JP2964333B1 - 金属板ガスケット - Google Patents

金属板ガスケット

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JP2964333B1
JP2964333B1 JP10148198A JP14819898A JP2964333B1 JP 2964333 B1 JP2964333 B1 JP 2964333B1 JP 10148198 A JP10148198 A JP 10148198A JP 14819898 A JP14819898 A JP 14819898A JP 2964333 B1 JP2964333 B1 JP 2964333B1
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Abstract

【要約】 【課題】 エンジンのヘッドガスケットにおいて、シー
ル穴とボルト穴を複数のビードでシールすることができ
て、押圧力の不均等なシリンダヘッドガスケットの端部
のオイル穴のシールを十分にできるシール性に優れた金
属板ガスケットを提供する。 【解決手段】エンジンのシリンダヘッド20とシリンダボ
ア30との間をシールする金属板ガスケット１であって、
該金属板ガスケット１のボルト穴３と隣接するシール穴
２のシールに関して、該金属板ガスケット１の外周に沿
ってハーフビード４を配置し、前記シール穴２を囲むフ
ルビード５を設けると共に、該フルビード５を構成する
外ハーフビード５ａと内ハーフビード５ｂとの間を前記
シール穴３の近傍のボルト穴３側で拡げて拡幅部Ｃを形
成し、該拡幅部Ｃ領域内に前記ボルト穴３を配置して形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンのシリン
ダヘッドとシリンダブロック間に使用するヘッドガスケ
ットであっても、締結用ボルト穴に近接したオイル穴の
シールに対して良好なシール性能を確保できる金属板ガ
スケットに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】エンジンのシリンダヘッドとシリンダボ
ディとの間に設けるヘッドガスケットは、積層金属板で
形成され、燃焼室を形成するシリンダ穴以外に、潤滑油
や冷却水用の穴や、ヘッドボルト、プッシュロッドなど
が挿通する穴等、各種の穴が多数設けられている。
【０００３】そして、エンジンが多気筒列型エンジンの
場合には、金属ガスケットに複数のシリンダ穴が横一列
に形成され、このシリンダ穴を囲むようにボルト穴が配
設される。また、冷却および潤滑用の油穴や冷却水用の
穴等のそれぞれの用途に応じた穴が各シリンダ穴の周囲
に配置される。
【０００４】しかしながら、ボルト穴はシリンダ穴に対
して周囲を略等間隔に囲むように配置されるため、シリ
ンダ穴以外のオイル穴等のシール穴に対しては、周囲を
等間隔で囲む配置にならず、これらのシール穴を囲むビ
ードを締め付ける力はボルト穴から離れた位置では非常
に弱くなってしまうので、シール性能を十分に確保する
のが難しいという問題がある。
【０００５】特に、シリンダヘッドを経由して各摺動部
分に潤滑油を送るためのオイル通路は、通常はエンジン
の周辺部に設けられることが多いので、ガスケットにお
いても、オイル穴はヘッドガスケットの周辺部に配置さ
れることになり、締結用のヘッドボルトのボルト穴より
外側に設けられることが多い。このような配置の場合に
は、ボルトを締結してもオイル穴周辺を押圧する力が極
端に弱くなるので、オイル漏れが発生し易くなるという
問題がある。そのため、これらの各穴のシール性能を維
持するために、ビードの種類や配置や大きさに多くの工
夫がなされている。
【０００６】その一つとして、実公平７−５２３５８号
公報には、ボルト穴とオイル穴とを他の穴を囲むビード
と独立させた共通のフルビードで囲い、このビードのば
ね定数をボルト穴側よりオイル穴側を小さな値として、
その間のばね定数を漸減させた金属ガスケットが提案さ
れている。この構成においては、ボルト穴からの距離、
即ち、不均等な押圧力の変化に対応してビードのばね定
数を変化することによって、このビードの各部分が略均
等に圧縮変形させることができるので、シール効果を上
げることができる。
【０００７】また、別の例として、実公平６−４５０９
４号公報には、メインの開口を包囲してエンドレス状の
断面山形のビードを形成して、ボルト穴およびオイル穴
等の副次的な開口部をこのビードの拡幅部内に設けて、
ボルト穴およびオイル穴をハーフビードで取り囲んでシ
ールする金属ガスケットが記載されている。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一方
で、エンジンは軽量化のために、剛性の低いアルミニウ
ム合金製が採用されて来ており、押圧力によるエンジン
側の傷の発生を防止するために、ガスケットに強い押圧
力を加えられなくなって来ている。そのため、上述した
金属板ガスケットの構造では、ボルト穴とオイル穴の間
にビードが形成されておらず、オイル穴とボルト穴との
間のシールの確保が難しいので、ボルト穴を介してオイ
ルや冷却水や燃焼ガス等が混ざったり、外部へ漏れたり
し易くなるという問題がある。
【０００９】その上、いずれも、ボルト穴とオイル穴を
取り囲むフルビード又はハーフビードは一重である上
に、ボルト穴の外側に配置されたオイル穴を囲むビード
に対する押圧力は非常に弱くなるので、充分なシール性
能を維持することができず、また、このオイル穴周囲で
一旦漏れが生じると、金属板ガスケットの周辺部におい
ては押圧力が小さく、ビードもないので、外部への漏れ
につながってしまうという問題がある。
【００１０】また、前者の実公平７−５２３５８号公報
の金属板ガスケットにおいては、ボルト締結後の各部分
の間隙の大きさに対応させて、ボルト締結孔との遠近に
よってばね定数を変化させる必要があるため、精度の高
い加工が必要になり制作コストが嵩むという問題があ
る。
【００１１】本発明は、上述の問題を解決するためにな
されたものであり、その目的は、オイル穴をフルビード
とハーフビードで２重に、また、ボルト穴を二つのハー
フビードで２重にシールでき、しかも、ボルト穴とオイ
ル穴間をハーフビードで仕切ることができて、押圧力の
不均等なヘッドガスケットの端部のオイル穴のシールを
十分にできるシール性に優れた金属板ガスケットを提供
することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するための金属ガスケットは、エンジンのシリンダヘッ
ドとシリンダボアとの間をシールする金属板ガスケット
であって、該金属板ガスケットのボルト穴と該金属ガス
ケットの周縁部に隣接し、前記ボルト穴で囲まれた部分
より外側部分に偏在するシール穴のシールに関して、該
金属板ガスケットの外周に沿ってハーフビードを配置
し、前記シール穴と該シール穴に隣接するボルト穴を囲
む外ハーフビードを設けると共に、該外ハーフビードの
内側に該外ハーフビードと対称な断面形状をした同じ高
さの内ハーフビードを前記シール穴のみを囲んで形成
し、前記外ハーフビードと前記内ハーフビードを前記隣
接するボルト穴の反対側の前記シール穴の周囲で合流さ
せてフルビードを形成し、前記隣接するボルト穴を前記
外ハーフビードと前記内ハーフビードで囲まれた平坦面
に配置したことを特徴とする。この平坦面は、フルビー
ドを構成する外ハーフビードと内ハーフビードとの間を
シール穴の近傍のボルト穴側で拡げて形成した拡幅部の
ことである。
【００１３】即ち、ガスケッットの外周に沿って外周ハ
ーフビードを配置し、ボルト穴とシール穴を共通の外ハ
ーフビードで囲み、更に、シール穴を内ハーフビードで
囲む。そして、外ハーフビードと内ハーフビードは、ボ
ルト穴と反対側のシール穴の周囲で合流して、フルビー
ドを形成するように構成する。以上の構成の金属板ガス
ケットによれば、オイル穴等のシール穴のシールに関し
て、締結されたボルトによって大きな押圧力を得られる
部分では、外ハーフビードでボルト穴との間をシールで
きる。
【００１４】また、ボルト穴より外側になって押圧力が
低下する部分のシールは、フルビードを構成する内ハー
フビードと外ハーフビードと外周ハーフビードの３重の
シールラインで囲んでシールできるので、外部とシール
穴の間に充分なシール性を確保することができる。特
に、従来のガスケットでは、ビードを設ける幅が狭くシ
ールが難しい、シール穴とガスケット外周との間の幅の
極めて狭い部分においても、本発明の構成の金属板ガス
ケットではフルビードと外周ハーフビードを形成できる
ので、この部分のシール効果を著しく向上できる。
【００１５】また、ボルト穴と外部とのシールに関して
も、外ハーフビードと外周ハーフビードで囲んでこの２
重のシールラインでシールするので、充分なシールが可
能となる。即ち、オイル穴等のシール穴とボルト穴間が
近接した部分にもフルビードとハーフビードとの２重の
シールラインを設けることができて、シール穴とボルト
穴をフルビードとハーフビードで２重にシールでき、し
かも、ボルト穴とシール穴との間をハーフビードで仕切
ることができるので、押圧力が弱くなるシリンダヘッド
ガスケットの端部のオイル穴のシールを十分にできる。
【００１６】その上、複数のシールラインで取付け面に
押圧されるので、押圧力を支持する面が広くなり、アル
ミ成形品のような鋳鉄等に比較して柔らかく形成され
た、シリンダヘッド等の取付け面を傷付けることがな
い。
【００１７】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の金
属板ガスケットの実施の形態を説明する。本発明の金属
板ガスケット１は、図１〜図６に示すように、多気筒列
型エンジンのシリンダヘッド20とシリンダボア30との間
をシールする金属板ガスケット１であり、３枚の金属板
11，12，13を積層して形成する。
【００１８】そして、図６に示すように、エンジンの燃
焼室を形成するシリンダ穴６が複数横一列に配置され、
このシリンダ穴６を囲むようにボルト穴３を形成する。
また、冷却および潤滑用のオイル穴２や図示しない冷却
水用穴等のそれぞれの用途に必要な穴をシリンダヘッド
上の配置に合わせて配置して形成される。そして、図１
〜図５に示すように、各種の穴のシールを確保するため
に、この金属ガスケット１の外周に沿って外周ハーフビ
ード４を形成する。つまり、積層した金属薄板の中間の
ビード板12を、ガスケット１の外周に沿って一方の側
へ、図２〜図５では上側に膨出させて上側の面Ａを形成
する。また、この外周ハーフビード４の内側には下側の
面Ｂが形成される。
【００１９】次に、シール穴であるオイル穴２を囲ん
で、下側の面Ｂにフルビード５を形成する。このフルビ
ード５は、ガスケット１の外周側の外ハーフビード５ａ
とオイル穴２側の内ハーフビード５ｂとで形成され、こ
のフルビード５の内側に下側の面Ｄが形成され、この下
側の面Ｄ内にオイル穴２が配置されることになる。そし
て、更に、このフルビード５を拡幅して、フルビード５
を形成する外ハーフビード５ａと内ハーフビード５ｂの
間を拡げて上側の面である拡幅部Ｃを設けて、この拡幅
部Ｃ領域内にボルト穴３を配設する。
【００２０】言い換えれば、金属板ガスケット１の外周
側に外周ハーフビード４を配置し、オイル穴２とボルト
穴３を共通の外ハーフビード５ａで囲み、更にオイル穴
２を内ハーフビード５ｂで囲んで、外ハーフビード５ａ
と内ハーフビード５ｂを、ボルト穴３と反対側のオイル
穴３の周囲で合流させて、フルビード５を形成するよう
に構成する。
【００２１】以上の構成の金属板ガスケット１によれ
ば、次にような効果を奏することができる。オイル穴２
のシールに関して、締結されたボルトによって大きな押
圧力を得られるボルト穴３側は、外ハーフビード５ａで
ボルト穴３との間をシールでき、ボルト穴３より外側に
なって押圧力が低下する部分の外部とのシールは、フル
ビード５を構成する内外のハーフビード５ｂ、５ａと外
周ハーフビード４の３重のシールラインで囲んでシール
できるので、充分なシール性を確保することができる。
【００２２】特に、従来の金属板ガスケットでは、オイ
ル穴２とガスケット外周との間の幅の極めて狭くビード
を設けるのが難しい部分Ｅ、例えば、７ｍｍ程度の幅の
部分においても、本発明の構成の金属板ガスケット１で
はフルビード５と外周ハーフビード４を形成できるの
で、シール効果を著しく向上できる。また、ボルト穴３
と外部とのシールに関しては、外ハーフビード５ａと外
周ハーフビード４で囲んで、この２重のシールラインで
シールするので、充分なシール性を確保して確実にシー
ルすることができる。
【００２３】その上、複数のシールラインで押圧力を支
持するので、シール面が広くなって取付け面への押圧力
が分散するので、アルミ成形品のような鋳鉄等に比較し
て柔らかく形成された取付け面であっても傷付けること
がない。
【００２４】
【発明の効果】以上の説明のように、本発明に係る金属
板ガスケットによれば、次にような効果を奏することが
できる。ボルト穴に隣接して設けられたオイル穴等のシ
ール穴のシールに関して、締結ボルト側は、外ハーフビ
ードでボルト穴との間をシールでき、ボルト穴より外側
の押圧力が低下する部分は、フルビードの内ハーフビー
ドと外ハーフビードと外周ハーフビードの３重のシール
ラインで囲んでシールできるので、充分なシール性を確
保することができる。
【００２５】また、ボルト穴と外部とのシールに関して
は、外ハーフビードと外周ハーフビードで囲んでこの２
重のシールラインでシールするので、充分なシール性を
確保して確実にシールすることができる。特に、シール
穴とガスケット外周との間の幅の極めて狭い部分におい
ても、フルビードと外周ハーフビードを容易に形成でき
るので、シール効果を著しく向上できる。
【００２６】その上、複数のシールラインで押圧力を支
持するので、シール面が広くなって取付け面への押圧力
が分散するので、アルミ成形品のような鋳鉄等に比較し
て柔らかく形成された取付け面であっても傷付けること
がない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る金属板ガスケットの部分平面図で
ある。
【図２】図１のＸ１−Ｘ１’線断面図である。
【図３】図１のＸ２−Ｘ２’線断面図である。
【図４】図１のＸ３−Ｘ３’線断面図である。
【図５】図１のＸ４−Ｘ４’線断面図である。
【図６】金属板ガスケットのシリンダ穴、ボルト穴、オ
イル穴の一例を示す平面図であり、冷却水穴等を省略し
た図である。
【符号の説明】
１ 金属板ガスケット ２ オイル穴 ３ ボ
ルト穴 ４ 外周ハーフビード ５ フルビード ５ａ
外ハーフビード ５ｂ 内ハーフビード ６ シリンダ穴 ７ 冷
却水用穴 11 金属板 12 ビード板 13 金
属板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 エンジンのシリンダヘッドとシリンダボ
    アとの間をシールする金属板ガスケットであって、該金
    属板ガスケットのボルト穴と該金属ガスケットの周縁部
    に隣接し、前記ボルト穴で囲まれた部分より外側部分に
    偏在するシール穴のシールに関して、該金属板ガスケッ
    トの外周に沿ってハーフビードを配置し、前記シール穴
    と該シール穴に隣接するボルト穴を囲む外ハーフビード
    を設けると共に、該外ハーフビードの内側に該外ハーフ
    ビードと対称な断面形状をした同じ高さの内ハーフビー
    ドを前記シール穴のみを囲んで形成し、前記外ハーフビ
    ードと前記内ハーフビードを前記隣接するボルト穴の反
    対側の前記シール穴の周囲で合流させてフルビードを形
    成し、前記隣接するボルト穴を前記外ハーフビードと前
    記内ハーフビードで囲まれた平坦面に配置したことを特
    徴とする金属板ガスケット。
JP10148198A 1998-05-29 1998-05-29 金属板ガスケット Expired - Lifetime JP2964333B1 (ja)

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