JP2988536B2 - リトラクタ軸回転式プリテンショナ - Google Patents
リトラクタ軸回転式プリテンショナInfo
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Description
テンショナに関し、特にリトラクタ軸を回転させてベル
トを巻き締める形式のプリテンショナに関する。
装置には、緊急時に、乗員の身体をシートに緊密に拘束
して車内での2次衝突を防ぐべく、乗員に装着されたベ
ルトを引張するプリテンショナが設けられたものがあ
り、このようなプリテンショナの一形式として特開平1
−119454号公報に開示の装置がある。
取軸にカップリング装置を介して連結されたプーリを、
その周囲に巻懸けられた引張ケーブルの駆動装置(パワ
ーソース)による引張により回転させてベルトを巻締め
る形式のもので、この装置では、前記カップリング装置
を一対の歯車で構成し、その一方の歯車を巻取軸に固定
し、他方をプーリに固定し、プーリをガイド装置(旋回
クランク)に支持して、設定時に保持装置(シェアーピ
ン)より非噛合位置に保持されたガイド装置及び後者の
歯車を巻締め操作時に段階的に解放して、ガイド装置の
旋回により両歯車を噛合させた後回転させる構成が採ら
れている。
来の装置では、両歯車が噛合するまで後者の歯車の回転
を規制しておかなければならないため、2段階に作動す
る高精度の保持装置(具体的には、剪断荷重の正確なシ
ェアーピン)を必要とする。また、この種の装置は、ミ
リセカンド単位で大きなパワーを瞬間的に作用させるも
のであるため、僅かな抵抗が装置の作動に大きな影響を
与えるものであるが、前記の装置では、プーリをガイド
装置(具体的には、旋回クランク)により支持する構成
であるため、作用するパワーに応じた強固なガイド装置
を必要とするばかりでなく、ガイド装置を動作させるた
めのパワーロスが大きくなる問題点がある。
れたものであって、リトラクタ軸へのプーリの係合とプ
ーリの回転とを段階的に制御することを要せず従来のも
のと同等な作動制御を可能とするリトラクタ軸回転式プ
リテンショナを提供することを目的とする。
ため、本発明は、プーリをパワーソースの作動によりシ
ートベルトリトラクタの巻取軸に係合させ、該巻取軸を
回転させて、シートベルト装置のベルトにテンションを
付与するリトラクタ軸回転式プリテンショナにおいて、
前記プーリに係合させ、かつ、プリテンショナ機体に可
動に支持して、プーリの回転によりプリテンショナ機体
とプーリとの間に引込み可能に配置され、更なるプーリ
の回転により該プーリから離脱するスペーサを備え、該
スペーサは、引込み位置におけるプーリからの離脱によ
りプリテンショナ機体とプーリとの間に介在して該プー
リと前記巻取軸との係合を維持させることを特徴とす
る。
ナにおいては、その作動時に、パワーソースの作動でプ
ーリが移動し、プーリと巻取軸とが係合すると、その後
プーリに係入連結されたスペーサがプーリの回転に伴い
プリテンショナ機体に案内されて該機体とプーリとの間
に引込まれ、プーリと巻取軸との係合を維持する位置
(引込み位置)に移動する。そして、引込み位置に達し
たスペーサは、その後のプーリの回転でプーリとの連結
を解かれるため、プーリはリトラクタの巻取軸に係合し
たまま回転する。したがって、パワーソースによりプー
リに与えられる回転力はプーリを介してリトラクタの巻
取軸に伝達され、該巻取り軸の回転によるベルトの引込
みで、シートベルトにテンションが付与される。
説明する。
であって、この装置は、パワーソース2の作動により引
張される撚線ワイヤ製のケーブル3をシートベルトリト
ラクタ1の巻取軸11にプーリ5を介して係合させ、巻
取軸11を回転させて、シートベルト装置のベルト4に
プリテンションを付与するリトラクタ軸回転式プリテン
ショナを構成している。
巻取軸11に係合させるための特別な手段を備えていな
いが、係合後にその係合を維持する手段として、プリテ
ンショナ機体6に案内されてプリテンショナ機体6とプ
ーリ5との間に引込み可能にスペーサ7が配設されてい
る。そして、スペーサ7はプーリ5に係脱自在に連結さ
れている。
ートベルトリトラクタ1は、従来公知の適宜の構成を備
えるもので、この例ではクランプ機構13付のものとさ
れており、そのハウジング14の側壁にプリテンショナ
機体を構成するブロック6が図示しない適宜の手段で取
付けられている。ブロック6には、長円形のプーリ収容
溝61と、それに接続しパワーソース2方向に指向する
ケーブル引出溝62と、プーリ収容溝61と接するスペ
ーサ案内溝63とが形成されている。
12が位置しており、歯車ドラム12は、その内側に形
成された図示しない角孔を巻取軸11の一端に形成され
た図示しない角軸に嵌合して巻取軸11の端部に取付け
られている。なお、この例では、歯車ドラム12の外側
にさらに角軸15が形成され、これにリトラクタのリタ
ーンスプリング組立体8内に配設されたスプリング内周
端が取付けられる構成が採られている。
ね巻き可能とされている。プーリ5の内周面は、前記歯
車ドラム12の直径よりやや大径とされ、歯車ドラム1
2の外歯121と噛合可能な内歯51が形成されてい
る。そして、プーリ5の鍔52,53には、それらの外
周面から内周側に切込まれた一対の切欠き(その中の一
方を図に符号54で示す)が形成されている。
末は、ケーブル3の端末にかしめ止めされた端末ブロッ
ク31をプーリ5の外側鍔52の一部を接線方向に切欠
いて形成した切欠き58の底部に引っ掛けることにより
プーリ5に碇着されている。ケーブル3はこの端末から
プーリ5の内周を一巡し、外周側に出、そこをほぼ一巡
してケーブル引出溝62を通り、ブロック6外に延び、
パワーソース2の図示しないピストンに止着されて終端
している。
7は、板状のスペーサ部71と、前記プーリ5の切欠き
(その中の一方を図に符号54で示す)と係脱する突起
部72を備えている。そして、スペーサ部71の厚さ
は、スペーサ7が引込まれたときに、プーリ5の外周と
スペーサ案内溝63の側壁との間に介在して外歯121
と内歯51との噛合いを維持する厚さとされている。
0により被蓋され、カバー10には、この例ではリトラ
クタ1のリターンスプリング組立体8が取付けられてい
る。
テンショナの作動を説明する正面図である。なお、以下
の説明において便宜上、図面上の上下、左右をそのまま
位置の説明に用いるが、これらは必ずしもプリテンショ
ナの上下、左右を表すものではない。図2に示すよう
に、セット状態において、プーリ5は鍔部外周下端をプ
ーリ収容溝61の最下方壁面に支持されてプーリ収容溝
61の右方に位置しており、スペーサ7は、切欠き54
に突起部72を係入されてスペーサ案内溝63の最下方
に置かれている。この位置にプーリ5を保持する手段と
してはシェアピン(図示せず)による仮固定が考えられ
る。したがって、歯車ドラム12の外歯121とプーリ
5の内歯51とは所定のクリアランスを保った非噛合状
態にあり、リトラクタ1の通常の機能は従来通り達成さ
れる。
際の大きな加速度Gが加わり、これがセンサで検知され
てパワーソース2が作動すると、図3に示すように、ケ
ーブル3がパワーソース2内に図示矢印Aで示す方向に
引込まれ、シェアピン(図示せず)が切断され、ケーブ
ル3を巻懸けられたプーリ5は上方に移動して、外歯1
21と内歯51とが下方において噛合する。このとき、
プーリ5は上方移動に対しても、矢印B方向に回転に対
しても何ら規制されていないので、自由に動きうる。し
たがって、仮に外歯121と内歯51の歯先同士が衝突
してもプーリ5が矢印B方向に若干回動することによっ
て、外歯121と内歯51との噛合が確保される。
7が引上げられると、プーリ5は左方に押され外歯12
1と内歯51との噛合位置が変わる。そして、さらにプ
ーリ5の回転が進んでスペーサ7が引上げられると突起
部72が切欠き54から外れる。図4はこのような連結
解放時の状態を示している。この状態でもスペーサ7の
スペーサ部71はプーリ5とスペーサ案内溝63の壁面
との間に介在しており、外歯121と内歯51との噛合
いは維持される。
位置で点P,Qで支持されて回転し、この回転が歯車ド
ラム12を介して巻取軸11に伝えられ、ベルト4の引
込みが行われる。このようにして、上記の作用によりリ
トラクタ1の巻取軸11が回転させられ、繰出されてい
たベルト4は短時間にリトラクタ1内に巻込まれ、慣性
力による乗員の身体移動に先立ち、ベルトの引締めによ
るテンション付与動作が行われる。
に示すように、内歯51と外歯121との噛合位置Tが
歯車ドラム12の回転軸心Oとプーリ5とスペーサ7と
の接点Pを結ぶ線上から角度θ(以下、この角度θを
「噛合角」という)だけ下方にずれている。これは、プ
ーリ5とスペーサ7の摺動接点Pにおいてプーリ5のス
ペーサ7への圧接力P1 を少なくするための構成であ
る。
点Qで支持して反時計回りに回転させる場合、理論的に
は噛合位置Tは噛合角θが0°〜90°の範囲内におさ
まるように選定すればよいはずであるが、実際には、作
動時に内歯51と外歯121が噛合すると、噛合い圧力
角αによる圧接力P1 がスペーサ7を押し退けようと
し、この力で噛合が浅くなると、一般に歯車は、歯先ほ
ど噛合い圧力角αが大きいため、圧接力P1 がますます
増加する。このような圧接力P1 の増加は、歯車の噛合
いを外そうとする力となる。これに対して、噛合角θを
図示のように噛合い圧力角αに近づけると、噛合い圧力
角αによる影響を最小に抑えて、最小の圧接力P1 で歯
車の噛合いを維持することができる。ただし、実際の噛
合角θの設定は、プーリ5の移動や点Qに係る圧接力P
2 を考慮して補正される。
によれば、プーリ5の回転時の支持支点での摺動抵抗を
最小限に抑えて、歯車の噛合いを維持し、ケーブル3に
かかる引張力を効率よく巻取り軸11の回転力に変換す
ることができる。
が、本発明は、上述の実施例のみに限定されることな
く、特許請求の範囲に記載の事項の範囲内で、実施状況
や構成材料の選択等に応じた具体的構成の変更を含むも
のである。
してケーブルを引張する形式のものを例示したが、強力
な捩じりコイルバネを用いて、プーリ5を直接回転され
る構成を採ることも可能である。また前記実施例におい
て、プーリ5と巻取軸11との係合手段を歯車とした
が、この係合手段も歯車に限るものではなく、摩擦係合
であってもよい。
ショナによれば、スペーサをプーリに係脱自在に連結し
たことにより、リトラクタ軸へのプーリの係合とプーリ
の回転とを段階的に制御することを要せず従来のものと
同等な作動制御を可能とすることができ、しかも、プリ
テンショナ機体に案内されてプリテンショナ機体とプー
リとの間に引込み可能なスペーサの配設により、信頼性
の高いリトラクタ軸回転式プリテンショナを提供するこ
とができる。
斜視図である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 プーリをパワーソースの作動によりシー
トベルトリトラクタの巻取軸に係合させ、該巻取軸を回
転させて、シートベルト装置のベルトにテンションを付
与するリトラクタ軸回転式プリテンショナにおいて、 前記プーリに係合させ、かつ、プリテンショナ機体に可
動に支持して、プーリの回転によりプリテンショナ機体
とプーリとの間に引込み可能に配置され、更なるプーリ
の回転により該プーリから離脱するスペーサを備え、 該スペーサは、引込み位置におけるプーリからの離脱に
よりプリテンショナ機体とプーリとの間に介在して該 プ
ーリと前記巻取軸との係合を維持させることを特徴とす
るシートベルト装置のリトラクタ軸回転式プリテンショ
ナ。
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