JP2979648B2 - Ito焼結体 - Google Patents

Ito焼結体

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JP2979648B2
JP2979648B2 JP2412483A JP41248390A JP2979648B2 JP 2979648 B2 JP2979648 B2 JP 2979648B2 JP 2412483 A JP2412483 A JP 2412483A JP 41248390 A JP41248390 A JP 41248390A JP 2979648 B2 JP2979648 B2 JP 2979648B2
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俊人 岸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電膜の形成に使
用するスパッタリング用ターゲットあるいは蒸着用ペレ
ットとして用いる酸化インジウム−酸化錫焼結体、即ち
ITO焼結体に関する。
【0002】
【従来技術】スパッタリング法、蒸着法によって得られ
る透明導電膜として、酸化インジウム−酸化錫から成る
ITOは、その比抵抗の低さから有望な膜として注目さ
れている。例えば300℃程度の高温に加熱された基板
上に、適当な条件でITOを物理蒸着することにより、
透明性がよく且つ比抵抗値が2.0×10-4Ω・cm以下の
良質なITO膜が得られる。このような高温に加熱され
た基板上に比抵抗値の低いITO膜を成膜するためのI
TO焼結体として、特開昭62−21751号公報に
は、In2 3 粉末とSnO2 粉末を適当な量だけ配合
し、混合・粉砕を行い、これを成形し仮焼した後、再度
粉砕を行って粉末とし、得られた仮焼済粉末をさらに成
形・焼成して製造されたITO焼結体が開示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、カラー液晶ディ
スプレイ用として、カラーフィルター上へのITO膜の
コーティングが行われている。また、ディスプレイの軽
量化の面から、プラスチック基板へのITO膜のコーテ
ィングも行われるようになつてきた。しかしながら、こ
れらのカラーフィルターやプラスチック基板は耐熱性に
劣るため、従来行われてきた高温でのスパッタリングは
行えず、基板加熱温度は200℃以下という制約をうけ
ている。前述した先行技術に開示されたITO焼結体に
おいては、高温での基板加熱によるスパッタリングによ
れば比抵抗値の低い膜が得られるが、200℃以下の低
温の基板加熱によるスパッタリングでは、得られるIT
O膜の比抵抗値は、5×10-4Ω・cm以上であり、比抵
抗値の低い膜を得ることが困難となっている。
【0004】従って本発明は、基板温度が低い条件にお
いても、比抵抗値が低いITO膜を成膜できるスパッタ
リング用ターゲット材あるいは蒸着用ペレットを提供す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、実質的
にインジウム、錫および酸素から成るITO焼結体であ
って、X線回折により面間隔が2.86〜2.89Åおよび
3.05〜3.08Åである回折面を持つ相が形成されてお
り、且つこれら回折ピークの積分強度が、それぞれIn
2 3 相の(222)面の回折ピークの積分強度の0.1
%以上であることを特徴とするITO焼結体が提供され
る。
【0006】本発明のITO焼結体においては、X線回
折による面間隔が2.86〜2.89Åおよび3.05〜3.0
8Åである回折面を持つ相が形成されていることが顕著
な特徴である。即ち、従来公知のITO焼結体は、In
2 3 相、SnO2 相、あるいは (Inx Sn1-x )2
3 〔x=0.6〜0.7〕の構造を有する中間化合物相とい
った熱的に安定な結晶質の相から構成されており、上記
のような面間隔の回折面による回折ピークは認められて
いない。
【0007】本発明の焼結体に特有の回折ピークを有す
る相は、10数原子から数10原子を単位として、規則
性をもって配列している原子集団(クラスター)から成
り立っている。この相は、In2 3 相とSnO2 相と
が反応する際、その反応界面に形成される熱的に不安定
な相であると考えられ、かかる相の存在により、基板温
度が低い場合にも比抵抗値の低いITO膜を形成するこ
とが可能となるものと信じられる。即ち、上記クラスタ
ー界面は原子の結合エネルギーが低いために、スパッタ
リングによりITO膜を形成するに際して、励起された
アルゴンイオンによりクラスターの状態で焼結体から放
出され易く、また放出されたクラスターはそのまま基板
まで到達し易くなる。ところで、一般には、基板加熱温
度が低下していくと、基板上での結晶粒の生成および成
長が起こりにくくなるために、成膜されたITO膜の構
造は、結晶質から非晶質へと移行し易くなり、このため
に電子の易動度が低下し、ITO膜の比抵抗値を高くす
ることが知られている。しかしながら、本発明のITO
焼結体においては、該焼結体から放出される原子がクラ
スター状をなしており、これがそのまま基板まで到達し
た場合には、基板温度が低くともこのクラスターが結晶
核となり、他の相から放出される孤立原子が配列を乱さ
ないように付着することによって結晶質のITO膜が形
成されるようになる。従って、本発明によれば、基板温
度が低い場合にも比抵抗値の低いITO膜を形成するこ
とが可能となるのである。
【0008】また本発明においては、面間隔が2.86〜
2.89Åおよび3.05〜3.08Åのところに現れる回折
ピークの積分強度が、それぞれ、In2 3 相の(22
2)面の回折ピークの積分強度の0.1%以上、好ましく
は0.3%以上であることも重要である。即ち、この積分
強度比が0.1%未満の場合には、完全に結晶化していな
い熱的に不安定な化合物の相が少ないために、ITO膜
の形成に際し、焼結体から放出されるクラスターが減少
し、このために結晶質のITO膜を形成することが困難
となる。
【0009】本発明のITO焼結体は、上述した特有の
回折ピークを有する化合物相を有していることを除け
ば、その組成は、従来公知のITO焼結体と同様であ
り、一般に錫の平均組成が3〜15重量%であり、イン
ジウムの平均組成が60〜80重量%の範囲にある。
【0010】上述した本発明のITO焼結体は、以下に
述べる方法によって製造される。先ず、平均粒径が0.1
ミクロン以下の酸化インジウム粉末と、平均粒径が0.1
ミクロン以下の酸化錫粉末とを、目的とするITO焼結
体の組成に応じて配合し、必要に応じて適当量のパラフ
ィンワックスを添加した後、湿式ボールミルで混合す
る。この混合は、酸化錫粉末を微細に均一分散させるた
めに、通常、24時間以上行なうことが望ましい。
【0011】次いで、上記混合粉末を、900〜120
0℃の温度において、大気中等の酸素雰囲気下で熱処理
を行なうことにより、In2 3表面に微量のSn原子
を拡散させる。この熱処理温度においては、SnO2
安定であり、例えば従来の焼結体における中間の化合物
相の生成が抑制されるのである。また酸素雰囲気下で熱
処理を行なうことにより、還元による錫の飛散を防止す
ることができる。このような熱処理は、通常、24時間
以上行なうことが好適である。
【0012】さらに熱処理後の粉末を用いてプレス成形
を行ない、1350〜1450℃の温度で焼結を行なう
ことにより、前述した特有の回折ピークを有する相が形
成されている本発明のITO焼結体が得られる。プレス
成形は、それ自体公知の方法で行なうことができ、例え
ば、適当な金型を用いて、1ton/cm2 以上の圧力で行な
われる。また焼結時間は、温度によっても異なるが、一
般に5時間以下、特に1〜3時間とすることが好適であ
る。
【0013】
【実施例】実施例1 ベット法によって測定した平均粒子径が0.07ミクロン
のIn2 3 粉末と、同じく平均粒子径が0.09ミクロ
ンのSnO2 粉末とを、SnO2 が10重量%となるよ
うに配合し、これにバインダーとして1重量%のパラフ
ィンワックスを添加し、ボールミル中で40時間、混合
・粉砕を行なった。この粉末について、酸素中、100
0℃にて48時間の熱処理を行なった後に、再度ボール
ミルにて混合・粉砕を20時間行なった。この粉末を乾
燥した後、1ton/cm2 の圧力でプレス成形を行ない、7
5mm径、5mm厚の円板状の成形体を得た。この成形体に
ついて、1400℃の温度で3時間焼結を行ない、IT
O焼結体を得た。
【0014】得られた焼結体の断面を研磨した後、X線
回折を行ない、従来のITO焼結体では認められなかっ
た2つの回折ピークの面間隔およびIn2 3 相の(2
22)面の回折ピークに対する積分強度比を求めた。そ
の結果、各ピークの面間隔は2.87Åおよび3.06Åで
あり、各ピークの積分強度は、In2 3 相の(22
2)面の回折ピークに対する積分強度の0.5%および0.
4%であった。尚、面間隔(d)は、半値幅の中点から
求めた回折角度(2θ)から下記式によって算出した。 d=(λ/2)sin-1(θ) 但し、λはX線の波長である。
【0015】上記焼結体をターゲットとして用い、DC
マグネトロンスパッタにより、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム上に1000Åの厚さに成膜し
た。スパッタリング条件は、スパッタガスが容量比でA
r:O2 =99:1、スパッタ圧0.5Pa、スパッタ出
力200W、ターゲット基板間距離60mmとした。また
基板温度を200℃および100℃としてスパッタリン
グは行なわれた。得られた膜の比抵抗を四探針法により
測定した。結果を第1表に示す。
【0016】比較例1平均粒子径が0.5ミクロンのIn
2 3 粉末と、同じく平均粒子径が1ミクロンのSnO
2 粉末とを、SnO2 が10重量%となるように配合
し、これにバインダーとして1重量%のポリビニルアル
コールを添加し、湿式ボールミル混合を24時間行な
い、乾燥および造粒を行なった。この粉末を用い、2to
n/cm2の圧力でプレス成形を行ない、77mm径、5mm厚
の円板状の成形体を得た。この成形体について、140
0℃の温度で5時間焼結を行ない、ITO焼結体を得
た。得られた焼結体についてX線回折を行なったとこ
ろ、In2 3 相のピーク、少量のSnO2 のピーク、
および中間化合物相 (In0.6 0.4)2 3 のピークの
みが観察され、面間隔が2.86〜2.89Åおよび3.05
〜3.08Åの回折面を持つ相は認められなかった。この
焼結体をスパッタリング用ターゲットとして用い、実施
例1と同様にしてスパッタリングによる成膜試験を行な
い、膜特性の評価を行なった。結果を第1表に示す。
【0017】第1表
【0018】
【発明の効果】本発明のITO焼結体は、基板温度が低
い条件、例えば200℃以下であっても、スパッタリン
グにより比抵抗値が低いITO膜を形成することができ
る。従って本発明のITO焼結体は、プラスチック基板
へのITO膜の形成にも有効に使用することができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−160047(JP,A) 特開 平4−77344(JP,A) 特開 平4−104936(JP,A) 特開 平3−126655(JP,A) 特開 昭62−21751(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/00 C23C 14/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的にインジウム、錫および酸素から成
    るITO焼結体であって、X線回折により面間隔が2.8
    6〜2.89Åおよび3.05〜3.08Åである回折面を持
    つ相が形成されており、且つこれら回折ピークの積分強
    度が、それぞれIn2 3 相の(222)面の回折ピー
    クの積分強度の0.1%以上であることを特徴とするIT
    O焼結体。
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