JP2962840B2 - マイクロ波プラズマcvd法により大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法及び装置 - Google Patents

マイクロ波プラズマcvd法により大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
〔発明の属する技術分野〕本発明は、大面積亘って均一
なマイクロ波プラズマを生起させ、これにより引き起さ
れるプラズマ反応により、原料ガスを分解、励起させる
ことによって大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する
方法及び装置に関する。
【0001】更に詳しくは、前記原料ガスの利用効率を
飛躍的に高め、且つ高速で均一性の良い機能性堆積膜を
大面積に亘って連続的に形成することが出来る方法及び
装置であって、具体的には光起電力素子等の大面積薄膜
半導体デバイスの量産化を低コストで実現させ得るもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、全世界的に電力需要が急激に増大
し、そうした需要をまかなうべく電力生産が活発化する
に及んで環境汚染の問題が深刻化して来ている。因に、
火力発電に代替する発電方式として期待され、すでに実
用期に入ってきている原子力発電においては、チェルノ
ブイリ原子力発電所事故に代表されるように重大な放射
能汚染が人体に被害を与えると共に自然環境を侵す事態
が発生し、原子力発電の今後の普及が危ぶまれ、現実に
原子力発電所の新設を禁止する法令を定めた国さえ出て
きている。
【0003】又、火力発電にしても増大する電力需要を
まかなう上から石炭、石油に代表される化石燃料の使用
量は増加の一途をたどり、それにつれて排出される二酸
化炭素の量が増大し、大気中の二酸化炭素等の温室効果
ガス濃度を上昇させ、地球温暖化現象を招き、地球の年
平均気温は確実に上昇の一途をたどっており、IEA
(International Energy Age
ncy)では2005年までに二酸化炭素の排出量を2
0%削減することを提言している。
【0004】こうした背景のある一方、開発途上国にお
ける人工増加、そして、それに伴う電力需要の増大は必
至であり、先進諸国における今後更なる生活様式のエレ
クトロニクス化の促進による人口一人当りの電力消費量
の増大と相まって、電力供給問題は地球規模で検討され
ねばならない状況になってきている。
【0005】このような状況下で、太陽光を利用する太
陽電池による発電方式は、前述した放射能汚染や地球温
暖化等の問題を惹起することはなく、また、太陽光は地
球上至るところに降り注いでいるためエネルギー源の偏
在が少なく、さらには、複雑な大型の設備を必要とせず
比較的高い発電効率が得られる等、今後の電力需要の増
大に対しても、環境破壊を引き起こすことなく対応でき
るクリーンな発電方式として注目を集め、実用化に向け
て様々な研究開発がなされている。
【0006】ところで、太陽電池を用いる発電方式につ
いては、それを電力需要を賄うものとして確立させるた
めには、使用する太陽電池が、光電変換効率が充分に高
く、特性安定性に優れたものであり、且つ、大量生産し
得るものであることが基本的に要求される。
【0007】因に、一般的な家庭において必要な電力を
賄うには、一世帯あたり3kW程度の出力の太陽電池が
必要とされるところ、その太陽電池の光電変換効率が例
えば10%程度であるとすると、必要な出力を得るため
の前記太陽電池の面積は30m2程度となる。そして、
例えば十万世帯の家庭において必要な電力を供給するに
は3,000,000m2といった面積の太陽電池が必
要となる。
【0008】こうしたことから、容易に入手できるシラ
ン等の気体状の原料ガスを使用し、これをグロー放電分
解して、ガラスや金属シート等の比較的安価な基板上に
アモルファスシリコン等の半導体薄膜を堆積させること
により作製できる太陽電池が、量産性に富み、単結晶シ
リコン等を用いて作製される太陽電池に比較して低コス
トで生産ができる可能性があるとして注目され、その製
造方法について各種の提案がなされている。
【0009】太陽電池を用いる発電方式にあっては、単
位モジュールを直列又は並列に接続し、ユニット化して
所望の電流、電圧を得る形式が採用されることが多く、
各モジュールにおいては断線やショートが生起しないこ
とが要求される。加えて、各モジュール間の出力電圧や
出力電流のばらつきのないことが重要である。こうした
ことから、少なくとも単位モジュールを作製する段階で
その最大の特性決定要素である半導体層そのものの特性
均一性が確保されていることが要求される。そして、モ
ジュール設計をし易くし、且つモジュール組立工程の簡
略化できるようにする観点から大面積に亘って特性均一
性の優れた半導体堆積膜が提供されることが太陽電池の
量産性を高め、生産コストの大幅な低減を達成せしめる
こととなる。
【0010】太陽電池については、その重要な構成要素
たる半導体層は、いわゆるpn接合、pin接合等の半
導体接合がなされている。それらの半導体接合は、導電
型の異なる半導体層を順次積層したり、一導電型の半導
体層中に異なる導電型のドーパントをイオン打込み法等
によって打込んだり、熱拡散によって拡散させたりする
ことにより達成される。
【0011】この点を、前述した注目されているアモル
ファスシリコン等の薄膜半導体を用いた太陽電池につい
てみると、その作製においては、ホスフィン(P
3)、ジボラン(B 2 6)等のドーパントとなる元素
を含む原料ガスを主原料ガスであるシラン等に混合して
グロー放電分解することにより所望の導電型を有する半
導体膜が得られ、所望の基板上にこれらの半導体膜を順
次積層形成することによって容易に半導体接合が達成で
きることが知られている。そしてこのことから、アモル
ファスシリコン系の太陽電池を作製するについて、その
各々の半導体層形成用の独立した成膜室を設け、該成膜
室にて各々の半導体層の形成を行う方法が提案されてい
る。
【0012】因に米国特許4,400,409号特許明
細書には、ロール・ツー・ロール(Roll to R
oll)方式を採用した連続プラズマCVD装置が開示
されている。この装置によれば、複数のグロー放電領域
を設け、所望の幅の十分に長い可撓性の基板を、該基板
が前記各グロー放電領域を順次貫通する経路に沿って配
置し、前記各グロー放電領域において必要とされる導電
型の半導体層を堆積形成しつつ、前記基板をその長手方
向に連続的に搬送せしめることによって、半導体接合を
有する素子を連続形成することができるとされている。
なお、該明細書においては、各半導体層形成時に用いる
ドーパントガスが他のグロー放電領域へ拡散、混入する
のを防止するにはガスゲートが用いられている。具体的
には、前記各グロー放電領域同志を、スリット状の分離
通路によって相互に分離し、さらに該分離通路に例えば
Ar,H2等の掃気用ガスの流れを形成させる手段が採
用されている。こうしたことからこのロール・ツー・ロ
ール方式は、半導体素子の量産に適する方式であると言
えよう。
【0013】しかしながら、前記各半導体層の形成はR
F(ラジオ周波数)を用いたプラズマCVD法によって
行われるところ、連続的に形成される膜の特性を維持し
つつその膜堆積速度の向上を図るにはおのずと限界があ
る。即ち、例えば膜厚が高々5000Åの半導体層を形
成する場合であっても相当長尺で、大面積にわたって常
時所定のプラズマを生起し、且つ該プラズマを均一に維
持する必要がある。ところが、そのようにするについて
は可成りの熟練を必要とし、その為に関係する種々のプ
ラズマ制御パラメーターを一般化するのは困難である。
また、用いる成膜用原料ガスの分解効率及び利用効率は
高くはなく、生産コストを引き上げる要因の一つともな
っている。
【0014】また他に、特開昭61−288074号公
報には、改良されたロール・ツー・ロール方式を用いた
堆積膜形成装置が開示されている。この装置において
は、反応容器内に設置されたフレキシブルな連続シート
状基板の一部にホロ様たるみ部を形成し、この中に前記
反応容器とは異なる活性化空間にて生成された活性種及
び必要に応じて他の原料ガスを導入し熱エネルギーによ
り化学的相互作用をせしめ、前記ホロ様たるみ部を形成
しているシート状基板の内面に堆積膜を形成することを
特徴としている。このようにホロ様たるみ部の内面に堆
積を行うことにより、装置のコンパクト化が可能とな
る。さらに、あらかじめ活性化された活性種を用いるの
で、従来の堆積膜形成装置に比較して成膜速度を早める
ことができる。
【0015】ところが、この装置はあくまで熱エネルギ
ーの存在下での化学的相互作用による堆積膜形成反応を
利用したものであり、更なる成膜速度の向上を図るに
は、活性種の導入量及び熱エネルギーの供給量を増やす
ことが必要であるが、熱エネルギーを大量且つ均一に供
給する方法や、反応性の高い活性種を大量に発生させて
反応空間にロスなく導入する方法にも限界がある。
【0016】一方、最近注目されているのが、マイクロ
波を用いたプラズマプロセスである。マイクロ波は周波
数帯が短いため従来のRFを用いた場合よりもエネルギ
ー密度を高めることが可能であり、プラズマを効率良く
発生させ、接続させることに適している。
【0017】例えば、米国特許第4,517,223号
明細書及び同第4,504,518号明細書には、低圧
下でのマイクロ波グロー放電プラズマ内で小面積の基体
上に薄膜を堆積形成させる方法が開示されているが、該
方法によれば、低圧下でのプロセス故、膜特性の低下の
原因となる活性種のポリマリゼーションを防ぎ高品質の
堆積膜が得られるばかりでなく、プラズマ中でのポリシ
ラン等の粉末の発生を抑え、且つ、堆積速度の飛躍的向
上が図れるとされてはいるものの、大面積に亘って均一
な堆積膜形成を行うにあたっての具体的開示はなされて
いない。
【0018】一方、米国特許第4,729,341号明
細書には、一対の放射型導波管アプリケーターを用いた
高パワープロセスによって、大面積の円筒形基体上に光
導電性半導体薄膜を堆積形成させる低圧マイクロ波プラ
ズマCVD法及び装置が開示されているが、大面積基体
としては円筒形の基体、即ち、電子写真用光受容体とし
てのドラムに限られており、大面積且つ長尺の基体への
適用はなされていない。
【0019】また、堆積膜の製造工程はバッチ式であっ
て、一回の仕込みで形成される堆積膜の量は限られてお
り、大面積の基板上に大量に堆積膜を連続して形成する
方法に関する開示はない。
【0020】ところで、マイクロ波を用いたプラズマは
マイクロ波の波長が短いためエネルギーの不均一性が生
じやすく大面積化に対しては、解決されねばならない問
題点が種々残されている。
【0021】例えば、マイクロ波エネルギーの均一化に
対する有効な手段として遅波回路の利用があるが、該遅
波回路にはマイクロ波アプリケーターの横方向への距離
の増加に伴いプラズマへのマイクロ波結合の急激な低下
が生じるといった独特の問題点を有している。そこで、
この問題点を解決する手段として、被処理体と遅波回路
との距離を変える基体の表面近傍でのエネルギー密度を
均一にする方法が試みられている。例えば、米国特許第
3,814,983号明細書及び同第4,521,71
7号明細書には、そうした方法が開示されている。そし
て前者においては、基体に対してある角度に遅波回路を
傾斜させる必要性があることが記載されているが、プラ
ズマに対するマイクロ波エネルギーの伝達効率は満足の
ゆくものではない。また、後者にあっては、基体とは平
行な面内に、非平行に2つの遅波回路を設けることが開
示されている。即ち、マイクロ波アプリケーターの中央
に垂直な平面同志が、被処理基板に平行な面内で、且つ
基板の移動方向に対して直角な直線上で互いに交わるよ
うに配置することが望ましいこと、そして2つのアプリ
ケーター間の干渉を避けるため、アプリケーター同志を
導波管のクロスバーの半分の長さだけ基体の移動方向に
対して横にずらして配設することのそれぞれが開示され
ている。
【0022】また、プラズマの均一性(即ち、エネルギ
ーの均一性)を保持するようにするについての提案がい
くつかなされている。それらの提案は、例えばジャーナ
ル・オブ・バキューム・サイエンス・テクノロジィー
(Journal of Vacuum Scienc
e Technology)B−4(1986年1月〜
2月) 295頁−298頁および同誌のB−4(198
6年1月〜2月)126頁−130頁に記載された報告
に見られる。これらの報告によれば、マイクロ波プラズ
マ・ディスク・ソース(MPDS)と呼ばれるマイクロ
波リアクタが提案されている。即ち、プラズマは円板状
あるいはタブレット状の形をなしていて、その直径はマ
イクロ波周波数の関数となっているとしている。そして
それら報告は次のような内容を開示している。即ち、ま
ず、プラズマ・ディスク・ソースをマイクロ波周波数に
よって変化させることができるという点にある。ところ
が、2.45GHzで作動できるように設計したマイク
ロ波プラズマ・ディスク・ソースにおいては、プラズマ
の閉じ込め直径はたかだか10cm程度であり、プラズ
マ体積にしてもせいぜい118cm3程度であって、大
面積化とは到底言えない。また、前記報告は、915M
Hzという低い周波数で作動するように設計したシステ
ムでは、周波数を低くすることで約40cmのプラズマ
直径、及び2000cm3のプラズマ体積が与えられる
としている。前記報告は更に、より低い周波数、例え
ば、400MHzで作動させることにより1mを超える
直径まで放電を拡大できるとしている。ところがこの内
容を達成する装置となると極めて高価な特定のものが要
求される。
【0023】即ち、マイクロ波の周波数を低くすること
で、プラズマの大面積化は達成できるが、このような周
波数域での高出力のマイクロ波電源は一般化されてはい
なく、入手困難であり入手出来得たとしても極めて高価
である。そしてまた、周波数可変式の高出力のマイクロ
波電源は更に入手困難である。
【0024】同様に、マイクロ波を用いて高密度プラズ
マを効率的に生成する手段として、空胴共振器の周囲に
電磁石を配置し、ECR(電子サイクロトロン共鳴)条
件を成立させる方法が特開昭55−141729号公報
及び特開昭57−133636号公報等により提案され
ており、また学会等ではこの高密度プラズマを利用して
各種の半導体薄膜が形成されることが多数報告されてお
り、すでにこの種のマイクロ波ECRプラズマCVD装
置が市販されるに至っている。
【0025】ところが、これらのECRを用いた方法に
おいては、プラズマの制御に磁石を用いているため、マ
イクロ波の波長に起因するプラズマの不均一性に、更
に、磁界分布の不均一性も加わって、大面積の基板上に
均一な堆積膜を形成するのは技術的に困難とされてい
る。また、大面積化のため装置を大型化する場合には、
おのずと用いる電磁石も大型化し、それに伴う重量及び
スペースの増大、また、発熱対策や大電流の直流安定化
電源の必要性等実用化に対しては解決されねばならない
問題が種々残されている。
【0026】更に、形成される堆積膜についても、その
特性は従来のRFプラズマCVD法にて形成されるもの
と比較して同等と言えるレベルには至っておらず、ま
た、ECR条件の成立する空間で形成される堆積膜とE
CR条件外のいわゆる発散磁界空間で形成される堆積膜
とでは特性及び堆積速度が極端に異なるため、特に高品
質、均一性が強く要求される半導体デバイスの作製に適
している方法とは言えない。
【0027】前述の米国特許第4,517,223号明
細書及び同第4,729,341号明細書では、高密度
のプラズマを得るについては、非常に低い圧力を維持す
る必要性があることが開示されている。即ち、堆積速度
を早めたり、ガス利用効率を高めるためには低圧下での
プロセスが必要不可欠であるとしている。しかしなが
ら、高堆積速度、高ガス利用効率、高パワー密度及び低
圧の関係を維持するには、前述の特許に開示された遅波
回路及び電子サイクロトロン共鳴法のいずれをしても十
分とは言えないものである。
【0028】従って、上述したマイクロ波手段の持つ種
々の問題点を解決した新規なマイクロ波プラズマプロセ
スの早期提供が望まれている。
【0029】ところで、薄膜半導体は前述した太陽電池
用の用途の他にも、液晶ディスプレイの画素を駆動する
ための薄膜トランジスタ(TFT)や密着型イメージセ
ンサー用の光電変換素子及びスイッチング素子等大面積
又は長尺であることが必要な薄膜半導体デバイス作製用
にも好適に用いられ、前記画像入出力装置用のキーコン
ポーネントとして一部実用化されているが、高品質で均
一性良く高速で大面積化できる新規な堆積膜形成法の提
供によって、更に広く一般に普及されるようになること
が期待されている。
【0030】〔発明の目的〕本発明は、上述のごとき従
来の薄膜半導体デバイス形成方法及び装置における諸問
題を克服して、大面積に亘って均一に、且つ高速で機能
性堆積膜を形成する新規な方法及び装置を提供すること
を目的とするものである。
【0031】本発明の他の目的は、連続して移動する帯
状部材上に該帯状部材より縦方向に化学組成が連続的に
変化する機能性堆積膜を形成する方法及び装置を提供す
ることにある。
【0032】本発明の更なる目的は、堆積膜形成用の原
料ガスの利用効率を飛躍的に高めると共に、薄膜半導体
デバイスの量産化を低コストで実現し得る方法及び装置
を提供することにある。
【0033】本発明の更に別の目的は、大面積、大容積
に亘ってほぼ均一なマイクロ波プラズマを生起させる方
法及び装置を提供することにある。
【0034】本発明の更に別の目的は、比較的幅広で長
尺の基板上に連続して安定性良く、高効率で高い光電変
換効率の光起電力素子を形成するための新規な方法及び
装置を提供するものである。
【0035】本発明の更に別の目的は、連続して移動す
る帯状部材上に、該帯状部材より縦方向に禁制帯幅が連
続的に変化する半導体層を形成する方法及び装置を提供
することにある。
【0036】本発明の更に別の目的は、連続して移動す
る帯状部材上に、該帯状部材より縦方向に価電子密度が
連続的に変化する半導体層を形成する方法及び装置を提
供することにある。
【0037】〔発明の構成・効果〕本発明者らは、従来
の薄膜半導体デバイス形成装置における上述の諸問題を
解決し、前記本発明の目的を達成すべく鋭意研究を重ね
たところ、帯状部材を湾曲開始端形成用の支持・搬送用
ローラー湾曲部形成用の支持・搬送用リング、及び湾曲
終了端形成用の支持・搬送用ローラーを介し、前記支持
・搬送用ローラー同志の間には隙間を残して湾曲させ、
前記帯状部材を側壁とした柱状の成膜室を形成し、前記
成膜室の両端面にはマイクロ波エネルギーをマイクロ波
の進行方向に対して平行な方向に放射させるようにした
マイクロ波アプリケーター手段を対向して一対配設し、
更に、前記成膜室内に堆積膜形成用の原料ガスを導入
し、前記一対の支持・搬送用ローラー同志の間に残され
た間隙より排気して前記成膜室内の圧力を所定の減圧下
に保持し、前記マイクロ波アプリケーター手段よりマイ
クロ波エネルギーを前記側壁とほぼ平行に放射せしめた
とろこ、前記成膜室内において前記帯状部材の幅方向に
ほぼ均一なマイクロ波プラズマを生起し得るという知見
を得た。
【0038】本発明は、上述の知見に基づき更に検討を
重ねた結果完成に至ったものであり、下述するところを
骨子とするマイクロ波プラズマCVD法により大面積の
機能性堆積膜を連続的に形成する方法及び装置を包含す
る。
【0039】本発明の方法は、次のとおりのものであ
る。即ち、長手方向に帯状部材を連続的に移動せしめな
がら、その中途で前記移動する帯状部材を側壁とする柱
状の成膜空間を形成し、該成膜空間内に組成の異なる少
なくとも2種以上の堆積膜形成用原料ガスの夫々を複数
のガス供給手段を介して別々に導入し、同時に、マイク
ロ波エネルギーをマイクロ波の進行方向に対して平行な
方向に放射させるようにしたマイクロ波アプリケーター
手段より、該マイクロ波エネルギーを放射させてマイク
ロ波プラズマを前記成膜空間内で生起せしめ、該マイク
ロ波プラズマに曝される前記側壁を構成し連続的に移動
する前記帯状部材の表面上に組成制御された堆積膜を形
成せしめることを特徴とするマイクロ波プラズマCVD
法により大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法
である。
【0040】本発明の方法においては、前記移動する帯
状部材はその中途において、湾曲開始端形成手段と湾曲
終了端形成手段とを用いて、前記湾曲開始端形成手段と
前記湾曲終了端形成手段との間に前記帯状部材の長手方
向に間隙を残して該帯状部材を湾曲させて前記成膜空間
の側壁を成すようにされる。
【0041】そして、前記帯状部材を側壁として形成さ
れる。柱状の成膜空間の両端面のうち、片側又は両側に
配設される、少なくとも1つ以上の前記マイクロ波アプ
リケーター手段を介して、前記マイクロ波エネルギーを
前記成膜空間内に放射させるようにする。
【0042】また、前記マイクロ波アプリケーター手段
は前記端面に垂直方向に配設し、前記マイクロ波エネル
ギーを前記側壁と平行な方向に放射させるようにする。
【0043】本発明の方法においては、前記マイクロ波
エネルギーは前記マイクロ波アプリケーター手段の先端
部分に設けられたマイクロ波透過性部材を介して放射さ
せるようにする。
【0044】そして、前記マイクロ波透過性部材にて前
記マイクロ波アプリケーター手段と前記成膜空間との気
密を保持させるようにする。
【0045】また、前記マイクロ波アプリケーター手段
を、前記両端面において互いに対向して配設させる場合
には、一方のマイクロ波アプリケーター手段より放射さ
れるマイクロ波エネルギーが他方のマイクロ波アプリケ
ーター手段にて受信されないように配置する。
【0046】本発明の方法において、前記柱状の成膜空
間内に放射されたマイクロ波エネルギーは、前記成膜空
間外へ漏洩しないようにする。
【0047】本発明の方法において、前記ガス供給手段
を各々前記側壁を構成する帯状部材の幅方向と平行に配
設し、前記堆積膜形成用原料ガスを、近接する該帯状部
材に向けて一方向に放出させるようにする。
【0048】また、前記成膜空間内に導入された堆積膜
形成用原料ガスは、前記湾曲開始端形成手段と前記湾曲
終了端形成手段との間で前記帯状部材の長手方向に残さ
れた間隙より排気するようにする。
【0049】本発明の方法において、前記帯状部材の少
なくとも一方の面には導電処理を施すようにする。
【0050】更には、本発明の装置は、連続して移動す
る帯状部材上にマイクロ波プラズマCVD法により機能
性堆積膜を連続的に形成する装置であって、前記帯状部
材をその長手方向に連続的に移動させながら、その中途
で湾曲させるための湾曲部形成手段を介して、前記帯状
部材を側壁にして形成され、その内部を実質的に真空に
保持し得る柱状の成膜室を有し、前記成膜室内にマイク
ロ波プラズマを生起させるための、マイクロ波エネルギ
ーをマイクロ波の進行方向に対して平行な方向に放射さ
せるようにしたマイクロ波アプリケーター手段と、前記
成膜室内を排気する排気手段と、前記成膜室内に堆積膜
形成用原料ガスを導入するための少なくとも2つ以上の
ガス供給手段と、前記帯状部材を加熱及び/又は冷却す
るための温度制御手段とを備えていて、前記連続的に移
動する帯状部材の前記マイクロ波プラズマに曝される側
の表面上に、組成制御された堆積膜を形成するようにし
たことを特徴とする機能性堆積膜の連続形成装置であ
る。
【0051】本発明の装置において、前記湾曲部形成手
段は、少なくとも一組以上の、湾曲開始端形成手段と湾
曲終了端形成手段とで構成され、前記湾曲開始端形成手
段と前記湾曲終了端形成手段とを、前記帯状部材の長手
方向に間隙を残して配設される。
【0052】なお、前記湾曲部形成手段は、少なくとも
一対の支持・搬送用ローラーと支持・搬送用リングとで
構成され、前記一対の支持・搬送用ローラーは前記帯状
部材の長手方向に間隙を残して平行に配設される。
【0053】本発明の装置において、前記帯状部材を側
壁として形成される柱状の成膜室の両端面のうち片側又
は両側に、少なくとの1つ以上の前記マイクロ波アプリ
ケーター手段が配設される。
【0054】そして、前記マイクロ波アプリケーター手
段は、前記端面に垂直方向に配設される。
【0055】本発明の装置において、前記マイクロ波ア
プリケーター手段の先端部分には、前記成膜室と前記マ
イクロ波アプリケーター手段との気密分離を行い、且
つ、前記マイクロ波アプリケーターから放射されるマイ
クロ波エネルギーを前記成膜室内へ透過せしめるマイク
ロ波透過性部材が配設される。
【0056】本発明の装置において、前記帯状部材の少
なくとも一方の面には、導電性処理が施される。
【0057】本発明の装置において、前記マイクロ波ア
プリケーター手段には方形及び/又は楕円導波管を介し
てマイクロ波エネルギーが伝送される。
【0058】そして、前記マイクロ波アプリケーター手
段を前記成膜室の両端面において互いに対向して配設さ
せる場合には、前記マイクロ波アプリケーター手段に接
続される前記方形及び/又は楕円導波管の長辺を含む面
同志、長軸を含む面同志、又は長辺を含む面と長軸を含
む面同志が互いに平行とならないよう配設される。
【0059】また、前記方形及び/又は楕円導波管の長
辺を含む面及び/又は長軸を含む面と、前記一対の支持
搬送用ローラーの中心軸を含む面となす角度が垂直とな
らないよう配設される。
【0060】本発明の装置において、前記ガス供給手段
は各々前記側壁を構成する帯状部材の幅方向と平行に配
設する。
【0061】そして、前記ガス供給手段には近接する前
記側壁を構成する帯状部材に向けられたガス放出孔を配
設するようにする。
【0062】以下、本発明者らが本発明を完成させるに
あたり行った実験について詳しく説明する。
【0063】〔実験〕本発明の装置を用いて、帯状部材
上に機能性堆積膜を均一に形成するための、マイクロ波
プラズマの生起条件について種々の実験を行ったので、
以下に詳述する。
【0064】実験例1 本実験例においては、後述する装置例2で示す装置を用
い、また、後述する製造例1で説明する手順でマイクロ
波プラズマを生起させ、一対の導波管111、112の
取り付け角度の違いによるマイクロ波プラズマの安定性
及びマイクロ波の成膜室外への漏洩度等について検討を
行った。
【0065】図6に方形導波管111、112の取り付
け角度の説明用の模式的断面概略図を示した。
【0066】実線で示した方形導波管111と点線で示
した方形導波管とは成膜室116の両端面に対向して配
設されたマイクロ波アプリケーター(不図示)に接続さ
れており、例えば、方形導波管111は図面手前側、方
形導波管112は奥側に配設されている。Oは湾曲形状
の中心であり、A−A′は支持・搬送用ローラー102
と103との中心軸を含む面を表しており、これに垂直
な面をH−H′とする。そして、方形導波管111の長
辺を含む面に平行な面B−B′とH−H′とのなす角度
をθとし、これを方形導波管111の取り付け角度とす
る。また、方形導波管112の長辺を含む面に平行な面
C−C′とH−H′とのなす角度をθ2とし、これを方
形導波管112の取り付け角度とする。ここで、方形導
波管111、112の取り付け角度θ1、θ2が各々18
0°を超える場合には、180°以下の場合のH−H′
に対する対称配置となる故、その配置関係は180°以
下の場合と同等である。勿論、θ1とθ2とは相互に入れ
替えても、対向している故、やはり配置関係は同等であ
る。
【0067】本発明において、支持・搬送用ローラー1
02、103とで限定される帯状部材の湾曲端間距離を
間隙Lと定義する。
【0068】第1表に示すマイクロ波プラズマ放電条件
にて、第2表に示す種々のθ1、θ2の組み合わせ条件に
おけるマイクロ波プラズマの安定性等について実験、評
価を行った。
【0069】なお、マイクロ波の漏洩度は支持・搬送用
ローラー102、103の間隙部分より5cm程度離れ
た場所にマイクロ波検知器を設けて評価を行った。
【0070】評価結果は第2表に示すとおりであった。
【0071】これらの結果から、マイクロ波アプリケー
ターへの方形導波管の取り付け角度を変えることによっ
て、マイクロ波プラズマの安定性及びマイクロ波の成膜
室外への漏洩度が大きく変化することが判った。具体的
には、θ1及び/又はθ2が0°の場合には、マイクロ波
の漏れ量が最も大きく、放電状態も不安定であり、15
°程度ではマイクロ波の漏れ量が小さくはなるものの、
放電状態は不安定である。また、30°以上では、マイ
クロ波の漏れは無くなり放電状態は安定した。ただし、
θ1とθ2とがなす角度が0°又は180°すなわち、方
形導波管の長辺を含む面が互いに平行な配置となる場合
には、マイクロ波の漏れ量にかかわらず、発振異常によ
る電源ノイズが大きくなり、放電が不安定になる。な
お、この放電実験においては帯状部材101を静止させ
た場合及び1.2m/minの搬送スピードで搬送させ
た場合とで行ったが、両者において放電の安定性につい
ては特に差異は認められなかった。
【0072】更に、マイクロ波プラズマ放電条件のう
ち、原料ガスの種類及び流量と使用するガス導入管の位
置、マイクロ波電力、湾曲形状の内直径、成膜室内圧等
種々変化させた場合においても方形導波管の配置に起因
するマイクロ波の漏れ量及び放電安定性等について特に
差異は認められなかった。
【0073】実験例2 本実験例においては、実験例1と同様、装置例2で示し
た装置を用い、図6で示した支持・搬送用ローラー10
2、103の間隙Lを変化させたときのマイクロ波プラ
ズマの安定性及び膜厚分布への影響等について検討を行
った。
【0074】間隙Lについては第3表に示した範囲で種
々変化させて各々約10分間の放電を行った。その他の
マイクロ波プラズマ放電条件については第1表に示した
のと同様とし、方形導波管の取り付け角度θ1、θ2は共
に45°に配置した。ただし、成膜室圧力の変化は、排
気ポンプの能力は特に調整せず、間隙Lを大きくするこ
とによってコンダクタンスが大きくなったために生じた
ものである。なお、帯状部材101の表面温度が250
℃となるように温度制御機構106a〜eを動作させ、
帯状部材の搬送速度は35cm/minとした。
【0075】第3表に、放電状態、膜厚分布等を評価し
た結果を示した。
【0076】なお、放電状態は目視にて、膜厚分布につ
いては、針ステツプ式膜厚計にて帯状部材の幅方向につ
いて10点ずつ、長手方向には20cmごとに測定し、
その分布を評価した。
【0077】これらの結果から、排気ポンプの能力調整
は行われず、間隙Lを変化させることによって、成膜室
内の圧力が変化し、それにともない形成される堆積膜の
膜厚分布が、特に帯状部材の幅方向について顕著に変化
することが判った。また、方形導波管の取り付け角度を
実験例1においてマイクロ波の漏れが起こらなかった配
置にしても、間隙Lを大きくしすぎた場合には、やはり
マイクロ波漏れが生ずることが判った。そして、間隙L
からのマイクロ波漏れが少なくなるのは間隙Lの寸法を
マイクロ波の波長の好ましくは1/2波長以下、より好
ましくは1/4波長以下としたときであった。なお、帯
状部材の長手方向での膜厚分布は、帯状部材を搬送して
いる限りほぼ良好であった。作製した試料の中で堆積速
度が速く、膜厚分布が良好であった試料No.4の堆積
速度は約100Å/secであった。また、用いた原料
ガスの総流量に対して、帯状部材上に堆積された膜の量
より計算される原料ガス利用効率は55%であった。
【0078】更に、マイクロ波プラズマ放電条件のう
ち、マイクロ波電力、湾曲形状の内直径等について種々
変化させた場合において、膜厚分布及び放電安定性は若
干の変化があるものの、間隙Lの大きさに起因する本質
的な問題の解決手段とはなり得なかった。
【0079】実験例3 本実験例においては、実験例1と同様、装置例2で示し
た装置を用い、形成される湾曲形状の内直径を変化させ
たときのマイクロ波プラズマの安定性、膜厚分布等につ
いて検討を行った。湾曲形状の内直径については第4表
に示した範囲で種々変化させた以外は、第1表に示した
マイクロ波プラズマ放電条件と同様とし、また、方形導
波管の取り付け角度θ1、θ2は共に45°に配置した。
なお、放電時間は各々10分間とし、帯状部材の表面温
度は実験例2同様250℃とした。また、帯状部材の搬
送速度は35cm/minとした。
【0080】第4表に、放電状態、膜厚分布等を評価し
た結果を示した。
【0081】なお、放電状態は目視にて、膜厚分布につ
いては、針ステップ式膜厚計にて帯状部材の幅方向につ
いて10点ずつ、長手方向には20cmごとに測定し、
その分布を評価した。
【0082】これらの結果から、他の放電条件は変え
ず、湾曲形状の内直径を変化させることによって、放電
状態が変わり、形成される堆積膜の膜厚分布が、特に帯
状部材の幅方向について顕著に変化することが判った。
なお、帯状部材長手方向での膜厚分布は、帯状部材を搬
送している限りほぼ良好であった。
【0083】更に、マイクロ波プラズマ放電条件のう
ち、マイクロ波電力、成膜室内の圧力等について種々変
化させた場合においても、それぞれのパラメーター変化
によって、膜厚分布及び放電安定性が影響を受けること
が判った。
【0084】実験例4 本実験例においては、実験例1と同様、装置例2で示し
た装置を用い、成膜室内の圧力は一定とし、原料ガス流
量、マイクロ波電力を種々変化させたときのマイクロ波
プラズマの安定性等について検討を行った。成膜室圧
力、原料ガス流量については、第5表に示した範囲で種
々変化させた以外は、第1表に示したマイクロ波プラズ
マ放電条件と同様とし、また、方形導波管の取り付け角
度θ1、θ2は共に60°、60°に配置した。
【0085】なお、原料ガスはガス導入管113a、1
13b、113cにより均等に導入した。
【0086】第5表に、放電状態を評価した結果を示し
た。ここで、◎は放電安定、○は、微小のチラツキはあ
るが、ほぼ放電安定、△はややチラツキはあるが使用可
能なレベルで放電安定の状態を表している。いずれの場
合においても、マイクロ波電力を下げたり、成膜室圧力
を下げたり、原料ガスとしてのH22の流量を増やした
りした場合には放電が不安定となるか、放電が生起しな
くなるほぼ限界値を表している。従って、逆にマイクロ
波電力を上げたり、成膜室圧力を上げたり、原料ガスと
してのSiH4の流量を増やしたりした場合には放電は
より安定な状態となることが判った。なお、この放電実
験においては帯状部材101を静止させた場合及び1.
2m/minの搬送スピードで搬送させた場合とで行っ
たが、両者においての放電の安定性については特に差異
は認められなかった。
【0087】実験例5 本実験例においては、実験例1と同様、装置例2で示し
た装置を用い、帯状部材の幅寸法を変えたときの、マイ
クロ波プラズマの安定性及び膜厚分布への影響等につい
て検討を行った。
【0088】帯状部材の幅寸法については第6表に示し
た範囲で種々変化させて、各々10分間の放電を行っ
た。その他のマイクロ波プラズマ放電条件については第
1表に示したのと同様とし、方形導波管の種類はEIA
J、WRI−32に変え、取り付け角度θ1、θ2は共に
60°、60°となるよう配置した。そして、帯状部材
の表面温度は実験例2と同様250℃とし、搬送速度は
50cm/minとした。
【0089】なお、試料No.15〜17についてはマ
イクロ波アプリケーターは片側のみ、試料No.18〜
21については対向して一対配設した。
【0090】第6表に放電状態、膜厚分布等を評価した
結果を示した。評価方法は実験例2と同様とした。
【0091】これらの結果から、帯状部材の幅寸法が変
わることにより、マイクロ波プラズマの安定性及び膜厚
分布が変化することが判った。そして、片側からのマイ
クロ波電力の供給のみではマイクロ波プラズマの安定性
が欠けたり、膜厚分布が大きくなる場合においても、マ
イクロ波アプリケーターを対向して一対設けることによ
っていずれも改善されることが判った。
【0092】また、マイクロ波プラズマ放電条件のう
ち、原料ガスの種類及び流量と使用するガス導入管の位
置、マイクロ波電力、成膜室内圧等種々変化させた場合
においては、それぞれのパラメーター変化によってマイ
クロ波プラズマの安定性及び膜厚分布が影響を受けるこ
とが判った。
【0093】実験結果の概要 本発明の方法及び装置において、マイクロ波プラズマの
安定性、均一性等は、例えばマイクロ波アプリケーター
の形状及びそれに接続される導波管の種類及び配置、成
膜時の成膜室内の圧力、マイクロ波電力、マイクロ波プ
ラズマの閉じ込めの程度、放電空間の体積及び形状等種
々のパラメーターが複雑にからみ合って維持されている
ので、単一のパラメーターのみで最適条件を求めるのは
困難であるが、本実験結果より、おおよそ次のような傾
向及び条件範囲が判った。
【0094】成膜室の圧力に関しては、好ましくは1.
5mTorr乃至100mTorr、より好ましくは3
mTorr乃至50mTorrであることが判った。マ
イクロ波電力に関しては、好ましくは250×2W乃至
3000×2W、より好ましくは300×2W乃至10
00×2Wであることが判った。湾曲形状の内直径に関
しては、好ましくは7cm乃至45cm、より好ましく
は8cm乃至35cmであることが判った。また、帯状
部材の幅に関しては対向する一対のマイクロ波アプリケ
ーターを用いた場合には、好ましくは60cm程度、よ
り好ましくは50cm程度で幅方向の均一性が得られる
ことが判った。
【0095】また、マイクロ波プラズマ領域からのマイ
クロ波の漏れ量が大きくなるとマイクロ波プラズマの安
定性を欠くことが判り、帯状部材の湾曲端同志の間隙L
は好ましくはマイクロ波の1/2波長以下、より好まし
くは1/4波長以下に設定されることが望ましいことが
判った。
【0096】以下、前述の〔実験〕により判明した事実
をもとに本発明の方法について更に詳しく説明する。本
発明の方法において、前記移動する帯状部材の中途にお
いて、湾曲開始端形成手段と湾曲終了端形成手段とを用
いて前記帯状部材を湾曲させて形成される柱状の成膜空
間の側壁の大部分は、前記移動する帯状部材で形成され
るが、前記湾曲開始端形成手段と前記湾曲終了端形成手
段との間には前記帯状部材の長手方向に間隙が残される
ようにする。
【0097】そして、本発明の方法において、前記柱状
の成膜空間内にてマイクロ波プラズマを均一に生起させ
閉じ込めるには、前記帯状部材にて形成される側壁と平
行な方向に、前記成膜空間の両端面のうち片側又は両側
よりマイクロ波エネルギーを放射させ、前記成膜空間内
にマイクロ波エネルギーを閉じ込めるようにする。
【0098】前記帯状部材の幅が比較的狭い場合には、
片側からマイクロ波エネルギーを放射させるだけでも前
記成膜空間内に生起するマイクロ波プラズマの均一性は
保たれるが、前記帯状部材の幅が、例えばマイクロ波の
波長の1波長を超えるような場合には、両側からマイク
ロ波エネルギーを放射させるのが、マイクロ波プラズマ
の均一性を保つ上で好ましい。
【0099】勿論、前記成膜空間内で生起するマイクロ
波プラズマの均一性は、前記成膜空間内にマイクロ波エ
ネルギーが十分に伝送される必要があり、前記柱状の成
膜空間はいわゆる導波管に類する構造とされるのが望ま
しい。そのためにはまず、前記帯状部材は導電性の材料
で構成されることが好ましいが、少なくともその片面が
導電処理を施されたものであっても良い。
【0100】また、本発明の方法において、前記移動す
る帯状部材を前記湾曲開始端形成手段と湾曲終了端形成
手段とを用いて湾曲させて形成される柱状の成膜空間の
両端面の形成としては、前記成膜空間内に放射されたマ
イクロ波エネルギーがほぼ均一に前記成膜空間内に伝送
されるようにされるのが好ましく、円形状、楕円形状、
方形状、多角形状に類似する形であってほぼ対称な形で
比較的滑らかな湾曲形状であることが望ましい。勿論、
前記湾曲開始端形成手段と前記湾曲終了端形成手段との
間に前記帯状部材の長手方向に残された間隙部分におい
ては、前記端面形状は不連続となる場合がある。
【0101】更には、本発明の方法において、前記成膜
空間内でのマイクロ波エネルギーの伝送を効率良く行う
とともに、マイクロ波プラズマを安定して生起、維持、
制御するためには、前記マイクロ波アプリケーター手段
中でのマイクロ波の伝送モードは単一モードであること
が望ましい。具体的にはTE10モード、TE11モード、
eH1モード、TM11モード、TM01モード等を挙げる
ことができるが、好ましくはTE10モード、TE11モー
ド、eH1モードが用いられる。これらの伝送モードは
単一でも、複数組み合わせて用いられても良い。また、
前記マイクロ波アプリケーター手段へは上述の伝送モー
ドが伝送可能な導波管を介してマイクロ波エネルギーが
伝送される。更に、前記マイクロ波エネルギーは、前記
マイクロ波アプリケーター手段の先端部分に設けられた
気密性を有するマイクロ波透過性部材を介して前記成膜
空間内へ放射される。
【0102】本発明の方法において、前記成膜空間には
前記湾曲開始端形成手段と湾曲終了端形成手段との間に
間隙が残されていて、該間隙から前記原料ガスが排気さ
れ、前記成膜空間内が所定の減圧状態に保持されるよう
にするが、前記間隙の寸法は十分な排気コンダクタンス
が得られると同時に、前記成膜空間内に放射されたマイ
クロ波エネルギーが前記成膜空間外へ漏洩しないように
特別配慮される必要がある。
【0103】具体的には、マイクロ波アプリケーター手
段中を進行するマイクロ波の電界方向と、前記湾曲開始
端形成手段としての支持・搬送用ローラーの中心軸と前
記湾曲終了端形成手段としての支持・搬送用ローラーの
中心軸とを含む面とが互いに平行とならないように前記
マイクロ波アプリケーター手段を配設するようにする。
【0104】そして、複数個の前記マイクロ波アプリケ
ーター手段を介して前記成膜空間内にマイクロ波エネル
ギーを放射させる場合には、各々のマイクロ波アプリケ
ーター手段について前述のごとく配慮される必要があ
る。
【0105】更に、前記湾曲開始端形成手段と湾曲終了
端形成手段との間に残された間隙の、前記帯状部材の長
手方向の開口幅の最大寸法はマイクロ波の波長の好まし
くは1/2波長以下、より好ましくは1/4波長以下と
するのが望ましい。
【0106】本発明の方法において、複数個の前記マイ
クロ波アプリケーター手段を互いに対向させて配設させ
る場合には、一方のマイクロ波アプリケーター手段より
放射されたマイクロ波エネルギーを、他方のマイクロ波
アプリケーター手段が受信し、受信されたマイクロ波エ
ネルギーが前記他方のマイクロ波アプリケーター手段に
接続されているマイクロ波電源にまで達して、該マイク
ロ波電源に損傷を与えたり、マイクロ波の発振に異常を
生ぜしめる等の悪影響を及ぼすことのないように特別配
慮される必要がある。具体的には、前記マイクロ波アプ
リケーター手段中を進行するマイクロ波の電界方向同志
が互いに平行とならないように前記マイクロ波アプリケ
ーターを配設するようにする。
【0107】本発明の方法において、前記成膜空間の両
端面のうち片側のみからマイクロ波エネルギーを放射さ
せる場合には、他方の端面からのマイクロ波エネルギー
の漏洩がないようにすることが必要であり、前記端面を
導電性部材で密封したり、穴径が用いるマイクロ波の波
長の好ましくは1/2波長以下、より好ましくは1/4
波長以下の金網、パンチングボードなどで覆うことが望
ましい。
【0108】本発明の方法において、前記成膜空間内に
放射されたマイクロ波エネルギーは、前記成膜空間内に
導入される原料ガスの種類にもよるが、前記成膜空間内
の圧力に強い相関を持ちながら、且つ、前記マイクロ波
アプリケーターに設けられたマイクロ波透過性部材から
の距離の増大と共に著しく減少する傾向を示す。従っ
て、比較的幅広の帯状部材を用いた場合において、幅方
向に対して均一なマイクロ波プラズマを生起させるに
は、前記成膜空間内の圧力を十分に低く保持し、前記成
膜空間の両端面より、少なくとも一対以上のマイクロ波
アプリケーター手段を介してマイクロ波エネルギーを前
記成膜空間内に放射させるのが望ましい。
【0109】本発明の方法において、前記マイクロ波ア
プリケーター手段は放射するマイクロ波エネルギーの進
行方向が、前記帯状部材で形成される成膜空間の側壁に
対してほぼ平行となるように、前記成膜空間の端面に対
して垂直に配設するのが望ましい。また、前記マイクロ
波アプリケーター手段は前記側壁からほぼ等距離の位置
に配設させるのが望ましいが、前記側壁の湾曲形状が非
対称である場合等においては特に配設される位置は制限
されることはない。勿論、複数のマイクロ波アプリケー
ター手段が対向して配設される場合においてもそれらの
中心軸は同一線上にあっても、なくても良い。
【0110】本発明の方法において、前記帯状部材にて
形成される湾曲形状は、その中で生起されるマイクロ波
プラズマの安定性、均一性を保つ上で常に一定の形状が
保たれることが好ましく、前記帯状部材は前記湾曲開始
端形成手段及び前記湾曲終了端形成手段によってシワ、
たるみ、横ずれ等が生ぜぬように支持されるのが望まし
い。そして、前記湾曲開始端形成手段及び前記湾曲終了
端形成手段に加えて、湾曲形状を保持するための支持手
段を設けても良い。具体的には前記湾曲した帯状部材の
内側又は外側に所望の湾曲形状を連続的に保持するため
の支持手段を設ければ良い。前記湾曲した帯状部材の内
側に前記支持手段を設ける場合には、堆積膜の形成され
る面に対して接触する部分をできるだけ少なくするよう
に配慮する。例えば、前記帯状部材の両端部分に前記支
持手段を設けるのが好ましい。
【0111】前記帯状部材としては、前記湾曲形状を連
続的に形成できる柔軟性を有するものを用い、湾曲開始
端、湾曲終了端及び中途の湾曲部分においては滑らかな
形状を形成させることが望ましい。
【0112】本発明の方法において、前記成膜空間内へ
組成の異なる少なくとも2種類以上の堆積膜形成用原料
ガスの夫々を複数のガス供給手段から別々に導入させる
場合には、該ガス供給手段から放出される堆積膜形成用
原料ガスは、好ましくは前記帯状部材の幅方向に均一
に、且つ該ガス供給手段に近接する前記帯状部材に向け
て一方向に放出される様にする。すなわち、組成の異な
る堆積膜形成用原料ガスの夫々が前記ガス供給手段から
放出された直後に互いに混合しない様、該ガス供給手段
の夫々に開けられるガス放出口は互いに異なる方向を向
くようにするのが望ましい。
【0113】そして、前記ガス供給手段は各々前記側壁
を構成する帯状部材に平行に配設するようにする。
【0114】本発明の方法において用いられる前記ガス
供給手段の数は、少なくとも形成しようとする機能性堆
積膜の成分元素数に等しいか、又はそれ以上であること
が望ましく、夫々のガス供給手段から放出させる堆積膜
形成用原料ガスの組成を適宜変化させることにより、組
成制御された機能性堆積膜を形成することができる。
【0115】前記ガス供給手段の夫々は放出される堆積
膜形成用原料ガスが確実に励起、分解されるように前記
柱状の成膜空間内に含まれるよう配設されるのが望まし
い。また、形成される堆積膜に所望の組成分布をもたせ
る為、該ガス供給手段の配置を適宜調整することが望ま
しい。更に、前記柱状の成膜空間内での堆積膜形成用原
料ガスの流路を調整、制御する為に、該柱状の成膜空間
内に整流板を設けても良い。
【0116】本発明の方法によって形成される組成制御
された機能性堆積膜としては、SiGe,SiC,Ge
C,SiSn,GeSn,SnC等所謂4族合金半導体
薄膜、GaAs,GaP,GaSb,InP,InAs
等所謂3−5族化合物半導体薄膜、ZnSe,ZnS,
ZnTe,CdS,CdSe,CdTe等所謂2−6族
化合物半導体薄膜、CuAlS2,CuAlSe2,Cu
AlTe2,CuInS2,CuInSe2,CuInT
2,CuGAs2,CuGaSe2,CuGaTe,A
gInSe2,AgInTe2等所謂1−3−6族化合物
半導体薄膜、ZnSiP2,ZnGeAs2,CdSia
2,CdSnP2等所謂2−4−5族化合物半導体薄
膜、Cu2O,TiO2,In23,SnO2,ZnO,
CdO,Bi23,CdSnO4等所謂酸化物半導体薄
膜、及びこれらの半導体を価電子制御する為に価電子制
御元素を含有させたものを挙げることが出来る。また、
Si,Ge,C等所謂4族半導体薄膜に価電子制御元素
を含有させたものを挙げることができる。勿論a−S
i:H,a−Si:H:F等非晶質半導体において、水
素及び/又はフッ素含有量を変化させたものであっても
良い。
【0117】上述した半導体薄膜において組成制御を行
うことにより禁制帯幅制御、価電子制御、屈折率制御、
結晶制御等が行われる。前記帯状部材上に縦方向又は横
方向に組成制御された機能性堆積膜を形成させることに
より、電気的、光学的、機械的に優れた特性を有する大
面積薄膜半導体デバイスを作製することが出来る。
【0118】すなわち、堆積形成された半導体層の縦方
向に禁制帯幅及び/又は価電子密度を変化させることに
よりキャリアの走行性を高めたり、半導体界面でのキャ
リアの再結合を防止することで電気的特性が向上する。
また、屈折率を連続的に変化させることにより光学的無
反射面とすることで半導体層中への光透過率を向上させ
ることが出来る。更には、水素含有量等を変化させるこ
とにより構造的変化を付けることで応力緩和がなされ、
基板との密着性の高い堆積膜を形成することができる。
また、横方向に結晶性の異なる半導体層を形成させるこ
とにより、例えば、非晶質半導体で形成される光電変換
素子と結晶質半導体で形成されるスイッチング素子とを
同時に同一基板上に連続形成することが出来る。
【0119】本発明において、前述の機能性堆積膜を形
成する為に用いられる堆積膜形成用原料ガスは、所望の
機能性堆積膜の組織に応じて、適宜その混合比を調製し
て前記成膜空間内に導入する。導入に際しては複数のガ
ス供給手段が用いられるが、夫々のガス供給手段から導
入される堆積膜形成用原料ガスの組成は異なっていても
良く、目的によっては同じであっても良い。又、時間的
に連続的に組成変化を行わせても良い。
【0120】本発明において4族半導体又は4族合金半
導体薄膜を形成する為に、好適に用いられる、周期律表
第4族元素を含む化合物としては、Si原子、Ge原
子、C原子、Sn原子、Pb原子を含む化合物であっ
て、具体的にはSiH4、Si26、Si38、Si3
6、Si48、Si510等のシラン系化合物、Si
4、(SiF25、(SiF26、(SiF24、S
26、Si38、SiHF3、SiH22、Si22
4、Si233、SiCl4、(SiCl25、Si
Br4、(SiBr25、Si2Cl6、Si2Br6、S
iHCl3、SiHBr3、SiHI3、Si2Cl33
のハロゲン化シラン化合物、GeH4、Ge26等のゲ
ルマン化合物、GeF4、(GeF25、(Ge
26、(GeF24、Ge26、Ge38、GeHF
3、GeH22、Ge224、Ge233、GeC
4、(GeCl25、GeBr4、(GeBr25、G
2Cl6、Ge2Br6、GeHCl3、GeHBr3、G
eHI3、Ge2Cl33等のハロゲン化ゲルマニウム化
合物、CH4、C26、C38等のメタン列炭化水素ガ
ス、C24、C36等のエチレン列炭化水素ガス、C6
6等の環式炭化水素ガス、CF4、(CF25、(CF
26、(CF24、C26、C38、CHF3、CH2
2、CCl4、(CCl25、CBr4、(CBr25
2Cl6、C2Br6、CHCl3、CHI3、C2Cl3
3等のハロゲン化炭素化合物、SnH4、Sn(CH34
等のスズ化合物、Pb(CH34、Pb(C256
の鉛化合物等を挙げることが出来る。これらの化合物は
1種で用いても2種以上混合して用いても良い。
【0121】本発明において、これらの化合物を適宜混
合して用いることにより所望の組成制御が行われる。本
発明において形成される4族半導体又は、4族合金半導
体を価電子制御する為に用いられる価電子制御剤として
は、p型の不純物として、周期律表第3族の元素、例え
ば、B、Al、Ga、In、Tl等が好適なものとして
挙げられ、n型不純物としては、周期律表第5族の元
素、例えばN、P、As、Sb、Bi等が好適なものと
して挙げられるが、殊に、B、Ga、P、Sb等が最適
である。ドーピングされる不純物の量は、所望される電
気的、光学的特性に応じて適宜決定される。
【0122】このような不純物導入用の原料物資として
は、常温常圧でガス状態の又は、少なくとも膜形成条件
下で容易にガス化し得るものが採用される。そのような
不純物導入用の出発物資として具体的には、PH3、P2
4、PF3、PF5、PCl3、AsH3、AsF3、As
5、AsCl3、SbH3、SbF5、BiH3、BF3
BCl3、BBr3、B26、B410、B59、B
511、B610、B612、AlCl3等を挙げることが
出来る。上記の不純物元素を含む化合物は、1種用いて
も2種以上併用してもよい。
【0123】本発明において2、6族化合物半導体を形
成する為に用いられる、周期律表第2族元素を含む化合
物としては、具体的にはZn(CH32、Zn(C
252、Zn(OCH32、Zn(OC252、Cd
(CH32、Cd(C252、Cd(C372、Cd
(C492、Hg(CH32、Hg(C252、Hg
(C652、Hg〔C=(C65)〕2等が挙げられ
る。また周期律表第6族元素を含む化合物としては、具
体的にはNO、N2O、CO2、CO、H2S、SCl2
2Cl2、SOCl2、SeH2、SeCl2、Se2Br
2、Se(CH32、Se(C252、TeH2、Te
(CH32、Te(C252等が挙げられる。
【0124】勿論、これ等の原料物資は1種のみならず
2種以上混合して使用することも出来る。
【0125】本発明において形成される2−6族化合物
半導体を価電子制御する為に用いられる価電子制御剤と
しては、周期律表1、3、4、5族の元素を含む化合物
等を有効なものとして挙げることができる。
【0126】具体的には1族元素を含む化合物として
は、LiC37、Li(sec−C49)、Li2S、
Li3N等が好適なものとして挙げることができる。
【0127】また、3族元素を含む化合物としては、B
3、B26、B410、B59、B511、B610、B
(CH33、B(C253、B612、AlX3、Al
(CH32Cl、Al(CH33、Al(OCH33
Al(CH3)Cl2、Al(C253、Al(OC2
53、Al(CH33Cl3、Al(i−C493、A
l(i−C373、Al(C373、Al(OC
493、GaX3、Ga(OCH33、Ga(OC
253、Ga(OC373、Ga(OC493、G
a(CH33、Ga26、GaH(C252、Ga
(OC25)(C252、In(CH33、In(C4
73、In(C493、5族元素を含む化合物とし
てはNH3、HN3、N253、N24、NH43、P
3、P(OCH33、P(OC253、P(C37
3、P(OC493、P(CH33、P(C253
P(C373、P(C493、P(OCH33、P
(OC253、P(OC373、P(OC493
P(SCN)3、P2H4、PH3、AsH3、AsX3
As(OCH33、As(OC253、As(OC3
73、As(OC493、As(CH33、As(C
33、As(C253、As(C653、Sb
3、Sb(OCH33、Sb(OC253、Sb(O
373、Sb(OC493、Sb(CH33、Sb
(C373、Sb(C493などが挙げられる。
【0128】上記において、Xはハロゲン(F、Cl、
Br、I)を示す。
【0129】勿論、これ等の原料物質は1種であっても
よいが、2種又はそれ以上を併用してもよい。
【0130】更に、4族元素を含む化合物としては前述
した化合物を用いることが出来る。
【0131】本発明において3−5族化合物半導体を形
成する為に用いられる周期律表第3族元素を含む化合物
としては、具体的にはBX3(但し、Xはハロゲン原子
を示す。)、B26、B410、B59、B511、B6
10、B612、AlX3(但し、Xはハロゲン原子を示
す。)、Al(CH32Cl、Al(CH33、Al
(OCH33、Al(CH3)Cl2、Al(C
253、Al(OC253、Al(CH33Cl3
Al(i−C493、Al(i−C373、Al(C
373、Al(OC493、GaX3(但し、Xはハ
ロゲン原子を示す。)、Ga(OCH33、Ga(OC
253、Ga(OC373、Ga(OC493、G
a(CH33、Ga26、GaH(C252、Ga
(OC25)(C252、In(CH33、In(C3
73、In(C493等が挙げられる。また周期律
表第5族元素を含む化合物としては、具体的にはN
3、HN3、N253、N24、NH43、PX3(但
し、Xはハロゲン原子を示す。)、P(OCH33、P
(OC253、P(C373、P(OC493、P
(CH33、P(C253、P(C373、P(C4
93、P(OCH33、P(OC253、P(OC3
73、P(OC493、P(SCN)3、P24、P
3、AsX3(但し、Xはハロゲン原子を示す。)、A
sH3、As(OCH33、As(OC253、As
(OC373、As(OC493、As(CH33
As(CH33、As(C253、As(C653
SbX3(但し、Xはハロゲン原子を示す。)、Sb
(OCH33、Sb(OC253、Sb(OC
373、Sb(OC493、Sb(CH33、Sb
(C373、Sb(C493などが挙げられる。〔但
し、Xはハロゲン原子、具体的にはF、Cl、Br、I
の中から選ばれる少なくとも一つを表わす。〕勿論、こ
れ等の原料物質は1種あるいは2種以上混合して用いる
ことができる。
【0132】本発明において形成される3−5族化合物
半導体を価電子制御する為に用いられる価電子制御剤と
しては、周期律表2、4、6族の元素を含む化合物等を
有効なものとして挙げることができる。具体的には、2
族元素を含む化合物としては、Zn(CH32、Zn
(C252、Zn(OCH32、Zn(OC252
Cd(CH32、Cd(C252、Cd(C372
Cd(C492、Hg(CH32、Hg(C252
Hg(C652、Hg〔C≡C(C65)〕2等を挙げ
ることができ、6族元素を含む化合物としては、NO、
2O、CO2、CO、H2S、SCl2、S2Cl2、SO
Cl2、SeH2、SeCl2、Se2Br2、Se(C
32、Se(C252、TeH2、Te(CH32
Te(C252等を挙げることができる。
【0133】勿論、これ等の原料物質は1種であっても
よいが、2種又はそれ以上を併用してもよい。
【0134】更に、4族元素を含む化合物としては前述
した化合物を挙げることが出来る。
【0135】本発明において前述した原料化合物はH
e、Ne、Ar、Kr、Xe、Rn等の希ガス、及びH
2、HF、HCl等の希釈ガスと混合して導入されても
良い。
【0136】また、これらの希釈ガス等は独立してガス
供給手段から導入されても良い。
【0137】本発明の方法において、前記柱状の成膜空
間内にマイクロ波プラズマを均一に安定して生起、維持
させるためには、前記成膜空間の形状及び容積、前記成
膜空間内に導入する原料ガスの種類及び流量、前記成膜
空間内の圧力、前記成膜空間内へ放射されるマイクロ波
エネルギー量、及びマイクロ波の整合等について各々最
適な条件があるものの、これらのパラメーターは相互に
有機的に結びついており、一概に定義されるものではな
く、適宜好ましい条件を設定するのが望ましい。
【0138】即ち、本発明の方法によれば、帯状部材を
側壁とした成膜空間を形成し、且つ、該成膜空間の側壁
を構成する前記帯状部材を連続的に移動せしめると共
に、前記成膜空間の側壁を構成する帯状部材の幅方向に
対してほぼ均一にマイクロ波エネルギーを放射せしめる
ようにマイクロ波アプリケーター手段を配置し、マイク
ロ波プラズマの生起・維持条件を調整・最適化すること
によって、大面積の機能性堆積膜を連続して、均一性良
く形成することができる。
【0139】本発明の方法が従来の堆積膜形成方法から
客観的に区別される点は、成膜空間を柱状とし、その側
壁が連続的に移動しつつも、構造材としての機能を果た
し、且つ、堆積膜形成用の基板又は支持体をも兼ねるよ
うにした点にある。
【0140】ここで、構造材としての機能とは、特に、
成膜用の雰囲気空間すなわち成膜空間と成膜用には関与
しない雰囲気空間とを物理的、化学的に隔離する機能で
あって、具体的には、例えば、ガス組成及びその状態の
異なる雰囲気を形成したり、ガスの流れる方向を制限し
たり、更には、圧力差の異なる雰囲気を形成したりする
機能を意味するものである。
【0141】即ち、本発明の方法は、前記帯状部材を湾
曲させて柱状の成膜空間の側壁を形成し、他の残された
壁面、すなわち両端面及び前記側壁の一部に残された間
隙のうちのいずれかの箇所より、堆積膜形成用の原料ガ
ス及びマイクロ波エネルギーを前記成膜空間内に供給
し、また、排気させることによって、マイクロ波プラズ
マを前記成膜空間内に閉じ込め、前記側壁を構成する帯
状部材上に機能性堆積膜を形成せしめるものであり、前
記帯状部材そのものが成膜空間を成膜用には関与しない
外部雰囲気空間から隔離するための構造材としての重要
な機能を果たしているとともに、堆積膜形成用の基板又
は支持体として用いることができる。従って、前記帯状
部材を側壁として構成される成膜空間の外部の雰囲気
は、前記成膜空間内とは、ガス組成及びその状態、圧力
等について相当異なる状態となっている。
【0142】一方、従来の堆積膜形成方法においては堆
積膜形成用の基板又は支持体は、堆積膜を形成するため
の成膜空間内に配設され、専ら、該成膜空間にて生成す
る例えば堆積膜形成用の前駆体等を堆積させる部材とし
てのみ機能するものであり、本発明の方法におけるよう
に前記成膜空間を構成する構造材として機能させるもの
ではない。
【0143】また、従来法であるRFプラズマCVD
法、スパッタリング法等においては、前記堆積膜形成用
の基板又は支持体は放電の生起、維持のための電極を兼
ねることはあるがプラズマの閉じ込めは不十分であり、
成膜用には関与しない外部雰囲気空間との隔離は不十分
であって、構造材として機能しているとは言い難い。
【0144】一方、本発明の方法は、機能性堆積膜形成
用の基板又は支持体として機能し得る帯状部材を前記成
膜空間の側壁として用い、前記構造材としての機能を発
揮せしめると共に、前記帯状部材上への機能性堆積膜の
連続形成をも可能にするものである。
【0145】本発明の方法において、前記帯状部材を用
いて柱状空間の側壁を形成し、該柱状空間内にマイクロ
波エネルギーを前記帯状部材の幅方向にほぼ均一に放射
させて、前記柱状空間内にマイクロ波を閉じ込めること
によって、マイクロ波エネルギーは効率良く前記柱状空
間内で消費されて、均一なマイクロ波プラズマが生起さ
れ、形成される堆積膜の均一性も高まる。更には、前記
マイクロ波プラズマに曝される側壁を構成する帯状部材
を絶えず連続的に移動させ、前記成膜空間外へ排出させ
ることによって、前記帯状部材上に、その移動方向に対
して均一性の高い堆積膜を形成することができる。
【0146】本発明の方法においては、前記帯状部材で
成膜空間を形成し、該成膜空間内でのみ堆積膜を形成せ
しめるように、前記成膜空間外におけるガス組成及びそ
の状態は前記成膜空間内とは異なるように条件設定す
る。例えば、前記成膜空間外のガス組成については、堆
積膜形成には直接関与しないようなガス雰囲気としても
良いし、前記成膜空間から排出される原料ガスを含んだ
雰囲気であっても良い。また、前記成膜空間内にはマイ
クロ波プラズマが閉じ込められているのは勿論である
が、前記成膜空間の外部には前記マイクロ波プラズマが
漏洩しないようにすることが、プラズマの安定性、再現
性の向上や不要な箇所への膜堆積を防ぐ上でも有効であ
る。具体的には前記成膜空間の内外で圧力差をつけた
り、電離断面積の小さいいわゆる不活性ガス、H2ガス
等の雰囲気を形成したり、あるいは、積極的に前記成膜
空間内からマイクロ波の漏洩が起こらないような手段を
設けることが有効である。マイクロ波の漏洩防止手段と
しては、前記成膜空間の内外を結ぶ間隙部分を導電性部
材で密封したり、穴径が好ましくは用いるマイクロ波の
1/2波長以下、より好ましくは1/4波長以下の金
網、パンチングボードで覆っても良く、また、前記成膜
空間の内外を結ぶ間隙の最大寸法がマイクロ波の波長の
好ましくは1/2波長以下、より好ましくは1/4波長
以下とするのが望ましい。また、前記成膜空間の外での
圧力を前記成膜空間内の圧力に比較して非常に低く設定
するか又は逆に高く設定することによっても、前記成膜
空間外でマイクロ波プラズマが生起しないような条件設
定ができる。
【0147】このように、前記帯状部材に成膜空間を構
成する構造材としての機能をもたせることに、本発明の
方法の特徴があり、従来の堆積膜形成方法とは区別さ
れ、更に多大な効果をもたらす。
【0148】以下、本発明のマイクロ波プラズマCVD
装置の構成及び特徴点について更に詳細に順を追って記
載する。
【0149】本発明の装置によれば、マイクロ波プラズ
マ領域が移動しつつある帯状部材で閉じ込められている
ことにより、前記マイクロ波プラズマ領域内で生成した
堆積膜形成に寄与する前駆体を高い収率で基板上に捕獲
し、更には堆積膜を連続して帯状部材上に形成できるた
め、堆積膜形成用原料ガスの利用効率を飛躍的に高める
ことができる。
【0150】更には、本発明のマイクロ波アプリケータ
ー手段を用いて、前記成膜空間内に均一なマイクロ波プ
ラズマが生起されるため、前記帯状部材の幅方向に形成
される堆積膜の均一性が優れているのは勿論のこと、前
記帯状部材を前記マイクロ波アプリケーター手段の長手
方向に対してほぼ垂直方向に連続的に搬送することによ
り、前記帯状基体の長手方向に形成される堆積膜の均一
性にも優れたものとなる。
【0151】また、本発明の装置によれば、連続して安
定に均一性良く放電が維持できるため、長尺の帯状部材
上に連続して、安定した特性の機能性堆積膜を堆積形成
でき、界面特性の優れた積層デバイスを作製することが
できる。
【0152】本発明の装置において、前記帯状部材を構
造材として機能させるにあたり、前記成膜室の外部は大
気であっても良いが、前記成膜室内への大気の流入によ
って、形成される機能性堆積膜の特性に影響を及ぼす場
合には適宜の大気流入防止手段を設ければ良い。具体的
にはOリング、ガスケット、ヘリコフレックス、磁性流
体等を用いた機械的封止構造とするか、又は、形成され
る堆積膜の特性に影響が少ないかあるいは効果的な希釈
ガス雰囲気、又は適宜の真空雰囲気を形成するための隔
離容器を周囲に配設することが望ましい。前記機械的封
止構造とする場合には、前記帯状部材が連続的に移動し
ながら封止状態を維持できるように特別配慮される必要
がある。本発明の装置と他の複数の堆積膜形成手段を連
結させて、前記帯状部材上に連続して堆積膜を積層させ
る場合には、ガスゲート手段を用いて各装置を連結させ
るのが望ましい。また、本発明の装置のみを複数連結さ
せる場合には、各装置において成膜室は独立した成膜雰
囲気となっているため、前記隔離容器は単一でも良い
し、各々の装置に設けても良い。
【0153】本発明の装置において、前記成膜室の外部
の圧力は減圧状態でも加圧状態でも良いが、前記成膜室
内との圧力差によって前記帯状部材が大きく変形するよ
うな場合には適宜の補助構造材を前記成膜室内に配設す
れば良い。該補助構造材としては、前記成膜室の側壁と
ほぼ同一の形状を、適宜の強度を有する金属、セセラミ
ックス又は強化樹脂等で構成される線材、薄板等で形成
したものであることが望ましい。また、該補助構造材の
前記マイクロ波プラズマに曝されない側の面に対向する
前記帯状部材上は、実質的に該補助構造材の影となる故
堆積膜の形成はほとんどなされないので前記補助構造材
の前記帯状部材上への投影面積は可能な限り小さくなる
ように設計されるのが望ましい。
【0154】また、該補助構造材を前記帯状部材に密着
させ、且つ前記帯状部材の搬送速度に同期させて回転又
は移動させることにより、前記補助構造材上に施された
メッシュパターン等を前記帯状部材上に形成させること
もできる。
【0155】本発明の方法及び装置において好適に用い
られる帯状部材の材質としては、マイクロ波プラズマC
VD法による機能性堆積膜形成時に必要とされる温度に
おいて変形、歪みが少なく、所望の強度を有し、また、
導電性を有するものであることが好ましく、具体的には
ステンレススチール、アルミニウム及びその合金、鉄及
びその合金、銅及びその合金等の金属の薄板の及びその
複合体、及びそれらの表面に異種材質の金属薄膜及び/
またはSiO2、Si34、Al23、AlN等の絶縁
性薄膜をスパッタ法、蒸着法、鍍金法等により表面コー
ティング処理を行ったもの。又、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、エポキシ等の耐熱性
樹脂性シート又はこれらとガラスファイバー、カーボン
ファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維等との複合体
の表面に金属単体または合金、及び透明導電性酸化物
(TCO)等を鍍金、蒸着、スパッタ、塗布等の方法で
導電性処理を行ったものが挙げられる。
【0156】また、前記帯状部材の厚さとしては、前記
搬送手段による搬送時に形成される湾曲形状が維持され
る強度を発揮する範囲内であれば、コスト、収納スペー
ス等を考慮して可能な限り薄い方が望ましい。具体的に
は、好ましくは0.01mm乃至5mm、より好ましく
は0.02mm乃至2mm、最適には0.05mm乃至
1mmであることが望ましいが、比較的金属等の薄板を
用いた方が厚さを薄くしても所望の強度が得られやす
い。また、前記帯状部材の幅寸法については、前記マイ
クロ波アプリケーター手段を用いた場合において、その
長手方向に対するマイクロ波プラズマの均一性が保た
れ、且つ、前記湾曲形状が維持される程度であることが
好ましく、具体的には好ましくは5cm乃至100c
m、より好ましくは10cm乃至80cmであることが
望ましい。
【0157】更に、前記帯状部材の長さについては、特
に制限されることはなく、ロール状に巻き取られる程度
の長さであっても良く、長尺のものを溶接等によって更
に長尺化したものであっても良い。
【0158】本発明の装置において、前記帯状部材を連
続的に湾曲させながら支持・搬送する手段としては、搬
送時に前記帯状部材がたるみ、シワ、横ズレ等を生ずる
ことなく、その湾曲した形状を一定に保つことが必要で
ある。例えば、所望の湾曲形状を有する支持・搬送用リ
ングを少なくとも一対設け、該支持・搬送用リングにて
前記帯状部材の好ましくは両端を支持し、またその形状
に沿わせて湾曲させ、更に前記帯状部材の長手方向に設
けられた少なくとも一対の湾曲開始端形成手段及び湾曲
終了端形成手段としての支持・搬送用ローラーにて絞り
込み、ほぼ柱状に湾曲させ、更に前記支持・搬送用リン
グ及び支持・搬送用ローラーの少なくとも一方に駆動力
を与えて、湾曲形状を維持しつつ前記帯状部材をその長
手方向に搬送せしめる。なお、前記支持・搬送用リング
にて前記帯状部材を支持・搬送する方法としては単なる
滑り摩擦のみによっても良いし、あるいは前記帯状部材
にスプロケット穴等の加工を施し、又前記支持・搬送用
リングについてもその周囲に鋸刃状の突起を設けたいわ
ゆるギア状のものも用いたりしても良い。
【0159】前記支持・搬送用リングの形状について
は、湾曲形状を形成するにあたり、好ましくは円形状で
あることが望ましいが、楕円状、方形状、多角形状であ
っても連続的に一定してその形状を保つ機構を有するも
のであれば特に支障はない。搬送速度を一定に保つこと
が、前記湾曲形状にたるみ、シワ、横ズレ等を生ぜしめ
ることなく搬送する上で重要なポイントとなる。従っ
て、前記支持・搬送機構には前記帯状部材の搬送速度の
検出機構及びそれによるフィールドバックのかけられた
搬送速度調整機構が設けられることが望ましい。また、
これらの機構は半導体デバイスを作製する上での膜厚制
御に対しても多大な効果をもたらす。また、前記支持・
搬送用リングはその目的上プラズマに曝される程度の差
はあれ、マイクロ波プラズマ領域内に配設されることと
なる。従って、マイクロ波プラズマに対して耐え得る材
質、すなわち耐熱性、耐腐食性等に優れたものであるこ
とが望ましく、又、その表面には堆積膜が付着し、長時
間の堆積操作時には該付着膜が剥離、飛散し、形成しつ
つある堆積膜上に付着して、堆積膜のピンホール等の欠
陥発生の原因となり、結果的には作製される半導体デバ
イスの特性悪化や歩留り低下の原因となるので、前記堆
積膜の付着係数が低い材質もしくは付着しても相当の膜
厚まで強い付着力を保持し得る材質及び表面形状のもの
で構成されることが望ましい。具体的材質としては、ス
テンレススチール、ニッケル、チタン、バナジウム、タ
ングステン、モリブデン、ニオブ及びその合金を用いて
加工されたもの、またはその表面にアルミナ、石英、マ
グネシア、ジルコニア、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化
アルミニウム等のセセラミックス材料を溶射法、蒸着
法、スパッタ法、イオンプレーテイング法、CVD法等
によりコーテイング処理したもの、または前記セラミッ
クス材料の単体もしくは複合体で成形加工したもの等を
挙げることができる。また、表面形状としては鏡面加
工、凹凸加工等堆積される膜の応力等を考慮して適宜選
択される。
【0160】前記支持・搬送用リングに付着した堆積膜
は剥離、飛散等が発生する以前に除去されることが好ま
しく、真空中にてドライエッチング又は分解後ウェット
エッチング、ビーズブラスト等の化学的、物理的手法に
よって除去されることが望ましい。
【0161】前記支持・搬送用ローラーは、前記支持・
搬送用リングに比較して前記帯状部材に接触する面積は
大きく設計されるので、前記帯状部材との熱交換率は大
きい。従って、該支持・搬送用ローラーで前記帯状部材
の温度が極端に上昇又は低下することのないように適宜
温度調整がなされる機構を有するものであることが望ま
しい。しかるに、少なくとも一対以上設けられる支持・
搬送用ローラーの設定温度が異なるということもあり得
る。更に、前記支持・搬送用ローラーには前記帯状部材
の搬送張力検出機構が内蔵されることも搬送速度を一定
に保持する上で効果的である。
【0162】更に、前記支持・搬送用ローラーには前記
帯状部材の搬送時のたわみ、ねじれ、横ずれ等を防ぐた
めクラウン機構が設けられることが好ましい。本発明に
おいて形成される湾曲形状は、前記アプリケーター手段
の先端部分を一部包含するように柱状に形成される。
【0163】前記帯状部材を側壁として形成される柱状
の成膜室の両端面の形状としては、ほぼ円形状、楕円
状、方形状、多角形状等であって、且つ前記マイクロ波
アプリケーター手段が配設される位置は、ほぼ前記形状
の中心付近であることが、前記成膜室内に均一にマイク
ロ波プラズマを生起せしめ、形成される堆積膜の均一性
を高める上で望ましい。また、前記湾曲部分の端面の内
径はマイクロ波の伝送モード及びマイクロ波プラズマ領
域の体積を決定し、実質的には前記帯状部材が搬送中に
前記マイクロ波プラズマ領域に曝される時間と相関して
形成される堆積膜の膜厚が決定され、且つ、前記帯状部
材の幅寸法と相関して前記成膜室の内表面積に対する前
記側壁の面積比が決まり堆積膜形成用原料ガスの利用効
率が決定される。そして、前記マイクロ波プラズマ領域
において、安定したマイクロ波プラズマを維持するため
のマイクロ波電力密度(W/cm3)は用いられる原料
ガスの種類及び流量、圧力、マイクロ波アプリケーター
のマイクロ波の放射、伝達能力、及びマイクロ波プラズ
マ領域の絶対体積等の相関によって決まり、一概に定義
することは困難である。
【0164】前記帯状部材を太陽電池用の基板として用
いる場合には、該帯状部材が金属等の電気導電性である
場合には直接電流取り出し用の電極としても良いし、合
成樹脂等の電気絶縁性である場合には堆積膜の形成され
る側の表面にAl、Ag、Pt、Au、Ni、Ti、M
o、W、Fe、V、Cr、Cu、ステンレス、真ちゅ
う、ニクロム、SnO2、In23、ZnO、SnO2
In23(ITO)等のいわゆる金属単体又は合金、及
び透明導電性酸化物(TCO)を鍍金、蒸着、スパッタ
等の方法であらかじめ表面処理を行って電流取り出し用
の電極を形成しておくことが望ましい。
【0165】勿論、前記帯状部材が金属等の電気導電性
のものであっても、長波長光の基板表面上での反射率を
向上させたり、基板材質と堆積膜との間での構成元素の
相互拡散を防止したり短絡防止用の干渉層とする等の目
的で異種の金属層等を前記基板上の堆積膜が形成される
側に設けても良い。又、前記帯状部材が比較的透明であ
って、該帯状部材の側から光入射を行う層構成の太陽電
池とする場合には前記透明導電性酸化物や金属薄膜等の
導電性薄膜をあらかじめ堆積形成しておくことが望まし
い。
【0166】また、前記帯状部材の表面性としてはいわ
ゆる平滑面であっても、微小の凹凸面であっても良い。
微小の凹凸面とする場合にはその凹凸形状は球状、円錐
状、角錐状等であって、且つその最大高さ(Rmax)
は好ましくは500Å乃至5000Åとすることによ
り、該表面での光反射が乱反射となり、該表面での反射
光の光路長の増大をもたらす。
【0167】前記マイクロ波透過性部材は前記マイクロ
波アプリケーター手段の先端部分に設けられ、前記成膜
室内の真空雰囲気と前記マイクロ波アプリケーター手段
の設置されている外気とを分離し、その内外間に存在し
ている圧力差に耐え得るような構造に設計される。具体
的には、そのマイクロ波の進行方向に対する断面形状が
好ましくは円形、方形、楕円形の平板、ベルジャー状、
ダブレット状、円錐状とされるのが望ましい。
【0168】また、前記マイクロ波透過性部材のマイク
ロ波の進行方向に対する厚さは、ここでのマイクロ波の
反射が最少に抑えられるように、用いる材質の誘電率を
考慮して、設計されるのが望ましく、例えば平板状であ
るならばマイクロ波の波長の1/2波長にほぼ等しくさ
れるのが好ましい。更に、その材質としては、マイクロ
波アプリケーター手段から放射されるマイクロ波エネル
ギーを最小の損失で前記成膜室内へ透過させることがで
き、また、前記成膜室内への大気の流入が生じない気密
性の優れたものが好ましく、具体的には石英、アルミ
ナ、窒化ケイ素、ベリリア、マグネシア、ジルコニア、
窒化ホウ素、炭化ケイ素等のガラス又はフアインセラミ
ックス等が挙げられる。
【0169】また、前記マイクロ波透過性部材はマイク
ロ波エネルギー及び/又はプラズマエネルギーによる加
熱によって熱劣化(ヒビ割れ、破壊)等を起こすことを
防止するため均一に冷却されることが好ましい。
【0170】具体的な冷却手段としては、前記マイクロ
波透過性部材の大気側の面に向けて吹きつけられる冷却
空気流であってもよいし、前記マイクロ波アプリケータ
ー手段そのものを冷却空気、水、オイル、フレオン等の
冷却媒体にて冷却し、前記マイクロ波アプリケーター手
段に接する部分を介して前記マイクロ波透過性部材を冷
却しても良い。前記マイクロ波透過性部材を十分に低い
温度まで冷却することで、比較的高いパワーのマイクロ
波エネルギーを前記成膜室内へ導入しても、発生する熱
によって前記マイクロ波透過性部材にひび割れ等の破壊
を生じさせることなく、高電子密度のプラズマを生起す
ることができる。
【0171】また、本発明の装置において、前記マイク
ロ波透過性部材がマイクロ波プラズマに接している部分
には、前記帯状部材上と同様膜堆積が起こる。従って、
堆積する膜の種類、特性にもよるが、該堆積膜によって
前記マイクロ波アプリケーター手段から放射されるべき
マイクロ波エネルギーが吸収又は反射等され、前記帯状
部材によって形成される成膜室内へのマイクロ波エネル
ギーの放射量が減少し、放電開始直後に比較して著しく
その変化量が増大した場合には、マイクロ波プラズマの
維持そのものが困難になるばかりでなく、形成される堆
積膜の堆積速度の減少や特性等の変化を生じることがあ
る。このような場合には、前記マイクロ波透過性部材に
堆積される膜をドライエッチング、ウェットエッチン
グ、又は機械的方法等により除去すれば初期状態を復元
できる。特に、前記真空状態を維持したまま堆積膜の除
去を行う方法としてはドライエッチングが好適に用いら
れる。
【0172】また、前記マイクロ波アプリケーター手段
ごと前記成膜室内の真空状態は保持したまま、いわゆる
ロードロック方式で前記成膜室外へ取り出し、前記マイ
クロ波透過性部材上に堆積した膜をウェットエッチング
又は機械的除去等によって剥離して再利用するか、又
は、新品と交換しても良い。更には、前記マイクロ波透
過性部材の前記成膜室側の表面に沿って、該マイクロ波
透過性部材とほぼ同等のマイクロ波透過性を有する材質
からなるシートを連続的に送ることによって、該シート
の表面上に堆積膜を付着、形成させ、前記マイクロ波プ
ラズマ領域外へ排出するといった手法を採用することも
できる。
【0173】本発明の装置におけるマイクロ波アプリケ
ーター手段は、マイクロ波電源より供給されるマイクロ
波エネルギーを前記成膜室内に放射して、前記ガス導入
手段から導入される堆積膜形成用原料ガスをプラズマ化
し維持させることができる構造を有するものである。
【0174】具体的には、マイクロ波伝送用導波管の先
端部分に前記マイクロ波透過性部材を、気密保持が可能
な状態に取り付けたものが好ましく用いられる。そして
前記マイクロ波アプリケーター手段は前記マイクロ波伝
送用導波管と同一規格のものであっても良いし、他の規
格のものであっても良い。また、前記マイクロ波アプリ
ケーター手段中でのマイクロ波の伝送モードは、前記成
膜室内でのマイクロ波エネルギーの伝送を効率良く行わ
せしめ、且つ、マイクロ波プラズマを安定して生起・維
持・制御せしめる上で、単一モードとなるように前記マ
イクロ波アプリケーターの寸法・形状等が設計されるの
が望ましい。但し、複数モードが伝送されるようなもの
であっても、使用する原料ガス、圧力、マイクロ波電力
等のマイクロ波プラズマ生起条件を適宜選択することに
よって使用することもできる。単一モードとなるように
設計される場合の伝送モードとしては、例えばTE10
ード、TE11モード、eH1モード、TM11モード、T
01モード党を挙げることができるが、好ましくはTE
10モード、TE11モード、eH1モードが選択される。
そして、前記マイクロ波アプリケーター手段には、上述
の伝送モードが伝送可能な導波管が接続され、好ましく
は該導波管中の伝送モードと前記マイクロ波アプリケー
ター手段中の伝送モードとは一致させるのが望ましい。
前記導波管の種類としては、使用されるマイクロ波の周
波数帯(バンド)及びモードによって適宜選択され、少
なくともそのカツトオフ周波数は使用される周波数より
も小さいものであることが好ましく、具体的にはJI
S、EIAJ、IEC、JAN等の規格の方形導波管、
円形導波管、又は楕円導波管等の他、2.45GHzの
マイクロ波用の自社規格として、方形の断面の内径で幅
96mm×高さ27mmのもの等を挙げることができ
る。
【0175】本発明の装置において、マイクロ波電源よ
り供給されるマイクロ波エネルギーは、前記マイクロ波
アプリケーター手段を介して効率良く前記成膜室内へ放
射されるため、いわゆるマイクロ波アプリケーターに起
因する反射波に関する問題は回避しやすく、マイクロ波
回路においてはスリースタブチューナー又はE−Hチュ
ーナー等のマイクロ波整合回路を用いなくとも比較的安
定した放電を維持することが可能であるが、放電開始前
や放電開始後でも異常放電等により強い反射波を生ずる
ような場合にはマイクロ波電源の保護のために前記マイ
クロ波整合回路を設けることが望ましい。
【0176】本発明の装置において配設されるガス供給
手段の数は、少なくとも形成しようとする機能性堆積膜
の成分元素数に等しいか、又はそれ以上であることが望
ましい。そして、夫々のガス供給手段はパイプ状のガス
導入管で構成され、その側面には1列又は複数列のガス
放出口が開けられている。前記ガス導入管を構成する材
質としてはマイクロ波プラズマ中で損傷を受けることが
ないものが好適に用いられる。具体的にステンレススチ
ール、ニッケル、チタン、ニオブ、タンタル、タングス
テン、バナジウム、ミリブデン等耐熱性金属及びこれら
をアルミナ、窒化ケイ素、石英等のセラミックス上に溶
射処理等をしたもの、そしてアルミナ、窒化ケイ素、石
英等のセラミクス単体、及び複合体で構成されるもの等
を挙げることができる。
【0177】本発明の装置において、前記ガス供給手段
は前記成膜室の側壁を構成する帯状部材の幅方向と平行
に配設され、前記ガス放出口は近接する帯状部材に向け
られている。
【0178】本発明の装置において用いられるガス供給
手段の配置を、以下図面を用いて具体的に説明するが、
特にこれらに限定されるわけではない。
【0179】図7及び図8に本発明の装置におけるガス
導入管の配置を示す為の模式的側断面図を示した。な
お、本図面においては主要構成部材のみを示してある。
【0180】図7に示す例は、柱状の成膜室116内に
ガス供給手段としての3本のガス導入管113a、11
3b、113cを配設した場合の典型例であり、パイプ
状のガス導入管113a、113b、113cは夫々成
膜室116の中心Oからほぼ等距離で成膜室の中心軸H
H′を基準として図中に示したごとくθ3、θ4、θ5
角度で帯状部材101の幅方向と平行に配置されてい
る。そして、ガス放出口701a、701b、701c
は夫々近接する帯状部材101に向けられている。
【0181】本配置においてガス導入管113bは成膜
室116の中心線HH′上に配置されているが、所望に
より左右いずれにずれた位置に配置されても良い。ま
た、ガス導入管113a、113b、113cの中心O
からの距離は夫々等しくても、また互いに異なっていて
も良い。角度θ3、θ4、θ5はやはり互いに等しくて
も、異なっていても良い。
【0182】ガス導入管113a、113b、113c
の夫々には所望に応じて適宜混合された堆積膜形成用原
料ガスが独立に制御されながら導入される。
【0183】ガス放出口701a、701b、701c
は、夫々のガス導入管の側面上に一列に、ほぼ等間隔で
開けられているが、ガス導入量の増減に応じて、形成さ
れる堆積膜の幅方向の均一性を向上させる為に間隔を適
宜変化させても良い。
【0184】勿論、ガス導入管の数は2本であっても、
4本以上であっても良い。
【0185】図8に示す例は、柱状の成膜室116内に
ガス供給手段としての2本のガス導入管703a、70
3bとガス整流板702を配設した場合の典型例であ
る。ガス導入管703a、703bはガス整流板702
にほぼ対称に配置されている。所望に応じガス導入管7
03a、703bのガス整流板からの距離は変えても良
い。ガス整流板702を配設することにより、夫々のガ
ス導入管から放出される堆積膜形成用原料ガスの成膜室
内での分離が向上し、形成される堆積膜の組成制御性が
向上する。
【0186】ガス整流板の大きさ、形状、配設される位
置等は、所望する堆積膜の組成に応じ適宜決定される。
【0187】ガス導入管の数は2本であっても、3本以
上であっても良い。
【0188】ガス放出口は図7で用いたガス導入管と同
様に開けられる。
【0189】本発明の装置において、成膜室内で生起す
るマイクロ波プラズマのプラズマ電位を制御する為に、
前記ガス導入管にバイアス電圧を印加しても良い。そし
て、複数のガス導入管に印加されるバイアス電圧は夫々
等しくても、また互いに異なっていても良い。バイアス
電圧としては直流、脈流及び交流電圧を単独又は夫々を
重畳させて印加させることが望ましい。
【0190】バイアス電圧を効果的に印加させるには、
ガス導入管及び帯状部材のいずれもがその表面が導電性
であることが望ましい。
【0191】バイアス電圧を印加し、プラズマ電位を制
御することによって、プラズマの安定性、再現性及び膜
特性の向上、欠陥の発生の抑制が図られる。
【0192】本発明の装置において前記ガス導入管より
前記柱状の成膜室内に導入された堆積膜形成用原料ガス
はその一部又は全部が分解して堆積膜形成用の前駆体を
発生し、堆積膜形成が行われるが、未分解の原料ガス、
又は分解によって異種の組成のガスとなったものはすみ
やかに前記柱状の成膜室外に排気される必要がある。た
だし、排気孔面積を必要以上に大きくすると、該排気孔
よりのマイクロ波エネルギーの漏れが生じ、プラズマの
不安定性の原因となったり、他の電子機器、人体等への
悪影響を及ぼすこととなる。従って、本発明の装置にお
いては、該排気孔は、前記帯状部材の湾曲開始端と湾曲
終了端との間隙とし、その間隔はマイクロ波の漏洩防止
上、使用されるマイクロ波の波長の好ましくは1/2波
長以下、より好ましくは1/4波長以下であることが望
ましい。
【0193】本発明の装置において、前記成膜室には前
記湾曲開始端形成手段と湾曲終了端形成手段との間に間
隙が残されていて、該間隙から前記原料ガスを排気し、
前記成膜室内が所定の減圧状態に保持されるようにする
が、前記間隙の寸法は十分な排気コンダクタンスが得ら
れると同時に、前記成膜室内に放射されたマイクロ波エ
ネルギーが前記成膜室外へ漏洩しないように設計される
必要がある。
【0194】具体的には、マイクロ波アプリケーター手
段中を進行するマイクロ波の電界方向と、前記湾曲開始
端形成手段としての支持・搬送用ローラーの中心軸と前
記湾曲終了端形成手段としての支持・搬送用ローラーの
中心軸とを含む面とが互いに平行とならないように前記
マイクロ波アプリケーター手段を配設する。すなわち、
前記マイクロ波アプリケーター手段に接続される前記導
波管の長辺又長軸を含む面と前記一対の支持・搬送用ロ
ーラーの中心軸を含む面とが平行とならないように、前
記導波管を配設させる。
【0195】そして、複数個の前記マイクロ波アプリケ
ーター手段を介して前記成膜室内にマイクロ波エネルギ
ーを放射させる場合には、各々のマイクロ波アプリケー
ター手段について前述のごとく配設されることが必要で
ある。
【0196】更に、前記湾曲開始端形成手段と湾曲終了
端形成手段との間に残された間隙の、前記帯状部材の長
手方向の開口幅の最大寸法は該間隙からのマイクロ波エ
ネルギーの漏洩を防止する上で、マイクロ波の波長の好
ましくは1/2波長以下、より好ましくは1/4波長以
下とするのが望ましい。
【0197】本発明の装置において、複数個の前記マイ
クロ波アプリケーター手段を互いに対向させて配設させ
る場合には、一方のマイクロ波アプリケーター手段より
放射されたマイクロ波エネルギーを、他方のマイクロ波
アプリケーター手段が受信し、受信されたマイクロ波エ
ネルギーが前記他方のマイクロ波アプリケーター手段に
接続されているマイクロ波電源にまで達して、該マイク
ロ波電源に損傷を与えたり、マイクロ波の発振に異常を
生ぜしめる等の悪影響を及ぼすことのないように配置す
る必要がある。
【0198】具体的には、前記マイクロ波アプリケータ
ー手段中を進行するマイクロ波の電界方向同志が互いに
平行とならないように前記マイクロ波アプリケーター手
段を配設する。すなわち、前記マイクロ波アプリケータ
ー手段に接続される前記導波管の長辺又は長軸を含む面
とが互いに平行とならないよ似前記導波管を配設する。
【0199】本発明の方法において、前記成膜室の両端
面のうち片側のみからマイクロ波エネルギーを放射させ
る場合には、他方の端面からのマイクロ波エネルギーの
漏洩がないようにすることが必要であり、前記端面を導
電性部材で密封したり、穴径が用いるマイクロ波の波長
の好ましくは1/2波長以下、より好ましくは1/4波
長以下の金網、パンチングボードなどで覆うことが望ま
しい。
【0200】本発明の装置においては前記成膜室及び/
又は隔離容器を他の成膜手段を有する真空容器と真空雰
囲気を分離独立させ、且つ、前記帯状部材をそれらの中
を貫通させて連続的に搬送するにはガスゲート手段手段
が好適に用いられる。本発明の装置において前記成膜室
及び/又は隔離容器内は修正パッシェン曲線の最小値付
近の動作に必要な程度の低圧に保たれるのが望ましいた
め、前記成膜室及び/又は隔離容器に接続される他の真
空容器内の圧力としては少なくともその圧力にほぼ等し
いか又はそれよりも高い圧力となるケースが多い。従っ
て、前記ガスゲート手段の能力としては前記各容器間に
生じる圧力差によって、相互に使用している堆積膜形成
用原料ガスを拡散させない能力を有することが必要であ
る。従って、その基本概念は米国特許第4,438,7
23号に開示されているガスゲート手段を採用すること
ができるが、更にその能力は改善される必要がある。具
体的には、最大106倍程度の圧力差に耐え得ることが
必要であり、排気ポンプとしては排気能力の大きい油拡
散ポンプ、ターボ分子ポンプ、メカニカルブースターポ
ンプ等が好適に用いられる。また、ガスゲートの断面形
状としてはスリット状又はこれに類似する形状であり、
その全長及び用いる排気ポンプの排気能力等と合わせ
て、一般のコンダクタンス計算式を用いてそれらの寸法
が計算、設計される。更に、分離能力を高めるためにゲ
ートガスを併用することが好ましく、例えばAr、H
e、Ne、Kr、Xe、Rn等の希ガス又はH2等の堆
積膜形成用希釈ガスが挙げられる。ゲートガス流量とし
てはガスゲート全体のコンダクタンス及び用いる排気ポ
ンプの能力等によって適宜決定されるが、概ね図25、
図26に示したような圧力勾配を形成するようにすれば
良い。図25において、ガスゲートのほぼ中央部に圧力
の最大となるポイントがあるため、ゲートガスはガスゲ
ート中央部から両サイドの真空容器側へ流れ、図26に
おいてはガスゲートのほぼ中央部に圧力の最小となるポ
イントがあるため、両サイドの容器から流れ込む堆積膜
形成用原料ガスと共にゲートガスもガスゲート中央部か
ら排気される。従って両者の場合において両サイドの容
器間でも相互のガス拡散を最小限に抑えることができ
る。実際には、質量分析計を用いて拡散してくるガス量
を測定したり、堆積膜の組成分析を行うことによって最
適条件を決定する。
【0201】本発明の装置において、前記ガスゲート手
段によって、前記隔離容器と接続される他の真空容器中
に配設される堆積膜形成手段としては、RFプラズマC
VD法、スパッタリング法及び反応性スパッタリング
法、イオンプレーティング法、光CVD法、熱CVD
法、MOCVD法、MBE法そしてHR−CVD法等い
わゆる機能性堆積膜形成用に用いられる方法を実現する
ための手段を挙げることができる。そして、勿論本発明
のマイクロ波プラズマCVD法及び類似のマイクロ波プ
ラズマCVD法の手段を接続することも可能であり、所
望の半導体デバイス作製のため適宜手段を選択し、前記
ガスゲート手段を用いて接続される。
【0202】本発明の装置において用いられるマイクロ
波電源から供給されるマイクロ波周波数は、好ましくは
民生用に用いられている2.45GHzが挙げられる
が、他の周波数帯のものであっても比較的入手し易いも
のであれば用いることができる。また、安定した放電を
得るには発振様式はいわゆる連続発振であることが望ま
しく、そのリップル幅が、使用出力領域において、好ま
しくは30%以内、より好ましくは10%以内であるこ
とが望ましい。
【0203】本発明の装置において、前記成膜室及び/
又は隔離容器を大気に曝すことなく連続して堆積膜形成
を行うことは、形成される堆積膜の特性安定上、不純物
の混入を防止できるため有効である。ところが、用いら
れる帯状部材の長さは有限であることから、これを溶接
等の処理により接続する操作を行うことが必要である。
具体的には、前記帯状部材の収納された容器(送り出し
側及び巻き取り側)に近接して、そのような処理室を設
ければ良い。
【0204】〔装置例〕以下、図面を用いて本発明の具
体的装置例を挙げて説明するが、本発明はこれらの装置
例によって何ら限定されるものではない。
【0205】装置例1 図1に本発明のマイクロ波プラズマCVD装置の模式的
透視概略図を示した。
【0206】101は帯状部材であり、支持・搬送用ロ
ーラー102、103及び支持・搬送用リング104、
105によって円柱状に湾曲した形状を保ちながら、図
中矢印(→)方向に搬送され成膜室116を連続的に形
成する。106a乃至106eは帯状部材101を加熱
又は冷却するための温度制御機構であり、各々独立に温
度制御がなされる。
【0207】本装置例において、マイクロ波アプリケー
ター107、108は一対対向して設けられており、そ
の先端部分にはマイクロ波透過性部材109、110が
各々設けられていて、また、方形導波管111、112
が各々支持・搬送用ローラーの中心軸を含む面に対して
その長辺を含む面が垂直とならぬよう、且つ、お互いに
長辺を含む面が平行とならぬように配設されている。な
お、第1図において、説明のためにマイクロ波アプリケ
ーター107は支持・搬送用リング104から切り離し
た状態を示してあるが、堆積膜形成時には、図中矢印方
向に配設される。
【0208】113a、113b、113cはガス導入
管であり、夫々に不図示のマスフローコントローラーを
介して堆積膜形成用原料ガスが独立して導入される。プ
ラズマ電位制御用のバイアス電圧を印加する場合には、
該ガス導入管に直流又は交流電源等から導線を介して電
圧を印加すれば良い。その際には該ガス導入管の一部に
絶縁性継手を挿入し、成膜空間側にのみにバイアス電圧
が印加される様に配慮するのが望ましい。114は排気
管であり、不図示の排気ポンプに接続されている。11
5a、115bは隔離通路であり、本発明の装置を他の
成膜手段を含む容器等との接続を行うときに設けられ
る。
【0209】支持・搬送用ローラー102、103に
は、搬送送度検出機構、張力検出調整機構(いずれも不
図示)が内蔵され、帯状部材101の搬送送度を一定に
保つとともに、その湾曲形状が一定に保たれる。
【0210】導波管111、112には不図示のマイク
ロ波電源が接続されている。
【0211】図2にマイクロ波アプリケーター手段10
7、108を具体的に説明するための断面模式図を示し
た。
【0212】200はマイクロ波アプリケーターであ
り、図中左側矢印方向から不図示のマイクロ波電源より
方形導波管208を介してマイクロ波が伝送される。
【0213】201、202はマイクロ波透過性部材で
あり、メタルシール212及び固定用リング206を用
いて、内筒204、外筒205に固定されており、真空
シールがされている。また内筒204と外筒205との
間には冷却媒体209が流れるようになっており 一方
の端はOリング210でシールされていて、マイクロ波
アプリケーター200全体を均一に冷却するようになっ
ている。冷却媒体209としては、水、フレオン、オイ
ル、冷却空気等が好ましく用いられる。マイクロ波透過
性部材201にはマイクロ波整合用円板203a、20
3bが固定されている。外筒205には溝211の加工
されたチョークフランジ207が接続されている。ま
た、213、214は冷却空気の導入孔、及び/又は排
出孔であり、アプリケーター内部を冷却するために用い
られる。
【0214】本装置例において、内筒204の内側の形
状は円筒状であり、その内直径及びマイクロ波の進行方
向の長さは導波管としての機能を果たすように設計され
る。すなわち、その内直径は、カットオフ周波数が用い
るマイクロ波の周波数よりも小さく、且つ、複数モード
が立たない範囲で可能な限り大きく、また、長さについ
ては好ましくはその内部において定在波がたたないよう
な長さに設計されるのが望ましい。勿論、前記内筒20
4の内側の形状は角柱状であっても良い。
【0215】装置例2 本装置例では、装置例1で示した装置を隔離容器中に配
設した場合を挙げることができる。
【0216】隔離容器の形状としては、装置例1で示し
た各構成治具を内蔵できるものであれば、特に制限はな
いが、立方体状、直方体状の他円筒状等のものが好適に
用いられる。また、成膜室116と隔離容器との間に残
された空間には補助ガス導入管が設けられ、該空間での
放電防止用の圧力調整用の希ガス、H2ガス等が導入さ
れる。また、前記空間は成膜室116の排気用ポンプで
同時に排気されても良く、また、独立の排気ポンプが接
続されていても良い。
【0217】装置例3 本装置例では、装置例1において、マイクロ波アプリケ
ーターの形状を角柱状にした以外は同様の構成のものを
挙げることができる。角柱状のマイクロ波アプリケータ
ーの断面寸法は、用いる導波管の寸法と同じでも良い
し、異なっていても良い。また、用いるマイクロ波の周
波数に対して、複数モードが立たない範囲で可能な限り
大きくするのが望ましい。
【0218】装置例4 本装置例では、装置例2において、装置例3で用いた角
柱状のマイクロ波アプリケーター手段を用いた以外は同
様の構成のものを挙げることができる。
【0219】装置例5,6 本装置例では、装置例1及び2において、円筒状マイク
ロ波アプリケーター手段のかわりに、楕円柱状マイクロ
波アプリケーター手段を用いた以外は同様の構成のもの
を挙げることができる。
【0220】装置例7 本装置例では、図3に示したごとく、装置例2で示した
堆積膜形成用のマイクロ波プラズマCVD装置に帯状部
材101の送り出し及び巻き取り用の真空容器301及
び302をガスゲート321及び322を用いて接続し
た装置を挙げることができる。
【0221】なお、本装置例では図7に示した構成のガ
ス供給手段を具備しているが、勿論図8に示した構成の
ガス供給手段又はそれ以外の構成のガス供給手段を具備
しても良い。
【0222】300は距離容器、303は帯状部材の送
り出し用ボビン、304は帯状部材の巻き取り用ボピン
であり、図中矢印方向に帯状部材が搬送される。もちろ
んこれは逆転させて搬送することもできる。また、真空
容器301、302中には帯状部材の表面保護用に用い
られる合紙の巻き取り、及び送り込み手段を配設しても
良い。前記合紙の材質としては、耐熱性樹脂であるポリ
イミド系、テフロン系及びグラスウール等が好ましく用
いられる。306、307は張力調整及び帯状部材の位
置出しを兼ねた搬送用ローラーである。312、313
は帯状部材の予備加熱又は冷却用に用いられる温度調整
機構である。307、308、309は排気量調整用の
スロットルバルブ、310、311、320は排気管で
あり、それぞれ不図示の排気ポンプに接続されている。
314、315は圧力計、また、316、317はゲー
トガス導入管、318、319はゲートガス排気管であ
り、不図示の排気ポンプによりゲートガス及び/又は堆
積膜形成用原料ガスが排気される。
【0223】装置例8 本装置例では、図4に示したごとく、装置例7で示した
装置に、更に2台のマイクロ波プラズマCVD法による
堆積膜形成装置の内蔵された隔離容器300−a、30
0−bを両側に接続して、積層型デバイスを作製できる
ように構成したものを挙げることができる。接続された
2台の堆積膜形成装置にはガス導入管は夫々1本ずつ具
備されている。
【0224】なお、本装置例では隔離容器300に内蔵
され堆積膜形成装置には、図7に示した構成のガス供給
手段を具備しているが、勿論図8に示した構成のガス供
給手段又はそれ以外の構成のガス供給手段を具備しても
良い。
【0225】図中a及びbの符号をつけたものは、基本
的には隔離容器300中で用いられたものと同様の効果
を有する機構である。
【0226】401、402、403、404は各々ガ
スゲート、405、406、407、408は各々ゲー
トガス導入管、409、410、411、412は各々
ゲートガス排気管である。
【0227】装置例9,10 装置例7及び8においてマイクロ波アプリケーター20
1を装置例3又は4で用いた角柱状のマイクロ波アプリ
ケーターに変えた以外は同様の構成としたものを挙げる
ことができる。
【0228】装置例11,12 装置例7及び8においてマイクロ波アプリケーターを装
置例5又は6で用いた楕円柱状のマイクロ波アプリケー
ターに変えた以外は同様の構成としたものを挙げること
ができる。
【0229】装置例13 本装置例では図5に示したごとく、装置例7で示した装
置に、更に2台に従来法であるRFプラズマCVD装置
を両側に接続して、積層型デバイスを作製できるように
構成したものを挙げることことができる。
【0230】なお、本装置例では図7に示した構成のガ
ス供給手段を具備しているが、勿論図8に示した構成の
ガス供給手段又はそれ以外の構成のガス供給手段を具備
しても良い。
【0231】ここで、501、502は真空容器、50
3、504はRF印加用カソード電極、505、506
はガス導入管兼ヒーター、507、508は基板加熱用
ハロゲンランプ、509、510はアノード電極、51
1、512は排気管である。
【0232】装置例14,15 本装置例では、装置例1及び2で示した装置において、
比較的幅の狭い帯状部材を用いた場合として、マイクロ
波アプリケーターを成膜室の片側一方の端面のみに配設
したものを挙げることができる。ただし、この場合には
もう一方の端面にはマイクロ波漏洩防止用の金網、パン
チングボード、金属薄板等が設けられる。
【0233】その他の装置例 例えば、装置例8において、堆積膜形成用の隔離容器3
00、300−a、300−bで上述した種々の形状の
マイクロ波アプリケーターを組み合わせて取り付けた装
置。
【0234】また、装置例8で示した装置を2連又は3
連接続した装置、及び前述のRFプラズマCVD法によ
る堆積膜形成手段を混在させて接続した装置等を挙げる
ことができる。
【0235】また、装置例1又は2で示した装置におい
て、成膜室の両端面に2対又はそれ以上のマイクロ波ア
プリケーターを配設し、より大きなマイクロ波プラズマ
領域を形成させ、帯状部材の搬送送度は変えず、比較的
厚膜の機能性堆積膜を形成できるようにした装置等を挙
げることができる。
【0236】本発明の方法及び装置によって好適に製造
される半導体デバイスの一例として太陽電池が挙げられ
る。その層構成として、典型的な例を模式的に示す図を
図9乃至図12に示す。
【0237】図9に示す例は、支持体801上に下部電
極802、n型半導体層803、i型半導体層804、
p型半導体層805、透明電極806及び集電電極80
7をこの順に堆積形成した光起電力素子800である。
なお、本光起電力素子では透明電極806の側より光の
入射が行われることを前提としている。
【0238】図10に示す例は、透光性の支持体801
上に透明電極806、p型半導体層805、i型半導体
層804、n型半導体層803及び下部電極802をこ
の順に堆積形成した光起電力素子800′である。本光
起電力素子では透光性の支持体801の側より光の入射
が行われることを前提としている。
【0239】図11に示す例は、バンドギャップ及び/
又は層厚の異なる2種の半導体層をi層として用いたp
in接合型光起電力素子811、812を2素子積層し
て構成されたいわゆるタンデム型光起電力素子813で
ある。801は支持体であり、下部電極802、n型半
導体層803、i型半導体層804、p型半導体層80
5,n型半導体層808、i型半導体層809、p型半
導体層810、透明電極806及び集電電極807がこ
の順に積層形成され、本光起電力素子では透明電極80
6の側より光の入射が行われることを前提としている。
【0240】図12に示す例は、バンドギャップ及び/
又は層厚の異なる3種の半導体層をi層として用いたp
in接合型光起電力素子820、821、823を3素
子積層して構成された、いわゆるトリプル型光起電力素
子824である。801は支持体であり、下部電極80
2、n型半導体層803、i型半導体層804、p型半
導体層805,n型半導体層814、i型半導体層81
5、p型半導体層816、n型半導体層817、i型半
導体層818、p型半導体層819、透明電極806及
び集電電極807がこの順に積層形成され、本光起電力
素子では透明電極806の側より光の入射が行われるこ
とを前提としている。
【0241】なお、いずれの光起電力素子においてもn
型半導体層とp型半導体層とは目的に応じて各層の積層
順を入れ変えて使用することもできる。
【0242】以下、これらの光起電力素子の構成につい
て説明する。
【0243】支持体 本発明において用いられるし事態801は、フレキシブ
ルであって湾曲形状を形成し得る材質のものが好適に用
いられ、導電性のものであっても、また電気絶縁性のも
のであってもよい。さらには、それらは透光性のもので
あっても、また非透光性のものであってもよいが、支持
体801の側より光入射が行われる場合には、もちろん
透光性であることが必要である。
【0244】具体的には、本発明において用いられる前
記帯状部材を挙げることができ、該帯状部材を用いるこ
とにより、作製される太陽電池の軽量化、強度向上、運
搬スペースの低減等が図れる。
【0245】電極 本発明の光起電力素子においては、当該素子の構成形態
により適宜の電極が選択使用される。それらの電極とし
ては、下部電極、上部電極(透明電極)、集電電極を挙
げることができる。(ただし、ここでいう上部電極とは
光の入射側に設けられたものを示し、下部電極とは半導
体層を挟んで上部電極に対向して設けられたものを示す
こととする。) これらの電極について以下に詳しく説明する。(i)下
部電極 本発明において用いられる下部電極802としては、上
述した支持体801の材料が透光性であるか否かによっ
て、光起電力発生用の光を照射する面が異なる故(たと
えば支持体801が金属等の非透光性の材料である場合
には、第8図(A)で示したごとく透明電極806側か
ら光起電力発生用の光を照射する。)、その設置される
場所が異なる。
【0246】具体的には、図9、図11及び図12のよ
うな層構成の場合には支持体801とn型半導体層80
3との間に設けられる。しかし、支持体801が導電性
である場合には、該支持体が下部電極を兼ねることがで
きる。ただし、支持体801が導電性であってもシート
抵抗値が高い場合には、電流取り出し用の低抵抗の電極
として、あるいは支持体面での反射率を高め入射光の有
効利用を図る目的で電極802を設置してもよい。
【0247】図10の場合には透光性の支持体801が
用いられており、支持体801の側から光が入射される
ので、電流取り出し及び当該電極での光反射用の目的
で、下部電極802が支持体801と対向して半導体層
を挟んで設けられている。
【0248】また、支持体801として電気絶縁性のも
のを用いる場合には電流取り出し用の電極として、支持
体801とn型半導体層803との間に下部電極802
が設けられる。
【0249】電極材料としては、Ag、Au、Pt,N
i、Cr、Cu、Al、Ti、Zn、Mo、W等の金属
又はこれらの合金が挙げられ、これ等の金属の薄膜を真
空蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング等で形成す
る。また、形成された金属薄膜は光起電力素子の出力に
対して抵抗成分とならぬように配慮されねばならず、シ
ート抵抗値として好ましくは50Ω以下、より好ましく
は10Ω以下であることが望ましい。
【0250】下部電極802とn型半導体層803との
間に、図中には示されてはいないが、導電性酸化亜鉛等
の拡散防止層を設けても良い。該拡散防止層の効果とし
ては電極802を構成する金属元素がn型半導体層中へ
拡散するのを防止するのみならず、若干の抵抗値をもた
らせることで半導体層を挟んで設けられた下部電極80
2と透明電極806との間にピンホール等の欠陥で発生
するショートを防止すること、及び薄膜による多重干渉
を発生させ入射された光を光起電力素子内に閉じ込める
等の効果を挙げることができる。
【0251】(ii)上部電極(透明電極) 本発明において用いられる透明電極806としては太陽
や白色蛍光等からの光を半導体層内に効率良く吸収させ
るために光の透過率が85%以上であることが望まし
く、さらに、電気的には光起電力素子の出力に対して抵
抗成分とならぬようにシート抵抗値は100Ω以下であ
ることが望ましい。このような特性を備えた材料として
SnO、InO、ZnO、CdO、CdSnO、ITO
(InO+SnO)などの金属酸化物や、Au、Al、
Cu等の金属を極めて薄く半透明状に成膜した金属薄膜
等が挙げられる。透明電極は図9、図11、図12にお
いてはp型半導体層805層の上に積層され、図10に
おいては基板801の上に積層されるものであるため、
互いの密着性の良いものを選ぶことが必要である。これ
らの作製方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸
着法、スパッタリング法、スプレー法等を用いることが
でき所望に応じて適宜選択される。
【0252】(iii) 集電電極 本発明において用いられる集電電極807は、透明電極
806の表面抵抗値を低減させる目的で透明電極806
上に設けられる。電極材料としてはAg、Cr、Ni、
Al、Ag、Au、Ti、Pt、Cu、Mo、W等の金
属またはこれらの合金の薄膜が挙げられる。これらの薄
膜は積層させて用いることができる。また、半導体層へ
の光入射光量が十分に確保されるよう、その形状及び面
積が適宜設計される。
【0253】例えば、その形状は光起電力素子の受光面
に対して一様に広がり、且つ受光面積に対してその面積
は好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下で
あることが望ましい。
【0254】また、シート抵抗値としては、好ましくは
50Ω以下、より好ましくは10Ω以下であることが望
ましい。
【0255】i型半導体層 本発明によって作製される光起電力素子において好適に
用いられるi型半導体層を構成する半導体材料として
は、A−Si:H、A−Si:F、A−Si:H:F、
A−SiC:H、A−SiC:F、A−SiC:H:
F、A−SiGe:H、A−SiGe:F、A−SiG
e:H:F、poly−Si:H、poly−Si:
F、poly−Si:H:F等いわゆる4族及び4族合
金系半導体材料の他、2−6族及び3−5族のいわゆる
化合物半導体材料等が挙げられる。
【0256】中でもA−SiGe:H、A−SiGe:
F、A−SiGe:H:F、A−SiC:H、A−S
i:F、A−SiC:H:F等の所謂4族合金系半導体
をi型半導体層に用いる場合には光の入射側からの禁制
帯幅(バンドギャップ:Eg)を適宜変化させることに
より、開放電圧(Voc)、曲線因子(FF:fill
factor)が大幅に改善されることが提案されてい
る。(20th IEEE PVSC、1988、A
NOVEL DESIGN FOR AMORPHOU
S SILICON SOLARCELLS、S.Gu
ha.J.Yang et al.)図13乃至図16
にバンドギャッププロファイルの具体例を示した。図中
→印は光の入射側を表わしている。
【0257】図13に示したバンドギャッププロファイ
ルは光の入射側よりバンドギャップが一定のものであ
る。図14に示したバンドギャッププロファイルは光の
入射側のバンドギャップが狭く、徐々にバンドギャップ
が広がるタイプのものでありFFの改善に効果がある。
図15に示したバンドギャッププロファイルは光の入射
側のバンドギャップが広く、徐々にバンドギャップが狭
くなるタイプのものでありVocの改善に効果がある。
16図に示したバンドギャッププロファイルは光の入射
側のバンドギャップが広く、比較的急峻にバンドギャッ
プが狭まり、再び広がっていくタイプのものであり、図
14と図15とを組み合わせて両者の効果を同時に得る
ことができる。
【0258】本発明の方法及び装置により、例えば、A
−Si:H(Egopt =1.72eV)とA−SiG
e:H(Egopt =1.45eV)とを用いて図16
に示すバンドギャッププロファイルをもつi型半導体層
を作製することが出来る。また、A−SiC:H(Eg
opt =2.05eV)とA−Si:H(Egopt
1.72eV)とを用いて、図15に示すバンドギャッ
ププロファイルをもつi型半導体層を作製することが出
来る。
【0259】また、本発明の方法及び装置により図17
乃至図20に示すドーピングプロファイルをもつ半導体
層を作製することが出来る。図中→印は光の入射側を表
わしている。
【0260】図17はノンドープのi型半導体層のプロ
ファイルである。これに対し、図18は光の入射側のフ
ェルミレベルが価電子帯寄りで徐々にフェルミレベルが
伝導帯に寄るタイプのものであり、光発生キャリアの再
結合を防ぎ、キャリアの走行性を高めるのに効果があ
る。図19は光の入射側よりフェルミレベルが徐々に価
電子帯に寄るタイプのものであり、光の入射側にn型半
導体層を設けた場合に図18の場合と同様の効果があ
る。図20は、光の入射側よりほぼ連続的にフェルミレ
ベルが価電子帯より、伝導帯に変化しているタイプのも
のである。
【0261】これらは図13に示した光の入射側よりバ
ンドギャップが一定の場合を例示しているが、図14乃
至図16に示すバンドギャッププロファイルの場合にお
いても同様にフェルミレベルを制御することができる。
【0262】これらのバンドギャッププロファイルおよ
びフェルミレベルポロファイルの設計を適宜行うことに
より、高光電変換効率の光起電力素子を作製することが
出来る。特に、これらのプロファイルは図11乃至図1
2に示したタンデム型又はトリプル型光起電力素子のi
型半導体層に適用されるのが望ましい。
【0263】p型半導体層及びn型半導体層 本発明によって作製される光起電力素子において好適に
用いられるp型又はn型半導体層を構成する半導体材料
としては、前述したi型半導体層を構成する半導体材料
に価電子制御剤をドーピングすることによって得られ
る。
【0264】〔製造例〕以下、本発明のマイクロ波プラ
ズマCVD装置を用いての具体的製造例を示すが、本発
明はこれらの製造例によって何ら限定されるものではな
い。
【0265】製造例1 装置例7で示した連続式マイクロ波プラズマCVD装置
図3を用い、アモルファスシリコンゲルマニウムの連続
堆積を行った。
【0266】まず、基板送り出し機構を有する真空容器
301に、十分に脱脂、洗浄を行ったSUS430BA
製帯状基板(幅45cm×長さ200m×厚さ0.25
mm)の巻き付けられたボビン303をセットし、該基
板101をガスゲート321及び隔離容器300中の搬
送機構を介して、更にガスゲート322を介し、基板巻
き取り機構を有する真空容器302まで通し、たるみの
ない程度に張力調整を行った。
【0267】そこで、各真空容器301、302及び隔
離容器300を不図示のロータリポンプで荒引きし、次
いで不図示のメカニカルブースターポンプを起動させ1
-3Torr付近まで真空引きした後、更に温度制御機
構106a、106bを用いて、帯状部材の表面温度を
280℃に保持しつつ、不図示の油拡散ポンプ(バリア
ン製HS−32)にて5×10-6Torr以下まで真空
引きした。
【0268】なお、マイクロ波アプリケーターの形状、
及び湾曲形状、ガス導入管の配置等の条件を第7表に示
した。また、ガス供給手段としては第7図(A)に示す
構成の3本のガス導入管があるタイプのものを用いた。
【0269】十分に脱ガスが行われた時点で、第8表に
示す条件で夫々のガス導入管より、堆積膜形成用原料ガ
スを導入し、前記油拡散ポンプに取り付けられたスロッ
トルバルブの開度を調整して隔離容器300内の圧力を
8mTorrに保持した。圧力が安定したところで、不
図示の2.45GHz仕様のマイクロ波電源より、実効
パワーで0.05kW×2のマイクロ波をアプリケータ
ー107、108より成膜室内に放射させた。直ちに導
入された原料ガスはプラズマ化し、プラズマ領域を形成
し、該プラズマ領域は支持・搬送用ローラー102、1
03の間隔より隔離容器側に漏れ出ることはなかった。
また、マイクロ波の漏れも検出されなかった。
【0270】そこで、支持・搬送用ローラー102、1
03及び支持・搬送用リング104、105(いずれも
駆動機構は不図示)を起動し、前記基板101の搬送ス
ピードが30cm/minとなるように制御した。
【0271】なお、ガスゲート321、322にはゲー
トガス導入管316、317よりゲートガスとしてH2
ガスを50sccm流し、排気孔318、318より不
図示の油拡散ポンプで排気し、ガスゲート内圧は1mT
orrとなるように制御した。
【0272】搬送を開始してから30分間、連続して堆
積膜の形成を行った。なお、長尺の基板を用いているた
め、本製造例の終了後、引き続き他の堆積膜の形成を実
施し、すべての堆積終了後、基板を冷却して取り出し、
本製造例において形成された基板上の堆積膜膜厚分布を
幅方向及び長手方向について測定したところ5%以内に
納まっており、堆積速度は平均54Å/secであっ
た。
【0273】堆積膜の形成された基板の一部を任意に6
ケ所切り出し、SIMS(CAMECA社製ims−3
f)を用い堆積膜の深さ方向の組成分析を行った所、夫
々図21に示すデプスプロファイルが得られ、ほぼ図1
4に示すバンドギャッププロファイルが形成されている
ことが判かった。また、金属中水素分析計(EMGA−
1100、堀場製作所製)を用いて膜中全水素量を定量
したところ16±2atomic%であった。
【0274】製造例2 製造例1において実施した堆積膜形成工程にひき続き、
用いた原料ガスの導入を止め、隔離容器300の内圧を
5×10Torr以下まで真空引きした後、第9表に示
す条件で夫々のガス導入管より堆積膜形成用原料ガスを
導入し、内圧を9mTorrに保持し、マイクロ波電力
を0.55kW×2とし、搬送速度を3cm/minと
した以外は同様の条件で堆積膜を連続形成した。
【0275】本製造例及び他の製造例終了後、基板を冷
却して取り出し、本製造例において形成された堆積膜の
膜厚分布を幅方向及び長手方向について測定したとこ
ろ、5%以内に納まっており、堆積速度は平均62Å/
secであった。
【0276】堆積膜の形成された基板の一部を任意に6
ケ所切り出し、SIMS(CAMECA社製ims−3
f)を用い堆積膜の深さ方向の組成分析を行った所、夫
々図22に示すデプスプロファイルが得られ、ほぼ図1
6に示すバンドギャッププロファイルが形成されている
ことが判かった。また、金属中水素分析計(EMGA−
1100、堀場製作所製)を用いて膜中全水素量を定量
したところ17±2atomic%であった。
【0277】製造例3 製造例1において実施した堆積膜形成工程にひき続き、
用いた原料ガスの導入を止め、隔離容器300の内圧を
5×10-6Torr以下まで真空引きした後、第10表
に示す条件で夫々のガス導入管より堆積膜形成用原料ガ
スを導入し、内圧を18mTorrに保持し、マイクロ
波電力を1.0kW×2とし、搬送速度を30cm/m
inとした以外は同様の条件で堆積膜を連続形成した。
【0278】本製造例及び他の製造例終了後、基板を冷
却して取り出し、本製造例において形成された堆積膜の
膜厚分布を幅方向及び長手方向について測定したとこ
ろ、5%以内に納まっており、堆積速度は平均51Å/
secであった。
【0279】堆積膜の形成された基板の一部を任意に6
ケ所切り出し、SIMS(CAMECA社製ims−3
f)を用い堆積膜の深さ方向の組成分析を行った所、夫
々図23に示すデプスプロファイルが得られ、ほぼ図1
5に示すバンドギャッププロファイルが形成されている
ことが判かった。また、金属中水素分析計(EMGA−
1100、堀場製作所製)を用いて膜中全水素量を定量
したところ15±2atomic%であった。
【0280】製造例4 製造例1において実施した堆積膜形成工程と同様に隔離
容器300の内圧を5×10Torr以下まで真空引き
した後、第11表に示す条件で夫々のガス導入管より堆
積膜形成用原料ガスを導入し、内圧を8mTorrに保
持し、マイクロ波電力を0.85kW×2とし、搬送速
度を60cm/minとした以外は同様の条件で堆積膜
を形成した。
【0281】なお、本製造例においては、ガス供給手段
を図8に示す構成のものを用いた。ガス導入管703a
及び703bは成膜室の中心から左右に2cmの所に配
置し、ステンレス製のガス整流板は成膜室下部の間隔の
中心より成膜室の中心から1cm上部の所まで配置され
ている。
【0282】本製造例及び他の製造例終了後、基板を冷
却して取り出し、本製造例において形成された堆積膜の
膜厚分布を幅方向及び長手方向について測定したとこ
ろ、5%以内に納まっており、堆積速度は平均122Å
/secであった。
【0283】堆積膜の形成された基板の一部を任意に6
ケ所切り出し、SIMS(CAMECA社製ims−3
f)を用い堆積膜の深さ方向の組成分析を行った所、夫
々図24に示すデプスプロファイルが得られ、ほぼ図1
8に示すドーピングプロファイルが形成されていること
が判った。また、金属中水素分析計(EMGA−110
0、堀場製作所製)を用いて膜中全水素量を定量したと
ころ19±2atomic%であった。
【0284】製造例5 本製造例においては、図9の断面模式図に示す層構成の
pin型光起電力素子を図4に示す装置を用いて作製し
た。
【0285】該光起電力素子は、基板801上に下部電
極802、n型半導体層803、図16に示すバンドギ
ャッププロファイルを有するi型半導体層804、p型
半導体層805、透明電極806及び集電電極807を
この順に堆積形成した光起電力素子800である。な
お、本光起電力素子では透明電極806の側より光の入
射が行われることを前提としており、i型半導体層80
4のハンドギャッププロファイルは図16となるように
した。
【0286】まず、製造例1で用いたのと同様のSUS
430BA製帯状基板を連続スパッタ装置にセットし、
Ag(99.99%)電極をターゲットとして用いて1
000ÅのAg薄膜を、また連続してZnO(99.9
99%)電極をターゲットとして用いて1.2μmのZ
nOの薄膜をスパッタ蒸着し、下部電極802を形成し
た。
【0287】ひき続き、該下部電極802の形成された
帯状基板を図4で示した連続堆積膜形成装置に、製造例
1で行ったのと同様の要領でセットした。この時の隔離
容器300内における基板の湾曲形状等の条件を第12
表に示す。また、第13表に示す条件で夫々のガス導入
管より堆積膜形成用原料ガスを導入した。
【0288】また、隔離容器300−a、300−bに
おいては、第14表に示す堆積膜形成条件でn型a−S
i:H:F膜及びp+型μc−Si:H:F膜の形成を
行った。
【0289】まず、各々の成膜室内でマイクロ波プラズ
マを生起させ、放電等が安定したところで帯状部材10
1を搬送スピード55cm/minで図中左側から右側
方向へ搬送させ、連続してn、i、p型半導体層を積層
形成した。
【0290】帯状部材101の全長に亘って半導体層を
積層形成した後、冷却後取り出し、更に、連続モジュー
ル化装置にて35cm×70cmの太陽電池モジュール
を連続作製した。
【0291】作製した太陽電池モジュールについて、A
M1.5(100mW/cm2)光照射下にて特性評価
を行ったところ、光電変換効率で7.6%以上が得ら
れ、更にモジュール間の特性のバラツキは5%以内に納
まっていた。
【0292】また、AM1.5(100mW/cm2
光の500時間連続照射後の光電変換効率の初期値に対
する変化率を測定したところ9.5%以内に納まった。
【0293】これらのモジュールを接続して5kWの電
力供給システムを作製することができた。
【0294】製造例6 本製造例では、製造例5で作製したpin型光起電力素
子において、i型半導体層としてのa−SiGe:H:
F膜のかわりに図15に示すバンドギャッププロファイ
ルを有するA−SiC:H:F膜を用いた例を示す。
【0295】A−SiC:H:F膜は、第15表に示す
条件で夫々のガス導入管より堆積膜形成用原料ガスを導
入し、帯状部材の表面温度を270℃、内圧を18mT
orrに保持し、マイクロ波電力を1.2kW×2とし
て形成した。そして、搬送速度を50cm/minとし
た以外は製造例5で行ったのと同様の操作及び方法で他
の半導体層の形成及びモジュール化を行い、太陽電池モ
ジュールを作製した。
【0296】作製した太陽電池モジュールについて、A
M1.5(100mW/cm2)光照射下にて特性評価
を行ったところ、光電変換効率で6.9%以上が得ら
れ、更にモジュール間の特性のバラツキは5%以内に納
まっていた。
【0297】また、AM1.5(100mW/cm2
光の500時間連続照射後の光電変換効率の初期値に対
する変化率を測定したところ9.5%以内に納まった。
【0298】これらのモジュールを接続して5kWの電
力供給システムを作製することができた。
【0299】製造例7 本製造例では、製造例5で作製したpin型光起電力素
子において、i型半導体層としてのA−SiGe:H:
F膜のかわりに図18に示すフェルミレベルプロファイ
ルを有するA−Si:H:F膜を用いた例を示す。
【0300】A−Si:H:F膜は、第16表に示す条
件で夫々のガス導入管より堆積膜形成用原料ガスを導入
し、帯状部材の表面温度を270℃、内圧を8mTor
rに保持し、マイクロ波電力を0.65kW×2として
形成した。そして、搬送速度を50cm/minとした
以外は製造例5で行ったのと同様の操作及び方法で他の
半導体層の形成及びモジュール化を行い、太陽電池モジ
ュールを作製した。
【0301】作製した太陽電池モジュールについて、A
M1.5(100mW/cm2)光照射下にて特性評価
を行ったところ、光電変換効率で8.6%以上が得ら
れ、更にモジュール間の特性のバラツキは5%以内に納
まっていた。
【0302】また、AM1.5(100mW/cm2
光の500時間連続照射後の光電変換効率の初期値に対
する変化率を測定したところ9.5%以内に納まった。
【0303】これらのモジュールを接続して5kWの電
力供給システムを作製することができた。
【0304】製造例8 本製造例では、図11に示す層構成の光起電力素子を作
製した。作製にあたっては、図4に示す装置において隔
離容器300−a、300、300−bと同様の構成の
隔離容器300−a′、300′、300−b′をこの
順でガスゲートを介して更に接続させた装置(不図示)
を用いた。
【0305】なお、帯状部材としては製造例1で用いた
のと同様の材質及び処理を行ったのを用い、下部セルは
製造例5で、上部セルは製造例7で作製したのと同様の
層構成とし、また、各半導体層の作製条件は帯状部材の
表面温度を帯状部材側より270℃、270℃、260
℃、260℃、250℃、240℃とした以外は各製造
例の場合と同様とした。モジュール化工程は製造例5と
同様の操作及び方法で行い、太陽電池モジュールを作製
した。
【0306】作製した太陽電池モジュールについて、A
M1.5(100mW/cm)光照射下にて特性評価を
行ったところ、光電変換効率で10.5%以上が得ら
れ、更にモジュール間の特性のバラツキは5%以内に納
まっていた。
【0307】また、AM1.5(100mW/cm)光
の500時間連続照射後の光電変換効率の初期値に対す
る変化率を測定したところ9%以内に納まった。
【0308】これらのモジュールを接続して5kWの電
力供給システムを作製することができた。
【0309】製造例9 本製造例では、図11に示す層構成の光起電力素子を作
製した。作製にあたっては、第4図に示す装置において
隔離容器300−a、300、300−bと同様の構成
の隔離容器を300−a′、300′、300−b′を
この順でガスゲートを介して更に接続させた装置(不図
示)を用いた。
【0310】なお、帯状部材としては製造例1で用いた
のと同様の材質及び処理を行ったものを用い、下部セル
は製造例7で、上部セルは製造例6で作製したのと同様
の層構成とし、また、各半導体層の作製条件は帯状部材
の表面温度を帯状部材側より260℃、250℃、25
0℃、240℃、240℃、230℃とした以外は各製
造例の場合と同様とした。モジュール化工程は製造例5
と同様の操作及び方法で行い、太陽電池モジュールを作
製した。
【0311】作製した太陽電池モジュールについて、A
M1.5(100mW/cm2)光照射下にて特性評価
を行ったところ、光電変換効率で10.4%以上が得ら
れ、更にモジュール間の特性のバラツキは5%以内に納
まっていた。
【0312】また、AM1.5(100mW/cm)光
の500時間連続照射後の光電変換効率の初期値に対す
る変化率を測定したところ9%以内に納まった。
【0313】これらのモジュールを接続して5kWの電
力供給システムを作製することができた。
【0314】製造例10 本製造例では、図12に示す層構成の光起電力素子を作
製した。作製にあたっては、第4図に示す装置において
隔離容器300−a、300、300−bと同様の構成
の隔離容器300−a′、300′、300−b′、3
00−a″、300″、300−b″をこの順でガスゲ
ートを介して更に接続させた装置(不図示)を用いた。
なお、帯状部材としては製造例1で用いたのと同様の材
質及び処理を行ったものを用い、下部セルは製造例5
で、中間セルは製造例7、上部セルは製造例6で作製し
たのと同様の層構成とし、各半導体層の堆積膜作製条件
は第17表乃至第18表に示した。モジュール化工程は
製造例5と同様の操作及び方法で行い、太陽電池モジュ
ールを作製した。
【0315】作製した太陽電池モジュールについて、A
M1.5(100mW/cm2)光照射下にて特性評価
を行ったところ、光電変換効率で10.7%以上が得ら
れ、更にモジュール間の特性のバラツキは5%以内に納
まっていた。
【0316】また、AM1.5(100mW/cm2
光の500時間連続照射後の光電変換効率の初期値に対
する変化率を測定したところ8.5%以内に納まった。
【0317】これらのモジュールを接続して3kWの電
力供給システムを作製することができた。
【0318】
【表1】
【0319】
【表2】
【0320】
【表3】
【0321】
【表4】
【0322】
【表5】
【0323】
【表6】
【0324】
【表7】
【0325】
【表8】
【0326】
【表9】
【0327】
【表10】
【0328】
【表11】
【0329】
【表12】
【0330】
【表13】
【0331】
【表14】
【0332】
【表15】
【0333】
【表16】
【0334】
【表17】
【0335】
【表18】
【0336】
【発明の効果】本発明の方法によれば、成膜空間の側壁
を構成する帯状部材を連続的に移動せしめると共に、該
成膜空間内に組成の異なる2種以上の堆積膜形成用原料
ガスを、夫々複数のガス供給手段を介して別々に導入
し、前記成膜空間の側壁を構成する帯状部材の幅方向、
且つマイクロ波の進行方向に対して平行な方向にマイク
ロ波エネルギーを放射せしめるマイクロ波アプリケータ
ー手段よりマイクロ波エネルギーを放射し、前記成膜空
間内にマイクロ波プラズマを閉じ込めることによって、
大面積の組成制御される機能性堆積膜を連続して、再現
性よく形成することができる。
【0337】また、本発明の方法及び装置により連続し
て移動する帯状部材上に任意のバンドギャッププロファ
イル及びドーピングプロファイルを有する機能性堆積膜
を効率よく、連続して形成できる。
【0338】本発明の方法及び装置により、マイクロ波
プラズマを前記成膜空間内に閉じ込めることにより、マ
イクロ波プラズマの安定性、再現性が向上すると共に堆
積膜形成用原料ガスの利用効率を飛躍的に高めることが
できる。更に、前記帯状部材を連続して搬送させること
によって、湾曲の形状、長さ、及び搬送スピードを種々
変化させることによって任意の組成分布及び膜厚の堆積
膜を大面積に亘り均一性よく、連続して堆積形成でき
る。
【0339】本発明の方法及び装置によれば、比較的幅
広で、且つ長尺の帯状部材の表面上に連続して均一性よ
く組成制御された機能性堆積膜を形成できる。従って、
特に高効率の大面積太陽電池の量産機として好適に用い
ることができる。
【0340】また、放電を止めることなく、連続して堆
積膜が形成できるため、積層型デバイス等を作製すると
きには良好な界面特性が得られる。
【0341】また、低圧下での堆積膜形成が可能とな
り、ポリシラン粉の発生を抑えられ、また、活性種のポ
リマリゼーション等も抑えられるので欠陥の減少及び、
膜特性の向上、膜特性の安定性の向上等が図れる。
【0342】従って、稼動率、歩留まりの向上が図れ、
安価で高効率の太陽電池を量産化することが可能とな
る。
【0343】更に、本発明の方法及び装置によって作製
された太陽電池は光電変換効率が高く、且つ、長期に亘
って特性劣化の少ないものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ波プラズマCVD装置の模式
的概略図である。
【図2】本発明のマイクロ波アプリケーター手段の概略
図である。
【図3】本発明の連続式マイクロ波プラズマCVD装置
の一例の全体概略図である。
【図4】本発明の連続式マイクロ波プラズマCVD装置
の一例の全体概略図である。
【図5】本発明の連続式マイクロ波プラズマCVD装置
の一例の全体概略図である。
【図6】本発明における方形導波管の取付け角度を説明
するための断面模式図である。
【図7】本発明の装置におけるガス導入管の配置を示す
為の模式的側断面図である。
【図8】本発明の装置におけるガス導入管の配置を示す
為の模式的側断面図である。
【図9】本発明において作製されるpin型光起電力素
子の断面模式図である。
【図10】本発明において作製されるpin型光起電力
素子の断面模式図である。
【図11】本発明において作製されるpin型光起電力
素子の断面模式図である。
【図12】本発明において作製されるpin型光起電力
素子の断面模式図である。
【図13】本発明によって形成される堆積膜のバンドギ
ャッププロファイルを説明するための図である。
【図14】本発明によって形成される堆積膜のバンドギ
ャッププロファイルを説明するための図である。
【図15】本発明によって形成される堆積膜のバンドギ
ャッププロファイルを説明するための図である。
【図16】本発明によって形成される堆積膜のバンドギ
ャッププロファイルを説明するための図である。
【図17】本発明によって形成される堆積膜のドーピン
グプロファイルを説明するための図である。
【図18】本発明によって形成される堆積膜のドーピン
グプロファイルを説明するための図である。
【図19】本発明によって形成される堆積膜のドーピン
グプロファイルを説明するための図である。
【図20】本発明によって形成される堆積膜のドーピン
グプロファイルを説明するための図である。
【図21】本発明の製造例にて形成された堆積膜成分元
素のデプスプロファイルを示す図である。
【図22】本発明の製造例にて形成された堆積膜成分元
素のデプスプロファイルを示す図である。
【図23】本発明の製造例にて形成された堆積膜成分元
素のデプスプロファイルを示す図である。
【図24】本発明の製造例にて形成された堆積膜成分元
素のデプスプロファイルを示す図である。
【図25】本発明におけるガスゲート手段の圧力勾配を
模式的に示した図である。
【図26】本発明におけるガスゲート手段の圧力勾配を
模式的に示した図である。
【符号の説明】
101 帯状部材 102、103 搬送用ローラー 104、105 搬送用リング 106a〜e 温度制御機構 107、108 マイクロ波アプリケーター 109、110 マイクロ波透過性部材 111、112 方形導波管 113a,b,c、703a,b ガス導入管 114 排気管 115a,b 隔離通路 116 成膜室 200 マイクロ波アプリケーター 201、202 マイクロ波透過性部材 203a,b マイクロ波整合用円板 204 内筒、205 外筒 206 固定用リング 207 チョークフランジ 208 方形導波管 209 冷却媒体 210 Oリング 211 溝 212 メタルシール 213、214 冷却空気導入・排気孔 301、302、501、502 真空容器 303 送り出し用ボビン 304 巻き取り用ボビン 305、306 搬送用ローラー 307、308、309 スロットルバルブ 310、311、318、319、320 排気孔 312、313 温度調整機構 314、315 圧力計 316、317、405、406、407、408 ゲ
ートガス導入管 321、322、401、402、403、404 ガ
スゲート 409、410、411、412 ゲートガス排気管 503、504 カソード電極 505、506 ガス導入管 507、508 ハロゲンランプ 509、510 アノード電極 511、512 排気孔 701a,b,c、704a,b ガス放出口 702 ガス整流板 801 支持体 802 下部電極 803、808、814、817 n型半導体層 804、809、815、818 i型半導体層 800、800′、811、812、820、821、
823 pin接合型光起電力素子 805、810、816、819 p型半導体層 806 上部電極 807 集電電極 813 タンデム型光起電力素子 824 トリプル型光起電力素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 31/04 H01L 31/04 V (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/205 C23C 16/50 C23C 16/54 H01L 21/285 H01L 21/31 H01L 21/04

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長手方向に帯状部材を連続的に移動せし
    めながら、その中途で前記移動する帯状部材を側壁とす
    る柱状の成膜空間を形成し、該成膜空間内に組成の異な
    る少なくとも2種以上の堆積膜形成用原料ガスの夫々を
    複数のガス供給手段を介して別々に導入し、同時に、マ
    イクロ波エネルギーをマイクロ波の進行方向に対して平
    行な方向に放射させるようにしたマイクロ波アプリケー
    ター手段より、該マイクロ波エネルギーを放射させてマ
    イクロ波プラズマを前記成膜空間内で生起せしめ、該マ
    イクロ波プラズマに曝される前記側壁を構成し連続的に
    移動する前記帯状部材の表面上に組成制御された堆積膜
    を形成せしめることを特徴とするマイクロ波プラズマC
    VD法により大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する
    方法。
  2. 【請求項2】 前記移動する帯状部材の中途において、
    湾曲開始端形成手段と湾曲終了端形成手段とを用いて、
    前記湾曲開始端形成手段と前記湾曲終了端形成手段との
    間に前記帯状部材の長手方向に間隙を残して該帯状部材
    を湾曲させて前記成膜空間の側壁を形成する請求項1に
    記載の大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法。
  3. 【請求項3】 前記帯状部材を側壁として形成される柱
    状の成膜空間の両端面のうち、片側又は両側に配設され
    る、少なくとも1つ以上の前記マイクロ波アプリケータ
    ー手段を介して、前記マイクロ波エネルギーを前記成膜
    空間内に放射させる請求項1に記載の大面積の機能性堆
    積膜を連続的に形成する方法。
  4. 【請求項4】 前記マイクロ波アプリケーター手段を前
    記端面に垂直方向に配設し、前記マイクロ波エネルギー
    を前記側壁と平行な方向に放射させる請求項3に記載の
    大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法。
  5. 【請求項5】 前記マイクロ波エネルギーを前記マイク
    ロ波アプリケーター手段の先端部分に設けられたマイク
    ロ波透過性部材を介して放射させるようにする請求項1
    に記載の大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方
    法。
  6. 【請求項6】 前記マイクロ波透過性部材にて、前記マ
    イクロ波アプリケーター手段と、前記成膜空間との気密
    を保持させるようにする請求項5に記載の大面積の機能
    性堆積膜を連続的に形成する方法。
  7. 【請求項7】 前記マイクロ波アプリケーター手段を、
    前記両端面において互いに対向して配設させる場合に
    は、一方のマイクロ波アプリケーター手段より放射され
    るマイクロ波エネルギーが他方のマイクロ波アプリケー
    ター手段にて受信されないように配置する請求項3に記
    載の大面積の機能性堆積膜を連続的に形成する方法。
  8. 【請求項8】 前記柱状の成膜空間内に放射されたマイ
    クロ波エネルギーが、前記成膜空間外へ漏洩しないよう
    にする請求項1に記載の大面積の機能性堆積膜を連続的
    に形成する方法。
  9. 【請求項9】 前記ガス供給手段を各々前記側壁を構成
    する帯状部材の幅方向と平行に配設し、前記堆積膜形成
    用原料ガスを、近接する該帯状部材に向けて一方向に放
    出させるようにする請求項1に記載の大面積の機能性堆
    積膜を連続的に形成する方法。
  10. 【請求項10】 前記成膜空間内に導入された堆積膜形
    成用原料ガスを、前記湾曲開始端形成手段と前記湾曲終
    了端形成手段との間で前記帯状部材の長手方向に残され
    た間隙より排気するようにする請求項1に記載の大面積
    の機能性堆積膜を連続的に形成する方法。
  11. 【請求項11】 前記帯状部材の少なくとも一方の面に
    は導電処理を施すようにする請求項1に記載の大面積の
    機能性堆積膜を連続的に形成する方法。
  12. 【請求項12】 連続して移動する帯状部材上にマイク
    ロ波プラズマCVD法により機能性堆積膜を連続的に形
    成する装置であって、前記帯状部材をその長手方向に連
    続的に移動させながら、その中途で湾曲させるための湾
    曲部形成手段を介して、前記帯状部材を側壁にして形成
    され、その内部を実質的に真空に保持し得る柱状の成膜
    室を有し、前記成膜室内にマイクロ波プラズマを生起さ
    せるための、マイクロ波エネルギーをマイクロ波の進行
    方向に対して平行な方向に放射させるようにしたマイク
    ロ波アプリケーター手段と、前記成膜室内を排気する排
    気手段と、前記成膜室内に堆積膜形成用原料ガスを導入
    するための少なくとも2つ以上のガス供給手段と、前記
    帯状部材を加熱及び/又は冷却するための温度制御手段
    とを備えていて、前記連続的に移動する帯状部材の前記
    マイクロ波プラズマに曝される側の表面上に組成制御さ
    れた堆積膜を形成するようにしたことを特徴とする機能
    性堆積膜の連続形成装置。
  13. 【請求項13】 前記湾曲部形成手段を、少なくとも一
    組以上の、湾曲開始端形成手段と湾曲終了端形成手段と
    で構成し、前記湾曲開始端形成手段と前記湾曲終了端形
    成手段とを、前記帯状部材の長手方向に間隙を残して配
    設する請求項12に記載の機能性堆積膜の連続形成装
    置。
  14. 【請求項14】 前記湾曲部形成手段が、少なくとも一
    対の支持・搬送用ローラーと支持・搬送用リングとで構
    成され、前記一対の支持・搬送用ローラーは前記帯状部
    材の長手方向に間隙を残して平行に配設されている請求
    項13に記載の機能性堆積膜の連続形成装置。
  15. 【請求項15】 前記帯状部材を側壁として形成される
    柱状の成膜室の両端面のうち片側又は両側に、少なくと
    も1つ以上の前記マイクロ波アプリケーター手段を配設
    する請求項12に記載の機能性堆積膜の連続形成装置。
  16. 【請求項16】 前記マイクロ波アプリケーター手段を
    前記端面に垂直方向に配設する請求項15に記載の機能
    性堆積膜の連続形成装置。
  17. 【請求項17】 前記マイクロ波アプリケーター手段の
    先端部分には、前記成膜室と前記マイクロ波アプリケー
    ター手段との気密分離を行い、かつ、前記マイクロ波ア
    プリケーターから放射されるマイクロ波エネルギーを前
    記成膜室内へ透過せしめるマイクロ波透過性部材が配設
    される請求項12に記載の機能性堆積膜の連続形成装
    置。
  18. 【請求項18】 前記帯状部材の少なくとの一方の面に
    導電性処理が施される請求項12に記載の機能性堆積膜
    の連続形成装置。
  19. 【請求項19】 前記マイクロ波アプリケーター手段に
    は方形及び/又は楕円導波管を介してマイクロ波エネル
    ギーが伝送される請求項15に記載の機能性堆積膜の連
    続形成装置。
  20. 【請求項20】 前記マイクロ波アプリケーター手段を
    前記成膜室の両端面において互いに対向して配設させる
    場合には、前記マイクロ波アプリケーター手段に接続さ
    れる前記方形及び/又は楕円導波管の長辺を含む面同
    志、長軸を含む面同志、又は長辺を含む面と長軸を含む
    面同志が互いに平行とならないよう配設する請求項19
    に記載に機能性堆積膜の連続形成装置。
  21. 【請求項21】 前記方形及び/又は楕円導波管の長辺
    を含む面及び/又は長軸を含む面と、前記一対の支持搬
    送用ローラーの中心軸を含む面となす角度が垂直となら
    ないよう配設する請求項20に記載の機能性堆積膜の連
    続形成装置。
  22. 【請求項22】 前記ガス供給手段を各々前記側壁を構
    成する帯状部材の幅方向と平行に配設する請求項12に
    記載の機能性堆積膜の連続形成装置。
  23. 【請求項23】 前記ガス供給手段には近接する前記側
    壁を構成する帯状部材に向けられたガス放出孔を配設す
    る請求項22に記載の機能性堆積膜の連続形成装置。
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