JP2965289B2 - 一杯立て紅茶の抽出器具および抽出方法 - Google Patents

一杯立て紅茶の抽出器具および抽出方法

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JP2965289B2 JP10038188A JP3818898A JP2965289B2 JP 2965289 B2 JP2965289 B2 JP 2965289B2 JP 10038188 A JP10038188 A JP 10038188A JP 3818898 A JP3818898 A JP 3818898A JP 2965289 B2 JP2965289 B2 JP 2965289B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カップ一杯分のお
いしい紅茶を抽出することのできる一杯立て紅茶の抽出
器具および抽出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】喫茶店やレストラン等において紅茶を入
れる場合、主として次のような三つの方法が採られてい
る。 陶器製、ガラス製等のティーポットやメリオール等を
使用して茶葉をお湯の中で一定時間蒸らす。 手鍋を使用して茶葉をお湯の中で煮る。 ティーカップ内にティーバッグを入れてお湯を注ぎ、
直接抽出する。
【0003】この内、の方法では、カップ一杯分の沸
騰したお湯をティーポット等に入れた場合、ティーポッ
ト等がお湯の熱を吸収するため湯温が低下し、茶葉本来
の味を十分に引き出すことができず、お湯っぽい紅茶が
抽出されてしまう。そのため、通常、喫茶店等では、こ
うした湯温の低下を防ぎおいしい紅茶を入れるために、
一杯分の注文があった場合でも、二杯分以上の紅茶を一
度に作っている。また、一人分の紅茶の注文があった場
合に、ほぼ二杯分の量の紅茶を作って出すのも、このた
めである。茶葉分量の目安で俗に言う「人数分+ポット
のための一杯」とは、湯温の低下を防いで、おいしい紅
茶を入れるための従来の知恵なのである。
【0004】また、上記の手鍋を使用する方法では、
手鍋の口径が広いため、煮ている時間にお湯が蒸発し易
い。そのため、火加減と煮る時間の関係が難しく、カッ
プ一杯分という一定量で、一定の味を繰返し抽出するに
は熟練した技術を必要とする。よって、この方法は一般
的とはいえない。
【0005】さらに、のティーカップ内でティーバッ
グを入れる方法は、簡便なため、特に一般家庭で広く普
及しているが、現在、数多く市場に出回っている紅茶の
殆どはティーバッグに入っていないばら茶(リーフタイ
プ)である。このばら茶(リーフタイプ)を、紙製やポ
リエチレン製のお茶パックに入れてティーバッグとする
ことも考えられるが、必要量のばら茶をお茶パックに入
れて使用した場合、茶葉が水分を吸収するためお茶パッ
ク内部にいっぱいに広がってしまう。その結果、お湯の
対流運動による茶葉の動きが制限され、おいしい紅茶を
作ることができない。
【0006】ティーバッグとして使用されている茶葉は
“ダスト(dust)”と呼ばれているタイプで、一分
間という短時間で紅茶が抽出できるよう細かく刻んで加
工してある。これに対しばら茶(リーフタイプ)は、
“オレンジペコ(orangepekoe)”や“ブロ
ークンオレンジペコ(broken orangepe
koe)”と呼ばれるタイプの茶葉で、紅茶の抽出時間
が最低でも三分間は必要である。従って、このばら茶を
ティーバッグとして使用すると、前記と同様に、ティ
ーカップ内の湯温低下により、茶葉本来の味を十分に引
き出すことができず、おいしい紅茶を入れることができ
ない。今日の紅茶ブームの中で、多種多様な紅茶の茶葉
に対する興味が徐々に高まっている一方、手軽に一杯分
のおいしい紅茶を抽出するための簡便な器具が存在せ
ず、上記した従来技術では、一度に二杯分以上を作るこ
とによっておいしい紅茶を得ることはできても、手軽
に、一度に一杯分のみのおいしい紅茶を入れることがで
きない。従って、一杯分のみを作りたい場合でも二杯分
作る必要があり、茶葉や火力等が無駄になる。
【0007】多種多様な茶葉の紅茶を味わうには前記従
来技術の内では、のティーポット等の器具を利用する
のが最も良いが、一杯分の紅茶を入れるには前述したよ
うに湯温低下の問題があり、さらに、それに加えて下記
のような問題が存在する。 (a)ポットは容量に対して上端開口部が概して小さい
ため、紅茶抽出後、茶葉の取出し等の処理が不便であ
る。 (b)ポット内部が洗い難く、茶しぶが取れ難い。 (c)ティーカップの他にティーポット等がテーブル上
の空間を占めるため、一般にテーブルが小さい日本の喫
茶店等では、ティーポットが邪魔になる。 (d)ティーポット自体が高価なため、おのずとその取
扱いが慎重になり、その結果、紅茶を飲む回数が減り、
紅茶本来の味が一般に知られわたらない。 (e)ティーポットを使用して紅茶を入れる場合の方法
論が関連書籍類に長々と記述されているが、これに影響
されて紅茶を入れる人が必要以上に難しく構えてしま
い、従って、紅茶をおいしく入れることができなかった
場合に自信を喪失し、紅茶に対する探求心が萎えてしま
う。
【0008】コーヒーに興味を持った人が、インスタン
トコーヒーから脱皮し、自らの手でコーヒー器具である
ぺーパードリッパーを用いて抽出して味わい、おいしさ
を探求していくように、紅茶に対して興味のわいた人が
自ら紅茶を抽出し、おいしい紅茶を探求していくための
適切な、かつ、ぺーパードリッパーのように簡便で、さ
らに一杯分のみのおいしい紅茶を入れることのできる器
具の出現が強く望まれる。
【0009】本発明の発明者は、これまで述べてきた
“おいしい紅茶”は、それを抽出する湯温と大きな関わ
りがあると考え、一つの実験を行った。表1に示すデー
タに基づき得られるグラフを図3に示す。この実験は、
あらゆる種類の容器に熱湯を注ぎ、その容器内における
湯温の経時変化を調べたものである。具体的には、原則
として沸騰したお湯180ccをそれぞれの容器に入れ
て容器を予熱し、30秒経過後にそのお湯を捨て、さら
に30秒後に改めて沸騰したお湯180cc(360c
cの場合もある)を容器に入れて行った。実験室の室温
は24℃に設定した。
【0010】
【表1】
【0011】容器は、紅茶用陶器製ポット、紅茶用
陶器製ポット(360ccの熱湯を入れた場合)、コ
ーヒーサーバーガラス製ポット、陶器製ティーカッ
プ、磁器製ティーカップ、磁器製マグカップ、ホ
ーロー製マグカップ、ホーロー製のマグカップ(36
0ccの熱湯を入れた場合)、ハーブティー用ガラス
製ポット、である。
【0012】これまで喫茶店やレストラン等では、通
常、紅茶用陶器製ポットに二杯分(360cc)以上の
茶葉と熱湯を入れ、三分間蒸らして抽出することによっ
て“おいしい紅茶”を入れている。本実験において、二
杯分のお湯を入れた紅茶用陶器製ポットはで示され、
この容器内における3分経過後の熱湯の温度は83℃で
ある。ちなみに、同じ紅茶用陶器製ポットに一杯分(1
80cc)のお湯を入れたものはで示され、3分経過
後の湯温は76℃を示し、二杯分のお湯を入れた場合よ
りかなり低温となっている。これがおいしい紅茶を得る
ことができない原因である。ティーバッグの紅茶をティ
ーカップ内で抽出して飲用する場合、1分経過後が一番
おいしいとされている。このティーカップはで示さ
れ、1分経過後の湯温は80℃である。
【0013】これらのことから、本実験において、おい
しい紅茶を作り出す容器は、ティーバッグではなくばら
茶を使用することに鑑み、その中に注がれた熱湯の湯温
が3分経過後、少なくとも80℃以上を示している必要
があることがわかる。こうした要件を満たす容器とし
て、本発明の発明者は、に示すホーロー製のマグカッ
プを見い出した。
【0014】さらに、本発明者は、過去にこうした実験
を基に、一杯分のおいしい紅茶を作ることのできる器具
が存在するか否かについて調査を行った。その結果、こ
れに類する器具として、ティーポット形式の茶器(実公
平4−18519号公報)の存在を確認した。これは、
注ぎ口を有するポット本体内に、前面と底面にこし網を
設けたストレーナを着脱自在とし、さらにそのポット本
体の上部に蓋体を着脱自在とし、ストレーナ内に茶葉を
入れてお湯を注ぎ、お茶を抽出後、ポット本体の注ぎ口
からカップ等に注出するものである。また、他に茶こし
付きのハーブティーカップが知られている。これは、カ
ップ本体内に複数の通孔を穿設した茶こしを着脱自在と
し、カップ本体を覆う蓋体を設けている。茶こし内にハ
ーブティーを入れてお湯を注ぎ、抽出後、茶こしを取除
き、カップ本体内に抽出されたハーブティーをそのまま
直接飲用するものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者のティー
ポット形式の茶器においては、お茶を抽出後、ポット本
体の注ぎ口からカップ等に注出して飲用する目的のもの
であり、それ以前から存在するティーポット同様、湯温
の低下を招いて一杯立てのおいしい紅茶を作ることがで
きない。また、同様の目的から、ストレーナの前面と底
面のみにこし網を設け、茶葉がお茶を注出する際の邪魔
にならないようにするといった特有の構造を有してい
る。
【0016】また、後者の茶こし付きハーブティーカッ
プは陶器製であり、前記実験結果ので示す陶器製ティ
ーカップに該当するもので、3分経過後の湯温は70℃
まで低下する。従って、これをそのまま紅茶を抽出する
ために使用してもおいしい紅茶を作ることはできない。
また、この茶こし付きハーブティーカップは高価なため
普及し難い。更にハーブティーの素材となるハーブは概
して草花の葉、茎、花等を乾燥させたもので、ハーブテ
ィーはその成分を抽出した液体である。従って、ハーブ
ティーを作る際には80℃以上の湯温を必要としない。
一方、紅茶の場合は80℃以上を3分間保持する必要が
あるため、このハーブティー用の陶器製茶こし付きティ
ーカップは紅茶抽出には適切ではない。
【0017】そこで、本発明の目的とするところは、一
杯分のばら茶を使用した紅茶でもおいしくかつ簡単に入
れることができ、さらに抽出後のばら茶の取出しや器具
の洗浄等が容易な一杯立て紅茶の抽出器具や一杯立て紅
茶の抽出方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の請求項1に記載の一杯立て紅茶の抽出器
具は、ばら茶をこして紅茶を抽出する器具であって、常
温雰囲気内で、沸騰したお湯を貯えての予熱後、新たに
180ccの沸騰したお湯を貯え、3分経過後にその湯
温を80℃以上に保つことのできる特性を有するカップ
本体(1)と、カップ本体(1)内に着脱自在に装着さ
れ、周壁および底壁がこし網(2a)で構成されると共
に上端開口部を有する、投入された紅茶のばら茶をこす
ための茶こし(2)と、茶こし(2)の上端開口部に着
脱自在に組付き、組付いた状態で茶こし(2)の上端開
口部及びカップ本体(1)の上端開口部を閉塞する上蓋
(3)とからなることを特徴とする。
【0019】また、請求項2に記載の一杯立て紅茶の抽
出器具は、カップ本体(1)を、ホーロー製のマグカッ
プとしてなることを特徴とする。
【0020】さらに、請求項3に記載の一杯立て紅茶の
抽出器具は、上蓋(3)に凹部を形成し茶こし(2)の
受皿としても使用してなることを特徴とする。
【0021】また、請求項4に記載の一杯立て紅茶の抽
出器具は、上蓋(3)に小径の空気孔(3c)を形成
し、かつ茶こし(2)の周壁前面部分に平担部(2f)
を形成し、カップ本体(1)をティーポットとしても使
用してなることを特徴とする。
【0022】また、請求項5に記載の一杯立て紅茶の抽
出方法は、ばら茶をこして紅茶を抽出する方法であっ
て、常温雰囲気内で、沸騰したお湯を貯えての予熱後、
新たに180ccの沸騰したお湯を貯え、3分経過後に
その湯温を80℃以上に保つことのできる特性を有する
カップ本体(1)内に、常温雰囲気内で、お湯を貯えて
の予熱した後、紅茶のばら茶をカップ本体(1)内に一
杯分投入した後、沸騰したお湯180ccをカップ本体
(1)内に注入し、上蓋(3)でカップ本体(1)の上
端開口部を閉塞し、3分経過後、上蓋(3)をカップ本
体(1)から取除き、かつ紅茶抽出液から茶葉を分離し
てなることを特徴とする。
【0023】また、請求項6に記載の一杯立て紅茶の抽
出方法は、カップ本体(1)を、ホーロー製のマグカッ
プとしてなることを特徴とする。
【0024】また、請求項7に記載の一杯立て紅茶の抽
出方法は、ばら茶をこして紅茶を抽出する方法であっ
て、常温雰囲気内で、沸騰したお湯を貯えての予熱後、
新たに180ccの沸騰したお湯を貯え、3分経過後に
その湯温を80℃以上に保つことのできる特性を有する
容器(1)内に、常温雰囲気内で、お湯を貯えての予熱
した後、紅茶のばら茶を容器(1)内に一杯分投入した
後、沸騰したお湯180ccを容器(1)内に注入し、
上蓋(3)で容器(1)の上端開口部を閉塞し、3分経
過後、容器(1)内から紅茶抽出液を任意のティーカッ
プへ注入してなることを特徴とする。
【0025】なお、請求項1、請求項5及び請求項7で
記載の180ccの湯とは一杯分の湯を意味する。
【0026】なお、カッコ内の記号は図面および後述す
る発明の実施の形態に記載された対応要素または対応事
項を示す。
【0027】本発明の請求項1に記載の発明によれば、
これまで喫茶店等でおいしい紅茶を入れるために、二杯
分(360cc)を一度に作るために使用する紅茶用陶
器製ポットと同様、一杯分(180cc)のお湯の温度
を3分経過後、80℃以上に保つことができる特性を有
するカップ本体を使用することとしたので、一杯立てで
もおいしい紅茶を入れることができる。また、一杯分の
紅茶を入れる場合、従来のように湯温の低下を防ぐ目的
で二杯分を作る必要がないため、茶葉や火力等に無駄が
生じない。更に、カップ本体はいわゆる通常のカップ形
状であるので、紅茶抽出後の茶こしによる茶葉の取出し
やカップ本体の洗浄等を容易に行うことができ、その取
扱いが容易である。
【0028】また茶こしは、その周壁全体および底壁が
こし網で構成されているので、いわゆる茶こし作用を迅
速に行うことができ、また、お湯を注いだ際の湯面が安
定し易く、適量のお湯が注がれたかどうかの確認が目視
で容易にでき、また、カップ本体から取出す際に抽出さ
れた紅茶の滴がカップ本体内に迅速に落ち易く、さら
に、その外面から水を吹き付けて茶がらの取出しと洗浄
を容易に行うことができるので、取扱いが容易である。
【0029】また、請求項2に記載の発明によれば、ポ
ット本体を請求項1に記載の特性を有するホーロー製の
マグカップとしたので、一杯立てのおいしい紅茶を入れ
ることができると共に、その取扱いが容易である。ま
た、このホーロー製のマグカップは、小型、軽量で耐久
性にも優れ、ティーポット等の従来の器具に比べ安価で
あるので経済的である。
【0030】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1および2に記載の発明の作用効果に加えて、上
蓋を茶こしの受皿としても使用することができるので、
茶こしからの滴でテーブル等を汚すことがない。
【0031】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1乃至3に記載の発明の作用効果に加えて、上蓋に
小径の空気孔を形成し、かつ茶こしの周壁前面部分に平
担部を形成したので、茶こしとカップ本体との間に注き
口となる隙間が形成され、カップ本体をティーポットと
しても使用することができる。これにより、任意のティ
ーカップに注いで飲むために上蓋をしたままティーカッ
プに注ぐ際、空気孔から空気がカップ本体内に侵入でき
るので、注き口からの当該注出を円滑に行うことができ
る。
【0032】また、請求項5に記載の発明によれば、一
杯立てのおいしい紅茶を容易に入れることができる。
【0033】また、請求項6に記載の発明によれば、請
求項5に記載の発明の作用効果に加えて、その取扱いが
容易であるとともに、このホーロー製のマグカップは、
小型、軽量で耐久性にも優れ、ティーポット等の従来の
器具に比べ安価であるので経済的である。
【0034】また、請求項7に記載の発明によれば、任
意のティーカップにおいしい紅茶を迅速に入れることが
できる。
【0035】
【発明の実施の形態】図1および図2を参照して、本発
明の実施形態に係る一杯立て紅茶の抽出器具について説
明する。図1は、上蓋3と茶こし2をカップ本体1から
それぞれ取り出して示した分解斜視図である。また、図
2は図1のA−A線断面図である。
【0036】本実施形態において、カップ本体1は有底
円筒形状のホーロー製マグカップで構成されている。こ
のホーロー製マグカップは、常温雰囲気内で、沸騰した
お湯180ccを30秒間貯えての予熱後、新たに18
0ccの沸騰したお湯を貯え、3分経過後にその湯温を
80℃以上に保つことのできる特性を有するものであ
る。このカップ本体1は、その容量が360ccであ
り、よって一杯分はもとより二杯分を一度に作ることも
可能である。これによれば、紅茶抽出後、カップ本体1
を通常のカップと同様にそのまま直接紅茶を飲用するこ
ともできるし、また、任意のティーカップに注入して飲
用することもできる。
【0037】茶こし2は、カップ本体1内に着脱自在に
容易に装着されるべく下方に狭まるテーパー状とされ、
周壁の全体および底壁がこし網2aで構成されると共に
上端に開口部を有する。周壁には3本の支持柱2bがほ
ぼ等間隔に立設される共に、底壁の周端部には支持枠2
cが設けられており、この支持柱2bおよび支持枠2c
によってこし網2aの強度が維持されている。
【0038】この茶こし2の上端開口部にはフランジ部
2dが周設されると共にその一部に取っ手2eが設けら
れている。フランジ部2dはカップ本体1の上端に上載
するもので、これによって安定した茶こしが図られ、ま
た、取っ手2eは茶こし2を掴みやすくするためのもの
である。なお、この茶こし2のほぼ中間部には180c
cの容積を示す突起状の目印2gが設けられ、紅茶一杯
分のお湯を入れる際の目安としている。
【0039】また、この茶こし2は、カップ本体1の内
径および深さに極力近いものとし、茶葉を蒸らしている
間、お湯の対流運動による茶葉の動きを制限しないよう
にしている。また、本実施形態おける茶こし2は、カッ
プ本体1をティーポットとして使用することをも考慮し
て茶こし2の周壁前面部分を平坦形状2fとしてカップ
本体1との間に隙間を形成し、抽出した紅茶が円滑に任
意のティーカップへ注がれるようにしている。勿論、こ
うした平坦部2fを構成せず、カップ本体1と相似の形
状としてティーカップへ注ぐことなく、前述した如く、
そのままカップとして使用して飲用することもできる。
【0040】上蓋3は、茶こし2の上端開口部に着脱自
在に組付き、組付いた状態で茶こし2の上端開口部及び
カップ本体の上端開口部を閉塞すると共に、離脱した状
態ではテーブル等の上で茶こし2の受皿として利用でき
るよう凹部が形成された構成とされている。この上蓋3
は、茶こし2の上端部分に密に内装できる形状と大きさ
に設定された有底端筒形状の蓋体3aと、その蓋体3a
のほぼ中間部に周設された鍔部3bとで構成されてい
る。この鍔部3bは、その下面が茶こし2のフランジ部
2dの上面に当接するものである。よって、カップ本体
1をティーポットして使用する際、抽出後の紅茶を任意
のティーカップへ注ぐ時、茶こし2と上蓋3との隙間か
ら抽出された紅茶や茶がらが溢れ出るといった弊害は発
生しない。
【0041】また、鍔部3bには小径の空気孔3cが穿
設され、カップ本体1をティーポットとして使用する
際、カップ本体1内への外気の侵入を可能とし、紅茶の
注出を円滑に達成するものとしている。なお、この上蓋
3は上下略対称に形成されており、上下を逆にしても蓋
としての機能を発揮する。
【0042】なお、カップ本体1、茶こし2、および上
蓋3を組合わせた状態では、茶こし2と上蓋3は共にそ
の大部分がカップ本体1内に収納される形状とされてお
り、よって、茶こし2と上蓋3のみがその自らの空間を
占有せず、小型化が図れ、テーブルを必要以上に占領し
ない。
【0043】また、本発明の実施形態に係る一杯立て紅
茶の抽出方法は、次のようにして行う。まず、上述した
一杯立て紅茶の抽出器具と共に、紅茶のばら茶(茶
葉)、水およびやかんを準備する。次に、やかんに水を
入れて沸騰させ、その沸騰したお湯を180cc程度カ
ップ本体1に注ぎ、カップ本体1およびその中に装着し
た茶こし2を約30秒間予熱した後、カップ本体1内の
お湯を捨てる。予熱したカップ本体1内の茶こし2にば
ら茶(茶葉)をティースプーン一杯(約3グラム)投入
した後、その中に沸騰したお湯を180cc注ぎ、上蓋
3をして3分間蒸らす。3分間蒸らした後、上蓋3を取
り、その上蓋3をテーブル上に受皿として置き、カップ
本体1から取出した茶こし2を上蓋3の上に置く。これ
により茶葉は紅茶抽出液から分離される。そして、カッ
プ本体1内の抽出された紅茶を、そのまま飲用する。こ
こで、茶こし2も予熱するのは、茶こし2の装着による
湯温の低下を防止するためである。
【0044】なお、好みに応じて、ミルク、砂糖、蜂
蜜、レモン等をカップ本体1内に加えても良い。また、
本実施形態において、カップ本体1はホーロー製マグカ
ップで構成されているので抽出された紅茶と同量のミル
クを加えた後、カップ本体1をそのままコンロの火にか
け、暖かいロイヤルミルクティーを作ることもできる。
【0045】なお、カップ本体1をティーポットとして
使用する場合は、カップ本体1内で抽出された紅茶を、
任意のティーカップへ移して飲用する。この際、ティー
カップも予熱しておけば、カップ本体1から直接飲用す
る場合と同様、おいしい紅茶を楽しむことができる。
【0046】また、本実施形態例ではカップ本体1とし
て容量360ccのホーロー製のマグカップを使用した
が、これにかえて、容量240ccのホーロー製のマグ
カップを使用してもよい。なお、先に述べた表1と同様
の実験をこの容量240ccのホーロー製のマグカップ
で行った場合、1分経過後の温度は87℃、2分、3
分、4分経過後の温度はそれぞれ、84℃、81℃、7
8℃となり、予熱後180ccの沸騰したお湯を貯え、
その湯温を3分間80℃以上にすることができるもので
あった。通常、市販のホーロー製マグカップは容量が3
60ccか240ccのものであるが、熱効率及び上記
実験、表1で示した実験からホーロー製のマグカップで
360cc以下の容量のものであれば、予熱後180c
cの沸騰したお湯を貯え、その湯温を3分間80℃以上
に保つことができると予測できる。
【0047】なお、カップ本体1を上述の如く紅茶抽出
器具(ティーポット)として使用する場合には、カップ
本体1は、常温雰囲気内で、沸騰したお湯を貯えての予
熱後、新たに180ccの沸騰したお湯を貯え、3分経
過後にその湯温を80℃以上に保つことのできるという
特性を有することが必要であったが、この様な性質を有
するものであれば特にカップに限らず容器であっても紅
茶抽出器具として使用することができる。
【0048】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の請求項1に記載
の一杯立て紅茶の抽出器具によれば、一杯立てでもおい
しいばら茶の紅茶を入れることができ、また、カップ本
体はいわゆる通常のカップ形状であると共に、茶こしは
その周壁全体および底壁がこし網で構成されているの
で、茶葉の取出しや洗浄を容易に行うことができ、その
取扱いが容易である。従って、この抽出器具を使用すれ
ば、紅茶の特別な知識がなくとも、誰でも簡単においし
い紅茶を入れることができる。また、一杯分の紅茶を入
れる場合、従来のように湯温の低下を防ぐために二杯分
を入れる必要がないため、茶葉や火力等に無駄が生ぜ
ず、喫茶店やレストラン等の業務での使用に特に好適で
ある。このように紅茶が抽出されるのは、カップ本体内
であるので通常のカップと同様にそのまま直接紅茶を飲
用することができる。また、任意のティーカップに注入
して飲用することもできる。
【0049】また、請求項2に記載の発明によれば、カ
ップ本体を請求項1に記載の特性を有するホーロー製の
マグカップとしたので、請求項1に記載の発明同様、一
杯立てのおいしい紅茶を誰でも簡単に入れることができ
る。このホーロー製のマグカップは、小型、軽量で耐久
性にも優れ、また、ティーポット等の従来の器具に比べ
安価であるので経済的で、誰でも手軽に購入しておいし
い紅茶を手軽に作ることができる。
【0050】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
請求項1および2に記載の発明の作用効果に加えて、上
蓋を茶こしの受皿としても使用することができるので、
茶こしからの滴でテーブル等を汚すことがなく、よって
清潔な環境で紅茶を楽しむことができる。
【0051】また、請求項4に記載の発明によれば、請
求項1乃至3に記載の発明の作用効果に加えて、カップ
本体をティーポットとして使用することができ、上蓋お
よび茶こしをカップ本体から取除くことなく紅茶抽出液
を任意のティーカップへ注出することができる。従っ
て、ティーカップへの注入を迅速かつ円滑に行うことが
でき便利である。
【0052】またさらに、請求項5に記載の発明によれ
ば、一杯立てのおいしい紅茶を容易に入れることができ
るので、誰でも多種多様の紅茶の味を楽しむことができ
る。
【0053】また、請求項6に記載の発明によれば、請
求項5に記載の発明の作用効果に加えて、その取扱いが
容易であるとともに、このホーロー製のマグカップは、
小型、軽量で耐久性にも優れ、ティーポット等の従来の
器具に比べ安価であるので経済的である。
【0054】また、請求項7に記載の発明によれば、任
意のティーカップにおいしい紅茶を迅速に入れることが
できるので、好みのティーカップでティータイムを楽し
むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る一杯立て紅茶の抽出器
具を示すもので、上蓋3と茶こし2をカップ本体1から
それぞれ取り出して示した分解斜視図である。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】各種容器内における湯温の経時変化を示すグラ
フである。
【符号の説明】 1 カップ本体 2 茶こし 2a こし網 2b 支持柱 2c 支持枠 2d フランジ部 2e 取っ手 2f 平坦部 2g 目印 3 上蓋 3a 蓋体 3b 鍔部 3c 空気孔

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ばら茶をこして紅茶を抽出する器具であっ
    て、 常温雰囲気内で、沸騰したお湯を貯えての予熱後、新た
    に180ccの沸騰したお湯を貯え、3分経過後にその
    湯温を80℃以上に保つことのできる特性を有するカッ
    プ本体と、 該カップ本体内に着脱自在に装着され、周壁および底壁
    がこし網で構成されると共に上端開口部を有する、投入
    された紅茶のばら茶をこすための茶こしと、 該茶こしの上端開口部に着脱自在に組付き、組付いた状
    態で茶こしの上端開口部及び前記カップ本体の上端開口
    部を閉塞する上蓋と、からなることを特徴とする一杯立
    て紅茶の抽出器具。
  2. 【請求項2】前記カップ本体を、ホーロー製のマグカッ
    プとしてなることを特徴とする請求項1に記載の一杯立
    て紅茶の抽出器具。
  3. 【請求項3】前記上蓋に凹部を形成し茶こしの受皿とし
    ても使用してなることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の一杯立て紅茶の抽出器具。
  4. 【請求項4】前記上蓋に小径の空気孔を形成し、かつ前
    記茶こしの周壁前面部分に平坦部を形成し、前記カップ
    本体をティーポットとしても使用してなることを特徴と
    する請求項1、2又は3に記載の一杯立て紅茶の抽出器
    具。
  5. 【請求項5】ばら茶をこして紅茶を抽出する方法であっ
    て、常温雰囲気内で、沸騰したお湯を貯えての予熱後、
    新たに180ccの沸騰したお湯を貯え、3分経過後に
    その湯温を80℃以上に保つことのできる特性を有する
    カップ本体内に、常温雰囲気内で、お湯を貯えての予熱
    した後、紅茶のばら茶を前記カップ本体内に一杯分投入
    した後、沸騰したお湯180ccをカップ本体内に注入
    し、上蓋でカップ本体の上端開口部を閉塞し、3分経過
    後、該上蓋をカップ本体から取除き、かつ紅茶抽出液か
    ら茶葉を分離してなることを特徴とする一杯立て紅茶の
    抽出方法。
  6. 【請求項6】前記カップ本体を、ホーロー製のマグカッ
    プとしてなることを特徴とする請求項5に記載の一杯立
    て紅茶の抽出方法。
  7. 【請求項7】ばら茶をこして紅茶を抽出する方法であっ
    て、常温雰囲気内で、沸騰したお湯を貯えての予熱後、
    新たに180ccの沸騰したお湯を貯え、3分経過後に
    その湯温を80℃以上に保つことのできる特性を有する
    容器内に、常温雰囲気内で、お湯を貯えての予熱した
    後、紅茶のばら茶を前記容器内に一杯分投入した後、沸
    騰したお湯180ccを容器内に注入し、上蓋で容器の
    上端開口部を閉塞し、3分経過後、容器内から紅茶抽出
    液を任意のティーカップへ注入してなることを特徴とす
    る一杯立て紅茶の抽出方法。
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