JP2974349B2 - 磁気検出装置 - Google Patents

磁気検出装置

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JP2974349B2
JP2974349B2 JP1336089A JP33608989A JP2974349B2 JP 2974349 B2 JP2974349 B2 JP 2974349B2 JP 1336089 A JP1336089 A JP 1336089A JP 33608989 A JP33608989 A JP 33608989A JP 2974349 B2 JP2974349 B2 JP 2974349B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気抵抗効果素子(以下MREと記す)の抵
抗変化を利用して被検出対象の移動,回転等の運動を検
出する磁気検出装置の改良に関する。
〔従来の技術〕
MREを利用した磁気検出装置は、その動作が確実で、
種々の耐久性が高く、さらに極めて小型に構成できる等
の理由で広い分野での制御装置の検出装置として多数利
用されている。
例えば、第8図(a)に示すように、磁性材料からな
るギア4の回転を検出するようにするものがある。ここ
で、ギア4のように磁性材料から構成された被検出対象
を磁気検出装置として検出するためには、磁気検出装置
としては、MREの他に磁界バイアス用の磁石3が必要と
なる。磁石3から発生したバイアス磁界の磁力線は、ギ
ア4の山と谷で周期的に変調され、図において、A−
A′線方向ではギア4の歯の相対位置に応じて正弦波状
に変化する。この変化をMREで検出するために、従来の
磁気検出装置は、第8図(a),(b)に示すように、
バイアス磁石3からのバイアス磁界方向に垂直な面内に
MRE1a,1b,1c,1dを形成した絶縁基板2を配置すうように
して、被検出対象(ギア4)の運動を検出している。
この様にバイアス磁界を有し、バイアス磁石からのバ
イアス磁界方向に垂直な面内にMREを配置し、磁性材料
である被検出対象の運動を検出する磁気検出装置は、磁
界角度の変化によってMREの面内に生じる磁界強度の変
化で抵抗変化を検出する。この時MREの面内に生じる磁
界強度はMREの抵抗変化を飽和させるのに十分な強度が
得られないため、この様な構成の磁気検出装置の感度や
精度は、バイアス磁石の発生するバイアス磁界の強度お
よび角度に大きく依存している。
ここで、第9図(a)〜(c)を用いて、MREの抵抗
変化の原理について説明する。なお、第9図はMRE1を形
成した絶縁基板2の面に対して垂直な面内において、ME
R1に流す電流方向I(図中の矢印方向)に対して平行お
よび垂直な面内でMRE1が飽和する磁界強度のもとで磁界
角度を変化させた時のMRE1の抵抗変化の様子を示したも
のである。同図(a)の様に、MRE1が形成された絶縁基
板2に対して垂直でかつMRE1中を流れる電流方向Iに対
して平行な面内で磁界Bの角度θを変化させると、その
抵抗変化、すなわち平行方向のMREの抵抗変化は同図
(c)において曲線Rのようになる。一方、同図
(b)の様にMRE1が形成された絶縁基板2に対して垂直
でかつMRE1中を流れる電流方向Iに対しても垂直な面内
で磁界角度θを変化させると、その抵抗変化、すなわち
垂直方向のMREの抵抗変化は同図(c)において曲線R
のようになる。
従って、第8図(a)に示すように、バイアス磁石の
中心軸上にMREが配置されている場合には、被検出対象
の動きに応じて、MREに加わる磁界角度θは90度を中心
に微小に変化することになり、第9図(c)からわかる
様に、R ,R両特性は90度近辺にて急嵯に抵抗変化す
るため、この磁界角度θの振れ角に対応して抵抗R ,R
は大きく変化し、感度よくMREの抵抗変化が検出でき
る。
そして、このMREの抵抗変化により、被検出対象の動
き(ギア4の回転状態)を検出する場合、MREの抵抗ブ
リッジを形成して、抵抗ブリッジの出力電圧をコンパレ
ータで検出するようにしたアナログ検出方式が一般に用
いられている。第11図にその回路例を示す。このもの
は、第8図(b)において、絶縁基板2面内に、ギア4
の回転に対応した磁界の角度変化方向と平行な方向に配
置されたMRE1a,1bと垂直な方向に配置されたMRE1c,1dと
を第11図に示す様にブリッジ結線し、2つのブリッジ出
力Va,Vbを電圧コンパレータ5で比較することにより、
被検出対象の運動に伴い、1,0出力を発生するものであ
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
第10図に、第8図(b)における磁界の振れ(磁界角
度θの変化)に対する各MREの抵抗変化と、その時の第1
1図に示す回路の出力、すなわち磁気検出装置の出力の
様子を示す。同図(a)は被検出対象とMREとの間のエ
アギャップが大の時で、同図(b)はエアギャップが小
の時である。なお、磁界角度θの変化に伴い、MRE1a,1b
とMRE1c,1dは同図の様に変化するが、正常な0,1出力を
得るために、平行方向のMREの抵抗変化R と垂直方向
のMREの抵抗変化Rがクロスする点A(以下単にクロ
ス点と記す)にMREは磁界がバイアスされるように、通
常MREのパターンは磁石の中心よりわずかにオフセット
をもって配置されている。
この時第10図(a)の様にエアギャップが大な時は、
被検出対象の運動に伴い、このクロス点Aを中心に磁界
角度が変化する。エアギャップが大な時はこの変化する
磁界角度は小さいため、もうひとつのクロス点Bまで到
達することはない。このため第11図に示す検出回路では
正常な0,1出力を発生し、被検出対象の運動の周波数と
同じ周波数の出力が得られ、精度よく被検出対象の運動
が検出できる。
しかしながら、エアギャップが小となると、第10図
(b)に示すように変化する磁界角度が大きくなるた
め、通常使うクロス点C以外にもうひとつのクロス点D
も使用してしまう。このため第11図に示す検出回路で
は、正常の0,1出力以外にもうひとつの0,1の誤出力を発
生してしまう。この結果、被検出対象の運動の周波数の
2倍の周波数の出力が発生してしまい、精度よく被検出
対象の運動が検出できなくなってしまう。
すなわち、MREと被検出対象との間のエアギャップの
距離によっては、磁気検出装置からの出力に誤出力が含
まれてしまうという問題がある。
例えば、被検出対象であるギアの回転をそのギアの歯
の位置によるバイアス磁界の角度変化を検出すること
で、そのギアの歯に対応して出力されるパルス数を計数
し、単位時間あたりの被検出対象の回転数を算出するよ
うにした回転速センサにおいては、バイアス磁界の角度
変化の大きさによっては前述のように出力されるパルス
数がギアの歯に対応するものでなくなってしまうため、
正確に被検出対象の回転速を算出できなくなってしま
う。
なお、磁界角度の振れが大きくならないエアギャップ
長に磁気検出装置を設置すれば良いのだが、前述のクロ
ス点は磁界角度90度に近く、またMREの抵抗変化特性は9
0度で対称であるため、余程取付位置合わせを精度良く
実現しないと誤検出を防ぐことはできず、また高精度な
取付位置合わせも取付工程時にばらつきもあり非常に困
難なものである。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、MRE
と被検出対称との間の距離に関わらず、良好に被検出対
称の運動を検出できる磁気検出装置を提供することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明においては、磁性
材料を有する被検出対象に向かう方向であるバイアス方
向に向けてバイアス磁界を発生する磁界発生手段と、 前記バイアス磁界中の所定の設置面に配置されて、前
記被検出対象の運動に応じた前記バイアス磁界の状態変
化により抵抗変化を生じる複数の磁気抵抗効果素子と を有し、前記磁気抵抗効果素子の抵抗値変化により前記
バイアス磁界の状態変化を検出するようにした磁気検出
装置において、 複数の前記磁気抵抗効果素子は、前記バイアス方向と
前記被検出対象の運動方向との2方向を有する設置面内
において、該設置面内に形成されて前記バイアス方向に
沿った中心軸に対して略線対称で且つ前記設置面内に形
成されて前記中心軸に対して所定角度で傾斜された2つ
の直線軸に沿って夫々配置され、前記バイアス磁界の変
化に対し、複数の前記磁気抵抗効果素子の抵抗値の各々
が単調増加および単調減少の何れか一方で変化するよう
にされることを特徴としている。
〔作用〕
すなわち、本発明による磁気検出装置において、磁気
抵抗効果素子の設置面は、バイアス方向と被検出対象の
運動方向との2方向を有する面であるために、被検出対
象の運動によって生じるバイアス磁界の状態変化に応じ
た磁気抵抗効果素子の抵抗変化は第3図(a),(b)
に示す様になる。
ここで、本発明では、磁気抵抗効果素子は、その配置
により、その抵抗値変化がバイアス磁界の状態変化によ
って単調増加および単調減少のうち何れか一方の変化と
なり、第3図(b)に示す抵抗変化特性の極大値,極小
値を超えて変化することはない。従って、バイアス磁界
の状態変化による磁気抵抗効果素子の抵抗変化には、上
述の抵抗変化特性の極大値,極小値を超えることによっ
て生じるバイアス磁界の状態変化によらない磁気抵抗効
果素子の抵抗変動は含まれず、該抵抗変化はバイアス磁
界の状態変化に応じて変動のないきれいな正弦波状とな
る。
〔実施例〕
以下、本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
第2図に本発明第1実施例を適用した磁気検出装置の
断面図を示す。第2図において、低熱膨張金属の内プレ
ート103(例えばコバール,ステンレス430等)は、非磁
性金属材料からなるハウジング102にロー付,溶接又は
圧入等の手段で固定されている。内プレート103には出
力ピン120が封着ガラス150で封着されている。内プレー
ト103の上にバリスタ200が図示しない低融点ガラス又は
接着剤等で接着されている。後述するようにMREを形成
した絶縁基板2は、基板ホルダ110に接着され、MREを形
成した面が内プレート103に対して垂直になるように固
定される。出力ピン120とMREとの電気的な接続はバリス
タ200を介してボンディングワイヤ180で後続する。非磁
性材料からなる外ケース101はハウジング102に圧入され
先端の外周部102aをハウジング102とレーザ溶接等の手
段で密着される。外ケース101は、あらかじめこの磁気
検出器の固定のためのブラケット160がロー付等の手段
で固定されている。170は位置決め用のピンである。そ
してMREにバイアス磁界を印加するための磁石130は内プ
レート103に対して着磁方向が垂直(第1図においてN,S
と図示した様な着磁方向)になるように内プレート103
に接着される。この時加わる磁界はMREを形成した面に
平行になる。140は電磁ノイズによる誤動作防止用のフ
ェライトビースである。磁石130とファライトビーズ140
を固定した後に、モールド樹脂材料190を流し込んで加
熱硬化させて磁気検出装置が完成される。
また、第1図に本第1実施例における絶縁基板2の上
に形成するMRE1e,1f,1g,1hの配置パターンを示す。MRE1
e,1f,1g,1hは、バイアス磁石から被検出対象4に向かう
バイアス磁界方向(バイアス方向)に沿った軸(中心
軸)に対して所定角度で傾斜された2つの直線軸が形成
され(図示せず)、その2つの直線軸に平行に、MRE1e,
1fとMRE1g,1hとが略45度に互いにその長手方向を反対方
向に傾ける配置パターン(すなわち、中心軸に対して線
対称のパターン)に形成されている。MREは、Niを主成
分とする例えばNi−Co合金あるいはNi−Fe合金から成る
強磁性磁気抵抗素子であり、蒸着等により薄膜を絶縁基
板2上に付着した後、フォトリソグラフィ技術により所
定のパターンにエッチングして感磁性膜としたものであ
る。また、MREを形成した絶縁基板2はバイアス磁石3
からのバイアス磁界方向に平行でかつ被検出対象4の運
動する方向に対して平行な面に配置されている。
次に、本実施例の作用について説明する。ここで、第
3図(a)に示すようにMRE1を形成した絶縁基板2の面
内で飽和磁界Bを図示の如く角度θで変化させた時、MR
E1の抵抗変化は同図(b)のようになる。
すなわち、第1図において、被検出対象4の山部もし
くは谷部がバイアス磁界の中心に位置した時、MRE1e,1f
はその面内でバイアス角度45度でバイアスされるのに対
してMRE1g,1hはバイアス角度135度でバイアスされる。
この時、第3図(b)から明らかな様に磁界角度45度の
点の抵抗と磁界角度135度の点の抵抗は一致する。さら
に、磁界角度45度の点では磁界角度が増大すると抵抗は
減少するが、磁界角度135度の点では磁界角度が増大す
ると反対に抵抗は増大する。
従って第1図に示す様な座標系で磁界角度θをとる
と、θ=90度の時MRE1e,1fは45度にバイアスされ、MRE1
g,1hは135度にバイアスされることになる。この時、磁
界角度θを横軸にとり、MRE1e,1f,1g,1hの抵抗変化を縦
軸にとると第4図に示す様になる。
MREと被検出対象との間のエアギャップが大の時、第
4図(a)に示すように、被検出対象の運動によって磁
界角度が変化するとクロス点Eを中心にMRE1e,1fとMRU1
g,1hの抵抗がそれぞれ増減する。第11図に示す様にMRE1
e,1f,1g,1hをブリッジ結線して検出回路を構成した場
合、回路出力は正常な0,1出力となる。なお、第11図に
おいて、MRE1e,1f,1g,1hを各々MRE1a,1b,1c,1dに対応す
るように結線すればよい。
一方、磁界角度θの変化が大きくなるエアギャップ小
の時も全く同様にMRE1e,1f,1g,1hは第4図(b)の様に
抵抗変化する。第10図(b)に示す如く従来のものでは
エアギャップ小の時に磁界角度の変化が大きくなり、ふ
たつのクロス点を使用してしまうことになって誤動作を
生じていたのに対し、本実施例では第3図(b)あるい
は第4図(a),(b)より明らかな様に、もうひとつ
のクロス点まで到達するには磁界角度の変化が±90度以
上ないと起こり得ない。通常MREにバイアスするための
磁石を有し被検出対象の運動を検出する磁気検出装置で
は前述した磁界角度の変化は、ギアのピッチ,エアギャ
ップ長にもよるが、大きくても大体±20度程度であり、
従って本実施例による磁気検出装置では従来のものにお
いて問題となったエアギャップ小の時に生じる誤検出は
防止される。
次に、本発明の他の実施例について説明する。
上記第1実施例は、第5図(a)に示す様に磁界方向
Bに対して略45度に互いに反対方向に長手方向を傾ける
配置パターンで、MRE1e,1f,1g,1hを絶縁基板上に形成す
るものであったが、第5図(b)に示す第2実施例の様
に、ひとつの磁界軸上すなわち同一磁力線上に略45度傾
けて配置するようにしてもよい。第5図(a)に示す配
置パターンでは、組となるMRE1e,1fとMRE1g,1hには正確
には同一磁界は印加されず、被検出対象の移動によって
わずかな位相差が生じることが考えられるが、第5図
(b)に示す第2実施例の配置パターンであるなら、全
てのMRE1e,1f,1g,1hに同一磁界が印加され、位相の遅れ
は生じない。
また、第5図(c)に示す第3実施例の配置パターン
のように形成してもよい。第5図(c)に示す第3実施
例はMREパターンの占有面積を小さくするためにMREを2
層構造に形成するためのものである。MRE1e,1fとMRE1g,
1hとは図示しない絶縁膜で絶縁されている。
上記種々の実施例では1つの長手方向のみを有するMR
Eで配置パターンを構成するようにしていたが、くし歯
状に形成するものであってもよい。次にくし歯状とした
実施例について説明する。
第6図(a)に第4実施例を示す。第6図(a)によ
るパターンでは、MRE1iは長辺部1ilが磁界Bに対して略
45度傾けてあり、さらに長辺部1ilは短辺部1isと直角に
配置されているが、この様なパターン配置では、MRE1i
の全抵抗R1iは実線で示す磁界Bのもとで次の様な式で
与えられる。
R1i=Rl+Rs ただし、Rlは長辺部1ilの全抵抗,Rsは短辺部1isの全
抵抗である。ここで被検出対象の運動によって実線で示
す磁界Bが点線で示すB′に変化した時のMRE1iの全抵
抗R1i′は次の様な式で与えられる。
R1i′=Rl+ΔRl+Rs−ΔRs =Rl+Rs+(ΔRl+ΔRs) ここで、ΔRl,ΔRsは共に正の値で、それぞれ磁界の
変化による長辺部1ilの全抵抗Rlと短辺部1isの全抵抗Rs
の抵抗変化分である。すなわち、長辺部1ilと短辺部1is
が直角に配置されているため、磁界変化によって長辺部
1ilと短辺部1isの抵抗変化が正負逆になり、全抵抗に対
する抵抗変化分がわずかに相殺されてしまうことが考察
されるが、第11図に示す回路からの出力精度に影響はな
い。
次に、第6図(b)に示す第5実施例のように、MRE1
jが、磁界Bに対して略45度傾けた長辺部1jlと磁界Bに
対して垂直な短辺部1jsで構成されるものであってもよ
い。このパターン配置でのMRE1jの全抵抗R1jは先程と同
様に長辺部1jlの全抵抗をRl,短辺部1jsの全抵抗をRsと
すると、磁界Bのもとでは次の様な式で与えられる。
R1j=Rl+Rs 一方、磁界B′のもとでは、長辺部1jlの全抵抗Rlは
ΔRlだけ増大するが、短部1jsの全抵抗はほとんど変化
しない。なぜなら短辺部1jsは、磁界Bでも磁界B′で
もほとんど磁界に対して垂直なうため、第3図(b)か
らわかる様に飽和しているからである。すなわち磁界
B′のもとでは全抵抗Rlj′は次の様な式で与えられ
る。
R1j′=Rl+ΔRl+Rs ここで、第6図(a)に示すパターンと比較してみる
と、従来パターンでは従来変化分が(ΔRl−ΔRs)であ
るのに対し、本実施例によるパターンではΔRlとなり、
全抵抗に対する抵抗変化分は大きくなり、検出感度を向
上させることができる。
また、第6図(c)に示す第6実施例では、MRE1kを
磁界Bに対して略45度傾けた長辺部1klと磁界Bに対し
て平行な短辺部1ksで構成される。この実施例でも第6
図(b)に示すものと同様に、短辺部1ksの抵抗は磁界
Bのもとで飽和しているため変化せず、第6図(b)で
示した実施例と同様な効果を得ることができる。なお、
第7図に、この第6実施例によるもののMRE配置例を示
す。
なお、以上述べてきた実施例では、少なくとも1対の
MREを磁界に対してそれぞれ反対方向に略45度傾けたも
のであったが、傾ける角度は45度に限定されるものでな
く、バイアス磁界の角度変化に対するMREの抵抗変化が
単調増加および単調減少のうちどちらか一方のみとなる
ようにMREが配置されていれば、磁界角度変化が2つの
クロス点を含むことはない。なお、略45度傾けた場合
が、第3図(b)からわかるように磁界角度変化に対し
て抵抗変化が最も急峻となるため、感度よく検出できる
ことになる。
また、絶縁基板2をSi基盤とし、MREをSi基板上に形
成した絶縁膜上に形成し、Si基板上に検出回路、例えば
第11図に示した電圧コンパレータ等を形成して1チップ
化してもよい。
さらに上記種々の実施例のように、第11図に示すブリ
ッジ構成にするためにMREを4本形成する以外に、例え
ば特願平1−12526号にて提案されているもののよう
に、1対のMREを使って発振回路を形成し、そのMREを有
する発振回路と基準となる他の発振回路の発振周波数を
比較して、磁気状態に応じた0,1出力を出力する回路方
式に適用してもよく、このものは広い使用周囲温度範囲
のもとで磁気状態の検出を安定に行うことができる。
また、MREを対となるように構成する必要もなく、MRE
と固定抵抗の組み合わせて対を構成して磁気状態を検出
するようにしてもよい。なお、この場合固定抵抗には磁
気状態の変化による抵抗変化がないために検出感度の低
下が考えられるが、例えば特願平1−264319号にて提案
されているパルス位相差検出回路を適用すれば、高精度
に検出することが可能となる。
〔発明の効果〕
以上詳述した如く、本発明の磁気検出装置は、バイア
ス方向と被検出対象の運動方向の2方向を有する面を磁
気抵抗効果素子の設置面とし、その設置面に、その抵抗
値変化がバイアス磁界の状態変化によって単調増加およ
び単調減少のうち何れか一方の変化となる配置で、磁気
抵抗効果素子を設置するようにしているために、磁気抵
抗効果素子と被検出対象との間のエアギャップ距離に関
係なく、良好に被検出対象の運動を検出できるという優
れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明第1実施例による磁石とMREを形成した
絶縁基板と被検出対象の配置関係を示す図、 第2図は本発明第1実施例を適用した磁気検出装置の断
面図、 第3図(a)は、MREを形成した絶縁基板面内で磁界角
度を変化させる説明図、 第3図(b)は、第3図(a)の場合の磁界角度に対す
るMREの抵抗変化の様子を示す図、 第4図(a)は、本発明第1実施例によるエアギャップ
大の時の磁界の振れに対するMREの抵抗変化と磁気検出
装置の出力の様子を示す説明図、 第4図(b)は、本発明第1実施例によるエアギャップ
小の時の磁界の振れに対するMREの抵抗変化と磁気検出
装置の出力の様子を示す説明図、 第5図(a),(b),(c)は、第2図に示す磁気検
出装置においてそれぞれ本発明第1,第2,第3実施例の絶
縁基板上のMREの配置パターンを示す図、 第6図(a),(b),(c)はそれぞれ本発明第4,第
5,第6実施例の絶縁基板上のくし歯状MREの配置パター
ンの説明に供する図、 第7図は第1図に対応する本発明第6実施例の磁石とMR
Eを形成した絶縁基板と被検出対象の配置関係を示す
図、 第8図(a),(b)はそれぞれ従来のものの磁石とMR
Eを形成した絶縁基板と被検出対象の配置の説明に供す
る正面図,斜視図、 第9図(a)はMREを形成した絶縁基板に垂直で長手方
向に平行な面内で磁界角度を変化させる説明図、 第9図(b)はMREを形成した絶縁基板に垂直で長手方
向に垂直な面内で磁界角度を変化させる説明図、 第9図(c)は、第9図(b),(c)の場合のそれぞ
れの磁界角度に対するMREの抵抗変化の様子を示す図、 第10図(a)は、第8図(a),(b)に示す従来の構
成によるエアギャップ大の時の磁界の振れに対するMRE
の抵抗変化と磁気検出装置の出力の様子を示す説明図、 第10図(b)は、第8図(a),(b)に示す従来の構
成によるエアギャップ小の時の磁界の振れに対するMRE
の抵抗変化と磁気検出装置の出力の様子を示す説明図、 第11図は、MREを使った磁気検出装置に使われる一般的
な回路構成図である。 1,1a〜1k……MRE,2……絶縁基板,3……磁石,4……被検
出対象(ギア),101……外ケース,102……ハウジング,1
03……内プレート,110……基板ホルダ,120……出力ピ
ン,130……磁石,14,……フェライトビーズ,150……封着
ガラス,160……ブラケット,170……ピン,180……ボンデ
ィングワイヤ,190……モールド樹脂,200……バリスタ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 星野 浩一 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式 会社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 中村 克己 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−1515(JP,A) 特開 平3−48720(JP,A) 実開 昭58−37567(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01P 3/00 - 3/80 G01D 5/245

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性材料を有する被検出対象に向かう方向
    であるバイアス方向に向けてバイアス磁界を発生する磁
    界発生手段と、 前記バイアス磁界中の所定の設置面に配置されて、前記
    被検出対象の運動に応じた前記バイアス磁界の状態変化
    により抵抗変化を生じる複数の磁気抵抗効果素子と を有し、前記磁気抵抗効果素子の抵抗値変化により前記
    バイアス磁界の状態変化を検出するようにした磁気検出
    装置において、 複数の前記磁気抵抗効果素子は、前記バイアス方向と前
    記被検出対象の運動方向との2方向を有する設置面内に
    おいて、該設置面内に形成されて前記バイアス方向に沿
    った中心軸に対して略線対称で且つ前記設置面内に形成
    されて前記中心軸に対して所定角度で傾斜された2つの
    直線軸に沿って夫々配置され、前記バイアス磁界の変化
    に対し、複数の前記磁気抵抗効果素子の抵抗値の各々が
    単調増加および単調減少の何れか一方で変化するように
    されることを特徴とする磁気検出装置。
  2. 【請求項2】前記バイアス磁界の変化に対し、2つの直
    線軸のうちの一方の直線軸に沿って配置された前記磁気
    抵抗効果素子の抵抗値と、他方の直線軸に沿って配置さ
    れた前記磁気抵抗効果素子の抵抗値とが反対方向に変化
    することを特徴とする請求項1記載の磁気検出装置。
  3. 【請求項3】前記磁気抵抗効果素子は、複数の長辺と短
    辺を順次折り返して接続したくし歯状に構成されるもの
    であり、 前記短辺は、その抵抗値変化が前記バイアス磁界の状態
    変化によって飽和領域にあるべく前記バイアス磁界方向
    に対して略垂直あるいは略平行に配置され、 前記長辺は、その抵抗値変化が前記バイアス磁界の状態
    変化によって単調増加および単調減少のうち何れか一方
    の変化となるように配置されていることを特徴とする請
    求項1もしくは2に記載の磁気検出装置。
  4. 【請求項4】前記設置面に形成した磁気抵抗効果素子
    は、少なくとも一対のパターンで形成され、夫々のパタ
    ーンが前記設置面の面内で、交差する角度関係を有する
    ように配置されていることを特徴とする請求項1乃至3
    の何れかに記載の磁気検出装置。
  5. 【請求項5】前記一対のパターンで形成される磁気抵抗
    効果素子の各々は、前記磁界発生手段からのバイアス磁
    界中でその同一磁力線上に配置されていることを特徴と
    する請求項4記載の磁気検出装置。
  6. 【請求項6】前記設置面内において、前記バイアス磁界
    方向に沿った中心軸と前記2つの直線軸とがなす角度は
    各々略45度であることを特徴とする請求項1乃至5の何
    れかに記載の磁気検出装置。
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