JP2964905B2 - 溶融めっき鋼板の冷却方法および装置 - Google Patents

溶融めっき鋼板の冷却方法および装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融めっき鋼板の冷却
方法および装置、特に溶融めっき直後に鋼板を冷却する
方法および装置に関し、より詳しくは、溶融亜鉛系めっ
き鋼板の板長手方向、あるいはさらに板幅方向および板
厚方向におけるめっき皮膜特性、即ち、スパングル粒径
等を均一に制御することが可能であって、且つ溶融めっ
き鋼板の効率的な冷却を可能とする、溶融めっき鋼板の
冷却方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融めっき鋼板、とりわけ55wt%Al−Zn
合金めっき鋼板は、Alめっき鋼板が有する高耐食性およ
び耐熱性と溶融亜鉛めっき鋼板が有する犠牲防食性とを
合わせ持つため、溶融亜鉛めっき鋼板やAlめっき鋼板に
替わって建材、家電、自動車等の分野での使用量が増え
つつある。この55wt%Al−Zn合金めっき鋼板は独特な銀
白色の美麗な外観を有しており、建材用途ではこの外観
を活かしてめっき表面をクリヤ皮膜(1〜3g/m2)で覆
って使用することが多い。
【0003】溶融めっき後の鋼板では、スパングルが進
行する。スパングル粒径が粗大化するとスパングル粒径
の不均一化が促進される。そのため最近では、スパング
ル粒径幅方向および長手方向の均一化、各板厚間のスパ
ングル粒径の差を小さくすることが望まれている。
【0004】特に55wt%Al−Zn合金めっき鋼板の美麗な
銀白色の外観を利用する場合、その外観が重要であるた
めスパングル粒径の均一性が求められ、特にパネルとし
て使用する場合、その要求レベルは高い。さらに、異な
る板厚の鋼板 (例:0.27〜2.3 mm) を用いる場合にも、
板厚によらず一定のスパングル粒径であることが要求さ
れる。
【0005】通常、溶融めっき後の鋼板表面は、板幅方
向において凸形状の温度分布(鋼板中央部で温度が高く
鋼板両端で温度が低い)を有する。スパングルの成長は
溶融めっき鋼板の冷却速度に影響を受けるため、従来に
あっては、いずれも溶融めっき後、バーナ加熱、クーラ
ボックスなどを経て鋼板全体を均一温度としてから、微
細化装置において微細化薬剤あるいは冷却水の散布を行
って冷却を行っている。つまり、冷却の準備段階で凝固
直前にまで持ち来たしてから少なくともその温度におい
て全体を均一温度としてから一挙に冷却をしようとする
のである。
【0006】しかしながら、かかる従来技術では、溶融
めっき鋼板の目付量を調整してから、バーナ加熱とクー
ラボックスによる冷却を行わなければならず、そのため
の時間、スペース、そして設備は不可欠であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】かくして、本発明の目
的は、上述の従来技術の問題を解消し、溶融めっき鋼板
製造におけるめっき皮膜特性が良好、即ち、スパングル
粒径が板長手方向および板幅方向の何れにおいても均一
である溶融めっき鋼板の製造が可能であり、さらに効率
的な冷却が可能である溶融めっき鋼板の冷却方法および
装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のよ
うにめっき終了後に急冷処理に対する準備段階として温
度調整を行うことなく、直接急冷することの経済性に着
目し、55wt%Al−Zn合金めっき鋼板のスパングル粒径と
めっき直後の冷却速度の関係について検討を行った。
【0009】図1に示すように、めっき直後の鋼板の冷
却速度が55wt%Al−Zn合金めっき鋼板のスパングル粒径
に与える影響は非常に大きい。このことは従来のように
スパングルの微細化、均一化のために薬剤を噴霧するこ
となく、めっき直後であれば、単に冷却速度の制御によ
ってスパングル粒径を制御できる可能性を示している。
【0010】図1の結果は、Al−Zn合金めっき直後の鋼
板を冷却した際の関係であり、この「めっき直後」と
は、めっき皮膜が溶融または半溶融状態であって1次デ
ンドライトが析出する直前までの時期を指す。スパング
ルが成長するのはめっき皮膜が完全固化する前であり、
スパングル粒径を制御する時期はめっき表層に1次デン
ドライトが析出 (めっき皮膜が固化) する前でなければ
ならない。
【0011】図1より、めっき直後の冷却速度が速いほ
ど、めっき皮膜表面に現れるスパングルの粒径が小さく
なることがわかる。特にスパングル粒径に対しては、冷
却開始時の冷却速度の影響が大きいことがわかる。本発
明者らは、さらに、後述する図2に示す垂直冷却帯を有
する冷却装置を用い、冷却パターンを変えて目付け量調
整後の溶融めっき鋼板の冷却を行った。
【0012】ここで冷却パターンとは冷却装置長手方向
においての冷却速度の変化の様子を指し、次の2つの冷
却パターンで行った。冷却パターン以外の操業条件 (冷
却媒体、装置全体の冷却能力、鋼板の厚み・幅、等)
は、いずれの場合もともに同一とした。
【0013】冷却パターンA: 冷却装置全域において
鋼板の冷却速度一定 冷却パターンB: 初期:急速冷却→中期〜後期:低速
冷却 これらの結果から、以下のような知見が得られた。
【0014】冷却装置入側と冷却装置出側の溶融めっき
鋼板の温度変化 (ΔT=TI −TO) はA、Bともほぼ
同じであったが、得られた溶融めっき鋼板のめっき皮膜
特性はAに比べてBの方がスパングルの粒径が小さく且
つ均一であった。
【0015】上記知見より、効率的な溶融めっき鋼板の
冷却を行うためには、冷却パターンを急速冷却→低速冷
却とすればよいことが分かる。また、スパングル粒径が
板長手方向および板幅方向の何れにおいても均一とする
ためには、鋼板の板長手方向ばかりでなく、板幅方向の
冷却速度を上述のように制御すればよい。
【0016】そこで、本発明者らは、溶融金属めっき鋼
板を目付け量調整後に直ちに急冷することにより、スパ
ングル粒径が制御可能であることを知り、またそのとき
の冷却速度が鋼板の長手方向ばかりなく、幅方向におい
ても変更できるようにすれば鋼板全体のスパングル制御
が均一にできることを知り、本発明を完成した。
【0017】ここに、本発明は、もっとも広義には、溶
融めっき浴から引き上げられた溶融めっき鋼板の目付け
量を調整してから直ちに冷却装置において溶融めっき鋼
板を冷却し、該冷却装置の鋼板走行方向に沿って冷却速
度を制御するとともに、該冷却装置による冷却開始時、
例えば該冷却装置の入口において溶融めっき鋼板を急冷
することによってスパングル特性を制御することを特徴
とする溶融めっき鋼板の冷却方法である。
【0018】さらに別の面からは、本発明は、溶融めっ
き鋼板の目付け量調整手段に引き続いて設ける冷却装置
であって、鋼板の幅方向に延びた平行スリットノズルを
長手方向に、つまり鋼板の走行方向に沿って多段に設
け、それらのスリットノズル列の全体を複数の冷却ゾー
ンに区画するとともに、幅方向においてもスリットノズ
ルの背後に仕切り板を設けることで複数の冷却セクショ
ンに区画し、これらの各冷却ゾーンおよび必要により冷
却セクションが独立して冷却媒の流速を制御できるよう
に構成したことを特徴とする溶融めっき鋼板のスパング
ル特性を制御する冷却装置である。
【0019】本発明の好適態様によれば、複数の前記冷
却ゾーンを冷却媒流路で連通させ、最下流側の冷却ゾー
ンに冷却媒導入口を設けてもよい。本発明のさらに別の
好適態様にあっては、上記冷却装置全体をめっき鋼板の
進行方向に移動自在に設置してもよい。
【0020】
【作用】図2に本発明にかかる溶融めっき鋼板の製造装
置の概略図を示す。一般に、所定の熱処理を施された被
めっき鋼板は、溶融金属めっき浴1に通板された後、シ
ンクロール2を周回して垂直に引き上げられ、ワイピン
グノズル3で溶融金属の目付量を調整して所定のめっき
付着量に調整される。その後、この溶融状態あるいは半
溶融状態にある未凝固のめっき皮膜を有する鋼板は、直
ちに、冷却装置に通される。冷却装置は背後の冷却媒体
流路4と冷却媒体の導入口7そして冷却媒体の吹出口8
から構成される。導入口7から供給される冷却媒体は冷
却媒体流路4を経て吹出口8から鋼板5に向かって噴射
される。この冷却媒体気体、気体+液体、気体+金属粉
末により鋼板表面は急冷され、これにより溶融めっき皮
膜表面のスパングルの成長が抑制され、均一化するので
ある。
【0021】図3はスリットノズルから構成される吹出
口8の鋼板側から見たときの平面図であり、図中各スリ
ットノズルは鋼板の幅方向に伸びて多段に設けられてお
り、その背後に冷却媒体流路4が設けられている。
【0022】このスリットノズルに代えて単に吹出しノ
ズル (図示せず) としてもよいが、ある程度の流量を確
保して、装置全体を簡便にするという点ではスリットノ
ズルが好ましい。
【0023】ここに、冷却装置としては、(イ) 溶融めっ
き鋼板をめっき直後の冷却過程の初期で急速冷却するこ
と、および(ロ) 冷却装置の持っている設備上の冷却能力
を最大限に発揮できるようにすることが重要である。
【0024】本発明によれば、したがって、冷却装置の
長手方向において冷却媒体吐出量を制御可能な冷却装置
が実現される。具体的には冷却装置の長手方向の冷却媒
体流路内に設けられたダンパ等により、各冷却ゾーン毎
に鋼板の走行方向の冷却媒体吐出量を変えられる。この
ため、溶融めっき鋼板の冷却パターンを、急速冷却→低
速冷却とすることができ、上記(イ) を満足する。
【0025】また、冷却装置全体の総冷却能力が同じで
あれば冷却パターンに関わらず冷却装置入側と出側の温
度差ΔTは変わらないので、冷却装置の長手方向におい
て冷却媒体を効率的に使用しており、上記(ロ) を満足す
る。
【0026】さらに、本発明によれば、鋼板幅方向にお
いて冷却媒体吐出量を制御可能な冷却装置が実現され
る。具体的には鋼板幅方向の冷却媒体吐出量を制御する
ために、冷却媒流路、つまり冷却媒体流路内に設けられ
たダンパと仕切り板等により、鋼板の板幅方向に設けた
各冷却セクション毎に冷却媒体吐出量を変えられる。こ
のため、幅方向での均一冷却が可能となるため、上記
(ロ) を満足する。
【0027】かくして本発明によれば、従来のようにめ
っき付着量制御後に加熱バーナあるいはクーラボックス
をさらに設ける必要をなくし、装置全体が簡便になり、
それにも係わらず冷却装置の長手方向および幅方向にお
いて冷却媒体吐出量を制御可能となる非常に優れた冷却
装置が得られる。板長手方向および板幅方向の冷却媒体
吐出量を制御する機能を有する設備は特に制限されない
が、ダンパ、スリットギャップの可変制御等が挙げられ
る。
【0028】さらに、本発明の冷却装置を上下方向に移
動可能とすれば、冷却装置と溶融めっき浴との距離を変
化させて溶融めっき鋼板の冷却開始温度を調節すること
ができ、スパングル粒径を所望の大きさに均一にするこ
とができる。さらに各板厚に対応して冷却開始温度を調
節することにより、各種板厚間のスパングル粒径差を解
消することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明に係る溶融めっき鋼板の冷却装
置の例として冷却媒体吐出量の調整にダンパを用いた場
合を、図面に基づいて具体的に説明する。
【0030】実施例1 図4a および図4b は、冷却装置長手方向の冷却媒体吐
出量を調整するために冷却媒体流路4内にダンパを2個
設けた冷却装置である。本例では冷却媒体流路4への冷
却媒体導入口7を下流側、つまり冷却装置の入口側に設
けてある。
【0031】冷却媒体は、送風装置6によってダクトか
ら冷却媒体流路4の下部に設けられた導入口7に送ら
れ、冷却媒体流路4の冷却媒体吹き出し口8から溶融め
っき鋼板5に対して噴射される。この際、冷却媒体流路
4に設けられたダンパ9a および9b の開度によって冷
却装置の長手方向における冷却媒体の吐出量を調整でき
る。
【0032】図4a 、4bにおいて、冷却ゾーンI、冷
却ゾーンII、冷却ゾーンIII の順に、冷却媒体吐出量は
少なくなり溶融めっき鋼板の冷却速度が小さくなる。ダ
ンパの開度が低いほどダンパの下側の冷却媒体吐出量を
多く、即ち、溶融めっき鋼板の冷却速度を速くできるの
で、ダンパの開度は所望の冷却速度となるように調整す
ればよい。
【0033】図4a のような冷却装置により溶融めっき
鋼板を冷却すると冷却過程初期の急速冷却ができるた
め、スパングル粒径を小さく且つ均一にすることがで
き、しかも鋼板および溶融金属めっき層、例えば亜鉛め
っき層の潜熱を除去しめっき層の再溶融を防ぐことがで
きる。従って、得られる溶融めっき鋼板のスパングル粒
径は小さく且つ均一である。
【0034】次に、冷却装置の幅方向の冷却媒体吐出量
を調整するために冷却媒体流路4ではなく導入7内に
ダンパを設けた冷却装置を図5a および図5b に示す。
【0035】この冷却装置は、セクション区分板11によ
って冷却装置幅方向を3つの冷却セクションA、Bおよ
びCに分割し、冷却媒体流路4内の冷却セクションAお
よびCにそれぞれダンパ10を設けられている。各冷却セ
クションは、区分板11によって完全に分割されており、
各冷却セクションの冷却媒体吐出量は独立に制御でき
る。各ダンパ10の開度を調整し各冷却セクションAない
しCへの冷却媒体の吐出を調整できる。
【0036】冷却媒体は送風装置6からダクトに送りこ
まれ、ダクト内の下部に設置された導入口7を経てダン
パ10を通って冷却媒体流路4に送りこまれ、冷却媒体吹
き出し口8から鋼板5に噴射される。したがって、各ダ
ンパ10の開度を調整すれば板幅方向の冷却速度を変えら
れる。このように、溶融めっき鋼板の板幅により各ダン
パ10の開度を調整して冷却媒体を有効に利用することが
できる。
【0037】図5a および図5b には冷却装置を幅方向
を3分割した例を示したが、冷却装置の幅方向のセクシ
ョン分割をさらに多く (例:5分割、7分割) して、各
セクションにダンパを設けてもよい。例えば、図5b の
冷却セクションAおよびCをさらに各々2分割すれば、
鋼板の板幅に応じてさらに細かい冷却速度制御が可能と
なる。また、鋼板の板幅方向の温度分布が大きい場合に
は、その温度分布の状態に合わせて、図5b の冷却セク
ションBを細かく分割 (例:3分割、5分割)して各冷
却セクションにそれぞれダンパ10を設けて風量調整を行
うことにより冷却速度を制御してもよく、このようにす
ることにより板幅方向の温度分布によるめっき皮膜特性
のバラツキを抑えて、板幅方向のスパングル粒径が均一
な溶融めっき皮膜を得ることができる。
【0038】さらに、図6a および図6b は、冷却媒体
流路4内および導入口7内にそれぞれダンパ9a、9
b、10を設けた冷却装置を示すが、このように冷却装置
の長手方向および幅方向の両方における冷却媒体吐出量
を調整することも可能である。このような構成の装置で
あれば、図4a および図5a に示した装置の優れた点を
合わせ持つためその効果は非常に大きい。
【0039】以上、風量調整設備としてダンパを用いた
場合を例にとって本発明冷却方法および冷却装置を説明
したが、冷却媒体吐出量を制御可能であれば、ダンパ以
外の他の機能を用いてもよい。例えば、スリットギャッ
プの幅方向における可変制御等も本発明に適用可能であ
る。以下に、異なる板厚の鋼板を連続して溶融めっきす
る場合、本発明にかかる冷却方法を用いた場合の溶融め
っき皮膜特性を示す。
【0040】溶融めっき鋼板の冷却において、ダンパ等
により冷却媒体吐出量を変化させると、各領域の冷却媒
体吐出量が相対的に変化して吐出量とめっき皮膜特性と
の関係が不明確になるため、ここでは図7に示すように
冷却装置長手方向の中央で上下2分割し、各々に別個の
送風装置から独立に冷却媒体を送り込んだ。空気を冷却
媒体とし、各々のダクト内に設けられた各ダンパにより
上下段の冷却ゾーンの各々の風量を独立に制御し、溶融
めっき鋼板に噴射した。上下段のダンパの開度を変えた
場合の溶融めっき鋼板のめっき皮膜特性を表1に示す。
【0041】下段風量 (即ち、初期冷却速度) のみが増
すと、スパングルの平均粒径は小さくなり加工性は良好
になる。異なる厚みの鋼板を用いる場合には、ダンパ開
度を適宜調整すれば同程度のスパングル粒径とすること
ができる。なお、ダンパ開度が小さくなればその領域の
スリットノズルに送られる風量は増す。例えば、スパン
グル粒径が2.0 mmの溶融めっき鋼板を得る場合には、0.
4 mm厚鋼板の場合:下段0%−上段100 %、0.8 mm厚鋼
板の場合:下段20%−上段100 %、1.6 mm厚鋼板の場
合:下段80%−上段100 %として冷却すればよい。
【0042】本発明の冷却装置を用いた場合にも板厚に
応じて冷却パターンを変えれば、板厚に関わらずスパン
グル粒径を均一 (板厚間差が少ない) にすることができ
る。
【0043】
【表1】
【0044】実施例2 表2に冷却装置を上下2分割し、それぞれの風量を独立
で制御したときの平均スパングル径の結果を示す。下段
のみの風量を落とすことによって、スパングル粒径を変
化させることが可能となる。
【0045】
【表2】
【0046】実施例3 表3に冷却装置を幅方向に3分割 (図5a、b) し、セ
クションA、CはセットでセクションBと独立に制御し
たときの平均スパングル径の結果を示す。セクションB
は通板板幅 (1000mm) の両エッジ 200mm (セクションA
およびB) を除く部分の風量制御ゾーンである。
【0047】セクションAとCの冷媒流量をBに比べ小
さくすることにより、スパングル粒径を幅方向で均一に
制御することが可能となる。そのとき、長手方向のダン
パー開度は、すべて100 %とした。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によ
り、溶融めっきの目付量の調整直後に、溶融めっき鋼板
の急冷を行うことにより、装置全体が非常に簡便とな
り、しかもかかる冷却装置の長手方向および/または幅
方向における冷却媒体吐出量の制御するため、冷却媒体
の冷却能力を最大限に活用することができ、効率的に、
均一且つ良質なめっき皮膜特性 (スパングル粒径) を有
する溶融めっき鋼板の製造が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】55wt%Al−Zn合金めっき直後の鋼板の冷却速度
−スパングル平均粒径の関係を示すグラフである。
【図2】本発明にかかる溶融金属めっき鋼板の製造装置
の模式図である。
【図3】図2の溶融金属めっき鋼板の冷却装置のスリッ
トノズル部の模式図である。
【図4】図4aは冷却媒体流路内にダンパを設けた本発
明冷却装置の概略説明図であり、図4bは図4aのY−
Y' 線方向からみた冷却媒体流路4の正面図である。
【図5】図5aはダクト内にダンパを設けた本発明冷却
装置の概略説明図であり、図5bは図5aのY−Y’線
方向からみた冷却媒体流路4の正面図である。
【図6】図6aは、冷却媒体流路内およびダクト内にダ
ンパを設けた本発明冷却装置であり、図6bは図6aの
Y−Y’線方向からみた冷却媒体流路4の正面図であ
る。
【図7】上下2分割した本発明の例の実施例で用いた冷
却装置の概略説明図である。
【符号の説明】
1・・・溶融金属めっき浴 2・・・シンク
ロール 3・・・ワイピングノズル 4・・・冷却媒
体流路 5・・・鋼板 6・・・送風装
置 7・・・導入口 8・・・冷却ガ
ス吹き出し口 9a, 9b, 10, 11a, 11b・・・ダンパ 12・・・セクシ
ョン区分板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 貴裕 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式 会社和歌山製鉄所内 (56)参考文献 特開 昭56−84456(JP,A) 実開 平5−35848(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 2/00 - 2/40

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融めっき浴から引き上げられた溶融め
    っき鋼板の目付け量を調整してから直ちに冷却装置にお
    いて溶融めっき鋼板を冷却し、該冷却装置の鋼板走行方
    向に沿って冷却速度を制御するとともに、該冷却装置に
    よる冷却開始時に溶融めっき鋼板を急冷することによっ
    てスパングル特性を制御することを特徴とする溶融めっ
    き鋼板の冷却方法。
  2. 【請求項2】 溶融めっき鋼板の目付け量調整手段に引
    き続いて設ける冷却装置であって、鋼板の幅方向に延び
    た平行スリットノズルを長手方向に多段に設け、それら
    のスリットノズル列の全体を複数の冷却ゾーンに区画
    し、これらの各冷却ゾーンが独立して冷却媒の流速を制
    御できるように構成するとともに前記冷却ゾーンを幅方
    向においてもスリットノズルの背後に仕切り板を設ける
    ことで複数の冷却セクションに区画し、これらの冷却セ
    クションが独立して冷却媒の流速を制御できるように構
    成したことを特徴とする溶融めっき鋼板のスパングル特
    性を制御する冷却装置。
  3. 【請求項3】 冷却装置全体をめっき鋼板の進行方向に
    移動自在に設置した請求項2に記載の溶融めっき鋼板の
    スパングル特性を制御する冷却装置。
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