JP2965970B1 - 鋼板の連続処理ラインおよび連続処理方法 - Google Patents

鋼板の連続処理ラインおよび連続処理方法

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JP2965970B1 JP20458698A JP20458698A JP2965970B1 JP 2965970 B1 JP2965970 B1 JP 2965970B1 JP 20458698 A JP20458698 A JP 20458698A JP 20458698 A JP20458698 A JP 20458698A JP 2965970 B1 JP2965970 B1 JP 2965970B1
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Abstract

【要約】 【課題】 一つのラインのみにおいて熱延鋼板を冷延鋼
板等の製品にすることができ、また、冷延鋼板やめっき
鋼板などをニーズに応じて選択的に製造することが可能
な鋼板の連続処理ライン、およびそれを用いる連続処理
方法を提供する。 【解決手段】 熱延鋼板に対する処理を連続的に行うラ
イン(設備)において、酸洗槽4と1スタンドのみの冷
間圧延機5とを順に配置し、さらにそれらの下流側に、
鋼板に対して選択的にめっきを施し得る金属浴ポット7
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、熱延鋼
板に対する冷間圧延やめっき等の処理を、連続的に、し
かもニーズに応じて適宜選択しながら行うことができる
連続処理ライン、および連続処理方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】厚さが1mm以下の冷延鋼板(冷間圧延
ずみの鋼板)は、従来、つぎのようにして製造されてい
る。すなわち図2のように、まず熱間圧延によって厚さ
2.0〜4.0mmの熱延鋼板を得、それを酸洗ライン
Aに通したうえ冷間圧延ラインBにて冷間圧延し、その
後、バッチ焼鈍Cをしたうえ、スキンパスラインDに通
すことにより製品とする。また亜鉛めっき鋼板を製造す
る場合には、同様の熱延鋼板を酸洗ラインAと冷間圧延
ラインBとにそれぞれ通したうえ、連続焼鈍の工程を含
む亜鉛めっきラインEにおいて連続的にめっきを施す。
亜鉛めっきラインは一般的には図3のように構成されて
おり、上流側のリール1と下流側のリール17との間
に、ウェルダー2やルーパー3・15、焼鈍炉6等とと
もに、めっき手段である溶融亜鉛ポット7などが配置さ
れている。ポット7の下流側には、必要に応じてガルバ
ニール帯9やスキンパスミル12、テンションレベラー
(図示せず)、化成処理設備(同)等が設けられること
もある。なお、めっき等に先んじて使用される冷間圧延
ラインは、従来、酸洗ラインやめっきラインとは別に図
2のとおり独立した一つのラインとして設けられてい
る。つまり冷間圧延ラインでは、リバース圧延機やタン
デム圧延機が、一般的には厚さ2.0〜4.0mmの熱
延鋼板に複数回のパスを施して0.2〜1.2mmにま
で圧延している。
【0003】上記において材料とした厚さ2.0〜4.
0mmの熱延鋼板を得るには、厚さが200〜250m
m前後ある連続鋳造片(スラブ)を熱間圧延するのが一
般的である。しかし、近年では、いわゆる薄スラブ連鋳
についての技術開発が進んだため、厚さ50mm前後の
薄肉の連続鋳造片(薄肉鋳片)を製造し、その鋳片を直
接同一ライン上で熱間圧延しコイルに巻き取って熱延鋼
板とすることができるようになった。この薄スラブ連鋳
によるにしても、冷延鋼板やめっき鋼板を製造する場合
には、厚さ2.0〜4.0mmの熱延鋼板としたのち図
2と同じ製造工程をとるのが一般的であった。
【0004】なお、連続鋳造片から亜鉛めっき鋼板等を
得るまでの上記の工程については、たとえば「改訂・薄
板マニュアル」(社団法人日本鉄鋼協会・鋼板部会編)
第5ページの図2.1に記載されている。亜鉛めっきラ
インについての詳細は、たとえば「(西山記念技術講座
・第106回/第107回)溶融亜鉛めっき鋼板製造技
術の進歩」(社団法人日本鉄鋼協会)第4ページの図3
に記載されている。また薄スラブ連鋳に関しては、「Pr
oduction of 1 mm thick hot rolled steel strip」
(雑誌「MPT International 1/1998)第50〜51ペー
ジに紹介されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにして冷延
鋼板を製造するには、熱間圧延によって得た鋼板をさら
に四つものラインに通す必要がある。すなわち、酸洗・
冷間圧延・バッチ焼鈍・スキンパスの各ラインである。
めっき鋼板を製造する場合にも、熱延鋼板を、さらに酸
洗・冷間圧延・めっきという三つのラインに通さなけれ
ばならない。
【0006】このようにライン数が多いとつぎのような
不都合がある。まず、独立した設備がラインの数だけ必
要なので、かなりの設備コストを要するほか、設備配置
のために製鉄所内に相当のスペースがなくてはならな
い。とくに、冷延鋼板と亜鉛めっき鋼板とをともに製造
しようとする工場には、合計で図2の5ライン分の設備
が必要である。鋼板の先端と尾端とには各ラインにおい
て傷がついたり不良部分ができたりしやすいうえ、ライ
ン間の移動にともなうコストも発生するので、ライン数
が多いほどランニングコストも上昇することになる。ま
た、ラインごとに段取り上の都合があるため、一つのラ
インでの処理が終わった鋼板をただちに次のラインに送
れることは稀であり、したがって全ラインを経由して製
品が完成するまでに長い期間がかかる、というデメリッ
トもある。
【0007】請求項の発明は、一つのラインのみにおい
て熱延鋼板を冷延鋼板等の製品にすることができ、しか
も、冷延鋼板やめっき鋼板などをニーズに応じて選択的
に製造することが可能な鋼板の連続処理ライン、および
それを用いる連続処理方法を提供せんとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した鋼板
の連続処理ラインは、熱延鋼板に対する処理を連続的に
行うライン(設備)において、酸洗手段と1スタンドの
冷間圧延機とを順に配置し、さらにそれらの下流側に、
鋼板に対してめっきをするか否かを適宜選択できる連続
めっき手段を設けたことを特徴とする。なお、鋼板に対
する連続めっき手段とは、溶融亜鉛等めっき皮膜とする
金属を入れるポットなどの機器をいう。そしてこの連続
処理ラインには、鋼板を連続的に送るためのリールやル
ーパー、また図3のようにメッキ工程に付随する焼鈍
炉、さらには必要に応じてガルバニール帯やスキンパス
ミル、テンションレベラー等を備えるものとする。ただ
し、めっき手段は、めっきをするか否かを適宜に選択で
きるものでなければならない。
【0009】請求項1のこの連続処理ラインは、熱間圧
延によって得た鋼板を当該ラインに通すとき、その鋼板
に対して順次つぎのような処理を行うことができる。す
なわち、めっき手段などライン内の機器・手段をすべて
使用する場合、上流側のリールから巻き解いてその鋼板
を送り、酸洗手段によって酸洗(および水洗い・乾燥)
し表面のスケールを除去したうえ、冷間圧延機によって
圧延し、そののち上記のめっき手段が鋼板を連続焼鈍し
てめっきし、さらに必要に応じてガルバニール処理やス
キンパス圧延等を施したうえ、下流側のリールにて巻き
取る。
【0010】つまりこの処理ラインによると、熱延鋼板
を、上記のとおりライン内に一とおり通すことのみによ
り酸洗し冷間圧延して、めっきすることができる。わず
か一つのラインで熱延鋼板を冷延めっき鋼板にすること
ができるため、従来のように多くのラインが必要な場合
と違って、設備のコストや設置スペース、ランニングコ
スト、さらにはめっき鋼板の製造期間について有利であ
る。そのような利点があるのは、この処理ラインが酸洗
手段と冷間圧延機とを同じライン内に組み込んでいるか
らである。そのような組み込みが可能になったのは、
1.0〜1.2mm程度の厚さの熱延鋼板が商業的に生
産可能になっことにより冷間圧延が1〜2パスで足りる
ようになったからである。1〜2パスのみで足りること
から、冷間圧延機がこの処理ラインのうちに組み込まれ
得るものとなり、同じライン内でそのすぐ上流の部分に
酸洗手段を配置することも困難ではなくなるのである。
【0011】請求項1のこの連続処理ラインでは、鋼板
に対してめっきをするか否かを適宜に選択できる連続め
っき手段を設けていることから、上記のような冷延めっ
き鋼板ばかりでなく、同じ一つのラインにおいて種々の
鋼板を製造することも可能である。すなわち、 a) 当該めっき手段において、めっきをしないことを選
択することにより、冷間圧延をしていてめっきを施して
はいない冷延鋼板を製造することができる。
【0012】b) 冷間圧延機は、ワークロール間を開い
て鋼板を通す場合には冷間圧延をしないため、そのよう
にする一方でめっき手段を使用すると、冷間圧延を施さ
ない熱延めっき鋼板(熱延鋼板のめっき製品)を製造で
きる。
【0013】c) 上記b)のようにする際、めっき手段に
おいてめっきをしないようにするなら、酸洗のみを施し
た熱延鋼板を得ることができる。
【0014】この連続処理ラインにおいては、上記a)〜
c)のように処理を行う場合にも、熱延鋼板をライン内に
1パスさせることのみによって所望の製品が得られる。
【0015】この連続処理ラインには、上記の冷間圧延
機が1スタンドのみであるため安価に構成されるという
利点ある。また、厚さ1.0〜1.6mm程度の熱延
鋼板を素材とすれば、冷間圧延機が1スタンドのみであ
っても厚さ0.6〜1.0mmまで圧延が可能であり、
したがって冷延鋼板の製造を効率的に行える。
【0016】請求項2に記載した鋼板の連続処理方法
は、熱延鋼板に対する処理を連続的に行う方法であっ
て、酸洗手段と1スタンドの冷間圧延機とを順に備える
とともにそれらの下流側に鋼板に対し選択的にめっきを
施し得る連続めっき手段を有する連続処理ラインを使用
し、厚さ1.0〜1.2mmの熱間圧延鋼板をその連続
処理ラインに通すことによって処理し、厚さ0.6〜
1.0mmの処理鋼板(種々の処理鋼板)を得ることを
特徴とする。
【0017】この処理方法は、上記厚さの熱延鋼板を材
料として、その処理ラインのみにより厚さ0.6〜1.
0mm程度の冷延めっき鋼板(亜鉛めっきやアルミめっ
きなど)を低コストで製造することができる。また、め
っき手段や冷間圧延機の使用を選択することにより、冷
延めっき鋼板ばかりでなく、めっきを施していない冷延
鋼板や熱延めっき鋼板、酸洗熱延鋼板などをも、需要に
合わせて、しかも1ラインにて簡単に製造することがで
きる。なお、製造され得る種々の処理鋼板のうちには、
上記したa)〜c)の鋼板のほか、 d) めっき手段においてめっき皮膜とする金属(亜鉛や
アルミ)の種類を適宜選択することによりめっきの種類
を変更した鋼板 も含まれる。
【0018】請求項3に記載の連続処理方法は、請求項
における熱間圧延鋼板として、連続鋳造(いわゆる薄
スラブ連鋳)によって得る薄肉鋳片を熱間圧延したもの
を使用することを特徴とする。「薄肉鋳片」とは、熱間
圧延することによって厚さを1.0〜1.2mmにする
ことが容易な厚さの鋳片をいい、一般的には50mm程
度のものをさす。
【0019】この連続処理方法は、とくに、上記のとお
り薄スラブ連鋳による薄肉鋳片を熱間圧延することによ
り厚さ1.0〜1.2mmの鋼板を製造しておき、それ
を材料とするものであるため、当該熱延鋼板の製造コス
トに関しても極めて有利である。つまり、従来のように
200mm以上の厚さを有する通常の連鋳片(スラブ)
を熱間圧延するとすれば、鋼板(熱延鋼板)の厚さを
1.2mm以下にすることは商業的には困難である。通
常の厚さのスラブをそのように薄く熱間圧延するには極
めて特殊な圧延設備を使用等する必要があって、商業上
の(つまりコストを考慮したうえでの)実現可能性が低
いからである。その点、請求項3に記載したこの処理方
法は、上記のとおり薄肉鋳片を熱間圧延することにより
厚さ1.0〜1.2mmの鋼板を事前に製造するもので
あり、商業的にも実施可能となってきた。薄スラブ鋳造
については、前述のように近年商業的生産が開始されて
いる(その鋳造設備のコストも通常の連鋳に比べて低コ
ストである)うえ、仕上げ圧延機の前にトンネル炉等を
配置しているので圧延温度を高く維持でき、1.0mm
の薄板まで商業生産が可能となったからである。
【0020】請求項4に記載の連続処理方法は、上記に
加え、めっき手段の下流側においてガルバニール帯、ス
キンパスミル、テンションレベラーおよび化成処理帯
を、適宜に不使用を選択しながら使用することを特徴と
する。 このような方法をとれば、要求される鋼板を望ま
しいコストで製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1に発明の実施についての一形
態を紹介する。同図は、連続処理ラインの模式図であっ
て、一連の鋼板の流れを上流側から順に図(a)・
(b)・(c)に分けて表したものである。
【0022】この連続処理ラインには、つぎのような機
器を並べて設けている。まず、図1(a)に示す最も上
流の部分には、巻出しリール1とウェルダー2、入側ル
ーパー3、酸洗槽4、冷間圧延機5をこの順に配置して
いる。リール1は、鋼板のコイルを二つ同時にセットで
きる構成にし、一方のコイルからの鋼板の巻き出しが終
わったとき他方のコイルから続けて巻き出しが行えるよ
うにしている。ウェルダー2は、コイルの切り替えを行
うとき等に鋼板の端部同士をつなぐためのものである。
ルーパー3は、位置可変な複数のロールに鋼板を掛けた
もので、ロールの位置を変えることにより上流側と下流
側との間で鋼板の速度差を吸収できるため、ウェルダー
2にて鋼板を溶接しているときなどにも下流側へ一定速
度で鋼板を送ることを可能にする。酸洗槽4は、圧延さ
れる前の鋼板の表面からスケール(酸化鉄皮膜)を除去
する手段であって、酸洗部分と水洗部分および乾燥部分
(各部分は図示省略)を含めている。冷間圧延機5とし
ては、一対のワークロール5a・5bとともに外側(上
下)にバックアップロールを有する、非逆転式の6重の
圧延機を1スタンドのみ設け、その前後に、鋼板に一定
の張力を付加するブライドルロール5c・5dを配置し
ている。
【0023】図1(b)に示す中ほどの部分には、焼鈍
炉6や金属浴ポット7、ガルバニール帯9などを配置し
ている。焼鈍炉6としては、上流側から順に加熱帯6a
と還元帯6b、冷却帯6cを有するものを設け、めっき
直前の鋼板を酸化させずに加熱し焼鈍することができる
ように構成している。めっき手段であるポット7は、鋼
板を漬けるように溶融金属を貯留する容器であって、上
部には、めっき厚さを調整するためのエアナイフ8を備
えている。ポット7としては切り替え可能なように複数
を用意しており、図の例では、溶融亜鉛を入れたポット
7aと溶融アルミを入れたポット7b、および何も入れ
ないポット7cを配置している(ポットをリトラクトし
た状態としても可)。上流のウェルダー2において鋼板
のコイルにつなぎの板(商品にしないもの)を接続して
おき、その部分がポット7の位置に達したときポット7
a・7b・7c間の切り替え(設置がえ)を行えば、め
っきする金属の種類やめっきの実施・不実施を選択する
ことができる。また、後続のガルバニール帯9は、めっ
き層の有孔度を少なくするための熱処理装置である。こ
れらの部分で加熱された鋼板を、後続の空冷部10と水
冷部11とにおいて冷却することになる。
【0024】そして図1(c)に示す最も下流側の部分
には、スキンパスミル12とテンションレベラー13、
化成処理帯14、出側ルーパー15、オイリング装置1
6および巻取りリール17をこの順に配置している。リ
ール17の前にシャー(切断機。図示せず)を設けるの
もよい。スキンパスミル12は、めっきずみの鋼板に圧
下率1〜3%程度の軽圧下をかけて降伏伸びをなくし、
かつ表面を平滑化する手段。テンションレベラー13
は、鋼板に張力をかけることにより、縁伸びや中伸びに
よる鋼板の波うちを修正して平面度を高めるものであ
る。また、化成処理帯14は、鋼板にクロメート処理な
どを施すための手段である。
【0025】この例では、以上のように構成した連続処
理ラインに、厚さ1.2mmまたは1.0mmの熱延鋼
板(ホットコイル)を材料として通している。ただしそ
の熱延鋼板としては、いわゆる薄スラブ連鋳によって製
造する厚さ50mmの薄肉鋳片を、当該厚さにまで圧延
したものを使用する。厚さが200mmを超える通常の
連鋳スラブをもしそのような厚さにまで熱間圧延すると
したら、特殊な熱間圧延機が必要になるなどして膨大な
コストを要するからである。
【0026】連続処理ラインを図1の状態にし、かつラ
イン内のすべての機器・手段を機能させてそれに上記し
た熱延鋼板を通すとき、その鋼板は、当該ラインを1パ
スする間に、酸洗槽4において表面のスケールを除去さ
れたうえ冷間圧延機5によって冷間圧延され、焼鈍炉6
において焼鈍されたのち、溶融亜鉛のポット7aにおい
て亜鉛めっきされる。鋼板はその後、ガルバニール帯9
にてガルバニール処理されたうえ、スキンパスミル12
とテンションレベラー13にて表面の平滑度・平面度を
高められ、化成処理帯14等で必要な処理を受けてリー
ル17に巻き取られる。
【0027】冷間圧延機5が1スタンドのみであるう
え、逆転式のものでなく鋼板を複数回パスさせることが
ないため、このラインは、設備的に簡単であるとはい
え、鋼板の圧下率が約40%以下と低めである。しか
し、上記のように厚さが1.2mmまたは1.0mmの
熱延鋼板を材料とするため、このラインによって、0.
6〜0.8mmまたはその前後の厚さを有する冷延めっ
き鋼板を得ることができる。圧下率が高くないために製
品の絞り特性は、70〜80%の圧下をかけた従来品に
比べてやや劣るが、深絞り加工を予定しない軽圧下用鋼
板等としてその製品には広い用途がある。
【0028】図1に示す機器・手段の状態を種々変更
し、そのうえでこの連続処理ラインに上述の熱延鋼板を
通すなら、上記した冷延鋼板の亜鉛めっき製品に代え
て、下記のように他の種類の鋼板を製造することができ
る。そのようにする場合にも、わずか一つのラインで熱
延鋼板を最終製品に換えることができるので、上記のよ
うに冷延亜鉛めっき鋼板を製造する場合と同じく、コス
トや設置スペース、製造所要期間等を顕著に改善でき
る。そのことは、図1(a)〜(c)に示すこの処理ラ
インの大きな特長である。
【0029】a) めっき手段である金属浴ポット7にお
いて、前記の要領により溶融亜鉛入りのポット7aを何
も入れないポット7cに変更する(またはポットをリト
ラクトする)ことによって、冷間圧延および焼鈍をして
いながらめっきを施していない通常の冷延鋼板を製造す
ることができる。
【0030】b) 同じくポット7において、溶融亜鉛入
りのポット7aを前記の要領で溶融アルミ入りのポット
7bに切り替えれば、めっき皮膜とする金属の種類を変
更して冷延鋼板のアルミめっき製品を得ることができ
る。
【0031】c) 図1の状態から冷間圧延機5のワーク
ロール5a・5b間をオープンにしてライン内に熱延鋼
板を通すなら、冷間圧延を施さない、熱延鋼板の亜鉛め
っき製品を製造できる。
【0032】d) 上記c)のようにする際、ポット7にお
いてアルミのポット7bを使用すば熱延鋼板のアルミ
めっき製品を製造でき、空のポット7cを選択すれば、
酸洗のみを施した熱延鋼板を得ることができる。
【0033】e) ポット7の下流にあるガルバニール帯
8やスキンパスミル12、テンションレベラー13、化
成処理帯14についても、使用・不使用を適宜選択する
ことにより、要求される鋼板を望ましいコストで製造す
ることができる。
【0034】なお、図1および上記には冷間圧延機5が
1スタンドの場合を示したが、請求項の発明とは別に
間圧延機5を2スタンドとすることももちろん可能であ
る。その場合には、上述の場合よりも鋼板の圧下率を高
くすることができ、より薄い鋼板を製造することが可能
になる。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載した鋼板の連続処理ライ
ンによれば、この処理ラインのみに熱延鋼板を通すこと
により、酸洗・冷間圧延・めっきの各処理を施して冷延
めっき鋼板を製造することができる。さらに、冷延めっ
き鋼板に代えて、他の種々の鋼板、たとえばめっきして
いない冷延鋼板や、熱延めっき鋼板、酸洗のみを施した
熱延鋼板などを、やはりこのラインのみに熱延鋼板を通
すことにより製造することができる。わずか一つのライ
ンで熱延鋼板にこのような処理を施すことができるの
で、設備のコストや設置スペース、ランニングコスト、
さらには各処理鋼板の製造期間について大きなメリット
がある。また、ごく一般的な冷間圧延機を1台設置すれ
ば足りるものであるから、簡単な設備配置を有するコン
パクトなものとして構成される。
【0036】請求項2に記載の鋼板の連続処理方法によ
ると、厚さ0.6〜1.0mm程度の冷延めっき鋼板を
一つの処理ラインのみにて低コストで製造できる。また
需要に合わせて、冷延めっき鋼板ばかりでなく、めっき
を施していない冷延鋼板や熱延めっき鋼板、酸洗熱延鋼
板などをも同じ1ラインにて簡単に製造することができ
る。なお、当該ラインは、ごく一般的な冷間圧延機を1
台設置すれば足りるものであるから、簡単な設備配置を
有するコンパクトなものとして構成される。
【0037】請求項3に記載した鋼板の連続処理方法
は、薄スラブ連鋳等による薄肉鋳片を熱間圧延してなる
薄鋼板を材料とするものであるから、0.6〜1.0m
mのめっき鋼板等を安価にかつ短期に製造することがで
きる。安価である理由は、薄肉鋳片から熱延鋼板を得る
ためのコストが高くないこと、および、その熱延鋼板を
上記処理ラインで処理するのが簡単であること、にあ
る。
【0038】請求項4に記載の連続処理方法によると、
さらに、要求される鋼板を望ましいコストで製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施について一形態を示す図であり、連
続処理ラインの模式図である。図1(a)・(b)・
(c)は、当該ラインにおける一連の鋼板の流れを上流
側から分けて順に表したものである。
【図2】冷延鋼板および亜鉛めっき鋼板について、従来
の一般的な製造方法を示す工程図である。
【図3】従来の一般的な連続亜鉛めっきラインを示す模
式図である。
【符号の説明】
4 酸洗槽(酸洗手段) 5 冷間圧延機 6 焼鈍炉 7 金属浴ポット(めっき手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 博卓 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番 1号 川崎重工業株式会社 神戸工場内 (56)参考文献 特開 平10−277603(JP,A) 特開 昭57−19105(JP,A) 特開 昭49−41234(JP,A) 特開 平7−232241(JP,A) 特開 平2−170924(JP,A) 特開 昭57−109502(JP,A) 特公 昭62−48729(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B21B 1/22 C23C 2/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱延鋼板に対する処理を連続的に行うラ
    インであって、 酸洗手段と1スタンドの冷間圧延機とを順に備え、それ
    らの下流側に、鋼板に対してめっきをするか否かを適宜
    選択できる連続めっき手段を有していることを特徴とす
    る鋼板の連続処理ライン。
  2. 【請求項2】 熱延鋼板に対する処理を連続的に行う方
    法であって、 酸洗手段と1スタンドの冷間圧延機とを順に備えるとと
    もにそれらの下流側に鋼板に対し選択的にめっきを施し
    得る連続めっき手段を有する連続処理ラインを使用し、 厚さ1.0〜1.2mmの熱間圧延鋼板をその連続処理
    ラインに通すことによって処理し、厚さ0.6〜1.0
    mmの処理鋼板を得る ことを特徴とする鋼板の連続処理
    方法。
  3. 【請求項3】 上記の熱間圧延鋼板として、連続鋳造に
    よって得る薄肉鋳片を熱間圧延したものを使用すること
    を特徴とする請求項2に記載の鋼板の連続処理方法。
  4. 【請求項4】 めっき手段の下流側においてガルバニー
    ル帯、スキンパスミル、テンションレベラーおよび化成
    処理帯を、適宜に不使用を選択しながら使用することを
    特徴とする請求項2または3に記載の鋼板の連続処理方
    法。
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