JP2972688B2 - 航空機用発電機の定速駆動装置およびトラクション変速装置 - Google Patents

航空機用発電機の定速駆動装置およびトラクション変速装置

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JP2972688B2
JP2972688B2 JP10008943A JP894398A JP2972688B2 JP 2972688 B2 JP2972688 B2 JP 2972688B2 JP 10008943 A JP10008943 A JP 10008943A JP 894398 A JP894398 A JP 894398A JP 2972688 B2 JP2972688 B2 JP 2972688B2
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input
transmission roller
speed
transmission
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、航空機に搭載された発電機をエ
ンジントルクによって駆動する航空機用発電機の定速駆
動装置および発電機を含む航空機用発電装置に関する。
また本発明は、変速比が連続可変であるトラクション変
速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】航空機には計器、通信機器、照明、空調
機器、防氷ヒータ等の電気設備に電力を供給するための
発電機が搭載され、たとえば2つのジェットエンジンを
持つ大型旅客機では100kVA級の大型発電機が各エ
ンジンに搭載されている。エンジンには、タービントル
クを分流して油圧ポンプ等の各種機器を駆動するための
アクセサリ駆動軸が設けられており、このアクセサリ駆
動軸が発電機の駆動源となる。
【0003】航空機のエンジン回転数は、着陸時のアイ
ドリング状態から離陸時の加速状態まで大きく変化し、
一般には5000rpm〜10000rpm程度の範囲
で連続的に変化する。一方、発電機の仕様として400
Hz±7Hzの交流出力が規定され、発電機の駆動軸で
は12000rpmまたは24000rpmの定速回転
数が要求される。従って、エンジン出力を増速ギヤ等を
介してそのまま発電機に連結すると、発電機の回転数が
大きく変化するため、何らかの補償機構が必要になる。
【0004】従来の補償機構として、1)油圧ポンプ、
油圧モータ、差動歯車を組み合わせた無段変速機構をア
クセサリ駆動軸と発電機と間に介在させて、エンジン回
転数の変動を吸収して発電機を定速駆動するようにした
機械式のハイドロメカニカル式CSD(Constant Speed
Drive)と、2)周波数変動がある発電機出力を半導体素
子でスイッチングして一定周波数の交流出力に変換する
電気式のVSCF(Variable Speed Constant Frequency
)とが広く採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前者の機械式のもの
は、部品点数が多く機構が複雑であり、油圧への変換損
失等によって約65%という低い伝達効率しか達成でき
ず、しかも高価格である。
【0006】後者の電気式のものは、最近普及しつつあ
るが、大電力を制御しているため発熱量が極めて多くな
り、大型の冷却機構が必要で、全体の重量は機械式より
重くなる。しかも半導体の信頼性が機械式より低いた
め、安全および軽量化を優先すると機械式の方が依然と
して採用率が高い。
【0007】本発明の目的は、小型軽量で高い伝達効率
を実現できる航空機用発電機の定速駆動装置および航空
機用発電装置を提供することである。また本発明の目的
は、小型軽量で高い伝達効率を実現できるトラクション
変速装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、航空機エンジ
ンからの駆動トルクが供給される入力軸と、該入力軸と
連結し、変速比が連続可変であるトラクション変速機構
と、該トラクション変速機構によって変速された駆動ト
ルクを航空機用発電機に供給するための出力軸と、出力
軸が所定回転数を保つように、トラクション変速機構の
変速比を制御するための回転数制御手段とを備え、前記
トラクション変速機構は、入力軸と連動する入力ディス
クと、出力軸と連動する出力ディスクと、入力ディスク
および出力ディスクの間に介在する伝動ローラと、伝動
ローラおよび入力ディスクの各回転軸に対して垂直な軸
回りに伝動ローラを首振り自在に支持するためのヨーク
部材と、ヨーク部材を入力ディスクの回転軸に沿って引
張り、伝動ローラを入力ディスク側に引き寄せることに
よって伝動ローラの押付力を発生するためのアクチュエ
ータとを含むことを特徴とする航空機用発電機の定速駆
動装置である。
【0009】本発明に従えば、入力軸と出力軸との間に
変速比が連続可変であるトラクション変速機構を設ける
ことによって、出力軸回転数と入力軸回転数との関係を
連続的に制御することができる。さらに、トラクション
変速機構の変速比を制御するための回転数制御手段を設
けて、出力軸回転数が一定になるようにフィードバック
動作を行うことによって、入力軸回転数の変動を解消で
きる。従って、航空機エンジンの回転数が大きく変動し
た場合でも、航空機用発電機を一定回転数で駆動するこ
とができる。なお、回転数制御手段として、出力軸の回
転運動を取り出してトラクション変速機構の制御入力と
する機械式フィードバック制御や、出力軸回転数をいっ
たん電気信号に変換してトラクション変速機構の制御入
力とするて電気式フィードバック制御などが考えられ
る。またトラクション変速機構に関して、伝動ローラの
押付力を発生する機構をディスク回転軸とは別個に設け
ることが可能になり、しかもアクチュエータがヨーク部
材を介して伝動ローラを直接引き寄せるようになるた
め、ローラ押付力の制御が高精度かつ容易になる。一般
のトラクション変速機構では、入力ディスク側の軸力発
生機構が軸力を発生して、入力ディスクを介してローラ
押付力を間接的に制御しているため、機構が複雑であ
る。また、軸力発生機構として、対向する2つのカム面
にカムローラを介在させて、カム面のトルク差に応じた
軸力を発生する機構を用いた場合、カムローラの転がり
摩擦等によってトルク差と軸力との間に若干のヒステリ
シス特性が存在する。さらに、高速回転時にはカムロー
ラに大きな遠心力が作用するため、カムローラの支持部
での摩擦が大きくなり、転がりが阻害される可能性があ
る。また、カム面のトルク差が負になる逆トルクが作用
すると、伝動ローラが入力ディスクから離れてしまうた
め、この対策として何らかのバイアス軸力機構を設けて
いる。一方、アクチュエータが伝動ローラを直接駆動す
る構成を採ることによって、上記のようなカムローラに
特有の対策が不要となる。
【0010】また、トラクション変速機構は、ハーフト
ロイダル型CVT(ContinuouslyVariable Transmissin)
やフルトロイダル型CVTなどで構成され、小型軽量
で低損失の変速機構を実現することができる。また、こ
うしたトラクション変速機構をエンジン出力のように高
速回転する伝達系に連結することによって、最大許容ト
ルクが小さくて済むため、装置全体の小型軽量化に寄与
する。
【0011】また本発明は、航空機エンジンからの駆動
トルクが供給される入力軸と、該入力軸と連結し、変速
比が連続可変であるトラクション変速機構と、該トラク
ション変速機構によって変速された駆動トルクを航空機
用発電機に供給するための出力軸と、出力軸が所定回転
数を保つように、トラクション変速機構の変速比を制御
するための回転数制御手段とを備え、前記トラクション
変速機構は、入力軸と連動する入力ディスクと、出力軸
と連動する出力ディスクと、入力ディスクおよび出力デ
ィスクの間に介在する伝動ローラと、伝動ローラから入
力ディスクおよび出力ディスクに対して、伝動ローラの
回転軸方向に押付力を発生する押付力発生機構を備える
ことを特徴とする航空機用発電機の定速駆動装置であ
る。
【0012】本発明に従えば、入力軸と出力軸との間に
変速比が連続可変であるトラクション変速機構を設ける
ことによって、出力軸回転数と入力軸回転数との関係を
連続的に制御することができる。さらに、トラクション
変速機構の変速比を制御するための回転数制御手段を設
けて、出力軸回転数が一定になるようにフィードバック
動作を行うことによって、入力軸回転数の変動を解消で
きる。従って、航空機エンジンの回転数が大きく変動し
た場合でも、航空機用発電機を一定回転数で駆動するこ
とができる。なお、回転数制御手段として、出力軸の回
転運動を取り出してトラクション変速機構の制御入力と
する機械式フィードバック制御や、出力軸回転数をいっ
たん電気信号に変換してトラクション変速機構の制御入
力とするて電気式フィードバック制御などが考えられ
る。またトラクション変速機構に関して、伝動ローラの
回転軸方向に押付力を発生する押付力発生機構を設ける
ことによって、伝動ローラの傾転角が変化しても、押付
力の方向と各ディスクの接触面での接線方向との成す角
度αが一定になるため、接触面法線方向に働く有効押付
力も一定に保たれる。そのため、トラクション変速機構
の変速比が増速側あるいは減速側に大きく変化しても、
有効押付力が安定に作用するため、伝動ローラと各ディ
スクとの間のトルク伝達が確実に行われる。さらに、角
度αが小さくなるように伝動ローラおよび各ディスクの
形状を設計することによって、くさび効果により小さい
押付力で大きな有効押付力を発生することができ、押付
力発生機構の小型軽量化が可能になる。
【0013】
【0014】
【0015】また本発明は、前記回転数制御手段は、出
力軸の回転数を検出するための回転数検出手段と、該回
転数検出手段からの検出信号に基づいて、トラクション
変速機構の変速比を制御するための制御回路とで構成さ
れることを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、回転数検出手段が出力軸
回転数を検出して、制御回路がトラクション変速機構の
変速比を制御することによって、出力軸回転数の安定化
を容易に実現できる。こうした電気的なフィードバック
制御を用いることによって、伝達関数の調整が容易にな
るため、航空機用発電機の駆動回転数を高精度で制御す
ることができる。
【0017】また本発明は、前記制御回路は、航空機エ
ンジンの動作状態を示すエンジン状態量が入力され、エ
ンジン状態量の変化に基づいて入力軸回転数の変化を予
測して、出力軸回転数を安定化することを特徴とする。
【0018】本発明に従えば、スロットル操作量や燃料
流量などのエンジン状態量を制御回路に入力することに
よって、制御回路はエンジン回転数が変化する要因を前
もって知ることが可能になる。そのため、エンジン回転
数が実際に変化する前にエンジン回転数の変化をある程
度予測でき、より最適な伝達関数を設定できるため、航
空機用発電機の駆動回転数をより高精度で制御できる。
【0019】また本発明は、上記の定速駆動装置と、出
力軸によって駆動され、電力を発生するための発電機と
を備えることを特徴とする航空機用発電装置である。
【0020】本発明に従えば、入力軸と出力軸との間に
変速比が連続可変であるトラクション変速機構を設ける
ことによって、出力軸回転数と入力軸回転数との関係を
連続的に制御することができる。さらに、トラクション
変速機構の変速比を制御するための回転数制御手段を設
けて、出力軸回転数が一定になるようにフィードバック
動作を行うことによって、入力軸回転数の変動を解消で
きる。従って、航空機エンジンの回転数が大きく変動し
た場合でも、航空機用発電機を一定回転数で駆動するこ
とができる。
【0021】また本発明は、入力軸と連動する入力ディ
スクと、出力軸と連動する出力ディスクと、入力ディス
クおよび出力ディスクの間に介在する伝動ローラと、伝
動ローラおよび入力ディスクの各回転軸に対して垂直な
軸回りに伝動ローラを首振り自在に支持するためのヨー
ク部材と、ヨーク部材を入力ディスクの回転軸に沿って
引張り、伝動ローラを入力ディスク側に引き寄せること
によって伝動ローラの押付力を発生するためのアクチュ
エータとを含むことを特徴とするトラクション変速装置
である。
【0022】本発明に従えば、伝動ローラの押付力を発
生する機構をディスク回転軸とは別個に設けることが可
能になり、しかもアクチュエータがヨーク部材を介して
伝動ローラを直接引き寄せるようになるため、ローラ押
付力の制御が高精度かつ容易になる。一般のトラクショ
ン変速機構では、入力ディスク側の軸力発生機構が軸力
を発生して、入力ディスクを介してローラ押付力を間接
的に制御しているため、機構が複雑である。また、軸力
発生機構として、対向する2つのカム面にカムローラを
介在させて、カム面のトルク差に応じた軸力を発生する
機構を用いた場合、カムローラの転がり摩擦等によって
トルク差と軸力との間に若干のヒステリシス特性が存在
する。さらに、高速回転時にはカムローラに大きな遠心
力が作用するため、カムローラの支持部での摩擦が大き
くなり、転がりが阻害される可能性がある。また、カム
面のトルク差が負になる逆トルクが作用すると、伝動ロ
ーラが入力ディスクから離れてしまうため、この対策と
して何らかのバイアス軸力機構を設けている。一方、ア
クチュエータが伝動ローラを直接駆動する構成を採るこ
とによって、上記のようなカムローラに特有の対策が不
要となる。
【0023】また本発明は、入力軸と連動する入力ディ
スクと、出力軸と連動する出力ディスクと、入力ディス
クおよび出力ディスクの間に介在する伝動ローラと、伝
動ローラから入力ディスクおよび出力ディスクに対し
て、伝動ローラの回転軸方向に押付力を発生する押付力
発生機構を備えることを特徴とするトラクション変速装
置である。
【0024】本発明に従えば、伝動ローラの回転軸方向
に押付力を発生する押付力発生機構を設けることによっ
て、伝動ローラの傾転角が変化しても、押付力の方向と
各ディスクの接触面での接線方向との成す角度αが一定
になるため、接触面法線方向に働く有効押付力も一定に
保たれる。そのため、トラクション変速機構の変速比が
増速側あるいは減速側に大きく変化しても、有効押付力
が安定に作用するため、伝動ローラと各ディスクとの間
のトルク伝達が確実に行われる。さらに、角度αが小さ
くなるように伝動ローラおよび各ディスクの形状を設計
することによって、くさび効果により小さい押付力で大
きな有効押付力を発生することができ、押付力発生機構
の小型軽量化が可能になる。
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る航空機用発
電装置の一例を示す構成図である。航空機用発電装置1
は、航空機に搭載された発電機2と、航空機エンジンか
らの駆動トルクを発電機2に伝達し、発電機2の駆動回
転数を一定に保持するための定速駆動装置10などで構
成される。
【0029】発電機2は、定速駆動装置10の出力軸2
3と連結した駆動軸3と、駆動軸3と一体的に回転する
回転子4と、回転子4の周囲に近接配置された固定子5
などで構成され、回転子4がたとえば24000rpm
の回転数で回転することによって、固定子5のコイルに
400Hzの交流電力が発生する。
【0030】定速駆動装置10は、航空機エンジンのア
クセサリ駆動軸7に連結される入力軸11と、発電機2
の駆動軸3に連結される出力軸23と、入力軸11およ
び出力軸23の間に介在し、変速比が連続可変であるト
ラクション変速機構などで構成される。アクセサリ駆動
軸7は凹型のスプライン軸で形成され、入力軸11は凸
型のスプライン軸で形成され、両者は着脱自在で軸方向
変位が許容され、回転トルクだけが伝達される。発電機
2の駆動軸3および出力軸23も同様なスプライン軸に
よる接続機構が採られる。
【0031】トラクション変速機構は、入力軸11と連
動して回転する入力ディスク20と、出力軸23と連動
して回転する出力ディスク22と、入力ディスク20お
よび出力ディスク22の間に介在する伝動ローラ21
と、伝動ローラ21の押付力を発生するための軸力発生
機構12などで構成される。伝動ローラ21は、トラニ
オンと呼ばれる支持部材によって、ローラ軸回りの回転
を許容し、かつローラ軸およびディスク回転軸を含む平
面内で傾転自在に支持されている。
【0032】伝動ローラ21と入力ディスク20とが接
触する位置をディスク回転軸から測った距離を入力側接
触半径Riとし、伝動ローラ21と出力ディスク22と
が接触する位置をディスク回転軸から測った距離を出力
側接触半径Roとし、入力軸11および入力ディスク2
0の回転数をNiとし、出力軸23および出力ディスク
22の回転数をNoとすると、変速比No/Ni=Ri
/Roという関係が成立する。そこで、伝動ローラ21
の傾転角を制御することによって、各接触半径Ri、R
oが連続的に変化するため、変速比No/Niを連続的
に変化させることが可能になる。
【0033】発電機2の駆動回転数を24000rpm
に保持するために、アクセサリ駆動軸7の回転数が増加
した場合にはその分変速比No/Niを小さくし、アク
セサリ駆動軸7の回転数が減少した場合にはその分変速
比No/Niを大きくする必要がある。航空機エンジン
の回転数がたとえば4800rpm〜9600rpmの
範囲で変化する場合には、変速比No/Niを5から
2.5の範囲で制御することになる。発電機2の駆動回
転数が航空機エンジンの回転数より常に大きいため、ト
ラクション変速機構は常に増速モードになる。
【0034】したがって、半径比Ri/Roも2.5か
ら5の範囲で変化するため、各ディスク20、22のロ
ーラ接触面もその範囲に対応できる寸法で充分となる。
そこで、出力ディスク22の外径を入力ディスク20の
外径より小さく形成し、各ディスクの形状を非対称に形
成することによって、出力ディスク22の小型軽量化が
可能となり、装置全体の小型軽量化を図ることができ
る。
【0035】一方、変速比No/Niを制御するための
回転数制御手段は、出力軸23に取り付けられ、円周方
向に沿って周期的な形状変化を有するパルス円板91
と、パルス円板91の回転数を電気的、磁気的または光
学的に検出するための回転数センサ92と、回転数セン
サ92からの検出信号S1に基づいて、トラクション変
速機構の変速比を指示する制御信号S3を出力するため
の制御計算機90などで構成される。なお、回転数セン
サ92からの信号の代わりに、発電機2の出力電圧の周
波数成分を取り出して、回転数を表す検出信号S1とし
て制御に使用することも可能である。
【0036】制御計算機90は、回転数センサ92で検
出される出力軸回転数Noが所定値に保たれるようにフ
ィードバック制御を行うことによって、発電機2の駆動
回転数を高精度で制御する。制御計算機90は、制御プ
ログラムに従って演算処理を行っており、個々のエンジ
ン特性や発電機特性等に応じてフィードバック制御の伝
達関数を任意に設定できるため、高精度な回転数制御を
実現できる。なお、こうしたフィードバック制御をアナ
ログ回路で実現することも可能である。
【0037】さらに、より高精度な回転数制御を実現す
るために、制御計算機90には、航空機の飛行制御計算
機(不図示)からエンジンの動作状態を示すエンジン状
態量、たとえばスロットル操作量や燃料流量などを示す
状態信号S2が入力される。エンジンの質量はかなり大
きいため、燃料流量が急速に変化してもエンジン回転数
は比較的ゆっくりとした応答を示す。制御回路90は状
態信号S2に基づいてエンジン回転数が変化する要因を
前もって知ることによって、エンジン回転数が実際に変
化する前にエンジン回転数の変化をある程度予測でき、
より最適な伝達関数を調整することによって発電機2の
駆動回転数をより高精度で制御できる。
【0038】図1のトラクション変速機構は、1組の伝
動ローラ21、入力ディスク20および出力ディスク2
2から成るシングルキャビティ式のものを示したが、ダ
ブルキャビティ式のものも同様に適用できる。
【0039】図2は、航空機用発電装置の他の例を示す
構成図である。これは、ダブルキャビティ式のトラクシ
ョン変速機構を使用した例であり、軸力発生機構72、
入力ディスク73、伝動ローラ74、出力ディスク75
から成る第1変速機構と、軸力発生機構76、入力ディ
スク77、伝動ローラ78、出力ディスク79から成る
第2変速機構とを含む。
【0040】アクセサリ駆動軸7から入力軸11に供給
された駆動トルクは、歯車70、71を介して第1変速
機構および第2変速機構に分流される。伝動ローラ7
4、78の傾転角は互いに一致するように制御され、第
1変速機構および第2変速機構の変速比も一致する。出
力ディスク75と出力ディスク79は中空軸構造を介し
て一体的に回転し、発電機2を駆動する。
【0041】図3は、航空機用発電装置のさらに他の例
を示す構成図である。これも、ダブルキャビティ式のト
ラクション変速機構を使用した例であり、軸力発生機構
72、入力ディスク73、伝動ローラ74、出力ディス
ク75から成る第1変速機構と、入力ディスク77、伝
動ローラ78、出力ディスク79から成る第2変速機構
とを含み、入力ディスク73、77が中空軸構造を介し
て連結され一体的に回転する。
【0042】入力軸11に供給された駆動トルクは、歯
車70、71を介して第1変速機構の入力ディスク73
および第2変速機構の入力ディスク77に分流される。
伝動ローラ74、78の傾転角は互いに一致するように
制御され、第1変速機構および第2変速機構の変速比も
一致する。出力ディスク75と出力ディスク79からの
出力トルクは歯車80、81を介して、発電機2を駆動
する。
【0043】こうしたダブルキャビティ式は、シングル
キャビティ式と比べて、伝動ローラ74、78の接触面
積が増加するため、耐久性や寿命の点で好ましく、さら
に軸力が内部で完結するため、効率が向上する。一方、
シングルキャビティ式は、入力ディスク、出力ディスク
および伝動ローラ等の1組分だけで構成可能であり、し
かも航空機用発電機の駆動トルクは比較的小さいため、
航空機に搭載するには簡単かつ小型軽量なシングルキャ
ビティ式がより好ましい。
【0044】図4は、定速駆動装置10の第1実施形態
を示す構成図である。まずトラクション変速機構につい
て説明する。入力ディスク20および出力ディスク22
の間には伝動ローラ21が介在している。入力ディスク
20と伝動ローラ21とが接触する面20bおよび出力
ディスク22と伝動ローラ21とが接触する面22aは
トロイダル曲面状に形成され、伝動ローラ21の傾転角
が変化しても各ディスク20、22と伝動ローラ21と
の接触が常に保たれる。入力ディスク20はスプライン
軸受19を介して貫通軸部材18に軸支され、入力ディ
スク20の軸方向変位を許容している。
【0045】伝動ローラ21はスラスト軸受30および
ラジアル軸受31によって軸支され、さらに伝動ローラ
21を傾転中心Mの回りに傾転自在に支持し制御するた
めのトラニオン32が設けられる。伝動ローラ21はデ
ィスク回転軸の回りに対称的に複数(図4では2個)配
置され、伝動ローラ21の傾転角が変化することによっ
て、入力側接触半径Riおよび出力側接触半径Roが変
化する。
【0046】出力ディスク22はトルクを出力する出力
軸23と一体的に形成され、ラジアル軸受40を介して
貫通軸部材18に回転可能に軸支され、さらにアンギュ
ラ軸受41を介してハウジングに軸支されて軸方向変位
が規制される。
【0047】変速比No/Niをたとえば5から2.5
の範囲で制御する場合、半径比Ri/Roも2.5から
5の範囲で変化する。そのため出力ディスク22の外径
は入力ディスク20の外径より小さく形成でき、各ディ
スク20、21の形状を非対称に形成することによっ
て、出力ディスク22の小型軽量化が可能となる。
【0048】次に軸力発生機構12について説明する。
入力軸11と入力ディスク20との間に設けられた軸力
発生機構12は、入力軸11と共に回転するディスク形
状の回転カム13を有し、回転カム13および入力ディ
スク20が対向する面には周方向に沿って面間隔が連続
的に変化するように波状のカム面13a、20aが複数
等間隔でそれぞれ形成されている。カム面13a、20
aの間には複数のカムローラ14が両面に接触するよう
に介在し、定常状態でカム面13a、20aの谷位置に
位置している。回転カム13、カムローラ14および入
力ディスク20が互いに所定の押圧力で密着するよう
に、たとえば入力軸11が皿ばね等(不図示)によって
入力ディスク20側に押圧されている。
【0049】リテーナ15は、円板にカムローラ14の
外形より僅かに大きい矩形状の保持孔を周方向に沿って
複数等間隔で形成したものであり、これらの保持孔にカ
ムローラ14を装着することによって、カムローラ14
の回転を許容しつつ、カムローラ14同士の相対位置を
保持する。
【0050】回転カム13の中心は中空状に形成され、
ここに回転中心を規定するための貫通軸部材18が挿入
されている。貫通軸部材18には軸力変動を吸収する皿
ばね16と、スラストベアリング17とが装着され、回
転カム13と入力ディスク20との間に介在して回転カ
ム13の軸振れを防止している。
【0051】軸力発生機構12の動作について説明す
る。軽負荷状態で回転カム13および入力ディスク20
が定常回転している場合は、カムローラ14はカム面1
3a、20aの谷に位置した状態で回転カム13および
入力ディスク20と一体的に公転する。
【0052】次に入力軸11に正のトルクが加わると、
回転カム13が入力ディスク20より先行して回転しよ
うとするため、両者の相対的角変位に伴ってカムローラ
14が周方向に転がり、カム面13a、20aの斜面を
乗り上がろうとする。すると、カム面13a、20aの
面間隔が広がろうとして、入力ディスク20が回転軸方
向に押圧されて、軸力を発生する。こうして回転カム1
3および入力ディスク20のトルク差にほぼ比例した軸
力を発生することができる。
【0053】軸力発生機構12で発生した軸力は、入力
ディスク20を介して押付力Faとして伝動ローラ21
を押圧する。入力ディスク20の面20bおよび伝動ロ
ーラ21が接触する接点Aから傾転中心Mに向かう力が
伝動ローラ21に対する有効押付力Fpとなる。出力デ
ィスク22においても同様に、面22aおよび伝動ロー
ラ21が接触する接点Bから傾転中心Mに向かう力が伝
動ローラ21に対する有効押付力Fqとなる。トラニオ
ン32は、2つの有効押付力Fp、Fqと釣合う力で伝
動ローラ21を支持する。
【0054】伝動ローラ21が傾転すると、接点Aにお
ける接線Taと押付力Faとが成す角度αも変化するた
め、有効押付力Fp、Fqは傾転角に応じて変化する。
そのため、伝動ローラ21の傾転角が変化する範囲に渡
って、各ディスク20、22と伝動ローラ21の間に滑
りが生じないように、一定以上の有効押付力Fp、Fq
が印加されるように軸力が調整される。
【0055】図5は、定速駆動装置10の第2実施形態
を示す構成図である。トラクション変速機構は、入力デ
ィスク20、出力ディスク22および伝動ローラ21な
どで構成され、図4と同様な構成であるので重複説明を
省く。
【0056】本実施形態では、出力ディスク22側に軸
力発生機構45が設けられる。出力ディスク22と出力
軸23との間に設けられた軸力発生機構45は、出力軸
23と共に回転するディスク形状の回転カム43を有
し、出力ディスク22および回転カム43が対向する面
には周方向に沿って面間隔が連続的に変化するように波
状のカム面22b、43aが複数等間隔でそれぞれ形成
されている。カム面22b、43aの間には複数のカム
ローラ42が両面に接触するように介在し、定常状態で
カム面22b、43aの谷位置に位置している。回転カ
ム43、カムローラ42および出力ディスク22が互い
に所定の押圧力で密着するように、たとえば出力軸23
が皿ばね等(不図示)によって出力ディスク22側に押
圧されている。
【0057】リテーナ44は、円板にカムローラ42の
外形より僅かに大きい矩形状の保持孔を周方向に沿って
複数等間隔で形成したものであり、これらの保持孔にカ
ムローラ42を装着することによって、カムローラ42
の回転を許容しつつ、カムローラ42同士の相対位置を
保持する。
【0058】軸力発生機構45の動作について説明す
る。軽負荷状態で出力ディスク22および回転カム43
が定常回転している場合は、カムローラ42はカム面2
2b、43aの谷に位置した状態で出力ディスク22お
よび回転カム43と一体的に公転する。
【0059】次に出力ディスク22に正のトルクが加わ
ると、出力ディスク22が回転カム43より先行して回
転しようとするため、両者の相対的角変位に伴ってカム
ローラ42が周方向に転がり、カム面22b、43aの
斜面を乗り上がろうとする。すると、カム面22b、4
3aの面間隔が広がろうとして、回転カム43が回転軸
方向に押圧されて、軸力を発生する。こうして出力ディ
スク22および回転カム43のトルク差にほぼ比例した
軸力を発生することができる。
【0060】軸力発生機構45で発生した軸力は、出力
ディスク22を介して押付力Fbとして伝動ローラ21
を押圧する。このとき変速比が大きく、伝動ローラ21
の傾転角が大きい場合、出力ディスク22の面22aお
よび伝動ローラ21が接触する接点Bにおける接線Tb
は、ディスク回転軸の方向、すなわち押付力Fbとの成
す角度αが小さくなる。そのため出力ディスク22の面
22aが伝動ローラ21に対してくさびのように浅い角
度で押し付けるようになり、その結果、小さい押付力F
bで大きな有効押付力Fqを得ることができる。
【0061】図6は、定速駆動装置10の第3実施形態
を示す構成図である。トラクション変速機構は、入力デ
ィスク20、出力ディスク22および伝動ローラ21な
どで構成され、図4と同様な構成であるので重複説明を
省く。また、出力側の軸力発生機構45も図5と同様な
構成である。
【0062】本実施形態では、図4に示した入力側の軸
力発生機構12の代わりに、伝動ローラ21に連結して
入力ディスク20側に引き寄せることによって、伝動ロ
ーラ21の押付力を発生する押付力発生機構50が設け
られる。
【0063】押付力発生機構50は、一端が伝動ローラ
21の傾転軸33を回転自在に支持し、他端が伝動ロー
ラ21の回転軸およびディスク回転軸の両方を含む平面
(図6の紙面)に対して平行な面内、すなわち各回転軸
に対して垂直な軸回りに首振り自在に支持されたヨーク
部材52と、上側および下側のヨーク部材52を同軸で
軸支するための支持軸51と、支持軸51をディスク回
転軸方向に沿って入力ディスク20側に引き寄せるリニ
ア型アクチュエータなどで構成される。
【0064】傾転軸33は傾転中心Mを通って両側(紙
面の表側と裏側)に延出しており、1対のヨーク部材5
2が伝動ローラ21を挟むように、傾転軸33を両軸受
けで支持している。下側の伝動ローラ21も同様に1対
のヨーク部材52で軸支され、たとえば伝動ローラ21
が上下2つ配置される場合には計4本のヨーク部材52
が1本の支持軸51に軸支される。
【0065】支持軸51を引っ張るためのアクチュエー
タは、支持軸51と連動する中空状のロッド67と、イ
ンナーレース61およびアウターレース62から成り、
ロッド67に軸方向の力を印加するためのボールねじ6
0と、インナーレース61に軸回りトルクを発生するモ
ータ65などで構成される。
【0066】入力軸11は先端がスプライン軸に形成さ
れ、先端から入力ディスク20に至る途中が中空状に形
成されており、この中空内部空間にアクチュエータが配
置される。入力軸11および入力ディスク20は一体的
に形成され、アンギュラ軸受41を介してハウジングに
軸支されて軸方向変位が規制される。
【0067】ロッド67とインナーレース61とはボー
ルベアリングを介してねじ溝で係合しており、インナー
レース61の回転変位がロッド67の軸方向変位に変換
される。なお、ロッド67とインナーレース61との間
にはプリロード用のばね63が配置される。インナーレ
ース61とアウターレース62とはボールベアリングを
介して円周溝で係合しており、アウターレース62はイ
ンナーレース61の軸回り回転を許容するとともに、イ
ンナーレース61に作用する軸方向の力を支持する。
【0068】アウターレース62は、入力軸11の中空
部の内面にローラベアリング64を介して支持され、入
力軸11の回転を許容しつつ、アウターレース62に作
用する軸方向の力が入力軸11によって支持される。モ
ータ65は、たとえばステッピングモータ等で構成さ
れ、モータ65の本体側がアウターレース62に固定さ
れ、回転軸66がインナーレース61に係合し駆動す
る。モータ65に電力を供給するためのリード線69
は、モータ65、回転軸66およびロッド67の軸中心
に形成された中空部を通って、出力ディスク22の手前
付近で外部に引き出される。また、アウターレース62
と貫通軸部材18との間には、アウターレース62の回
転を止めるための回転止め部材68が設けられ、貫通軸
部材18も回転しないようにハウジングに固定される。
なお、モータ65として電気的なモータの他に油圧モー
タ等も利用可能であり、さらにリニア型のモータを使用
した場合にはボールねじ60を省略できる。また、モー
タ65およびボールねじ60の代わりに、全体を油圧ピ
ストンに置換えることも可能である。
【0069】次に動作を説明する。モータ65の回転軸
66がたとえば右回りの回転トルクを発生すると、イン
ナーレース61に伝達され、ねじ溝を介してロッド67
をモータ65側に引き寄せる力が作用する。すると、支
持軸51がヨーク部材52の根元を引き寄せて、さらに
ヨーク部材52が伝動ローラ21を入力ディスク20側
に引き寄せ、伝動ローラ21の押付力は増加する。
【0070】逆に、モータ65の回転軸66がたとえば
左回りの回転トルクを発生すると、インナーレース61
を介してロッド67を出力ディスク22側に押し込む力
が作用する。すると、ヨーク部材52の引っ張り力が減
少して、伝動ローラ21の押付力は減少する。
【0071】このように伝動ローラ21の押付力を発生
する押付力発生機構50をディスク回転軸とは別個に設
けることが可能になり、しかもアクチュエータがヨーク
部材52を介して伝動ローラ21を直接引き寄せるよう
になるため、ローラ押付力の制御が高精度かつ容易にな
る。
【0072】図7は、定速駆動装置10の第4実施形態
を示す構成図である。トラクション変速機構は、入力デ
ィスク20、出力ディスク22および伝動ローラ21な
どで構成され、図4と同様な構成であるので重複説明を
省く。
【0073】本実施形態では、伝動ローラ21の押付力
を発生する押付力発生機構50をトラニオン32に組み
込んでいる。トラニオン32は、スラスト軸受30およ
びラジアル軸受31を介して伝動ローラ21を回転自在
に軸支している。トラニオン32はピストン102およ
びシリンダから成る油圧アクチュエータとして構成さ
れ、ピストン102を挟む油圧室103、104の内部
圧力を外部から制御することによって、ピストン102
が伝動ローラ21の回転軸方向に押付力Faを発生し、
伝動ローラ21を各ディスク20、22に向けて押圧す
る。
【0074】こうした構成によって、押付力Faは、外
部から任意に制御可能になり、しかも伝動ローラ21の
傾転角に依存しなくなるため、入力トルクに応じた充分
な押付力Faを発生でき、有効押付力Fp、Fqが安定
に作用する。その結果、伝動ローラ21と各ディスク2
0、22との間のトルク伝達が確実に行われる。
【0075】図8は、定速駆動装置10の第5実施形態
を示す構成図である。トラクション変速機構は、入力デ
ィスク20、出力ディスク22および伝動ローラ21な
どで構成され、図4と同様な構成であるので重複説明を
省く。
【0076】本実施形態では、図7と同様に、伝動ロー
ラ21の押付力を発生する押付力発生機構50をトラニ
オン32に組み込んでいる。トラニオン32はモータ1
10、固定ねじ部112および可動ねじ部113から成
るリニアアクチュエータとして構成される。モータ11
0の出力軸111に形成された固定ねじ部112と伝動
ローラ21を軸支する可動ねじ部113とが互いに歯合
している。モータ110の回転トルクが外部から制御さ
れると、可動ねじ部113は伝動ローラ21の回転軸方
向に押付力Faを発生し、伝動ローラ21を各ディスク
20、22に向けて押圧する。
【0077】こうした構成によって、押付力Faは、外
部から任意に制御可能になり、しかも伝動ローラ21の
傾転角に依存しなくなるため、入力トルクに応じた充分
な押付力Faを発生でき、有効押付力Fp、Fqが安定
に作用する。その結果、伝動ローラ21と各ディスク2
0、22との間のトルク伝達が確実に行われる。
【0078】また、図6〜図8に示す押付力発生機構5
0の動作を図1の制御計算機90で制御することによっ
て、エンジン状態量に応じて伝動ローラ21の押付力を
制御できる。そのため、エンジンの出力トルクが大きく
なると押付力を高めて、出力トルクが小さい場合やエン
ジン停止の場合には押付力を弱くするなど、必要に応じ
て押付力を調整できるため、トラクション変速機構の寿
命を延ばすことができる。
【0079】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、入
力軸と出力軸との間に変速比が連続可変であるトラクシ
ョン変速機構を設けることによって、出力軸回転数と入
力軸回転数との関係を連続的に制御することができる。
さらに、トラクション変速機構の変速比を制御するため
の回転数制御手段を設けて、出力軸回転数が一定になる
ようにフィードバック動作を行うことによって、入力軸
回転数の変動を解消できる。従って、航空機エンジンの
回転数が大きく変動した場合でも、航空機用発電機を一
定回転数で駆動することができる。
【0080】また、トラクション変速機構は、小型軽量
で低損失の変速機構を実現することができ、また、こう
したトラクション変速機構をエンジン出力のように高速
回転する伝達系に連結することによって、最大許容トル
クが小さくて済むため、装置全体の小型軽量化に寄与す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る航空機用発電装置の一例を示す構
成図である。
【図2】本発明に係る航空機用発電装置の他の例を示す
構成図である。
【図3】本発明に係る航空機用発電装置のさらに他の例
を示す構成図である。
【図4】定速駆動装置10の第1実施形態を示す構成図
である。
【図5】定速駆動装置10の第2実施形態を示す構成図
である。
【図6】定速駆動装置10の第3実施形態を示す構成図
である。
【図7】定速駆動装置10の第4実施形態を示す構成図
である。
【図8】定速駆動装置10の第5実施形態を示す構成図
である。
【符号の説明】
1 航空機用発電装置 2 発電機 10 定速駆動装置 11 入力軸 12、45 軸力発生機構 13、43 回転カム 14、42 カムローラ 15、44 リテーナ 20 入力ディスク 21 伝動ローラ 22 出力ディスク 23 出力軸 50 押付力発生機構 52 ヨーク部材 90 制御計算機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:42 63:06 (56)参考文献 特開 昭51−17770(JP,A) 特開 平2−157483(JP,A) 特開 平6−288455(JP,A) 実公 昭46−24753(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 F16H 15/38

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 航空機エンジンからの駆動トルクが供給
    される入力軸と、 該入力軸と連結し、変速比が連続可変であるトラクショ
    ン変速機構と、 該トラクション変速機構によって変速された駆動トルク
    を航空機用発電機に供給するための出力軸と、 出力軸が所定回転数を保つように、トラクション変速機
    構の変速比を制御するための回転数制御手段とを備え、 前記トラクション変速機構は、入力軸と連動する入力デ
    ィスクと、 出力軸と連動する出力ディスクと、 入力ディスクおよび出力ディスクの間に介在する伝動ロ
    ーラと、 伝動ローラおよび入力ディスクの各回転軸に対して垂直
    な軸回りに伝動ローラを首振り自在に支持するためのヨ
    ーク部材と、 ヨーク部材を入力ディスクの回転軸に沿って引張り、伝
    動ローラを入力ディスク側に引き寄せることによって伝
    動ローラの押付力を発生するためのアクチュエータとを
    含むことを特徴とする航空機用発電機の定速駆動装置。
  2. 【請求項2】 航空機エンジンからの駆動トルクが供給
    される入力軸と、 該入力軸と連結し、変速比が連続可変であるトラクショ
    ン変速機構と、 該トラクション変速機構によって変速された駆動トルク
    を航空機用発電機に供給するための出力軸と、 出力軸が所定回転数を保つように、トラクション変速機
    構の変速比を制御するための回転数制御手段とを備え、 前記トラクション変速機構は、入力軸と連動する入力デ
    ィスクと、 出力軸と連動する出力ディスクと、 入力ディスクおよび出力ディスクの間に介在する伝動ロ
    ーラと、 伝動ローラから入力ディスクおよび出力ディスクに対し
    て、伝動ローラの回転軸方向に押付力を発生する押付力
    発生機構を備えることを特徴とする航空機用発電機の定
    速駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記回転数制御手段は、 出力軸の回転数を検出するための回転数検出手段と、 該回転数検出手段からの検出信号に基づいて、トラクシ
    ョン変速機構の変速比を制御するための制御回路とで構
    成されることを特徴とする請求項1または2記載の航空
    機用発電機の定速駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記制御回路は、航空機エンジンの動作
    状態を示すエンジン状態量が入力され、エンジン状態量
    の変化に基づいて入力軸回転数の変化を予測して、出力
    軸回転数を安定化することを特徴とする請求項3記載の
    航空機用発電機の定速駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の定速駆動装置
    と、 出力軸によって駆動され、電力を発生するための発電機
    とを備えることを特徴とする航空機用発電装置。
  6. 【請求項6】 入力軸と連動する入力ディスクと、 出力軸と連動する出力ディスクと、 入力ディスクおよび出力ディスクの間に介在する伝動ロ
    ーラと、 伝動ローラおよび入力ディスクの各回転軸に対して垂直
    な軸回りに伝動ローラを首振り自在に支持するためのヨ
    ーク部材と、 ヨーク部材を入力ディスクの回転軸に沿って引張り、伝
    動ローラを入力ディスク側に引き寄せることによって伝
    動ローラの押付力を発生するためのアクチュエータとを
    含むことを特徴とするトラクション変速装置。
  7. 【請求項7】 入力軸と連動する入力ディスクと、 出力軸と連動する出力ディスクと、 入力ディスクおよび出力ディスクの間に介在する伝動ロ
    ーラと、 伝動ローラから入力ディスクおよび出力ディスクに対し
    て、伝動ローラの回転軸方向に押付力を発生する押付力
    発生機構を備えることを特徴とするトラクション変速装
    置。
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