JPH04248070A - 金属ガスケット - Google Patents
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
いてシリンダヘッドとシリンダブロックとの対向面間に
配置され、シリンダヘッドをシリンダブロックに対して
締付け固定した状態で対向面間をシールする金属ガスケ
ットに関する。
クとの間に配置され且つシリンダヘッドをシリンダブロ
ックに対して締付けた状態でシリンダヘッドとシリンダ
ブロックとの対向面間をシールする金属ガスケットとし
ては、シリンダボア孔の周縁にビードが形成された弾性
金属板製ビード基板を有する形式の金属ガスケットが用
いられている。シリンダヘッドをシリンダブロックに対
してボルト等の締付け手段で締付けることにより、ビー
ド基板のビードがシリンダヘッド又はシリンダブロック
に対して接触して変形し、接触した部分はシリンダヘッ
ド又はシリンダブロックとの対向面においてシール面と
なる。該シール面においては、ビードは一方の対向面に
弾性的に強く接触しており、ビードが形成されていない
側においてもその反作用でもって金属ガスケットが他方
の対向面に接触し、その弾性変形力でもって対向面間を
良好にシールする。
えば、特開昭62−155376号公報に開示されてい
る。図9及び図10は、上記金属ガスケットの一部を示
す図面であり、図9は金属ガスケットの平面図であり、
図10は図9においてシリンダボア孔間を横断する線E
−Eについての断面図である。これらの図に示された金
属ガスケット50は、ビード53を形成した弾性金属板
、即ちビード基板51とビード基板51に積層した副板
52の二枚の金属板から成る。副板52は、ビード基板
51に対してビード53を形成した側とは反対側におい
て積層されている。ビード53は、シリンダボア孔54
を囲繞するように形成されている。副板52の燃焼室用
の打ち抜き孔の周縁部は、ビード基板51の打ち抜き孔
の周縁部を挟むように折り返されてグロメット部55を
形成している。副板52を折り返した端縁は、シリンダ
ボア孔54を形成する。グロメット部55は、ビード5
3よりもシリンダボア孔54側に所定の厚さの補償部と
して機能する。
関熱の影響でシリンダヘッドとシリンダブロックとの対
向面間隙が伸縮するのを防止する。また、金属ガスケッ
ト50に加わる面圧がグロメット部55にも分配される
ため、ビード53へ作用する交番過重が軽減され、ビー
ド53に生じる応力が低減するので、ビード53のヘタ
リの発生が防止される。グロメット部55は二次シール
であるビード53の変形に対するストッパとしての機能
も果たす。更に、シリンダボア孔54の周りがグロメッ
ト部55とビード53との双方でシールされるため燃焼
ガスの漏れがより一層防止される。
量化が求められており、その一環として、シリンダヘッ
ド及びシリンダブロックを従来の比重の大きい鋳鉄材料
に代えて比重の小さいアルミニウム合金材料で製作する
傾向にある。加えて、それらのシリンダ間の間隔即ちシ
リンダボア孔間の肉厚がますます薄くなりつつある。シ
リンダボア孔間の間隔が狭くなると、金属ガスケットに
おいてもスペース上、ビード基板に、各シリンダボア孔
毎に独立したビードを確保することが困難となり、シリ
ンダボア孔間では隣接するビードは互いに重なって1つ
の複合ビード部とならざるを得ない。また、金属ガスケ
ットのシール性能が最も良好であることが期待されるの
部位はかかるシリンダボア孔間である。このような寸法
が狭く且つ狭いためにシリンダヘッドの剛性が低くなっ
て変形を生じ易くなっている部位に、ビードの応力をた
の部位よりも高くしてシール圧力を確保するという相反
する要求に応える必要がある。ところが、ビードに生じ
る応力を高くし過ぎると、ビードにはヘタリや亀裂等が
発生して金属ガスケットとしての寿命を短縮する不具合
が発生し易くなる。
かについて、例えば、図11乃至図15に示された金属
ガスケットがある。図11は、金属ガスケット60のシ
リンダボア孔64間におけるビード基板61の平面図で
ある。隣接するシリンダボア孔64,64の周囲に設け
られたビード63,63が合流する会合部66では、ビ
ード線63aが僅かに曲線で繋がっていて、両側(図で
は上下)の会合部66,66間では直線状のビード67
となっている。ビード63,63について、ビード線6
3a,63aの両側の点線63b,63bはビード外形
線を示す。
74間におけるビード基板71を示す金属ガスケット7
0の一部平面図であり、先に示した図9及び図10と同
タイプの金属ガスケットの例である。図面裏側に位置し
ているビード基板71に対して副板72が図面表側に位
置しており、副板72のシリンダボア孔74側はビード
基板71側に折り返されてグロメット部75となってい
る。隣接するシリンダボア孔74,74の周りに設けら
れたビード73,73のビード線73aがそのままの形
で合流して会合部76となり、ふたつの会合部76,7
6間では直線状のビード77となっている。ビード73
,77について、ビード線73a、ビード線77aの両
側の点線73b,77bはビード外形線を示す。
かについては、特開昭63─210465号公報に開示
された金属ガスケットがある。該公報に開示された金属
ガスケット80については、図13にその一部が示され
ているように、ビード基板81のビード83は隣接する
シリンダボア孔84,84が接近する領域に近づくと会
合部86となっている。図中、間隔L1 ,L2 及び
L3 で示すように、会合部86のビード幅L1 は、
シリンダボア孔以外の部位に位置するビード83の幅L
3 や会合部間のビード87のビード幅L2 と略同幅
に形成されている。会合部でビード幅を広くし、会合部
間のビード中央部分で会合部以外のビード幅と同じ幅と
なるまでビード幅を減少させた金属ガスケットは、会合
部のばね定数の低下、即ち会合部のシール圧の低下を招
いていたが、上記公報に開示された金属ガスケット80
ではかかる低下を防止できるとしている。
図14及び図15に示されているように、実公平1─8
678号公報に開示された金属ガスケットがある。該金
属ガスケット90では、隣接するシリンダボア孔の周囲
に沿ってビード基板91に形成したビード93,93は
シリンダボア孔94,94が接近する領域で会合部96
となるが、この会合部96は最寄りの締結用ボルト孔9
8の部位に近接している。即ち、ビード93,93のビ
ード線93a,93aは締結用ボルト孔98の周囲にお
いてボルト孔98の中心から略等しい距離に位置してい
る。ビード線93a,93aは、会合部96で一つのビ
ード97のビード線97aに接続している。締結時の面
圧力は、会合部96とその近傍のビード形状を偏平化し
、会合部96のシール性を向上させることを期待してい
る。ビード93,97について、ビード線93a,97
aの両側の線93b,97bはビード外形線を表す。
る手段として実開昭61−16459号公報に開示され
たようなスペーサを設けた金属ガスケットがある。図1
6には、ビード基板101に形成したビード103のビ
ード線103a部分とその両側のビード外形線103b
部分において、スペーサ104を設けた例が示されてお
り、また図17にはビード線103a部分のみにスペー
サ104を設けた例が示されている。スペーサ104は
、ビード基板101の肉盛り、厚いメッキの付着により
形成することができる。スペーサ104を設けることに
より、ビード103の高さが高くなり、内燃機関の作動
に伴ってシリンダヘッド1やシリンダブロック2が変形
して対向面間が大きくなっても、金属ガスケット100
はかかる熱歪みに追従することができ、シリンダヘッド
1とシリンダブロック2との対向面間のシールを確保す
ることを期待している。
ト締付け位置の配置は限られているから、ビード基板の
ビードの押圧条件は場所に応じて異なることになる。図
示はしないが、ボルト締付け部位から遠ざかるに従って
押圧変形が漸次困難な素材をスペーサとして配置した金
属ガスケットが、特開昭62−224772号公報に開
示されている。更に、図示はしないが、ビード基板のシ
リンダボア孔間の部分において、ビードが形成する対向
面間の間隙に金属薄板を介在させた金属ガスケットが特
開昭63−186950号公報や実開昭63−1667
59号公報に開示されている。
び図10に示す金属ガスケット50を、シリンダヘッド
とシリンダブロックとの対向面間に配置してボルト等の
締付け手段で締付けたときには、締付け手段の配置とシ
リンダヘッド及びシリンダブロックの形状とによって程
度が異なるが、剛性の低い側のシリンダヘッドに変形を
生じたり、締付け位置からその近傍のビード53までの
距離が一定でないため、締付け力をビード基板のビード
に均等に分布させることができない。特に燃焼室孔が隣
接する領域においては、シリンダヘッドの対向面付近の
変形が大きくなり、その変形程度は燃焼室孔間の肉厚が
薄くなればなるほど著しい。したがって、金属ガスケッ
トの上記燃焼室孔が隣接する領域に対応するビードに十
分な締付け圧力、即ち面圧が得られず、シール効果が低
下する惧れがあった。更に、内燃機関の燃焼サイクルに
従って、シリンダヘッドとシリンダブロックとの間隙が
増減を繰り返し、これに応じて金属ガスケットのビード
にも繰り返し荷重と変形が発生する。かかる応力、歪み
の変動も、シリンダヘッドの剛性が最も低い部位で最大
となるので、特に燃焼室間のビードにヘタリが生じたり
、亀裂が生じたりしてシール性能を劣化させる問題を有
する。
ット50や図12に示した金属ガスケット70において
、グロメット部55,75が基板51,71と折り返し
た2層の副板との合計3層となるのに対して、ビード5
3,73が位置する部分が内部に空間部を有する2層か
らなる。また、グロメット部55,75とビード53,
73との間の部位は、板51,71と副板52,72と
が接触した2層からなっている。従って、グロメット部
55,75がシリンダヘッドとシリンダブロックとの間
の荷重変動や振動に直接的に晒されることになるから、
副板52,72の板厚を薄くした場合には使用期間が長
期になるとグロメット部55,75に亀裂が生じ易くな
るという不具合がある。他方、副板52,72の板厚を
厚くすると、シリンダヘッドをシリンダブロックに対し
て締付けたときには、締付け荷重は3層からなる補償部
に対して比較的集中し易いので、ビードを含むシリンダ
ボア孔周囲において平均的な面圧分布状態を確保するこ
とができず、結果的に良好なシール状態を長期にわたっ
て維持することができないという不具合がある。そして
、グロメット部55,75が副板52,72の横方向の
変形に対するストッパとしての機能を果たす点からする
と、副板52,72の大きな変形に対してはグロメット
部55,75に亀裂が生じる惧がある。このように、グ
ロメット部55,75は、形成すること自体が金属ガス
ケットの製造コストを上昇させ、またグロメット部の精
度を向上させるのが困難であり、上記のような種々の欠
点を内包するものである。
ト60,70、或いは図13に示された金属ガスケット
80においては、それぞれシリンダボア孔64,74,
84間におけるビード63,73,83の二つの会合部
66と66,76と76,及び86と86間のビード6
7,77,87が略一定の幅を有する直線状のビードで
あるので、長期的なシール特性の確保について完全な解
決にはなっていない。即ち、会合部以外のビードの各部
分の幅が略一定であるから、それらのばね定数は変わら
ないように見えても、会合部においてはばね特性が大幅
に不連続に変化しており、シリンダヘッドをシリンダブ
ロックに対して締付けたときにシリンダボア孔間におい
て金属ガスケットに働く応力が不連続に変化し、面圧の
バランスが確保できない。したがって、長時間使用する
とビードの亀裂やヘタリが発生する。
ト90では、会合部96とその近傍でのシール性を向上
することができるが、会合部96,96間のビード98
の距離が長くなるので、長時間使用するとこの距離の全
領域にわたってビード98のヘタリやビード98の特性
とシリンダヘッド剛性とのバランスによるシール性等が
必ずしも良好に維持されない。
スケット100については、シリンダボア孔の周囲にお
いて部分的にビード103の高さを変化させるという考
えはあるが、シリンダボア孔間に位置するビードのみを
、該ビードの剛性を高めるためにビードの高さを変える
考えは開示していない。また、シリンダヘッドの温度変
化等に正確に追従することができず、ビードの特性改善
の意味では本質的な改善になっていない。溶接によりス
ペーサ104を形成する場合にあっては、溶接部に欠陥
が生じやすいため、金属ガスケットの耐久性に問題があ
る。更に、スペーサ104を設ける位置及び厚さに正確
を期す必要があるため、製作上コストが非常に嵩むこと
になる。加工精度を出すことが非常に困難であるため、
シール性能上最も重要なシリンダボア孔間の面圧分布を
適切にすることが難しいという不具合がある。
ことであり、ビード板のシリンダボア孔間に位置するビ
ードの断面形状をシリンダボア孔間以外のビードの断面
形状を僅かに変更するだけで、シリンダヘッドのポート
又は燃焼室間のような剛性の低い部位が変形することに
よるシール性能の低下を補償し、また金属板にグロメッ
ト部を形成することなくシリンダボア孔間のシール性能
を他の部位のビードと同様に確保し、更に前記複合ビー
ドに見られるようなビードのばね特性の急激な変化を回
避し、ビードにスペーサを付加してビード高さを調節す
ることなく、燃焼室のシール上最も燃焼ガスの漏洩の可
能性があるため確実にシールする必要があるシリンダボ
ア孔間の部分のシールを確保し、燃焼サイクルに基づく
締付け荷重が変動する環境において長時間使用してもビ
ードにヘタリや亀裂が発生するのを回避し、コストを低
減できる金属ガスケットを提供することである。
間においてビードが会合するか否かにかかわらず、シリ
ンダヘッドをシリンダブロックに対して締付けた状態で
、シリンダボア孔間において金属ガスケットに働く面圧
自体を確保し、該面圧のバランスを保ち、また、グロメ
ット部を形成した場合にはグロメット部の亀裂防止をも
図り、シール性に優れた金属ガスケットを提供すること
である。
を達成するために、次のように構成されている。即ちこ
の発明は、シリンダヘッドとシリンダブロックとの対向
面間に配置して該対向面間をシールするため並列したシ
リンダボア孔周縁に沿ってビードを形成した弾性金属製
ビード板を有する金属ガスケットにおいて、前記ビード
板に形成した前記ビードのばね特性を、前記シリンダボ
ア孔間に位置するばね剛性が高いビード部からばね剛性
が滑らかに減少するビード部を介して前記シリンダボア
孔間以外に位置するばね剛性が低いビード部へ連続して
変化させたことを特徴とする金属ガスケットに関する。
する前記シリンダボア孔間以外に位置する各前記ビード
部は前記シリンダボア孔間に位置する1つの前記ビード
部に滑らかな湾曲形状で会合しており、前記シリンダボ
ア孔間以外に位置する前記ビード部の幅は前記シリンダ
ボア孔間に位置する前記ビード部の幅よりも幅広に形成
したものである。
ビード板に金属製の副板が積層され、該副板のシリンダ
ボア孔周縁は前記ビード板側に折り返されてグロメット
部を形成しているものである。
に構成されており、次のように作用する。即ち、この発
明による金属ガスケットは、ビードのばね特性を、シリ
ンダボア孔間に位置するばね剛性が高いビード部からば
ね剛性が滑らかに減少するビード部を介してシリンダボ
ア孔間以外に位置するばね剛性が低いビード部へ連続し
て変化させているので、シリンダヘッドをシリンダブロ
ックに締付けた状態で、シリンダボア孔即ち燃焼室孔の
周囲は燃焼ガスのシール上最も重要な部位であるが、シ
リンダヘッドの剛性が低下する可能性の高い部位である
シリンダボア孔間では、締付け力が該シリンダボア孔間
において多く分配されてばね剛性が他の部分より高いビ
ード部によって強力にシールされる。
リンダボア孔間以外に位置する各ビード部はシリンダボ
ア孔間に位置する1つのビード部に滑らかな湾曲形状で
会合しており、前記シリンダボア孔間以外に位置する前
記ビード部の幅は前記シリンダボア孔間に位置する前記
ビード部の幅よりも幅広に形成したので、滑らかな湾曲
形状で会合することで平坦部分が付加され、該平坦部分
の分だけビード部は屈曲し易くなる。即ち、シリンダヘ
ッドをシリンダブロックに締付けたときにビードが押し
潰されるように変形するが、その抵抗の大きさ即ち剛性
は、ビード部の山形頂部が平坦であると低くなる。した
がって、シリンダボア孔間でのビード部側からみると、
その剛性はシリンダボア孔間以外のビード部のばね特性
よりも高くなる。
するシリンダボア孔間以外のビード部を、その断面形状
においてシリンダボア孔間に位置するビード部よりも緩
やかな曲がりを有する湾曲部から構成し、そしてビード
幅においてシリンダボア孔間のビード部よりも幅広とし
た場合は、ビード高さが同じであるから曲率半径が大き
い程曲がり方は緩やかとなり撓み易くなる。したがって
、シリンダボア孔間に位置するビード部は、シリンダボ
ア孔間以外に位置するビード部よりも曲率半径は小さく
、曲がり方が急であるから、変形するのに大きな曲げ応
力が必要となり、剛性はシリンダボア孔間以外のビード
部のばね特性よりも高くなる。
ンダボア孔の周縁に沿って形成されたビードは、隣接す
るシリンダボア孔間において、シリンダボア孔周縁に沿
うビード部が会合しているか否かにかかわらず、シリン
ダボア孔間以外の部位に位置するビード部よりも剛性を
高くすることができる。会合していない場合は各ビード
部が各シリンダボア孔の周囲においてシール機能を果た
す。ビード部がシリンダボア孔中心を結ぶ線の両側で会
合しており、両会合部間において一つのビード部が形成
されている場合は、かかる共通のビード部が隣接するシ
リンダボア孔に対してシール機能を果たす。ビード板に
副板を積層した場合は、該副板のシリンダボア孔周縁を
ビード板側に折り返してグロメット部を形成することが
でき、この場合、金属ガスケットには、グロメット部の
金属ガスケットの厚さ補償機能やビードへの過重の軽減
機能及びビードの押し潰れ変形に対するストッパ機能を
合わせ持たすことができる。
ガスケットの実施例を説明する。図1乃至図3はこの発
明による金属ガスケットの一実施例を示す図である。図
1は金属ガスケットの比較的広範囲の部分を示す平面図
である。図2は図1の隣接するシリンダボア孔の中心を
結ぶ線上の線A−Aについてのビードの断面を示す断面
図である。図3はシリンダボア孔間以外の領域における
半径方向の線B−Bについてのビードの断面を示す断面
図である。
、多気筒エンジンにおけるシリンダヘッドとシリンダブ
ロックとの間の対向面間に配置されて燃焼室の周囲をシ
ールするために使用されるものである。金属ガスケット
10は主としてビード板11から構成されている。例え
ば、上板及び下板をビード板11でそれぞれ構成し、上
板と下板との間に平らな中板である副板12を介在させ
、ビード板11のビード13を中板に当接させた構造に
構成する。ビード板11の厚さは約0.20mmであり
、ビード板11の材料はSUS301等の材料から成る
ステンレス製ばね板等から製作されている。金属ガスケ
ット10には、気筒即ちシリンダブロックに形成したシ
リンダボアに対等する孔、即ちシリンダボア孔14が形
成されている。更に、シリンダブロックとシリンダヘッ
ドとを互いに連結して締付けるボルトを挿通するため、
ボルト孔3が複数個穿設されている。更に、この金属ガ
スケット10には、冷却水を通す水孔4やリベット止め
孔5等が複数個穿設されているが、これらボルト孔等の
穿孔は従来の金属ガスケットに形成されるものと同様で
ある。
ダボア孔14の周囲においてビード13が形成されてい
る。ビード13の高さh(図2及び図3参照)は、例え
ば、約0.2mmである。副板12は、材料として、例
えば、SUS304のステンレス鋼板から製作されてい
るシリンダボア孔14の輪郭は、シリンダボア孔14,
14間の領域で曲率を小さく形成してある。シリンダボ
ア孔14,14間において両側のビード13,13は会
合して会合部16となっている。両側(図では上下)会
合部16,16間は一つのビード部13Yに連結してお
り、隣接するシリンダボア孔14,14に対して共通の
ビード部13Yとなっている。
領域Yに位置するビード部13Yの剛性をシリンダボア
孔間以外の領域Zに位置するビード部13Zの剛性と比
較して高めるための構成の一例が、図2及び図3に示さ
れている。即ち、シリンダボア孔14,14間の領域Y
では、図2に示すように、ビード13の断面輪郭は金属
ガスケットの自由状態で断面が平坦部分のない滑らかな
曲線で構成されたビード部13Yており、ビード部13
Yの幅Laは2.1mmとなっている。これに対して、
シリンダボア孔14,14間以外の領域Zでは、図3に
示すように、金属ガスケットが自由状態にあるときにビ
ード13の断面輪郭は平坦な中央部13cが山形形状の
頂部に割り込んで繋がっている形状となっている。平坦
な中央部13cの両側の輪郭は、図3に示すシリンダボ
ア孔14,14間の領域Yでのビード部13Yの輪郭と
同じである。よって、領域Zにおけるビード部13Zの
幅Lbは2.6mmであり、幅Laよりも広くなってい
る。したがって、領域Yのビード部13Yの剛性は、即
ちシリンダヘッドをシリンダブロックに対して締付けた
ときの押し潰しに対する抵抗は、領域Zのビード部13
Zの剛性よりも高くなる。一例として、シリンダボア孔
径を95mmとしたとき、領域Yの長さは30mm、及
び領域Xの長さは5mmである。
別の実施例をシリンダボア孔間の部分において平面図と
して示した図である。金属ガスケット20の基本的な構
成は図14及び図15で示した従来例のものとほとんど
同じであり、ビード板21のビード線23a,27a及
びビード外形線23b,27bについても定義は同じで
ある。この実施例においても、ビード板21に形成した
ビード23については、会合部26以遠の領域Zにおけ
るビード部23Zの幅は2.6mmであり、1つに会合
したビード27については、会合部26,26間の領域
Yのビード部23Yの幅よりも広くなっている。従って
、ビード部23Yの剛性は他のビード部23Zのものに
比較して高い。ビード領域Xのビード部23Xは図2の
場合と同様、ビード23の剛性の変化する部分である。 ビード部23Y,23Zの断面形状は、先の実施例と同
様である。
別の実施例をシリンダボア孔間の部分において平面図と
して示した図である。図示された金属ガスケット30は
ビード板31から成る。シリンダボア孔34の周囲に一
点鎖線で示された線は、ビード板31に形成したビード
33の頂部を辿るビード線33aであり、ビード線33
aの両側の点線33bはビード外形線を表している。ビ
ード37についても、中央の一点鎖線37aはビード線
を表し、その両側の点線はビード外形線37bである。 ビード板31において、隣接するシリンダボア孔34,
34の周囲に形成したビード33,33は、可能な限り
互いに接近してきて会合部36,36となっている。主
として会合部36,36間のビード部33Yは、シリン
ダボア孔間以外の部分のビード部33Zと比較して剛性
が高い。即ち、図4の領域Yのビード部33Yは、領域
Zのビード部33Zに比較して剛性が高く形成してある
。領域Xのビード部33Xは剛性が滑らかに変化する部
分である。剛性を高く形成する領域Yの両端は会合部3
6,36に限らず、若干領域を拡大しても縮小してもよ
い。
属ガスケットの更に別の実施例を示す図である。図6は
、金属ガスケット40の互いに隣接するシリンダボア孔
44,44間の部分のみのビード板41について図示し
た部分平面図である。図7は、隣接するシリンダボア孔
44,44の境界部分を横断して両シリンダボア孔44
,44の中心を結ぶ線上の線C−Cにおいて矢印の方向
に見た金属ガスケット40の部分断面図である。図8は
、シリンダボア孔44の中心を通り、シリンダボア孔4
4,44間以外の部分を横断する線上の線D−Dにおい
て矢印の方向に見た金属ガスケット40の部分断面図で
ある。
ト40には、シリンダボア孔44の周囲においてビード
板41にビード43が形成されている。ビード43につ
いては、一点鎖線でビード線43aを表し、点線でビー
ド外形線43bを表している。隣接するビード43,4
3は線B−B上の一点でビード外形線43b,43bが
一点でのみ接している。図5及び図6の断面図で示すよ
うに、ビード43の高さhは、シリンダボア孔44,4
4間においてもそれ以外の部分においても0.2mmで
同じであるが、ビード外形線43b,43bで示すよう
に、シリンダボア孔44,44間の領域Yにおけるビー
ド部43Yの幅Lcは2.1mmであり、シリンダボア
孔44間以外の領域Zのビード部43Zの幅Ldは2.
6mmであり、幅Lcは幅Ldよりも狭く形成してある
。詳細には、領域Yにおけるビード部43Yの断面形状
を定めている円弧の曲率半径が、領域Zにおけるビード
部Zの断面形状を定めている円弧の曲率半径より小さく
されている。領域Yから領域Zへ移行する領域Xのビー
ド部Xでは、ビード幅が滑らかに変化していてビード部
Xの剛性を漸次変化させている。このため、領域Yに位
置するビード部43Yの剛性は高く、領域Zに位置する
ビード部43Zの剛性は低くなっている。
トの実施例において、ビード板以外に中板等の副板を積
層したものについては、副板自体はその板厚を任意に設
定できるので、シムとしての機能即ち、シリンダヘッド
とシリンダブロックとの間の隙間に金属ガスケットを適
合させる機能をも果たし、両者の対向面間をシールする
機能を向上する。また、エンジンの運転に伴ってシリン
ダヘッドとシリンダブロックとの間には振動、爆発に伴
う引張り力が発生するが、副板は、特に横方向の振動が
ビード板だけに作用することがなく、その分ビード板が
シリンダヘッドやシリンダブロックとの擦りによる損傷
が回避される。更に、縦方向即ちビード板の面に垂直な
方向の振動又は衝撃もシリンダヘッドあるいはシリンダ
ブロックからビード板の両面を直接に叩くことがないの
で、副板はビード板に対して一種の緩衝作用がある。
端縁にグロメット部を形成するこもできるが、その場合
、グロメット部は、ビード板と重ならないように折り返
す。グロメット部は、その折返し幅を任意に設定するこ
とができ、ビードとの面圧配分を調節することができる
。この場合は、ビード板を抱持するように折り返された
場合と比較して、グロメット部はビード板のビードの上
記変形を拘束するストッパーとはならず、ビードの上記
の変形を許容し、グロメット部は締付け時にビードの変
形からの影響を受けない。更に、副板のグロメット部を
形成するに際して、シムとしての軟質部材を挟んで折り
返すことができる。シムはシリンダボア孔のところで互
いに連続したひとつのものとしてもよいし、各シリンダ
ボア孔の周囲についてそれぞれ独立して設けてもよい。 軟質部材により、前記グロメット部での厚みが増加する
ので、金属ガスケットにおける面圧分布を適性に補正し
たり、バランスを細かく調節することができる。シムに
よってシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に生じ
る振動の吸収作用も期待できる。シムは、軟質金属板以
外にも、断熱性グラファイトシート、アラミド系ヒータ
シート、樹脂又はゴム等の軟質材料と同じ程度の性質を
もつものであってもよい。
や他に積層する金属板の表面に対して、耐熱性及び耐油
性のゴム、樹脂等の材料で、例えば、10μ乃至50μ
、好ましくは25μの厚さにコーティングを施してよい
。コーティングはビード基板の両面に行ってもよく,場
合によってはシリンダヘッドとシリンダブロックの当接
面側だけに施してもよい。このような表面処理を施すこ
とによって、シリンダヘッド及びシリンダブロックに対
して金属対金属の直接接触状態を避けて、ガスケットと
しての耐腐食性、耐久性等を向上でき、強度を確保して
充分なシール機能を果たすことができる。
ついて示したけれども、この考案はこの形式の内燃機関
に限ることはなく、例えば、四気筒エンジンに限らず、
六気筒エンジン、V型六気筒エンジン等に適用すること
もできるものである。
のように構成されているので、次のような効果を有する
。即ち、この金属ガスケットは、ビード板に形成したビ
ードのばね特性について、シリンダボア孔間に位置する
ばね剛性が高いビード部からばね剛性が滑らかに減少す
るビード部を介してシリンダボア孔間以外に位置するば
ね剛性が低いビード部へ連続して変化しているので、シ
リンダヘッドをシリンダブロックに締付けたときに、燃
焼室孔の周囲において燃焼ガスのシール上最も重要な部
位であるが、シリンダヘッドの剛性が低下する可能性の
高い部位であるシリンダボア孔間では、締付け力が該シ
リンダボア孔間において多く分配されてばね剛性が他の
部分より高いビードによって強くシールされる。このよ
うに、ビード板のシリンダボア孔間に位置するビードの
剛性をシリンダボア孔間以外のビードの剛性と連続的に
変更するだけで、シリンダヘッドの燃焼室間のような剛
性の低い部位が変形することによるシール性能の低下が
補償され、また、金属ガスケットにグロメット部に依存
することなく、シリンダボア孔間のシール性能が他の部
位のビードと同様に確保される。更に、前記複合ビード
に見られるようなビードのばね特性の急激な変化を回避
し、そして、ビードにスペーサを付加してビード高さを
調節することなく、燃焼室のシール上最も燃焼ガスの漏
洩の可能性があるため確実にシールする必要があるシリ
ンダボア孔間の部分のシールを確保し、燃焼サイクルに
基づく締付け荷重が変動する環境において長時間使用し
てもビードにヘタリや亀裂が発生するのを回避すること
ができる。
リンダボア孔間以外に位置するビード部を、その断面山
形形状においてシリンダボア孔間に位置するビード部の
断面山形形状の中央頂部に平坦な中央部を割り込み繋げ
た形状とし、ビード幅においてシリンダボア孔間に位置
するビード部よりも幅広としたことにより、平坦部分が
付加された分だけビード部は屈曲し易くなる。したがっ
て、シリンダボア孔間でのビード部側からみると、その
剛性はシリンダボア孔間以外のビード部のばね特性より
も高くなる。更に、この金属ガスケットにおいて、隣接
するシリンダボア孔間以外のビード部を、その断面形状
においてシリンダボア孔間に位置するビード部よりも緩
やかな曲がりを有する湾曲部から構成し、ビード幅にお
いて前記シリンダボア孔間のビード部よりも幅広とした
場合は、ビード高さが同じであるから曲率半径が大きい
程曲がり方は緩やかとなり撓み易くなる。したがって、
シリンダボア孔間に位置するビード部は、シリンダボア
孔間以外に位置するビード部よりも曲がりに対する抵抗
が強い、即ち剛性が高くなる。いずれの場合も、ビード
の剛性変更は、ビードの形成時にその断面形状を簡単な
幾何学的変更で行うことができ、安価に製作できる。
接するシリンダボア孔間において、シリンダボア孔周縁
に沿うビードが会合しているか否かに制限されず適用す
ることができ、汎用性が高いものである。また、この金
属ガスケットをビード板のみならず、該ビード板に積層
した副板を有するものにも適用でき、シリンダボア孔間
において金属ガスケットに働く面圧自体を確保し、該面
圧のバランスを保つことができる。場合によっては、副
板にグロメット部を形成したときにはグロメット部の機
能をそのまま果たしながら、シール性に優れた金属ガス
ケットを提供することができる。
す平面図である。
ダボア孔の中心を結ぶ線上の線A−Aについての部分断
面図である。
間以外の領域における線B−Bについての部分断面図で
ある。
シリンダボア孔間の部分を示す一部平面図である。
例のシリンダボア孔間の部分を示す一部平面図である。
シリンダボア孔間の部分を示す一部平面図である。
るシリンダボア孔の中心を結ぶ線上の線C−Cについて
の部分断面図である。
ダボア孔間以外の領域における線D−Dについての部分
断面図である。
である。
いての断面図である。
面図である。
部平面図である。
面図である。
部平面図である。
して示す図である。
面図である。
示す一部断面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 シリンダヘッドとシリンダブロックと
の対向面間に配置して該対向面間をシールするため並列
したシリンダボア孔周縁に沿ってビードを形成した弾性
金属製ビード板を有する金属ガスケットにおいて、前記
ビード板に形成した前記ビードのばね特性を、前記シリ
ンダボア孔間に位置するばね剛性が高いビード部からば
ね剛性が滑らかに減少するビード部を介して前記シリン
ダボア孔間以外に位置するばね剛性が低いビード部へ連
続して変化させたことを特徴とする金属ガスケット。 - 【請求項2】 隣接する前記シリンダボア孔間以外に
位置する各前記ビード部は前記シリンダボア孔間に位置
する1つの前記ビード部に滑らかな湾曲形状で会合して
おり、前記シリンダボア孔間以外に位置する前記ビード
部の幅は前記シリンダボア孔間に位置する前記ビード部
の幅よりも幅広に形成したことを特徴とする請求項1に
記載の金属ガスケット。 - 【請求項3】 前記ビード板に金属製の副板が積層さ
れ、該副板のシリンダボア孔周縁は前記ビード板側に折
り返されてグロメット部を形成していることを特徴とす
る請求項1に記載の金属ガスケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2138491A JP2930744B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-01-23 | 金属ガスケット |
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JP2138491A JP2930744B2 (ja) | 1991-01-23 | 1991-01-23 | 金属ガスケット |
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JPH04248070A true JPH04248070A (ja) | 1992-09-03 |
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Country | Link |
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-
1991
- 1991-01-23 JP JP2138491A patent/JP2930744B2/ja not_active Expired - Lifetime
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US8459657B2 (en) | 2002-04-04 | 2013-06-11 | Japan Metal Gasket Co., Ltd. | Metallic gasket |
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