JP2967436B2 - 高炉羽口 - Google Patents

高炉羽口

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐久性、耐摩耗性を向
上させた高炉羽口に関する。
【0002】
【従来の技術】溶鉱炉の熱風吹き込みに使用される高炉
羽口は、一般に銅を母材とし、内部には冷却水を供給し
て水冷式となっているが、炉内に突き出た羽口の先端
が、炉内の溶銑、溶滓、炉内装入物に接触する等の過酷
な環境下にある。従って、該溶銑等の接触によって高炉
羽口が溶損し易く、これによって羽口冷却水の漏れに基
づく爆発事故が発生したりするので、従来からNi基自
溶性合金の肉盛を施す手段が多く採用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記Ni
基自溶性合金によって肉盛した高炉羽口において、該溶
銑、溶滓のアタックの他、炉内装入物による機械的摩耗
も加わって耐用寿命が短いという問題点があった。ま
た、一方において、特開昭53−138905号に示す
ように、高炉羽口の銅母材表面を、自溶性合金層、サー
メット層、セラミック層で順次被覆することによって耐
熱衝撃性及び、高温耐摩耗性を向上させた高炉羽口も提
案されているが、比較的コストが高くなり、大きな効果
が得られていないというのが現状である。本発明はかか
る事情に鑑みてなされたもので、過酷の条件の下にも従
来より比較的長期の寿命が得られる高炉羽口を提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的に沿う請求項第
1項記載の高炉羽口は、銅からなり内部を水冷した高炉
羽口において、該高炉羽口の少なくとも先部の表面にN
i−Moの金属間化合物を含むビッカース硬度400以
上のNi−Mo合金層を被覆し、しかも、前記表面のN
i−Mo合金層の下部にNi−Cr合金層が形成されて
いる。そして、請求項第2項記載の高炉羽口は、請求項
第1項記載の高炉羽口において、Ni−Mo合金層は、
Moを25〜45重量%、Crを10〜20重量%を含
んでいる。
【0005】
【作用】請求項第1項及び第2項記載の高炉羽口におい
ては、少なくとも高炉羽口の先部に被覆されるNi−M
o合金層がNi−Moの金属間化合物に依存している。
従って、その組成は軟質なマトリックス内に硬質の金属
間化合物の層が分散した構造となるので、従来から使用
されているNi−Cr合金よりも硬度の点において遥か
に優れており、肉盛溶接によって接合することによっ
て、サーメット等より遥かに母材に接合強度が大きい。
また、融点は従来例に係るNi−Cr合金より低いが、
高炉使用中の被覆層の表面温度は300〜400℃と推
定されるので、被覆層が溶融されることはない。また、
硬度がHV400以上と大きいので耐摩耗性に優れ、溶
銑、溶滓、コークス等の物理的接触に対して損耗するこ
とが少ない。そして、Ni−Mo合金層は軟質のマトリ
ックスに硬質の金属間化合物を分散させて硬度を保持す
る構造となっているので、繰り返し熱衝撃を与えた場
合、他のサーメット、セラミックあるいは自溶性合金に
比較しても、亀裂、剥離が生じ難い。更には、Ni−M
o合金層の下部にNi−Cr合金層が形成されているの
で、母材との溶接性に優れ、作業性及び経済性が向上す
る。
【0006】
【実施例】続いて、本発明を具体化した一実施例につい
て説明し、本発明の理解に供する。まず、本発明の一実
施例に係る高炉羽口が従来例に係る高炉羽口より優れた
特性を有することを証明する為実験を行ったので、まず
これについて説明する。図2に示すように、銅母材10
の上にまずNi−Cr合金層11を3mm程度下盛した
後、表1に示すような組成のNi−Mo合金、WC−N
i合金、及びNi−Cr合金を上層12として3mm程
度肉盛溶接をした。
【0007】そして、肉盛後の表面亀裂の発生の観察
(表面亀裂という)、それぞれの素材の肉盛後の断面亀
裂状況の観察(断面状態という)、顕微鏡による肉盛部
の亀裂発生、溶け込み状況の観察(顕微鏡観察)、以下
に説明する熱サイクル試験、常温硬さ、800℃程度の
高温硬さ、作業性等を比較したものを表2に示す。上記
熱サイクルは図3に示すように、30分かけて800℃
に加熱して20分程保持した後、急冷し、これを50回
繰り返すことによって行い、亀裂発生、亀裂進行度合、
剥離の有無を観察することによって行った。表2から、
Ni−Mo合金に比較して硬度の点ではWC−Ni合金
が優れるが、繰り返し熱サイクルを加えると亀裂、剥離
が発生するので、長期の寿命を保ち得ないことが分か
る。特に、高炉羽口においては、内部に溶銑、溶滓が存
在し、これらが繰り返し触れることによって繰り返し熱
応力が発生すると考えられ、長期の寿命を保ち難いと解
される。
【0008】一方、Ni−Mo合金の平均硬度はWC−
Ni合金より劣るが、マトリックス内に散在する金属間
化合物はHV1100程度であり、更には、上記熱サイ
クルをかけても剥離現象は見られ無かったので、高炉羽
口の表面コーテング材料としては優れた性質を有するこ
とが分かる。
【0009】そこで、図1に示すように、銅製の高炉羽
口13の先部を上記Ni−Mo合金の線材を使用してT
IG肉盛溶接を行う。この場合、肉盛溶接されたNi−
Mo合金14の成分は表1の通りである。
【0010】
【表1】
【表2】
【表3】
【0011】表3には、該Ni−Mo合金と従来例に係
る高炉羽口の肉盛に使用していたNi−Cr合金の物理
的性状を示すが、表2に示すように、Ni−Mo合金は
融点はやや低いが、硬度がNi−Cr合金より著しく大
きくなっている。また、繰り返し熱衝撃に対しては極め
て強い。なお、上記肉盛されたNi−Mo合金層は高炉
羽口が炉内に入る先部のみとし、肉盛厚さは約3mm程度
とする。
【0012】そして、上記Ni−Mo合金層を肉盛溶接
した高炉羽口13を使用した結果、従来の同一厚みのN
i−Cr合金層を肉盛溶接した高炉羽口に比較して、略
1.5倍程度の寿命を有していた。
【0013】上記高炉羽口13の場合には銅からなる高
炉羽口に直接Ni−Mo合金を略3mm〜6mmの厚み
で肉盛溶接したが、予め施工し易いNi−Cr合金を下
盛した後、その表面にNi−Mo合金を上盛することも
可能である。また、上記実施例においては、Ni−Mo
合金層の成分を限定して実施したが、Ni−Moの金属
間化合物を有し、ビッカース硬度が400以上であれ
ば、ニッケル、モリブデン、クロム、珪素の成分比率を
変えて施工することも可能である。更には、上記実施例
は該Ni−Mo合金の溶接をTIG溶接によって行った
が、MIG溶接であっても良く、また上記実施例は高炉
羽口の先部のみにNi−Mo合金層を形成したが、高炉
羽口の中間部も合わせてあるいは高炉羽口の全体をNi
−Mo合金層によって被覆する場合も本発明は適用され
る。
【0014】
【発明の効果】請求項第1項、第2項記載の高炉羽口
は、少なくとも高炉羽口の先部の表面がNi−Mo合金
層によって被覆されているので、従来のNi−Cr合金
によって被覆処理された高炉羽口より長期の寿命を得る
ことができる。また、サーメット、セラミック等の被覆
に比較して工事費用が安く、またコークスあるいは溶
銑、溶滓等の物理的あるいは熱衝撃があっても、剥離す
ることが少なく、高炉羽口事故を減少することができ
る。そして、Ni−Mo合金層の下部にNi−Cr合金
層が形成されているので、母材との溶接性に優れ、作業
性及び経済性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る高炉羽口の部分断面図
である。
【図2】本発明の作用、効果を確認する為に行った実験
に使用した試験片の側面図である。
【図3】熱サイクルの工程を示すグラフである。
【符号の説明】
10 銅母材 11 Ni−Cr合金層 12 上層 13 高炉羽口 14 Ni−Mo合金層

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅からなり内部を水冷した高炉羽口にお
    いて、該高炉羽口の少なくとも先部の表面にNi−Mo
    の金属間化合物を含むビッカース硬度400以上のN1
    −Mo合金層を被覆し、しかも、前記表面のNi−Mo
    合金層の下部にNi−Cr合金層が形成されていること
    を特徴とする高炉羽口。
  2. 【請求項2】 Ni−Mo合金層は、Moを25〜45
    重量%、Crを10〜20重量%を含む請求項第1項記
    載の高炉羽口。
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