JP2981250B2 - D―パントテノニトリルの製造法 - Google Patents

D―パントテノニトリルの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は医薬として有用なパンテチンの製造における
中間体であるD−パントテノニトリルの新規な製造法に
関する。
〔従来の技術〕
パンテチンの工業的製法として現在最も用いられてい
るのはD−パントテノニトリルとシステアミンからパン
トテン酸のチアゾリジン誘導体を経て、パンテチンとす
るものである。(特公昭40−10149号及び特公昭40−138
48号) しかしながら、この原料となるD−パントテノニトリ
ルは、化学的に煩雑な工程を要する光学分割によって得
られるD−パントラクトンをβ−アミノプロピオニトリ
ルでアミノリシスを行なうことにより得られるのである
が、本発明者らは、別途D−パントテノニトリルのプロ
キラル体である2′−ケトパントテノニトリルが、D−
パントラクトンよりはるかにアミノリシスをうけやすい
ケトパントラクトンとβ−アミノプロピオニトリルとの
反応により、容易に好収率で得られることを見出し、さ
らに、この2′−ケトパントテノニトリルを微生物を利
用して、不斉還元することにより、極めて効率良くD−
パントテノニトリルに変換できることを見出した。本発
明はかかる知見に基づいてなされたものである。
〔発明の開示〕
本発明は、バチルス属、カンジダ属、クリプトコッカ
ス属、サッカロミセス属、スポリディオボラス属、スポ
ロボロミセス属、ハンセヌラ属、ピチア属、クラドスポ
リウム属、モルティエレラ属に属する微生物よりなる群
より選ばれた少なくとも1種の還元能を有する微生物を
用いて2′−ケトパントテノニトリルの不斉還元を行な
うことを特徴とするD−パントテノニトリルの製造法を
提供するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、各種液体培地2mlに斜面培地から各種
の各種菌を1白金耳量接種し、28℃で2日間好気的に振
盪培養後、この培養液に2′−ケトパントテノニトリル
を20mgずつ加え、28℃で2日間振盪し、得られる反応液
につき、TLCおよびHPLCにてパントテノニトリルの生成
量を、GLCにて、パントラクトンの光学純度をそれぞれ
測定した結果、2′−ケトパントテノニトリルをD−パ
ントテノニトリルに変換する微生物として、バチルス
属、カンジダ属、クリプトコッカス属、サッカロミセス
属、スポリディオボラス属、スポロボロミセス属、トル
ロプシス属、ハンセヌラ属、ピチア属、ロドトルラ属、
クラドスポリウム属、モルティエレラ属に属する不斉還
元能を有するものが適当であることを見出した。
不斉還元能の特にすぐれた微生物は、スポリディオボ
ラス属、スポロボロミセス属、バチルス属などに見られ
る。
菌の培養に関する条件は、炭素源として、グルコー
ス、フラクトース、シュクロースなどの糖質やグリセロ
ールなどのアルコール類、窒素源として、硫酸アンモニ
ウム、ペプトン、カザミノ酸、コーンスティープリカ
ー、ふすま、酵母エキスなど、無機塩類として、硫酸マ
グネシウム、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸
−水素カリウム、リン酸二水素カリウムなど、他の栄養
源として、麦芽エキス、肉エキスなどを含む培地を用い
る。培養は、好気的に行い、通常1〜7日程度、培地pH
は3〜10、培養温度は15〜50℃、更に好ましくは20〜40
℃で行なう。
本発明において、使用する微生物は、液体培地に菌株
を培養した培養物、培養液から分離した菌体、あるいは
菌体または培養物を処理して得られる乾燥菌体、もしく
は固定化菌体などのいずれの形態でも用いることができ
る。
原料として使用する2′−ケトパントテノニトリルの
濃度は、通常、10〜50g/であり、反応時間は、通常、
数時間から3日程度である。反応系のpHは、通常、3〜
9程度である。
以下に、実施例を掲げ、本発明を更に具体的に説明す
るが、本発明は、これら実施例に限定されるものではな
い。
なお、本発明方法で使用される2′−ケトパントテノ
ニトリルは新規化合物であるが、以下に述べる如くして
製造することができる。
すなわち、2′−ケトパントテノニトリルはケトパン
トラクトンとβ−アミノプロピオニトリルとを用いてア
ミノリシスをおこなうことにより得られるが、この際の
反応溶媒としては、メタノール等のアルコール、酢酸エ
チル等のエステル類、ヘキサン等の脂肪属炭化水素、ク
ロロホルム等のハロゲン化炭化水素、アセトン等のケト
ン類、アセトニトリル等が使用される。反応温度は、室
温から各反応溶媒の沸騰温度程度までの範囲内で、反応
時間は、通常は、1時間から1日である。反応終了後、
反応溶媒を留去し、酢酸エチルや塩化メチレン等の有機
溶媒を用いて目的とする2′−ケトパントテノニトリル
を抽出する。これを、場合により希酸水溶液や希アルカ
リ水溶液により洗浄し、精製すると、好収率で単一の
2′−ケトパントテノニトリルが得られる。
以下に、2′−ケトパントテノニトリルの製造例を示
す。
製造例 1 2′−ケトパントテノニトリルの製造 β−アミノプロピオニトリル2.31g(33mmol)をメタ
ノール50mlに溶解し、これに室温下で、ケトパントラク
トン3.85g(30mmol)を加える。室温にて一晩撹拌した
後、メタノールを留去する。反応混合物を水に溶解し、
酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、減圧濃縮し、シリカゲルによるカラ
ムクロマト精製を行なうと、2′−ケトパントテノニト
リル4.76g(収率:80%)がoilとして得られた。
IR(neat)νcm-1:3375,2975,2940,2880,2250,1710,153
0,1480,1110,10501 H−NMR(CDCl3)δ:1.28(6H,s) 2.69(2H,t) 3.5
5(2H,t) 3.7(1H,bs) 3.80(2H,s) 7.7(1H,b
s) 実施例 1〜12 グルコース5%、コーンスティープリカー5%からな
る液体培地(pH6.0)を各試験管に2mlずつ分注し、オー
トクレーブ中で121℃で20分間、加熱滅菌した。各試験
管内の培地に、斜面培地から第1表に記載した各種の菌
株を1白金耳量ずつとり、接種し、28℃で2日間、好気
的に振盪培養した。この各試験管内の培養液に対し、
2′−ケトパントテノニトリルを20mgずつ加え、28℃で
2日間振盪した。反応後、HPLC(Cosmosil 5C18 φ4.6
×100mm、溶離液10%メタノール(pH2.5)、流速1ml/
min、検出波長210nm)にて各試験管におけるパントテノ
ニトリルの生成量を測定した。更に、反応液を塩酸で加
水分解した後、生成したパントラクトンの光学純度をGL
C(Analytical Biochemistry,112,9〜16(1981))にて
測定した。その結果は第1表に示す通りである。第1表
中、IFO No.は財団法人醗酵研究所カタログ番号を示す
(以下、同じ)。
実施例 13 実施例1〜12において使用した液体培地500mlを使用
し、スポロボロミセスパラロゼウス(IFO 471)の培養
を、28℃で3日間、坂口フラスコによる振盪培養により
行い、培養後、遠心分離により集菌した。2′−ケトパ
ントテノニトリルおよびグルコースを、0.2Mリン酸緩衝
液に、各5%濃度になるように溶解した溶液(pH5.0)1
00mlを上記で得られた菌体に加え、28℃で2日間振盪し
た。反応後、反応液を逆相シリカゲルによるカラムクロ
マト精製を行い、得られた粗結晶を酢酸エチルで再結晶
することにより、D−パントテノニトリル3.53g(収率7
0.6%、mp83〜84℃、▲〔α〕20 D▼+28゜(水,c=
1))を得た。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12P 13/00 C12R 1:85) (C12P 13/00 C12R 1:78) (C12P 13/00 C12R 1:84) (C12P 13/00 C12R 1:645) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 13/00 CA(STN) REGISTRY(STN) WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バチルス属、カンジダ属、クリプトコッカ
    ス属、サッカロミセス属、スポリディオボラス属、スポ
    ロボロミセス属、ハンセヌラ属、ピチア属、クラドスポ
    リウム属、モルティエレラ属に属する微生物よりなる群
    より選ばれた少なくとも1種の還元能を有する微生物を
    用いて2′−ケトパントテノニトリルの不斉還元を行な
    うことを特徴とするD−パントテノニトリルの製造法。
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