JP2002047184A - チオフェン誘導体含有医薬組成物 - Google Patents

チオフェン誘導体含有医薬組成物

Info

Publication number
JP2002047184A
JP2002047184A JP2001153565A JP2001153565A JP2002047184A JP 2002047184 A JP2002047184 A JP 2002047184A JP 2001153565 A JP2001153565 A JP 2001153565A JP 2001153565 A JP2001153565 A JP 2001153565A JP 2002047184 A JP2002047184 A JP 2002047184A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
compound
acid
reaction
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001153565A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Hoshino
哲夫 星野
Masahiro Kawase
雅弘 川瀬
Atsushi Ota
敦 太田
Tsuneo Yasuma
常雄 安間
Shigeru Kamei
茂 亀井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2001153565A priority Critical patent/JP2002047184A/ja
Publication of JP2002047184A publication Critical patent/JP2002047184A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heterocyclic Carbon Compounds Containing A Hetero Ring Having Oxygen Or Sulfur (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 骨・軟骨形成促進作用を有する生理活性物質
(薬物)を長期間、安定に疾患部位に作用させる医薬組
成物の提供。 【解決手段】 一般式(Ia): 【化1】 〔式中、R1は置換されていてもよい炭化水素残基等を
示し、R2はシアノ基等を示し、環Aaは置換されてい
てもよい5〜7員環を示し、Rは水素原子等を示し、R
はチオフェン環および環Aaの環構成原子とともに置換
されていてもよい炭化水素環または複素環を形成しても
よい。〕で表される化合物またはその塩と生体内分解性
高分子化合物とを含有してなる医薬組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チオフェン誘導体
と生体内分解性高分子化合物とを含有してなる新規な医
薬組成物、特に骨疾患または軟骨疾患予防治療用医薬組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】関節軟骨の変性による変形性関節症、慢
性関節リウマチの発症率は年齢と強い相関を示すことが
知られており、近年の人口の老齢化により患者数は増大
している。これらの関節軟骨疾患は進行すると著明な疼
痛、跛行、関節可動域の制限のような臨床症状を呈する
にも関わらず、ステロイドなどの抗炎症剤による除痛、
ヒアルロン酸による関節軟骨の保護などの保存的な治療
がなされており、損傷した軟骨の再生を目的としたもの
ではない(最新内科学大系、中山書店、第74巻、77-94
項、265-272項、1995年)。また、これらの関節軟骨疾
患と同様に骨粗鬆症も高齢化社会をむかえて増加してお
り、それに比例して骨粗鬆症関連四肢骨折の発生頻度が
著しく増大している。骨折治癒に際し、生体内では骨形
成タンパク質(bone morophogetic protein, 以下BMP)
などのペプチド性生理活性物質がその治癒を促進してい
ることが知られている(プロシーディングナショナルア
カデミーサイエンス、米国(Proceeding National Acad
emy Science USA)、第87巻、2220-2224項、1990年)。
しかしながら、このようなペプチド性物質は生体内代謝
が早く、物理化学的および生物学的に不安定である。
【0003】近年、これらの点を克服できる可能性を期
待される種々の非ペプチド性の骨・軟骨形成促進物質が
提案されている。また、これらの疾患部位は骨折部位あ
るいは関節内のように局所に限定されることから、骨・
軟骨形成促進作用を有する生理活性物質(薬物)を長期
間、安定に疾患部位に作用させる医薬組成物が必要とさ
れる。さらに、このような非ペプチド性の骨・軟骨形成
促進物質を生体内分解性高分子と共に医薬組成物、とり
わけ徐放剤とすることによって、長期にわたる薬効成分
の持続効果が期待できる。非ペプチド性の骨・軟骨形成
促進物質を生体内分解性高分子と共に医薬組成物、とり
わけ徐放剤とする試みとして、特開平9−263545
号公報(WO96/39134号公報)には非ペプチド
性骨形成促進作用物質と生体内分解性高分子化合物とを
含有してなる医薬組成物が記載されている。また、特開
平2000−72678号公報(WO99/65474
号公報)にはベンゾチエピン誘導体等と生体内分解性高
分子化合物とを含む軟骨疾患予防治療用徐放性製剤が記
載されている。
【0004】一方、本発明の医薬組成物に用いる薬物と
して、一般式(I)で表される縮合ベンゾチオフェン誘
導体等が挙げられるが、縮合ベンゾチオフェン誘導体を
基本骨格とする化合物が、次の文献等に記載されてい
る。メイブリッジ(Maybridge)社(住所:Trevillett,
Tintagel, North Cornwall, PL34 0HW, 英国)から頒
布されている同社の製品カタログ(第241巻、1991年10
月出版)を基に、4,5-ジヒドロ-8-(メチルチオ)イソ
キサゾロ[5,4-d]ベンゾ[c]チオフェン-6-カルボキ
サミド〔4,5-dihydro-8-(methylthio)isoxazolo[5,4-d]
benzo[c]thienophene-6-carboxamide〕を入手すること
ができる。特開平8−245386号公報には、4,5-ジ
ヒドロ-8-(メチルチオ)イソキサゾロ[5,4-d]ベンゾ
[c]チオフェン-6-カルボキサミド〔4,5-dihydro-8-(m
ethylthio)isoxazolo[5,4-d]benzo[c]thienophene-6-ca
rboxamide〕に代表される化合物を含有してなる細胞分
化誘導因子作用増強剤が記載されている。特開平10−
130271(WO98/09958号公報)には、細
胞分化誘導因子作用増強作用および抗マトリックスメタ
ロプロテアーゼ作用を有し、骨粗鬆症、骨折、変形性関
節症、慢性関節リウマチなどの骨疾患、動脈硬化症、癌
転移および神経変性に基づく疾患の予防治療に有用な縮
合チオフェン化合物が記載されている。さらに、GB−
A−2336589号公開公報、WO99/6425号
公報およびリービッヒ アナレーン(Liebigs Ann.)199
6年239-245頁に縮合チオフェン誘導体が記載されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、骨・軟骨形
成促進作用物質などの生理活性物質等を、例えば局所投
与した後に、長期にわたってその効果を持続させる医薬
組成物、製造法およびその用途を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
等を解決するために種々研究したところ、環Aに特徴を
有する以下に示される一般式(Ia)で表されるチオフ
ェン誘導体またはその塩と、生体内分解性高分子化合物
とを含有する医薬組成物が、該チオフェン誘導体の徐放
ならびに放出制御の観点から、極めて有用な医薬組成物
であることを見出し、更に研究を重ねた結果、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち本発明は、 (1) 一般式(Ia):
【化4】 〔式中、R1はそれぞれ置換されていてもよい炭化水素
残基,複素環基,スルフィニル基,スルホニル基,水酸
基,チオール基またはアミノ基を示し、R2はシアノ
基、ホルミル基、チオホルミル基または式:−Z1−Z2
(式中、Z1は、−CO−,−CS−,−SO−または
−SO2−を示し、Z2は、それぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基,複素環基,水酸基またはアミノ基を示
す。)で表される基を示し、環Aaは置換されていても
よい5〜7員環を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、
シアノ基またはそれぞれ置換されていてもよいアミノ
基、アシル基、炭化水素残基もしくは複素環基を示し、
Rはチオフェン環および環Aaの環構成原子とともに置
換されていてもよい炭化水素環または複素環を形成して
もよい。〕で表される化合物またはその塩と生体内分解
性高分子化合物とを含有してなる医薬組成物。 (2) 一般式(Ia)が一般式(I)
【化5】 〔式中、環Aは、
【化6】 (式中、R3は水素原子、それぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基,複素環基,水酸基,アミノ基,スルホ
ニル基またはアシル基を示す。)のいずれかで表される
芳香族5員複素環を示し、環Bは置換基を有していても
よい5〜7員炭化水素環を示し、その他の記号は上記
(1記載と同意義を示す。〕である上記(1)記載の医
薬組成物。 (3) 生体内分解性高分子化合物が、脂肪族ポリエス
テルである上記(1)記載の医薬組成物。 (4) 脂肪族ポリエステルが、乳酸−グリコール酸共
重合体である上記(3)記載の医薬組成物。 (5) 乳酸−グリコール酸共重合体が、乳酸/グリコ
ール酸の組成比が約100/0ないし40/60(モル
比)である乳酸−グリコール酸共重合体である上記
(4)記載の医薬組成物。 (6) 乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均分子量
が、約3,000ないし50,000である上記(1
3)記載の医薬組成物。 (7) 局所投与製剤である上記(1)記載の医薬組成
物。 (8) 関節内投与製剤である上記(1)記載の医薬組
成物。 (9) 徐放性製剤である上記(1)記載の医薬組成
物。 (10) 骨疾患または軟骨疾患予防治療剤である上記
(1)記載の医薬組成物。 (11) 骨疾患が骨折または骨欠損である上記(1
0)記載の医薬組成物。 (12) 軟骨疾患が変形性関節症である上記(10)
記載の医薬組成物。 (13) 徐放性製剤がマイクロカプセルである上記
(9)記載の医薬組成物。 (14) 一般式(Ia)で表される化合物またはその
塩および生体内分解性高分子化合物を含有する有機溶媒
溶液から有機溶媒を除去することを特徴とする上記
(1)記載の医薬組成物の製造法。 (15) 有機溶媒が、ハロゲン化炭化水素、エーテル
類、脂肪酸エステル、芳香族炭化水素、アルコール類、
アセトニトリルおよび低級脂肪酸から選ばれる1種また
は2種以上の組合せである上記(14)記載の製造法。 (16) 有機溶媒が、ハロゲン化炭化水素および低級
脂肪酸である上記(14)記載の製造法。
【0008】上記一般式ならびに本発明の範囲内に包含
される諸定義の説明およびそれらの好適な例を以下に記
載する。
【0009】Rは、それぞれ置換されていてもよい炭
化水素残基、複素環基、スルフィニル基、スルホニル
基、水酸基、チオール基またはアミノ基を示す。
【0010】Rにおける、置換されていてもよい炭化
水素残基における炭化水素残基の例としては、それぞれ
置換されていてもよい脂肪族炭化水素残基、脂環族炭化
水素残基、脂環族−脂肪族炭化水素残基、芳香族炭化水
素残基又は芳香族−脂肪族炭化水素残基(アラルキル
基)などが挙げられる。
【0011】該脂肪族炭化水素残基としては、例えばメ
チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ
ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチ
ル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなど
の炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基(例、アルキ
ル基)、例えばビニル、アリル(allyl)、1−プロペニ
ル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−
ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、
1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4
−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキ
セニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセ
ニル、5−ヘキセニル、2,4−ヘキサジエニル、1−
ヘプテニル、1−オクテニル、エチニル、1−プロピニ
ル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3
−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペ
ンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキ
シニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシ
ニル、2,4−ヘキサジイニル、1−ヘプチニル、1−
オクチニルなどの炭素数2〜8の不飽和脂肪族炭化水素
残基(例、アルケニル基、アルキニル基、アルカジエニ
ル基、アルカジイニル基など)が挙げられる。
【0012】該脂環族炭化水素残基としては、例えばシ
クロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロ
ヘキシル、シクロヘプチルなどの炭素数3〜7の飽和脂
環族炭化水素残基(例、シクロアルキル基など)、1−
シクロペンテニル、2−シクロペンテニル、3−シクロ
ペンテニル、1−シクロヘキセニル、2−シクロヘキセ
ニル、3−シクロヘキセニル、1−シクロヘプテニル、
2−シクロヘプテニル、3−シクロヘプテニル、2,4
−シクロヘプタジエニルなどの炭素数3〜7の不飽和脂
環族炭化水素残基(例、シクロアルケニル基、シクロア
ルカジエニル基など)、1−インデニル、2−インデニ
ル、1−インダニル、2−インダニル、1,2,3,4−
テトラヒドロ−1−ナフチル、1,2,3,4−テトラヒ
ドロ−2−ナフチル、1,2−ジヒドロ−1−ナフチ
ル、1,2−ジヒドロ−2−ナフチル、1,4−ジヒドロ
−1−ナフチル、1,4−ジヒドロ−2−ナフチル、3,
4−ジヒドロ−1−ナフチル、3,4−ジヒドロ−2−
ナフチルなどの部分飽和縮合2環式炭化水素残基〔好ま
しくは、C9−10部分飽和縮合2環式炭化水素残基な
ど(5〜6員の非芳香族環状炭化水素基にベンゼン環が
結合したものも含む)〕などが挙げられる。
【0013】該脂環族−脂肪族炭化水素残基としては、
上記脂環族炭化水素残基と脂肪族炭化水素残基が結合し
たもの、例えばシクロプロピルメチル、シクロプロピル
エチル、シクロブチルメチル、シクロブチルエチル、シ
クロペンチルメチル、2−シクロペンテニルメチル、3
−シクロペンテニルメチル、シクロペンチルエチル、シ
クロヘキシルメチル、2−シクロヘキセニルメチル、3
−シクロヘキセニルメチル、シクロヘキシルエチル、シ
クロヘプチルメチル、シクロヘプチルエチル、2−
(3,4−ジヒドロ−2−ナフチル)エチル、2−(1,
2,3,4−テトラヒドロ−2−ナフチル)エチル、2−
(3,4−ジヒドロ−2−ナフチル)エテニルなどの炭
素数4〜14のもの(例、C3-7シクロアルキル−C1-4
アルキル基、C3-7シクロアルケニル−C1-4アルキル
基、C3-7シクロアルキル−C2-4アルケニル基、C3-7
シクロアルケニル−C2-4アルケニル基、C9-10部分飽
和縮合2環式炭化水素−C1-4アルキル基、C9-10部分
飽和縮合2環式炭化水素−C2-4アルケニル基など)が
挙げられる。
【0014】該芳香族炭化水素残基としては、例えばフ
ェニル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−インデニ
ル、5−インデニル、4−インダニル、5−インダニ
ル、5,6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、5,
6,7,8−テトラヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒ
ドロ−1−ナフチル、5,6−ジヒドロ−2−ナフチ
ル、5,6−ジヒドロ−3−ナフチル、5,6−ジヒドロ
−4−ナフチルなどの炭素数6〜10のアリール基(フ
ェニル基に5〜6員の非芳香族炭化水素環が縮合したも
のも含む。)などが挙げられる。
【0015】該芳香族−脂肪族炭化水素残基としては、
例えばベンジル、フェネチル、1−フェニルエチル、1
−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェ
ニルプロピルなどのフェニル−C1-4アルキル基、例え
ばα−ナフチルメチル、α−ナフチルエチル、β−ナフ
チルメチル、β−ナフチルエチルなどのナフチル−C
1-4アルキル基などの炭素数7〜14のアラルキル基
(C6-10アリール−C1-4アルキル基)、例えばスチリ
ル、シンナミルなどのフェニル−C2-4アルケニル基な
どのC6-10アリール−C2-4アルケニル基などが挙げら
れる。
【0016】Rにおける、置換されていてもよい複素
環基の複素環基としては、たとえば(i)1個の硫黄原
子、1個の窒素原子もしくは1個の酸素原子を含む5〜
7員複素環基、(ii)2〜4個の窒素原子を含む5〜6員
複素環基、または、(iii)1〜2個の窒素原子および1
個の硫黄もしくは酸素原子を含む5〜6員複素環基など
が挙げられ、(iv)これらの複素環基は2個以下の窒素原
子を含む5〜6員環、ベンゼン環または1個の硫黄原子
を含む5員環と縮合していてもよい。また(i)〜(iv)に
例示した複素環基は、それぞれ飽和または不飽和の複素
環基であってもよく、不飽和の複素環基は、芳香族およ
び非芳香族の何れであってもよい。
【0017】R1における置換されていてもよい複素環
基における複素環基の例としては、芳香族単環式複素環
基、芳香族縮合複素環基および非芳香族複素環基が挙げ
られる。R1における置換されていてもよい複素環基に
おける複素環基の具体例としては、(i)芳香族単環式複
素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリ
ル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、
イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリ
ル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジ
アゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、
1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリ
ル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジ
ニル、ピラジニル、トリアジニルなど)、(ii)芳香族縮
合複素環基(例、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニ
ル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、イソインドリ
ル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾ
オキサゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−
ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノ
リニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニ
ル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバ
ゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カ
ルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノ
チアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チア
ントレニル、フェナントレジニル、フェナントロリニ
ル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、
ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリ
ジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−
b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダ
ゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニ
ル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリ
アゾロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,
3−b]ピリダジニル等)、および、(iii)非芳香族複素
環基(例、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニ
ル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、
チオラニル、ピペリジル、テトラヒドロピラニル、モル
ホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル等)が挙げ
られる。
【0018】Rにおける、置換されていてもよいスル
フィニル基におけるスルフィニル基としては、上記した
としての「それぞれ置換されていてもよい炭化水素
残基または複素環基」における「炭化水素残基」または
「複素環基」と−SO−とが結合したものが挙げられ
る。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロ
ピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t
ert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチ
ル、オクチルなどのC 1−8アルキルとスルフィニル基
が結合したC1−8アルキルスルフィニル;フェニル、
α−ナフチル、β−ナフチル、4−インデニル、5−イ
ンデニル、4−インダニル、5−インダニル、5,6,
7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、5,6,7,8−テ
トラヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−1−ナ
フチル、5,6−ジヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒ
ドロ−3−ナフチル、5,6−ジヒドロ−4−ナフチル
などのC6−10アリール基とスルフィニル基が結合し
たC6−10アリールスルフィニル; 芳香族単環式複
素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリ
ル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、
イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリ
ル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジ
アゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、
1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリ
ル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリ
ル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジ
ニル、ピラジニル、トリアジニルなど)とスルフィニル
基が結合した基; 芳香族縮合複素環基(例、ベンゾフ
ラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、イ
ンドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベン
ゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾ
イソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリ
ル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノ
キサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニ
ル、プテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、
β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、
フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、
フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナントレジ
ニル、フェナントロリニル、インドリジニル、ピロロ
[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジ
ル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]
ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ
[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イ
ミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピ
リミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリジ
ル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニル等)
とスルフィニル基が結合した基が挙げられる。より好ま
しくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert
−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オク
チルなどのC1−8アルキルとスルフィニル基が結合し
たC1−8アルキルスルフィニルが挙げられる。
【0019】Rにおける、置換されていてもよいスル
ホニル基におけるスルホニル基としては、上記したR
としての「それぞれ置換されていてもよい炭化水素残基
または複素環基」の「炭化水素残基」または「複素環
基」と−SO−とが結合したものが挙げられる。好ま
しくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert
−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オク
チルなどのC 1−8アルキルとスルホニル基が結合した
1−8アルキルスルホニル; フェニル、α−ナフチ
ル、β−ナフチル、4−インデニル、5−インデニル、
4−インダニル、5−インダニル、5,6,7,8−テト
ラヒドロ−1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−1−ナフチル、5,
6−ジヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−3−
ナフチル、5,6−ジヒドロ−4−ナフチルなどのC
6−10アリール基とスルホニル基が結合したC6−1
アリールスルホニル; 芳香族単環式複素環基(例、
フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキ
サゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,
4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、
フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チ
アジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−
トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリ
ル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニ
ル、トリアジニルなど)とスルホニル基が結合した基;
芳香族縮合複素環基(例、ベンゾフラニル、イソベン
ゾフラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、イソイ
ンドリル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、
ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、
1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、
シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラ
ジニル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カ
ルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ
−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フ
ェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、
チアントレニル、フェナントレジニル、フェナントロリ
ニル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニ
ル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]
ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,
2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イ
ミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダ
ジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−
トリアゾロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ
[4,3−b]ピリダジニル等)とスルホニル基が結合した
基が挙げられる。より好ましくは、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−
ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、
ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘ
キシル、ヘプチル、オクチルなどのC1−8アルキルと
スルホニル基が結合したC1−8アルキルスルホニルが
挙げられる。
【0020】Rにおける、置換されていてもよい水酸
基としては、水酸基およびこの水酸基に適宜の置換基、
例えば、R1で示される「それぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基または複素環基」で置換された水酸基が
挙げられる。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、
ヘプチル、オクチルなどのC 1−8アルキルで置換され
たC1−8アルキルオキシ; フェニル、α−ナフチ
ル、β−ナフチル、4−インデニル、5−インデニル、
4−インダニル、5−インダニル、5,6,7,8−テト
ラヒドロ−1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ
−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−1−ナフチル、5,
6−ジヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−3−
ナフチル、5,6−ジヒドロ−4−ナフチルなどのC
6−10アリール基で置換されたC6−10アリールオ
キシ; 芳香族単環式複素環基(例、フリル、チエニ
ル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チア
ゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、
1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾ
リル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,
2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、
1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、
1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピ
リミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル
など)で置換された水酸基; 芳香族縮合複素環基
(例、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ
[b]チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−イ
ンダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリ
ル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリ
アゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キ
ナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリ
ジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−
カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、
アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、
フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、
フェナントレジニル、フェナントロリニル、インドリジ
ニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5
−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ
[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニ
ル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]
ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ
[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3
−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダ
ジニル等)で置換された水酸基が挙げられる。より好ま
しくは、C6−10アリールオキシ(特に好ましくはフ
ェニル)、または芳香族単環式複素環基(特に好ましく
はピリジル)もしくは芳香族縮合複素環基(特に好まし
くはキノリル)で置換された水酸基が挙げられる。ここ
で例示した置換された水酸基の置換基としての「炭化水
素残基」または「複素環基」は、上記したRとしての
「それぞれ置換されていてもよい炭化水素残基または複
素環基」における「炭化水素残基」または「複素環基」
と同様な置換基をそれぞれ有していてもよい。
【0021】Rにおける、置換されていてもよいチオ
ール基としては、チオール基およびこのチオール基に適
宜の置換基、例えば、R1で示される「それぞれ置換さ
れていてもよい炭化水素残基または複素環基」で置換さ
れたチオール基が挙げられる。好ましくは、メチル、エ
チル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシ
ル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなどのC 1−8
アルキルで置換されたC1−8アルキルチオ; フェニ
ル、α−ナフチル、β−ナフチル、4−インデニル、5
−インデニル、4−インダニル、5−インダニル、5,
6,7,8−テトラヒドロ−1−ナフチル、5,6,7,8
−テトラヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−1
−ナフチル、5,6−ジヒドロ−2−ナフチル、5,6−
ジヒドロ−3−ナフチル、5,6−ジヒドロ−4−ナフ
チルなどのC6−10アリール基で置換されたC
6−10アリールチオ; 芳香族単環式複素環基(例、
フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキ
サゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,
4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、
フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チ
アジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−
トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリ
ル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニ
ル、トリアジニルなど)で置換されたチオール基; 芳
香族縮合複素環基(例、ベンゾフラニル、イソベンゾフ
ラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、イソインド
リル、1H−インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベン
ゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H
−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シン
ノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニ
ル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバ
ゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カ
ルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノ
チアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チア
ントレニル、フェナントレジニル、フェナントロリニ
ル、インドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、
ピラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリ
ジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−
b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダ
ゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニ
ル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリ
アゾロ[4,3−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,
3−b]ピリダジニル等)で置換されたチオール基が挙げ
られる。ここで例示した置換されたチオール基の置換基
としての「炭化水素残基」または「複素環基」は、上記
したRとしての「それぞれ置換されていてもよい炭化
水素残基または複素環基」における「炭化水素残基」ま
たは「複素環基」と同様な置換基をそれぞれ有していて
もよい。より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、
tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペン
チル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、
ヘプチル、オクチルなどのC1−8アルキルで置換され
たC1−8アルキルチオが挙げられる。
【0022】Rにおける、置換されていてもよいアミ
ノ基としては、アミノ基、N−モノ置換アミノ基および
N,N−ジ置換アミノ基が挙げられる。該置換アミノ基
としては、例えば、置換されていてもよい炭化水素残基
(例えば、Rで示される置換されていてもよい炭化水
素残基と同様なもの、より具体的には、C1-8アルキル
基、C3-7シクロアルキル基、C2-8アルケニル基、C
2-8アルキニル基、C3-7シクロアルケニル基、C1-4
ルキル基を有していてもよいC6-10アリール基など)、
置換されていてもよい複素環基(例えば、R1で示され
る置換されていてもよい複素環基と同様なもの)、また
は、式:−COR'(式中、R'は水素原子またはそれぞ
れ置換されていてもよい炭化水素残基もしくは複素環基
を示す。なお、R'としての「それぞれ置換されていて
もよい炭化水素残基もしくは複素環基」は、上記した
R'としての「それぞれ置換されていてもよい炭化水素
残基もしくは複素環基」における「炭化水素残基」また
は「複素環基」と同様な置換基をそれぞれ有していても
よい。)、好ましくはC1-10アシル基(例、C2-7アル
カノイル、ベンゾイル、ニコチノイル等)を、1個また
は2個置換基として有するアミノ基(例、メチルアミ
ノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルアミノ、
シクロヘキシルアミノ、フェニルアミノ、N−メチル−
N−フェニルアミノ、アセチルアミノ、プロピオニルア
ミノ、ベンゾイルアミノ、ニコチノイルアミノ等)が挙
げられる。また、該置換アミノ基における2個の基が結
合して、含窒素5−7員環(例えば、ピペリジノ、モル
ホリノ、チオモルホリノ等)を形成していてもよい。
【0023】Rで示される「それぞれ置換されていて
もよい炭化水素残基,複素環基,スルフィニル基,スル
ホニル基」における「炭化水素残基」,「複素環基」,
「スルフィニル基」および「スルホニル基」は、それぞ
れ1〜3個の置換基で置換されていてもよく、該置換基
としては、例えば低級(C1-6)アルキル基(例、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、
イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシルなど)、低級
(C2-6)アルケニル基[例、ビニル、アリル(ally
l)、1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1
−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル
−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3
−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペン
テニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセ
ニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニルなど]、低級
(C2-6)アルキニル基(例、エチニル、1−プロピニ
ル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3
−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペ
ンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキ
シニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシ
ニルなど)、C3-7シクロアルキル基(例、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
シクロヘプチルなど)、C6-10アリール基(例、フェニ
ル、α−ナフチル、β−ナフチルなど)、芳香族複素環
基[例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、
イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダ
ゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、
1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾ
リル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,
4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,
2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テト
ラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピ
ラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾ
フラニル、ベンゾ[b]チエニル、インドリル、イソイ
ンドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、
ベンゾキサゾリル、1,2−ベンズイソキサゾリル、ベ
ンゾチアゾリル、1,2−ベンズイソチアゾリル、1H
−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シン
ノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニ
ル、ナフチリジニル、プリニル、プテリジニル、カルバ
ゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カ
ルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノ
チアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チア
ントレニル、フェナトリジニル、フェナトロリニル、イ
ンドリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、ピ
ラゾロ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]
ピリジル、イミダゾ[1,5−a]ピリジル、イミダゾ
[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−a]ピ
リミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピリ
ジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジニ
ルなどの、(i)窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選
ばれるヘテロ原子を1〜4個有する芳香族5員もしくは
6員複素環基、(ii)窒素原子、酸素原子、硫黄原子
から選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する芳香族5員も
しくは6員複素環とベンゼン環または窒素原子、酸素原
子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する
芳香族5員もしくは6員複素環が縮合して形成する縮合
2環式複素環基、(iii)窒素原子、酸素原子、硫
黄原子から選ばれるヘテロ原子を1〜3個有する芳香族
5員もしくは6員複素環、ベンゼン環および窒素原
子、酸素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1〜
3個有する芳香族5員もしくは6員複素環またはベンゼ
ン環が縮合して形成する縮合3環式複素環基]、非芳香
族複素環基(例、オキシラニル、アゼチジニル、オキセ
タニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリ
ル、チオラニル、ピペリジニル、テトラヒドロピラニ
ル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニルな
どの窒素原子、酸素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ
原子を1〜3個有する4〜7員の非芳香族複素環基な
ど)、C7-14アラルキル基(例、ベンジル、フェネチ
ル、1−フェニルエチル、1−フェニルプロピル、2−
フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、α−ナフチ
ルメチル、α−ナフチルエチル、β−ナフチルメチル、
β−ナフチルエチルなどのC6-10アリール−C1-4アル
キル基など)、アミノ基、N−モノ置換アミノ基[例、
メチルアミノ、エチルアミノ、アリル(allyl)アミ
ノ、シクロヘキシルアミノ、フェニルアミノなどのN−
(C1-6アルキル)アミノ基、N−(C2-6アルケニル)
アミノ基、N−(C3-7シクロアルキル)アミノ基、N
−(C6-10アリール)アミノ基など]、N,N−ジ置換
アミノ基[例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブ
チルアミノ、ジアリル (allyl) アミノ、N−メチル−
N−フェニルアミノなどの、C1-6アルキル基、C2-6
ルケニル基、C3-7シクロアルキル基およびC6-10アリ
ール基から選ばれる2個の置換基で置換されたアミノ基
など]、アミジノ基、アシル基(例、ホルミル、アセチ
ル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリ
ル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタ
ノイル、オクタノイル、シクロプロパンカルボニル、シ
クロブタンカルボニル、シクロペンタンカルボニル、シ
クロヘキサンカルボニル、クロトノイル、2−シクロヘ
キセンカルボニル、ベンゾイル、ニコチノイルなどのC
2-8アルカノイル基、C3-8アルケノイル基、C3-7シク
ロアルキル−カルボニル基、C3-7シクロアルケニル−
カルボニル基、C6-10アリール−カルボニル基、窒素原
子、酸素原子、硫黄原子から選ばれるヘテロ原子を1〜
3個有する5員もしくは6員の芳香族もしくは非芳香族
複素環とカルボニル基が結合して形成する複素環−カル
ボニル基など)、カルバモイル基、N−モノ置換カルバ
モイル基[例、メチルカルバモイル、エチルカルバモイ
ル、シクロヘキシルカルバモイル、フェニルカルバモイ
ルなどなどのN−(C1-6アルキル)カルバモイル基、
N−(C2-6アルケニル)カルバモイル基、N−(C3-7
シクロアルキル)カルバモイル基、N−(C6-10アリー
ル)カルバモイル基など]、N,N−ジ置換カルバモイ
ル基[例、ジメチルカルバモイル、ジエチルカルバモイ
ル、ジブチルカルバモイル、ジアリル (allyl) カルバ
モイル、N−メチル−N−フェニルカルバモイルなど
の、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-7シク
ロアルキル基およびC6-10アリール基から選ばれる2個
の置換基で置換されたカルバモイル基など]、スルファ
モイル基、N−モノ置換スルファモイル基[例、メチル
スルファモイル、エチルスルファモイル、シクロヘキシ
ルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどのN−
(C1-6アルキル)スルファモイル基、N−(C2-6アル
ケニル)スルファモイル基、N−(C3-7シクロアルキ
ル)スルファモイル基、N−(C6-10アリール)スルフ
ァモイル基など]、N,N−ジ置換スルファモイル基
[例、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイ
ル、ジブチルスルファモイル、ジアリル (allyl) スル
ファモイル、N−メチル−N−フェニルスルファモイル
などの、C1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、C3-7
シクロアルキル基およびC6-10アリール基から選ばれる
2個の置換基で置換されたスルファモイル基など]、カ
ルボキシル基、低級(C1-6)アルコキシ−カルボニル
基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プ
ロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブト
キシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブ
トキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、ペ
ンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニルな
ど)、水酸基、低級(C1-6)アルコキシ基(例、メトキ
シ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキ
シ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブト
キシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなど)、低級
(C2-6)アルケニルオキシ基[例、アリル(allyl) オ
キシ、2−ブテニルオキシ、2−ペンテニルオキシ、3
−ヘキセニルオキシなど]、C3-7シクロアルキルオキシ
基(例、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、
シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、シクロ
ヘプチルオキシなど)、C6-10アリールオキシ基(例、
フェノキシ、ナフチルオキシなど)、C7-14アラルキル
オキシ基(例、フェニル−C1-4アルキルオキシ、ナフ
チル−C1-4アルキルオキシなどのC6-10アリール−C
1-4アルキルオキシ基など)、メルカプト基、低級(C1
-6)アルキルチオ基(例、メチルチオ、エチルチオ、プ
ロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチ
ルチオ、sec−ブチルチオ、tert−ブチルチオ、
ペンチルチオ、イソペンチルチオ、ネオペンチルチオ、
ヘキシルチオなど)、C7-14アラルキルチオ基(例、フ
ェニル−C1-4アルキルチオ、ナフチル−C 1-4アルキル
チオなどのC6-10アリール−C1-4アルキルチオ基な
ど)、C6-10アリールチオ基(例、フェニルチオ、ナフ
チルチオなど)、低級(C1-6)アルキルスルフィニル
基(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プ
ロピルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、ブチ
ルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、sec−ブ
チルスルフィニル、tert−ブチルスルフィニル、ペ
ンチルスルフィニル、イソペンチルスルフィニル、ネオ
ペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニルなど)、
7-14アラルキルスルフィニル基(例、フェニル−C
1-4アルキルスルフィニル、ナフチル−C1-4アルキルス
ルフィニルなどのC6- 10アリール−C1-4アルキルスル
フィニル基など)、C6-10アリールスルフィニル基
(例、フェニルスルフィニル、ナフチルスルフィニルな
ど)、低級(C1-6)アルキルスルホニル基(例、メチ
ルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニ
ル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニル、イソ
ブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、ter
t−ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、イソペン
チルスルホニル、ネオペンチルスルホニル、ヘキシルス
ルホニルなど)、C7-14アラルキルスルホニル基(例、
フェニル−C1-4アルキルスルホニル、ナフチル−C1-4
アルキルスルホニルなどのC6-10アリール−C1-4アル
キルスルホニル基など)、C6-10アリールスルホニル基
(例、フェニルスルホニル、ナフチルスルホニルな
ど)、スルホ基、シアノ基、アジド基、ハロゲン原子
(例、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ニトロ基、
ニトロソ基、エステル化されていてもよいホスホノ基
[例、ホスホノ基、エトキシホスホリルなどの(C1-6
アルコキシ)ホスホリル基、ジエトキシホスホリルなど
のジ(C1-6アルコキシ)ホスホリル基など]、エステ
ル化されていてもよいホスホノ基で置換された低級(C
1-6)アルキル基(例、ホスホノ−C1-6アルキル基、C
1-6アルコキシホスホリル−C1-6アルキル基、ジエトキ
シホスホリルメチルなどのジ(C1-6アルコキシ)ホス
ホリル−C1-6アルキル基など)などが挙げられる。な
お、上記置換基のうち、水酸基および低級(C1-6)ア
ルコキシ基が置換基として隣接する場合には、メチレン
ジオキシおよびエチレンジオキシなどのC −6アルキ
レンジオキシを形成していてもよい。
【0024】上記C6-10アリール基、芳香族複素環基、
N−モノ置換アミノ基の置換基としてのC6-10アリール
基、N,N−ジ置換アミノ基の置換基としてのC6-10
リール基、N−モノ置換カルバモイル基の置換基として
のC6-10アリール基、N,N−ジ置換カルバモイル基の
置換基としてのC6-10アリール基、N−モノ置換スルフ
ァモイル基の置換基としてのC6-10アリール、N,N−
ジ置換スルファモイル基の置換基としてのC6-10アリー
ル基,C6-10アリールオキシ基中のC6-10アリール基、
7-14アラルキルオキシ基中のC6-10アリール基、C
7-14アラルキルチオ基中のC6-10アリール基、C6-10
リールチオ基中のC6-10アリール基、C7- 14アラルキル
スルフィニル基中のC6-10アリール基、C6-10アリール
スルフィニル基中のC6-10アリール基、C7-14アラルキ
ルスルホニル基中のC6-10アリール基、およびC6-10
リールスルホニル基中のC6-10アリール基は、さらに1
〜3個の置換基で置換されていてもよく、該置換基とし
ては、例えば、低級(C1-6)アルキル基、アミノ基、
N−(C1-6アルキル)アミノ基、N,N−ジ(C1-6
ルキル)アミノ基、アミジノ基、カルバモイル基、N−
(C1-6アルキル)カルバモイル基、N,N−ジ(C1-6
アルキル)カルバモイル基、スルファモイル基、N−
(C1-6アルキル)スルファモイル基、N,N−ジ(C
1-6アルキル)スルファモイル基、カルボキシル基、低
級(C2-7)アルコキシカルボニル基、水酸基、低級
(C1-6)アルコキシ基、メルカプト基、低級(C1-6
アルキルチオ基、スルホ基、シアノ基、アジド基、ハロ
ゲン原子、ニトロ基、ニトロソ基、エステル化されてい
てもよいホスホノ基[例、ホスホノ基、C1-6アルコキ
シホスホリル基、ジ(C1-6アルコキシ)ホスホリル基
など]、エステル化されていてもよいホスホノ基で置換
された低級(C1-6)アルキル基[例、ホスホノ−C1-6
アルキル基、C1-6アルコキシホスホリル−C1-6アルキ
ル基、ジエトキシホスホリルメチルなどのジ(C1-6
ルコキシ)ホスホリル−C1-6アルキル基など]などが
挙げられる。なお、上記置換基のうち、水酸基および低
級(C1-6)アルコキシ基が置換基として隣接する場合
には、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシなどの
1- 6アルキレンジオキシを形成していてもよい。
【0025】Rは、好ましくはそれぞれ置換されてい
てもよいスルフィニル基,スルホニル基、水酸基または
チオール基が挙げられる。すなわち、Rは式:−SR
14,−SOR14,−SO14または−OR14
(式中、R14はそれぞれ置換されていてもよい炭化水
素残基または複素環基を示す。)で表される基が好まし
い。ここでR14で示される「それぞれ置換されていて
もよい置換されていてもよい炭化水素残基」としては、
で示される「それぞれ置換されていてもよい炭化水
素残基または複素環基」と同様のものが挙げられるが、
14としては構成する炭素原子数が2以上の基が好ま
しく、置換されていてもよい環状の基であることがさら
に好ましく、とりわけ置換されていてもよい芳香族基
(より好ましくは、置換されていてもよい含窒素複素
環)が好ましい。
【0026】R1'は、それぞれ置換されていてもよい
炭化水素残基,複素環基,スルフィニル基,スルホニル
基,水酸基,チオール基またはアミノ基のうち、式:−
X'−W'(式中、X'は結合手,置換されていてもよい
炭素原子,置換されていてもよい窒素原子,酸素原子ま
たは酸化されていてもよい硫黄原子を示し、W'は置換
されていてもよい環状基または2個以上の置換基を有す
る炭素原子または窒素原子を示す。)で表される基を示
す。R1'における、それぞれ置換されていてもよい炭
化水素残基,複素環基,スルフィニル基,スルホニル
基,水酸基,チオール基またはアミノ基はRとしての
それぞれ置換されていてもよい炭化水素残基,複素環
基,スルフィニル基,スルホニル基,水酸基,チオール
基またはアミノ基と同意義を有する。R1'における、
式:−X'−W'(式中、X'は結合手,置換されていて
もよい炭素原子,置換されていてもよい窒素原子,酸素
原子または酸化されていてもよい硫黄原子を示し、W'
は置換されていてもよい環状基または2個以上の置換基
を有する炭素原子または窒素原子を示す。)で表される
基において、X'で示される「置換されていてもよい炭
素原子」とは炭素原子に2個の水素原子,1個の水素原
子と1個の置換基または2個の置換基を有する2価の基
を示し、X'で示される「置換されていてもよい窒素原
子」とは窒素原子に1個の水素原子または置換基を有す
る2価の基を示す。該置換基としては上記したRとし
ての「それぞれ置換されていてもよい炭化水素残基また
は複素環基」における「炭化水素残基」または「複素環
基」が有していてもよい置換基およびRとしての「そ
れぞれ置換されていてもよい炭化水素残基または複素環
基」と同様な基が挙げられる。X'で示される「酸化さ
れていてもよい硫黄原子」とは−S−,SO−または−
SO−で表される2価の硫黄原子を示す。W'として
示される「置換されていてもよい環状基または2個以上
の置換基を有する炭素原子または窒素原子」における
「環状基」としては、上記したRとしての「それぞれ
置換されていてもよい炭化水素残基または複素環基」に
おける環状基、例えば、置換されていてもよい脂環族炭
化水素残基、置換されていてもよい芳香族炭化水素残
基、置換されていてもよい複素環基(芳香族単環式複素
環基、芳香族縮合複素環基、非芳香族複素環基)が挙げ
られ、該「環状基」が有していてもよい置換基として
は、Rとしての「それぞれ置換されていてもよい炭化
水素残基または複素環基」における「炭化水素残基」ま
たは「複素環基」が有していてもよい置換基と同様のも
のが挙げられる。W'として示される「置換されていて
もよい環状基または2個以上の置換基を有する炭素原子
または窒素原子」における「2個以上の置換基を有する
炭素原子」は、例えばtert−ブチル,イソプロピル
のように当該炭素原子に同一または異なった2〜3個の
置換基が結合したもの(言い換えると、当該原子上に0
〜1個の水素原子を有するものが挙げられ、該置換基と
しては上記したRとしての「それぞれ置換されていて
もよい炭化水素残基または複素環基」における「炭化水
素残基」または「複素環基」が有していてもよい置換基
およびRとしての「それぞれ置換されていてもよい炭
化水素残基または複素環基」と同様な基が挙げられる。
前記2個以上の置換基を有する窒素原子としては,N,N
−ジ置換アミノ基を示す。該「N,N−ジ置換アミノ
基」における置換基としては、上記したRとしての
「置換されていてもよいアミノ基」における「アミノ
基」と同様な置換基が挙げられる。R1'は、それぞれ
置換されていてもよい炭化水素残基,複素環基,スルフ
ィニル基,スルホニル基,水酸基,チオール基またはア
ミノ基のうち、式:−X'−W'(式中、X'は酸素原子
または酸化されていてもよい硫黄原子を示し、W'は置
換されていてもよい環状基を示す。)で表される基が好
ましい。
【0027】Rはシアノ基、ホルミル基、チオホルミ
ル基または式:−Z−Z(式中、Zは、−CO
−,−CS−,−SO−または−SO−を示し、Z
は、それぞれ置換されていてもよい炭化水素残基,複素
環基,アミノ基または水酸基を示す。)で表される。
【0028】RにおけるZは、−CO−または−C
S−が好ましく、−CO−がより好ましい。Rとして
は、−CO−Z2'(式中、Z2'は水素原子、それぞれ
置換されていてもよい炭化水素残基,複素環基,アミノ
基または水酸基を示す。)で表される基が好ましい。
【0029】Zにおける置換されていてもよい炭化水
素残基としては、例えば、Rにおける置換されていて
もよい炭化水素残基と同様のものが挙げられる。Z
おける置換されていてもよい炭化水素残基としては、好
ましくは該脂肪族炭化水素残基が、より好ましくは、例
えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペ
ンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル
などの炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基(例、ア
ルキル)が挙げられる。
【0030】Zにおける置換されていてもよい複素環
基としては、例えば、Rにおける置換されていてもよ
い複素環基と同様のものが挙げられる。
【0031】Zにおける置換されていてもよいアミノ
基としては、例えば、Rにおける置換されていてもよ
いアミノ基と同様のものが挙げられる。Zにおける置
換されていてもよいアミノ基としては、好ましくはアミ
ノ基、およびC1-8アルキル基を1個または2個置換基
として有するアミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルア
ミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ
等)が挙げられる。
【0032】Zにおける置換されていてもよい水酸基
としては、例えば、Rにおける置換されていてもよい
水酸基と同様のものが挙げられる。Zにおける置換さ
れていてもよい水酸基としては、好ましくは水酸基、お
よびメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、
ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペ
ンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル
などのC1−8アルキルで置換されたC1−8アルキル
オキシが挙げられる。
【0033】RにおけるZは置換されていてもよい
アミノ基または置換されていてもよい水酸基が好まし
い。RにおけるZは置換されていてもよいアミノ基
がより好ましい。とりわけ、RにおけるZはアミノ
基、またはC1-8アルキル基を1個または2個置換基と
して有するアミノ基(例、メチルアミノ、ジメチルアミ
ノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ
等)が好ましい。
【0034】Rは、水素原子、それぞれ置換されてい
てもよい炭化水素残基,複素環基,水酸基,アミノ基,
スルホニル基またはアシル基を示す。
【0035】Rにおける置換されていてもよい炭化水
素残基としては、例えば、Rにおける置換されていて
もよい炭化水素残基と同様のものが挙げられる。R
おける置換されていてもよい炭化水素残基としては、好
ましくは脂肪族炭化水素残基が、より好ましくは例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イ
ソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチ
ル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチ
ル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチルなど
の炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基(例、アルキ
ル基)が挙げられる。
【0036】Rにおける置換されていてもよい複素環
基としては、例えば、Rにおける置換されていてもよ
い複素環基と同様のものが挙げられる。
【0037】Rにおける置換されていてもよい水酸基
としては、例えば、Rにおける置換されていてもよい
水酸基と同様のものが挙げられる。
【0038】Rにおける置換されていてもよいアミノ
基としては、例えば、Rにおける置換されていてもよ
いアミノ基と同様のものが挙げられる。
【0039】Rにおける置換されていてもよいスルホ
ニル基としては、例えば、Rにおける置換されていて
もよいスルホニル基と同様のものが挙げられる。
【0040】Rにおける置換されていてもよいアシル
基としては、例えば、Rで示される「それぞれ置換さ
れていてもよい炭化水素残基または複素環基」とカルボ
ニル基とが結合したものなど、好ましくはR1で示され
る炭化水素残基,複素環基,スルフィニル基,スルホニ
ル基の置換基としてのアシル基と同様のものなどが挙げ
られる。
【0041】R3’は、水素原子、それぞれ置換されて
いてもよい炭化水素残基,複素環基,スルホニル基また
はアシル基を示す。R3’の水素原子、それぞれ置換さ
れていてもよい炭化水素残基,複素環基,スルホニル基
またはアシル基としては、Rの水素原子、それぞれ置
換されていてもよい炭化水素残基,複素環基,スルホニ
ル基またはアシル基と同様のものが挙げられる。
【0042】R3’’は、それぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基,複素環基,スルホニル基またはアシル
基を示す。R3’’のそれぞれ置換されていてもよい炭
化水素残基,複素環基,スルホニル基またはアシル基と
しては、Rのそれぞれ置換されていてもよい炭化水素
残基,複素環基,スルホニル基またはアシル基と同様の
ものが挙げられる。
【0043】Rは、置換された水酸基を示す。R
おける置換された水酸基としては、Rで示される置換
されていてもよい置換されていてもよい水酸基中の置換
された水酸基、例えば、水酸基に適宜の置換基、例え
ば、R1で示される「それぞれ置換されていてもよい炭
化水素残基または複素環基」で置換された水酸基が挙げ
られる。好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘ
プチル、オクチルなどのC 1−8アルキルで置換された
1−8アルキルオキシ; フェニル、α−ナフチル、
β−ナフチル、4−インデニル、5−インデニル、4−
インダニル、5−インダニル、5,6,7,8−テトラヒ
ドロ−1−ナフチル、5,6,7,8−テトラヒドロ−2
−ナフチル、5,6−ジヒドロ−1−ナフチル、5,6−
ジヒドロ−2−ナフチル、5,6−ジヒドロ−3−ナフ
チル、5,6−ジヒドロ−4−ナフチルなどのC
6−10アリール基で置換されたC6−10アリールオ
キシ; 芳香族単環式複素環基(例、フリル、チエニ
ル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チア
ゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、
1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾ
リル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,
2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、
1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、
1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピ
リミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル
など)で置換された水酸基; 芳香族縮合複素環基
(例、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ
[b]チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−イ
ンダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリ
ル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリ
アゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キ
ナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリ
ジニル、プリニル、プテリジニル、カルバゾリル、α−
カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、
アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、
フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、
フェナントレジニル、フェナントロリニル、インドリジ
ニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5
−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ
[1,5−a]ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニ
ル、イミダゾ[1,2−a]ピリジル、イミダゾ[1,5−a]
ピリジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ
[1,2−a]ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ[4,3
−a]ピリジル、1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダ
ジニル等)で置換された水酸基が挙げられる。より好ま
しくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert
−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オク
チルなどのC1−8アルキルで置換されたC1−8アル
キルオキシ; さらに好ましくはメチル、エチル、プロ
ピル、イソプロピルで置換されたC1−3アルキルオキ
シが挙げられる。ここで例示した置換された水酸基の置
換基としての「炭化水素残基」または「複素環基」は、
上記したRとしての「それぞれ置換されていてもよい
炭化水素残基または複素環基」における「炭化水素残
基」または「複素環基」が有していてもよい置換基と同
様な置換基をそれぞれ有していてもよい。
【0044】Rは、Rにおけるそれそれ置換されて
いてもよいスルフィニル基またはスルホニル基を示す。
6は、Rにおける置換されていてもよいチオール基
と同意義を有する。R7は、Rにおける置換されてい
てもよいアミノ基の置換基と同意義を有する。R8は、
と同意義を有する。R9は、上記Zと同意義を有
する。R10は、カルボキシル基の保護基を示す。R10
で示されるカルボキシル保護基としては、例えばR
示した置換されていてもよい炭化水素残基などと同様な
基が挙げられる。
【0045】R11は、置換されていてもよいアミノ基
を示す。R11における置換されていてもよいアミノ基
としては、Rで示される置換されていてもよいアミノ
基と同様の、例えば、アミノ基、N−モノ置換アミノ基
およびN,N−ジ置換アミノ基が挙げられる。該置換ア
ミノ基としては、例えば、置換されていてもよい炭化水
素残基(例えば、Rで示される置換されていてもよい
炭化水素残基と同様なもの、より具体的には、C1-8
ルキル基、C3-7シクロアルキル基、C2-8アルケニル
基、C2-8アルキニル基、C3-7シクロアルケニル基、C
1-4アルキル基を有していてもよいC6-10アリール基な
ど)、置換されていてもよい複素環基(例えば、R1
示される置換されていてもよい複素環基と同様なも
の)、または、式:−COR'(式中、R'は水素原子ま
たはそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残基もしく
は複素環基を示す。なお、R'としての「それぞれ置換
されていてもよい炭化水素残基もしくは複素環基」は、
上記したR'としての「それぞれ置換されていてもよい
炭化水素残基もしくは複素環基」における「炭化水素残
基」または「複素環基」と同様な置換基をそれぞれ有し
ていてもよい。)、好ましくはC1-10アシル基(例、C
2-7アルカノイル、ベンゾイル、ニコチノイル等)を、
1個または2個置換基として有するアミノ基(例、メチ
ルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルア
ミノ、プロピルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルア
ミノ、ジアリルアミノ、シクロヘキシルアミノ、フェニ
ルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、アセチル
アミノ、プロピオニルアミノ、ベンゾイルアミノ、ニコ
チノイルアミノ等)が挙げられる。より好ましくは、N,
N−ジ置換アミノ基(例、ジメチルアミノ、ジエチルア
ミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジアリルア
ミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ等)、さらに好
ましくは、N,N−ジC1−3アルキルアミノ基(例、
ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ
等)が挙げられる。また、該置換アミノ基における2個
の基が結合して、含窒素5−7員環(例えば、ピペリジ
ノ、モルホリノ、チオモルホリノ等)を形成していても
よい。
【0046】R13は、置換されていてもよいアミノ基
または置換された水酸基を示す。R 13としては、前記
または前記R11と同様の基が挙げられる。
【0047】R13'は、それぞれ置換されていてもよ
いアミノ基または水酸基を示す。R 13'としては、水
酸基,前記Rまたは前記R11と同様の基が挙げられ
る。
【0048】Xは、フッ素,塩素、臭素、ヨウ素等のハ
ロゲン原子を示すZは−CO−を示す。Zは、Z2
における置換されていてもよいアミノ基と同意義を有す
る。Zは、−CO−を示す。Zは、Zにおけるそ
れぞれ置換されていてもよい炭化水素残基または複素環
基と同意義を有する。
【0049】環Aaは、置換されていてもよい5〜7員
環を示す。環Aaにおける、置換されていてもよい5〜
7員環の5〜7員環としては、5〜7員炭化水素環また
は5〜7員複素環のいずれであってもよい。該5〜7員
炭化水素環は脂環族環または芳香族環のいずれであって
もよい。該脂環族環としては、C5-7飽和脂環族炭化水
素環(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シク
ロヘプタンなどのC5-7シクロアルカン)およびC5-7
不飽和脂環族炭化水素環(例えば、1−シクロペンテ
ン、2−シクロペンテン、3−シクロペンテン、1−シ
クロヘキセン、2−シクロヘキセン、3−シクロヘキセ
ン、1−シクロヘプテン、2−シクロヘプテン、3−シ
クロヘプテン、2,4−シクロヘプタジエン等などのC
5-7シクロアルケン、C5-7シクロアルカジエン)などが
挙げられる。該芳香族環としては、たとえばベンゼン環
が挙げられる。該5〜7員複素環としては、例えば(i)
1個の硫黄原子、1個の窒素原子もしくは1個の酸素原
子を含む5〜7員複素環、(ii)2〜4個の窒素原子を含
む5〜7員複素環、または、(iii)1〜2個の窒素原子
および1個の硫黄もしくは酸素原子を含む5〜7員複素
環などが挙げらる。また(i)〜(iii)に例示した複素環
は、それぞれ飽和または不飽和の複素環基であってもよ
く、不飽和の複素環は、芳香族および非芳香族の何れで
あってもよい。環Aaとして特に好ましくは、下記の環
Aで表わされる芳香族5員複素環である。
【0050】環Aaにおける、置換されていてもよい5
〜7員環の置換基としては、R3で示される、それぞれ
置換されていてもよい炭化水素残基,複素環基,水酸
基,アミノ基,スルホニル基またはアシル基と同様のも
のが挙げられる。
【0051】環Aは、
【化7】 (式中、Rは水素原子、それぞれ置換されていてもよ
い炭化水素残基,複素環基,水酸基,アミノ基,スルホ
ニル基またはアシル基を示す。)で表される芳香族5員
複素環を示す。環Aは、
【化8】 (式中、Rは前記と同意義を有する。)で表される芳
香族5員複素環が好ましい。
【0052】Rは、水素原子、ハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)、シアノ基またはそれぞ
れ置換されていてもよいアミノ基、アシル基、炭化水素
残基もしくは複素環基を示し、Rはチオフェン環および
環Aaの環構成原子とともに置換されていてもよい炭化
水素環または複素環を形成してもよい。
【0053】Rにおける置換されていてもよいアミノ基
としては、例えば、Rにおける置換されていてもよい
アミノ基と同様のものが挙げられる。
【0054】Rにおける置換されていてもよいアシル基
としては、例えば、Rにおける置換されていてもよい
アシル基と同様のものが挙げられる。
【0055】Rにおける置換されていてもよい炭化水素
残基としては、例えば、Rにおける置換されていても
よい炭化水素残基と同様のものが挙げられる。
【0056】Rにおける置換されていてもよい複素環基
としては、例えば、Rにおける置換されていてもよい
複素環基と同様のものが挙げられる。
【0057】Rがチオフェン環および環Aaの環構成原
子(好ましくは、環構成炭素原子)とともに形成する置
換されていてもよい炭化水素環は、脂環族であっても芳
香族であってもよい。また該炭化水素環は、好ましくは
5〜14員環であり、さらに好ましくは5〜7員環であ
る。該炭化水素環として好ましくは、下記の環Bで示さ
れる炭化水素環である。
【0058】環Bは、置換基を有していてもよい5〜7
員炭化水素環を示す。環Bにおける置換基を有していて
もよい5〜7員炭化水素環の5〜7員炭化水素環として
は、脂環族または芳香族の何れの5〜7員炭化水素環で
あってもよい。該脂環族5〜7員炭化水素環としては、
5-7飽和脂環族炭化水素環(例えば、シクロペンタ
ン、シクロヘキサン、シクロヘプタンなどのC5-7シク
ロアルカン)およびC5-7不飽和脂環族炭化水素環(例
えば、1−シクロペンテン、2−シクロペンテン、3−
シクロペンテン、1−シクロヘキセン、2−シクロヘキ
セン、3−シクロヘキセン、1−シクロヘプテン、2−
シクロヘプテン、3−シクロヘプテン、2,4−シクロ
ヘプタジエン等などのC5-7シクロアルケン、C5-7シク
ロアルカジエン)などが挙げられる。該芳香族炭化水素
残基としては、たとえばベンゼン環が挙げられる。好ま
しくは、C5-7飽和脂環族炭化水素環、より好ましくは
飽和脂環族炭化水素環(シクロヘキサン)が挙げら
れる。
【0059】Rがチオフェン環および環Aaの環構成原
子(好ましくは、環構成炭素原子)とともに形成する置
換されていてもよい複素環として好ましくは、5〜14
員複素環であり、さらに好ましくは5〜7員複素環であ
る。該複素環として好ましくは、例えば(i)1個の硫黄
原子、1個の窒素原子もしくは1個の酸素原子を含む5
〜7員複素環、(ii)2〜4個の窒素原子を含む5〜7員
複素環、または、(iii)1〜2個の窒素原子および1個
の硫黄もしくは酸素原子を含む5〜7員複素環などであ
る。また(i)〜(iii)に例示した複素環は、それぞれ飽和
または不飽和のいずれあってもよく、不飽和の複素環基
は、芳香族および非芳香族のいずれであってもよい。
【0060】環B,B-1,C,D,D-2,D-3,D-4,
D',D'-1,D'-2,D'-3における置換基を有していて
もよい5〜7員炭化水素環の置換基としては、例えば、
における「置換されていてもよい炭化水素残基」の
置換基と同様のものなどが挙げられる。環Bにおける置
換基を有していてもよい5〜7員炭化水素環の置換基と
しては、好ましくは脂肪族炭化水素残基が、より好まし
くは例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、
ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert
−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オク
チルなどの炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基
(例、アルキル基)が挙げられる。
【0061】環B,B-1,C,D,D-2,D-3,D-4,
D',D'-1,D'-2,D'-3,は置換基を有していてもよ
い5〜7員炭化水素環を示し、好ましくは、置換基を有
していない5〜7員炭化水素環が挙げられる。より好ま
しくは、置換基を有していない5〜7員飽和炭化水素環
が挙げられる。さらに好ましくは、置換基を有していな
い6員飽和炭化水素環が挙げられる。
【0062】上記の式(Ia)中、式(I)で表わされ
る化合物が好ましい。上記の式(I)中、Rがそれぞ
れ置換されていてもよいスルフィニル基,スルホニル
基、水酸基またはチオール基; Rが−Z−Z
(式中、Zは、−CO−または−CS−を示し、Z
はそれぞれ置換されていてもよい水酸基またはアミノ
基を示す。); 環Aが、
【化9】 〔式中、Rは前記と同意義を有する。〕; 環Bが置
換基を有していてもよい5〜7員炭化水素環である化合
物またはその塩が、好ましい。
【0063】上記の式(I)中、Rが、それぞれC
1−8アルキルで結合したスルフィニル基またはスルホ
ニル基、C1−8アルキルで置換されていてもよいチオ
ール基、またはそれぞれ1〜3個の置換基で置換されて
いてもよいC6−10アリール(特に好ましくはフェニ
ル)、芳香族単環式複素環基(特に好ましくはピリジ
ル)または芳香族縮合複素環基(特に好ましくはキノリ
ル)で置換されていてもよい水酸基; Rが、−Z
−Z(式中、Zは、−CO−を示し、Zはそれぞ
れ置換されていてもよい水酸基またはアミノ基を示
す。); 環A:
【化10】 〔式中、Rは前記と同意義を有する。〕におけるR
が炭素数1〜8の飽和脂肪族炭化水素残基(例、アルキ
ル基); 環Bが、C5-7飽和脂環族炭化水素環である
化合物またはその塩が、より好ましい。
【0064】一般式(I)で表される化合物として、4,
5-ジヒドロ-8-(2,3-ジメチルフェノキシ)-1-(2,2,2-ト
リフルオロエチル)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-
カルボキサミド;4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3,4-メチ
レンジオキシフェノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾー
ル-6-カルボキサミド;8-(4-ベンジルオキシフェノキ
シ)-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾ
ール-6-カルボキサミド;4-{[6-(アミノカルボニル)-2-
メチル-4,5-ジヒドロ-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-8
-イル]オキシ}ベンジルホスホン酸 エチルエステル;8
-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]イ
ンダゾール-6-カルボキサミド;4,5-ジヒドロ-1-メチル
-8-(4-メトキシフェノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾ
ール-6-カルボキサミド;4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フ
ェノキシ-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサ
ミド;4-{[6-(アミノカルボニル)-1-メチル-4,5-ジヒド
ロ-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-8-イル]オキシ}ベン
ジルホスホン酸 エチルエステル;4,5-ジヒドロ-1-メ
チル-8-フェニルスルファニル-1H-チエノ[3,4-g]インダ
ゾール-6-カルボキサミド;4,5-ジヒドロ-8-(3,4-メチ
レンジオキシフェノキシ)-1-(2,2,2-トリフルオロエチ
ル)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミ
ド;4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(4-トリフルオロメトキ
シフェノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カル
ボキサミド;またはN-エチル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-8
-(3,4-メチレンジオキシフェノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]
インダゾール-6-カルボキサミド等が好ましい。
【0065】式(II)中、Rがそれぞれ置換されてい
てもよいスルフィニル基,スルホニル基、水酸基または
チオール基; Rが−Z−Z(式中、Zは、−
CO−または−CS−を示し、Zはそれぞれ置換され
ていてもよい水酸基またはアミノ基を示す。); R
が、C1-8アルキルオキシ; 環Cが置換基を有してい
てもよい5〜7員炭化水素環である化合物またはその塩
が好ましい。
【0066】式(II)中、Rが、それぞれC1−8
ルキルで結合したスルフィニル基またはスルホニル基、
1−8アルキルで置換されていてもよいチオール基、
またはそれぞれ1〜3個の置換基で置換されていてもよ
いC6−10アリール(特に好ましくはフェニル)、芳
香族単環式複素環基(特に好ましくはピリジル)または
芳香族縮合複素環基(特に好ましくはキノリル)で置換
されていてもよい水酸基; Rが、−Z−Z(式
中、Zは、−CO−を示し、Zはそれぞれ置換され
ていてもよい水酸基またはアミノ基を示す。); R
が、C1-3アルキルオキシ;環Cが、C5-7飽和脂環族
炭化水素環である化合物である化合物またはその塩がよ
り好ましい。
【0067】本発明において式(Ia)で表される化合
物〔化合物(Ia)と称す。〕またはその塩を製造する原
料化合物の塩としては、薬学的に許容される塩が好まし
く、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸と
の塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩
などが挙げられる。無機塩基との塩の好適な例として
は、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金
属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土
類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩な
どが挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、
例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジ
ン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、
N,N'−ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げ
られる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩
酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げ
られる。有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ
酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、
酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、
メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエン
スルホン酸などとの塩が挙げられる。塩基性アミノ酸と
の塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、
オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩
の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミ
ン酸などとの塩が挙げられる。
【0068】化合物(Ia)またはその塩は、そのプロ
ドラッグであってもよい。化合物(I)またはその塩の
プロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃
酸等による反応により化合物(Ia)またはその塩に変
換する化合物、すなわち、酵素的に酸化、還元、加水
分解等を起こして化合物(Ia)またはその塩に変化す
る化合物、胃酸等により加水分解などを起こして化合
物(Ia)またはその塩に変化する化合物をいう。化合
物(Ia)またはその塩のプロドラッグとしては、化合
物(Ia)またはその塩の水酸基が、アシル化、アルキ
ル化、リン酸化、ほう酸化された化合物またはその塩
(例えば、化合物(Ia)またはその塩の水酸基がアセ
チル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル
化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチル
アミノメチルカルボニル化された化合物またはその塩な
ど)、化合物(Ia)またはその塩のカルボキシル基
が、エステル化、アミド化された化合物(例えば、化合
物(Ia)またはその塩のカルボキシル基がエチルエス
テル化、フェニルエステル化、カルボキシオキシメチル
エステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロ
イルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキ
シエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メ
チル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)
メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエ
チルエステル化、メチルアミド化された化合物またはそ
の塩など)などが用いられる。これらのプロドラッグは
自体公知の方法あるいはそれに準じる方法に従って製造
することができる。また、化合物(Ia)またはその塩
のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開
発」第7巻分子設計163〜198頁に記載されている
ような生理的条件で化合物(Ia)またはその塩に変化
するものであってもよい。
【0069】本発明における化合物(Ia)またはその
塩は同位元素(例、H、H、 C、35S、
125Iなど)などで標識されていてもよい。
【0070】本発明で用いられる化合物またはその塩が
分子内に二重結合を有する場合で、ZまたはEの立体配
置が存在する場合、それら各々またはそれらの混合物の
いずれも本発明で用いられる化合物に含まれる。本発明
で用いられる化合物またはその塩が分子内に不斉炭素を
有するなどして立体異性体が存在する場合、それら各々
またはそれらの混合物のいずれも本発明で用いられる化
合物に含まれる。
【0071】以下に、本発明で用いられる化合物の製造
法について説明する。化合物(Ia)またはその塩は、
自体公知の方法(例えば、特開2000−309591
号公報に記載の方法、特開2000−239280号公
報に記載の方法、WO98/09958に記載の方法、
特開2000−169470号公報に記載の方法、特開
2000−169471号公報に記載の方法、特開20
00−169472号公報に記載の方法、など)、ある
いはこれに準ずる方法により製造することができる。
【0072】化合物(Ia)が、化合物(I)のよう
に、Rがチオフェン環および環Aaの環構成炭素原子と
ともに置換されていてもよい炭化水素環または複素環を
形成している化合物である場合、化合物(Ia)または
その塩は例えば以下に示すA法〜F法あるいはこれに準
ずる方法により製造することができる。
【0073】[A法]
【化11】 〔式中、化合物(III)はヒドロキシルアミンまたは
一置換ヒドラジン(R 'NHNH)またはそれらの
塩を示し、その他の記号は前記と同意義を有する。〕
【0074】本反応は、化合物(II)と化合物(II
I)との反応により化合物(I)を製造する。本反応
は、常法に従い、中性、または酸、塩基の存在下、反応
に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。酸としては、
例えば塩酸、硫酸などの鉱酸;メタンスルホン酸、p−
トルエンスルホン酸、安息香酸、酢酸、トリフルオロ酢
酸などの有機酸が挙げられる。塩基としては、水素化ナ
トリウム、水酸化ナトリウム、水素化カリウム等の無機
塩基、 t−ブトキシカリウム、酢酸ナトリウム、トリ
エチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン、ナトリウムメトキシド
等の有機塩基が挙げられる。酸および化合物(III)
の使用量は、化合物(II)に対し、好ましくは約1〜
約5モル当量である。反応に悪影響を及ぼさない溶媒と
しては、例えば水、メタノール、エタノール、プロパノ
ールなどのアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;クロロホル
ム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチルピロリドン
などのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキ
シド類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合
で混合して用いてもよい。反応温度は、通常、約−50
〜約150℃、好ましくは約0〜約100℃である。反
応時間は、通常、約0.5〜約20時間である。本反応
により生じる環A上のR3’は,Rとして記載された
置換されていてもよい水酸基または置換されていてもよ
いアミノ基に、自体公知の方法を用いて変換することが
できる。このようにして得られる化合物(I)は、公知
の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶
出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離
精製することができる。
【0075】なお、上記A法で原料化合物として用いら
れる化合物(II)は、新規化合物であり、化合物(I
V):
【化12】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕とオルトぎ
酸エステルとの反応により製造される。すなわち、化合
物(IV)に対し、公知の方法、例えば、インディアン
ジャーナルオブケミストリー セクションB (Indian.
J. Chem. Sec. B) 第35巻49−51頁(1996
年)に記載の方法、あるいはそれに準じた方法により行
われる。すなわち、本反応は、通常、酸と塩基の存在
下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。オル
トぎ酸エステルの使用量は、化合物(IV)に対し、好
ましくは約1〜約10モル当量である。酸としては、三
フッ化ホウ素−エーテル錯体などが挙げられる。酸の使
用量は、化合物(IV)に対し、好ましくは約1〜約1
0モル当量である。塩基としては、トリエチルアミン、
ジイソブチルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]−7−ウンデセン等が挙げられる。塩基の
使用量は、化合物(IV)に対し、好ましくは約1〜約
10モル等量である。反応に悪影響を及ぼさない溶媒と
しては、例えばクロロホルム、ジクロロメタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類などが挙げられる。これらの溶媒
は、適宜の割合で混合して用いてもよい。反応温度は、
通常、約−100〜約150℃、好ましくは約−70〜
約0℃である。反応時間は、通常、約0.5〜約20時
間である。このようにして得られる化合物(II)は、
公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽
出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどによ
り単離精製することができる。
【0076】なお、原料化合物として用いられる化合物
(IV)のうち、例えば化合物(IV−1):
【化13】 は公知化合物であり、リービッヒ アナーレン (Lieb
igs Ann.) 1996年239−245頁に、または
シンセティックコミュニケーションズ (Synth.Commu
n.) 1995年2449−2455頁に記載されてい
る。
【0077】また、上記A法において化合物(I)のR
が置換されていてもよいアミノ基で示される化合物の
原料化合物として用いられる化合物(IV−2,3)
は、以下の合成法により製造される。 (工程1)
【化14】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本反応では、1,3−シクロアルカンジオンに対し、塩
基存在下、イソチオシアン酸アルキルエステルあるいは
イソチオシアン酸アリールエステルを反応させることに
よって化合物(V)を製造する。塩基としては、例えば
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩;ピリジン、ト
リエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−
ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなど
のアミン類;水素化カリウム、水素化ナトリウムなどの
金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエト
キシド、t-ブトキシカリウムなどのアルカリ金属アルコ
キシドが挙げられる。反応試剤の使用量は、1,3−シ
クロアルカンジオンに対し、好ましくは約1〜約10モ
ル当量である。塩基の使用量は、1,3−シクロアルカ
ンジオンに対し、好ましくは約1〜約10モル当量であ
る。反応温度は、通常、約−50〜約150℃、好まし
くは約0〜約100℃である。反応時間は、通常、約
0.5〜約20時間である。このようにして得られる化
合物(V)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧
濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。
【0078】(工程2)
【化15】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本反応では、化合物(V)と化合物(VII)との反応
により、化合物(VI)を製造する。本法は、常法に従
い、塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で
行われる。化合物(VII)としては、例えばハロ酢酸
エステル、具体的にはクロロ酢酸エチル、ブロモ酢酸エ
チル、ブロモ酢酸t-ブチル等が挙げられる。化合物(V
II)の使用量は、化合物(V)に対し、好ましくは約
1〜約10モル当量である。塩基としては、例えば水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩;ピリジン、トリエ
チルアミン、N,N−ジメチルアニリン、1,8−ジア
ザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エンなどのア
ミン類;水素化カリウム、水素化ナトリウムなどの金属
水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウム t.-ブトキシドなどのアルカリ金属アルコ
キシドが挙げられる。これら塩基の使用量は、化合物
(V)に対し、好ましくは約1〜約5モル当量である。
反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどの
エーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロ
ゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドなど
のアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド
類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混
合して用いてもよい。反応温度は、通常、約−50〜約
150℃、好ましくは約−10〜約100℃である。反
応時間は、通常、約0.5〜約20時間である。このよ
うにして得られる化合物(VI)は、公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。
【0079】(工程3)
【化16】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本反応では、化合物(VI)から化合物(IV−2)を
製造する。本法は、常法に従い、塩基の存在下、反応に
悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。塩基としては、
例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属塩;ピリジ
ン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−
エンなどのアミン類;水素化カリウム、水素化ナトリウ
ムなどの金属水素化物;ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、t-ブトキシカリウムなどのアルカリ金
属アルコキシドが挙げられる。これら塩基の使用量は、
化合物(VI)に対し、好ましくは約1〜約5モル当量
である。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテ
ルなどのエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンな
どのハロゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムア
ミドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスル
ホキシド類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の
割合で混合して用いてもよい。反応温度は、通常、約−
50〜約150℃、好ましくは約−10〜約100℃で
ある。反応時間は、通常、約0.5〜約20時間であ
る。このようにして得られる化合物(IV−2)は、公
知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、
晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単
離精製することができる。
【0080】(工程4)
【化17】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本反応では、化合物(IV−2)をアシル化して化合物
(IV−3)を製造する。本法は、化合物(IV−2)
とアシル化剤とを適宜反応させる方法等を用いて行われ
る。ここにおいてアシル化剤としては、例えば、酸無水
物、酸ハライド(酸クロリド、酸ブロミド)、イミダゾ
リド、あるいは混合酸無水物(例えばメチル炭酸、エチ
ル炭酸、イソブチル炭酸との無水物など)などが挙げら
れる。これらアシル化剤の使用量は、化合物(VI−
2)に対し、好ましくは約1〜約5モル当量である。反
応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテルなどの
エーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロ
ゲン化炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミドなど
のアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド
類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混
合して用いてもよい。反応温度は、通常、約−50〜約
150℃、好ましくは約−10〜約100℃である。反
応時間は、通常、約0.5〜約20時間である。このよ
うにして得られる化合物(IV−3)は、公知の分離精
製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結
晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製する
ことができる。
【0081】[B法]
【化18】 〔式中、環A'は
【化19】 を示し、各記号は前記と同意義を有する。〕
【0082】本法では、化合物(I−2)と求核試剤と
の反応により化合物(I−1)を製造する。本反応は、
自体公知の方法、例えば、WO98/18792号公報
に記載の方法、あるいはそれに準じた方法により行われ
る。求核試剤としては、例えば金属フェノラート、金属
アルコラート、グリニャール試薬、アルキル金属試薬、
アリール金属試薬、チオアルコラートなどが挙げられ
る。求核試剤の使用量は、化合物(I−2)に対し、好
ましくは約1〜約5モル当量である。反応に悪影響を及
ぼさない溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;クロロ
ホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類;N,N−ジメチルホルムアミド、1−メチルピロリ
ドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスル
ホキシド類などが挙げられる。これらの溶媒は、適宜の
割合で混合して用いてもよい。反応温度は、通常、約−
50〜約150℃、好ましくは約−10〜約100℃で
ある。反応時間は、通常、約0.5〜約20時間であ
る。このようにして得られる化合物(I−1)は、公知
の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶
出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離
精製することができる。
【0083】なお、上記B法で原料化合物として用いら
れる化合物(I−2)は、以下に示す方法で製造するこ
とができる。
【化20】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本法では、化合物(I−3)から酸化剤を用いて化合物
(I−2)を製造する。本反応は、自体公知の方法、例
えば、酸化剤として、二酸化マンガン、過マンガン酸、
クロム酸、四酢酸鉛、ハロゲン、オゾン、過酸化水素,
有機過酸化物,有機過酸、過酸化水素−タングステン酸
ナトリウム、酸素、N−ハロカルボン酸アミド、次亜ハ
ロゲン酸エステル、ヨードシル化合物、硝酸、四酸化二
窒素、ジメチルスルホキシド、アゾジカルボン酸エチ
ル、クロロ金(III)酸などを用いる方法、または陽
極酸化、あるいはそれに準じた方法により行われる。す
なわち、本反応は、通常、酸化剤存在下、反応に悪影響
を及ぼさない溶媒中で行われる。酸化剤としては、例え
ばm−クロロ過安息香酸、過酢酸などが好ましい。反応
に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えばジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテ
ル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン化
炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、1−メ
チルピロリドンなどのアミド類などが挙げられる。これ
らの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。反応
温度は、通常、約−50〜約150℃、好ましくは約−
10〜約100℃である。反応時間は、通常、約0.5
〜約20時間である。このようにして得られる化合物
(I−2)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧
濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。
【0084】[C法]
【化21】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕
【0085】本法では、カルボキシル保護基の脱離反応
により化合物(I−5)を製造する。本反応には、カル
ボキシル保護基の脱離反応に用いられるすべての慣用的
方法.例えば加水分解、還元、ルイス酸を用いての脱離
などを適用できる。カルボキシル保護基がエステルの場
合、加水分解またはルイス酸用いる脱離によって脱離す
ることができる。加水分解は、塩基またはルイス酸を用
いる脱離によって脱離することができる.加水分解は、
塩基または酸の存在下で行うことが好ましい.好適な塩
基としては、例えばアルカリ金属水酸化物(例えば水酸
化ナトリウム、水酸化カルシウムなど)、アルカリ土類
金属水酸化物(例えば水酸化マグネシウム、水酸化カル
シウムなど)、アルカリ金属炭酸塩(例えば炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウムなど)、アルカリ土類金属炭酸塩(例え
ば炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなど)、アルカリ
金属重炭酸塩(重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムな
ど)、アルカリ金属酢酸塩(例えば酢酸ナトリウム、酢酸
カリウムなど)、アルカリ土類金属リン酸塩(例えばリン
酸マグネシウム、リン酸カルシウムなど)、アルカリ金
属水素リン酸塩(例えばリン酸水素二ナトリウム、リン
酸水素二カリウムなど)などの無機塩基、トリアルキル
アミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミンな
ど)、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモ
ルホリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.2]ノン−
5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]ノン−
5−エン、1,8−ジアザビシクロ[4.3.0]−7−
ウンデセンなどの有機塩基が挙げられる。塩基を用いて
の加水分解は、水または親水性有機溶媒あるいは混合溶
媒中で行われることが多い。好適な酸としては、有機酸
(例えばギ酸、臭化水素酸、硫酸など)を挙げることがで
きる。本加水分解反応は、通常有機溶媒、水またはこれ
らからなる混合溶媒中で行う。反応温度は特に限定され
ず、カルボキシル保護基の種類ならびに脱離方法に応じ
て適宜選択される.ルイス酸を用いる脱離は、化合物
(I−4)またはその塩を、ルイス酸、例えば三ハロゲ
ン化ホウ素(例えば三塩化ホウ素、三フッ化ホウ素な
ど)、四ハロゲン化チタニウム(例えば四塩化チタニウ
ム、四臭化チタニウムなど)、ハロゲン化アルミニウム
(例えば塩化アルミニウム、臭化アルミニウムなど)、ト
リハロ酢酸(例えばトリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸
など)などと反応させることにより行われる。この脱離
反応は、カチオン捕捉剤(例えばアニソール、フェノー
ルなど)の存在下で行うことが好ましく、また通常、ニ
トロアルカン(例えばニトロメタン、ニトロエタンな
ど)、アルキレンハライド(例えば塩化メチレン、塩化エ
チレンなど)、ジエチルエーテル、二硫化炭素、その他
反応に悪影響を及ぼさない溶媒などの溶媒中で行われ
る。これらの溶媒は、それらの混合物として使用しても
よい。還元による脱離は、ハロゲン化アルキル(例えば
2−ヨードエチル、2,2,2−トリクロロエチルな
ど)エステル、アラルキル(例えばベンジルなど)エステ
ルなどの保護基の脱離に適用するのが好ましい.本脱離
反応に用いる還元方法としては、例えば金属(例えば亜
鉛、亜鉛アマルガムなど)またはクロム化合物の塩(例え
ば塩化第一クロム、酢酸第一クロムなど)と有機または
無機塩(例えば酢酸、プロピオン酸、塩酸など)との組み
合わせ;慣用の金属触媒(例えばパラジウム炭素、ラネ
ーニッケルなど)の存在下での慣用の接触還元などを挙
げることができる。反応温度は、特に限定されず、通
常、冷却下、室温または加温下で反応は行われる。この
ようにして得られる化合物(I−5)は,公知の分離精
製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結
晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製する
ことができる。
【0086】一般式(I)中、Rが式:−Z−Z
(式中、Zが−CO−,Zが置換されていてもよい
アミノ基を示す。)で示される化合物(I−6)は、例
えば以下のD法によって製造される。 [D法]
【化22】 〔式中、化合物(VIII)はZHを示し、その他の
記号は前記と同意義を有する。〕 本法では、化合物(I−5)もしくはそのカルボキシル
基における反応性誘導体またはその塩を、前記化合物
(VIII)またはそのアミノ基における反応性誘導体
またはその塩と反応させることにより化合物(I−6)
を製造する。化合物(VIII)のアミノ基における好
適な反応性誘導体としては、化合物(VIII)とアル
デヒド、ケトン等のようなカルボニル化合物との反応に
よって生成するシッフ塩基型イミノまたはそのエナミン
型互変異生体;化合物(VIII)とビス(トリメチル
シリル)アセトアミド、モノ(トリメチルシリル)アセト
アミド、ビス(トリメチルシリル)尿素等のようなシリ
ル化合物との反応によって生成するシリル誘導体;化合
物(VIII)と三塩化リンまたはホスゲンとの反応に
よって生成する誘導体が挙げられる。
【0087】化合物(I−5)のカルボキシル基におけ
る好適な反応性誘導体としては、具体的には、酸ハロゲ
ン化物、酸無水物、活性化アミド、活性化エステル等が
挙げられる。反応性誘導体の好適な例としては、酸塩化
物;酸アジ化物;例えばジアルキルリン酸、フェニルリ
ン酸、ジフェニルリン酸、ジベンジルリン酸、ハロゲン
化リン酸等の置換されたリン酸、ジアルキル亜リン酸、
亜硫酸、チオ硫酸、硫酸、例えばメタンスルホン酸等の
スルホン酸、例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸ピバリン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、トリクロ
ロ酢酸等の脂肪族カルボン酸または例えば安息香酸等の
芳香族カルボン酸のような酸との混合酸無水物;対称酸
無水物;イミダゾ−ル、4−置換イミダゾ−ル、ジメチ
ルピラゾ−ル、トリアゾ−ルまたはテトラゾ−ルとの活
性化アミド;または例えばシアノメチルエステル、メト
キシメチルエステル、ジメチルイミノメチルエステル、
ビニルエステル、プロパルギルエステル、p-ニトロフェ
ニルエステル、トリクロロフェニルエステル、ペンタク
ロロフェニルエステル、メシルフェニルエステル、フェ
ニルアゾフェニルエステル、フェニルチオエステル、p-
ニトロフェニルエステル、p-クレジルチオエステル、カ
ルボキシメチルチオエステル、ピラニルエステル、ピリ
ジルエステル、ピペリジルエステル、8-キノリルチオエ
ステル等の活性化エステル、または例えば N,N-ジメチ
ルヒドロキシアミン、1-ヒドロキシ-2-(1H)-ピリドン、
N-ヒドロキシスクシンイミド、N-ヒドロキシフタルイミ
ド、1-ヒドロキシ-1H-ベンゾトリアゾ−ル等の N-ヒド
ロキシ化合物とのエステル等が挙げられる。これら反応
性誘導体は、使用する化合物 (I−5) の種類によって
任意に選択することができる。化合物 (I−5) の反応
性誘導体の好適な塩としては、例えばナトリウム塩、カ
リウム塩等のアルカリ金属塩、例えばカルシウム塩、マ
グネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム
塩、例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、
ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩、
N,N-ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機塩基塩等の
ような塩基塩が挙げられる。反応は通常、水、例えばメ
タノ−ル、エタノ−ル等のアルコ−ル類、アセトン、ジ
オキサン、アセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレ
ン、塩化エチレン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、
N,N-ジメチルホルムアミド、ピリジンのような常用の溶
媒中で行われるが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であ
ればその他のいかなる有機溶媒中でも反応を行うことが
できる。これら常用の溶媒は水との混合物として使用し
てもよい。
【0088】この反応において、化合物 (I−5) を遊
離酸の形またはその塩の形で使用する場合には、N,N'-
ジシクロヘキシルカルボジイミド;N-シクロヘキシル-
N'-モルホリノエチルカルボジイミド;N-シクロヘキシ
ル-N'-(4-ジエチルアミノシクロヘキシル)カルボジイ
ミド;N,N'-ジエチルカルボジイミド、N,N'-ジイソプロ
ピルカルボジイミド、N-エチル-N'-(3-ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド;N,N'-カルボニルビス(2-
メチルイミダゾ−ル);ペンタメチレンケテン-N-シク
ロヘキシルイミン;ジフェニルケテン-N-シクロヘキシ
ルイミン;エトキシアセチレン;1-アルコキシ-1-クロ
ロエチレン;亜リン酸トリアルキル;ポリリン酸エチ
ル;ポリリン酸イソプロピル;オキシ塩化リン;ジフェ
ニルホスホリルアジド;塩化チオニル;塩化オキサリ
ル;例えばクロロギ酸エチル;クロロギ酸イソプロピル
等のハロギ酸低級アルキル;トリフェニルホスフィン;
2-エチル-7-ヒドロキシベンズイソオキサゾリウム塩、2
-エチル-5-(m-スルホフェニル)イソオキサゾリウムヒ
ドロキシド分子内塩;N-ヒドロキシベンゾトリアゾ−
ル;1-(p-クロロベンゼンスルホニルオキシ)-6-クロロ
-1H-ベンゾトリアゾ−ル;N,N'-ジメチルホルムアミドと
塩化チオニル、ホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチ
ル、オキシ塩化リン等との反応によって調製したいわゆ
るビルスマイヤ−試薬等のような常用の縮合剤の存在下
に反応を行うのが望ましい。反応はまたアルカリ金属炭
酸水素塩トリ(低級)アルキルアミン、ピリジン、N-
(低級)アルキルモルホリン、N,N-ジ(低級)アルキル
ベンジルアミン等のような無機塩基または有機塩基の存
在下に行ってもよい。反応温度は特に限定されないが、
通常は冷却下ないし加温下に反応が行われる。
【0089】化合物(VIII)の使用量は、化合物
(I−5)に対し0.1〜10モル当量、好ましくは
0.3〜3モル当量である。反応温度は、通常、−30
℃〜100℃である。反応時間は、通常、0.5〜20
時間である。
【0090】また、混合酸無水物を用いる場合、化合物
(I−5)とクロロ炭酸エステル(例、クロロ炭酸メチ
ル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸イソブチルなど)を
塩基(例、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン、
N,N−ジメチルアニリン、炭酸水素ナトリウム、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム等)の存在下に反応させ、さ
らに化合物(VIII)と反応させる。化合物(VII
I)の使用量は、化合物(I−5)に対して、通常0.
1〜10モル当量、好ましくは0.3〜3モル当量であ
る。反応温度は、通常、−30℃〜100℃である。反
応時間は、通常、0.5〜20時間である。このように
して得られる化合物(I−6)は,公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。なお、上記D法で原料化合物として用いられ
る化合物(I−5)は、上記C法により製造される。
【0091】[E法]
【化23】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 本法では、化合物(I−7)から脱水剤存在下に化合物
(I−8)を製造する。本反応は、化合物(I−7))
と脱水剤とを適宜反応させる方法等を用いて行われる。
ここにおいて脱水剤としては、例えば、無水酢酸、無水
トリフルオロ酢酸、五酸化りん、塩化チオニルなどが挙
げられる。脱水剤の使用量は、化合物(I−7)に対し
0.1〜100モル当量、好ましくは1〜10モル当量
である。反応温度は、通常、−30℃〜100℃であ
る。反応時間は、通常、0.5〜20時間である。この
ようにして得られる化合物(I−8)は,公知の分離精
製手段、例えば、濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再
結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製す
ることができる。なお、上記E法で原料化合物として用
いられる化合物(I−7)は、上記D法あるいはB法に
より製造される。
【0092】例えば、酸ハライドを用いる場合、反応は
塩基の存在下、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行わ
れる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
どのエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタンなどの
ハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン
などの芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミ
ド、1−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルス
ルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられる。こ
れらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。
【0093】[F法]
【化24】 [式中、各記号は前記と同意義を有する。] 本法では、求核試剤と化合物(I−9)との反応により
化合物(I−10)を製造する。該求核試剤としては、
例えば、金属フェノラート、金属アルコラート、グリニ
ャール試薬、アルキル金属試薬、アリール金属試薬、チ
オアルコラートなどが用いられる。求核試剤の使用量
は、化合物(I−9)に対し、好ましくは約1〜約5モ
ル当量である。本反応は、通常、反応に悪影響を及ぼさ
ない溶媒中で行われる。反応に悪影響を及ぼさない溶媒
としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサンなどのエーテル類;クロロホルム、ジク
ロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類;ベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;N,N−ジ
メチルホルムアミド、1−メチルピロリドンなどのアミ
ド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類など
が挙げられる。これらの溶媒は、適宜の割合で混合して
用いてもよい。反応温度は、通常、約−70〜約150
℃、好ましくは約−70〜約0℃である。反応時間は、
通常、約0.5〜約20時間である。このようにして得
られる化合物(I−10)は、公知の分離精製手段、例
えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、
クロマトグラフィーなどにより単離精製することができ
る。
【0094】なお、上記F法で原料化合物として用いら
れる化合物(I−9)は、D法により製造することがで
きる。
【0095】化合物(I)は上記製造法以外にも、以下
に示す製造法により得ることもできる。
【0096】[G法]
【化25】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 (IX-1)は、化合物(IV)とアミドアセタール類との反
応により製造される。アミドアセタール類としては、例
えばN,N-ジアルキルホルムアミドの活性アセタール体、
好ましくはN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセター
ル、 N,N-ジメチルホルムアミドジエチルアセタール、t
-ブトキシビスジメチルアミノメタン、トリスジメチル
アミノメタン、 N,N-ジメチルホルムアミドジプロピル
アセタール、N,N-ジメチルホルムアミドビス(2-トリメ
チルシリルエチル)アセタール、N,N-ジメチルホルムア
ミドジベンジルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミド
ジ-t-ブチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジ
ネオペンチルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミドジ
シクロヘキシルアセタール、N,N-ジメチルホルムアミド
ジイソプロピルアセタールなどのジメチルホルムアミド
の活性アセタール体が用いられ、より好ましくはN,N-ジ
メチルホルムアミドジメチルアセタール、N,N-ジメチル
ホルムアミドジエチルアセタール、トリスジメチルアミ
ノメタンなどが用いられる。該アミドアセタール類の使
用量は、化合物(IV)1モルに対して1モルないし50モ
ル、好ましくは1モルないし30モルである。この反応に
用いる溶媒としては、該反応を阻害しないものであれば
何れでも良く、例えば炭化水素類(例、n-ヘキサン、N-
ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、ハロゲ
ン化炭化水素類(例、ジクロロメタン等)、エーテル類
(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレ
ングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、
ジオキサン等)、アミド類(例、N,N-ジメチルホルムア
ミド等のN,N-ジC1−3アルキルホルムアミド、N,N-ジ
メチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等)、エステ
ル類(例、酢酸エチル、酢酸メチル等)、ニトリル類
(例、アセトニトリル等)、スルホキシド類(例、ジメ
チルスルホキシド等)などの単独、あるいは二種以上の
混合系が挙げられる。本反応は、反応温度0ないし150
℃、好ましくは50ないし120℃で、約30分ないし24時
間、好ましくは1ないし6時間反応させることにより行わ
れる。
【0097】ここに記載のアミドアセタール類は何れも
自体公知であり、市販品として容易に入手し得る。また
化合物(IV)は公知の方法、例えばD.Primらの論文(Sy
nth.Commun.、25巻、2449頁、1995年)に記載の方法、
またはそれに準ずる方法により製造される。
【0098】[H法]
【化26】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 化合物(IX-2)は、化合物(II)の脱アルコール反応
により製造される。本反応は、酸または塩基を用いて行
われる。酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸
などの無機酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、
ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などの有機
酸が挙げられ、塩基としては、水素化ナトリウムなどの
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水素化物類、リ
チウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジ
シラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジドなどのア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属のアミド類、ナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブ
トキシドなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の
低級アルコキシド類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウ
ムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化
物類、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムな
どの炭酸塩類、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム
などのアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸水素
塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリ
ジン、ジメチルアミノピリジン、1,8-ジアザビシクロ
[5,4,0]-7-ウンデセンなどの有機塩基類が挙げられる。
これらのうち、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの
無機酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼ
ンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などの有機酸が好
ましく、化合物(II)1モルに対して0.1モルないし100
モル、好ましくは1モルないし30モル用いられる。本反
応においては、必要に応じて、該反応を阻害しない溶媒
であれば何れをも用いることができる。中でもアルコー
ル類(例、メタノール、エタノール、プロパノール等の
1−3アルコール)などが好ましい。また、前記の酸
あるいは塩基を、溶媒を兼ねて用いても良い。本反応
は、反応温度0ないし50℃、好ましくは0ないし30℃で、
約10分ないし6時間、好ましくは30分ないし3時間反応さ
せることにより行われる。
【0099】化合物(II)は、化合物(IV)から公知の
方法、例えばA.Nangiaらの論文(Indian J.Chem.、35B
巻、49頁、1996年)に記載の方法、またはそれに準ずる
方法により製造される。
【0100】[I法]
【化27】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 一般式(I)で表される化合物は、化合物(VII)を、ヒ
ドロキシルアミンまたはその塩、あるいはR3'NHNH2(R
3'は前記と同意義を有する。)で表されるヒドラジン類
またはその塩で閉環して製造される。この反応では、化
合物(IX)1モルに対して、ヒドロキシルアミンあるい
はヒドラジン類1モルないし10モル、好ましくは1モルな
いし5モル用いられる。この反応に用いる溶媒として
は、該反応を阻害しないものであれば何れでも良いが、
好ましくは、アルコール類(例、メタノール、エタノー
ル、プロパノール等のC1−3アルコール)や、アルコ
ール類と適当な他の溶媒あるいは水との混合系が用いら
れる。本反応では、反応速度や位置選択性、溶解性など
を調節するために酸を共存させても良い。該酸として
は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの無機酸、ト
リフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン
酸、p-トルエンスルホン酸などの有機酸が挙げられ、化
合物(IX)1モルに対して0.1モルないし100モル、好ま
しくは1モルないし30モル用いられる。また、溶媒を兼
ねて用いても良い。本反応は、反応温度0ないし120℃、
好ましくは50ないし100℃で、約10分ないし6時間、好ま
しくは1時間ないし3時間反応させることにより行われ
る。なお、本反応により生じる環A上のR3’は,R
として記載された置換されていてもよい水酸基または置
換されていてもよいアミノ基に、自体公知の方法を用い
て変換することができる。
【0101】[J法]
【化28】 〔式中、各記号は前記と同意義を有する。〕 化合物(IX-3)を、酸の存在下にR3’’NHNH
表されるヒドラジン類で閉環して、化合物(I-11)を製
造する反応では、化合物(VII-2)1モルに対して、ヒド
ラジン類1モルないし10モル、好ましくは1モルないし5
モル用いられる。この反応に用いる溶媒としては、該反
応を阻害しないものであれば何れでも良いが、好ましく
はアルコール類(例、メタノール、エタノール、プロパ
ノール等のC1−3アルコール類)が用いられる。この
反応における無水条件とは、実質的に無水条件下、具体
的には溶媒に水を積極的に添加しない、例えば水分含量
が約5%以下の溶媒,好ましくは水分含量が約3%以下
の溶媒,さらに好ましくは水分含量が1%以下の溶媒を
用いて反応を行うことを意味する。この反応に用いる酸
としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸などの無機
酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンス
ルホン酸、p-トルエンスルホン酸などの有機酸が挙げら
れるが、とりわけメタンスルホン酸が好ましく、化合物
(IX-3)1モルに対して0.1モルないし100モル、好まし
くは1モルないし30モル用いられる。また、溶媒を兼ね
て用いても良い。本反応は、反応温度0ないし120℃、好
ましくは40ないし70℃で、約10分ないし6時間、好まし
くは1時間ないし3時間反応させることにより行われる。
【0102】一般式(IX-3)でR13’が環状基で置
換された水酸基の化合物は、化合物(IV)から公知の方
法、例えばD.Primらの論文(Synth.Commun.、25巻、244
9頁、1995年)に記載の方法、またはそれに準ずる方法
により製造されるが、化合物(IX)を一般的な酸加水分
解反応(例えば、溶媒としてアルコール類あるいはアミ
ド類と水との混合系を用い、前記と同様の酸を化合物
(IX)1モルに対して0.1モルないし10モル用いて、反応
温度0ないし120℃で10分ないし6時間反応させる)に供
して製造しても良い。また、一般式(IX-3)におけるR
13’として「置換されていてもよいアミノ基」を用い
ることにより、化合物(IX-3)の製造の際に腐蝕性が問
題とされる三フッ化ホウ素エーテル錯体等の化合物を用
いることなく目的化合物を工業的に有利に製造すること
ができる。
【0103】[K法]
【化29】 一般式(I)でR1が置換されていてもよいチオールであ
る化合物(I-12)は次のようにして化合物(I-13)に導
かれる。まず、化合物(I-12)を酸化反応に供して化合
物(I-13)とする。酸化剤としては、メタクロロ過安息
香酸、過酢酸、過ギ酸、トリフルオロ過酢酸などの過
酸、ジオキシランなどの過酸化物、金属触媒存在下での
過酸化水素、オキソン(商品名)などを用いることがで
き、化合物(I-12)1モルに対して2ないし10モル用いら
れる。過酢酸などで酸化する際には、反応を促進させる
ために塩酸や硫酸などの酸を、化合物(I-12)1モルに
対して1ないし10モル、好ましくは2ないし5モル加える
ことが望ましい。この反応に用いる溶媒としては、該反
応を阻害しないものであれば何れでも良く、例えば炭化
水素類(例、n-ヘキサン、N-ヘプタン、ベンゼン、トル
エン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、ジク
ロロメタン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエー
テル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、アルコー
ル類(例、メタノール、エタノール、プロパノール等の
1−3アルコール)、アミド類(例、N,N-ジメチルホ
ルムアミド等のN,N-ジC1−3アルキルホルムアミド、
N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等)、
エステル類(例、酢酸エチル、酢酸メチル等)、ニトリ
ル類(例、アセトニトリル等)、スルホキシド類(例、
ジメチルスルホキシド等)、ケトン類(アセトン、2−
ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキノ
ン等)、カルボン酸類(例、ギ酸、酢酸、トリフルオロ
酢酸等)などの単独、あるいは二種以上の混合系が挙げ
られる。本反応における温度や時間は用いる酸化剤によ
って異なり、例えば過酢酸にて実施する場合は、反応温
度0ないし100℃、好ましくは30ないし60℃で、1ないし2
4時間、好ましくは2ないし5時間反応させることにより
行われる。以上のようにして得られる化合物(I-13)を
置換反応に供して化合物(I-14)を製造する。本反応で
は、化合物(I-13)1モルに対してR''-OHを1ないし2モ
ル、好ましくは1ないし1.5モル用いる。なお、R''−O
HのR''−O部分は、Rの置換されていてもよい水酸
基に相当する。本反応で用いる塩基として、[H法]に
記した塩基が挙げられるが、中でもナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシド、炭
酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸水素
カリウム、炭酸水素ナトリウムなどが好ましく、化合物
(I-13)1モルに対して1ないし3モル、好ましくは1ない
し2モル用いられる。この反応に用いる溶媒としては、
該反応を阻害しないものであれば何れでも良く、例えば
炭化水素類(例、n-ヘキサン、N-ヘプタン、ベンゼン、
トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類(例、
ジクロロメタン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、
ジイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチル
エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等)、アミ
ド類(例、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルア
セトアミド、N-メチルピロリドン等)、エステル類
(例、酢酸エチル、酢酸メチル等)、ニトリル類(例、
アセトニトリル等)、スルホキシド類(例、ジメチルス
ルホキシド等)、ケトン類(アセトン、2−ブタノン、
4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキノン等)など
が挙げられ、中でも炭化水素類(例、n-ヘキサン、N-ヘ
プタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等)、アミド類
(例、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセト
アミド、N-メチルピロリドン等)、エステル類(例、酢
酸エチル、酢酸メチル等)、ケトン類(アセトン、2−
ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキノ
ン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピ
ルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等)が好ましい。これら
の溶媒は、単独あるいは二種以上の混合系として用いら
れる。本反応は、反応温度20ないし120℃、好ましくは7
0ないし100℃で、1ないし24時間、好ましくは2ないし6
時間反応させることにより行われる。
【0104】[L法]
【化30】 10がカルボキシル基の保護基を示す化合物(I-4)
は、塩基の存在下ホルムアミドと反応させることによ
り、一行程で化合物(I-7)に導くことができる。ホル
ムアミドは通常溶媒を兼ねて用い、化合物(I-4)1グラ
ム当たり1ないし30ミリリットル、好ましくは2ないし10
ミリリットル用いる。本反応で用いる塩基として、[H
法]に記した塩基が挙げられるが、中でもナトリウムメ
トキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt-ブトキシ
ド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭
酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウムなどが好ましく、
化合物(I-4)1モルに対して1ないし10モル、好ましく
は1ないし5モル用いられる。本反応で溶媒を用いる場
合、該反応を阻害しないものであれば何れでも良いが、
アルコール類(例、メタノール、エタノール、プロパノ
ール等のC1−3アルコール)、アミド類(例、N,N-ジ
メチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メ
チルピロリドン、ホルムアミド等)などが好ましい。本
反応は、反応温度20ないし120℃、好ましくは70ないし1
00℃で、1ないし12時間、好ましくは1ないし3時間反応
させることにより行われる。
【0105】化合物(Ia)が、Rがチオフェン環およ
び環Aaの環構成炭素原子とともに置換されていてもよ
い炭化水素環または複素環を形成していない化合物であ
る場合、化合物(Ia)またはその塩は例えば以下に示
すA’法〜L’法あるいはこれに準ずる方法により製造
することができる。 [A’法]
【化31】 [式中、R16はRに対応する置換されていてもよい炭
化水素残基を示し、R およびR18は、各々、水素
原子またはRで例示したと同様なそれぞれ置換されて
いてもよい炭化水素残基、複素環基、水酸基またはアミ
ノ基を示し、AおよびAは、各々、水素原子または
で例示したと同様な置換されていてもよい炭化水素
残基、複素環基を示し、Halはハロゲン原子(例、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素など)を示し、Qは硫黄原子、
酸素原子またはNH基を示す。R は、水素原子また
はそれぞれ置換されていてもよい炭化水素残基、複素環
基、水酸基、アシル基、スルホニル基もしくはアミノ基
を示す。その他の記号は、上記と同意義を有する。] 本法では、まず化合物()を自体公知の方法によりハ
ロゲン化して化合物()とした後、化合物()のア
ミド、チオアミドあるいはアミジンとの反応により化合
物()を製造する。化合物()と化合物()との
反応は、適宜の溶媒中塩基の存在下または非存在下に行
われる。該溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,
1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水
素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、メタノー
ル、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブ
タノール、2−メトキシエタノール、エチレングリコー
ルなどのアルコール類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、酢酸エチ
ルあるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。該塩基
としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どのアルカリ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸
化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物、ナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムte
rt−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの
アルカリ金属塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素
二カリウムなどのアルカリ金属水素リン酸塩、水素化ナ
トリウム、水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化
物、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、
ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルモルホリ
ン、N,N−ジメチルアニリンなどのアミン類などの塩
基が適宜選択して用いられ、これら塩基の使用量は化合
物()に対し約1〜約5モル当量が好ましく、アミ
ド、チオアミドあるいはアミジン()の使用量は化合
物()に対し約1〜約5モル当量が好ましい。本反応
は通常約0℃〜約+180℃、好ましくは約+30℃〜
約+120℃で、約30分間〜約50時間かけて行われ
る。このようにして得られる化合物()は公知の分離
精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再
結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製す
ることができる。Rが−COOR16である化合物
)[すなわち、化合物(4’)]を自体公知の酸ま
たはアルカリ加水分解反応に付すことにより対応するカ
ルボン酸()を製造することができ、また、化合物
)を自体公知のアミド化反応[化合物()との反
応]に付すことにより化合物()を製造することがで
きる。該アミド化反応は、例えば化合物()とオキサ
リルクロリド、塩化チオニルなどのハロゲン化剤で酸ハ
ライドに導いたのち、化合物()と反応させることに
よって行うことができる。化合物()とハロゲン化剤
との反応は通常溶媒中で行われ、該溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、例えば
ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル
類などが挙げられる。反応促進剤として例えばピリジ
ン、N,N−ジメチルホルムアミドなどを用いてもよ
い。本反応は通常約0℃〜約+120℃で、約30分間
〜約24時間かけて行われる。ハロゲン化剤の使用量は
化合物()に対して約1〜2モル当量が好ましい。得
られた酸ハライドは通常の分離精製手段によって分離し
た後化合物()との反応に付してもよく、また分離せ
ずに該酸ハライドを含む反応混合物を化合物()との
反応に付すこともできる。酸ハライドと化合物()と
の反応は通常溶媒中で行われる。該溶媒としては、例え
ばクロロホルム、ジクロロメタン、1,1,2,2−テト
ラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、例えばジ
エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランなど
のエーテル類、アセトン、アセトニトリル、酢酸エチ
ル、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
また、過剰量の化合物()を溶媒として用いて反応を
行うこともできる。本反応は塩基の存在下または非存在
下で行うことができ、該塩基としては、例えばトリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメ
チルアニリンなどの有機塩基、例えば炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウムなどの無機塩基などが挙げられる。化
合物()の使用量は酸ハライドに対して約1〜2モル
当量が好ましいが、過剰量の化合物()を溶媒として
用いることができる。本反応は通常約0℃〜約+120
℃で、約30分間〜約24時間かけて行われる。化合物
)のうち、QがNH基である化合物は、化合物(
−1)と化合物(−2)のように異性化し得るが、こ
れらを化合物()のハロゲン化炭化水素との反応に付
すことにより化合物(−1)および(−2)を製造
する。本反応は、適宜の溶媒中塩基の存在下または非存
在下に行われる。該溶媒としては、例えばベンゼン、ト
ルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ
エタンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルあるいはこ
れらの混合溶媒などが挙げられる。該塩基としては、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ
金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム
などのアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキシ
ド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキ
シドなどのアルカリ金属アルコキシド、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金
属塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム
などのアルカリ金属水素リン酸塩、水素化ナトリウム、
水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N
−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−
ジメチルアニリンなどのアミン類などの塩基が適宜選択
して用いられ、これら塩基の使用量は化合物()に対
し約1〜約5モル当量が好ましく、ハロゲン化炭化水素
)の使用量は化合物()に対し約1〜約5モル当
量が好ましい。本反応は通常約0℃〜約+180℃、好
ましくは約+30℃〜約+120℃で、約30分間〜約
50時間かけて行われる。このようにして得られる化合
物(−1)および(−2)は公知の分離精製手段、
例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転
溶、クロマトグラフィーなどによりそれぞれ単離精製す
ることができる。
【0106】[B’法]
【化32】 (式中の各記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物()を自体公知の方法により
アジド化して化合物(10)とした後、カルボン酸無水
物(11)(例、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸
無水物、イソ酪酸無水物など)の存在下に還元すること
により化合物(12)を製造する。該還元反応として
は、遷移金属触媒(例、パラジウム、白金、ロジウムな
ど)と水素とを用いる接触還元が好ましく、またこの反
応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。該
溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテ
ル類、N,N−ジメチルホルムアミド、酢酸エチルのほ
か、酸無水物(11)に対応するカルボン酸(例、酢
酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸など)あるいはこれ
らの混合溶媒などが挙げられる。反応温度は通常約−2
0℃〜約+150℃、特に約0℃〜約+100℃が好適
であり、反応時間は約1時間〜約24時間である。この
ようにして得られる化合物(12)は公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。化合物(12)を、適宜の溶媒中または無溶
媒で、オキシ塩化リンとの反応に付すことにより、化合
物(13)を製造する。該溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジク
ロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジク
ロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどの
ハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテ
ル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルあるいは
これらの混合溶媒などが挙げられる。オキシ塩化リンの
使用量は、化合物(12)に対し約1〜約5モル当量が
好ましい。反応温度は通常約0℃〜約+150℃、好ま
しくは約+30℃〜約+120℃であり、反応時間は約
1時間〜約24時間である。このようにして得られる化
合物(13)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧
濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。Rが−C
OOR16である化合物(13)を自体公知の酸または
アルカリ加水分解に付すことによってRが−COOH
である化合物(13)を製造することができ、また、R
が−COOHである化合物(13)を自体公知のアミ
ド化反応[化合物()との反応]に付すことによって
が−CONR1718である化合物(13)を製
造することもできる。本反応は、化合物(’)から化
合物()を導く反応、化合物()から化合物(
を導く反応と同様な条件下で行うことができる。
【0107】[C’法]
【化33】 (式中、R19はメチル基またはエチル基を示す。その
他の記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物(10)を還元することにより
化合物(14)を製造する。該還元反応としては、遷移
金属触媒(例、パラジウム、白金、ロジウムなど)と水
素とを用いる接触還元が好ましく、またこの反応は、反
応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒とし
ては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、2−メトキシエタノール、エチレン
グリコールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、酢酸エチルあるいはこれらの混合溶媒などが
挙げられる。反応温度は通常約−20℃〜約+150
℃,特に約0℃〜約+100℃が好適であり、反応時間
は約1時間〜約24時間である。このようにして得られ
る化合物(14)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、
減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグ
ラフィーなどにより単離精製することができる。化合物
14)を、適宜の溶媒中または無溶媒で、一般式(
)で表されるジチオエステルとの反応に付すことによ
り、化合物(16)を製造する。該溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど
のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、アセトニトリルあるいはこれらの混合
溶媒などが挙げられる。ジチオエステル(15)の使用
量は、化合物(14)に対し約1〜約5モル当量が好ま
しい。反応温度は通常約0℃〜約+150℃、好ましく
は約+30℃〜約+120℃であり、反応時間は約1時
間〜約24時間である。このようにして得られる化合物
16)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精製することができる。化合物(
)を、B’法と同様にオキシ塩化リンと反応させるこ
とにより、化合物(17)を製造する。Rが−COO
16である化合物(17)を自体公知の酸またはアル
カリ加水分解反応に付すことによってRが−COOH
である化合物(17)を製造することができ、また、R
が−COOHである化合物(17)を自体公知のアミ
ド化反応[化合物()との反応]に付すことによって
が−CONR17 18である化合物(17)を製
造することもできる。本反応は、化合物(’)から化
合物()を導く反応、化合物()から化合物(
を導く反応と同様な条件下で行うことができる。
【0108】[D’法]
【化34】 (式中、Q'は酸素原子またはNAを示す。その他の
記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物()をN,N−ジメチルホル
ムアミドの存在下、オキシ塩化リンとの反応に付すこと
により化合物(18)を製造する。溶媒として例えばジ
クロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジ
クロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなど
のハロゲン化炭素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル
類あるいはこれらの混合溶媒を用いてもよい。N,N−
ジメチルホルムアミドおよびオキシ塩化リンの使用量
は、化合物()に対し約1〜約5モル当量が好まし
い。反応温度は通常約−20℃〜約+180℃、特に約
0℃〜約+120℃が好適であり、反応時間は約1時間
〜約24時間である。このようにして得られる化合物
18)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精製することができる。化合物(
)と、化合物(19)のヒドロキシルアミン誘導体あ
るいはヒドラジン誘導体との反応により、化合物(
)を製造する。本反応は、反応に悪影響を及ぼさない
溶媒中で塩基の存在下に有利に行われる。該溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタ
ンなどのエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、
ジメチルスルホキシド、アセトニトリルあるいはこれら
の混合溶媒などが挙げられる。該塩基としては、例えば
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属
水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなど
のアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキシド、
ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブトキシド
などのアルカリ金属アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金属塩、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムなどの
アルカリ金属水素リン酸塩、水素化ナトリウム、水素化
カリウムなどのアルカリ金属水素化物、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N−メチ
ルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチ
ルアニリンなどのアミン類などの塩基が適宜選択して用
いられ、これら塩基の使用量は化合物(18)に対し約
1〜約5モル当量が好ましく、ヒドロキシルアミンある
いはヒドラジン(19)の使用量は化合物(18)に対
し約1〜約5モル当量が好ましい。本反応は通常約0℃
〜約+180℃、好ましくは約+30℃〜約+120℃
で、約30分間〜約50時間かけて行われる。このよう
にして得られる化合物(20)は公知の分離精製手段、
例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転
溶、クロマトグラフィーなどによりそれぞれ単離精製す
ることができる。Rが−COOR16である化合物
20)を自体公知の酸またはアルカリ加水分解反応に
付すことによってRが−COOHである化合物(
)を製造することができ、また、Rが−COOHで
ある化合物(20)を自体公知のアミド化反応[化合物
)との反応]に付すことによってRが−CONR
17 18である化合物(20)を製造することもでき
る。本反応は、化合物(’)から化合物()を導く
反応、化合物()から化合物()を導く反応と同様
な条件下で行うことができる。
【0109】[E’法]
【化35】 (式中の各記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物(18)を、適宜の溶媒中、硫
黄および硫化ナトリウムとの反応に付し、次いで塩化ス
ルフリルで処理することにより化合物(21)を製造す
る。該溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエ
ーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類、N,N−
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセト
ニトリルあるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。
硫黄および硫化ナトリウムの使用量は、化合物(18
に対しそれぞれ約1〜約3モル当量が好ましい。反応温
度は通常約0℃〜約+180℃、特に約+30℃〜約+
120℃が好適であり、反応時間は約1時間〜約24時
間である。このようにして得られる中間体の塩化スルフ
リル処理は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われ
る。該溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、1,1,
2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素
類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジメトキシエタンなどのエーテル類あるいはこれら
の混合溶媒などが挙げられる。塩化スルフリルの使用量
は、化合物(18)に対し約1〜約3モル当量が好まし
い。反応温度は通常約−20℃〜約+150℃、特に約
0℃〜約+100℃が好適であり、反応時間は約1時間
〜約24時間である。このようにして得られる化合物
21)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精製することができる。化合物(
)と大過剰のアンモニアとの反応により、化合物(
)を製造する。本反応は、反応に悪影響を及ぼさない
溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばジエチルエ
ーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシ
エタンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、プ
ロパノール、イソプロパノール、ブタノール、2−メト
キシエタノール、エチレングリコールなどのアルコール
類あるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。本反応
は通常約−20℃〜約+180℃、好ましくは約0℃〜
約+120℃で、約1時間〜約50時間かけて行われ
る。このようにして得られる化合物(22)は公知の分
離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、
再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどによりそれぞれ
単離精製することができる。Rが−COOR16であ
る化合物(22)を自体公知の酸またはアルカリ加水分
解反応に付すことによってRが−COOHである化合
物(22)を製造することができ、また、Rが−CO
OHである化合物(22)を自体公知のアミド化反応
[化合物()との反応]に付すことによってRが−
CONR17 18である化合物(22)を製造するこ
ともできる。本反応は、化合物(’)から化合物
)を導く反応、化合物()から化合物()を導
く反応と同様な条件下で行うことができる。
【0110】[F’法]
【化36】 (式中、R20はエトキシカルボニル基またはp−トル
エンスルホニル基を示す。その他の記号は、上記と同意
義を有する。) 本法では、上記の化合物()を、適宜の溶媒中、化合
物(23)のカルバジン酸エチルあるいはp−トルエン
スルホニルヒドラジドとの反応に付し、化合物(24
を製造する。該溶媒としては、例えばベンゼン、トルエ
ン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジクロロメタ
ン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタ
ン、1,1,2,2−テトラクロロエタンなどのハロゲン
化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、
メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノ
ール、ブタノール、2−メトキシエタノール、エチレン
グリコールなどのアルコール類、N,N−ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、酢
酸エチルあるいはこれらの混合溶媒などが挙げられる。
カルバジン酸エチルあるいはp−トルエンスルホニルヒ
ドラジド(23)の使用量は、化合物()に対しそれ
ぞれ約1〜約2モル当量が好ましい。反応温度は通常約
0℃〜約+180℃、特に約+30℃〜約+120℃が
好適であり、反応時間は約1時間〜約24時間である。
このようにして得られる化合物(24)は公知の分離精
製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結
晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製する
ことができる。化合物(24)を塩化チオニルで処理す
ることにより、化合物(25)を製造する。本反応は、
適宜の溶媒中または無溶媒で行われる。該溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素、1,2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロ
ロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタ
ンなどのエーテル類あるいはこれらの混合溶媒などが挙
げられる。本反応は通常約−20℃〜約+180℃、好
ましくは約0℃〜約+120℃で、約1時間〜約50時
間かけて行われる。このようにして得られる化合物(
)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶
媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなど
によりそれぞれ単離精製することができる。Rが−C
OOR16である化合物(25)を自体公知の酸または
アルカリ加水分解反応に付すことによってRが−CO
OHである化合物(25)を製造することができ、ま
た、Rが−COOHである化合物(25)を自体公知
のアミド化反応[化合物()との反応]に付すことに
よってRが−CONR17 18である化合物(
)を製造することもできる。本反応は、化合物
’)から化合物()を導く反応、化合物()か
ら化合物()を導く反応と同様な条件下で行うことが
できる。
【0111】[G’法]
【化37】 (式中の各記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物(18)を、適宜の溶媒中、塩
基の存在下に、化合物(26)のチオールとの反応に付
し、化合物(27)を製造する。該溶媒としては、例え
ばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,
2−ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタ
ンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなど
のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、アセトニトリル、酢酸エチルあるいは
これらの混合溶媒などが挙げられる。該塩基としては、
例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカ
リ金属水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウ
ムなどのアルカリ土類金属水酸化物、ナトリウムメトキ
シド、ナトリウムエトキシド、カリウムtert−ブト
キシドなどのアルカリ金属アルコキシド、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金
属塩、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム
などのアルカリ金属水素リン酸塩、水素化ナトリウム、
水素化カリウムなどのアルカリ金属水素化物、トリメチ
ルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N
−メチルピロリジン、N−メチルモルホリン、N,N−
ジメチルアニリンなどのアミン類などの塩基が適宜選択
して用いられ、これら塩基の使用量は化合物(18)に
対し約1〜約5モル当量が好ましく、チオール(26
の使用量は化合物(18)に対し約1〜約3モル当量が
好ましい。本反応は通常約0℃〜約+180℃、好まし
くは約+30℃〜約+120℃で、約1時間〜約50時
間かけて行われる。このようにして得られる化合物(
)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶
媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなど
により単離精製することができる。上記の反応中、部分
的に化合物(28)を生成する場合もあるが、通常は化
合物(27)をアルドール型の脱水縮合反応に付して化
合物(28)を製造する。本反応は、反応に悪影響を及
ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒としては、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、
ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−
ジクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタンな
どのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエ
ーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタノー
ル、エチレングリコールなどのアルコール類、アセトニ
トリル、酢酸エチルあるいはこれらの混合溶媒などが挙
げられる。該脱水反応剤としては、例えば無水酢酸、プ
ロピオン酸無水物、酪酸無水物、イソ酪酸無水物などの
低級カルボン酸無水物類、メタンスルホン酸、p−トル
エンスルホン酸などのスルホン酸類、アミン類(ピロリ
ジン、ピペリジンなど)とカルボン酸類(酢酸、安息香
酸など)との混合物などが適宜選択して用いられる。脱
水反応剤の使用量は、化合物(27)に対し触媒量ない
し大過剰で、反応温度は通常約0℃〜約+180℃、特
に約+30℃〜約+120℃が好適であり、反応時間は
約1時間〜約50時間である。このようにして得られる
化合物(28)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減
圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラ
フィーなどによりそれぞれ単離精製することができる。
が−COOR16である化合物(28)を自体公知
の酸またはアルカリ加水分解反応に付すことによってR
が−COOHである化合物(28)を製造することが
でき、また、Rが−COOHである化合物(28)を
自体公知のアミド化反応[化合物()との反応]に付
すことによってRが−CONR17 18である化合
物(28)を製造することもできる。本反応は、化合物
’)から化合物()を導く反応、化合物()か
ら化合物()を導く反応と同様な条件下で行うことが
できる。
【0112】[H’法]
【化38】 (式中の各記号は、上記と同意義を有する。) 本法では、上記の化合物()を、適宜の溶媒中、塩基
の存在下に、化合物(29)のイミンとの反応に付し、
化合物(30)を製造する。該溶媒としては、例えばベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、
ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
ジメトキシエタンなどのエーテル類あるいはこれらの混
合溶媒などが挙げられる。該塩基としては、例えばリチ
ウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミドな
どの塩基が適宜選択して用いられ、これら塩基の使用量
は化合物()に対し約1〜約2モル当量が好ましく、
イミン(29)の使用量は化合物()に対し約1〜約
2モル当量が好ましい。本反応は、まずイミン(29
を塩基で処理した後、化合物()を加えることにより
有利に行われる。反応温度は通常約−80℃〜約+10
0℃、好ましくは約−80℃〜約+30℃で、反応時間
は約30分間〜約24時間である。このようにして得ら
れる化合物(30)は公知の分離精製手段、例えば濃
縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマ
トグラフィーなどにより単離精製することができる。R
が−COOR16である化合物(30)を自体公知の
酸またはアルカリ加水分解反応に付すことによってR
が−COOHである化合物(30)を製造することがで
き、また、Rが−COOHである化合物(30)を自
体公知のアミド化反応[化合物()との反応]に付す
ことによってRが−CONR17 18である化合物
30)を製造することもできる。本反応は、化合物
’)から化合物()を導く反応、化合物()か
ら化合物()を導く反応と同様な条件下で行うことが
できる。
【0113】例えば、化合物(Ia)は、次のI’法に
従っても製造できる。 [I’法]
【化39】 (式中、nは1または2を示し、その他の各記号は、上
記と同意義を有する。) 本法では、まず1,3−ジケトンを塩基、二硫化炭素お
よびハロゲン化炭化水素(31)の順で処理して、化合
物(32)のジチオエステルを製造する。本反応は、反
応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。該溶媒とし
ては、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香
族炭化水素類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル類、
N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド、アセトニトリルあるいはこれらの混合溶媒などが挙
げられる。該塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属
水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属
アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウムなどのアルカリ金属塩、リン酸水素二ナトリ
ウム、リン酸水素二カリウムなどのアルカリ金属水素リ
ン酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアル
カリ金属水素化物、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−
メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリンなどのア
ミン類などの塩基が適宜選択して用いられる。これら塩
基の使用量は1,3−ジケトンに対し約1〜約2モル当
量が好ましく、二硫化炭素の使用量は1,3−ジケトン
に対し約1〜約2モル当量が好ましく、ハロゲン化炭化
水素(31)の使用量は1,3−ジケトンに対し約1〜
約2モル当量、特に約1モル当量が好ましい。本反応は
通常約−80℃〜約+150℃,好ましくは約−20℃
〜約+100℃で、約1時間〜約24時間かけて行われ
る。このようにして得られる化合物(32)は公知の分
離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、
再結晶、転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製
することができる。化合物(32)を、適宜の溶媒中、
塩基の存在下に一般式(33)で表されるハロゲン化炭
化水素との反応に付すことにより、化合物(34)を製
造する。該溶媒としては、例えばベンゼン、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタンな
どのエーテル類、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ブタノール、2−メトキシエタ
ノール、エチレングリコールなどのアルコール類、アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類、N,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニ
トリル、酢酸エチルあるいはこれらの混合溶媒などが挙
げられる。該塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、水酸化マ
グネシウム、水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属
水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシ
ド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属
アルコキシド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
素ナトリウム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢
酸カリウムなどのアルカリ金属塩、リン酸水素二ナトリ
ウム、リン酸水素二カリウムなどのアルカリ金属水素リ
ン酸塩、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどのアル
カリ金属水素化物、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−
メチルモルホリン、N,N−ジメチルアニリンなどのア
ミン類などの塩基が適宜選択して用いられ、これら塩基
の使用量は化合物(32) に対し約1〜約10モル当
量、特に約1〜約5モル当量が好ましく、ハロゲン化炭
化水素(33)の使用量は化合物(32)に対し約1〜
約2モル当量が好ましい。反応温度は通常約0℃〜約+
180℃,好ましくは約+30℃〜約+120℃であ
り、反応時間は約1時間〜約24時間である。このよう
にして得られる化合物()は公知の分離精製手段、例
えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、
クロマトグラフィーなどにより単離精製することができ
る。化合物(34)を酸化反応に付すことにより、化合
物(35)を製造する。本反応に用いる酸化剤として
は、過酢酸、過トリフルオロ酢酸、m−クロロ安息香酸
等の過酸類、過マンガン酸カリウム、酸化クロム等の酸
化金属、過酸化水素等が用いられる。本反応では、化合
物(34)に対して酸化剤を1ないし10モル当量、好
ましくは1ないし3モル当量用いる。この反応に用いる
溶媒としては、該反応を阻害しないものであれば何れで
も良く、例えばn-ヘキサン、N-ヘプタン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン等の炭化水素類、ジクロロメタンクロ
ロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類、ジエ
チルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチレングリ
コールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-
ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド
類、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類、アセト
ン、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、シク
ロヘキノン等のケトン類などが挙げられ、ジクロロメタ
ンクロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素
類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチ
レングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類が好ましい。これらの溶
媒は、単独あるいは二種以上の混合系として用いられ
る。本反応は、反応温度0℃ないし120℃、好ましく
は20ないし80℃で、1ないし24時間、好ましくは
2ないし6時間反応させることにより行われる。このよ
うにして得られる化合物(35)は、公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。
【0114】次に、化合物(35)を種々の求核試剤との
反応に付すことにより、化合物()を製造する。該求
核試剤としては、例えば、金属フェノラート、金属アル
コラート、グリニャール試薬、アルキル金属試薬、アリ
ール金属試薬、チオアルコラート、アミンなどが用いら
れる。また、本反応においては、場合によっては塩基を
添加したほうが好ましい。使用する塩基としては、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化
物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカ
リ土類金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム、フッ化セシウム、酢酸ナトリウ
ム、酢酸カリウム等のアルカリ金属塩、リン酸水素二ナ
トリウム、リン酸水素二カリウム等の金属水素リン酸
塩、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化
物、トリエチルアミン、ピリジン、N―メチルモルホリ
ン等のアミン類が挙げられる。求核試剤の使用量は、化
合物(35)に対し、好ましくは約1〜約5モル当量で
ある。塩基を用いる場合の使用量は、化合物(35)に
対し、好ましくは約1〜約5モル当量である。本反応
は、通常、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われ
る。反応に悪影響を及ぼさない溶媒としては、例えばジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテル類、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミ
ド、1−メチルピロリドンなどのアミド類、ジメチルス
ルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられる。こ
れらの溶媒は、適宜の割合で混合して用いてもよい。反
応温度は、通常、約−70〜約150℃、好ましくは約
−20〜約100℃である。反応時間は、通常、約0.
5〜約24時間である。このようにして得られる化合物
)は、公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃
縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィ
ーなどにより単離精することができる。Rが−COO
16である化合物()を自体公知の酸またはアルカ
リ加水分解反応に付すことによってRが−COOHで
ある化合物()を製造することができ、また、R
−COOHである化合物()を自体公知のアミド化反
応[化合物()との反応]に付すことによってR
−CONR1718である化合物()を製造するこ
ともできる。
【0115】[J’法]化合物(20)は以下の方法によ
っても合成できる。
【化40】 [式中、R19およびR20は、各々、水素原子または
で例示したと同様なそれぞれ置換されていてもよい
炭化水素残基もしくは複素環基を示し、その他の各記号
は、上記と同意義を有する。] 本法では、上記の化合物()を塩基の存在下、オルト
蟻酸トリアルキルおよび三フッ化ホウ素―ジエチルエー
テル錯体との反応に付すことにより化合物(31)を製
造する。塩基としては、トリエチルアミン、ジイソプロ
ピルエチルアミン等の有機塩基が用いられる。溶媒とし
ては、例えばジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭
素等のハロゲン化炭素類が好ましい。オルト蟻酸トリア
ルキル、三フッ化ホウ素―ジエチルエーテル錯体および
塩基の使用量は、化合物()に対し約1〜約10モル
当量が好ましい。反応温度は通常約―70℃〜約60
℃、特に−50℃〜30℃が好適であり、反応時間は約
1時間〜約24時間である。このようにして得られる化
合物(31)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧
濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフ
ィーなどにより単離精製することができる。化合物
)をN,N―ジメチルホルムアミドジアルキルアセタ
ールまたはトリスジアルキルアミノメタンと反応するこ
とにより、化合物(32)を製造する。本反応は、反応
に悪影響を及ぼさない溶媒中または無溶媒で行われる。
該溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素類、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―ジ
メチルアセトアミド、N―メチルピロリドン等のアミド
類が好ましい。このようにして得た化合物(31)およ
び化合物(32)を化合物(19)のヒドロキシルアミ
ン誘導体またはヒドラジン誘導体と反応することによ
り、化合物(20)を製造する。また、本反応系に酸を
添加することにより反応が促進されることがある。用い
る酸としては、上記の無機酸や有機酸が用いられる。本
反応は、反応に悪影響を及ぼさない溶媒中で行われる。
該溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコー
ル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素類、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―ジメチルアセ
トアミド、N―メチルピロリドン等のアミド類が好まし
い。酸の使用量は、化合物()に対し約0.1〜約1
0モル当量が好ましい。反応温度は通常約0℃〜約12
0℃、特に50℃〜100℃が好適であり、反応時間は
約1時間〜約24時間である。このようにして得られる
化合物(20)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減
圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラ
フィーなどにより単離精製することができる。
【0116】化合物(Ia)は以下に示す方法によって
も、合成できる。 [K’法]
【化41】 [式中の記号は、上記と同意義を有する。Yはボロン
酸、ボロン酸エステル、亜鉛ハライド、銅ハライド、ト
リアルキルスズまたはトリフレートを示す。] 本法の原料化合物(36)は文献[WO2000047578、EP6
76395、及びモナッシュエフト フュール ケミッヒ(Mo
natshefte fur Chemie)、120巻、65頁(1987年)]公知の
化合物をそのまま利用するか、それらに記載の方法また
はそれらに準ずる方法により製造できる。化合物(
)を金属触媒の存在下に、5〜7員環にY(ボロン
酸、ボロン酸エステル、またはトリフレート)が結合し
た化合物(37)を反応させることにより、化合物(
)を製造する。本反応で使用する金属触媒としては、
一般にアリールカップリングで用いられる金属触媒が挙
げられる。例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィ
ン)パラジウム(0)、ジクロロパラジウム(II)、ジアセ
トキシパラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホス
フィン)ニッケル(0)、ジクロロニッケル(II)、ジアセ
トキシニッケル(II)、第一塩化銅、第二塩化銅等が用い
られる。場合によっては、さらにホスフィン(例えばト
リフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン等)を添
加するのが好ましい。本反応は、反応に悪影響を及ぼさ
ない溶媒中または無溶媒で行われる。溶媒としては、例
えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン等のエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素類、N,N―ジメチルホルムアミド、N,N―
ジメチルアセトアミド、N―メチルピロリドン等のアミ
ド類が好ましい。化合物(37)の使用量は、化合物
36)に対しそれぞれ約1〜約5モル当量が好まし
い。金属触媒の使用量は、化合物(36)に対しそれぞ
れ約0.1〜約1モル当量が好ましい。反応温度は通常
約―70℃〜約150℃、特に20℃〜80℃が好適で
あり、反応時間は約1時間〜約24時間である。このよ
うにして得られる化合物(38)は公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。
【0117】また、化合物(Ia)のRの変換は以下
の方法によっても行うことができる。 [L’法]一般式(Ia)において、Rが置換されてい
てもよい炭化水素残基、複素環基、水酸基、またはアミ
ノ基の化合物は以下の方法によって製造される。
【化42】 [式中、R1’’は置換されていてもよい炭化水素残基
を示し、その他の各記号は、上記と同意義を有する。] すなわち、化合物(34)からA’法からK’法により
製造可能な化合物(39)のスルファニル基を酸化条件
に付すことにより、スルフィニル化合物またはスルホニ
ル化合物(40)を製造する。本酸化反応に使用される
酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、m−クロロ過安
息香酸、過トリフルオロ酢酸、過マンガン酸カリウム、
酸化クロム等が使用される。本反応は、反応に悪影響を
及ぼさない溶媒中または無溶媒で行われる。溶媒として
は、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホル
ム、四塩化炭素等のハロゲン化炭素類が好ましい。酸化
剤の使用量は、化合物(39)に対し約1〜約10モル
当量が好ましい。反応温度は通常約0℃〜約100℃、
特に0℃〜50℃が好適であり、反応時間は約1時間〜
約24時間である。このようにして得られる化合物(
)は公知の分離精製手段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶
媒抽出、晶出、再結晶、転溶、クロマトグラフィーなど
により単離精製することができる。次に、化合物(
)に対し必要に応じて塩基の存在下に求核剤を反応さ
せることにより、化合物()を製造する。求核剤とし
ては、グリニャール試薬、有機リチウム試薬等の有機金
属試薬、芳香族アルコール、脂肪族アルコール等のアル
コール類、芳香族アミン、脂肪族アミン等のアミン類を
用いることができる。塩基としては、上記の無機塩基お
よび有機塩基を使用することができる。本反応は、反応
に悪影響を及ぼさない溶媒中または無溶媒で行われる。
溶媒としては、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、
クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭素類、ベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、N,N
―ジメチルホルムアミド、N,N―ジメチルアセトアミ
ド、N―メチルピロリドン等のアミド類が好ましい。求
核剤および塩基の使用量は、化合物(39)に対しそれ
ぞれ約1〜約10モル当量が好ましい。反応温度は通常
約―70℃〜約100℃、特に−20℃〜50℃が好適
であり、反応時間は約1時間〜約24時間である。この
ようにして得られる化合物()は公知の分離精製手
段、例えば濃縮、減圧濃縮、溶媒抽出、晶出、再結晶、
転溶、クロマトグラフィーなどにより単離精製すること
ができる。
【0118】上記製造法で用いられる、あるいは得られ
る全ての化合物は、特に明記がなくとも対応する塩を含
むものとし、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法
により、相互に変換することができる。
【0119】本発明で用いられる化合物またはその塩が
不斉分子である場合は、通常の光学分割手段により、d
体、l体に分離することができる。
【0120】本発明で用いられる化合物またはその塩
は、例えば、溶媒抽出、減圧濃縮、結晶化、再結晶、蒸
留、クロマトグラフィーなどの手段により、単離・精製
することができる。
【0121】本発明で用いられる化合物またはその塩の
製造において、得られる化合物またはその塩は、反応液
のままあるいは充分に精製することなく、次の行程に用
いても良い。
【0122】本発明において用いられる生体内分解性高
分子化合物における、「生体内分解性」とは、体内、す
なわち皮下、筋肉内などの軟組織および骨などの硬組織
など、とりわけ消化管以外の組織において体液によっ
て、目的とする治療期間内に完全にまたは部分的に分解
あるいは代謝される性質を有することを意味する。本発
明において用いられる生体内分解性高分子化合物(好ま
しくは生体内分解性高分子重合体)における、「高分子
化合物」とは、重量平均分子量は、通常、約3,000
〜約50,000、好ましくは約4,000〜約,4
0,000、さらに好ましくは約5,000〜約30,
000である。また、分散度(重量平均分子量/数平均
分子量)が、通常約1.2〜約4.0、さらに約1.5
〜3.5である高分子化合物が好ましい本発明において
用いられる生体内分解性高分子化合物は、例えば、水に
難溶または不溶で生体内分解型の高分子重合体である。
本発明において用いられる生体内分解性高分子化合物と
しては、具体的には、例えば脂肪酸ポリエステル〔例、
α−ヒドロキシカルボン酸類(例、グリコール酸、乳
酸、2−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、2−
ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−ヒドロキシカプロン
酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸、2−ヒドロキシカ
プリル酸等),ヒドロキシジカルボン酸類(例、リンゴ
酸等),ヒドロキシトリカルボン酸(例、クエン酸
等),乳酸カプロラクトン,バレロラクトン等の1種以
上の重合体、共重合体、あるいはこれらの混合物〕;
およびその誘導体(例、ポリ乳酸,ポリグリコール酸及
びポリエチレングリコールのブロック重合体等); ポ
リ−α−シアノアクリル酸エステル; ポリ−β−ヒド
ロキシ酪酸; ポリアルキレンオキサレート類(例、ポ
リトリメチレンオキサレート,ポリテトラメチレンオキ
サレート等); ポリオルソエステル; ポリアミノ酸
類(例、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタミン酸,ポリ
−L−アラニン,ポリ−γ−メチル−L−グルタミン酸
等); ヒアルロン酸エステル類; デキンステアレー
ト; コラーゲン;ゼラチン; フィブリン; ヒドロ
キシアパタイト; ジオキサノン,カプロラクトン,リ
ン酸,グルタミン酸,アスパラギン酸あるいはリジン等
の1種以上から合成され、遊離のカルボキシル基を有す
る重合体、共重合体、またはこれらの混合物;等が用い
られる。また、本発明の生体内分解性高分子として、ザ
・ドラッグ・デリバリー・カンパニーズ・レポート・2
000〔(The drug deliverycompanies report 200
0), (Pharmaventures Ltd., Magdalen Centre, Oxford
Science Park Oxford, OX4 4GA, UK 発行)〕に記載さ
れた合成高分子(Syntheticpolymers)を用いることも
できる。これらの生体内分解性高分子化合物は1種でも
よく、また2種以上の共重合体、あるいは単なる混合物
でもよい。重合の形式はランダム、ブロック、グラフト
の何れでもよい。生体内分解性高分子化合物の好ましい
例は、例えば脂肪族ポリエステル等である。特に、例え
ばα−ヒドロキシカルボン酸類の1種以上から合成され
た重合体、共重合体が生体内分解性および生体適合性の
観点から好ましく、具体的には乳酸,グリコール酸,2
−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸等の1種以上
から合成された共重合体、またはこれらの混合物が使用
される。本発明における生体内分解性高分子化合物は、
自体公知の方法、例えば特開昭61−28521号公報
に記載の方法またはそれに準じた方法により製造され
る。前記α−ヒドロキシカルボン酸類はD−体、L−
体、およびD、L−体のいずれでもよいが、D、L−体
が好ましい。前記α−ヒドロキシカルボン酸類の単一重
合体の例としては乳酸、グリコール酸、2−ヒドロキシ
酪酸等の単一重合体が挙げられ、該α−ヒドロキシカル
ボン酸類としては乳酸が好ましい。α−ヒドロキシカル
ボン酸類の共重合体の例としてはグリコール酸と他のα
−ヒドロキシカルボン酸類との共重合体が挙げられ、例
えばα−ヒドロキシカルボン酸類としては乳酸、2−ヒ
ドロキシ酪酸等が好ましい。具体的には、例えば乳酸−
グリコール酸共重合体、2−ヒドロキシ酪酸−グリコー
ル酸共重合体等、好ましくは乳酸−グリコール酸共重合
体等が用いられる。生体内分解性高分子化合物として乳
酸−グリコール酸共重合体を用いる場合、その組成比
(モル%)は100/0〜40/60が好ましく、10
0/0〜50/50が特に好ましい。上記の乳酸−グリ
コール酸共重合体の重量平均分子量は、通常、約3,0
00〜約50,000、好ましくは約4,000〜約,
40,000、さらに好ましくは約5,000〜約3
0,000である。また、分散度(重量平均分子量/数
平均分子量)は、通常約1.2〜約4.0が好ましく、
さらに約1.5〜3.5が好ましい。
【0123】本明細書における重量平均分子量、数平均
分子量および分散度とは、重量平均分子量が1,11
0,000、707,000、354,000、18
9,000、156,000、98,900、66,4
37、37,200、17,100、9,830、5,
870、2,500、1,303、500の14種類の
ポリスチレンを基準物質としてゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換
算の分子量および算出した分散度をいう。測定には、G
PCカラムKF804L×2(昭和電工製)を使用し、
移動相としてクロロホルムを用いた。また、生体内分解
性ポリマーをアセトン−メタノール混合溶媒に溶解し、
フェノールフタレインを指示薬としてこの溶液をアルコ
ール性水酸化カリウム溶液でカルボキシル基を滴定して
末端基定量による数平均分子量を算出した。以下これを
末端基定量による数平均分子量と表記する。末端基定量
による数平均分子量が絶対値であるのに対してGPC測
定による数平均分子量は、分析または解析条件(例え
ば、移動相の種類、カラムの種類、基準物質、スライス
幅の選択、ベースラインの選択等)によって変動する相
対値であるため、一義的な数値化は困難であるが、例え
ば、乳酸とグリコール酸から無触媒脱水重縮合法で合成
され、末端に遊離のカルボキシル基を有する重合体で
は、GPC測定による数平均分子量と末端基定量による
数平均分子量とがほぼ一致する。この乳酸−グリコール
酸共重合体の場合にほぼ一致するとは、末端基定量によ
る数平均分子量がGPC測定による数平均分子量の約
0.2〜約1.5倍の範囲内であることをいい、好まし
くは約0.3〜約1.2倍の範囲内であることをいう。
【0124】乳酸−グリコール酸共重合体は、例えば、
乳酸とグリコール酸からの無触媒脱水重縮合(特開昭6
1−28521号)あるいはラクタイドとグリコライド
等の環状体からの触媒を用いた開環重合(Encyclopedic
Handbook of Biomaterialsand Bioengineering Part
A:Materials, Volume 2, Marcel Dekker, Inc.,19
95年)で製造できる。開環重合で合成される重合体は
カルボキシル基を有さない重合体であるが、該重合体を
化学的に処理して末端を遊離のカルボキシル基にした重
合体(ジャーナル オブ コントロールド リリーズ
(J. Controlled Release)、41巻、249−257
頁、1996年)を用いることもできる。上記の末端に
遊離のカルボキシル基を有する乳酸−グリコール酸共重
合体は公知の製造法(例えば、無触媒脱水重縮合法、特
開昭61−28521号公報参照)で問題なく製造で
き、さらには末端に特定されない遊離のカルボキシル基
を有する重合体は公知の製造法(例えば、WO94/1
5587号公報参照)で製造できる。また、開環重合後
の化学的処理によって末端を遊離のカルボキシル基にし
た乳酸−グリコール酸共重合体は、例えばベーリンガー
インゲルハイム(Boehringer Ingelheim KG)から市
販されているものを用いてもよい。これらの生体内分解
性高分子化合物は単独で使用しても、2種類以上を混合
して使用してもよい。
【0125】本発明の医薬組成物の形態は特に限定され
ないが、例えば、長期にわたってその効果を持続させる
徐放剤が挙げられる。該徐放性製剤の形態は特に限定さ
れないが、非経口投与製剤が好ましく、経皮投与剤、経
粘膜剤、埋め込み剤、マイクロカプセル注射剤などが考
えられるが、徐放期間が長く、また、患者への負担が少
ないマイクロカプセルを用いた注射投与製剤が好まし
い。
【0126】本発明の医薬組成物の好ましい製造法とし
ては、化合物(I)またはその塩および生体内分解性高
分子化合物を含有する液から溶媒を除去する方法などが
挙げられる。化合物(I)またはその塩を含有する液は
懸濁液でもよい。本発明の医薬組成物において、徐放性
製剤、とりわけマイクロカプセル(以下マイクロスフィ
アと称することもある)の製造法について、以下に例示
する。 (I)水中乾燥法 生体内分解性高分子化合物の有機溶媒溶液に、化合物
(I)またはその塩を加え、有機溶媒溶液を作る。この
とき、 化合物(I)またはその塩は生体内分解性高分
子化合物の有機溶媒溶液に全部または一部が溶解せず、
分散していてもよく、ホモジナイザーあるいは超音波等
の公知の方法でより微細に短時間に分散させることが好
ましい。また、薬物の溶解度により、水を有機溶媒中に
加えてもよい。該有機溶媒としては、例えば、ハロゲン
化炭化水素(例、ジクロロメタン、クロロホルム、ジク
ロロエタン、トリクロロエタン、四塩化炭素等)、エー
テル類(例、エチルエーテル、イソプロピルエーテル
等)、脂肪酸エステル(例、酢酸エチル、酢酸ブチル
等)、芳香族炭化水素(例、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等)、アルコール類(例えば、エタノール、メタノ
ール等)、アセトニトリル、低級脂肪酸(例えば、酢
酸、プロピオン酸等)などが用いられる。これらは適宜
の割合で混合して用いてもよい。なかでも、ハロゲン化
炭化水素としてはジクロロメタンが、アルコールとして
はエタノール、メタノールが、低級脂肪酸としては酢酸
が好適である。これらは適宜の割合で混合して用いても
よい(例えば、ハロゲン化炭化水素と低級脂肪酸(例え
ば、酢酸)との混合溶媒等)。
【0127】上記の有機溶媒溶液には添加剤を加えても
よい。該添加剤としては、例えば、薬物の安定性、溶解
性を保つための可溶化剤として、酢酸、炭酸、シュウ
酸、クエン酸、リン酸、塩酸、安息香酸、アスコルビン
酸、酒石酸等、水酸化ナトリウム、アルギニン、リジ
ン、アスパラギン酸およびそれらの塩等を添加してもよ
い。また、さらに薬物の安定化剤として、アルブミン、
ゼラチン、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸ナトリウ
ム、デキストリン、亜硫酸水素ナトリウム、ポリエチレ
ングリコール等のポリオール化合物等を、あるいは保存
剤として、一般に用いられるパラオキシ安息香酸エステ
ル類(例、メチルパラベン、プロピルパラベン等)、ベ
ンジルアルコール、クロロブタノール、チメロサール、
フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸等を
添加してもよい。生体内分解性高分子化合物の有機溶媒
溶液中の濃度は、生体内分解性ポリマーの分子量、有機
溶媒の種類によって異なるが、例えば、ジクロロメタン
を有機溶媒として用いた場合、一般的には約0.5〜約
70重量%、より好ましくは約1〜約60重量%、特に
好ましくは約2〜約50重量%から選ばれる。
【0128】次いで、得られた化合物(I)またはその
塩を含んだ生体内分解性高分子化合物の有機溶媒溶液を
水相中に加え、O(油相)/W(水相)エマルションを
形成させた後、油相中の溶媒を蒸発させ、マイクロカプ
セルを調製する。この際の水相体積は、一般的には油相
体積の約1倍〜約10,000倍、より好ましくは約5
倍〜約5,000倍、特に好ましくは約10倍〜約2,
000倍から選ばれる。上記の外水相中には乳化剤を加
えてもよい。該乳化剤は、一般に安定なO/Wエマルシ
ョンを形成できるものであればいずれでもよい。具体的
には、例えば、アニオン性界面活性剤(オレイン酸ナト
リウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリ
ウムなど)、非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸エステル〔ツイーン(Tween)80、ツ
イーン(Tween)60、アトラスパウダー社〕、ポリオキシ
エチレンヒマシ油誘導体〔HCO-60、HCO-50、日光ケミカ
ルズ〕など)、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアル
コール、カルボキシメチルセルロース、レシチン、ゼラ
チン、ヒアルロン酸などが用いられる。これらの中の1
種類か、または2種類以上を組み合わせて使用してもよ
い。使用の際の濃度は、好ましくは約0.01〜10重
量%の範囲で、さらに好ましくは約0.05〜約5重量
%の範囲で用いられる。
【0129】上記の外水相中には浸透圧調節剤を加えて
もよい。該浸透圧調節剤としては、水溶液とした場合に
浸透圧を示すものであればよい。該浸透圧調節剤として
は、例えば、多価アルコール類、一価アルコール類、単
糖類、二糖類、オリゴ糖およびアミノ酸類またはそれら
の誘導体などが挙げられる。上記の多価アルコール類と
しては、例えば、グリセリン等の二価アルコール類、ア
ラビトール,キシリトール,アドニトール等の五価アル
コール類、マンニトール,ソルビトール,ズルシトール
等の六価アルコール類などが用いられる。なかでも、六
価アルコール類が好ましく、特にマンニトールが好適で
ある。上記の一価アルコール類としては、例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどが挙
げられ、このうちメタノールが好ましい。上記の単糖類
としては、例えば、アラビノース,キシロース,リボー
ス,2−デオキシリボース等の五炭糖類、ブドウ糖,果
糖,ガラクトース,マンオース,ソルボース,ラムノー
ス,フコース等の六炭糖類が用いられ、このうち六炭糖
類が好ましい。上記のオリゴ糖としては、例えば、マル
トトリオース,ラフィノース糖等の三糖類、スタキオー
ス等の四糖類などが用いられ、このうち三糖類が好まし
い。上記の単糖類、二糖類およびオリゴ糖の誘導体とし
ては、例えば、グルコサミン、ガラクトサミン、グルク
ロン酸、ガラクツロン酸などが用いられる。上記のアミ
ノ酸類としては、L−体のものであればいずれも用いる
ことができ、例えば、グリシン、ロイシン、アルギニン
などが挙げられる。このうちL−アルギニンが好まし
い。これらの浸透圧調節剤は単独で使用しても、混合し
て使用してもよい。これらの浸透圧調節剤は、外水相の
浸透圧が生理食塩水の浸透圧の約1/50〜約5倍、好
ましくは約1/25〜約3倍となる濃度で用いられる。
【0130】有機溶媒を除去する方法としては、自体公
知の方法あるいはそれに準じる方法が用いられる。例え
ば、プロペラ型撹拌機またはマグネチックスターラーな
どで撹拌しながら常圧もしくは徐々に減圧にして有機溶
媒を蒸発させる方法、ロータリーエヴァポレーターなど
を用いて真空度を調節しながら有機溶媒を蒸発させる方
法などが挙げられる。このようにして得られたマイクロ
カプセルは遠心分離または濾過して分取した後、マイク
ロカプセルの表面に付着している生理活性化合物、薬物
保持物質、乳化剤などを蒸留水で数回繰り返し洗浄し、
再び蒸留水などに分散して凍結乾燥する。
【0131】製造工程中、粒子同士の凝集を防ぐために
凝集防止剤を加えてもよい。該凝集防止剤としては、例
えば、マンニトール、ラクトース、ブドウ糖、デンプン
類(例、コーンスターチ等)などの水溶性多糖、グリシ
ンなどのアミノ酸、フィブリン、コラーゲンなどのタン
パク質などが用いられる。なかでも、マンニトールが好
適である。
【0132】また、凍結乾燥後、必要であれば、減圧下
マイクロカプセル同士が融着しない条件内で加温してマ
イクロカプセル中の水分および有機溶媒の除去を行って
もよい。好ましくは、毎分10〜20℃の昇温速度の条
件下で、示差走査熱量計で求めた生体内分解性ポリマー
の中間点ガラス転移温度よりも若干高い温度で加温す
る。より好ましくは、生体内分解性ポリマーの中間点ガ
ラス転移温度からこれより約30℃高い温度範囲内で加
温する。とりわけ、生体内分解性ポリマーとして乳酸−
グリコール酸共重合体を用いる場合には好ましくはその
中間点ガラス転移温度以上中間点ガラス転移温度より1
0℃高い温度範囲,さらに好ましくは、中間点ガラス転
移温度以上中間点ガラス転移温度より5℃高い温度範囲
で加温する。加温時間はマイクロカプセルの量などによ
って異なるものの、一般的にはマイクロカプセル自体が
所定の温度に達した後、約12時間〜約168時間、好
ましくは約24時間〜約120時間、特に好ましくは約
48時間〜約96時間である。加温方法は、マイクロカ
プセルの集合が均一に加温できる方法であれば特に限定
されない。該加温乾燥方法としては、例えば、恒温槽、
流動槽、移動槽またはキルン中で加温乾燥する方法、マ
イクロ波で加温乾燥する方法などが用いられる。このな
かで恒温槽中で加温乾燥する方法が好ましい。
【0133】(II)相分離法 本法によってマイクロカプセルを製造する場合には、前
記(I)の水中乾燥法に記載した化合物(I)またはそ
の塩を含んだ生体内分解性高分子化合物の有機溶媒溶液
に、コアセルベーション剤を撹拌下徐々に加えてマイク
ロカプセルを析出,固化させる。該コアセルベーション
剤は油相体積の約0.01〜1,000倍、好ましくは
約0.05〜500倍、特に好ましくは約0.1〜20
0倍から選ばれる。コアセルベーション剤としては、有
機溶媒と混和する高分子系,鉱物油系または植物油系の
化合物等で生理活性化合物と生体内分解性ポリマー両者
を溶解しないものであれば特に限定はされない。具体的
には、例えば、シリコン油,ゴマ油,大豆油,コーン
油,綿実油,ココナッツ油,アマニ油,鉱物油,n-ヘキ
サン,n-ヘプタンなどが用いられる。これらは2種類以
上混合して使用してもよい。このようにして得られたマ
イクロカプセルを分取した後、ヘプタン等で繰り返し洗
浄して生理活性化合物および生体内分解性ポリマー以外
のコアセルベーション剤等を除去し、減圧乾燥する。も
しくは、前記(I)の水中乾燥法で記載と同様の方法で
洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥による脱
溶媒を行ってもよい。
【0134】(III)噴霧乾燥法 本法によってマイクロカプセルを製造する場合には、前
記(I)の水中乾燥法に記載した化合物(I)またはそ
の塩を含んだ生体内分解性高分子化合物の有機溶媒溶液
をノズルを用いてスプレードライヤー(噴霧乾燥器)の
乾燥室内に噴霧し、極めて短時間内に微粒化液滴内の有
機溶媒を揮発させ、マイクロカプセルを調製する。該ノ
ズルとしては、例えば、二流体ノズル型,圧力ノズル
型,回転ディスク型等がある。この後、必要であれば、
前記(I)の水中乾燥法で記載と同様の方法で洗浄を行
った後に凍結乾燥、さらには加温乾燥による脱溶媒を行
ってもよい。上述のマイクロカプセル以外の剤形として
マイクロカプセルの製造法(I)の水中乾燥法に記載し
た化合物(I)またはその塩含んだ生体内分解性高分子
化合物の有機溶媒溶液を、例えば、ロータリーエヴァポ
レーターなどを用いて真空度を調節しながら有機溶媒お
よび水を蒸発させて乾固した後、ジェットミルなどで粉
砕して微粉末としてもよい。さらには、粉砕した微粉末
をマイクロカプセルの製造法(I)の水中乾燥法で記載
と同様の方法で洗浄を行った後に凍結乾燥、さらには加
温乾燥による脱溶媒を行ってもよい。ここで得られるマ
イクロカプセルまたは微粉末では、使用する生体内分解
性高分子化合物の分解速度、化合物(I)またはその塩
の種類や量に対応して薬物放出が制御できる。
【0135】このようにして得られる徐放性製剤は、そ
のまま、またはこれらを原料物質として種々の剤形に製
剤化し、骨膜内、骨膜下、骨近傍、膝関節内、肩関節
内、指関節内、筋肉内、皮下、臓器などへの注射剤また
は埋め込み剤、鼻腔、直腸、子宮などへの経粘膜剤、吸
入剤、経口剤(例、カプセル剤(例、硬カプセル剤、軟
カプセル剤等)、顆粒剤、散剤等の固形製剤、シロップ
剤、乳剤、懸濁剤等の液剤等)などとして投与すること
ができる。また、針なし注射器によっても投与すること
ができる。関節内へ投与する場合は、ヒアルロン酸水溶
液に懸濁して投与することもできる。骨折などへ埋め込
み剤として投与する場合は、移植骨、ヒドロキシアパタ
イトや人工骨と混合して投与することもできる。また、
ポリメチルメタクリル酸やリン酸カルシウムなどの骨セ
メントに混合して投与することもできる。例えば、本発
明の医薬組成物を注射剤とするには、これらを分散剤
(例、アニオン性界面活性剤(オレイン酸ナトリウム、
ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムな
ど),非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル〔ツイーン(Tween)80,ツイー
ン(Tween)60、アトラスパウダー社〕,ポリオキシエチ
レンヒマシ油誘導体〔HCO-60、HCO-50、日光ケミカル
ズ〕など),ステアリルトリエタノールアミン,ラウリ
ル硫酸ナトリウム,ラウリルアミノプロピオン酸,塩化
ベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,モノステアリ
ン酸グリセリン等の界面活性剤; レシチン; ゼラチ
ン; ポリビニルピロリドン; ポリビニルアルコー
ル;ヒアルロン酸またはその塩(ナトリウム塩等),カ
ルボキシメチルセルロース,アルギン酸ナトリウム等の
多糖類など)、保存剤(例、メチルパラベンまたはプロ
ピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類、クロ
ロブタノール、ベンジルアルコール、メチロサール、フ
ェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸な
ど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム,マンニトール,
ソルビトール,ブドウ糖,プロリン,グリセリンな
ど)、緩衝剤(例、リン酸塩,酢酸塩,炭酸塩,クエン
酸塩などの緩衝液)、無痛化剤(例、ベンジルアルコー
ルなど)等と共に水性懸濁剤とするか、ゴマ油、コーン
油などの植物油と共に分散して油性懸濁剤として実際に
使用できる徐放性注射剤とすることができる。本発明の
医薬組成物における徐放性製剤の粒子径は、懸濁注射剤
として使用する場合には、その分散度、通針性を満足す
る範囲であればよく、例えば、平均粒子径として約0.
01〜300μm、好ましくは約0.05〜150μm
の範囲、さらに好ましくは約0.1から100μmの範
囲である。本発明の医薬組成物における徐放性製剤を無
菌製剤にするには、製造工程を無菌にする方法、ガンマ
線で滅菌する方法、およびこれらを組み合わせた方法あ
るいは防腐剤を添加する方法等が挙げられるが、特に限
定されない。
【0136】本発明で用いられる化合物(I)またはそ
の塩は、優れたアルカリフォスファターゼ誘導活性、お
よびコンドロモデュリン産生促進作用および/または発
現増強作用を有することから、強力な骨形成促進作用、
前駆骨芽細胞を含めた骨芽細胞分化誘導ならびに分化誘
導促進作用、軟骨形成促進作用、前駆軟骨細胞を含めた
軟骨細胞分化誘導ならびに分化誘導促進作用を、さらに
はBMP作用増強作用が期待される。このような分化誘
導ならびに分化誘導促進作用は、骨芽細胞および軟骨細
胞分化のみならず、様々な細胞の分化誘導に作用する。
また、化合物(I)またはその塩は、神経栄養因子の作
用増強活性が期待される。さらに、化合物(I)または
その塩は、抗マトリックスメタロプロテアーゼ(抗MM
P)活性が期待される。加えて、安定性、体内利用性等
の臨床上有用な性質に優れている。
【0137】本発明で用いられる化合物(I)またはそ
の塩に強力な骨形成促進作用、前駆骨芽細胞を含めた骨
芽細胞分化誘導および分化誘導促進作用、軟骨形成促進
作用、前駆軟骨細胞を含めた軟骨細胞分化誘導および分
化誘導促進作用、さらにはBMP作用増強作用が期待さ
れることから、本発明の医薬組成物は、例えば骨形成促
進剤、骨疾患予防治療剤、骨折予防治療剤、軟骨形成促
進剤および軟骨疾患予防治療剤として、具体的には整形
外科領域における単純骨折、難治性骨折、骨癒合不全、
偽関節、再骨折、骨変形・変形脊椎症、骨肉腫、骨髄
腫、骨形成不全、側弯症等の非代謝性骨疾患; 骨欠
損、骨粗鬆症,骨軟化症、くる病、線維性骨炎、腎性骨
異栄養症、骨ペーチェット病、硬直性脊髄炎等の代謝性
骨疾患;または変形性関節症及びそれらの類似疾患、慢
性関節リウマチなどの軟骨疾患に代表される関節疾患の
予防治療薬として、多発性骨髄腫、肺癌、乳癌等の外科
手術後の骨組織修復剤として、用いることができる。ま
た、骨掻爬後の骨形成を促進するために自家骨移植、人
工骨移植、と併用する事ができる歯科領域においては、
歯周病の治療、歯周疾患における歯周組織欠損の修復、
人工歯根の安定化、顎堤形成および口蓋裂の修復などに
も応用が期待できる。また、本発明で用いられる化合物
(I)またはその塩は神経栄養因子の作用増強活性を有
することが期待されることから、アルツハイマー型痴呆
症及び一般の老人性痴呆症、運動ニューロン障害(筋萎
縮性側索硬化症など)、糖尿病性の末梢神経障害など種
々の神経変性に基づく疾患の治療及び予防が期待でき
る。さらに、本発明の化合物(I)またはその塩を含有
する医薬組成物は抗MMP活性が期待されることから、
変形性関節症、慢性関節リウマチ、動脈硬化症、癌転移
などのMMPの関与する疾病の治療及び予防が期待でき
る。
【0138】本発明の医薬組成物は、低毒性であるの
で、哺乳動物(例、ヒト、ラット、マウス、イヌ、ウサ
ギ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ等)に安全に投与すること
ができる。本発明の医薬組成物の投与量は、主薬である
生理活性化合物の種類と含量、剤形、投与経路、生理活
性化合物放出の持続時間、対象疾病、対象動物、治療す
べき対象動物の症状などによって種々異なるが、生理活
性化合物の有効量であればよい。1日当たりの医薬組成
物の投与量は、化合物(I)またはその塩として、成人
(体重50kg)1人当たり、経口投与の場合、例えば
約0.1mg〜約500mg,好ましくは約1mg〜約
100mg、非経口投与の場合、例えば約0.01mg
〜約100mg,好ましくは約0.1mg〜約10mg
の範囲で、1から3回に分けて投与することができる。
また、本発明の医薬組成物が徐放性製剤の場合、化合物
(I)またはその塩は、成人(体重50kg)1人あた
り、1日あたり、例えば約0.01mg〜約100mg
放出されるように医薬組成物中に配合される。本発明の
医薬組成物の投与回数は、主薬である生理活性化合物の
種類と含量、剤形、投与経路、生理活性化合物放出の持
続時間、対象疾病、対象動物、治療すべき対象動物の症
状などによって適宜選択することができるが、例えば1
週間に1回、数週間に1回、1か月に1回、または数か
月(例、3か月、4か月、6か月など)に1回等、適宜
選ぶことができる。なお、生理活性化合物の放出の持続
時間は生体内分解性高分子化合物の種類,組成および配
合量を適宜選択することにより、求める生理活性化合物
の放出の持続時間を得ることができる。
【0139】本発明の医薬組成物は、軟骨疾患治癒促進
物質(例、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸、デキ
ストラン硫酸、グルコサミン、グルコサミングリカン、
骨形成タンパク(BMP)、トランスフォーミング成長
因子(TGF−β)等)、抗炎症剤(コルチゾールパル
ミテート等)または潤滑物質(ヒアルロナン等)、と共
に単一製剤として、または同時にもしくは時間的間隔を
おいて投与することもできる。
【0140】さらに、本発明の医薬組成物は、例えば、
シクロオキシゲナーゼ抑制剤(Cox−I,Cox−
II抑制剤),疾患修飾性抗リウマチ薬および免疫抑制
薬,生物製剤,鎮痛剤および消炎剤または他の骨
または関節疾患の予防治療薬等と、同時にあるいは時間
的間隔をおいて投与することができる。投与経路は適宜
選択でき、例えば経口,局所または経皮投与であっても
よい。 シクロオキシゲナーゼ抑制剤(Cox−I,Cox−
II抑制剤)としては、例えば、セレコキシブ,ロフェコ
キシブ,アスピリン等のサリチル酸誘導体,ジクロフェ
ナック,インドメタシン,ロキソプロフェン等が挙げら
れる。これらの経口剤としての投与量は、例えば、セレ
コキシブは約100〜200mg/日,ロフェコキシブ
は約10〜30mg/日,アスピリン等のサリチル酸誘
導体は約1000〜4500mg/日,ジクロフェナッ
クは約25〜75mg/日,インドメタシンは約50〜
150mg/日,ロキソプロフェンは約60〜180m
g/日である。 疾患修飾性抗リウマチ薬および免疫抑制薬としては、
例えば、メソトレキセイト,レフルノミド,プログラ
フ,スルファサラジン,D−ペニシラミン,経口金剤等
が挙げられる。これらの経口剤としての投与量は、例え
ば、メソトレキセイトは約2.5〜7.5mg/週,レ
フルノミドは約20〜100mg/日,プログラフは約
1〜5mg/日,スルファサラジンは約500〜200
0mg/日,D−ペニシラミンは約100〜600mg/
日,経口金剤は約3〜6mg/日である。 生物製剤としては、例えば、モノクロナール抗体
(例、抗TNF−α抗体,抗IL−12抗体,抗IL−
6抗体,抗ICAM−I抗体,抗CD4抗体等)、可溶
性レセプター(例、可溶性TNF−αレセプター等)、
タンパク性リガンド(IL−Iリセプターアンタゴニス
ト等)が挙げられる。これらの経口剤としての投与量
は、例えば約0.1〜50mg/kg/日、好ましくは
0.5〜20mg/kg/日である。 鎮痛剤および消炎剤としては、例えば、中枢性鎮痛剤
(例、モルフィン,コデイン,ペンタジシン等)、ステ
ロイド剤(例、プレドニゾロン,デキサメタゾン,ベタ
メタゾン等)、消炎酵素剤(例、ブロメルシン,リゾチ
ーム,プロクターゼ等)が挙げられる。これらの経口剤
としての投与量は、例えば、中枢性鎮痛剤は約1〜10
00mg/日,好ましくは約5〜300mg/日、ステロ
イド剤は約0.1〜400mg/日,好ましくは約0.
5〜100mg/日、消炎酵素剤は約1〜100mg/
日,好ましくは約5〜40mg/日である。 他の骨または関節疾患〔例えば、骨折,再骨折,骨欠
損,骨粗鬆症,骨軟化症,骨ペーチェット病,硬直性脊
髄炎,慢性関節リウマチ,変形性関節症ならびにそれら
の類似疾患における関節組織の破壊、および多発性骨髄
腫、肺癌、乳癌等の外科手術後の骨組織修復剤等〕の予
防治療薬としては、例えば、カルシウム製剤(例、炭酸
カルシウム等)、カルシトニン製剤(例、ウナギカルシ
トニン、サケカルシトニン、ブタカルシトニン、アビカ
トニン等)、ビタミンD類(例、1α-ヒドロキシビ
タミンD、1α,25-ジヒドロキシビタミンD
フロカルシトリオール、セカルシフェロール等)、性ホ
ルモン関連化合物(例、チボロン、エストロゲン、エス
トラジオール、オサテロン、ラロキシフェン、ドロロキ
シフェン、オルメロキシフェン、タモキシフェン、ミフ
ェブリストン等)、プロスタグランジンA、ビスホス
ホン酸類(例、エチドロネート、シマドロネート、アレ
ンドロネート、チルドロネート、リセドロネート、クロ
ドロネート等)、イプリフラボン類、フッ素化合物
(例、フッ化ナトリウム等)、ビタミンK、血小板由
来増殖因子(PDGF)、インスリン様成長因子−1及
び2(IGF−1,−2)、副甲状腺ホルモン(PT
H)類(例、PTH(1−34)、PTH(1−8
4)、PTH(1−36)等)等が挙げられる。
【0141】
【発明の実施の形態】以下に、参考例,実施例および実
験例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これ
らは本発明を限定するものではない。
【0142】
【実施例】参考例1 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ[3,4-
g]インダゾール-6-カルボキサミドの製造: a) 4,5,6,7-テトラヒドロ-3-メチルスルホニル-4-オキ
ソベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステ
ル:4,5,6,7-テトラヒドロ-3-メチルスルファニル-4-オ
キソベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステ
ル(5.0g)のジクロロメタン溶液(150ml)に氷冷下、m-ク
ロロ過安息香酸(16.0g)を加え、24時間室温で攪拌し
た。反応溶液を減圧下濃縮し、残留物を酢酸エチルで希
釈した。析出した結晶を濾取し、炭酸水素ナトリウム水
溶液及び水で洗浄後、さらに酢酸エチル-ヘキサンで洗
浄し、題記化合物(5.5g,98%)を淡黄色結晶として得た。
酢酸エチル-THFより再結晶し、淡黄色プリズム晶を得
た。融点:199−200℃。 b) 4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソ-3-フェノキシベン
ゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステル:4,5,
6,7-テトラヒドロ-3-メチルスルホニル-4-オキソベンゾ
[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステル(6.0g)と
フェノール(2.2g)のテトラヒドロフラン溶液(50ml)に水
素化ナトリウム(1.0g)を加え,室温で14時間撹拌した。
反応液にクエン酸水溶液を加えた後減圧下濃縮し,残留
油状物を水に注ぎ,酢酸エチルで抽出した。有機層を乾
燥(MgSO4)後,溶媒を減圧下留去し粗結晶を得た。酢酸
エチル−ジイソプロピルエーテルより再結晶を行い題記
化合物(5.0g,80%)を無色プリズム晶として得た。融点:
125−127℃。 c) 5-ジエトキシメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキ
ソ-3-フェノキシベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸
エチルエステル:三フッ化ホウ素エーテル錯体(4.54ml)
のジクロロメタン(20ml)溶液を-40℃に冷却したオルト
ぎ酸トリエチル(5.0g)に滴下した。その溶液を氷冷下15
分間撹拌後、-70℃に冷却した。その溶液に4,5,6,7-テ
トラヒドロ-4-オキソ-3-フェノキシベンゾ[c]チオフェ
ン-1-カルボン酸 エチルエステル(4.78g)のジクロロメ
タン(25ml)溶液、次いでジイソプロピルエチルアミン
(7.44ml)を滴下した。-70℃で1時間撹拌後、反応溶液を
炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出
した。有機層を水、希塩酸、飽和食塩水で順次洗浄後、
乾燥(MgSO4)、減圧下濃縮した。得られた結晶を酢酸エ
チル-ヘキサンから再結晶し、題記化合物(6.3g,100%)を
無色針状晶として得た融点:73−73℃。 d) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-1-カルボン酸 エチルエステルお
よび4,5-ジヒドロ-2-メチル-8-フェノキシ-2H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-1-カルボン酸 エチルエステル:
5-ジエトキシメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソ-3
-フェノキシベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチ
ルエステル(6.32g)、メチルヒドラジン一水和物(0.7
g)、2N塩酸(23mL)およびエタノール(50mL)の混合溶液を
3時間加熱還流した。反応液を減圧下濃縮し,残留物を
酢酸エチルで希釈した。有機層を水,炭酸水素ナトリウ
ム水溶液,飽和食塩水で順次洗浄後,乾燥(MgSO4),減
圧下濃縮した。得られた残さをシリカゲルカラムクロマ
トグラフィーに付した。酢酸エチル−ヘキサン(1:2)で
溶出する部分より題記化合物をそれぞれ無色プリズム晶
として得た。4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェノキシ-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-1-カルボン酸 エチルエス
テル(2.38g, 44%)、融点:91−93℃(再結晶溶媒:AcOEt
-hexane)。4,5-ジヒドロ-2-メチル-8-フェノキシ-2H-チ
エノ[3,4-g]インダゾール-1-カルボン酸 エチルエステ
ル(0.87g, 16%)、融点:89−90℃(再結晶溶媒:AcOEt-h
exane)。 e) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-1-カルボン酸:4,5-ジヒドロ-1-
メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-1
-カルボン酸 エチルエステル(2.03g),エタノ−ル(50m
L)および0.6N水酸化カリウム水溶液(20mL)の混合液を室
温で14時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し,2N塩
酸で酸性にした後,酢酸エチル−THFの混合液で抽出
した。有機層は水,飽和食塩水で順次洗浄後,乾燥(MgS
O4),減圧下濃縮した。得られた粗結晶をテトラヒドロ
フランより再結晶し題記化合物(1.87g, 100%)を無色針
状晶として得た。融点:259−261℃ f) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド:4,5-ジヒドロ
-1-メチル-8-フェノキシ-1H-チエノ[3,4-g]インダゾー
ル-6-カルボン酸(0.50g),HOBt-NH3 (0.26g),WSC(0.36
g)およびDMF(10ml)の溶液を室温で14時間撹拌した。反
応液を減圧下濃縮し残留油状物に水を注ぎ酢酸エチル−
THFの混合液で抽出した。有機層を水,飽和食塩水で順
次洗浄後,乾燥(MgSO4),減圧下濃縮した。得られた粗
結晶を酢酸エチルで再結晶し,題記化合物(0.49g,99%)
を無色プリズム晶として得た。融点:200−202℃
【0143】参考例2 8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]
インダゾール-6-カルボキサミドの製造: a) 3-ベンジル-4,5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソベンゾ
[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステル:4,5,6,
7-テトラヒドロ-3-メチルスルホニル-4-オキソベンゾ
[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステル(6.0g)の
無水THF溶液(300ml)に1M ベンジルマグネシウムブロミ
ド エーテル溶液(21ml)を滴下した。その混合物を室温
で2時間攪拌後、反応溶液にクエン酸水溶液を加えた。T
HFを減圧下濃縮し、残留物を酢酸エチルで抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄後、乾燥(MgSO4)、減圧下濃縮
した。得られた残留油状物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーに付した。酢酸エチル-ヘキサン(1:5)で溶出
する部分より、題記化合物(1.3g,21%)を淡黄色針状晶と
して得た。酢酸エチル-ヘキサンより再結晶し、無色結
晶を得た。融点:96−97℃。 b) 3-ベンジル-5-ジエトキシメチル-4,5,6,7-テトラヒ
ドロ-4-オキソベンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エ
チルエステル:参考例1c)と同様にして、3-ベンジル-4,
5,6,7-テトラヒドロ-4-オキソベンゾ[c]チオフェン-1-
カルボン酸 エチルエステルより題記化合物(収率:100
%)を淡黄色油状物として得た。1 H-NMR(δ ppm in CDCl3): 1.14(3H,t,J=7.4Hz), 1.25
(3H,t,J=7.4Hz), 1.28(3H,t,J=7.4Hz), 2.0-2.4(2H,m),
2.74(1H,dt,J=4.4, 9.8Hz), 2.92(1H,ddd,J=5.6,10.4,
18.0Hz), 3.5-3.9(5H,m), 4.28(2H,q,J=7.4Hz), 4.59
(2H,s), 5.11(1H,d,J=3.6Hz), 7.2-7.4(5H,m). c) 8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4
-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエステル及び8-
ベンジル-4,5-ジヒドロ-2-メチル-2H-チエノ[3,4-g]イ
ンダゾール-6-カルボン酸 エチルエステル:参考例1d)
と同様にして、3-ベンジル-5-ジエトキシメチル-4,5,6,
7-テトラヒドロ-4-オキソベンゾ[c]チオフェン-1-カル
ボン酸 エチルエステルより、8-ベンジル-4,5-ジヒド
ロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボ
ン酸エチルエステル(収率:79%)を淡黄色油状物とし
て、また8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-2-メチル-2H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエステル(収
率:20%)を淡黄色油状物として得た。8-ベンジル-4,5-
ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-
カルボン酸 エチルエステル: 1H-NMR(δ ppm in CDC
l3): 1.33(3H,t,J=7.2Hz), 2.64(2H,t,J=6.8Hz), 3.20
(2H,t,J=6.8Hz), 3.97(3H,s), 4.30(2H,q,J=7.2Hz), 4.
38(2H,s), 7.2-7.4(5H,m), 7.44(1H,s). 8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-2-メチル-2H-チエノ[3,4-g]
インダゾール-6-カルボン酸 エチルエステル: 1H-NMR
(δ ppm in CDCl3): 1.32(3H,t,J=7.0Hz), 2.75(2H,t,J
=7.2Hz), 3.30(2H,t,J=7.2Hz), 3.92(3H,s), 4.27(2H,
q,J=7.0Hz), 4.62(2H,s), 7.18(1H,s), 7.2-7.5(5H,m). d) 8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4
-g]インダゾール-6-カルボン酸:参考例1e)と同様にし
て、8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4
-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエステルより、
題記化合物(収率:84%)を淡黄色結晶として得た。融
点:300℃以上(再結晶溶媒:THF-MeOH)。 e) 8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4
-g]インダゾール-6-カルボキサミド:参考例1f)と同様
にして、8-ベンジル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ
[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸より、題記化合物
(収率:94%)を淡黄色プリズム晶として得た。融点:126
−127℃(再結晶溶媒:AcOEt)。
【0144】参考例3 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニルスルファニル-1H-チ
エノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミドの製造: a) 5-ジエトキシメチル-4,5,6,7-テトラヒドロ-3-メチ
ルスルファニル-4-オキソベンゾ[c]チオフェン-1-カル
ボン酸 エチルエステル:参考例1c)と同様にして、4,5,
6,7-テトラヒドロ-3-メチルスルファニル-4-オキソベン
ゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステルより、
題記化合物(収率:100%)を無色針状晶として得た。融
点:115−116℃ b) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-メチルスルファニル-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエス
テル:参考例1d)と同様にして、5-ジエトキシメチル-4,
5,6,7-テトラヒドロ-3-メチルスルファニル-4-オキソベ
ンゾ[c]チオフェン-1-カルボン酸 エチルエステルよ
り、題記化合物(収率:77%)を淡黄色プリズム晶として
得た。融点:113−114℃(再結晶溶媒:AcOEt-hexane)。 c) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-メチルスルホニル-1H-チ
エノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエステ
ル:4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-メチルスルファニル-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエス
テル(80g)をトリフルオロ酢酸(240ml)に溶解した。氷冷
下、30%過酸化水素水(80ml)を滴下し、室温で6時間攪拌
した。反応液を水酸化ナトリウム水溶液で中和し、析出
した結晶を濾取した。酢酸エチルより再結晶を行い、題
記化合物(79g,90%)を黄色針状晶として得た。融点:14
0−141℃ d) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニルスルファニル-1
H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエ
ステル:4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-メチルスルホニル-1
H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエ
ステル(2.0g)及びチオフェノール(0.60ml)のTHF溶液(70
ml)に氷冷下、60%水素化ナトリウム(0.26g)を加え、同
温度で30分、さらに室温で5時間攪拌した。反応溶液を
クエン酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層
を水及び飽和食塩水で順次洗浄後、乾燥(MgSO4)した。
溶媒を減圧下留去し、得られた残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル-ヘキサン
(1:2)で溶出する部分より、題記化合物(0.90g,41%)を淡
黄色油状物として得た。1H-NMR(δ ppm in CDCl3): 1.3
5(3H,t,J=7.4Hz), 2.65(2H,t,J=6.8Hz), 3.26(2H,t,J=
6.8Hz), 4.16(3H,s), 4.32(2H,q,J=7.4Hz), 7.1-7.3(5
H,m). e) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニルスルファニル-1
H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸:参考例1
e)と同様にして、4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニルス
ルファニル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン
酸 エチルエステルより、題記化合物(収率:92%)を無色
プリズム晶として得た。融点:286−287℃。 f) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニルスルファニル-1
H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド:参考
例1f)と同様にして、4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-フェニ
ルスルファニル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カル
ボン酸より、題記化合物(収率:95%)を無色プリズム晶
として得た。融点:205−206℃。
【0145】参考例1に準じた方法により、参考例4な
いし9の化合物を合成した。
【0146】参考例4 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3,4-メチレンジオキシフェ
ノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサ
ミド 融点:204−205℃
【0147】参考例5 8-(4-ベンジルオキシフェノキシ)-4,5-ジヒドロ-1-メチ
ル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド 融点:200−201℃
【0148】参考例6 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(4-メトキシフェノキシ)-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド 融点:203−205℃
【0149】参考例7 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(4-トリフルオロメトキシフ
ェノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキ
サミド 融点:212−213℃
【0150】参考例8 4,5-ジヒドロ-8-(3,4-メチレンジオキシフェノキシ)-1-
(2,2,2-トリフルオロエチル)-1H-チエノ[3,4-g]インダ
ゾール-6-カルボキサミド 融点:216−218℃
【0151】参考例9 4,5-ジヒドロ-8-(2,3-ジメチルフェノキシ)-1-(2,2,2-
トリフルオロエチル)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6
-カルボキサミド 融点:190−191℃
【0152】参考例10 4-{[6-(アミノカルボニル)-1-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-8-イル]オキシ}ベンジルホ
スホン酸 エチルエステル 融点:92−93℃
【0153】参考例11 4-{[6-(アミノカルボニル)-2-メチル-4,5-ジヒドロ-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-8-イル]オキシ}ベンジルホ
スホン酸 エチルエステル 融点:180−181℃
【0154】参考例12 N-エチル-4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3,4-メチレンジオ
キシフェノキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カ
ルボキサミドの製造:参考例4で得られるN-エチル-4,5-
ジヒドロ-1-メチル-8-(3,4-メチレンジオキシフェノキ
シ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸(1.50
g)のTHF懸濁液(50ml)にオギザリルクロリド(0.7ml)およ
びN,N-ジメチルホルムアミド(3滴)を氷冷下に加え、室
温で30分撹拌後、減圧下濃縮した。残留物にTHF(50ml)
を加えた溶液に、氷冷下70%エチルアミン溶液(2ml)を
加え30分間撹拌した。反応液を水に注ぎ、酢酸エチルで
抽出した。有機層は水、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽
和食塩水で洗浄し乾燥(MgSO4)後、溶媒を留去した。
残留油状物をカラムクロマトグラフィーに付した。酢酸
エチル-ヘキサン(3:2)から溶出する部分より、題記化合
物(1.36g,84%)を無色針状晶として得た。融点:138−13
9℃。
【0155】参考例13 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-[4-(2-キノリルメチルオキ
シ)フェノキシ]-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カル
ボキサミド a) 8-(4-ベンジルオキシフェノキシ)-4,5-ジヒドロ-1-
メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸
エチルエステル:参考例1b)と同様の方法で参考例1a)
で得られた化合物より、題記化合物を淡黄色結晶として
得た。テトラヒドロフラン-酢酸エチルより再結晶し、
淡黄色プリズム晶を得た。 融点:139-140 ℃。 b) 4,5-ジヒドロ-8-(4-ヒドロキシフェノキシ)- 1-メ
チル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エ
チルエステル:8-(4-ベンジルオキシフェノキシ)-4,5-
ジヒドロ-1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-
カルボン酸 エチルエステル(7.4g)及び10%パラジウム
-炭素(3.0g)をテトラヒドロフラン(100ml)及びメタノー
ル(50ml)の混合溶媒に加え、水素気流中常圧で2時間攪
拌した。不溶物を濾別し、濾液を濃縮して淡黄色結晶を
得た。テトラヒドロフラン-酢酸エチルから再結晶を行
い題記化合物(5.6g,94%)を淡黄色針状晶として得た。融
点:245-246℃。 c) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-[4-(2-キノリルメチルオ
キシ)フェノキシ]-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カ
ルボン酸 エチルエステル:4,5-ジヒドロ-8-(4-ヒドロ
キシフェノキシ)- 1-メチル-1H-チエノ[3,4-g]インダゾ
ール-6-カルボン酸 エチルエステル(1.5g)、2-クロロ
メチルキノリン 塩酸塩(1.7g)、及び炭酸カリウム(1.7
g)のDMF溶液(50ml)を70℃で10時間攪拌した。溶媒を減
圧下留去し、残渣を酢酸エチルで希釈した。有機層をク
エン酸水溶液、水、飽和食塩水で順次洗浄後、乾燥(MgS
O4)、減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーに付した。酢酸エチル:ヘキサン
(2:1)で溶出する部分より、題記化合物(1.9g,92%)を無
色プリズム晶として得た。融点:121-122℃。 d) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-[4-(2-キノリルメチルオ
キシ)フェノキシ]-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カ
ルボン酸:参考例1e)と同様の方法で4,5-ジヒドロ-1-
メチル-8-[4-(2-キノリルメチルオキシ)フェノキシ]-1H
-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチルエ
ステルより、題記化合物(収率:98%)を無色プリズム晶
として得た。融点:269-270℃。 e) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-[4-(2-キノリルメチルオ
キシ)フェノキシ]-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カ
ルボキサミド:参考例1f)と同様の方法で4,5-ジヒドロ
-1-メチル-8-[4-(2-キノリルメチルオキシ)フェノキシ]
-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸より、題
記化合物(収率:95%)を無色プリズム晶として得た。融
点:214-215℃。
【0156】参考例13に準じた方法により、参考例1
4〜15の化合物を合成した。
【0157】参考例14 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-[4-(4-ピリジルメチルオキ
シ)フェノキシ]-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カル
ボキサミド 融点:249-250℃
【0158】参考例15 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(4-フルオロフェノキシ)-1H-
チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド 融点:188-189℃
【0159】参考例16 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3-ピリジニルオキシ)-1H-チ
エノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド a) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3-ピリジニルオキシ)-
1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸 エチル
エステル:3,4-ジメトキシフェノール(1.00g)をN-メチ
ルピロリドン(50ml)で溶解し、カリウムt-ブトキシド
(1.29g)を添加した。室温で30分攪拌し、参考例3c)で得
られた化合物(3.00g)を添加した。室温で30分攪拌し、7
0℃で12時間攪拌した。反応液を水に注ぎ酢酸エチルで
抽出した。有機層をクエン酸水溶液、水、飽和食塩水で
順次洗浄後、乾燥(MgSO4)、減圧下濃縮した。得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。
酢酸エチル:ヘキサン(2:1)で溶出する部分より、題記化
合物(1.06g,38%)を淡黄色プリズム晶として得た。融
点:74-75℃(再結晶溶媒:酢酸エチル-ヘキサン)。 b) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3-ピリジニルオキシ)-
1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボン酸:参考例1
e)と同様にして、4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3-ピリジ
ニルオキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボ
ン酸 エチルエステルより、題記化合物 (収率:99%)を
無色プリズム晶として得た。融点:247-248℃(再結晶溶
媒:テトラヒドロフラン)。 c) 4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3-ピリジニルオキシ)-
1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-カルボキサミド:参
考例1f)と同様にして、4,5-ジヒドロ-1-メチル-8-(3-
ピリジニルオキシ)-1H-チエノ[3,4-g]インダゾール-6-
カルボン酸より、題記化合物 (収率:91%)を無色プリズ
ム晶として得た。融点:124-125℃(再結晶溶媒:テトラ
ヒドロフラン-イソプロピルエーテル)。
【0160】実施例1 表1に示す処方で乳酸-グリコール酸共重合体〔以下PLG
Aと称することがある。乳酸-グリコール酸の組成比(モ
ル%)75/25、GPC測定による重量平均分子量11300、数平
均分子量 6.430、末端基定量による数平均分子量 3,53
0、和光純薬工業製〕と参考例で得られた化合物とのジ
クロルメタン溶液、あるいは懸濁液を調製した後、表1
に記載した容量の0.1%ポリビニルアルコール(EG-40、
日本合成化学製)水溶液(以下PVA溶液と称することが
ある)に注入し、タービン型ホモミキサーを用い、7,00
0rpmでO/Wエマルジョンとした。このO/Wエマルジョンを
室温で3時間撹拌してジクロルメタンを揮発させ、油相
を固化させた後、遠心分離器(05PR-22、日立製作所)
を用いて3,000rpmで補集した。これを再び蒸留水に分散
後、さらに遠心分離を行い、遊離薬物を洗浄した。補集
されたマイクロカプセルは少量の蒸留水を加えて再分散
した後、凍結乾燥した。得られたマイクロカプセルへの
化合物の取込率は表1に示したとおりである。
【表1】
【0161】実施例2 表2に示す処方で、実施例1と同様の工程を経てマイク
ロカプセルを調製した。表2には得られたマイクロカプ
セルへの取込率を併記する。
【表2】
【0162】実施例3 表3に示す処方で、実施例1と同様の工程を経て参考例
4の化合物のマイクロカプセルを調製した。表3には得
られたマイクロカプセルへの取込率を併記する。
【表3】
【0163】実験例1 実施例1で得られたマイクロカプセルをそれぞれ化合物
として1mgを分散媒〔カルボキシメチルセルロース(1.2
5mg)、ポリソルベート20(0.25mg)、マンニトール(1
2.5mg)を溶解した蒸留水〕0.25mLに分散して、エーテ
ル麻酔下7週齢雄性SDラット(n=4)の頭部皮下に23G 注
射針を用いて投与した。投与後一定時間毎にラットを屠
殺して投与部位に残存するマイクロカプセルを摘出し、
摘出物中の化合物X量をHPLCにより定量した結果を表4
に示す。
【表4】
【0164】実験例4 実施例2及び3で得られたマイクロカプセルを用いて実
験例1と同様にして投与部位に残存する化合物を定量
し、残存率を算出した結果を表5に平均値 (n=4)で示
す。なお、BU14,15,19,20以外の実験では、マイクロカ
プセル20 mgを実験例1と同様の分散媒0.1 mLに分散し
て投与した。
【表5】
【0165】
【発明の効果】本発明の医薬組成物は、骨・軟骨形成促
進作用物質などの生理活性物質を高含量含有し、かつそ
の放出速度を制御できるので、長期間に渡って生理活性
化合物の所望の薬理作用が期待できる。このため、例え
ば、哺乳動物の骨疾患、例えば骨折、再骨折、難治性骨
折、骨癒合不全、偽関節、骨軟化症、骨ペーチェット
病、硬直性脊椎炎、自家骨移植、人工骨移植、変形性関
節症及びそれらの類似疾患における骨・軟骨の破壊等の
予防、治療剤等として、多発性骨髄腫、肺癌、乳癌等の
外科手術後の骨組織修復材等として、また、歯周疾患等
における歯周組織の再生促進剤等として安全に利用する
ことができる。さらに、本発明の医薬組成物は、一定の
血液中濃度を昼夜問わず、維持することが可能なことか
ら、投与量および回数の低減が可能であり、しかも局所
濃度および血中薬物濃度の変動が少なく、服用の中断な
どによる病状の変化が起きないため、治療効果がより明
確になることが期待される。
フロントページの続き (72)発明者 安間 常雄 大阪府茨木市高田町20番5号 (72)発明者 亀井 茂 兵庫県宝塚市すみれガ丘1丁目7番1− 509号 Fターム(参考) 4C071 AA01 BB01 BB05 CC02 CC21 EE13 FF04 GG01 GG03 HH28 JJ01 JJ05 JJ06 JJ08 LL01 4C076 AA62 AA67 BB11 BB32 CC09 EE06 EE24 EE41 FF02 FF05 FF32 GG06 GG21 4C086 AA01 AA02 CB27 FA02 MA02 MA05 NA10 NA12 ZA96 ZB26

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(Ia): 【化1】 〔式中、R1はそれぞれ置換されていてもよい炭化水素
    残基,複素環基、スルフィニル基、スルホニル基、水酸
    基、チオール基またはアミノ基を示し、R2はシアノ
    基、ホルミル基、チオホルミル基または式:−Z1−Z2
    (式中、Z1は、−CO−,−CS−,−SO−または
    −SO2−を示し、Z2は、それぞれ置換されていてもよ
    い炭化水素残基、複素環基、水酸基またはアミノ基を示
    す。)で表される基を示し、環Aaは置換されていても
    よい5〜7員環を示し、Rは水素原子、ハロゲン原子、
    シアノ基またはそれぞれ置換されていてもよいアミノ
    基、アシル基、炭化水素残基もしくは複素環基を示し、
    Rはチオフェン環および環Aaの環構成原子とともに置
    換されていてもよい炭化水素環または複素環を形成して
    もよい。〕で表される化合物またはその塩と生体内分解
    性高分子化合物とを含有してなる医薬組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(Ia)が一般式(I) 【化2】 〔式中、環Aは、 【化3】 (式中、R3は水素原子、それぞれ置換されていてもよ
    い炭化水素残基,複素環基,水酸基,アミノ基,スルホ
    ニル基またはアシル基を示す。)のいずれかで表される
    芳香族5員複素環を示し、環Bは置換基を有していても
    よい5〜7員炭化水素環を示し、その他の記号は請求項
    1記載と同意義を示す。〕である請求項1記載の医薬組
    成物。
  3. 【請求項3】 生体内分解性高分子化合物が、脂肪族ポ
    リエステルである請求項1記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 脂肪族ポリエステルが、乳酸−グリコー
    ル酸共重合体である請求項3記載の医薬組成物。
  5. 【請求項5】 乳酸−グリコール酸共重合体が、乳酸/
    グリコール酸の組成比が約100/0ないし40/60
    (モル比)である乳酸−グリコール酸共重合体である請
    求項4記載の医薬組成物。
  6. 【請求項6】 乳酸−グリコール酸共重合体の重量平均
    分子量が、約3,000ないし50,000である請求
    項13記載の医薬組成物。
  7. 【請求項7】 局所投与製剤である請求項1記載の医薬
    組成物。
  8. 【請求項8】 関節内投与製剤である請求項1記載の医
    薬組成物。
  9. 【請求項9】 徐放性製剤である請求項1記載の医薬組
    成物。
  10. 【請求項10】 骨疾患または軟骨疾患予防治療剤であ
    る請求項1記載の医薬組成物。
  11. 【請求項11】 骨疾患が骨折または骨欠損である請求
    項10記載の医薬組成物。
  12. 【請求項12】 軟骨疾患が変形性関節症である請求項
    10記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】 徐放性製剤がマイクロカプセルである
    請求項9記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】 一般式(Ia)で表される化合物また
    はその塩および生体内分解性高分子化合物を含有する有
    機溶媒溶液から有機溶媒を除去することを特徴とする請
    求項1記載の医薬組成物の製造法。
  15. 【請求項15】 有機溶媒が、ハロゲン化炭化水素、エ
    ーテル類、脂肪酸エステル、芳香族炭化水素、アルコー
    ル類、アセトニトリルおよび低級脂肪酸から選ばれる1
    種または2種以上の組合せである請求項14記載の製造
    法。
  16. 【請求項16】 有機溶媒が、ハロゲン化炭化水素およ
    び低級脂肪酸である請求項14記載の製造法。
JP2001153565A 2000-05-23 2001-05-23 チオフェン誘導体含有医薬組成物 Withdrawn JP2002047184A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001153565A JP2002047184A (ja) 2000-05-23 2001-05-23 チオフェン誘導体含有医薬組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000155973 2000-05-23
JP2000-155973 2000-05-23
JP2001153565A JP2002047184A (ja) 2000-05-23 2001-05-23 チオフェン誘導体含有医薬組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002047184A true JP2002047184A (ja) 2002-02-12

Family

ID=26592668

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001153565A Withdrawn JP2002047184A (ja) 2000-05-23 2001-05-23 チオフェン誘導体含有医薬組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002047184A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013500280A (ja) * 2009-07-30 2013-01-07 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング アニオン性ポリマー材料と6〜22個の炭素原子を有する飽和モノカルボン酸の塩とを含む組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013500280A (ja) * 2009-07-30 2013-01-07 エボニック レーム ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング アニオン性ポリマー材料と6〜22個の炭素原子を有する飽和モノカルボン酸の塩とを含む組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4494205B2 (ja) カルシウム受容体調節化合物およびその用途
JP2992677B2 (ja) 骨形成促進医薬組成物
TW202122388A (zh) Rip1抑制性化合物和用於製備和使用其之方法
CN102119047B (zh) 作为dgat1抑制剂的杂芳基衍生物
WO2000008018A1 (fr) Derives de benzothiepine, leur procede de preparation et leurs utilisations
ES2792851T3 (es) Derivados de naftofurano para uso como agentes antineoplásicos
BR112019023598A2 (pt) COMPOSTOS INIBIDORES DE ß-LACTAMASE, COMPOSIÇÕES FARMACÊUTICAS E SEUS USOS
CN104066730A (zh) 杂环化合物及其作为iii型受体酪氨酸激酶调节剂的用途
JP2000319277A (ja) 縮合ピラジン化合物およびその化合物を有効成分とする薬剤
TW202122397A (zh) Rip1抑制性化合物及用於製備和使用其之方法
BRPI0807749B1 (pt) composto, composição farmacêutica, e, método para a prevenção, tratamento ou melhora de doenças ou condições dérmicas, ou distúrbios de ferida cutânea agudos ou crônicos
CN110753692A (zh) 作为h-pgds抑制剂的化学化合物
JP2007503420A (ja) グリコーゲンホスホリラーゼ阻害活性を保有する複素環式アミド誘導体
JP2014517848A (ja) NOTUMペクチンアセチルエステラーゼの4H−チエノ[3,2−c]クロメン系阻害剤及びその使用方法
JP2002356419A (ja) 微粒薬物の製造法
KR102442103B1 (ko) 캐스파제 저해제의 프로드럭
JP2002047184A (ja) チオフェン誘導体含有医薬組成物
AU717260B2 (en) Osteogenetic promoting pharmaceutical composition
EP1293197A1 (en) Process for producing phospholipid-containing drugs
US20030158245A1 (en) Fused heterocyclic derivatives, their production and use
WO2001089521A1 (fr) Compositions medicinales contenant des derives du tiophene
TW202304932A (zh) Abhd6拮抗劑
JP2002080400A (ja) リン脂質含有薬物の製造法
WO2002078673A1 (fr) Procede de production d'un medicament sous forme de granules fins
JP2008509074A (ja) Crp低下剤

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080805