JP2971511B2 - 被処理水の電気化学的処理方法 - Google Patents

被処理水の電気化学的処理方法

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JP2971511B2 JP12255190A JP12255190A JP2971511B2 JP 2971511 B2 JP2971511 B2 JP 2971511B2 JP 12255190 A JP12255190 A JP 12255190A JP 12255190 A JP12255190 A JP 12255190A JP 2971511 B2 JP2971511 B2 JP 2971511B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、熱交換器用冷却水等の被処理水中に溶解し
ているカルシウム、マグネシウムあるいは珪素等の金属
イオンを電気化学的に除去するための方法に関し、より
詳細には前記被処理水を三次元電極式電解槽に供給して
電気化学的に処理することにより前記カルシウム等の金
属イオンをその水酸化物又は酸化物として前記三次元電
極上に析出させて除去する被処理水の電気化学的処理方
法に関する。
(従来技術) 近年における特にマンション等の集合住宅あるいはビ
ル等の多数の企業が集合して形成される建築物の増加に
伴い、該建築物等に設置される各種冷暖房設備の設置台
数も飛躍的に増加している。このような多数の冷暖房設
備が設置されているマンション等では、通常該冷暖房設
備の冷却水の熱交換器用設備例えば熱交換器用タンクが
その屋上に設置されている。この冷却水も長期間使用を
継続すると細菌や黴類が繁殖したり、蒸発による水量減
少分を補充する操作によって次第に熱交換水のカルシム
及びマグネシウムイオン濃度は増加する。
この熱交換器用冷却水中のカルシウム及び/又はマグ
ネシウムイオン濃度が上昇すると、該イオンが前記熱交
換器の熱交換面に析出して熱交換効率を大幅に低下さ
せ、あるいは冷却水の循環用配管の内壁面に金属水酸化
物が析出して最悪の場合には前記配管を閉塞して冷却水
の循環が出来なくなる。
又天然水にはカルシウム塩やマグネシウム塩を多く溶
解している硬水が多く、この硬水から飲料水を調製する
と得られる飲料水にもカルシウムやマグネシウムが溶解
し、その量が多いと飲料水の味を悪くする等の弊害が生
ずる。
これらのカルシウム塩やマグネシウム塩を冷却水や飲
料水から除去するには従来は煮沸処理やイオン交換処理
等の処理が行われているが、これらの処理は特に大量処
理を必要とする場合にはコスト的な負担が大きく、商業
的には行われていない。従って従来は配管が閉塞する前
に配管内の洗浄を行ったり、味の落ちた飲料水をそのま
ま飲むようにしている。
(発明が解決しようとする問題点) このように熱交換器用冷却水や飲料水をはじめとする
各種被処理水に含まれるカルシウムやマグネシウム等の
各種イオン又は塩を、比較的容易にかつ大量の被処理水
から除去可能な手段は従来は存在せず、前記イオン等の
存在による欠点をそのまま甘受している。
(発明の目的) 本発明は、薬剤を使用したり手間の掛かる操作を必要
とすることなく例えば熱交換器用冷却水等のカルシウム
やマグネシウム等のイオンや塩を含む被処理水から前記
イオンを容易に除去出来る方法を提供することを目的と
する。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、カルシウム、マグネシウム及び珪素から選
択される1又は2以上の金属のイオンを含有する被処理
水を、電圧の印加により分極した三次元電極を有する三
次元電極式電解槽に供給し、前記被処理水中の前記カル
シウム、マグネシウム及び珪素から選択される1又は2
以上の金属イオンをその水酸化物又は酸化物に変換し前
記三次元電極上に析出させて前記被処理水から除去する
被処理水の電気化学的処理方法である。なお本発明では
電極等の表面上で実質的な電気化学反応を生起しない場
合があるため本発明に使用される槽は電気化学的処理槽
というべきであるが、一般呼称に従って電解槽と称す
る。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明は、熱交換器用冷却水等のカルシウムやマグネ
シウム等のイオンを含む被処理水を三次元電極式電解槽
に供給し、該電解槽に直流又は交流電圧を印加して電解
によるガスを伴いあるいは伴わずに前記被処理水を処理
して前記被処理水から前記カルシウムやマグネシウムを
除去することを特徴とするものである。
水道水にはカルシウムイオンやマグネシウムイオンが
含有され水道水の配管の内壁へのこれらのイオンの析出
による配管の閉塞は大きな問題となっているが、多くの
場合水道水を水源として使用する熱交換器用冷却水中に
もカルシウムイオンやマグネシウムイオンが含有され、
該イオンは熱交換器の熱交換面に付着し易く付着すると
冷却水と被冷却水間の熱交換効率を低下させる。このよ
うに熱交換器の性能を低下させる熱交換器用冷却水中の
カルシウムイオン及びマグネシウムイオンは、該冷却水
を電気化学的に処理を行うと三次元電極式電解槽の陰極
や三次元電極上で還元されて水酸化カルシウムや水酸化
マグネシウムとして該陰極面上へ析出して冷却水から除
去され前記熱交換面に析出して熱交換効率を低下させる
ことがなくなる。又カルシウムやマグネシウム以外にも
珪素イオンや塩が水道水中に溶解していることがあり、
該珪素イオンの存在も好ましくないが、この珪素イオン
を溶解した被処理水に本発明による電気化学処理を施す
と、該珪素イオンは酸化珪素に変換されて陰極上に析出
し、前記被処理水から除去される。
本発明方法に使用する電解槽は複極型固定床式三次元
電極電解槽とする。本発明による熱交換器用冷却水等の
被処理水の処理では、処理される該被処理水が電極ある
いは後述する誘電体あるいは粒子等と接触する機会が多
いほど処理効率が上昇して効率良く前記カルシウムイオ
ン等が除去される。従って電極等の表面積が大きい複極
式固定床三次元電極電解槽を使用すると他の電解槽を使
用する場合よりも処理効率を上昇させることが出来、こ
れにより同一の処理効率を達成するために必要な装置サ
イズを他の電解槽よりも小さくできる点で有利である。
本発明の三次元電極電解槽における三次元電極は、前
記被処理水が透過可能な多孔質材料、例えば粒状、球
状、フェルト状、織布状、多孔質ブロック状、多数の貫
通孔を形成した中実体等の形状を有する活性炭、グラフ
ァイト、炭素繊維等の炭素系材料から、あるいは同形状
を有するニッケル、銅、ステンレス、鉄、チタン等の金
属材料、更にそれら金属材料に貴金属のコーティングを
施した材料から形成された複数個の誘電体から成ること
が好ましく、該三次元電極は直流電場内に置かれ、両端
に設置した平板状又はエキスパンドメッシュ状やパーフ
ォレーティッドプレート状等の多孔板体から成る給電用
陽陰極間に直流電圧を印加して前記誘電体を分極させ該
誘電体の一端及び他端にそれぞれ正及び負の電荷が形成
されて分極する。この他に給電用陽極及び陰極とは別個
に、単独で陽極としてあるいは陰極として機能する三次
元材料を交互に短絡しないように設置しかつ電気的に接
続して複極型固定床式電解槽とすることができる。なお
前述の多数の貫通孔を形成した中実体を三次元電極とし
て使用する場合には、流通する冷却水の移動を妨害しな
いようにその開口率を10%以上95%以下好ましくは20%
以上80%以下とし、貫通孔の開孔径は被処理液が透過で
きる程度の孔径の微細孔とすることが好ましい。
前記誘電体として活性炭、グラファイト、炭素繊維等
の炭素系材料を使用しかつ陽極から酸素ガスを発生させ
ながら被処理水を処理する場合には、前記誘電体が酸素
ガスにより酸化され炭酸ガスとして溶解し易くなる。こ
れを防止するためには前記誘電体の陽分極する側にチタ
ン等の基材上に酸化イリジウム、酸化ルテニウム等の白
金族金属酸化物を被覆し通常不溶性金属電極として使用
される多孔質材料を接触状態で設置し、酸素発生が主と
して該多孔質材料上で生ずるようにすればよい。
前記誘電体又は給電用陽陰極以外の陽極及び陰極を接
近させて電圧の低下を意図する際には、短絡防止のため
電気絶縁性のスペーサとして例えば有機高分子材料で作
製した網状スペーサ等を挿入することが好ましい。
処理すべき被処理液が流れる電解槽内に該被処理液が
前記誘電体や陽極又は陰極にに接触せずに流通できる比
較的大きな空隙があると被処理液の処理効率が低下する
ため、前記誘電体等は電解槽内の被処理液の流れがショ
ートパスしないように配置することが望ましい。
該三次元電極式電解槽に供給される被処理水が層流で
あると横方向の液移動が少なく該被処理水が誘電体等の
表面と充分に接触することなく前記電解槽を通過するこ
とがある。特に被処理水中に含まれるカルシウムイオン
等は電極表面に接触しなければ水酸化物や酸化物に変換
されて電極上に析出することがない。従って被処理液中
のカルシウムイオン等が電極表面と十分に接触するよう
に該被処理水を500以上のレイノルズ数を有する乱流と
し、横方向の移動を十分に行わせてながら前記電解槽を
通過させることが望ましい。なおレイノルズ数とは、
(流体速度)×(流路の内径)÷(流体の運動粘性係
数)で表され、この値が大きいほど流体の乱流の程度が
大きくなる。
本発明では前記したカルシウムイオン等が対応する水
酸化物や酸化物に変換されるために十分な量の電流量が
供給されれば陽陰極間に印加される直流電圧の値は特に
限定されず、又変換されるカルシウムイオン等の量が僅
少であり電極表面に僅かに電位が生じていれば処理は行
われる。従って本発明方法は電流が流れ電極表面でガス
発生が生ずる電解処理でも、又電流が流れず電極表面だ
ガス発生が生じない処理のいずれでもよいが、本発明方
法を実施する際には、実際に効率良く処理が行われてい
ることを確認するため電流を流し、僅かのガスを発生さ
せながら電解処理することが望ましい。好ましい陽極電
位は+0.2から+1.4V(vs.SHE)で好ましい陰極電位は
−1.2V(vs.SHE)より貴な範囲でこの範囲内で僅かなガ
スを発生させながら被処理水の電気化学的処理を行うこ
とができる。
水電解により発生するガスつまり酸素ガスと水素ガス
は通常爆発限界内の混合比で発生するため、比較的大き
い直流電圧を印加してガスが発生する場合は爆発の危険
を回避するために空気等の不活性ガスで希釈することが
でき、例えば電解槽出口に発生する電解ガスの分離手段
と分離後の該電解ガスを空気で希釈して電解ガス濃度が
4容量%以下になるよう希釈する手段を設置することが
できるが、熱交換器用冷却水等を処理する電解槽は容量
が比較的小さく発生するガス量も少ないため、前記ガス
分離手段は設置しなくてもよい。
このような構成から成る三次元電極電解槽は、処理す
べき被処理液の種類に応じて該被処理水の処理が必要な
箇所に近接させて設置し、特に熱交換器用冷却水の場合
には、ビルやマンションの屋上等に設置された熱交換器
に近接して設置し、熱交換器内の冷却水の一部を循環さ
せて前記電解槽でカルシウムイオン等の除去を行った後
に前記熱交換器に戻すようにして使用することができ
る。
又本発明の電解槽では該電解槽に漏洩電流が生じ該漏
洩電流が電解槽から処理すべき被処理水を通して他の金
属製部材例えば熱交換器に流れ込み、該部材に溶出等の
電気化学的な腐食を生じさせることがある。そのため電
解槽内の給電用陽陰極が相対しない該電極背面部及び/
又は前記電解槽の出入口配管内に、被処理水より導電性
の高い部材をその一端を接地可能なように設置して前記
漏洩電流を遮断することができる。
又熱交換器用冷却水等には配管内を流れる間に固形の
不純物が混入することがあり、上記した電気化学的処理
の他に該不純物を除去するために熱交換器の前後好まし
くは前にフィルターを設置することが望ましい。
なお熱交換器用冷却水は適度な温度を有して黴や細菌
等の微生物が繁殖し易い環境にあり、他の被処理水も微
生物を含むことがある。
本発明により熱交換器用冷却水等の被処理水に直流電
圧を印加すると、該被処理水中のカルシウムイオン等が
除去されるだけでなく、該被処理水中にがんゆうされる
被処理水は液流動によって三次元電極式電解槽の三次元
電極に接触しそれらの表面で強力な酸化還元反応を受け
てその滑動が弱まったり自身が死滅したりすると考えら
れる。従って本発明方法によるとカルシウムイオン等の
除去だけでなく、被処理水の殺菌又は防黴を同時に行う
ことが出来る。
次に添付図面に基づいて本発明に使用できる電解槽の
好ましい例を説明するが、本発明方法に使用される電解
槽は、この電解槽に限定されるものではない。
第1図は、本発明の電解槽として使用可能な複極型固
定床式電解槽の一例を示す概略縦断面図、第2図は、第
1図の電解槽を熱交換器の前に設置した状態を示す概略
図である。
上下にフランジ1を有する円筒形の電解槽本体2の内
部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれメッシュ状の給電
用電極3と給電用陰極4が設けられている。電解槽本体
2は、長期間の使用又は再度の使用にも耐え得る電気絶
縁材料で形成することが好ましく、特に合成樹脂である
ポリエピクロルヒドリン、ポリビニルメタクリレート、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ
塩化エチレン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂等が
好ましく使用できる。正の直流電圧を与える前記給電用
陽極3は、例えば炭素材(例えば活性炭、炭、コーク
ス、石炭等)、グラファイト材(例えば炭素繊維、カー
ボンクロス、グラファイト等)、炭素複合材(例えば炭
素に金属を粉状で混ぜ焼結したもの等)、活性炭素繊維
不織布(例えばKE−1000フェルト、東洋紡株式会社)、
又はこれに白金、白金、パラジウムやニッケルを担持さ
せた材料、更に寸法安定性電極(白金族酸化物被覆チタ
ン材)、白金被覆チタン材、ニッケル材、ステンレス
材、鉄材等から形成される。又給電用陽極3に対向し負
の直流電圧を与える給電用陰極4は、例えば白金、ステ
ンレス、チタン、ニッケル、ハステロイ、グラファイ
ト、炭素材、軟鋼あるいは白金族金属をコーティングし
た金属材料等から形成されている。
前記両給電用電極3,4間には複数個の、図示の例では
3個の固定床5が積層され、かつ該固定床5間及び該固
定床5と前記両給電用電極3、4間に4枚の多孔質の隔
膜あるいはスペーサー6が挟持されている。各固定床5
は電解槽本体2の内壁に密着し固定床5の内部を通過せ
ず、固定床5と電解槽本体2の側壁との間を流れる冷却
液の漏洩流がなるべく少なくなるように配置されてい
る。隔膜を使用する場合には該隔膜として織布、素焼
板、粒子焼結プラスチック、多孔板、イオン交換膜等が
用いられ、スペーサーとして電気絶縁性材料で製作され
た織布、多孔板、網、棒状材等が使用される。
このような構成から成る電解槽2は、第2図に示すよ
うにビルやマンション等の建築物11の屋上の熱交換器12
に近接してフィルター13とともに設置される。該建築物
11の各階には所定の冷暖房装置が設置され、前記熱交換
器12のフィン14に接触して冷却された熱交換器用冷却水
は冷却水供給配管15を通して前記冷暖房設備に供給され
て該設備に使用される循環水を冷却した後、ポンプ16に
より冷却水回収配管17を通して屋上に循環されフィルタ
ー13を通って固体状不純物が除去された後、前記電解槽
2に供給される。
該電解槽に供給された冷却水を第1図に矢印で示すよ
うに下方から供給しながら通電を行うと、前記各固定床
5が図示の如く下面が正に上面が負に分極して固定床5
内及び固定床5間に電位が生じ、該電解槽内を流通する
冷却水はこの電位により正又は負に分極された固定床5
に接触して該冷却水中の黴や細菌の殺菌及びカルシウム
やマグネシウムイオンの水酸化物としての析出除去等の
改質処理が行われて該電解槽2の上方から取り出され
て、第2図に示すように熱交換器に循環され、同様に熱
交換器用冷却水の処理が継続される。
第3図は、本発明に使用できる複極型固定床式電解槽
の他の例を示すもので、該電解槽は第1図の電解槽の固
定床5の給電用陰極4に向かう側つまり陽分極する側に
メッシュ状の不溶性金属材料7を密着状態で設置したも
のであり、他の部材は第1図と同一であるので同一符号
を付して説明を省略する。
直流や交流電圧が印加された固定床5でガス発生が伴
う場合には、酸素ガスが発生する固定床5の陽分極側が
消耗劣化する。図示の通りこの部分に不溶性金属材料7
を設置しておくと、該不溶性金属材料7の過電圧が固定
床5を形成する炭素系材料の過電圧より低いため殆どの
酸素ガスが前記不溶性金属材料7から発生し固定床5は
殆ど酸素ガスと接触しなくなるため、前記固定床5の溶
解は効果的に抑制される。又該電解槽2に供給された熱
交換器用冷却水は第1図及び第2図の場合と同様に処理
されカルシウム除去等の処理が行われる。
第4図は、本発明に使用できる複極型固定床式電解槽
の他の例を示すものである。
上下にフランジ21を有する円筒形の電解槽本体22の内
部上端近傍及び下端近傍にはそれぞれメッシュ状の給電
用陽極23と給電用陰極24が設けられている。電解槽本体
22は、長期間の使用又は再度の使用にも耐え得る電気絶
縁材料特に合成樹脂で形成することが好ましい。
前記両給電用電極23、24間には、導電性材料例えば炭
素系材料で形成された多数の固定床形成用粒子25と該固
定床形成用粒子25より少数の例えば合成樹脂製の絶縁粒
子28とがほぼ均一に混在している。該絶縁粒子28は、前
記給電用陽極23及び給電用陰極24が完全に短絡すること
を防止する機能を有している。
このような構成から成る電解槽に下方から矢印で示す
ように熱交換器用冷却水を供給しながら通電を行うと、
前記各固定床形成用粒子25が給電用陽極23側が負に又給
電用陰極24側が正に分極して表面積が莫大な三次元電極
として機能し、第1図及び第3図の電解槽と同様にして
前記冷却水中の微生物の滅菌やカルシウムイオンやマグ
ネシウムイオンの除去等の改質処理が行われて該電解槽
の上方から取り出される。
(実施例) 以下に本発明方法による熱交換器用冷却水改質処理の
実施例を記載するが、該実施例は本発明を限定するもの
ではない。
実施例1 透明な硬質ポリ塩化ビニル樹脂製の高さ400mm、内径6
00mmのフランジ付円筒形である第1図に示した電解槽を
第2図に示すように、クーリングタワートフィルタ設備
間に設置した。該電解槽内には、炭素繊維から成る直径
600mm、厚さ10mmの固定床15個を、開口率80%で直径600
mm及び厚さ1.2mmのポリエチレン樹脂製隔膜16枚で挟み
込み、上下両端の隔膜にそれぞれ白金をその表面にメッ
キしたチタン製である直径580mm厚さ1.0mmのメッシュ状
給電用陽極及び給電用陰極を接触させて設置した。
熱交換器用冷却水を10トン/の速度で前記電解槽に
給電し、かつ前記給電用電極間に第1表に示す電解電圧
を印加して前記冷却水の処理を行った。該処理操作にお
ける肉眼観察による発生ガスの有無、電解槽通過前後の
冷却水のカルシウム及びマグネシウムイオン濃度、細菌
数及び消費電力量を第1表に纏めた。
第1表から熱交換器用冷却水は電解槽で処理されるこ
とによりカルシウム及びマグネシウムイオン濃度及び細
菌数が大幅に減少することが判る。
30日経過後に通電を停止し電解槽を解体して固定床の
状態を観察したところ変化は見られなかった。
実施例2 実施例1の電解槽本体及び給電用陽陰極を使用し、該
給電用電極間に、粒径5〜10mmのグラファイト粒子と硬
質ポリ塩化ビニル樹脂製で粒径5〜10mmの絶縁粒子を重
量比4:1で均一に混合した混合粒子を充填し、第4図に
示す電解槽を構成した。
この電解槽を実施例1と同様にクーリングタワーに近
接させて設置し、同様の条件で熱交換器クーリングタワ
ー用冷却水の処理を行い、該処理操作における肉眼観察
による発生ガスの有無、電解槽通過前後の冷却水のカル
シウム及びマグネシウムイオン濃度、細菌数及び消費電
力量のそれぞれ結果を第2表に纏めた。
第2表から熱交換器用冷却水のカルシウム及びマグネ
シウムイオン濃度及び細菌数は電解槽で処理されること
により大幅に減少することが判る。
実施例3 実施例1の電解槽を使用し、供給する熱交換器用冷却
水のレイノルズ数を変化させて滅菌率及びカルウシム及
びマグネシウムイオンの除去率への影響を調べた。その
結果を第3表に示した。なお前記冷却水の電解槽入口で
の細菌数は焼413000個/、カルウシム及びマグネシウ
ムイオンは全体で33ppmであった。
第3表から、レイノルズ数が500未満であると 殺菌率「〔(入口細菌数)−(出口細菌数)〕÷(入口
細菌数)×100」が不十分で電解槽出口から排出される
処理済被処理水中にかなりの細菌が残存するが、レイノ
ルズ数が500以上になるとほぼ完全に滅菌された被処理
水が電解槽から取り出されることが判る。又被処理水の
カルシウム及びマグネシウムイオン濃度も33ppmから10p
pm未満に減少することが判る。
(発明の効果) 本発明方法は、カルシウム、マグネシウム及び珪素等
のイオンを含有する被処理水を三次元電極式電解槽に供
給し、前記被処理水中の前記カルシウム、マグネシウム
及び珪素から選択される1又は2以上のイオンをその水
酸化物又は酸化物に変換し前記三次元電極上に析出させ
て前記被処理水から除去する被処理水の電気化学的処理
方法である(請求項1)。
水道水に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイ
オン等の配管の内壁への水酸化物等としての析出による
配管の閉塞は大きな問題となっているが、本発明方法に
よると前記カルシウムイオンを含有する被処理水を莫大
な表面積を有する分極した三次元電極式電解槽に供給す
ると、前記イオンは分極した三次元電極上で還元されて
水酸化カルシウムや水酸化マグネシウムとして該陰極面
上へ析出して被処理水冷却水から除去され、それと同時
に被処理水に含まれる微生物の滅菌も行われる。
本発明方法では前述の通り莫大な表面積を有する三次
元電極を使用するため卓越したイオン除去効率が達成さ
れ、かつ電解槽に被処理水を供給するという比較的簡単
な操作で大量の被処理水を処理することが出来る。
本発明方法は被処理水が熱交換器用冷却水の場合に特
に効果があり(請求項2)、カルシウムイオン、マグネ
シウムイオンあるいは珪素イオンがその水酸化物又は酸
化物として熱交換面に析出して熱交換効率を低下させる
ことがなくなり、かつ熱交換器の配管の閉塞も防止す
る。
又被処理水を三次元電極式電解槽にレイノルズ数が50
0以上になるように供給すると(請求項3)、前記被処
理水が横方向にも十分移動して前記三次元電極に十分に
接触して該被処理水の電気化学的な処理を効率良く行う
ことが出来る。
更に本発明方法で発生する電解ガスは爆発限界内の酸
素ガス及び水素ガスの混合ガスとなり密閉系で処理を行
うと爆発の危険がある。従って電解槽の出口近傍に電解
により発生するガスの分離手段及び分離されたガスの希
釈手段を設けて、爆発の危険を回避することができる
(請求項4)。
更に本発明の電解槽では該電解槽に漏洩電流が生じ該
漏洩電流が他の金属製部材例えば熱交換器に流れ込み、
該部材に溶出等の電気化学的な腐食を生じさせることが
ある。これを防止するためには給電用陽陰極が相対しな
い適切な箇所に、被処理水より導電性の高い部材をその
一端を接地可能なように設置して前記漏洩電流を遮断す
ることが好ましい(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明方法の電解槽として使用可能な複極型
固定床式電解槽の一例を示す縦断面図、第2図は、第1
図の電解槽の設置状況を示す概略図、第3図は、他の複
極型固定床式電解槽の一例を示す縦断面図、第4図は、
更に他の複極型固定床式電解槽の一例を示す縦断面図で
ある。 1、21……フランジ、2、22……電解槽本体 3、23……給電用陽極、4、24……給電用陰極 5……固定床、6……スペーサー 7……不溶性金属材料 11……建築物、12……熱交換器 13……フィルター、14……フィン 15……冷却水供給用配管、16……ポンプ 17……冷却水回収用配管 25……固定床形成用粒子、28……絶縁粒子

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルシウム、マグネシウム及び珪素から選
    択される1又は2以上の金属のイオンを含有する被処理
    水を、電圧の印加により分極した三次元電極を有する三
    次元電極式電解槽に供給し、前記被処理水中の前記カル
    シウム、マグネシウム及び珪素から選択される1又は2
    以上の金属イオンをその水酸化物又は酸化物に変換し前
    記三次元電極上に析出させて前記被処理水から除去する
    被処理水の電気化学的処理方法。
  2. 【請求項2】被処理水が熱交換器用冷却水である請求項
    1に記載の方法。
  3. 【請求項3】被処理水を500以上のレイノルズ数で三次
    元電極式電解槽を流通させながら前記被処理水の処理を
    行う請求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】その出口近傍に電解により発生するガスの
    分離手段及び分離されたガスの希釈手段が設けられた電
    解槽を使用する請求項1から3までのいずれかに記載の
    方法。
  5. 【請求項5】三次元電極式電解槽内の給電用陽陰極が相
    対しない該給電用電極背面及び/又は前記電解槽の出入
    口配管内に、被処理水より導電性の高い部材をその一端
    を接地可能に設置して処理を行う請求項1から4までの
    いずれかに記載の方法。
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