JP2977287B2 - 熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面に均一かつ微細な突
起を形成した熱可塑性樹脂フィルムとその製造方法に関
するものであり、更に詳しくは特に滑り性に優れた磁気
記録用などのポリエステルフィルムとその製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】熱可塑性樹脂フィルム特にポリエステルフ
ィルムは、その優れた機械的、電気的性質の故に磁気テ
ープ用、電気用、包装用等に広範囲で使用されている。
特に磁気記録媒体用途に関しては近年の高記録密度化、
高品質化、長時間化、コンパクト化に伴い電磁変換特性
を向上する努力が払われ、ベースフィルム表面も平滑な
ものとしなければならない。
【0003】この電磁変換特性の面から考えるとフィル
ム表面に突起のない全く平滑な鏡面からなるベースフィ
ルムが好ましいが、そのようなフィルムは滑り性、テー
プの走行性および巻特性等の作業性が不良である。一般
にフィルムの滑り性および巻特性等の作業性改良にはフ
ィルム表面に凹凸を付与することにより、フィルムやロ
ール等との間の摩擦や接触面積を減少せしめる方法が採
用されており、この表面凹凸を形成させる方法として、
従来より二酸化チタン、炭酸カルシウム、タルク、カオ
リン、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、二酸化硅素、
その他各種の不活性な無機化合物粒子等のいわゆる滑剤
をフィルム用合成樹脂中に分散させる方法や上記の滑剤
をフィルムの表面に塗布する方法、また特にポリエステ
ルフィルムの場合、上記以外の滑剤として、ポリエステ
ル製造時の原料の1種であるテレフタル酸とカルシウ
ム、リチウム等の金属からなる塩による粒子を生成させ
るいわゆる内部粒子法等多くの提案がなされている。
【0004】しかしながら、これら従来技術において
は、これらの粒子で形成されるフィルム表面突起はその
大きさが大きい程滑り性の改良効果が大であるのが一般
的であるが、磁気テープ等表面滑性が強く要求される用
途には、その粒子が大きいこと自体がドロップアウト等
の欠点発生の原因となり、電磁変換特性が著しく悪化す
るという欠点があった。そのためフィルム表面の凹凸を
できるだけ微細化し、かつ均一化する必要がある。
【0005】従来の微細化した一次粒子をポリエステル
の製造過程に添加する方法では、粒子添加の後粒子の一
部が凝集し、粒子径に広い分布を生じ、これによってで
きたフィルム表面の凹凸は微細なものと比較的大きなも
のが混在するという欠点があった。また、不活性の無機
粒子を製膜過程でフィルム表面に塗る方法も同様に、塗
布後乾燥の過程で粒子の一部がバインダーの中で凝集
し、これによってできたフィルム表面の凹凸は不均一で
微細なものと比較的大きなものが混在する欠点が避けら
れなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はフィルムの表
面に凹凸を形成せしめる手法における前記従来の欠点、
即ち粒子の凝集により生じるフィルム表面の不均一かつ
粗大な突起に起因する問題点を解消し、微細で均一な突
起による滑り性に優れたフィルムを提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決することを目的として、種々研究の結果、コロイド状
無機粒子とコロイド状有機高分子からなる複合粒子の分
散液を使用することにより、均一かつ微細な突起状の表
面状態を持つ熱可塑性樹脂を提供することを見出し、そ
の知見に基づいてさらに検討を加えて本発明を完成し
た。
【0008】即ち、本発明は熱可塑性樹脂フィルムの少
なくとも片面にコロイド状無機粒子とコロイド状有機高
分子からなる複合粒子からなる均一かつ微細な突起を形
成した熱可塑性樹脂フィルムおよびその製造方法であ
り、さらにその微細な突起の高さが0.2μm未満が3
0,000個/mm2 以上であり、0.2μm以上が1,000 個
/mm2 以下である表面粒子の熱可塑性樹脂フィルム、前
記コロイド状無機粒子の平均粒径が0.001 〜5μm、コ
ロイド状有機高分子の平均粒径が0.001 〜1μmからな
る複合粒子の分散液をフィルム表面に被覆することを特
徴とする熱可塑性樹脂フィルムの製造方法および前記複
合粒子の分散液を被覆、乾燥した後、少なくとも一軸方
向に延伸処理することを特徴とする熱可塑性樹脂フィル
ムの製造方法である。
【0009】本発明によって得られる目的の熱可塑性樹
脂フィルムは、少なくとも片面にコロイド状無機粒子と
コロイド状有機高分子粒子の複合粒子から得られた均一
かつ微細な突起を有するものである。さらにその微細な
突起はその高さが0.2μm未満の突起数が30,000個/
mm2 以上で、0.2μm以上の突起数が1,000 個/mm2
以下であることが望ましい。0.2μm以上の突起数を
1,000 個/mm2 以上とした場合、滑り性、テープにした
時の走行性および巻特性等の作業性の改善に関しては好
ましい方向であるが、特に磁気テープに求められている
電磁変換特性を満足することは困難となる。
【0010】また、0.2μm以上の突起数を1,000 個
/mm2 以下とし、0.2μm未満の突起が30,000個/mm
2未満とした場合、電磁変換特性に関しては好ましい方
向であるが、滑り性、テープの走行性および巻特性等の
作業性が悪くなり好ましくない。
【0011】上記の0.2μm未満の突起の下限は0.00
5μm位で、より好ましくは0.01μmであり、0.2μ
m以上の上限は1μm位で、より好ましくは0.5μm
である。また、0.2μm未満の突起数はmm2当たり3
万〜1,000 万個、さらに10万個以上のものが好まし
い。0.2μm以上の突起数は1,000 個以下さらに10
0個以下のものがより好ましい。なお、これらの突起の
高さ、密度は延伸した最終製品について、解析装置を用
いて測定した数値である。
【0012】本発明における原料の熱可塑性樹脂とは、
その組成物は特に限定されるものではなく、公知のもの
が適宜使用できるが好ましくはポリエステル系、ポリオ
レフィン系、ポリアミド系、セルロース誘導体、ビニル
系等から選ばれる。さらに好ましくは機械的、熱的安定
性からポリエステル樹脂がよい。
【0013】さらにポリエステル樹脂としてはポリエチ
レンテレフタレート、ポリアルキレンナフタレート等の
結晶性ポリエステルであり、とりわけポリエチレンテレ
フタレートが適しており、なかんずくその繰り返し単位
の80モル%以上がエチレンテレフタレートからなるも
のであり、他の共重合成分としてはイソフタル酸、p−
β−オキシエトキシ安息香酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4’−ジカルボキシルジフェニール、
4,4’−ジカルボキシルベンゾフェノン、ビス(4−
カルボキシルフェニール)エタン、アジピン酸、セバシ
ン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シクロヘキ
サン1,4−ジカルボン酸等のジカルボン酸成分、プロ
ピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール、ビスフェノールのエチレンオキサイド付加物、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール等のグリコール成分、p
−オキシ安息香酸などのオキシカルボン酸成分等を任意
に選択使用することができる。この他共重合成分として
少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテル結合、カー
ボネート結合等を含有する化合物を含んでいてもよい。
【0014】該ポリエステルの製造法としては、芳香族
ジカルボン酸とグリコールとを直接反応させるいわゆる
直接重合法、芳香族ジカルボン酸のジメチルエステルと
グリコールとをエステル交換反応させるいわゆるエステ
ル交換法など任意の製造法を適用することができる。そ
のフィルムの厚さは3〜200μmのものが一般的に使
用される。
【0015】本発明にいうコロイドとは球状粒子が比較
的安定な分散状態を取っている懸濁質および懸垂液の状
態をさす。
【0016】本発明のコロイド状無機粒子としては、シ
リカ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、カオリン、クレー、ゼオライト、タルク、合成珪酸
アルミニウム、合成珪酸カルシウム、水酸化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウ
ム、球状ガラス微細粒子、その他各種の無機系粒子の中
から適宜選ばれる。これらはいずれを用いてもよいが、
滑り性、複合コロイド粒子の作りやすさにおいて特に好
ましいのはシリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム等で
ある。
【0017】その粒径は0.001〜5μmのものが好
ましく、より好ましくは0.005〜0.2μmであ
る。0.001μm以下の粒径のものは滑り性が悪く所
期の効果が得られない。また5μ以上では突起が粗大と
なり表面平滑性が要求される高級磁気記録用途には好ま
しくない。
【0018】またコロイド状有機高分子粒子としては、
加熱により造膜機能を持つ有機高分子化合物であれば特
に限定されないが、エステル系、ビニル系、アクリル
系、スチレン系、アルキッド系、ウレタン系、ビニリデ
ン系、ジエン系、オレフィン系共重合体、アミド系、エ
ポキシ系、アミノ系樹脂、その他の付加縮合型、ポリ縮
合型等の縮合系および不飽和重合型、開環重合型等重合
系等の各種合成樹脂類、ゴム系樹脂、タンパク質系樹脂
等の半合成及び天然系樹脂などや、その共重合体が挙げ
られるが、好ましくは造膜温度が50℃以下で基材コロ
イド状無機粒子と接着性の良いものとして、エステル
系、ビニル系、アクリル系、スチレン系などから1種以
上もしくは2種以上の高分子化合物から選ばれる。更に
コロイド状粒子の得やすさや、核となるコロイド状無機
粒子表面への被着しやすさ、安定性等の点から、アクリ
ル系、スチレン系その他の不飽和単量体より得られた重
合体が特に好ましい。
【0019】その粒径は0.001〜1μmのものを用
いるのが好ましく、より好ましくは0.005〜0.5
μmである。0.001μm以下ではコロイド状無機粒
子の保護作用に乏しく造膜時にコロイド状無機粒子の一
部が二次凝集してしまうので好ましくない。また1μm
以上では複合粒子として存在するのが困難であり、コロ
イド状無機粒子表面よりコロイド状有機高分子粒子が脱
離してしまい好ましくない。
【0020】またコロイド状無機粒子とコロイド状有機
高分子粒子の粒径の相対的な関係は特に限定はされない
が、コロイド状有機高分子粒子の粒径は核となるコロイ
ド状無機粒子の粒径より小さいことが好ましい。このよ
うな複合粒子を得る方法としては例えばコロイド状無機
粒子が存在する系で重合性単量体を乳化重合せしめ、コ
ロイド状無機粒子表面に重合体粒子を生成しつつ被着さ
せる方法や、単独系でコロイド粒子状に重合せしめた重
合体粒子とコロイド状無機粒子を接触させ、その相互の
表面電荷の引力によってコロイド状無機粒子表面に重合
体粒子を被着せしめる方法など各種の公知方法を用い得
るが本発明はこれらの方法によって限定されるものでは
ない。
【0021】またこれら複合粒子コロイドの媒体として
は、水、アルコール、多価アルコールその他の有機溶媒
等任意のものを用い得るが、水またはアルコール類グリ
コール類またはその混合液等が生産性、安定性等の点で
好ましい。
【0022】本発明においては、前記の無機粒子と有機
高分子との使用割合(重量部)は一般に1対2〜10
0、好ましくは1対5〜20である。またコロイド状無
機粒子をコロイド状有機高分子粒子で被着して得られる
複合粒子の粒径は0.005〜10μmであり、特に
0.01〜0.1μmのものが好ましい。かくしてコロ
イド状無機粒子を核とし、コロイド状有機高分子がその
表面に被着した安定な複合粒子の分散液が得られる。こ
の複合粒子の分散液は塗布または噴霧、浸漬等の方法に
よってフィルム表面に被覆される。
【0023】本発明における複合粒子分散液の被覆方法
は通常の方法によって行うことが可能であるが、特に熱
可塑性樹脂が溶融押出しされた後の未延伸フィルム、あ
るいは、縦または横方向へ一軸に延伸された後のフィル
ムに塗布を行い、次いで一軸または二軸方向に延伸を行
った後熱処理を行うことにより二軸配向されたコートフ
ィルムを得る方法がコート被膜の密着性、透明性および
経済性の見地から好ましい。特に塗膜の乾燥性、作業性
等を考慮した場合、縦方向に一軸延伸された後被覆し、
更に横方向に延伸することにより二軸配向フィルムを得
る方法が特に好ましい。被覆されるべき面および被覆量
は得られるフィルムの目的、用途によって異なるが、片
面塗布または両面塗布のいずれも可能である。その塗布
量(乾燥重量部)は二軸延伸後のフィルム上に存在する
量として通常0.005〜5g/m2 が好ましく、0.
01〜2g/m2 が特に好ましい。塗布量が0.005
g未満の場合は所期の効果が得られず5g/m2 を越え
るとブロッキング等の弊害を生じやすいと共に、均一微
細突起を有する薄膜が形成されにくい。
【0024】また上記複合粒子分散液を塗布する前に、
ポリエステルフィルムにコロナ放電処理を施すことによ
って、複合粒子分散液の塗布性がよくなり、かつポリエ
ステルフィルムとコロイド状有機高分子粒子の造膜物と
の間の接着強度が改善される。またコート後あるいは二
軸延伸後の塗布層にコロナ放電処理、紫外線照射処理、
電子線照射処理、プラズマ処理などを施すことによって
フィルム表面の濡れ性や接着性を向上させることができ
る。
【0025】本発明によって得られるフィルム表面の均
一な微細突起は、その目的によって用いられる複合粒子
の核及び被覆粒子の種類や粒径およびそれぞれの比率、
被覆量等によって様々であるが、たとえば高密度磁気記
録用ベースフィルム用として用いる場合は0.05μm
〜0.1μm程度の高さの突起をmm2 当たり3×10
4 〜105 程度の密度となる様に複合粒子組成を選ぶこ
とが好ましい。この様な突起高さや突起密度を得るに
は、例えば0.05μmの球状コロイド状無機粒子を核
とし該表面に0.005〜0.01μmの粒径のコロイ
ド状有機高分子粒子が被着された複合粒子が特に好まし
い。
【0026】また本発明の特徴は無機コロイド粒子に被
着したコロイド状有機高分子粒子が被覆後の加熱時に造
膜し凝集のない無機粒子を均一に固着するものである
が、本発明の目的を阻害しないかぎりこれ以外の通常の
バインダー樹脂または単体の不活性粒子の併用を排除す
るものではない。
【0027】
【実施例】実施例1 (1)塗布用分散液の調製 粒径0.08μのコロイダルシリカ(固形分5部)の表
面に、粒径0.01μのスチレンアクリル共重合体コロ
イド粒子(固形分40部)を付着させた複合粒子45部
をイオン交換水55部に分散させた。これをさらに水5
0部、イソプロピルアルコール50部の溶液で4.5倍
に希釈し、均一になるまでよく攪拌し塗布液とした。
【0028】(2)コートフィルムの製造 その内部にほとんど粒子状物資を含まないポリエチレン
テレフタレートを280〜300℃で溶融押出し、15
℃の冷却ロールで冷却し厚さ約120μの未延伸フィル
ムを得た。この未延伸フィルムを周速の異なる85℃の
一対のロール間で縦方向に3.5倍延伸した。次いで前
記の塗布液をロールコーター方式で塗布し、70℃の熱
風で乾燥し、次いでテンターで98℃で横方向に3.5
倍延伸し、さらに200〜210℃で熱固定し厚さ10
μの二軸延伸コーティングポリエステルフィルムを得
た。コート剤の固型分塗布量は0.09g/m2 であっ
た。
【0029】実施例2 コロイド状無機粒子を粒径0.03μのコロイダルシリ
カに変更した複合粒子を用いる以外は実施例1とまった
く同様の方法で二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0030】実施例3 コロイド状無機粒子の粒径が0.2μのコロイダル酸化
チタン粒子に、またスチレンアクリル共重合体の粒径を
0.05μに変更した複合粒子を用いる以外は実施例1
と全く同様の方法で二軸延伸コーティングポリエステル
フィルムを得た。
【0031】実施例4 コロイド状有機高分子粒子を粒径0.01μのポリエス
テル系共重合体に変更した複合粒子を用いる以外は実施
例1と全く同様な方法で二軸延伸コーティングポリエス
テルフィルムを得た。
【0032】比較例1 コロイド状無機粒子が粒径7μのコロイダルシリカに、
また有機高分子コロイドが1μのスチレンアクリル共重
合体よりなる複合粒子に変更する以外は実施例1と全く
同様の方法で二軸延伸コーティングポリエステルフィル
ムを得た。
【0033】比較例2 用いるコロイド粒子が複合粒子コロイドでなく、単体の
シリカであり、その粒径が0.08μである以外は実施
例1と全く同様の方法で二軸延伸コーティングポリエス
テルフィルムを得た。
【0034】比較例3 コロイド状有機高分子粒子が粒径2μのスチレンアクリ
ル共重合体より成る複合粒子に変更する以外は実施例1
と全く同様な方法で二軸延伸コーティングポリエステル
フィルムを得た。
【0035】比較例4 コロイド状無機粒子が0.08μのコロイダルシリカ
と、コロイド状有機高分子粒子が0.01μのアクリル
系共重合体エマルジョンバインダーの複合粒子を生成し
ない系での混合物である以外は実施例1と全く同様の方
法で二軸延伸コーティングポリエステルフィルムを得
た。
【0036】比較例5 用いるコロイド粒子が複合粒子コロイドでなく、粒径1
μのアクリル系共重合体コロイドからなる以外は実施例
1と全く同様の方法で二軸延伸コーティングポリエステ
ルフィルムを得た。以上各例で得られたフィルムの評価
結果を表1にまとめた。
【0037】
【表1】
【0038】表中、摩擦係数はASTM−1894に準
じ、東洋精機社製テンシロンを使用し、塗布面と未塗布
面とを合わせて測定した値である。また平均粗さと突起
高さ、突起密度は小坂研究所製非接触3次元粗さ解析装
置を用いて測定した。また塗工面状態の判定は、得られ
たコーティングフィルム表面を目視判定および微分干渉
顕微鏡写真撮影により行い、次の様にランク分けした
(表2)。
【0039】
【表2】
【0040】以上の実施例から明らかなごとく、本発明
の方法によって得られたフィルムはいずれも滑り性に優
れ、塗工面の粗大突起が少ないことがわかる。また添加
すべき複合粒子中の無機粒子の粒径が大きすぎると粗大
突起が多くなること(比較例1)、添加すべき複合粒子
中の有機高分子粒子が大きすぎると所期の特性が得られ
ないことがわかる(比較例3)。用いられる粒子が複合
粒子でなく各粒子の単分散溶液の場合、粗大突起の数が
多くなり、所期の特性が得られない(比較例4)ことが
わかる。
【0041】
【発明の効果】以上述べたとおり、本発明はコロイド状
無機粒子とコロイド状有機高分子からなる微細な複合粒
子の分散液を採用することにより、フィルム表面に均一
かつ微細な突起を形成したもので従来法の如き欠点を解
消し、単体のコロイド状無機粒子に比べて系の中に安定
に存在し、各工程で無機粒子の凝集や粗大粒子化がな
く、微細で均一な突起状表面を有するため優れた滑り
性、走行性、巻特性があり、かつ電磁変換特性にも優れ
た効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08L 67:00 (72)発明者 松山 雄二郎 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (72)発明者 久世 勝朗 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋 紡績株式会社 総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−194029(JP,A) 特開 平1−98634(JP,A) 特開 平3−240535(JP,A) 特開 平4−1237(JP,A) 特開 平4−151231(JP,A) 特開 平4−180959(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08J 5/16 - 5/18 B29C 55/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
    にコロイド状無機粒子とコロイド状有機高分子の複合粒
    子からなる均一な微細突起を形成した熱可塑性樹脂フィ
    ルム。
  2. 【請求項2】 フィルム上の微細突起の高さが0.2μ
    m未満の突起が30,000個/mm2 以上で、0.2μm以上
    の突起が1,000個/mm2 以下である請求項1の熱可塑性
    樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂フィルムの少なくとも片面
    を、平均粒径0.001 〜5μmのコロイド状無機粒子表面
    が平均粒径0.001 〜1μmのコロイド状有機高分子で被
    着された複合粒子の分散液で被覆し、表面に均一な微細
    突起を形成せしめることを特徴とする熱可塑性樹脂フィ
    ルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 複合粒子の分散液を被覆、乾燥した後、
    少なくとも一軸方向に延伸処理することを特徴とする請
    求項3の熱可塑性樹脂フィルムの製造方法。
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