JP2973437B2 - バリフォーカルレンズを備えるカメラ - Google Patents

バリフォーカルレンズを備えるカメラ

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JP2973437B2 JP26259389A JP26259389A JP2973437B2 JP 2973437 B2 JP2973437 B2 JP 2973437B2 JP 26259389 A JP26259389 A JP 26259389A JP 26259389 A JP26259389 A JP 26259389A JP 2973437 B2 JP2973437 B2 JP 2973437B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、撮影レンズとしてバリフォーカルレンズを
備えるカメラに関するものである。
[従来の技術] 従来、ズーム時に駆動される第1のレンズと、焦点調
節時に駆動される第2のレンズとを有し、第1のレンズ
の駆動により焦点がずれるバリフォーカルレンズが知ら
れている。一般にバリフォーカルレンズは、通常のズー
ムレンズに比べると、同じズーム比ならば小型・軽量化
が可能であり、最短撮影距離を短くできる等の利点があ
る。ところが、このレンズでは、焦点距離が変化する
と、焦点がずれるので、使い勝手が良くないという欠点
がある。そこで、従来、レンズ内蔵式のカメラにおい
て、バリフォーカルレンズのズームによる焦点ずれを自
動補正することが提案されている。また、ズーム駆動中
は所定量のズームと当該ズームによる焦点ずれの補正を
交互に行うことが提案されている。しかしながら、ズー
ム操作が停止されたときにも所定量のズームを行うこと
は提案されていない。むしろ、従来の技術では、ズーム
操作が停止されたときには直ちにズーム用のレンズを停
止させ、その後、焦点調節用のレンズを合焦位置へ駆動
する方式を採用している(特開昭63−289516号公報参
照)。
[発明が解決しようとする課題] バリフォーカルレンズを備えるカメラにおいて、ズー
ムによる焦点ずれを自動補正するために、所定量のズー
ム駆動後の焦点距離を検出して、その時点での焦点距離
に対する焦点ずれ量を算出して補正を行うと、焦点ずれ
量を補正した時点でもズーム駆動が続行されている場合
には、ズーム駆動よりも焦点調節動作が遅延することに
なり、ズーム駆動中は焦点がずれた状態が続く(後追い
補正)という問題がある。また、撮影者の意志によるズ
ーム操作は、いつ停止されるか分からないので、ズーム
駆動と焦点調節動作とは必ずしも連動しない。このた
め、ズーム操作の停止時に直ちにズーム駆動を停止させ
ると、焦点調節動作がズーム駆動の停止に連動せず、焦
点がずれた状態が生じるという問題がある。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、撮影レンズとしてバリフォー
カルレンズを備えるカメラにおいて、ズームによる焦点
ずれの自動補正を行う際に、ズーム駆動に対する焦点調
節動作の遅延を防止し、焦点がずれた状態を生じにくく
することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明にあっては、上記の課題を解決するために、第
1図に示すように、ズーム用レンズLZと焦点調節用レン
ズLFを有し、ズーム用レンズLZの駆動により焦点がずれ
るバリフォーカルレンズを撮影レンズとして備えるカメ
ラにおいて、外部から操作されるズーム操作手段1と、
ズーム操作手段1の操作に応じてズーム用レンズLZを駆
動するズーム駆動手段2と、焦点調節用レンズLFを駆動
する焦点調節手段3と、撮影レンズの焦点距離を検出す
る焦点距離検出手段4と、ズーム操作手段1の操作時に
焦点距離検出手段4により検出された現在の焦点距離に
予め決められた所定量を加算又は減算してズーム駆動の
目標となる目標焦点距離を算出するズーム量算出手段5
と、ズーム量算出手段5により算出された目標焦点距離
を周期的に入力して目標焦点距離に至るときに生じる焦
点ずれ量を予測演算すると共に、演算された焦点ずれ量
を解消するように焦点調節手段を制御する第1の制御手
段6と、ズーム操作手段1の操作解除時にズーム量算出
手段5により算出された目標焦点距離までズーム用レン
ズLZを駆動するようにズーム駆動手段2を制御する第2
の制御手段7とを備えることを特徴とするものである。
ただし、第1図は本発明の構成を機能的にブロック化
して示した説明図であり、以下に述べる実施例において
は手段1〜7の全部又は一部をマイクロコンピュータの
ソフトウエアにより実現している。なお、本発明の要部
構成となるズーム量算出手段5は、以下に述べる実施例
においては、第39図の#L517,#L527に対応している。
[作用] 以下、本発明の作用を第1図により説明する。撮影レ
ンズはズーム用レンズLZと焦点調節用レンズLFを含んで
おり、ズーム用レンズLZはズーム時に駆動されて撮影レ
ンズの焦点距離を変化させ、焦点調節用レンズLFは焦点
調節時に駆動されて撮影レンズの撮影距離を変化させ
る。ズーム操作手段1は撮影者によりテレ方向又はワイ
ド方向へのズームを指示するべく外部から操作される。
ズーム駆動手段2は、ズーム操作手段1の操作に応じて
ズーム用レンズLZを駆動する。また、焦点調節手段3は
焦点調節用レンズLFを駆動する。本システムでは、ズー
ム用レンズLZの駆動により焦点がずれるので、ズームの
度に焦点調節用レンズLFを駆動して、焦点のずれを補正
する必要がある。そこで、本発明にあっては、ズーム駆
動手段2によりズーム用レンズLZを駆動して、焦点距離
を所定量ずつ変化させる毎に焦点調節手段3により焦点
調節用レンズLFを駆動して、ズーム駆動による焦点のず
れを補正している。このために、ズーム用レンズLZの位
置から撮影レンズの焦点距離を焦点距離検出手段4によ
り検出し、この検出された現在の焦点距離に予め決めら
れた所定量を加算又は減算してズーム駆動の目標となる
目標焦点距離をズーム量算出手段5により算出する。そ
して、第1の制御手段6により上記目標焦点距離を周期
的に入力して目標焦点距離に至るときに生じる焦点ずれ
量を予測演算すると共に、演算された焦点ずれ量を解消
するように焦点調節手段3を制御する。これにより、焦
点調節手段3はズーム駆動の結果として生じる焦点ずれ
量を言わば予測して、この焦点ずれ量を解消するように
ズーム駆動と並行し4て焦点調節を行うことができ、ズ
ーム駆動中の焦点ずれが少なくなる。したがって、一眼
レフカメラや電子ビューファインダー付きのカメラのよ
うに、撮影画面の焦点状態を観察できるカメラでは、ズ
ーム駆動中に撮影画面の焦点状態がぼやけて見えること
を抑制できる。また、ズーム操作手段1の操作解除時に
はズーム量算出手段5により算出された目標焦点距離ま
でズーム用レンズLZを駆動するようにズーム駆動手段2
を第2の制御手段7により制御する。つまり、本発明に
あっては、ズーム操作手段1の操作が解除されても直ち
にズーム駆動を停止させるのではなく、目標焦点距離ま
でズーム用レンズLZを駆動してしまうものである。した
がって、第1の制御手段6では、ズーム操作手段1によ
るズーム操作の解除とは無関係に、ズーム量算出手段5
から入力した目標焦点距離に至るときに生じる焦点ずれ
量を演算し、その演算結果に基づいて焦点調節手段3を
制御するだけでズーム駆動による焦点ずれを補正でき
る。
なお、レンズ交換式のカメラにおいて、焦点調節手段
3と第1の制御手段6がカメラ本体側に設けられる場合
には、カメラ本体側ではレンズ側でズーム操作が停止さ
れたことを直ちには検知できないので、本発明のよう
に、レンズ側では目標焦点距離までズーム駆動して、カ
メラ本体側では目標焦点距離で合焦するように焦点調節
動作を行うことにより、ズーム駆動の停止時に焦点ずれ
が生じることを防止できる。
本発明の更に詳しい構成及び作用については、以下に
述べる実施例の説明において、一層明らかとされる。
[実施例] 以下、本発明の一実施例として、バリフォーカルレン
ズを備えた一眼レフカメラシステムについて説明する。
第2図(a)は本発明を適用されたカメラボディBDの外
部構成を示しており、同図(b)は上記カメラボディBD
に交換自在に装着される交換レンズLEの外部構成を示し
ている。以下、各部の名称と機能について簡単に説明す
る。
11はメインスイッチをONさせるためのスライダであ
り、このスライダ11がONの位置にあるときカメラボディ
BDは動作可能状態となり、OFFの位置にあるときにはカ
メラボディBDは動作不能状態となる。
12はレリーズボタンであり、1段目の押し込みで後述
の撮影準備スイッチS1がONされて、測光・露光演算・AF
の各動作が開始する。また、2段目の押し込みで後述の
レリーズスイッチS2がONされて、露光制御動作が開始す
る。
13はICカードの挿入部であり、マイクロコンピュータ
を内蔵したICカードをこの挿入部13に挿入することによ
り、カメラボディBDの機能を追加することができる。
14はボディ表示部であり、シャッター速度や絞り値、
ICカードの情報、電池警告マーク等を表示する。また、
ファインダー内表示部(図示せず)ではシャッター速
度、絞り値、ズームモード等の表示を行う。
15はマウントロックピンである。交換レンズLEが装着
され、マウントロック状態にあれば、後述のレンズ装着
スイッチSLEがOFFとなり、それ以外のときにはレンズ装
着スイッチSLEはONになっている。
16はAFカプラーであり、カメラボディBD内のAFモータ
の回転に基づいて回転駆動される。
17は絞り込みレバーであり、カメラボディBDで求めら
れた絞り込み段数分だけ交換レンズLEの絞りを絞り込む
ためのレバーである。
18はカードキーであり、ICカードの機能をON/OFFする
ために使用される。
次に、交換レンズLEにおける各部の名称と機能につい
て説明する。
22はモードキーであり、後述する各種のズームモード
を選択するために使用される。このモードキー22が押圧
されると、後述のモードスイッチSMDがONされる。
23はレンズキーであり、あるズームモード時の記憶動
作又は自動復帰動作(詳しくは後述する)を行うために
使用される。このレンズキー23が押圧されると、後述の
レンズスイッチSQがONされる。
24はメモリーキーであり、前記の記憶動作を許可する
ために使用される。このメモリーキー24がスライド操作
されると、後述のメモリースイッチSRがONされる。
25はマウントロック溝、26はAFカプラー、27は絞り込
みレバーである。カメラボディBDに交換レンズLEを装着
すると、カメラボディのマウントロックピン15がマウン
トロック溝25に係合し、ボディ側のAFカプラー16の凸部
がレンズ側のAFカプラー26の凹部に係合し、ボディ側の
AFモータの回転がAFカプラー16,26を介してレンズ側に
伝わり、焦点調節用のレンズ群が移動して撮影距離の調
整が行われる。さらにレンズ側の端子J1〜J8がボディ側
の端子J11〜J18と接続される。また、絞り込みレバー17
がレンズ側の絞り込みレバー27と係合し、ボディ側の絞
り込みレバー17の移動分だけレンズ側の絞り込みレバー
27が追従して移動し、絞り開口が絞り込みレバー17,27
の移動分に対応する値に制御される。
28はレンズ表示部であり、焦点距離f、撮影距離D等
を表示する。
80は操作環であり、パワーズームの方向や速度を指定
するために回動操作される。
次に、本カメラシステムの回路構成について説明す
る。
第3図はカメラボディBDに内蔵されたボディ内回路の
回路図である。
μC1はカメラ全体の制御や種々の演算を行うボディ内
マイクロコンピュータ(以下「ボディ内マイコン」と呼
ぶ)である。
AFCTは焦点検出用受光回路であり、焦点検出用CCD
と、CCDの駆動回路と、CCDの出力を処理しA/D変換して
ボディ内マイコンμC1に供給する回路とを備えており、
データバスを介してボディ内マイコンμC1と接続されて
いる。この焦点検出用受光回路AFCTにより、測距エリア
に在る被写体の焦点ずれ量に関する情報が得られる。
LMはファインダー光路中に設けられた測光回路であ
り、その測光値をA/D変換してボディ内マイコンμC1へ
輝度情報として与える。
DXはフィルム容器に設けられたフィルム感度のデータ
を読み取ってボディ内マイコンμC1にシリアル出力する
フィルム感度読取回路である。
DISPCはボディ内マイコンμC1から表示データ及び表
示制御信号を入力して、カメラ本体上面の表示部DISPI
(第2図の表示部14)及びファインダー内の表示部DISP
IIに所定の表示を行わせる表示制御回路である。
CDカード挿入部13に装着されるICカードであり、カー
ド内マイコンμC3を含む。本実施例におけるICカードCD
は、露光中にズームレンズを駆動する露光間ズームを行
う機能を有する。このICカードCDについては、後で詳細
に説明する。
LECTは交換レンズLEに内蔵されたレンズ内回路であ
り、交換レンズ固有の情報をボディ内マイコンμC1に供
給する。このレンズ内回路LECTについても、後で詳細に
説明する。
M1はAFモータであり、AFカプラー16,26を介して交換
レンズ内の焦点調節用のレンズ群を駆動する。
MD1は焦点検出情報に基づいてAFモータM1を駆動する
モータ駆動回路であり、ボディ内マイコンμC1からの指
令によって正転・逆転・停止が制御される。
ENCはAFモータM1の回転をモニターするためのエンコ
ーダであり、所定の回転角毎にボディ内マイコンμC1の
カウンタ入力端子CNTにパルスを出力する。ボディ内マ
イコンμC1はこのパルスをカウントし、無限遠位置から
現在のレンズ位置までの繰り出し量を検出し、この繰り
出し量〔繰り出しパルス数CT〕から被写体の撮影距離を
検出する。
TVCTはボディ内マイコンμC1からの制御信号に基づい
てシャッターを制御するシャッター制御回路である。
AVCTはボディ内マイコンμC1からの制御信号に基づい
て絞りを制御する絞り制御回路である。
M2はフィルム巻き上げ・巻き戻しと露出制御機構のチ
ャージを行うためのモータである。また、MD2はモータM
2をボディ内マイコンμC1からの指令に基づいて駆動す
るモータ駆動回路である。
次に、電源関係の構成について説明する。
E1はカメラボディBDの電源となる電池である。
Tr1は上述した回路の一部に電源を供給する第1の給
電トランジスタである。Tr2はレンズ内のズームモータ
の駆動のための電源を供給するための第2の給電トラン
ジスタであり、MOS構成となっている。
DDはボディ内マイコンμC1に供給する電圧VDDを安定
させるためのDC/DCコンバータであり、電源制御信号PWO
が“High"レベルのときに動作する。VDDはボディ内マイ
コンμC1とレンズ内回路LECT、カード内マイコンμC3、
フィルム感度読取回路DX、表示制御回路DISPCの動作電
源電圧である。VCC1は焦点検出回路AFCT、測光回路LMの
動作電源電圧であり、電源制御信号PW1の制御下にて電
源電池E1から給電トランジスタTr1を介して供給され
る。VCC2はレンズ内のズームモータの動作電源電圧であ
り、電源制御信号PW2の制御下にて電源電池E1から給電
トランジスタTr2を介して供給される。VCC0は、モータ
駆動回路MD1、シャッター制御回路TVCT、絞り制御回路A
VCT、モータ駆動回路MD2の動作電源電圧であり、電源電
池E1から直接供給される。
D1〜D3はDC/DCコンバータDDが動作を停止していると
きに、電圧VDDよりも低い電圧をボディ内マイコンμC1
に与え、消費電力を少なくするためのダイオード群であ
る。この低い電圧は、ボディ内マイコンμC1が作動でき
る最低電圧に設定されており、DC/DCコンバータDDが動
作を停止しているときは、ボディ内マイコンμC1のみが
動作可能である。
BC1は電池E1の電圧VCC0を検出して、その検出結果を
ボディ内マイコンμC1に知らせるバッテリーチェック回
路である。
GND1は低消費電力部のグランドラインであり、レンズ
とボディの間は端子J17,J7を介して接続されている。ボ
ディ内ではアナログ部とディジタル部は別々のグランド
ラインにする必要があるが、図面では一本で示してあ
る。
GND2は大消費電力部のグランドラインであり、レンズ
とボディの間は端子J18,J8を介して接続されている。
次に、スイッチ類の説明を行う。
SCDは、ICカードCDが装着されているときに、ICカー
ドCDによる機能の有効/無効を切り換えるための常開式
のプッシュスイッチであり、前述のカードキー18が押圧
されたときに、ONされる。
S1はレリーズボタン12の1段目の押し下げでONされる
撮影準備スイッチである。このスイッチS1がONになる
と、ボディ内マイコンμC1の割込端子INT1に割込信号が
入力されて、測光及びAF動作等の影響に必要な準備動作
が行われる。
SMはカメラの動作を可能とするためのスライド11がON
位置にあるときにONとなり、OFF位置にあるときにOFFと
なるメインスイッチである。
PG1はスイッチSMがONからOFFへ又はOFFからONへ変化
する毎に“Low"レベルのパルスを出力するパルス発生器
である。このパルス発生器PG1の出力は、ボディ内マイ
コンμC1の割込端子INT2に割込信号として入力される。
S2はレリーズボタン12の2段目の押し下げでONされる
レリーズスイッチである。このスイッチS2がONになる
と、撮影動作が行われる。
S3はミラーアップが完了するとONされるミラーアップ
スイッチであり、シャッター機構がチャージされ、ミラ
ーダウンするとOFFとなる。
SRE1はカメラボディBDに電池E1が装着されたときにOF
Fとなる電池装着検出スイッチである。電池E1が装着さ
れて、電池装着検出スイッチSRE1がOFFになると、抵抗R
1を介してコンデンサC1が充電され、ボディ内マイコン
μC1のリセット端子RE1が“Low"レベルから“High"レベ
ルに変化する。すると、ボディ内マイコンμC1は後述の
リセットルーチンを実行する。
SRE3はICカードCDが装着されたときにOFFとなるカー
ド装着検出スイッチである。ICカードCDが装着されて、
スイッチSRE3がOFFになると、先と同様、カード内マイ
コンμC3のリセット端子RE3が“Low"レベルから“High"
レベルに変化し、カード内マイコンμC3がリセットされ
る。
次に、シリアルデータ交信のための構成について説明
する。
測光回路LM、フィルム感度読取回路DX、表示制御回路
DISPC及びカード内マイコンμC3は、シリアル入力SIN、
シリアル出力SOUT、シリアルクロックSCKの各信号ライ
ンを介してボディ内マイコンμC1とシリアルにデータ交
信を行う。そして、ボディ内マイコンμC1との交信対象
は、チップセレクト端子CSLM、CSDX、CSDISP、CSCDによ
り選択される。すなわち、端子CSLMが“Low"レベルのと
きには、測光回路LMが選択され、端子CSDXが“Low"レベ
ルのときには、フィルム感度読取回路DXが選択され、端
子CSDISPが“Low"レベルのときには、表示制御回路DISP
Cが選択され、端子CSCDが“Low"レベルのときには、カ
ード内マイコンμC3が選択される。さらに、3本のシリ
アル交信用の信号ラインSIN,SOUT,SCKは端子J15,J5;
J14,J4;J16,J6を介してレンズ内回路LECTと接続されて
おり、レンズ内回路LECTを交信対象として選択するとき
には、端子CSLEを“Low"レベルとするものであり、この
信号は端子J3,J13を介してレンズ内回路LECTに伝達され
る。
次に、第4図は交換レンズLEに内蔵されたレンズ内回
路LECTの回路図である。図中、μC2は交換レンズLEに内
蔵されたズームモータの制御やカメラボディBDとのデー
タ交信及びモード設定等の制御を行うためのレンズ内マ
イコンである。
ここで、カメラボディBDと接続される端子群J1〜J8
ついて説明すると、J1はズームモード駆動用の電源電圧
VCC2をボディ側からレンズ側へ供給するための電源端
子、J2は上記ズームモータ駆動用以外の電源電圧VDD
ボディ側からレンズ側へ供給するための電源端子、J3
データ交信要求を示す信号の入出力用の端子、J4はデー
タ交信用のクロックをボディ側から入力するクロック端
子、J5はボディ側からのデータを入力するシリアル入力
端子、J6はボディ側へデータを出力するシリアル出力端
子、J7はモータ駆動用回路以外の回路のグランド端子、
J8はモータ駆動用回路のグランド端子である。
交換レンズとボディ間の端子J3,J13を介して伝達され
る端子CSLEについての信号ラインは、双方向の信号ライ
ンとなっている。このラインを介してボディ内マイコン
μC1からレンズ内マイコンμC2に信号が伝達されると、
レンズ内マイコンμC2に割込が発生し、レンズ内マイコ
ンμC2が起動されるとともにボディとの交信対象として
交換レンズが指定される。一方、このラインを介してレ
ンズ内マイコンμC2からボディ内マイコンμC1に信号が
伝達されると、パルス発生器PG2によりボディ内マイコ
ンμC1のレンズ割込端子LEINTに割込信号が入力され、
ボディ内マイコンμC1が起動される。なお、ボディ内マ
イコンμC1からレンズ内マイコンμC2へデータが送信さ
れるときは、ボディ内マイコンμC1は、割込LEINTを受
け付けないようになっている。
RSICはボディから供給される電圧VDDがレンズ内マイ
コンμC2の正常動作電圧以下になったときに、レンズ内
マイコンμC2にリセットをかけるためのリセット用ICで
ある。R2,C2はレンズ内マイコンμC2にリセットをかけ
るためのリセット用抵抗及びコンデンサである。
RE2はレンズ内マイコンμC2のリセット端子であり、
ボディからレンズ内回路を駆動するための電圧VDDが供
給され、抵抗R2とコンデンサC2によって端子RE2が“Lo
w"レベルから“High"レベルに変化すると、レンズ内マ
イコンμC2はリセット動作を行う。
ZVENは、前述の操作環80に連動するズーム速度エンコ
ーダであり、パワーズームのときには、パワーズームの
速度及び方向を設定する。
ZMENは、後述のズーム環の絶対位置を示すための粗い
ズームエンコーダである。本実施例のレンズは、焦点距
離が28〜200mmのレンズで、上記ズームエンコーダZMEN
は、12個の焦点距離範囲を4ビットのデータで表すコー
ド板と、これに摺動自在に接触するブラシから構成され
ている。28〜34mmは1個の焦点距離範囲として検出さ
れ、そして、34mm以上は15mm増加する毎に1個の焦点距
離範囲として検出されるようになっている。
M3は後述のズーム環を駆動するためのズームモータで
ある。
MD3はズームモータM3を駆動するためのモータ駆動回
路であり、レンズ内マイコンμC2から与えられるモータ
駆動方向及び駆動速度を示す制御信号に応じてズームモ
ータM3の回転を制御する。また、レンズ内マイコンμC2
から与えられるモータ停止信号やモータ休止信号に応じ
て、ズームモータM3の両端短絡や電圧印加停止をそれぞ
れ行う。
ENC3はズームモータM3の回転量を検出するためのエン
コーダであり、上記ズームエンコーダZMENにより検出さ
れた粗い焦点距離範囲を更に細かく検出する。なお、ズ
ームエンコーダZMENとこのエンコーダENC3とを併用して
いる理由は、後で説明する。
DSPはレンズ表示部28にレンズ内マイコンμC2からの
データに基づく表示を行うレンズ内表示制御回路であ
る。その表示内容については、第58図の説明において後
述する。
次に、スイッチ類の説明を行う。
SLEはレンズ装着検出スイッチであり、交換レンズLE
がカメラボディBDに装着され、マウントロックされたと
きにOFFとなる。つまり、交換レンズLEがカメラボディB
Dから取り外されると、スイッチSLEがONとなり、コンデ
ンサC2がショートする。これにより、コンデンサC2に蓄
えられていた電荷が放電され、マイコンμC2の端子RE2
は“Low"レベルになる。その後、交換レンズLEがカメラ
ボディBDに装着されると、スイッチSLEがOFFになり、電
源ラインVDDによりコンデンサC2が充電され、抵抗R2と
コンデンサC2の容量とで決まる所定時間後、端子RE2が
“High"レベルに変化し、先述したように、マイコンμC
2はリセット動作を行う。
SMDはモードキー23が押されるとONされるモードスイ
ッチである。このスイッチが1回ONされる毎に、第1の
オートズームプログラムモード(AZP1モード)、2点間
オートズームプログラムモード(AZP2モード)、リセッ
トモード(RSTモード)、マニュアルズームモード(M.Z
モード)が同順に選択される。ここで、AZP1モードは、
被写体距離に応じて撮影倍率を自動的に決定するモード
である。AZP2モードは、撮影者が選んだ2点での距離に
応じた撮影倍率を2点間の距離に対して直接的に結んで
ズーミングを行うモードである。リセットモードは、あ
る時点で記憶した撮影距離及び焦点距離に自動的に復帰
させるモードである。マニュアルズームモードは、パワ
ーズーム以外は行わないモードである。なお、リセット
モードでは、上記撮影距離及び焦点距離をセットするだ
けで、そのセットされた撮影距離及び焦点距離への自動
復帰動作は、マニュアルズームモードのときにレンズス
イッチSQが操作されたときに行われる。
SQはレンズスイッチであり、AZP2モードのときの2点
の記憶、リセットモードのときの1点の記憶、及び記憶
後の自動復帰時に操作される常開プッシュスイッチであ
る。
SRはメモリーキー24がスライド操作されるとONされる
メモリースイッチであり、上記のAZP1モードやAZP2モー
ドで記憶を行うとき、あるいは記憶を解除するときに操
作されるスイッチである。
第59図は交換レンズLEの断面構造と、このレンズが装
着されるカメラボディBDの概略構成を示している。交換
レンズLEは第1〜第4のレンズ群LE〜L4を含むバリフォ
ーカルレンズである。第60図は本バリフォーカルレンズ
における第1〜第4のレンズ群L1〜L4の駆動量について
説明するための図である。図中、曲線Z1〜Z4は第1〜第
4レンズ群L1〜L4のズーミング時の移動軌跡をそれぞれ
示している。水平方向はレンズの光軸方向を示し、垂直
方向はズーミングによる焦点距離の変化を示している。
上側の図はワイド端の焦点距離(最短焦点距離)におけ
る第1〜第4のレンズ群L1〜L4の配置を示しており、下
側の図はテレ端の焦点距離(最長焦点距離)における第
1〜第4のレンズ群L1〜L4の配置を示している。ワイド
端とテレ端の各焦点距離の間の任意のズーム位置におい
ては、曲線Z1〜Z4と任意の水平線との交点上に第1〜第
4のレンズ群L1〜L4が配置されるように、第1〜第4の
レンズ群L1〜L4が連動して駆動されるものである。この
ように、第1〜第4のレンズ群L1〜L4が短焦点端と長焦
点端の間で各々独立な動きをすることによりズーミング
(変倍)が行われる。また、第3及び第4のレンズ群L
3,L4が一体となって光軸方向に前後動することによりフ
ォーカシング(焦点調節)が行われる。
本光学系は、ズーミングを行うとピントがずれるバリ
フォーカル系となっており、変倍の度にフォーカシング
用のレンズ群L3,L4を移動させてピント補償を行うよう
になっている。一般にバリフォーカル系は、ズーミング
を行ってもピントがずれない通常のズームレンズに比べ
ると、同じズーム比ならば小型・軽量化が可能であり、
最短撮影距離を短くできる等のメリットがある。そこ
で、上述したようなズーミングの度ごとのピント補償を
自動的に行い得るように構成しておけば、従来のズーム
レンズと使い勝手は変わらず、スペック上、優位なレン
ズを提供することができる。
以下、交換レンズLEの構成と動作について説明する。
第59図において、W1〜W4はそれぞれ第1〜第4のレン
ズ群L1〜L4を保持する移動枠である。各移動枠W1〜W4に
立設されたピンP1〜P4は、固定カム環30と移動カム環40
に切られた各移動枠用のカムの交点に位置して、その動
きを規制されている。このカム環30,40の展開図を第61
図に示す。図中、実線で示した31〜33は固定カム環30上
のカムであり、第1群用が31、第2群用が32、第3,第4
群用は共通の直進溝を使い、これが33である。また、破
線で示した41〜44は移動カム環40上のカムであり、第1
〜第4群用が順に41〜44である。図示された状態はワイ
ド端の状態であり、移動カム環40を回転させると、破線
で示すカム群は矢印Teleの方向へ移動し、第1,第2レン
ズ群L1,L2は回転しながら、第3,第4レンズ群L3,L4は非
回転で各々カム形状に従って別々に繰り出されてテレ端
に至る。一方、フォーカシング時には、移動カム環40が
光軸方向(矢印Focus方向)へ駆動され、第1,第2レン
ズ群L1,L2はカム4142が直進溝のため動かず、第3,第4
レンズ群L3,L4はカム43,44共に前後移動する。
第59図において、80はパワーズームのための回転式の
操作環であり、撮影者が操作環80を光軸のまわりに回転
させると、パワーズームが開始され、その回転量に応じ
てフォーカシング又はズーミングのスピードが可変さ
れ、撮影者が手を離すと、スプリング82により操作環80
は元の位置に自動復帰し、パワーズームが終了する。パ
ワーズームの方向は操作環80の回転方向に応じて決定さ
れる。
次に、フォーカシングの機構について説明する。35は
フォーカシング用の直進環であり、その外周面にはヘリ
コイド螺子を設けてある。このヘリコイド螺子は、フォ
ーカス環34の内周面に設けられたヘリコイド螺子と噛み
合っている。直進環35の内面からは直進伝達ピンP5が穿
設されており、この直進伝達ピンP5は固定カム環30に設
けられた直進案内溝37に沿って直進移動自在とされてい
る。したがって、直進環35は光軸方向には移動自在であ
るが、固定カム環30に対しては回転しないようになって
いる。一方、フォーカス環34は固定カム環30に対して回
転自在とされているが、固定筒70の内周面に設けられた
凹条に嵌合していることにより、フォーカス環34は光軸
方向には移動しないようになっている。このため、フォ
ーカス環34が回転駆動されると、直進環35は光軸方向に
直進移動することになる。つまり、フォーカス環34を一
方向に回転させると直進環35は前進し、反対方向に回転
させると直進環35は後退することになる。このフォーカ
ス環34は、AFカプラー26,16を介してボディBDから伝達
される動力によって回転駆動可能とされている。レンズ
側のAFカプラー26は前端部にピニオン38を備えており、
フォーカス環34の最後部内周面にはこのピニオン38に噛
み合うインナーギア39を設けてある。AFカプラー26の後
端面には凹溝が設けられており、この凹溝はボディ側の
AFカプラー16の前端面に設けられた凸条と嵌合して、ボ
ディBDからの回転力を伝達できるようになっている。ボ
ディ側のAFカプラー16は、AFモータM1により回転制御さ
れる。このAFモータM1は、ボディ内マイコンμC1の制御
下にある。
レンズを通過した被写体光は、メインミラーMR1にて
ボディBDの上部に配されたファインダー光学系(図示せ
ず)に導かれると共に、メインミラーMR1の中央部を透
過し、サブミラーMR2にて反射されて、ミラーボックス
下部に配された焦点検出用受光回路AFCTに導かれる。FP
はフィルム面であり、その直前にはフォーカルプレーン
シャッター(図示せず)が配されている。焦点検出用受
光回路AFCTは、フィルム面FPと等価な予定像面の近傍に
配置され、被写体光に基づいて撮影レンズの焦点状態を
検出し、デフォーカス量及びデフォーカス方向を示す信
号をボディ内マイコンμC1に与える。ボディ内マイコン
μC1は、この信号に基づいてAFモータM1を回転制御す
る。
次に、パワーズームの機構について説明する。移動カ
ム環40の回転、すなわちズーミングは操作環80を回転操
作することにより、その操作信号がレンズ内マイコンμ
C2へ伝わり、ズームモータM3を回転させて行われる。ズ
ームモータM3の回転はギア45を介してズーム環46に伝わ
る。ズーム環46の後端部内面には回転伝達ピンP6が突設
されている。回転伝達ピンP6は固定カム環30の円周方向
に沿って設けられた円周案内溝36に沿って円周方向に移
動自在とされている。したがって、ズーム環46は回転自
在ではあるが、光軸方向には移動しない。一方、回転伝
達ピンP6の先端部は、移動カム環40に設けられた直進案
内溝47に嵌合されている。ズーム環46を回転させると、
その回転力が回転伝達ピンP6と直進案内溝47を介して移
動カム環40に伝達されて移動カム環40が回転するが、回
転伝達ピンP6は直進案内溝47の長手方向について移動自
在であり、移動カム環40は回転伝達ピンP6によってその
直進動は規制されない。移動カム環40の後端部外周面に
は、円周案内溝48が設けられており、この円周案内溝48
には前述のフォーカス環35の直進伝達ピンP5が嵌合され
ている。したがって、移動カム環40は、フォーカス環34
の回転に伴う直進環35の直進移動により直進伝達ピンP5
と円周案内溝48を介して直進移動し、ズーム環46の回転
により回転伝達ピンP6と直進案内溝47を介して光軸のま
わりに回転する。
ところで、バリフォーカル系ではズーミングして焦点
距離を変えると、撮影距離も変化してしまう。したがっ
て、ズーミング後においても元の撮影距離にピントを合
わせようとすると、ピント補正を行う必要があり、それ
には現在の焦点距離を知る必要がある。移動カム環40の
基準位置(例えばワイド端)からの回転角は焦点距離に
対応しているから、移動カム環40の回転角を知れば、現
在の焦点距離が分かる。このため、先述したように、2
つのエンコーダ50(第4図のエンコーダENC3)と60(第
4図のズームエンコーダZMEN)により移動カム環40の回
転角を知るようになっている。エンコーダ50,60からの
情報が、レンズ内マイコンμC2に送られ、その焦点距離
に応じた補正値を電気接点群Jを介してボディ内マイコ
ンμC1に伝える。ボディ内マイコンμC1はAFモータM1を
回転させることにより、焦点調節用のレンズ群L3,L4を
動かして、ズーミングによってもピントがずれないよう
に瞬時にピントを補正する。
第62図はズームモータM3の回転数を検出するエンコー
ダ50の拡大斜視図である。このエンコーダ50はフォトイ
ンタラプタ51とエンコーダ板52よりなる。フォトインタ
ラプタ51は、発光素子と受光素子を相対向して配置した
ものであり、発光素子から受光素子に至る光路中に障害
物が存在しない場合には、発光素子からの光信号が受光
素子にて受光されて、受光出力を発生し、前記光路中に
障害物が存在するときには、発光素子からの光信号が受
光素子に受光されなくなり、受光出力が発生しなくなる
ように構成されている。エンコーダ板52はズームモータ
M3の回転軸に装着された円板に等角度間隔毎に切り込み
を設けた羽根板よりなり、ズームモータM3の回転につい
て、羽根と切り込みとがフォトインタラプタ51の光路中
に交互に位置するように、フォトインタラプタ51に対す
る相対位置を設定されている。したがって、ズームモー
タM3が一定角度回転する毎にフォトインタラプタ51の受
光素子からはパルス信号が得られるものであり、このパ
ルス信号の個数をカウントすることにより、ズームモー
タM3の回転角度を検出することができる。
第63図はズーム環46の回転角を検出する粗いエンコー
ダ60の拡大斜視図である。このエンコーダ60は、コード
板61とブラシ62よりなる。コード板61はズーム環46の外
周面に沿って固定されたフレキシブルプリント板よりな
り、ズーム環46の円周方向に沿って5本のコードパター
ンが印刷されている。ブラシ62は固定鏡胴70の内周面に
固定された弾性を有する導電板よりなり、本実施例では
5本の接触子を有している。各接触子はコード板62に印
刷された5本のコードパターンの各々に摺動自在に接触
している。各コードパターンはズーム環46の円周方向に
沿って導電部と非導電部とを有している。各接触子が導
電部又は非導電部に接触することにより論理値“1"又は
“0"がそれぞれ得られるので、ズーム環46の回転角に応
じて、コード板61から5ビットのデジタルデータが得ら
れる。
次に、このような2通りのエンコーダ50,60を併用す
る理由を説明する。本レンズシステムはバリフォーカル
光学系であるため、変倍により焦点距離が変わると、焦
点調節状態が変わることは既に述べた。本レンズシステ
ムでは、この撮影距離の変化をレンズ内での演算により
補正しようとするものであるが、それには、まず現在の
焦点距離をレンズ内マイコンμC2に知らせることが必要
である。そして、補正演算を正確に行うためには、高い
分解能で焦点距離を検出しなければならない。従来のズ
ームレンズでは、さほど高い精度は必要でなかったか
ら、第63図に示すような粗いエンコーダ60で大まかに焦
点距離を検出していた。しかしながら、今回、本レンズ
システムの要求する精度は、このエンコーダ60における
コード板61のコードパターンを細かくすることだけでは
達成し得ないものである。そこで、従来、カメラボディ
におけるAFモータM1の駆動量検出のために良く用いられ
ているフォトインタラプタをレンズに搭載して、フォト
インタラプタの出力パルス数からズームモータM3の回転
数を知ることにより、ズーム環46の回転角を厳密に検出
する。ズーム環46の回転角からほ焦点距離が一対一に対
応して既に知られているものとすると、焦点距離を正確
に検出することができる。ところで、第62図に示すエン
コーダ50のみを用いて焦点距離検出用のエンコーダを形
成すると、第63図に示すエンコーダ60に比べて分解能は
向上する反面、次のような欠点が生じる。すなわち、エ
ンコーダ60はズーム環46の回転量をほぼダイレクトに読
み取るものであるが、エンコーダ50ではズーム環46の回
転角を減速機構を経てズームモータM3の軸回転角に近い
ところまで増速して、その回転量を読み取るものである
から、バックラッシュ等の誤差要因を生じやすい。ま
た、エンコーダ50は焦点距離をテレ端又はワイド端から
の総パルス数で読むものであるから、例えば、ワイド端
とテレ端の間で1000パルスにもなると、バックラッシュ
等による誤差が累積し、焦点距離の絶対値を正確に知る
のは難しい。そこで、エンコーダ50と60を併用し、ズー
ム環46の絶対的な位置をエンコーダ60で検出し、エンコ
ーダ60からのコード出力が同じ区間内をエンコーダ50で
更に細分化して、厳密な焦点距離を読み取り、分解能を
上げる。すなわち、コード板61による読取値が変わる度
に、フォトインタラプタ51の出力パルス数のカウンタを
0にリセットし、コード板61による読取値が同じである
区間内でフォトインタラプタ51の出力パルス数をカウン
トする。コード板61による読取値の各々に対して、その
区間内でのフォトインタラプタ51の1パルスが焦点距離
変化の何mmに対応するかを前以て記憶しておけば、全体
として分解能の高いエンコーダが構成できる。
第64図は自動復帰式の操作環80の構成を説明するため
の分解斜視図であり、第65図は上記操作環80の円周方向
に沿った展開図である。第66図(a),(b)は操作環
80の電気スイッチ部の構成を説明するための平面図及び
断面図である。図中、70は固定鏡胴、80は操作環、80a,
80bは内径突起、81a,81bはコ字型部材、82は自動復帰用
のコイルスプリング、83はブラシ、84はコード板であ
る。
コ字型部材81a,81bは、固定鏡胴70の小径部70a,70bに
それぞれ位置し、ガイド溝70gに沿って配されたコイル
スプリング82により互いに引っ張られて固定鏡胴70の大
径部70dの端面に規制されて停止している。操作環80は
その内周が固定鏡胴70の大径部70d,70e,70fに嵌合し、
内径突起80a,80bがそれぞれコ字型部材81a,81bにおける
コ字型の隙間に遊嵌される。第65図に示すように、内径
突起80a,80bは共に前記隙間の外側の端面にほぼ当接す
るようになっている。操作環80は第59図に示すように固
定鏡胴70に螺着される環状部材85で抜け止めされる。
第65図に示した状態から操作環80を持って、矢印で示
す方向に回転させると、内径突起80aに係合されて、コ
字型部材81aがコイルスプリング82の引張力に抗して、
小径部70a上を矢印で示す方向へ大径部70eの端面に当接
するまで回動し、回転角θの回動がなされる。このと
き、同時に内径突起80bはコ字型部材81bのコ字型の隙間
内を動くが、θ>θとなるように設計されているの
で、内径突起80bとコ字型部材81bの間には何の規制も働
かない。次に、撮影者が操作環80から手を離すと、コイ
ルスプリング82の復元力により瞬時に操作環80は逆回転
して元の状態に戻る。矢印で示す方向とは逆方向につい
ても同様のことが成り立ち、操作環80は左右両方向につ
いてそれぞれ回転角θの回動が可能であり、また、手
を離すと、自動復帰する。
この操作環80を電気スイッチとして作用させるため
に、第66図(a),(b)に示すように、操作環80の内
周面にブラシ83を加締等の手段で固着させ、固定鏡胴70
の小径部70c上にフレキシブルプリント板よりなるコー
ド板84を配している。今、第65図に示す通常の位置で
は、ブラシ接点は、第66図(a)に示す“V0"の範囲に
あり、電気スイッチはOFF状態である。この状態から、
操作環80を矢印で示す方向に回転させると、それに応じ
てブラシ83はコード板84の上を動いて“V1"の範囲に入
り、さらに“V2"の範囲に入る。これにより、コード板8
4からの出力信号として、2種類の情報がレンズ内マイ
コンμC2に入力される。この情報により、レンズ内マイ
コンμC2は“V1"の範囲では第1の速度で、“V2"の範囲
では第2の速度で、ズームモータM3を制御する。同様
に、逆方向への操作についても、“−V1"の範囲では回
転方向が逆で第1の速度で、“−V2"の範囲では回転方
向が逆で第2の速度で、ズームモータM3を制御する、ま
た、同じ情報がレンズ内マイコンμC2からボディ内マイ
コンμC1にも伝達され、AFモータM1が制御される。
なお、実施例の電気スイッチでは、一方向について2
段の変速を可能とする例を示したが、ブラシ83の足数と
コード板84のパターンの設定により、3段以上の変速を
可能にしても良い。
以上で本実施例のハードウェアについての説明を終え
て、次にソフトウェアについて説明する。まず、ボディ
内マイコンμC1のソフトウェアについて説明する。
カメラボディBDに電池E1が装着されると、電池装着検
出スイッチSRE1(第3図参照)がOFFとなり、リセット
用のコンデンサC1が抵抗R1を介して充電され、カメラ全
体を制御するボディ内マイコンμC1のリセット端子RE1
に“Low"レベルから“High"レベルへと変化するリセッ
ト信号が入力される。このリセット信号の入力により、
ボディ内マイコンμC1は、内部のハードウェアによりク
ロックの発生を開始すると共に、DC/DCコンバータDDを
動作させ、駆動可能な電圧VDDを供給されて、第5図に
示すリセットルーチンを実行するものである。なお、後
述の停止状態(ホルト状態)においては、ボディ内マイ
コンμC1のクロックが停止し、DC/DCコンバータDDも動
作を停止しているが、この停止状態からの割込による制
御では、上述の電池装着時と同様に、ボディ内マイコン
μC1の内部のハードウェアにより、クロックの発生開始
及びDC/DCコンバータDDの動作開始が行われるものであ
る。
第5図のリセットルーチンでは、まず、全ての割込を
禁止して、各種のポートやレジスタをリセットし、リセ
ットルーチンを通ったことを示すフラグRSTFをセットす
る(#5〜#15)。そして、メインスイッチSMがONされ
ているか否かを判定する(#20)。メインスイッチSM
ONからOFFへ、或いはOFFからONへ変化したときにも、メ
インスイッチ操作による割込SMINTが#20から実行され
る。#20でメインスイッチSMがONされているときには、
全割込を許可して、リセットルーチンを通ったことを示
すフラグRSTFをリセットし、各回路及びレンズ側への給
電を行うためのトランジスタTr1,Tr2をONするべく、電
源制御端子PW1,PW2(出力ポート)をそれぞれ“High"レ
ベルにする(#25〜#35)。
そして、次にAFレンズ繰り込みのサブルーチンを実行
する(#40)。このサブルーチンを第6図に示す。同サ
ブルーチンがコールされると、まず、レンズ交信IIのサ
ブルーチンを実行する(#150)。
レンズ交信IIは、レンズとの交信モードの中で、本実
施例で説明される新式のレンズ(以下「新レンズ」とい
う)からのデータを入力する交信モードである。このサ
ブルーチンを第11図に示す。同サブルーチンがコールさ
れると、まず、交信モードがモードIIであることを示す
データをセットし、端子CSLEを“Low"レベルとし、レン
ズにデータ交信を行うことを知らせる(#400,#40
2)。そして、2バイトのシリアル交信を行う(#40
5)。このとき、ボディとレンズは、互いに相手にデー
タをシリアルに出力しながら、相手から送られてくるデ
ータを同時にシリアルに入力する。1バイト目はボディ
の種類を示すデータをボディから出力する。このとき、
レンズからは意味は無いデータFFH(添字は16進数を
示す)が出力され、レンズとボディはそれぞれ相手から
送られるデータを入力する。2バイト目は、レンズの種
類(新レンズ/旧レンズ,他)を示すデータをレンズか
ら出力する。このとき、ボディからは意味の無いデータ
FFHが出力され、レンズとボディはそれぞれ相手から送
られてくるデータを入力する。そして、レンズとの交信
モードがモードIIであることを示すべく、上記セットし
た交信モードの1バイトのデータをレンズに出力し、少
し待機して、旧レンズか否かを判定し、旧レンズであれ
ば、レンズから6バイトのデータを入力し、端子CSLEを
“High"レベルにし、リターンする(#416〜#418)。
#416において、新レンズであればレンズから12バイト
のデータを入力し、端子CSLEを“High"レベルにして、
リターンする(#410〜#425)。
ここで、本実施例におけるボディとレンズ間の交信デ
ータの内容について説明しておく。
まず、旧レンズとのレンズ交信では、レンズからボデ
ィにレンズ固有のデータが送られるものであり、その内
容は(i)開放絞り値AVo、(ii)最大絞り値AVmax、
(iii)デフォーカス量−駆動量変換係数KL、(iv)焦
点距離f、(v)レンズ装着信号、(vi)繰り出し量−
距離変換係数KNである。
新レンズとのレンズ交信には、モードI〜Vのレンズ
交信がある。以下、各モードについて説明する。
モードIのレンズ交信では、ボディからレンズにズー
ム繰り込みモードを示すデータが送られる。
モードIIのレンズ交信では、レンズからボディにレン
ズ固有のデータとして、上記(i)〜(vi)のデータが
送られると共に、レンズの状態を示す信号として、(vi
i)レンズスイッチSQの状態、オートズームプログラム
モード、ズームスイッチのON/OFF、(viii)最短焦点距
離fmin、(ix)最長焦点距離fmax、(x)AZPモードで
の目標焦点距離fc、(xi)ファインダー内表示用のデー
タとして、ズームモードがリセットモードであるときの
セットが完了したか否かを示すデータ(1ビット)、AZ
P1モードにおける警告データの有/無を示すデータ(1
ビット)、AZP2モードのセット状態(ノンセット、1点
セット、2点セット)を示すデータ(2ビット)、(xi
i)ズームを行ったときのフォーカスレンズの補正量(M
f)が送られる。
モードIIIのレンズ交信では、ボディからレンズに、
(xiii)ズーム許可/禁止、リセット有/無、合焦の有
/無、(xiv)無限遠位置NFからの繰り出し量N、(x
v)焦点距離fを示すデータが送られる。
モードIVのレンズ交信では、露光間ズームの制御にお
いて、端子CSLEが“Low"レベルに変化する信号がボディ
からレンズに送られる。
モードVのレンズ交信では、レンズからボディに、
(x vi)スリープ許可/禁止を示すデータが送られる。
以上の(i)〜(xvi)の各データはそれぞれ1バイ
トのデータとして入出力されるものである。
第6図のフローに戻って、焦点調節用レンズ群(以下
「AFレンズ」と称する)の駆動量を示すカウンタNの値
を−NLG(絶対値の大きな負の値である。最初のビット
の0か1かで正負を決める)とし、AF用のモータ駆動の
サブルーチンを実行する(#152,#155)。
ここで、レンズ駆動のサブルーチンを第24図に示す。
同サブルーチンがコールされると、レンズが終端に達し
たことを検出できるように、レンズ駆動量Nの符号が正
であるか否か(最初の1ビットが1であるか否か)を判
定し、正であれば繰り出し方向、正でなければ繰り込み
方向をレンズの駆動方向として、それぞれの信号をモー
タ駆動回路MD1へ出力し、リターンする(#1197〜#119
9)。
本実施例では、AFレンズの駆動は、カウンタ割込とタ
イマー割込により制御している。ここで、カウンタ割込
はエンコーダENCからのAFレンズの駆動を示すパルスが
入ってくると実行され、タイマー割込はカウンタ割込が
行われてから一定時間以内に次のカウンタ割込が無いと
きに実行される。そして、このタイマー割込によりレン
ズが終端(無限遠端又は最近接端)に達したことを検出
する。#152でN=−NLGとしているのは、上記カウンタ
割込によりN=0となってレンズ停止が行われることを
防止しているものである。これは換言すれば、N=−N
LGとなるような駆動量を有するレンズが無いことを意味
する。そして、タイマー割込を可とし、タイマー割込に
よりレンズが終端に達したことを示すフラグLEEDFがセ
ットされるのを待つ(#160,#165)。フラグLEEDFがセ
ットされると、レンズが無限遠位置に繰り込まれたとし
て、レンズの無限遠位置からの繰り出し量NFをカウント
するカウンタ(後述)をリセットし、上記フラグLEEDF
をリセットする(#170,#175)。そして、電池装着に
よりAFレンズ繰り込みに移行したことを示すフラグRSTF
がセットされているか否かを判定し、フラグRSTFがセッ
トされている場合は、AFレンズを無限遠位置に繰り込ん
だままリターンする(#180)。フラグRSTFがセットさ
れていないときには、メインスイッチSMのOFFによりAF
レンズ繰り込みに移行したことを示すフラグSMOFFがセ
ットされているか否かを判定し、フラグSMOFFがセット
されている場合には、AFレンズを無限遠位置に繰り込ん
だままリターンする(#185)。フラグSMOFFがセットさ
れていないときには、メインスイッチSMのONによりAFレ
ンズ繰り込みに移行したということであるので、AFレン
ズを特定位置へ繰り出すための繰り出し量NKを演算する
(#190)。この繰り出し量NKは、撮影倍率をβ=1/6
0、焦点距離をf=80mmとしたときの撮影距離をD=f/
β=60×80mm=4.8mとして求め、この撮影距離D=4.8m
をレンズから入力した繰り出し量−距離変換係数KNで割
って、NK=D/KNとして演算する。この繰り出し量NKをAF
レンズの駆動量を示すカウンタNに代入し、レンズ駆動
を行ってリターンする(#195,#200)。
次に、上記カウンタ割込を第7図に示す。エンコーダ
ENCからのパルスが入力されると、第7図に示したカウ
ンタ割込が実行される。まず、AFレンズの駆動量を示す
カウンタNの絶対値ABS(N)から1を引いて新たにカ
ウンタNの値とし、タイマー割込のためのタイマーT1を
リセット、スタートさせる(#250,#255)。そして、
カウンタNの値が0になったか否かを判定し、N=0で
あれば所定量のレンズ駆動を完了したとしてAFレンズ停
止のサブルーチンを実行してリターンし、N=0でなけ
ればAFレンズを停止させることなくリターンする(#26
0,#265)。
次に、上記タイマー割込を第8図に示す。上記カウン
タ割込でリセット、スタートされたタイマーT1が所定値
に達すると、第8図に示すタイマー割込が実行される。
まず、AFレンズが終端(無限遠端又は最近接端)に至っ
たとしてAFレンズ停止のサブルーチンを実行し、このフ
ローを通ったことを示すフラグLEEDFをセットし、タイ
マー割込を禁止する(#300〜#310)。そして、ローコ
ンスキャン中を示すフラグ(LSF)がセットされている
か否かを判定し、セットされていなければリターンする
(#311)。セットされていれば、ローコンスキャン中
の駆動が繰り出しか否かを判定し、繰り出しであれば
(FMF=0)、このフラグFMFをセットしてリターンする
(#311〜#313)。これにより、次には繰り込みの制御
が行われる。そして、フラグ(FMF)がセットされてい
なければ、ローコンスキャンを禁止し、これを示すフラ
グ(LSINF)をセットして、リターンする(#314)。
ここで、#265又は#300でコールされるAFレンズ停止
のサブルーチンを第9図に示す。このサブルーチンがコ
ールされると、まず、AFモータM1を停止させるべく、AF
モータM1の両端を短絡させる制御信号をモータ駆動回路
MD1に10msec出力する(#350)。そして、AFモータM1へ
の通電をOFFさせる制御信号をモータ駆動回路MD1に出力
し、レンズ駆動中フラグLMVFをリセットして、リターン
する(#355,#356)。
第5図のフローに戻り、旧レンズか否かを判定し、旧
レンズでなければズームレンズを特定位置に初期セット
するモードとして、繰り込みモードIIを指定した後、ズ
ームレンズ繰り込みのサブルーチンを実行し(#41,#4
2,#45)、#50へ進む。このズームレンズ繰り込みのサ
ブルーチンを第10図に示す。同サブルーチンがコールさ
れると、まず、レンズからのレンズセレクト信号CSLEに
よる割込CSLEINTを禁止し、レンズ交信Iのサブルーチ
ンを実行し、繰り込みモードのデータを出力して、レン
ズからカメラの端子CSLEへの信号が“Low"レベルになる
のを待つ(#370〜#385)。この“Low"レベルの信号
は、ズームレンズが特定位置にセットされたときにレン
ズから出力される。レンズからカメラの端子CSLEへの信
号が“Low"レベルになれば、レンズからの割込CSLEINT
を許可して、リターンする(#390)。
次に、レンズ交信Iのサブルーチンを第12図に示す。
このサブルーチンがコールされると、まず、交信モード
Iを示すデータをセットし、端子CSLEを“Low"レベルと
して、カメラ及びレンズの種類を相互に知らせ合うため
に、2バイトのデータ交信を行い、次に交信モード(こ
こではモードI)を示すために、1バイトのデータ交信
を行い、端子CSLEを“High"レベルとし、リターンする
(#430〜#445)。
第5図のフローに戻り、#41で旧レンズであれば、#
50に進む。#50では撮影準備スイッチS1がONされている
か否かを判定する。#50で撮影準備スイッチS1がONされ
ていないときには、#65に進んで給電トランジスタTr1,
Tr2をOFFするべく、電源制御端子PW1,PW2を夫々“Low"
レベルとし、DC/DCコンバータDDの動作を停止させるべ
く、電源制御端子PW0を“Low"レベルとする(#65,#7
0)。#50で撮影準備スイッチS1がONされていれば、#5
2に進み、ローコンスキャン禁止を示すフラグ(LSINF)
をリセットし、#55でS1ONのサブルーチンを実行する。
その後、撮影準備スイッチS1がONの間或いはOFFになっ
てから5秒間セットされるフラグS1ONFがセットされて
いるか否かを判定し、セットされているときは#55へ、
セットされていないときは#65へ進む(#60)。撮影準
備スイッチS1がOFFからONになったときに実行される割
込S1INTでは、#55からの処理を実行する。また、レン
ズから割込端子LEINTに割込信号が入力されたときに実
行されるレンズ割込CSLEINTでは、レンズからの割込が
あったことを示すフラグCSLEFを#75でセットして、#5
5からの処理を実行する。
上記S1ONのサブルーチンを第13図に示す。同サブルー
チンがコールされると、まず、このフローを通ったこと
を示すフラグS1ONFをセットし、割込S1INTを禁止し、給
電トランジスタTr1,Tr2をONするべく、電源制御端子PW
1,PW2を“High"レベルとし、レンズ制御のサブルーチン
を実行する(#500〜#515)。
ここで、レンズ制御のサブルーチンを第14図に示す。
同サブルーチンがコールされると、まず、ズーム許可の
データをセットし、レンズ交信IIのサブルーチンを実行
し、レンズから所定のデータを入力する(#700,#70
5)。次に、バッテリーチェックBCのサブルーチンを実
行する(#715)。このバッテリーチェックのサブルー
チンを第17図に示す。同サブルーチンがコールされる
と、まず、バッテリーチェック回路BC1からデータを入
力する(#855)。バッテリーチェック回路BC1からは、
電池電圧がカメラを制御するのに十分なレベルであるか
(レベルLV1以上であるか)否かを示すデータが入力さ
れる。このデータから電池電圧がレベルLV1以上である
か否かを判定し、レベルLV1以上であれば電池電圧レベ
ルを示すデータをBCLV=1として、リターンする(#85
5,#885)。#855で電池電圧がレベルLV1未満であれ
ば、電池電圧レベルを示すデータをBCLV=0として、リ
ターンする(#860,#880)。
第14図のフローに戻り、バッテリーチェックのサブル
ーチン(#715)を終えると、#720で旧レンズか否かを
判定し、旧レンズであれば、#810に進み、電池電圧レ
ベルを示すデータがBCLV=0であるか否かを判定する。
#810でBCLV=0であれば、電池電圧が不足であること
を示す警告表示を行い、その他の表示を消去し、割込待
ちとする(#815〜#820)。このときの表示状態を第55
図(c)に示す。この状態では、電池マークが点滅して
いる。#810でBCLV=0でなければ、#825に進んで、上
述の警告表示を消去して、リターンする。なお、第55図
(a)は全表示の状態を示す。図中、“CD"の表示はカ
ード機能が働いているときには表示され、カード機能が
働いていないときは消去される。また、後述するが、カ
ード機能がうまく働かず、レリーズロックがなされてい
るときには、第55図(b)に示すように、“CD"の表示
が点滅する。図中、数値“1000"はシャッター速度が1/1
000秒であることを示し、数値“5.6"は絞り値がF5.6で
あることを示している。
#720において、旧レンズでない場合には、電池電圧
レベルを示すデータがBCLV≠0であるか否かを判定す
る。#725でBCLV=0であれば、#730でズーム禁止のデ
ータをセットして、#800に進み、このデータをレンズ
に出力するレンズ交信IIIのサブルーチンを実行して#8
10に進む。
このレンズ交信IIIのサブルーチンを第18図に示す。
同サブルーチンがコールされると、まず、交信モードが
モードIIIであることを示すデータをセットし、端子CSL
Eを“Low"レベルとして、カメラ及びレンズの種類を相
互に知らせ合うために、2バイトのデータ交信を行い、
次に交信モード(ここではモードIII)を示すために、
1バイトのデータ交信を行い、少し待機して、3バイト
のデータをレンズに出力し、端子CSLEを“High"レベル
にして、リターンする(#900〜#925)。
第14図のフローに戻って、#725で電池電圧を示すデ
ータがBCLV≠0であるときには、#734以降に進んで、
ズームモードを判定する。まず、#734ではOFFモード
(マニュアルズームモード)か否かを判定する。#734
でOFFモードであると判定されたときには、#736でOFF
モードのサブルーチンを実行し、#800に移行する。#7
34でOFFモードでないと判定されたときには、#738でリ
セットモードか否かを判定する。#738でリセットモー
ドであると判定されたときには、#740でリセットモー
ドのサブルーチンを実行し、#800に移行する。#738で
リセットモードでないと判定されたときには、オートズ
ームプログラム(AZP)モードであり、カメラ側は何も
制御する必要がないので、直ぐに#800に移行する。
次に、OFFモードのサブルーチンを第15図に示す。ま
ず、レンズから入力したデータに基づいて、ズームスイ
ッチ(図中「Z・SW」と略記)がONされているか否かを
判定する(#742)。ズームスイッチがONされていない
場合には、ズームスイッチが一度ONされたことを示すフ
ラグZMFがセットされているか否かを判定し、セットさ
れているときは、ズームスイッチがONからOFFに変化し
たとして、フラグZMFをリセットし、焦点検出を再度行
うことを示すフラグAFOMFをセットして、#750に進む
(#744〜#748)。#744でフラグZMFがセットされてい
ないときは、ズームスイッチがOFFの状態が続いている
として、#750に進む。#750では、リセットモードで設
定された焦点距離f、撮影距離Dに復帰させるために操
作されるレンズスイッチSQがONされているか否かを判定
し、レンズスイッチSQがONされていない場合には、直ぐ
にリターンする。レンズスイッチSQがONされている場合
には、#752に進み、上記焦点距離fと撮影距離Dの設
定が完了しているか否かをレンズから入力したデータに
より判定し、設定が完了していない場合には、直ぐにリ
ターンする。#752で設定が完了している場合は、無限
遠位置から現在のレンズ位置までの繰り出し量NFを、焦
点距離fと撮影距離Dを設定したときの繰り出し量のリ
セット値NRから減算して、レンズ駆動量N1を算出し、合
焦表示を消去して、上記のレンズ駆動量N1だけレンズを
駆動し(第24図参照)、駆動が終了(LMVF=0)した
ら、リターンする(#754〜#760)。
次に、リセットモードのサブルーチンを第16図に示
す。同サブルーチンがコールされると、まず、#770で
合焦状態であることを示すフラグAFEFがセットされてい
るか否かを判定する。#770でフラグAFEFがセットされ
ていないときは(合焦状態でないときは)、繰り出し量
のリセット値NRを設定しないものとして、直ぐにリター
ンする。#770でフラグAFEFがセットされているとき
(合焦しているとき)には、#772で繰り出し量のリセ
ット値NRの設定が完了しているか否かをレンズから入力
したデータ(上記(xi)のデータ)により判定し、設定
が完了している場合には、リターンする。#772で設定
が完了していない場合には、#774でレンズスイッチSQ
がONされているか否かを判定する。#774でレンズスイ
ッチSQがONされている場合には、#776でレンズスイッ
チSQが一度ONされたことを示すフラグSQONFがセットさ
れているか否かを判定し、フラグSQONFがセットされて
いる場合には、リセット値SQの設定が完了しているとし
て、リターンする。#776でフラグSQONFがセットされて
いない場合には、無限遠位置から現在のレンズ位置まで
の繰り出し量NFをリセット値NRとして設定し、フラグSQ
ONFをセットしてリターンする(#778,#780)。#774
でレンズスイッチSQがONされていない場合には、#782
に移行し、フラグSQONFがセットされているか否かを判
定する。#782でフラグSQONFがセットされている場合に
は、レンズスイッチSQがONからOFFになったとして、フ
ラグSQONFをリセットしてリターンする(#784)。ま
た、#782でフラグSQONFがセットされていないときに
は、スイッチSQがOFFの状態が継続しているとして、そ
のままリターンする。
第13図のフローに戻って、レンズ制御のサブルーチン
を実行し終えると、カード交信Iのサブルーチンを実行
する(#520)。このカード交信Iのサブルーチンを第1
9図に示す。同サブルーチンがコールされると、まず、
カードとのデータ交信であることをカード側に知らせる
べく、端子CSCDを“Low"レベルとし、モードIのカード
交信であることを示すデータをセットする。そして、出
力モードにセットし、シリアルのデータ交信を1回行
い、モードIのカード交信であることをカード側に知ら
せる(#930〜#936)。そして、カード側が所定の処理
を行うのに要する時間を待機し、シリアルのデータ交信
を1回行い、データ交信の終了をカード側に知らせるべ
く、端子CSCDを“High"レベルとして、リターンする
(#938〜#942)。この#940で交信されるデータは、
カメラ側のカードスイッチSCDのON/OFF状態を示すもの
である。
第13図のフローに戻って、ボディ内マイコンμC1は、
カード側が上記データを受けて行う制御に要する時間を
待って、カード交信IIのサブルーチンを実行する(#52
5,#530)。このカード交信IIのサブルーチンを第20図
に示す。同サブルーチンがコールされると、まず、カー
ドをデータ交信対象とするべく、端子CSCDを“Low"レベ
ルとし、モードIIのカード交信であることを示すデータ
をセットする。そして、出力モードにセットして、シリ
アル入出力を1回実行し、モードIIのカード交信である
ことをカード側に知らせる(#944〜#950)。次に、入
力モードに変更し、カード側の制御に要する時間を待
ち、シリアル入出力を1回行い、カード制御の有無に関
するデータ(カード制御とは、カメラの露出等をカード
側によって設定されたデータに基づいて行うことをい
う)を入力し、カードとのデータ交信の終了を示すべ
く、端子CSCDを“High"レベルとしてリターンする(#9
55〜#970)。
第13図のフローに戻って、カード交信IIのサブルーチ
ンを実行し終えると、#535で撮影準備スイッチS1がON
されているか否かを判定し、撮影準備スイッチS1がONさ
れている場合には、AF制御のサブルーチンを実行する
(#540)。
このAF制御のサブルーチンを第23図に示す。同サブル
ーチンがコールされると、まず、マイコンμC1は警告表
示をリセットし、ローコンスキャン禁止を示すフラグLS
INFがセットされているか否かを判定する(#1100,#11
01)。上記フラグLSINFがセットされていれば#1116に
進み、パワーズームによるピントの補正のみを行う(後
述)。上記フラグLSINFがセットされていなければ、合
焦を示すフラグAFEFがセットされているか否かを判定
し、セットされていれば、N1=0として#1125に進む
(#1102,#1112)。上記フラグAFEFがセットされてい
なければ、相関演算のサブルーチンを実行する(#110
4)。
このサブルーチンを第25図に示す。同サブルーチンが
コールされると、マイコンμC1は焦点検出用受光回路AF
CT内のCCDに積分(電荷蓄積)を行わせ、積分終了後、
デジタル信号に変換されたデータを入力(データダン
プ)し、このデータから相関演算を行ってリターンする
(#1230〜#1235)。相関演算の具体的な演算方法は、
例えば、特開昭62−150310号公報、米国特許第4,636,62
4号公報に示されている。
第23図のフローに戻って、#1104で相関演算のサブル
ーチンを実行し終えると、その演算結果から焦点検出不
能か否かを判定し、焦点検出不能でなければデフォーカ
ス量DFを算出し、このデフォーカス量DFからレンズ駆動
量N1=DF×KLを求め、ローコンスキャンを示すフラグLS
Fをリセットして、#1125に進む(#1106〜#1110)。
#1125ではフラグZMFがセットされているか否かを判定
する。#1125でフラグZMFがセットされているときに
は、レンズから入力したレンズ補正駆動データMFを用い
て、焦点距離変更によるピントのずれを補正するべく、
AFレンズの駆動量N2=MF−NFとして演算する。そして、
#1140で駆動量NをN=N1+N2で求め、ズーム中は合焦
表示を消去するべく、#1185に進む。#1125において、
フラグZMFがセットされていないとき、つまり、ズーム
操作されていないときは#1142に進み、合焦を示すフラ
グAFEFがセットされているか否かを判定する。フラグAF
EFがセットされているときには、#1145に進んで、リセ
ットモードであるか否かを判定する。#1145でリセット
モードであれば、何もせずにリターンする。リセットモ
ードでないときには、#1146に進んでAZPモード(AZP1
モードまたはAZP2モード)であるか否かを判定し、AZP
モードであれば、ズーミングによるピントのずれを補正
すべく#1135に進む。AZPモードでなければ、#1147に
進んで、AFを再度行うフラグAFOMFがセットされている
か否かを判定する。#1147でフラグAFOMFがセットされ
ているときは、このフラグAFOMFをリセットして、デフ
ォーカス量を算出する(#1150,#1155)。その結果、
デフォーカス量DFが所定値Kを越えていれば、合焦判定
及びレンズ駆動はせず、警告表示データをセットして、
#1194に進む(#1161)。一方、デフォーカス量DFが所
定値K以下であれば、ズーム駆動によるピントのずれ量
を補正するため、#1165に進み、再度、AF動作を行う
(#1147〜#1165)。#1165では、求めたデフォーカス
量DFから合焦か否かを判定する。#1165で合焦していれ
ば、合焦表示を行い、合焦フラグAFEFをセットして、#
1194に進む(#1168,#1169)。#1165で合焦でないと
きには、#1110で求めた駆動量N1をレンズ駆動量にセッ
トし、#1185に進む(#1166)。また、#1142におい
て、合焦を示すフラグAFEFがセットされていないときに
は、#1165以下のステップを実行する。#1147におい
て、先述したAFを再び行うことを示すフラグAFOMFがセ
ットされていないときは、#1194に移行する。#1185以
降では、合焦表示を消して、タイマー割込を許可して、
レンズ駆動を行って、#1194に移行する(#1185〜#11
92)。#1194では、警告データが有るか否かを判定し、
警告データがセットされていれば、#1196で警告表示を
行い、警告データがセットされていなければ、#1198で
警告表示を消去して、それぞれリターンする。
#1106において、焦点検出不能と判定されれば、#11
14に進み、ズーム操作されているか否かを判定し、操作
されていれば(ZMF=1)、ローコンスキャン(AFレン
ズを移動させながら焦点検出を行い、焦点検出可能な領
域(レンズ位置)を探す動作)を行わず、ズーミングを
優先する。これは、撮影者の意志(手動操作)を最優先
で反映させるためである。#1116では、ズーミングによ
ってずれる量のみを補正するべく、N2=MF−NFを演算
し、駆動量NにN2を代入して#1185に進む。#1114でズ
ーム操作がなければ(ZMF=0)、#1120でローコンス
キャンのサブルーチンを実行してリターンする。
このローコンスキャンのサブルーチンを第26図に示
す。同サブルーチンがコールされると、まず、タイマー
割込を可とし、ローコンスキャンを示すフラグLSFをセ
ットし、フラグFMFがセットされていなければ繰り出し
方向としてレンズ駆動量をN=NLGとし、フラグFMFがセ
ットされていれば繰り込み方向としてレンズ駆動量をN
=−NLGとして、レンズ駆動のサブルーチンを実行して
リターンする(#1171〜#1176)。
なお、旧レンズには新レンズの機能が備えられていな
いので、旧レンズを用いた場合には、従来から知られて
いる通常のAF動作が行われる。
第13図のフローに戻って、AF制御のサブルーチン(#
540)を実行し終えると、#560に進む。また、#535で
撮影準備スイッチS1がONされていないときには、AFレン
ズ駆動中を示すフラグLMVEがセットされているか否かを
判定する(#545)。フラグLMVFがセットされていると
きは、#550でAFレンズ停止のサブルーチンを実行し、
上記フラグLMLFがセットされていないときは、#550を
スキップして、それぞれ#555に進む。#555では、ロー
コンスキャン禁止を示すフラグ(LSINF)をリセット
し、#560に進む。#560では、フィルム感度SVをフィル
ム感度読取回路DXから入力し、測光回路LMから開放絞り
での被写体の輝度BVoを入力する。このデータ入力を説
明すると、まず、端子CSDX又はCSLMを“Low"レベルに
し、データを入力する回路(DX又はLM)を選択する。そ
して、端子SINからデータを入力する。データを入力し
終えると、端子CSDX又はCSLMを“High"レベルにし、デ
ータ入力を終了する。続いて、入力したこれらのデータ
等をカードに送るべく、カード交信IIIのサブルーチン
を実行する(#560〜#570)。このカード交信IIIのサ
ブルーチンを第21図に示す。同サブルーチンがコールさ
れると、まず、端子CSCDを“Low"レベルとして、カード
にデータ交信要求を示し、モードIIIのカード交信であ
ることを示すデータをセットする(#975,#980)。そ
して、出力モードとし、シリアルのデータ交信を1回行
い、カード側に必要な演算を行うための時間を待ち、シ
リアル交信を7回行い、端子CSCDを“High"レベルと
し、カードにデータ交信の終了を示してリターンする
(#985〜#1010)。このサブルーチンの#1005におい
て交信されるデータは、現在の焦点距離fp、焦点距離の
最小値fmin、焦点距離の最大値fmax、測光値BVo、フィ
ルム感度SV、開放絞り値AVo、最大絞り値AVmaxである。
第13図のフローに戻り、ボディ内マイコンμC1は#57
5で露出演算のサブルーチン(第27図)を実行する。同
サブルーチンがコールされると、まず露出値EVを、EV=
BVo+AVo+SVで求める。BVoは開放測光で測定された被
写体輝度値、AVoは開放絞り値、SVはフィルム感度であ
る。この露出値EVから所定のAEプログラム線図に基づい
てシャッター速度TVと絞り値AVを演算して、リターンす
る(#1285,#1290)。このAEプログラム線図の具体例
は、例えば、特開平1−129238号公報に示されている。
この露出演算のサブルーチンを実行した後、ボディ内マ
イコンμC1は、カードで演算した露出値及びその他の情
報を入力するべく、カード交信IVのサブルーチン(第22
図)を実行する(#580)。同サブルーチンはカード交
信IIのサブルーチン(第20図)とほぼ同じで、#1020で
設定される交信モードがモードIVである点と、#1045の
シリアル交信が3回行われる点が異なるだけなので、詳
しい説明は省略する。なお、カード交信IVでカード側か
らボディに入力されるデータは、カード測演算シャッタ
ー速度TVCD、カード側演算絞り値AVCD、レリーズロック
の有無である。
このカード交信IVのサブルーチンを実行した後、ボデ
ィ内マイコンμC1は、カード側のデータに基づいて露出
制御を行うべきか否かを、カード交信IVのサブルーチン
で得られたデータ及びそれ以前のデータに基づいて判定
する(#585)。このカード制御の判定のサブルーチン
を第28図に示す。同サブルーチンがコールされると、カ
ード交信IIによりカードからボディに入力したカード制
御有無に関するデータに基づいて、カード制御を行うか
否かを判定する(#1305)。カード制御を行う場合に
は、制御シャッター速度TVc、制御絞り値AVcとして、そ
れぞれカード側で演算されたシャッター速度TVCD、絞り
値AVCDをセットする(#1310,#1315)。一方、カメラ
側制御を行う場合には、上記制御シャッター速度TVc、
制御絞り値AVcとして、それぞれカメラ側で演算(#57
5)されたシャッター速度TV、絞り値AVをセットし、リ
ターンする(#1320,#1325)。
第13図のフローに戻って、ボディ内マイコンμC1はカ
ード制御の判定を終えると、制御シャッター速度TVc、
制御絞り値AVc、カード機能の有無(カード制御の有
無)、レリーズロックの有無、及びバッテリーチェック
の結果等のデータを表示制御回路DISPCにシリアル出力
し、表示制御回路DISPCでは、上記入力したデータに基
づいてボディ上の表示部DISPI及びファインダー内の表
示部DISPIIによる表示を行う(#590)。第55図(a)
〜(c)にボディ上の表示部DISPIによる表示内容を示
しておく。なお、表示内容については先に述べたので、
ここでは省略する。また、第56図(a)〜(i)はファ
インダー内の表示部DISPIIによる表示内容を示してい
る。第56図(a)において、数値表示は左側から4桁で
シャッター速度を表示し、次の2桁で絞り値を表示す
る。これらの値は、ボディ内マイコンμC1から表示制御
回路DISPCにシリアル出力されるデータに基づいて表示
される。ボディ内マイコンμC1から表示制御回路DISPC
にシリアル出力されるデータとしては、上記のシャッタ
ー速度と絞り値のデータの他に、ズームモード表示用の
データがあり、このデータに基づいて、表示制御回路DI
SPCはズームモードを表示する。オートズームプログラ
ムモードIであれば、第56図(b)に示すように“AZP
I"の表示を行い、オートズームプログラムモードIIであ
れば、同図(d)に示すように、“AZP II"の表示を行
い、マニュアルズームモードであれば、同図(g)に示
すように、“M.Z"の表示を行い、リセットモードであれ
ば、同図(h)に示すように、“RST"の表示を行う。ま
た、AZP Iモードにおいて、撮影倍率βの変更が限界に
来たときにセットされる警告データが上記ズームモード
表示用のデータに含まれていれば、同図(c)に示すよ
うに、“AZP I"の表示を点滅させる。AZP IIモードにお
いて、1つの点の撮影倍率βが設定されれば、同図
(e)に示すように、“AZP II0"の表示を行い、2つ目
の撮影倍率βが設定されれば、同図(f)に示すよう
に、“AZP II0 0"の表示を行う、さらに、リセットモー
ドの設定が終了すれば、同図(i)に示すように、“RS
T0"の表示を行う。
第13図のフローにおいて、#590で上記の表示を終え
ると、#595でレリーズスイッチS2がONされているか否
かを判定する。レリーズスイッチS2がONされている場合
には、#600でズーム中であるか否かをフラグLMVFによ
って判定し、ズーム中(LMVF=1)であれば、レリーズ
を禁止すべくステップ#635に進む。#600でズーム中で
ない(LMVF=0)ならば、#610で合焦しているか否か
をフラグAFEFにより判定し、合焦している(AFEF=1)
場合には#612へ、合焦していない(AFEF=0)場合に
は、レリーズを禁止すべく#635に進む。#612では、カ
ードから入力したレリーズロックデータが存在するか否
かを判定する。レリーズロックデータが存在する場合に
は、レリーズを禁止すべく#635へ進む。一方、レリー
ズロックデータが存在しない場合には#617に進み、全
割込を禁止し、露出制御を行い、露出制御の終了後、フ
ィルムを1コマ分巻き上げる(#617〜#625)。そし
て、S1ONのサブルーチンを終了したことを示すため、フ
ラグS1ONFをリセットし、撮影準備スイッチS1のONによ
る割込S1INTおよびレンズからの割込CSLEINTを許可し
て、リターンする(#630,#632)。
第13図のフローにおいて、#595でレリーズスイッチS
2がONでないときにも#635に進む。#635では、撮影準
備スイッチS1がONされているか否かを判定する。撮影準
備スイッチS1がONされているときは、#640で電源保持
用のタイマーT2をリセット、スタートさせ、リターンす
る。一方、撮影準備スイッチS1がONされていないとき
は、#650でズーム中か否かをフラグLMVFにより判定す
る。#650でズーム中(LMVF=1)であれば、#640に進
み、タイマーT2をリセット、スタートさせ、電源保持時
間の延長を行う。また、#650でズーム中でなければ、
#655で上記電源保持用のタイマーT2が5秒を計時した
か否かを判定し、5秒が経過していなければリターンす
る。5秒が経過していれば、#630に進み、撮影準備ス
イッチS1がOFFされたことによる撮影終了の制御を行
う。
次に、#620で実行される露出制御のサブルーチン
(#620)を第29図に示す。同サブルーチンがコールさ
れると、まず、レリーズの制御を行うべく所定の制御信
号を出力する(#1330)。これによって、図示しない係
止部が外れて、ミラーアップ等のレリーズ動作が行われ
る。次に、絞りを制御絞り値AVcが示す口径まで絞り込
ませる(#1332)。そして、レリーズを示す信号をレン
ズ側に出力するべく、レンズ交信IVのサブルーチンを実
行する(#1335)。
このサブルーチンを第30図(a)に示す。同サブルー
チンがコールされると、まず、交信IVを示すデータをセ
ットし、端子CSLEを“Low"レベルとしてレンズ回路を交
信の相手として選択する。それから、カメラ及びレンズ
の種類を相互に知らせ合うために、2バイトのシリアル
交信を行う。次に交信モード(ここではモードIV)を示
すために、1バイトのシリアル交信を行う。以上のデー
タ交信が終了すると、端子CSLEを“High"レベルとし、
リターンする(#1400〜#1415)。
次に、ボディ内マイコンμC1はミラーアップが完了す
るのを待ち、ミラーアップが完了すると、1幕を走行さ
せる。そして、シャッター速度TVcに応じた実際の露出
時間TsをカウントするタイマーT3をリセットしてスター
トさせる(#1340〜#1350)。次に、#1355でカード制
御か否かを判定する。カード制御である場合には、つま
り、露光間ズーム可能である場合には、上記露出時間Ts
の(1/3)が経過するのを待ち、(1/3)Tsが経過すれば
端子CSLEを一瞬“Low"レベルとし、露出時間Tsが経過す
るのを待つ(#1340〜#1370)。#1365で端子CSLEを一
瞬“Low"レベルとすることにより、レンズ側はズームレ
ンズの駆動を開始する。#1355において、カード制御で
ない場合には、#1360,#1365をスキップして#1370に
進み、露出時間Tsが経過するのを待つ。露出時間Tsが経
過すれば、2幕を走行させ、2幕走行が完了する時間だ
け待ち、端子CSLEを再び一瞬“Low"レベルとし、レリー
ズの終了を示してリターンする(#1375〜#1380)。#
1380で端子CSELを一瞬“Low"レベルとすることにより、
レンズ側はズームレンズの駆動を停止する。
以上で、第5図のステップ#55の説明を終わる。
第5図のフローに戻り、#20でメインスイッチSMがON
でなければ、#80に進み、メインスイッチSMのONによる
割込SMINT以外の割込を禁止し、#85で電池装着を示す
フラグRSTFがセットされちるか否かを判定する。フラグ
RSTFがセットされていないときには、メインスイッチSM
のOFFにより、このフローを実行したとして、これを示
すフラグSMOFFをセットし、AFレンズ繰り込みのサブル
ーチンを実行する(#87,#90)。この場合、AFレンズ
は最も繰り込んだ位置に繰り込まれる。この点について
は既に説明済みなので詳しい説明は省略する。次に、#
92で使用レンズが旧レンズか否かを判定し、旧レンズで
なければ繰り込みモードをモードIにセットして、ズー
ムレンズ繰り込みのサブルーチンを実行する(#95,#1
00)。繰り込みモードがモードIにセットされている場
合には、ズームレンズ繰り込みのサブルーチンを実行す
ることにより、AFレンズ及びズームレンズは最も繰り込
んだ位置まで移動され、レンズを含めたカメラ全体の大
きさ(長さ)が最も小さくなる。そして、レンズ交信V
のサブルーチンを実行し、レンズから入力したデータに
基づいて、カメラ側がスリープモードに入っても良いか
否かを判定する(#105,#110)。カメラ側がスリープ
モードに入ると、レンズ側のズームモータへの給電が断
たれる。したがって、レンズ側でズーム繰り込み制御を
実行しているときには、スリープモードに入ってはいけ
ないので、#115で50msec経過するのを待ち、#105に戻
って、レンズ交信Vのサブルーチンを実行し、#110の
判定を繰り返す。レンズ側でズーム繰り込み制御が終了
したときには、#110でスリープモードに入っても良い
と判定され、カメラ側の回路及びレンズのズームモータ
への給電を行うトランジスタTr1,Tr2をOFFするべく、端
子PW1,PW2を“Low"レベルとし、さらにDC/DCコンバータ
DDをOFFするべく、端子PW0を“Low"レベルとして、メイ
ンスイッチSMのONによる割込SMINT以外の割込を禁止し
て停止する(スリープモードに入る)(#120〜#13
0)。#85においてフラグRSTFがセットされていると
き、或いは、#92で使用レンズが旧レンズであると判定
されたときには、#93に進み、電池装着時を示すフラグ
RSTFをリセットする。そして、#120以降へ進み、スリ
ープモードに入る。
ここで、第30図(b)を参照して、レンズ交信Vの動
作を説明する。
このサブルーチンがコールされると、まず、交信モー
ドがモードVであることを示すデータをセットし、端子
CSLEを“Low"レベルとし、レンズにデータ交信を行うこ
とを知らせる(#1420,#1422)。そして、2バイトの
シリアル交信を行い(#1425)、レンズ、ボディの種類
をボディ、レンズに伝える。それから、交信モードがモ
ードVであることを示すべく、交信モードを示すデータ
(1バイト)をレンズに出力し(#1430)、少し待機す
る(#1435)。その後、レンズから1バイトのデータ
(スリープ許可/禁止を示すデータを含む)を入力し
(#1440)、端子CSLEを“High"レベルにして(#144
5)、リターンする。
次に、レンズ内マイコンμC2による制御動作について
説明する。レンズがカメラボディに装着されていないと
きには、レンズ装着検出スイッチSLEがONとなり、レン
ズ内マイコンμC2のリセット端子RE2が“Low"レベルに
維持されているので、レンズ側の回路は全く駆動されな
い。レンズがカメラボディに装着されると、レンズ装着
検出スイッチSLEがOFFとなり、リセット端子RE2に“Lo
w"レベルから“High"レベルに変わる信号が入力する。
これにより、レンズ内マイコンμC2は第31図に示すリセ
ットのルーチンを実行する。まず、レンズ内マイコンμ
C2は、ポートやレジスタをリセットする。このとき、AZ
P1モード及びスリープ可の状態となる。そして、ズーム
レンズ繰り込みモードをモードII(所定位置f=80mmに
繰り込むモード)にセットて、ズームレンズ繰り込みの
サブルーチンを実行する(#L5〜#L15)。
このズームレンズ繰り込みのサブルーチンを第32図に
示す。同サブルーチンがコールされると、まず、ズーム
レンズ繰り込みモードを示すフラグZIFをセットし、ズ
ームレンズ繰り込み速度を最高速V3にセットする信号を
モータ駆動回路MD3に出力する。そして、制御焦点距離f
cを取り得ない小さな値に設定し、駆動Iのサブルーチ
ンを実行し、ズームレンズを駆動する(#L30〜#L4
0)。この駆動Iのサブルーチンについては後述する。
そして、タイマー割込が発生したことを示すフラグTINT
Fがセットされるのを待つ(#L45)。このタイマー割込
は、ズームレンズが終端に至った後に発生する割込であ
る。
ここで、フラグTINTFがセットされるまでの過程を説
明する。まず、ズームモータM3の回転量を検出するエン
コーダENC3からのパルスが入力すると実行されるカウン
タ割込ルーチンを第33図に示す。この割込が発生する
と、レンズ内マイコンμC2はズームレンズが終端に至っ
たことを検出するためのタイマー割込を許可し、そのタ
イマーをリセット、スタートさせる(#L100,#L10
5)。そして、ズーム繰り込み中を示すフラグZIFがセッ
トされているか否かを判定し、フラグZIFがセットされ
ているときはリターンする(#L110)。なお、フラグZI
Fがリセットされているときの動作は後述する。ズーム
レンズが繰り込まれ、終端に達すると、このカウンタ割
込が実行されなくなり、#L105でリセット、スタートさ
れたタイマーは計時を続け、一定時間に達すると、タイ
マー割込が発生する。
このタイマー割込ルーチンを第35図に示す。この割込
が発生すると、まず、ズームカウンタZCのカウント値Zc
をリセットする(#L200)。このズームカウンタZCは、
エンコーダENC3からのパルスをカウントするものであ
り、ズームレンズの繰り込み時にはエンコーダENC3から
のパルスによりカウントダウンされ、ズームレンズの繰
り出し時にはエンコーダENC3からのパルスによりカウン
トアップされる。ズームカウンタのカウント値Zcをリセ
ットした後、ズームレンズを停止させ、タイマー割込を
禁止した後、フラグTINTFをセットしてリターンする
(#L205〜#L215)。
ここで、ズームレンズ停止のサブルーチンを第34図に
示す。このサブルーチンがコールされると、まず、モー
タ駆動回路MD3に停止信号を10msec出力し、その後、駆
動OFF信号を出力し、スリープ可とし、ズーム駆動中を
示すフラグZMVFをリセットして、リターンする(#L180
〜#L187)。
以上のようにして、タイマー割込を示すフラグTINTF
がセットされると、レンズ内マイコンμC2は、第32図の
#L45から#L50に進み、上記フラグTINTFをリセットす
る。そして、モードIのズームレンズ繰り込みであるか
否かをボディから入力したデータあるいはリセットモー
ドで設定されたデータに基づいて判定する(#L55)。
#L55で、モードI(ボディのメインスイッチSMをOFFし
たとき)のズームレンズ繰り込みであると判定されたと
きには、#L90に進み、ズームレンズ繰り込み中を示す
フラグZIFをリセットしてリターンする。一方、モード
Iのズームレンズ繰り込みでない場合には、ズームモー
タM3の駆動速度を最高速V3にセットし、制御焦点距離を
fc=80mmとし、駆動Iの制御を行い、ズーム駆動中を示
すフラグZMVFがリセットされるのを待つ(#L60〜#L8
0)。レンズの焦点距離が制御焦点距離fc(80mm)に達
し、#L80でフラグZMVFがリセットされれば、#L90でズ
ーム繰り込み中を示すフラグZIFをリセットしてリター
ンする。
第31図に戻り、上述のようなズームレンズの繰り込み
が終了すると、レンズの情報を表示する表示ルーチンを
実行して、電源保持用のタイマーTをリセット、スター
トさせて、10秒経過するのを待ち、10秒が経過すれば、
表示を消去して停止する(#L20〜#L24)。
次に、表示ルーチンについて説明するが、その前に、
表示パターンを第58図(a)〜(e)に示し説明する。
第58図(a)に全表示パターンを示す。“MACRO"の文字
は、撮影倍率が(1/10)以上のときにマクロ撮影領域で
あることを撮影者に知らせるべく表示される。その下の
バー表示は、各焦点距離における最短撮影距離から被写
体までの距離範囲を示し、図中、バーの左端が最短撮影
距離を示し、バーの右端が被写体までの距離を示してい
る。バー表示の下に2段にわたり記載された数字列は、
バー表示された距離〔m〕を示す。この数字列は、上段
又は下段の一方が選択されると、その一列の全ての数字
列が表示状態となり、他方は消去される。そして、上記
バー表示は、数字列が表示されている目盛り毎に離散的
に表示可能とされている。その表示例を、第58図(b)
〜(e)に示す。例えば、焦点距離28mm、距離2mであれ
ば、最短撮影距離は0.3mであり、距離範囲を示す数字列
としては上段(0.3m〜∞)が用いられ、バー表示は0.3m
から2mまでが表示される(第58図(b)参照)。焦点距
離50mm、距離2mでは、最短撮影距離は0.5mであり、距離
範囲を示す数字列としては上段(0.3m〜∞)が用いら
れ、バー表示は0.5mから2mまでが表示される(第58図
(c)参照)。上段の数字列と下段の数字列とは、焦点
距離80mmで切り換えられる。焦点距離100mm、距離2mで
あれば、最短撮影距離は0.8mであり、距離範囲を示す数
字列としては下段(0.6m〜∞)が用いられ、バー表示は
0.8mから2mまでが表示される(第58図(d)参照)。焦
点距離200mm、距離2mでは、最短撮影距離は1mであり、
距離範囲を示す数字列としては下段(0.6m〜∞)が用い
られ、バー表示は1mから2mまでが表示される(第58図
(e)参照)。
また、表示パターンの左下側の3桁の数値表示部は現
在の焦点距離〔mm〕を示し、その左右のマークは焦点距
離の変化方向を示す。左側のマークはワイド方向へのズ
ーミング時に表示される。右側のマークはテレ方向への
ズーミング時に表示される。
さらに、表示パターンの右下側の“OFF"、“RST"、 は、夫々のモードが選択されたときに表示される。ま
た、 の表示の右側に縦に並ぶ2つの点は、2点間での像倍率
によるAZP2モードが選択されたときに、1つの点がメモ
リーされると、上の1つの点が、2つ目が記憶される
と、両方の点が表示される。
以上の表示パターンを制御するための表示サブルーチ
ンを第36図に示す。同サブルーチンがコールされると、
ズームエンコーダZMENから現在の焦点距離範囲のデータ
f1を読み取る。また、エンコーダENC3からのパルスをカ
ウントするズームカウンタZCのカウント値Zcを読み取
る。そして、これらのデータf1,Zcから正確な焦点距離
fを求め、まず焦点距離fを表示する(#L250〜#L26
0)。
上記データf1,Zcから焦点距離fを求めるサブルーチ
ンを第37図に示す。このサブルーチンがコールされる
と、まず、ズームレンズのワイド方向へのズームを示す
フラグWDFがセットされているか否かを判定する(#L37
5)。#L375でフラグWDFがセットされている場合には、
ワイド側へズームされたとして、焦点距離範囲f1におけ
る最長焦点距離fBをROMテーブルから読み出し、この最
長焦点距離fBと、焦点距離範囲f1の中でのズーミング量
を示すズームカウンタZCのカウント値ZcからROMテーブ
ルに基づいて正確な焦点距離fを読み出して、リターン
する(#L380,#L385)。一方、フラグWDFがセットされ
ていない場合には、テレ側へズームされたとして、焦点
距離範囲f1における最短焦点距離fAをROMテーブルから
読み出し、この最短焦点距離fAと、焦点距離範囲f1の中
でのズーミング量を示すズームカウンタZCのカウント値
ZcとからROMテーブルに基づいて正確な焦点距離fを読
み出して、リターンする(#L390,#L395)。なお、焦
点距離範囲f1と最短焦点距離fA及び最長焦点距離fBとの
関係は、第1表に示す通りである。
第36図のフローに戻って、#L262では、得られた焦点
距離fが80mm以上か否かを判定し、f≦80mmであれば、
距離範囲を示す上下2段の数字列のうち、上段の数字列
(0.3m〜∞)を選択し、f>80mmであれば、下段の数字
列(0.6m〜∞)を選択する。次に、焦点距離fとカメラ
から入力した繰り出し量Nとから、距離Dvを算出し表示
する(#L270)。なお、距離Dvの算出方法については、
例えば、特願昭63−28512号に示されている。そして、
ズームモードを判定し、OFFモードならば“OFF"の文字
を表示し、AZP1モードならば“AZP1"の文字を表示し、A
ZP2モードならば“AZP2"の文字を表示し、リセットモー
ドならば“RST"の文字をそれぞれ表示する(#L280〜#
L295)。なお、モードがAZP1モードならば、警告データ
WNGがセットされているか否かを判定し、セットされて
いれば“AZP1"の文字を点滅表示とする(#L287,#L28
8)。
次に、#L300では、AZP2モードか否かを判定し、AZP2
モードであれば、#L305に進み、1つ目のセットを完了
したことを示すフラグSC1Fがセットされているか否かを
判定する。#L305で、フラグSC1Fがセットされている場
合には、#L310に進んで“AZP20"の表示を行い、フラグ
SC1Fがセットされていない場合には、#L315に進み、2
つ目のセットを完了したことを示すフラグSCFがセット
されているか否かを判定する。#L315で、フラグSCFが
セットされている場合には、#L320で"AZP0 0"の表示を
行い、両フラグSC1F,SCFが共にセットされていない場合
には、#L325で“AZP2"の文字だけを表示する。#L310
又は#L320又は#L325からは#L331に進み、また、#L3
00でAZP2モードでないと判定されたときにも#L331に進
み、ズーミングの速度と方向を示すエンコーダZVENを読
み込んで、ズーム駆動のためのズームスイッチ(図中
「Z・SW」と略記)がONされているか否かを判定し、ON
されていないときは、#L350に進み、焦点距離表示だけ
を行って#L355へ進む(#L331,#L332)。ズームスイ
ッチがONされているときは、ズーム方向を判定し、テレ
方向のときは図中右向きの矢印を表示し、ワイド方向の
ときは図中左向きの矢印を表示し、それぞれ#L355に進
む(#L335〜#345)。#L355では、焦点距離fと撮影
距離Dvとから、撮影倍率βを演算する。そして、撮影倍
率βが所定値β(=1/10)以上であるか否かを判定
し、所定値β以上であれば、“MACRO"表示を行い、所
定値β未満であれば“MACRO"表示を消去して、リター
ンする(#L360〜#L370)。
次に、ボディ内マイコンμC1が停止し、且つレンズ内
マイコンμC2が停止している場合、あるいは旧ボディ
(従来からあるボディ)が使用され、且つレンズ内マイ
コンμC2が停止している場合に、操作環80の操作が行わ
れると、パワーズームPZを行うためのF/ZINT割込ルーチ
ン(第38図)が実行される。このF/ZINT割込が発生する
と、レンズ内マイコンμC2は、まず、端子CSLEを一瞬
“Low"レベルとし、ボディへの割込を行う(#L400)。
そして、AZP2モードのときのシフト量Δf(後述)を0
とし、タイマーTAをリセット、スタートし、タタイマー
TAが時間t1を計時するのを待つ(#L405〜#L415)。こ
こで、タイマーTAにより時間t1の待機を行うのは、レン
ズが旧タイプであるか否かをボディ側で判定するためで
ある。レンズが旧タイプでなければ、上記ボディへの割
込後、ボディではデータの更新を行うべく、端子CSLEを
“Low"レベルとし、レンズでは、これに応答して、後述
のCS割込が行われ、タイマーTAが時間t1を計時し終える
前に別のフローを実行する。ただし、ボディ側のメイン
スイッチSMがOFFの場合には、上記データ交信は行われ
ない。それ故、#L400で端子CSLEを一瞬“Low"レベルに
してもCS割込が行われず、タイマーTAでは時間t1を計時
し終える。#415でタイマーTAが時間t1を計時し終えれ
ば、タイマーTAを停止し、操作環80の操作による割込F/
ZINTを許可し、停止する(#L417〜#L420)。
次に、ボディからレンズの端子CSLEに“High"レベル
から“Low"レベルに変化する信号が伝達されると、レン
ズ内マイコンμC2は、第41図に示すCS割込のルーチンを
実行する。同ルーチンでは、まず、操作環80の操作によ
るF/ZINT割込を禁止し、レリーズ中であることを示すフ
ラグRUSFがセットされているか否かを判定する(#L55
0,#L555)。フラグRLSFがセットされていないとき、す
なわちレリーズ中でないときには、カメラからのクロッ
クに応答して、2バイトのシリアル交信を行う(#L56
0)。このデータから、ボディが旧ボディであるか否か
を判定し、旧ボディであれば、6バイトのシリアル交信
を行い、ボディ側にレンズデータを送り、端子CSLEへの
信号が“High"レベルになるのを待ち、“High"レベルに
なれば、割込F/ZINTを許可してリターンする(#L565〜
#L580)。#L565において、旧ボディでなければ、続い
て1バイトのシリアル交信により交信モード及び繰り込
みモードを示すデータをボディから入力し、交信モード
を判定する(#L585,#L590)。
交信モードIであれば、端子CSLEへの信号が“Low"レ
ベルから“High"レベルへ変わるのを待ち、“High"レベ
ルになれば、ズームレンズ繰り込みのサブルーチンを実
行する。この場合、繰り込みモードがモードIIに設定さ
れているので、ズームレンズを所定の撮影倍率が得られ
るところまで移動させ、その位置に達した後、ズーミン
グが完了したことを示すべく、端子CSLEを一瞬“Low"レ
ベルとして、PZのサブルーチン(#L610)に進む(#L5
95〜#L605)。PZのサブルーチンを実行したのち、#L6
12で表示のサブルーチンを実行し、PZのサブルーチン、
表示のサブルーチンを繰り返す。そして、この表示は、
ボディ側のマイコンμC1がレンズ回路LECTへの給電を停
止する(メインスイッチSMがOFFまたは撮影準備スイッ
チS1が5秒以上OFFになる)まで継続される。
ここで、PZのサブルーチン(#L610)を第42図に示
す。同サブルーチンがコールされると、まず、レンズ内
マイコンμC2は、モードIIIのデータ交信を終えたこと
を示すフラグMD3Fがセットされているか否かを判定し
(#L702)、フラグMD3Fがセットされていないときはリ
ターンし、モードの設定等を禁止する。フラグMD3Fがセ
ットされているときには、#L705に進む。この#L705以
降の処理については後述する。
第41図のフローに戻り、#L590における交信モードの
判定により、モードIIのデータ交信であれば、12バイト
のデータをボディ側に出力し、端子CSLEが“Low"レベル
から“High"レベルに変化したことを検出し、端子CSLE
が“High"レベルになれば、PZのサブルーチンに進む
(#L620,#L625)。
また、モードIIIのデータ交信であれば、ボディ側か
ら3バイトのデータを入力し、端子CSLEが“Low"レベル
から“High"レベルに変化するのを待ち、端子CSLEが“H
igh"レベルになれば、モードIIIのデータ交信終了を示
すフラグMD3Fをセットして、PZのサブルーチンに進む
(#L630〜#L637)。
第42図に戻って、PZのサブルーチンにおける#L705以
降の処理について説明する。上述のように、モードIII
のデータ交信を一度でも行うと、フラグMD3Fがセットさ
れ、#L702から#L705に進む。#L705では、ズーム駆動
可能か否かをカメラからの入力データに基づいて判定
し、ズーム駆動不可であれば、直ぐにリターンする。#
L705において、ズーム駆動可能であれば、焦点距離範囲
f1とズームカウンタZCのカウント値Zcから焦点距離fを
求め、前回に得た焦点距離fxをfyに移し、上記求めた焦
点距離fをfxとし、#L717に進む(#L710〜#L714)。
#L717では、リセットモード(図中「RST」と略記)か
否かを判定し、リセットモードであれば、#L718でリセ
ットモードのサブルーチンを実行して、リターンする。
#L717でリセットモードでなければ、#720でAZP2モー
ドが否かを判定し、AZP2モードであれば、#L722でAZP2
のサブルーチンを実行して、リターンする。#L720でAZ
P2モードでなければ、#725でAZP1モードか否かを判定
し、AZP1モードであれば、#L727でAZP1のサブルーチン
を実行して、リターンする。#L725でAZP1モードでなけ
れば、すなわちOFFモードであれば#L730マニュアルズ
ーム(図中「M・Z」と略記)のサブルーチンを実行し
て、リターンする。
以下、上記の各サブルーチンRST,AZP2,AZP1,M・Zに
ついて説明する。まず、#L717において、リセットモー
ドであることが判定されると、第44図に示すリセットモ
ードのサブルーチンが実行される。同サブルーチンがコ
ールされると、レンズスイッチSQがONされているか否か
を判定し、ONされている場合には、現在の状態を記憶す
るために操作されるメモリースイッチSRがONされている
か否かを判定する(#L900,#L905)。メモリースイッ
チSRがONされている場合には、#L907に進み、ボディか
ら入力したデータに基づき、合焦か否かを判定する。#
L907で合焦でなければリターンし、合焦であればリセッ
トモードでの状態記憶が終了したことを示すフラグZMRS
Fをセットする(#L910)。そして、レンズスイッチSQ
が一度ONされたことを示すフラグSQONFがセットされて
いるか否かを判定し、セットされている場合には、既に
セット済みであるとしてリターンする(#L915)。フラ
グSQONFがセットされていない場合には、このフラグSQO
NFをセットし、上記求めた焦点距離fをズームリセット
値fZRとして記憶し、リターンする(#L920,#L935)。
一方、#L905でメモリースイッチSRがOFFの場合に
は、#L940に進み、リセットモードでのセットが終了し
たことを示すフラグZMRSFがセットされているか否かを
判定し、セットされているときには、フラグSQONFをリ
セットして、リターンする(#L940,#L945)。また、
#L900で、レンズスイッチSQがONされていないときに
は、#L955に進み、メモリスイッチSRがONされているか
否かを判定し、メモリースイッチSRがONされていない
(何も操作されていない)ときには、リターンする。メ
モリースイッチSRがONされているときは、#L960に進
み、レンズスイッチSQがONされたことを示すフラグSQON
Fがセットされているか否かを判定する。フラグSQONFが
セットされているときには、リセットモードにおけるセ
ットが完了した後、レンズスイッチSQがOFFされたと判
断して、リターンする。#L960で、フラグSQONFがセッ
トされていないときには、リセットモードにおけるセッ
ト値をリセットするためにメモリースイッチSRがONされ
たと判断して、リセットモードにおけるセット完了を示
すフラグZMRSFをリセットして、リターンする(#L96
5)。
第42図のフローにおいて、#L717でリセットモードで
なければ、#720でAZP2モードか否かを判定し、AZP2モ
ードであれば、#L722でAZP2のサブルーチンを実行す
る。このサブルーチンを第45図に示す。同サブルーチン
がコールされると、まず、合焦か否かを判定し、合焦で
ない場合には、リターンし、合焦であれば、メモリース
イッチSRがONされているか否かを判定する(#L1000,#
L1002)。メモリースイッチSRがONされていない場合に
は、#L1005に進み、フラグAZP2Fがセットされているか
否かを判定する。このフラグAZP2Fは、AZP2モードでの
セットが完了し、AZP2モードの制御が行えることを示す
フラグである。#L1005でフラグAZP2Fがセットされてい
るときには、3つのフラグSCF,SC1F,SQONFをリセットす
る(#L1020〜#L1030)。その後、#L1035に進み、繰
り出し量Nから制御焦点距離fcを次式により演算する。
上式において、fII1はAZP2モードでセットされた1点
目の焦点距離であり、fII2はAZP2モードでセットされた
2点目の焦点距離である。また、D1はAZP2モードでセッ
トされた1点目の距離であり、D2はAZP2モードでセット
された2点目の距離である。次に、ズームレンズを駆動
するべく、#L1040で駆動Iのサブルーチンを実行し
て、リターンする。
ここで、駆動Iのサブルーチンを第39図に示し説明す
る。同サブルーチンがコールされると、まず、求めた焦
点距離fcに対するピントのずれ量MFを無限遠位置(無限
遠点にピントが合うレンズ位置)からの繰り出し量とし
て求める(#L485)。
以下、ピントのずれ量MFの求め方について説明する。
第57図は横軸に焦点距離f、縦軸に繰り出し量を取っ
たグラフである。このレンズでは、特定の距離(例えば
2m)のレンズの繰り出し量と、検出距離(D〔m〕)の
レンズの繰り出し量との比が焦点距離によらず一定とな
るように設定してある。そして、各焦点距離に対する前
記特定の距離の繰り出し量のデータをレンズ内マイコン
μC2内のメモリ(ROM)に記憶しておく。今、前記特定
の距離を2〔m〕に設定し、焦点距離f3でD〔m〕の被
写体に合焦した後、焦点距離f4へズーミングした場合を
考える。焦点距離f3での距離2〔m〕に対する繰り出し
量をN3、焦点距離f3での距離D〔m〕に対する繰り出し
量をNF、焦点距離f4での距離2〔m〕に対する繰り出し
量をN4としたとき、焦点距離f4での距離D〔m〕に対す
る繰り出し量NZは、NF/N3=NZ/N4と近似でき、NZ=N
F(N4/N3)となる。したがって、焦点距離f3から焦点距
離f4へのズーミングによる繰り出し量の補正量N2は、N2
=NZ−NF=(N4/N3−1)NFとして求められる。
上記の考え方では、特定の距離として2〔m〕を選ん
だが、レンズの繰り出し量に誤差を含んでいる場合、或
いは2〔m〕から離れた距離では必ずしも正確に比例関
係にあるとは限らず、多少の誤差を含む。これは焦点距
離が長く、被写体距離が近い場合に多い。そこで、この
誤差を少なくするために、上記特定距離を1〔m〕、2
〔m〕、5〔m〕の3つ設ける。
この制御を行うレンズ内マイコンμC2のフローチャー
トを第43図に示し説明すると、まず、現在の焦点距離fx
とカメラ本体から入力した無限遠位置からのレンズ繰り
出し量Nから距離Dxを求め、距離Dxが1.4〔m〕以下の
ときには、特定距離1〔m〕のラインから現在の焦点距
離fxと前回の焦点距離fyの無限遠位置からの繰り出し量
Nx,Nyを求めて、#L870に移行する(#L850〜#L85
6)。これは、fx,fyをアドレスとして、特定距離1
〔m〕での繰り出し量Nx,Nyを記憶したROMテーブルを読
み出せば良い。距離Dxが1.4〔m〕よりも大きく4
〔m〕以下のときには、特定距離2〔m〕での繰り出し
量Nx,Nyを、距離Dxが4〔m〕よりも大きいときには、
特定距離5〔m〕での繰り出し量Nx,Nyを、上記と同様
にして求め、それぞれ#L870に移行する(#L860〜#L8
68)。そして、#L870で補正時の繰り出し量MFをMF
(Nx/Ny)xNで求め、リターンする。
第39図のフローに戻って、#L480でMF演算のサブルー
チンを実行し終えると、リセットルーチンでセットされ
た制御焦点距離fcと現在の焦点距離fとを比較し、fc=
fであれば、レンズ駆動中を示すフラグZMVFがセットさ
れているか否かを判定し、フラグZMVFがセットされてい
なければ、そのままリターンする。フラグZMVFがセット
されていれば、ズームレンズ停止のサブルーチンを実行
して、リターンする(#L480〜#L500)。#L490でf≠
fcであれば、#L492に進み、f>fcか否かを判定し、f
>fcであれば、ワイド側へレンズを駆動するべく、#L5
20に進み、f>fcであれば、テレ側へレンズを駆動する
べく、#L530に進む。以降の動作は後述する。
ここで、カウンタ割込ルーチン(第33図)において、
フラグZIFがセットされていないとき(#L110でZIF=
0)の動作を説明する。まず、#L115でOFFモードか否
かを判定する。#L115でOFFモードでないときには、ズ
ームエンコーダZMENから焦点距離範囲f1を読み取り、演
算で求めた制御焦点距離fcに対応するズームエンコーダ
ZMENの値fc1と等しいか否かを判定する(#L140,#L14
5)。#L145でf≠fc1であれば、リターンする。#L145
でf1=fc1であれば、一度、ここを通ったことを示すフ
ラグfc1Fがセットされているか否かを判定し、セットさ
れている場合、駆動量を示すカウント値Znを1つカウン
トダウンし、駆動速度VをV1に減少させて、#L154に進
む(#L150〜#L152)。#L150でフラグfc1Fがセットさ
れていないときは、#L153でフラグfc1Fをセットして、
#L154に進む。#L154では、駆動量を示すカウント値Zn
が0か否かを判定する。#L154でZn=0であれば、レン
ズ停止のサブルーチンを実行し、このフローを通ったこ
とを示すフラグfc1Fをリセットして、リターンする(#
L155,#156)。#L154でZn=0でなければ、直ぐにリタ
ーンする。
第45図のフローに戻って、#L1005でAZP2モードの制
御可を示すフラグAZP2Fがセットされていないときに
は、2点の記憶が完了しているか否かをフラグSCFによ
り判定し、2点の記憶が完了(SCF=1)しているとき
には、記憶が完了してメモリースイッチSRがOFFされた
と判断して、AZP2モードの制御可を示すフラグAZP2Fを
セットしてリターンする(#L1010,#L1015)。なお、
このフラグのデータが、カメラ側へAZP2モードのセット
の有/無を示すデータとして出力される。#L1010でフ
ラグSCFがセットされていないとき、すなわち、2点の
記憶が完了していないときには、記憶を解除あるいは再
設定するために、メモリースイッチSRか操作されたとし
て、フラグSC1F,SQONFを夫々リセットして、リターンす
る(#L1012,#L1013)。
一方、#L1002において、メモリースイッチSRがONの
ときには、AZP2モードの制御可を示すフラグAZP2Fをリ
セットし、レンズスイッチSQがONされているか否かを判
定する(#L1045,#L1050)。レンズスイッチSQがONさ
れているときには、#L1055で、2点のセット完了を示
すフラグSCFがセットされているか否かを判定し、フラ
グSCFがセットされているときは、リターンする。#L10
55で、フラグSCFがセットされていないときには、1点
目の記憶が完了したことを示すフラグSC1Fがセットされ
ているか否かを判定する。フラグSC1Fがセットされてい
るときには、レンズスイッチSQがONされたことを示すフ
ラグSQONFがセットされているか否かを判定する。フラ
グSQONFがセットされているときは、2点目がセットさ
れた後もレンズスイッチSQがONされ続けているので、何
も行わずにリターンする(#L1060,#L1065)。#L1065
において、フラグSQONFがセットされていないときに
は、2点目をセットするためにレンズスイッチSQがONさ
れたのであるから、#L1070以降のステップへ進み、2
点目を記憶する。まずフラグSCFをセットし、焦点距離
fを第2のセット値fII2とする。続いて、ボディから読
み取ったAFレンズの繰り出し量NFと、焦点距離fとから
距離Dを求め、この距離Dを第2のセット値D2とする。
その後、1点目の記憶終了を示すフラグSC1Fをリセット
し、レンズスイッチSQがONされたことを示すフラグSQON
Fをセットして、リターンする(#L1070〜#L1100)。
なお、焦点距離fと繰り出し量NFとから距離Dを求める
には、そのたびに演算しても良いし、焦点距離fと繰り
出し量NFとの組み合わせをアドレスとして距離Dを読み
出すROMテーブルを用いても良い。#L1060において、1
点目の記憶が完了したことを示すフラグSC1Fがセットさ
れていないときは、1点目を記憶するためにスイッチSQ
がONされたことを示す。このとき、#L1105に進み、レ
ンズスイッチSQがONされたことを示すフラグSQONFがセ
ットされているか否かを判定し、セットされていないと
きは、レンズスイッチSQがONされて初めてこのフローを
実行すると判断して、#L1120に進む。焦点距離fを第
1のセット値fII1とする。続いて、ボディから読み取っ
たAFレンズの繰り出し量NFと焦点距離fとから、距離D
を求め、この距離Dを第1のセット値D1とし、リターン
する。#L1105において、フラグSQONFがセットされてい
るときは、1点目をセット完了後もレンズスイッチSQ
ONされたままであるので、直ぐにリターンする。#L105
0において、レンズスイッチSQがONされていないとき
は、#L1127に進み、フラグSQONFがセットされているか
否かを判定する。フラグSQONFがセットされているとき
には、フラグSQONFがセットされた後にレンズスイッチS
QがOFFされたと判断して、#L1130に進み、2点のセッ
ト完了を示すフラグSCFがセットされているか否かを判
定する。#L1130でフラグSCFがセットされていないとき
は、1点目のセットが完了しているので、#1135でフラ
グSC1Fをセットし、#L1140へ進む。#L1130でフラグSC
Fがセットされているときは、#L1135をスキップし、#
L1140に進む。#L1140では、フラグSQONFをリセットし
て、リターンする。#L1127でフラグSQONFがセットされ
ていないときは、レンズスイッチ入SQのOFF状態が続い
ているので、何もせずにリターンする。
第42図のフローにおいて、#L720でAZP2モードでなけ
れば、#725でAZP1モードか否かを判断し、AZP1モード
であれば、#L727でAZP1のサブルーチンを実行する。こ
のサブルーチンを第47図に示す。同サブルーチンがコー
ルされると、まず、合焦であるか否かを判定し、合焦で
ない場合には、直ぐにリターンする。合焦であれば、ズ
ーム操作されたときの撮影倍率のシフトの処理を行い、
そして、AFレンズの繰り出し量NFと焦点距離fとから制
御焦点距離fcを求め、ズームレンズを駆動するべく、駆
動Iのサブルーチンを実行して、リターンする(#L120
0〜#L1210)。
ここで、上述のシフトのサブルーチンを第48図に示
す。同サブルーチンがコールされると、ズーム操作され
ているか否かを示すエンコーダZVENからのデータを読み
込み、操作がなされたか否かを判定し、操作されていな
い場合には、リターンする(#L1220,#L1225)。ズー
ム操作されているときは、操作方向を判定し、テレ方向
に操作されているときは、所定量Δf1を変化量Δfに加
え、ワイド方向に操作されているときは、所定量Δf1
変化量Δfから減算してリターンする(#L1230〜#L12
40)。ここでは、操作方向のみを考慮し、操作環80の操
作角度は考慮しないようにしている。
次に、AFレンズの繰り出し量NFと焦点距離fとから制
御焦点距離fcを求めるサブルーチンを第46図に示す。同
サブルーチンがコールされると、まず、焦点距離fとAF
レンズの繰り出し量NFとから距離Dを求め、距離Dに応
じた焦点距離faをfa=a×D+b(a,bは定数)で求め
る(#L1155,#L1156)。つまり、距離Dに応じて撮影
倍率を決めている。次に、#1157でズーム操作されてい
るか否かを示すエンコーダZVENからのデータを読み込
み、#1160でズーム操作が有ったか否かを判定する。#
1160で操作が有ったと判定された場合には、制御焦点距
離をfc=fa+Δfとし、操作が無いと判定された場合に
は、制御焦点距離をfc=faとして、それぞれ#L1165に
進む(#L1162,#L1163)。そして、距離Dに基づい
て、取り得る最大焦点距離fmaxと最小焦点距離fminを求
め、制御焦点距離fcが最大焦点距離fmaxよりも大きい
か、最小焦点距離fminより小さいかを判定し、fc>fmax
であればfc=fmaxとし、fc<fminであればfc=fminと
し、いずれも警告フラグWNGをセットして、リターンす
る(#L1165〜#L1195)。また、制御焦点距離fcがfmin
≦fc≦fmaxの場合には、警告フラグWNGをリセットし
て、リターンする(#L1197)。
第42図のフローにおいて、#L725でAZP1モードでなけ
れば、OFFモード(マニュアルズームモード)であると
して、#L730でマニュアルズーム(図中「M.Z」と略
記)のサブルーチンを実行する。このサブルーチンを第
49図に示す。同サブルーチンがコールされると、まず、
#L1250でズーム操作されているか否かを示すエンコー
ダZVENを読み込み、#L1255で操作が有ったか否かを判
定する。#L1255で操作が有ったと判定された場合に
は、ズームレンズを駆動するべく、駆動IIのサブルーチ
ンを実行し、リターンする(#L1260)。
ここで、駆動IIのサブルーチンを第39図に示す。この
サブルーチンがコールされると、まず、カウンタ割込で
のモータ停止が行われないように、ズームカウンタZCの
カウント値Zcに対応するズームレンズの駆動量Znを取り
得ない大きな値FFHに設定し、エンコーダZVENから読み
込んだデータのうち、ズーミングの速度信号をモータ駆
動回路MD3に出力する(#L505,#L510)。次に、エンコ
ーダZVENから読み込んだデータのうち、駆動方向を示す
データに基づいて、駆動方向が繰り込み方向であるか否
かを判定し、繰り込み方向であれば、目標焦点距離とし
てΔfをfyから減算し、ズームによりずれる繰り出し量
MFを演算する(#L505〜#L518)。そして、繰り込み信
号をモータ駆動回路MD3に出力し、ワイド方向へのズー
ムであることを示すフラグWDFをセットする(#L515〜
#L525)。そして、ズームレンズが移動中であることを
示すフラグZMVFをセットし、制御焦点距離fcに対応する
焦点距離範囲fc1と駆動量Znを算出し、リターンする
(#L540〜#L542)。
ここで、目標焦点距離を決めて予測制御を行うのは、
ズームによるピントのずれを正確に補正したいためであ
る。いつ停止するか分からないマニュアルズームでは、
そのときの焦点距離に対してピントのずれ量を補正する
とすれば、ズームが停止されたときにカメラ側では、直
ぐにそのときの焦点距離が分からず、ずれ量の補正の過
剰または不足が生じる。また、ズーム中に検出したとき
のピントのずれ量(補正量)が分かっても、後追い補正
のため、その補正を行ったときには、レンズの焦点距離
は異なった値になっており、一眼レフカメラのファイン
ダーに見える像は、ピントがずれたものになる。しか
し、本実施例のように、ズームが停止したときの焦点距
離が予め決まっておれば、ずれ量の補正は過不足なく、
また、後追い補正とはならないので、上記のような欠点
はない。
#L515で駆動方向が繰り込み方向でなければ、目標焦
点距離としてΔfをfyに加算し、ズームによりずれる繰
り出し量MFを演算する(#L527,#L528)。そして、繰
り出し信号をモータ駆動回路MD3に出力し、ワイド方向
へのズームであることを示すフラグWDFをリセットし
て、#L540に進む(#L530,#L535)。
ここで、制御焦点距離fcに対応する焦点距離範囲fc1
と駆動量Znを算出するためのサブルーチンを第40図に示
す。このサブルーチンがコールされると、まず、ワイド
方向へのズームであることを示すフラグWDFがセットさ
れているか否かを判定する(#L543)。これはワイド方
向へのズーム時と、テレ方向へのズーム時とでは、同一
の制御焦点距離fcであっても、ズームエンコーダZMENの
焦点距離範囲f1やズームカウンタZCのカウント値Zcは異
なるからである。例えば、ワイド方向へズームするとき
には、制御焦点距離fcよりも大きい焦点距離範囲fc1
負の駆動量Znを求め、一方、テレ方向へズームするとき
には制御焦点距離fcよりも小さい焦点距離範囲fc1と正
の駆動量Znを求める必要がある。そこで、ワイド方向へ
ズームレンズを繰り込むとき(WDF=1)は、制御焦点
距離fcをアドレスとして第1のROMテーブルからの焦点
距離範囲fc1と駆動量Znを読み出す(#L545)。テレ方
向へズームレンズを繰り出すとき(WDF=0)は、制御
焦点距離fcをアドレスとして第2のROMテーブルから焦
点距離範囲fc1と駆動量Znを読み出す(#L544)。そし
て、#L544又は#L545から#L546へ進み、スリープ禁止
のデータをセットして、リターンする。
このOFFモード(マニュアルズームモード)のときの
カウンタ割込では、第33図の#L115でOFFモードである
と判定され、#L120に進んで、ズームエンコーダZMENか
ら焦点距離範囲f1を読み込む。そして、読み込んだ焦点
距離範囲f1が、前回の値Lf1と同じでないか、すなわ
ち、焦点距離範囲が変わったか否かを判定する(#L12
5)。焦点距離範囲が変化していれば、繰り出し量を示
すズームカウンタZCのカウント値Zcをリセットして、今
回の焦点距離範囲f1を前回の値Lf1として記憶し、リタ
ーンする(#L130,#L135)。これによって、焦点距離
範囲が変化してからの繰り出し量を正確に検出できる。
#L125で焦点距離範囲が変化していない場合には、#L1
30をスキップして、#L135に進む。
以上のようにして、操作された方向と量に応じたズー
ムの方向と速度でズームレンズを駆動する。
第49図のフローにおいて、#L1255で操作が無いと判
定された場合には、#L1265に進み、ズーム駆動中を示
すフラグZMVFがセットされているか否かを判定し、フラ
グZMVFがセットされていれば、焦点距離fをエンコーダ
から読み取ったデータf1,Zcから求めて、焦点距離fが
目標焦点距離fyになるまでレンズ駆動し、目標焦点距離
fyになれば、#L1275でズームレンズ停止のサブルーチ
ンを実行して、#L1276に進み、#1265でフラグZMVFが
セットされていなければ、#L1275をスキップして、#L
1276に進む。#L1276では、レンズスイッチSQがONされ
ているか否かを判定し、レンズスイッチSQがONされてい
なければ、リターンする。#L1276でレンズスイッチSQ
がONされていれば、#1277に進み、リセットモードでの
焦点距離の設定完了を示すフラグZMRSFがセットされて
いるか否かを判定し、フラグZMRSFがセットされていな
ければリターンする。#1277でフラグZMRSFがセットさ
れていれば、リセットモードで設定された焦点距離fZR
を制御焦点距離fcとし、ズームレンズを駆動するべく、
駆動Iのサブルーチンを実行して、リターンする(#L1
278,#L1279)。
第41図のフローに戻り、#L590の交信モードの判定に
おいて、レリーズ中のモードIVのデータ交信であると判
定すると、変数N=0とし、レリーズ中を示すフラグRL
SFをセットして、リターンする(#L640,#L645)。
次に、レリーズ中(露光中)にボディからパルスが入
力された場合には、#L555から#L665に進み、N=N+
1とし、#L670でNの値が1であるか否かを判定する。
#L670で、N=1であれば制御焦点距離fcを取り得ない
大きな値として、ズームレンズを駆動するべく、駆動I
のサブルーチン実行して、リターンする(#L675,#L67
7)。#L670でN≠1であれば、ズームレンズ停止のサ
ブルーチンを実行し、レリーズ中を示すフラグRLSFをリ
セットして、リターンする(#L680,#L685)。
次に、#L590の交信モードの判定において、モードV
のデータ交信であると判定する(先述したように、この
とき、カメラボディはスリープモードに入ろうとしてい
る)と、スリープ可否の信号を含んだ1バイトのデータ
を出力し、端子CSLEが“High"レベルになるのを待ち、
“High"レベルになれば、#L655に進む(#L650,#L65
2)。#L655では、スリープ可の信号がセットされてい
るか否かを判定し、セットされていないときは直ぐにリ
ターンし、セットされているときは、表示を消去し、F/
ZINTの割込を許可し、モードIIIのデータ交信を行った
ことを示すフラグMD3Fをリセットして、リターンする
(#L660〜#L664)。
次に、カード内マイコンμC3の制御動作について説明
する。ボディにカードが挿入されると、スイッチSRE3
OFFとなり、カード内マイコンμC3のリセット端子RE3に
“Low"レベルから“High"レベルへと変化する信号が入
力され、カード内マイコンμC3は第50図に示すリセット
ルーチンを実行する。ここでは、ポート、レジスタをリ
セットし、スリープ状態となる(#C5)。そして、端子
CSCDにボディ内マイコンμC1からのデータ交信要求を示
す“Low"レベルの信号が入力されると、カード内マイコ
ンμC3は第51図に示す割込ルーチンを実行する。まず、
1バイトのシリアル交信を行い、交信モードを判定し、
モードIの交信であれば#C20から、モードIIの交信で
あれば#C40から、モードIIIの交信であれば#C55か
ら、モードIVの交信であれば#C70から夫々のステップ
を実行する(#C10,#C15,#C35,#C50)。
以下、各交信モードでの動作について説明する。モー
ドIの交信であれば、データ入力モードにセットし、1
バイトのシリアル交信によりボディ内マイコンμC1から
1バイトのデータを入力し、モード判定のサブルーチン
を実行して、スリープ状態となる(#C20〜#C30)。
このモード判定のサブルーチンを第52図に示す。同サ
ブルーチンがコールされると、ボディから入力したデー
タに基づいて、カードスイッチSCDがONされているか否
かを判定し、ONされていなければリターンする(#C8
0)。カードスイッチSCDがONされていれば、カード制御
を示すフラグSCDFがセットされているか否かを判定する
(#C85)。#C85で、フラグSCDFがセットされていれ
ば、それ以前はカード制御であったということなので、
カード制御でない状態とするために、フラグSCDFをリセ
ットし、ボディ側に出力するカードモードのデータをリ
セットして、リターンする(#C90,#C95)。#C85で、
フラグSCDFがセットされていなければ、カード制御の状
態とするべくカードスイッチSCDが操作されたので、フ
ラグSCDFをセットし、ボディ側に出力するカードモード
のデータをセットしてリターンする(#C100,#C10
5)。
第51図のフローに戻り、モードIIの交信であれば、デ
ータ出力モードにセットし、1バイトのシリアル交信に
よりボディ内マイコンμC1に1バイトのデータを出力
し、スリープ状態となる(#C40,#C45)。この1バイ
トのデータには、カードモードのデータが含まれてい
る。
モードIIIの交信であれば、データ入力モードにセッ
トし、7バイトのシリアル交信によりボディ内マイコン
μC1から7バイトのデータを入力し、このデータを元に
演算ルーチンを実行して、スリープ状態となる(#C55
〜#C65)。
この演算ルーチンを第53図に示す。同ルーチンでは、
まず、レリーズロックフラグRLKFをリセットし、ボディ
から入力したデータに基づいて、露出値EVをEV=BVo+A
Vo+SVで演算する。そして、この露出値EVが最大絞り値
AVmaxでシャッター速度が(1/30)秒である場合の露出
値(AVmax+5)よりも大きいか否かを判定する(#C11
0〜#C125)。これは、ズームレンズを駆動するとき
に、露光間ズームの効果が得られる最も速いシャッター
速度として(1/30)秒を想定しているからである。露出
値EVが(AVmax+5)よりも大きいときには、露光間ズ
ームをしても効果が無いとして、#C165に進み、レリー
ズロックフラグRLKFをセットして、リターンする。露出
値EVが(AVmax+5)以下であれば、次に、露出値EVが
開放絞り値AVoでシャッター速度が1秒である場合の露
出値(AVo+1)よりも小さいか否かを判定する(#C13
0)。これは、露光間ズームを行う場合にシャッター速
度が1秒よりも遅くなると、カメラ振れが大きくなるか
らであり、露出値EVが(AVo+1)未満であれば、やは
りレリーズロックフラグRLKFをセットして、リターンす
る。露出値EVが(AVo+1)以上であれば、最大絞り値A
Vmaxと開放絞り値AVoとの絞り段数差ΔAVを演算し、絞
り値AVを次式に従って演算する(#C135,#C140)。
このAEプログラム線図は、第54図に示すように、開放
絞り値AVoとシャッター速度TV=1との交点と、最大絞
り値AVmaxとシャッター速度TV=5との交点とを結んだ
線となる。そして、シャッター速度TVをTV=EV−AVで演
算する(#C145)。次に、現在の焦点距離fpと最大焦点
距離fmaxとの比fR=fmax/fpを演算し、fR>1.5であれ
ば、露光間ズームの効果があるとしてリターンする(#
C150,#C155)。また、fR≦1.5であれば、露光間ズーム
の効果が無いとして、レリーズロックフラグRLKFをセッ
トしてリターンする。
第51図のフローに戻り、モードIVの交信であれば、デ
ータ出力モードにセットし、3バイトのシリアル交信に
よりボディ内マイコンμC1に3バイトのデータを出力
し、スリープ状態となる(#C70,#C75)。
最後に、上記実施例で用いるフラグ及び変数を第2表
及び第3表にまとめておく。
変形例1 上述の実施例では、パワーズーム中に焦点検出不能に
なったとき、あるいは、ズーム操作が行われたときに焦
点検出が不能であったときでも、撮影者の意図を反映し
てズーム優先としているが、以下の実施例では、フォー
カス優先としている。つまり、焦点検出不能となったと
きには焦点検出可能となるまでズーム動作を停止して、
焦点検出可能となった後、ズーム操作されていれば再ズ
ームを行うようにしている。
まず、第23図に示すAFのサブルーチンの変更部分だけ
を第67図に示し説明する。図中、同じ部分には同じステ
ップ番号を付している。#1106において、焦点検出不能
であれば、#1131に進み、ズーム禁止データをセットす
る。そして、#1132でレンズ交信IIIのサブルーチンを
実行し、ズーム停止を行わせ、#1133でローコンスキャ
ンのサブルーチンを実行して、リターンする。#1106に
おいて、焦点検出可能であれば、デフォーカス量DFを算
出し、レンズ駆動量N1を算出し、ローコンスキャンを示
すフラグLSFをリセットする(#1107〜#1110)。そし
て、ズーム許可データをセットし、レンズ交信IIIのサ
ブルーチンを実行して、#1125に進む(#1121,#112
2)。また、#1101において、ローコンスキャン禁止フ
ラグLSINFがセットされているときには、第23図のフロ
ーと同様に、ズームによる補正量N2をN2=MF−NFとし演
算し、レンズ駆動量をN=N2とする(#1116,#111
8)。そして、ズーム許可データをセットし、レンズ交
信IIIのサブルーチンを実行して、ズーム駆動を開始さ
せ、#1185に移行する。
また、第14図のレンズ制御のサブルーチンは、第68図
に示すように変更する。ここでも、同じ部分には同じス
テップ番号を付している。第68図のフローでは、#730
でズーム禁止データをセットした後、レンズ交信IIIの
サブルーチンを実行して、ズームを禁止した後、#815
に進む。また、#736,#738,#740からは#810に進む。
これは、#515のレンズ制御のサブルーチンの後に#540
で実行されるAFのサブルーチンにおいて、焦点検出の結
果に応じてズームの許可/禁止をセットした後に、レン
ズ交信IIIのサブルーチンを実行するからである。
さらに、レンズ側では、第42図のパワーズーム(PZ)
のサブルーチンを第69図に示すように変更する。ここで
も、同じ部分には同じステップ番号を付している。変更
箇所のみを説明すると、#L705でカメラからレンズ交信
IIIのデータを入力した後、このデータ中にズーム禁止
のデータがセットされていれば、#L706でズーム駆動中
を示すフラグZMVFがセットされているか否かを判定し、
セットされていれば、#L707でズームレンズ停止のサブ
ルーチンを実行してリターンし、セットされていなけれ
ば、そのままリターンする。
変形例2 上述の変形例1では、焦点検出不能の場合には、フォ
ーカス優先とし、焦点検出可能となればズーム駆動を許
可していたが、変形例2では、焦点検出不能の後、焦点
検出可能となっても合焦となるまでズーム駆動を禁止す
るものである。このようにすれば、制御が簡単であると
共に、ズーム駆動とフォーカシングを同時に行うことが
ないので、電池電圧の低下の問題が生じない。
この変形例では、第67図に示すフローを第70図に示す
ように変更する以外は変形例1と同様の変更を行うもの
である。まず、#1106で焦点検出可能であれば、デフォ
ーカス量を算出し、駆動量をN1=DF×KLで求めて、ロー
コンスキャン中を示すフラグLSFがリセットされている
か否かを判定する(#1107〜#1109)。フラグLSFがリ
セットされていれば、ズーム許可データをセットし、レ
ンズ交信IIIのサブルーチンを実行して、#1125に進
む。#1109でフラグLSFがセットされていれば、駆動量
をN=N1とし、ズーム禁止データをセットし、レンズ交
信IIIのサブルーチンを実行して、ズーム駆動を禁止
し、#1165に進む(#1161〜#1164)。また、#1102に
おいて、合焦を示すフラグAFEFがセットされているとき
には、N1=0とし、ローコンスキャン中を示すフラグLS
Fをリセットして、#1121に進む(#1112〜#1113)。
変形例3 第71図は第13図のフローの変形例である。この変形例
では、ズーム中にレリーズスイッチS2がONされると、ズ
ーム中であってもズームを禁止、レリーズ(撮影)動作
を行うようにしたものである。まず、#595において、
レリーズスイッチS2がONされていれば、#610で合焦を
示すフラグAFEFがセットされているか否かを判定し、フ
ラグAFEFがセットされていなければ、#635へ進む。フ
ラグAFEFがセットされていれば、#612でレリーズロッ
クであるか否かを判定する。レリーズロックであれば、
#635に進む。レリーズロックでなければ、#613に進
み、ズーム中か否かを判定し、ズーム中でなければ#61
7からの処理を実行する。ズーム中であれば、#614でズ
ーム禁止データをセットし、#615でレンズ交信IIIのサ
ブルーチンを実行して、ズームレンズを停止させ、#61
6でAFレンズ停止のサブルーチンを実行し、#617に進
む。この変形例3は、実施例及び変形例1,2にも適用で
きる。
[発明の効果] 本発明によれば、撮影レンズとしてバリフォーカルレ
ンズを備えるカメラにおいて、現在の焦点距離に予め決
められた所定量を加算又は減算してズーム駆動の目標と
なる目標焦点距離を算出し、上記目標焦点距離を周期的
に入力して目標焦点距離に至るときに生じる焦点ずれ量
を予測演算し、演算された焦点ずれ量を解消するように
焦点調節手段を制御しているので、ズーム駆動に対して
焦点調節動作が遅れることを防止できるという効果があ
る。また、ズーム操作の解除時には目標焦点距離までズ
ーム用レンズを駆動するようにしているので、ズーム駆
動の停止時には焦点ずれは生じないことになり、バリフ
ォーカルレンズの焦点距離の変化に伴う焦点ずれを良好
に補正できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本構成を示すブロック図、第2図
(a),(b)は本発明の一実施例としてのカメラボデ
ィと交換レンズの外部構成をそれぞれ示す斜視図、第3
図は同上のカメラボディのブロック回路図、第4図は同
上の交換レンズのブロック回路図、第5図乃至第29図及
び第30図(a),(b)は同上のカメラボディの動作を
示すフローチャート、第31図乃至第49図は同上の交換レ
ンズの動作を示すフローチャート、第50図乃至第53図は
同上のカメラボディに装着されるICカードの動作を示す
フローチャート、第54図は同上のICカードによる露出制
御特性を示す図、第55図(a)乃至(c)はボディ上表
示部の表示例を示す図、第56図(a)はファインダー内
表示パターンを示す図、同図(b)乃至(i)は同上の
表示例を示す図、第57図はバリフォーカルレンズのピン
ト補正の方法を説明するための図、第58図(a)はレン
ズ表示部の表示パターンを示す図、同図(b)乃至
(e)は同上の表示例を示す図、第59図は同上の交換レ
ンズの断面構造及び同上のカメラボディの概略構成を示
す図、第60図は同上の交換レンズに用いる光学系の動作
説明図、第61図は同上の交換レンズに用いるカム環の展
開図、第62図は同上の交換レンズに用いるエンコーダの
斜視図、第63図は同上の交換レンズに用いるズームエン
コーダの斜視図、第64図は同上の交換レンズに用いる操
作環の分解斜視図、第65図は同上の要部展開図、第66図
(a),(b)は同上の操作環に用いる電気スイッチ部
の平面図及び断面図、第67図乃至第71図は上記実施例の
変形例を示すフローチャートである。 1はズーム操作手段、2はズーム駆動手段、3は焦点調
節手段、4は焦点距離検出手段、5はズーム量算出手
段、6は第1の制御手段、7は第2の制御手段である。
フロントページの続き (72)発明者 有本 哲也 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 (72)発明者 大塚 博司 大阪府大阪市中央区安土町2丁目3番13 号 大阪国際ビル ミノルタカメラ株式 会社内 審査官 柏崎 康司 (56)参考文献 特開 昭59−140408(JP,A) 特開 平1−79714(JP,A) 特開 昭63−291016(JP,A) 特開 昭63−289516(JP,A) 特開 平2−93418(JP,A) 特開 平2−181105(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02B 7/02 - 7/16 G03B 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ズーム用レンズと焦点調節用レンズを有
    し、前記ズーム用レンズの駆動により焦点がずれるバリ
    フォーカルレンズを撮影レンズとして備えるカメラにお
    いて、外部から操作されるズーム操作手段と、該ズーム
    操作手段の操作に応じて前記ズーム用レンズを駆動する
    ズーム駆動手段と、前記焦点調節用レンズを駆動する焦
    点調節手段と、前記撮影レンズの焦点距離を検出する焦
    点距離検出手段と、前記ズーム操作手段の操作時に前記
    焦点距離検出手段により検出された現在の焦点距離に予
    め決められた所定量を加算又は減算してズーム駆動の目
    標となる目標焦点距離を算出するズーム量算出手段と、
    該ズーム量算出手段により算出された目標焦点距離を周
    期的に入力して前記目標焦点距離に至るときに生じる焦
    点ずれ量を予測演算すると共に、演算された焦点ずれ量
    を解消するように前記焦点調節手段を制御する第1の制
    御手段と、前記ズーム操作手段の操作解除時に前記ズー
    ム量算出手段により算出された前記目標焦点距離まで前
    記ズーム用レンズを駆動するように前記ズーム駆動手段
    を制御する第2の制御手段とを備えることを特徴とする
    バリフォーカルレンズを備えるカメラ。
  2. 【請求項2】前記バリフォーカルレンズはカメラ本体に
    着脱自在とされた交換式の撮影レンズであり、前記ズー
    ム操作手段、前記ズーム駆動手段、前記焦点距離検出手
    段、前記ズーム量算出手段、及び前記第2の制御手段は
    レンズ側に設け、前記焦点調節手段と前記第1の制御手
    段はカメラ本体側に設けたことを特徴とする請求項1記
    載のバリフォーカルレンズを備えるカメラ。
  3. 【請求項3】撮影画面の焦点状態を観察可能なファイン
    ダーを備えることを特徴とする請求項1又は2記載のバ
    リフォーカルレンズを備えるカメラ。
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