/w)であり、かつ
    その重量平均分子量が約8,000ないし50,000
    である請求項20記載の医薬組成物。
  22. 【請求項22】生体内分解性高分子重合物が脂肪族ポリ
    エステルである請求項1記載の医薬組成物。
  23. 【請求項23】脂肪族ポリエステルが乳酸−グリコール
    酸共重合物である請求項22記載の医薬組成物。
  24. 【請求項24】懸濁液である請求項1記載の医薬組成
    物。
  25. 【請求項25】注射剤である請求項1記載の医薬組成
    物。
  26. 【請求項26】骨疾患予防・治療剤を製造するための非
    ペプチド性骨形成促進作用物質と生体内分解性高分子重
    合物とを含有する局所投与用医薬組成物の使用方法
  27. 【請求項27】非ペプチド性骨形成促進作用物質の作用
    増強された局所投与用医薬組成物を製造するための生
    体内分解性高分子重合物の使用方法
  28. 【請求項28】非ペプチド性骨形成促進作用物質と生体
    内分解性高分子重合物とを含有する骨形成促進作用の増
    強された骨疾患予防・治療剤。
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