JP2975923B1 - 回転継手装置 - Google Patents

回転継手装置

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JP2975923B1 JP10140933A JP14093398A JP2975923B1 JP 2975923 B1 JP2975923 B1 JP 2975923B1 JP 10140933 A JP10140933 A JP 10140933A JP 14093398 A JP14093398 A JP 14093398A JP 2975923 B1 JP2975923 B1 JP 2975923B1
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Abstract

【要約】 【課題】耐圧性及び耐久性を確保することができるとと
もに、小型化が可能な回転継手装置Aを提供する。 【解決手段】ハウジング2と回転体3との間の隙間を、
ダブルメカニカルシール4によって密封した。一対の回
転密封環41を一対の静止密封環42で挟み、一対の回
転密封環41の相互間に、当該回転密封環41と回転体
3とが相対回転するのを阻止するストッパーリング44
を設けた。このストッパーリング44と各回転密封環4
1との間に、各回転密封環41を静止密封環42側に押
圧付勢するスプリング43を介在した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、流体配管用の回
転継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記回転継手装置は、例えばCMP(Ch
emical Mechanical Polishing )法を用いたシリコンウ
エハの表面研磨装置に装備されている。この表面研磨装
置は、図3に示すように、回転テーブル101上にセッ
トしたシリコンウエハ102の表面に、研磨パッド10
3を接触させ、両者間にポンプ104から吐出したスラ
リ流体としての研磨液を噴出させつつ、研磨パッド10
3を回転及び水平進退させることにより、シリコンウエ
ハ102の表面を研磨するものである。この種の表面研
磨装置において、回転テーブル101の回転軸105に
は、研磨が完了した後にシリコンウエハ102及び回転
テーブル101に洗浄液や乾燥用の圧縮空気等を供給す
るための流体供給路106と、シリコンウエハ102等
に供給した洗浄液を回収するための流体回収路107と
が設けられており、上記流体供給路106は、回転継手
装置108を介して流体供給用のポンプP10に接続さ
れ、上記流体回収路107は、上記回転継手装置108
を介して流体回収用のポンプP20に接続されている。
【0003】上記回転継手装置108は、図4に示すよ
うに、中空のハウジング109の内部に回転体110が
回転自在に保持されているものであり、上記ハウジング
109には、流体供給用のポンプP10に連通する第1
の流体流通口109aと、流体回収用のポンプP20に
連通する第2の流体流通口109bとが設けられてお
り、回転体110の内部には、上記第1の流体流通口1
09aと回転軸105の流体供給路106とを連通させ
る第1の流体通路111と、上記第2の流体流通口10
9bと回転軸105の流体回収路107とを連通させる
第2の流体通路112とが設けられている。また、上記
ハウジング109と回転体110との間の隙間は、Oリ
ング113によって密封されている。ところが、上記回
転継手装置108は、回転体110との摺接によってO
リング113が摩耗し易く、耐久性に劣るという問題が
あった。また、上記Oリング113による密封では耐圧
性を確保し難いので、高圧の流体を使用することができ
ないという問題もあった。
【0004】このような問題点を解決するために、上記
ハウジング109と回転体110との間の隙間を、ダブ
ルメカニカルシールによって密封した回転継手装置も提
供されている。この回転継手装置は、図5に示すよう
に、回転体110の下端部側に第1の回転密封環121
を軸方向へ移動可能に取付け、この第1の回転密封環1
21に対向させた状態で、第1の静止密封環122をハ
ウジング109に固定し、上記第1の回転密封環121
を、第1のコイルスプリング123によって押圧付勢し
て第1の静止密封環122に密着させている。また、回
転体110の上端部側に第2の回転密封環124を固定
し、この第2の回転密封環124に対向させた状態で、
第2の静止密封環125をハウジング109に軸方向へ
移動可能に取付け、この第2の静止密封環125を、第
2のコイルスプリング126によって押圧付勢して、第
2の回転密封環124に密着させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記回転継手
装置は、第1の回転密封環121の下端部側に第1のコ
イルスプリング123を配置し、両静止密封環122,
125の相互間に第2のコイルスプリングを配置してい
る構造上、ハウジング109及び回転体110の軸方向
の長さを長くする必要があり、装置が大型化するという
問題があった。この発明は、上記問題点に鑑みてなされ
たものであり、耐圧性及び耐久性を確保することができ
るとともに、小型化が可能な回転継手装置を提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
のこの発明の回転継手装置は、流体流通口が設けられた
中空のハウジングと、上記流体流通口に連通される流体
通路を有し、上記ハウジングの中空内部に回転自在に保
持された回転体と上記ハウジングと回転体との間の隙
間を密封し、上記ハウジングの内面との間に密閉空間を
形成するダブルメカニカルシールとを備える回転継手装
置において、上記ダブルメカニカルシールが、軸方向に
互いに離して、かつ、直接の取付部位に対して軸方向へ
の移動が許容された状態で上記回転体に取付けられ、密
封部に対する背面側が上記密閉空間に連通した一対の回
転密封環と、この一対の回転密封環を挟んだ状態で上記
ハウジングに保持された一対の静止密封環と、上記一対
の回転密封環の相互間に隙間を設けて介在し、当該回転
密封環と回転体とが相対回転するのを阻止するととも
に、上記流体流通口と流体通路とを連通させる連通孔を
有するストッパーリングと、このストッパーリングと各
回転密封環との間の隙間に介在し、各回転密封環を付勢
して対応する静止密封環に密着させるスプリングとを備
えることを特徴とする(請求項1)。
【0007】上記の構成の回転継手装置によれば、一対
の回転密封環の相互間にストッパーリングを介在し、こ
のストッパーリングと各回転密封環との間に、各回転密
封環を付勢するスプリングを介在したものであるので、
ダブルメカニカルシールの全長を短くすることができ
る。このため、ハウジング及び回転体の軸方向長さを短
くすることができる。また、メカニカルシールによる密
封構造であるので、耐圧性及び耐久性を確保することが
できる。
【0008】上記回転継手装置において、上記スプリン
グは、板ばねであるのが好ましく(請求項2)、この場
合には、所望の弾性付勢力を確保しつつ、スプリングの
軸方向長さを短くすることができる。このため、ハウジ
ング及び回転体の軸方向長さをより一層短くすることが
できる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明する。図2はこの発明
の回転継手装置を適用したCMP法によるシリコンウエ
ハの表面研磨装置1を示す概略図である。上記表面研磨
装置1は、垂直軸回りに回転駆動される回転軸10と、
この回転軸10と一体回転する回転テーブル11と、水
平方向に進退駆動される昇降可能なパッド支持体12
と、このパッド支持体12に支持された状態で回転駆動
される研磨パッド13とによって主要部が構成されてい
る。上記パッド支持体12及び研磨パッド13には、こ
れらを貫通してパッド部13aの下面に開口するスラリ
流体給排路15が設けられており、このスラリ流体給排
路15の静止側(パッド支持体12側)と、回転側(研
磨パッド13側)とは、回転継手14によって回転自在
に接続されている。また、上記スラリ流体給排路15の
一端部には、タンクTに貯蔵されたスラリ流体としての
研磨液をシリコンウエハWに供給したり、スラリ流体給
排路15に残留する研磨液をタンクTに回収したりする
ためのポンプP1が接続されている。
【0010】上記回転軸10には、研磨完了後において
シリコンウエハW及び回転テーブル11に純水、温水等
の洗浄液や乾燥用の圧縮空気等を供給するための回転側
流体供給路16と、シリコンウエハW等に供給した洗浄
液を回収するための回転側流体回収路17とが設けられ
ている。上記回転側流体供給路16は、回転軸10の下
端部に設けられたこの発明の回転継手装置A及び静止側
流体供給路18を介して流体供給用のポンプP2に接続
され、回転側流体回収路17は、上記回転継手装置A及
び静止側流体回収路19を介して流体回収用のポンプP
3に接続されている。
【0011】図1も参照して、上記回転継手装置Aは、
フレームFに取付けらたハウジング2と、このハウジン
グ2の中空内部に回転自在に保持された回転体3と、ハ
ウジング2と回転体3との間の隙間を密封するダブルメ
カニカルシール4とによって主要部が構成されている。
上記ハウジング2は、底板20及び第1,第2の環状部
材21,22を上下方向に直列に連結することにより構
成された有底筒状のものであり、上記底板20の中心部
には、静止側流体供給路18を通して供給される流体を
ハウジング2の内部に供給するための第1の流体流通口
23が貫通形成されている。また、第1の環状部材21
には、ハウジング2の内部から上記静止側流体回収路1
9に流体を導くための第2の流体流通口24が径方向に
貫通形成されている。
【0012】回転体3は、第1の筒体31の内部に第2
の筒体32を所定隙間を設けて挿通させた中空二重構造
のものであり、上記第1の筒体31の外周には、スリー
ブ31a,31bが嵌合されている。この回転体3は、
スリーブ31bに嵌合された一対のベアリング5を介し
てハウジング2に回転自在に保持されているとともに、
その上端部側がハウジング2から突出しており、突出部
の端部は回転軸10に一体回転可能に接続されている。
また、上記第1の筒体31の下部側の外周とハウジング
2の内周との間には、環状の密閉空間Sが形成されてお
り、この密閉空間Sに臨ませて上記第2の流体流通口2
4が設けられている。上記第2の筒体32の下端部は、
第1の筒体31の下端部に開口しており、当該第2の筒
体32の内部は、静止側流体供給路18と回転側流体供
給路16を連通させる第1の流体通路33として構成さ
れている。また、上記第1の筒体31の下部側の周壁に
は、第1の筒体31の内部を上記隙間Sに連通させるた
めの連通孔33aが径方向に貫通形成されており、第1
の筒体31の内周と第2の筒体32の外周との間の隙間
は、上記連通孔33a、隙間S及び第2の流体流通口2
4と協働して回転側流体回収路17と静止側流体回収路
19とを連通させる第2の流体通路34として構成され
ている。
【0013】ダブルメカニカルシール4は、炭化珪素等
からなる一対の回転密封環41と、この回転密封環41
に摺接させる炭化珪素等からなる一対の静止密封環42
と、各回転密封環41を互いに離反する方向へ弾性付勢
する一対のスプリング43と、この一対のスプリング4
3の相互間に介在したストッパーリング44とを備えて
いる。両回転密封環41は、回転体3の軸方向に所定間
隔離した状態で、軸方向へ移動可能に当該回転体3の外
周に嵌合されている。また、両回転密封環41は互いに
逆向きに配置されている。すなわち、下部側の回転密封
環41は、その摺接面を回転体3の下端部方向へ向けた
状態で配置されており、上部側の回転密封環41は、そ
の摺接面を回転体3の上端部方向へ向けた状態で配置さ
れている。なお、両回転密封環41と回転体3との間の
隙間は、第1のOリング45によって密封されている。
【0014】1両静止密封環42は、両回転密封環41
を挟んだ状態で、ハウジング2の内周に固定されてい
る。これら静止密封環42は、その摺接面どうしが対向
するように互いに逆向きに配置されている。また、両静
止密封環42は、回り止めピン42aを介してハウジン
グ2に回転不能に係止されている。なお、両静止密封環
42とハウジング2の内周との間の隙間は、第2のOリ
ング46によって密封されている。両スプリング43
は、複数の皿ばね状の環状部材を交互に逆向きに接続し
た板ばねからなるものであり、各回転密封環41を互い
に離反する方向へ弾性付勢して対応する静止密封環42
に密着させている。このように、スプリング43として
板ばねを使用することにより、所望の弾性付勢力を確保
しつつ、当該スプリング43の軸方向長さ短くすること
ができる。
【0015】ストッパーリング44は、回転体3の外周
に嵌合された状態で、セットスクリュー44cにより回
転体3と相対回転するのが阻止されている。このストッ
パーリング44の一側面と他側面のそれぞれの外周側に
は、軸方向に沿って互いに逆向きに延びる係合突部44
aが、相互に位相を180°ずらした状態で形成されて
いる。両係合突部44aは、それぞれ両回転密封環41
の外周側に設けられた係合溝41aに係合されており、
これにより、回転体3と両回転密封環41とが相対回転
するのが阻止されている。また、上記ストッパーリング
44には、回転体3の周壁に設けられた連通孔33aに
連続する連通孔44bが径方向に貫通形成されている。
なお、上記ハウジング2の第2の環状部材22には、回
転密封環41と静止密封環42との摺接面を冷却する冷
却液の供給口25が径方向に貫通形成されている。
【0016】以上の構成のダブルメカニカルシール4
は、一対の回転密封環41の相互間にストッパーリング
44を介在し、このストッパーリング44と各回転密封
環41との間に、スプリング43を介在しているので、
その軸方向の全長を短くすることができる。このため、
ハウジング2及び回転体3の軸方向長さを短くすること
ができ、その分、回転継手装置Aを小型にすることがで
きる。しかも、ダブルメカニカルシール4による密封構
造であるので、Oリングによる密封構造のものよりも耐
圧性及び耐久性を確保することができる。しかも、上記
スプリング43として板ばねを使用しているので、当該
スプリング43の軸方向長さを短くすることができる。
このため、ハウジング2及び回転体3の軸方向長さをよ
り一層短くすることができ、回転継手装置Aをより効果
的に小型化することができる。
【0017】この発明の回転継手装置は、上記の実施の
形態に限定されるものでなく、例えば、スプリング43
としてコイルスプリングを使用する等、種々の設計変更
を施すことができる。また、この発明の回転継手装置
は、上記したシリコンウエハの表面研磨装置のほか、ロ
ボツト、自動塗装機、自動加工用工作機械及び自動組立
機等、回転部分に対して流体を供給する必要のある各種
機械に適用することができ、この場合には、回転体3の
内部の流体通路を一つだけ構成する場合もある。
【0018】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の回転継手
装置によれば、ダブルメカニカルシールによる密封構造
であるので、耐圧性及び耐久性を確保することができる
とともに、当該ダブルメカニカルシールの全長を短くす
ることができるので、その分、装置を小型化することが
できる。
【0019】請求項2記載の回転継手装置によれば、回
転密封環を押圧付勢するためのスプリングが、板ばねで
あるので、所望の弾性付勢力を確保しつつ、スプリング
の軸方向長さを短くすることができる。このため、回転
継手装置をより一層効果的に小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の回転継手装置の一つの実施の形態を
示す断面図である。
【図2】上記回転継手装置を適用したシリコンウエハの
表面研磨装置を示す概略図である。
【図3】従来の回転継手装置を適用したシリコンウエハ
の表面研磨装置を示す概略図である。
【図4】従来の回転継手装置を示す断面図である。
【図5】従来の回転継手装置の他の例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
2 ハウジング 23 第1の流体流通口 24 第2の流体流通口 3 回転体 4 ダブルメカニカルシール 41 回転密封環 42 静止密封環 44 ストッパーリング 44b 連通孔 43 スプリング A 回転継手装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体流通口が設けられた中空のハウジング
    と、 上記流体流通口に連通される流体通路を有し、上記ハウ
    ジングの中空内部に回転自在に保持された回転体と 上記ハウジングと回転体との間の隙間を密封し、上記ハ
    ウジングの内面との間に密閉空間を形成するダブルメカ
    ニカルシールとを備える回転継手装置において、 上記ダブルメカニカルシールが、軸方向に互いに離して、かつ、直接の取付部位に対して
    軸方向への移動が許容された状態で 上記回転体に取付け
    られ、密封部に対する背面側が上記密閉空間に連通し
    一対の回転密封環と、 この一対の回転密封環を挟んだ状態で上記ハウジングに
    保持された一対の静止密封環と、 上記一対の回転密封環の相互間に隙間を設けて介在し、
    当該回転密封環と回転体とが相対回転するのを阻止する
    とともに、上記流体流通口と流体通路とを連通させる連
    通孔を有するストッパーリングと、 このストッパーリングと各回転密封環との間の隙間に介
    在し、各回転密封環を付勢して対応する静止密封環に密
    着させるスプリングとを備えることを特徴とする回転継
    手装置。
  2. 【請求項2】上記スプリングが板ばねである請求項1記
    載の回転継手装置。
JP10140933A 1998-05-22 1998-05-22 回転継手装置 Expired - Lifetime JP2975923B1 (ja)

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