JP2962294B2 - インクジェットプリンタの駆動方法 - Google Patents

インクジェットプリンタの駆動方法

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JP2962294B2
JP2962294B2 JP31236097A JP31236097A JP2962294B2 JP 2962294 B2 JP2962294 B2 JP 2962294B2 JP 31236097 A JP31236097 A JP 31236097A JP 31236097 A JP31236097 A JP 31236097A JP 2962294 B2 JP2962294 B2 JP 2962294B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶媒にインクを定量
混合して吐出するインクジェットプリンタの駆動方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の中間調記録が可能な2液混合方式
のインクジェットプリントヘッドとしては、発熱体の上
面で2液を混合するオンデマンド型熱インクジェットヘ
ッドと、吐出部内で2液を混合するコンティニアス型電
荷制御インクジェットヘッドなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のインクジェットプリントヘッドでは、いずれも不
必要時に2液が混合することを防止する機能は完全では
なく、2液が混合部において常時接している。このた
め、動作開始時に正確な混合割合の混合液を作成するこ
とが困難となり、それまでに混合部内で混合してしまっ
た混合液を、ダミーとして一度吐出しなければならなか
った。また、両液が常時接していることで、それぞれの
液が長期的な化学的、物理的反応を起こしやすく、両液
の特性が変化しやすかった。この結果、印字に際して濃
度制御が不安定になりやすく、印字品質が低下するとい
う問題があった。
【0004】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、インク吐出孔から押し出されたインクを前記
溶媒吐出孔から吐出された溶媒に前記各吐出孔外で確実
に接触させることができ、2液の混合によりドット単位
での濃度階調を良好に得ることができるインクジェット
プリンタの駆動方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、インクを吐出
するインク吐出孔と溶媒を吐出する溶媒吐出孔とが近接
して配置され、前記インク吐出孔から押し出されたイン
クと前記溶媒吐出孔から吐出された溶媒とが前記各吐出
孔外で接触した後に、前記インクと前記溶媒とが吐出さ
れるインクジェットプリンタの駆動方法において、イン
クを押し出すための電圧印加の終了後に溶媒を吐出する
ための電圧印加が終了することを特徴とする。
【0006】また、本発明は、インクを吐出するインク
吐出孔と溶媒を吐出する溶媒吐出孔とが近接して配置さ
れ、前記インク吐出孔から押し出されたインクと前記溶
媒吐出孔から吐出された溶媒とが前記各吐出孔端面上で
接触した後に、前記インクと前記溶媒とが吐出されるイ
ンクジェットプリンタの駆動方法において、インクを押
し出すための電圧印加終了後に溶媒を吐出するための電
圧印加が終了することを特徴とする。
【0007】本発明に係るインクジェットプリンタの駆
動方法では、例えば、インクを押し出すための電圧印加
終了後に溶媒を吐出するための電圧印加が開始する。
【0008】また、本発明に係るインクジェットプリン
タの駆動方法では、例えば、前記インクを押し出すため
の電圧印加終了後に溶媒を吐出するための電圧印加が開
始するまでの時間が、インク押し出し量に拘わらず一定
である。
【0009】また、本発明に係るインクジェットプリン
タの駆動方法では、例えば、溶媒を吐出するための電圧
印加の終了後に、次のインクを押し出すための電圧印加
が開始する。
【0010】また、本発明に係るインクジェットプリン
タの駆動方法では、例えば、溶媒を吐出するための電圧
印加が終了してから次のインクを押し出すための電圧印
加が開始するまでの時間が、インク押し出し量に応じて
変化する。
【0011】また、本発明に係るインクジェットプリン
タの駆動方法では、例えば、溶媒を吐出するための電圧
印加が終了してから次のインクを押し出すための電圧印
加が開始するまでの時間に、前記溶媒の再充填が行われ
る。
【0012】さらに、本発明に係るインクジェットプリ
ンタの駆動方法では、例えば、溶媒を吐出するための電
圧印加が終了してから次のインクを押し出すための電圧
印加が開始するまでの時間が、前記溶媒の再充填に要す
る時間よりも長い。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
【0014】本発明は、例えば図14乃至図17に示す
ような構成のインクジェットプリンタに適用される。
【0015】図14はドラム回転型のインクジェットプ
リンタの構成例を示している。被印刷物としてのプリン
ト紙52はドラム53の外周に巻回され、所定位置に固
定されている。ドラム53の外周には送りネジ54がド
ラム軸方向に平行に設けられており、送りネジ54には
ヘッド51が螺合している。そして、送りネジ54の回
転によって、ヘッド51が軸方向に移動するようになっ
ている。また、ドラム53はプーリ55,ベルト56,
プーリ57を介してモータ58により回転駆動される。
さらに、送りネジ54及びモータ58の回転とヘッド5
1の駆動とは、駆動制御部59により印画データ及び制
御信号60に基づいて駆動制御される。
【0016】上記の構成において、ドラム53が回転す
ると、その回転に同期してヘッド51からインクが吐出
され、プリント紙52上に画像が形成される。ドラム5
3が1回転してプリント紙52上に円周方向に1列の印
刷が完了すると、送りネジ54が回転してヘッド51を
1列分移動させ、次の列の印刷を行う。この場合、ドラ
ム53と送りネジ54を同時に回転させ、印刷しながら
ヘッド51を徐々に移動させる方法もある。マルチノズ
ルヘッドの場合や同じ場所を何度か印字するような構成
の場合はステップ送りが適するが、単ノズルやマルチノ
ズルでも本数が少ない場合は、ドラム53と送りネジ5
4とを連動して同時に回転させながら、スパイラル状の
印字を行う。
【0017】図15はシリアル型のインクジェットプリ
ンタの構成例を示している。この場合も図14に示すド
ラム回転型の場合とほぼ同様の構成であるが、プリント
紙52はドラム53に巻回されておらず、軸方向に平行
に設けられた紙圧着ローラ61により、ドラム53に圧
着保持されている。この場合はヘッド51が移動して1
行の印字を行うと、ドラム53を1行分だけ回転させて
次の行の印字を行う。ヘッド51の移動は同一方向の場
合と往復方向の場合とがある。
【0018】図16はライン型のインクジェットプリン
タの構成例を示している。この場合は、図15に示すシ
リアル型のヘッド51及び送りネジ54の代わりに、多
数のヘッド51がライン状に配置されたラインヘッド6
2が軸方向に固定して設けられている。この構成では、
ラインヘッド62で1ライン分の印字が同時に行われ、
印字が完了するとドラム53を1ライン分だけ回転させ
て次のラインの印字を行う。この場合、全ラインを一括
して印字したり、複数ブロックに分割したり、1ライン
おきに交互に印字する方法も考えられる。
【0019】図17は印字及び制御系の構成を示すブロ
ック図である。印字データなどの信号71は信号処理・
制御回路72に入力され、この信号処理・制御回路72
において印字順番に揃えられて、ドライバ73を介して
ヘッド74に送られる。印字順番はヘッドや印字部の構
成で異なり、また印字データの入力順番との関係もあ
り、必要に応じてラインバッファメモリや1画面メモリ
などのメモリ75に一旦記録してから取り出す。ヘッド
74には階調信号や吐出信号を出力する。
【0020】なお、マルチヘッドでノズル数が非常に多
い場合は、ヘッド74にICを搭載してヘッド74に接
続する配線数を減らすようにする。また、信号処理・制
御回路72には補正回路76が接続されており、γ補
正、カラーの場合の色補正や各ヘッドのばらつき補正な
どを行う。補正回路76には予め決められた補正データ
をROMマップ型式で格納しておき、外部条件、例えば
ノズル番号,温度,入力信号などに応じて取り出すよう
にするのが一般的である。
【0021】信号処理・制御回路72はCPUがソフト
ウェアで処理することが一般的であり、処理された信号
は各種制御部77に送られる。各種制御部77ではドラ
ム53及び送りネジ54を回転駆動するモータの駆動,
同期,ヘッドのクリーニング,プリント紙52の供給や
排出などの制御を行う。また、信号71には、印字デー
タ以外の操作部信号や外部制御信号が含まれることは云
うまでもない。
【0022】ここで、上記インクジェットプリンタに用
いられるインクジェットプリントヘッドの構成について
説明する。
【0023】図1及び図2に示すインクジェットプリン
トヘッドは、いわゆるカイザー型のインクジェットプリ
ントヘッドによるシングルヘッドである。図1におい
て、ヘッド1には透明溶媒2が充填された液室3と、イ
ンク4の定量を行うインク定量部5とが平行に設けられ
ている。液室3及びインク定量部5の一端には、それぞ
れ透明溶媒供給路6及びインク供給路7が接続されてお
り、他端はそれぞれ混合ノズル部8に接続されている。
また、透明溶媒供給路6には一方向弁9が設けられてお
り、液室3の外周には振動板10を介して平板型の振動
子11が取り付けられている。さらに、混合ノズル部8
には液室3と外部とを連通する円筒状の透明溶媒吐出孔
12と、インク定量部5と外部とを連通する管状インク
吐出孔13とが同心上に設けられており、図2に示すよ
うに各吐出孔12,13の先端にそれぞれ透明溶媒ノズ
ル14とインクノズル15とが形成されている。そし
て、両ノズル14,15の端面は同一平面上になるよう
に配置されている。
【0024】インク定量部5は、多孔質隔膜で形成され
た電気浸透膜16により2室に区画されており、一方の
室5aがインク供給路7に接続し、他方の室5bがイン
ク吐出孔13に接続している。また、電気浸透膜16の
両面には図示しないメッシュ電極が設けられており、メ
ッシュ電極間にパルス状直流電圧を印加することによ
り、インク4は電気浸透膜16を浸透して2室5a,5
b間を移動する。インク4の移動方向及び移動量は、そ
れぞれ電極間に印加する電圧の極性及び電流の量で正確
に制御できる。
【0025】一方、電歪振動子11はジルコン酸チタン
酸鉛などの電歪現象を起こす物質の両面に電極11aを
接着してなっており、電極11a間に所定の電圧を印加
することにより、電歪振動子11が液室3の体積が現象
する方向に変位するように極性化されている。
【0026】次に、上記インクジェットプリントヘッド
の動作を図3及び図4を参照して説明する。まず、透明
溶媒供給路6から透明溶媒2を供給し、液室3及び透明
溶媒吐出孔12内を透明溶媒2で充満する。同様にイン
ク供給路7からインク4を供給し、インク定量部5及び
インク吐出孔13内をインク4で充満する。このとき、
それぞれの内部に空気が残らないようにする。図3の
(a)に混合ノズル部8内に透明溶媒2及びインク4が
充満された状態を示す。
【0027】次に、透明溶媒2とインク4との混合タイ
ミングになると、図4に示すステップS101において
印字を開始する。次にステップS102において、イン
ク定量部5を制御して、インク供給路7から供給される
インク4を混合ノズル部8のインク吐出孔13へ所望の
量だけ供給する。インクノズル15のオリフィスでは図
3の(b)に示すように、供給されたインク4の量だけ
オリフィスの外部へ押し出される。このとき押し出され
たインク4は、インクノズル15から飛び出さずに、そ
の出口で球状4aとなって残っている。この球状の状態
は、インク4とインクノズル15との接触角,インク4
の粘度及び表面張力によって決定される。
【0028】次に図4に示すステップS103におい
て、振動子11の電極11a間に所定の電圧を印加する
と、振動子11が変位して液室3内の体積が減少し、図
3の(c)に示すように透明溶媒2を透明溶媒ノズル1
4外に吐出する。このとき近接しているインクノズル1
5から押し出されたインク球4aと吐出過程にある透明
溶媒2aとが接触し、表面張力によって両液が一体にな
ろうとする。この結果、図3の(d)に示すようにイン
ク球4aは透明溶媒2aの動きに引き込まれ、両者が一
体となって混合液17となり、図3の(e)に示すよう
に混合液17は混合ノズル部8から吐出する。そして、
インク4と透明溶媒4とは混合し合い、最終的には所望
の濃度を持った混合液17となって飛しょうし、図示し
ない記録紙上に付着する。
【0029】なお、透明溶媒2を吐出するときに液室3
に加わった圧力及び体積減少は、透明溶媒供給路6に設
けられた一方向弁9により、供給路6に影響を与えずに
効率よく混合ノズル部8に伝達される。振動子11の変
位を原位置に復帰させると、透明溶媒2は透明溶媒供給
路6から一方向弁9を介して液室3内に供給される。
【0030】次に図4に示すステップS104におい
て、次のドット印字の有無を判断し、ある場合はステッ
プS102に戻って上記の動作を繰り返す。次のドット
印字がない場合は、ステップS101に戻って待機す
る。
【0031】この実施の形態によれば、ヘッド1が印字
動作を行っていないときは、インクノズル15内のイン
ク4と透明溶媒ノズル14内の透明溶媒2とは、それぞ
れのノズル15,14内に留まっており、それぞれの液
面は表面張力により両ノズル15,14の端より内側に
入っている。したがって、透明溶媒2とインク4が混合
することはない。この結果、長期的な透明溶媒2とイン
ク4の接触を防止できるので、透明溶媒2とインク4の
化学的、物理的反応を完全に防ぐことができ、印字時に
おける濃度制御を確実に行うことができて、画質の均一
な中間階調印字を実現することができる。
【0032】図5に混合ノズル部8の変形例を示し、図
6にそれぞれの透明溶媒2及びインク4の吐出動作を示
す。これらの図において、図2及び図3に示した部分と
対応する部分には同一の符号を付してあり、その説明は
適宜省略する。
【0033】図5の(a)に示す混合ノズル部8は、図
2に示す混合ノズル部8のインクノズル15の先端が透
明溶媒ノズル14の先端より内側になるようにし、透明
溶媒ノズル14先端内周のインクノズル15より外側の
範囲に、透明溶媒2に対してぬれ性の少ない、接触角の
大きな物質18をコーティングした。本変形例によれ
ば、ヘッド1が印字動作を行っていないときに透明溶媒
2はインクノズル15の先端より内側にあるので、透明
溶媒2とインク4とが自然混合することはない。
【0034】図5の(b)に示す混合ノズル部8は、図
2に示す混合ノズル部8のインクノズル15の先端を透
明溶媒ノズル14の先端から突出させた例である。
【0035】図5の(c)に示す混合ノズル部8は、イ
ンク吐出孔13と透明溶媒吐出孔12とを隣接して平行
に設け、インクノズル15と透明溶媒ノズル14とのそ
れぞれの端面が同一平面上に位置するように構成した例
である。
【0036】図5の(d)に示す混合ノズル部8は、図
5の(c)に示すインクノズル15と透明溶媒ノズル1
4との先端を斜めに切断し、インクノズル15の先端を
透明溶媒ノズル14の先端より突出させた例である。
【0037】図5の(e)に示す混合ノズル部8は、イ
ンク吐出孔13と透明溶媒吐出孔12とを、ある角度θ
を持って設け、インクノズル15と透明溶媒ノズル14
との先端を対向させた例である。
【0038】図5の(f)に示す混合ノズル部8は、中
心にインク吐出孔13を設け、インク吐出孔13の周囲
に複数個の透明溶媒吐出孔12を平行に配置し、インク
ノズル15と透明溶媒ノズル14の先端端面が同一平面
上に位置するように構成した例である。
【0039】図6の(a),(b),(c),(d),
(e),(f)は、それぞれ図5の(a),(b),
(c),(d),(e),(f)に示す混合ノズル部8
の変形例の吐出動作を示す説明図であるが、その動作は
図3に示した吐出動作とほぼ同様であるので、説明を省
略する。
【0040】図5に示す各変形例によっても、図1及び
図2に示したインクジェットプリントヘッドの場合と同
様の効果を得ることができる。
【0041】図1に示したインクジェットプリントヘッ
ドでは、平板型の電歪振動子11を用いた型のインクジ
ェットプリントヘッド1について説明したが、図7に示
すように電歪振動子11が液室3の外周を囲む円筒型に
形成されたグールド型インクジェットプリントヘッド
や、図8に示すように平板型電歪振動子11を用い液室
3を2室3a,3bで構成したステメ型インクジェット
プリントヘッドに応用しても同様の効果が得られる。
【0042】また上記各インクジェットプリントヘッド
では、透明溶媒2を吐出する手段として電歪振動子11
を用いた場合について説明したが、熱インクジェット方
式のインクジェットプリントのインクノズルに応用して
もよい。
【0043】熱インクジェットプリントヘッドには、ノ
ズルの間口方向によってエッジシュータ型熱インクジェ
ットプリントヘッドと、サイドシュータ型熱インクジェ
ットプリントヘッドとの2方式がある。
【0044】図9及び図11にそれぞれエッジシュータ
型及びサイドシュータ型の熱インクジェットプリントヘ
ッドの構成例を示す。いずれの方式も、インク吐出につ
いての基本的原理は全く同じである。図9及び図11に
おいて、基板21上にSiO2 などの絶縁膜22を介し
てヒータ23が設けられている。ヒータ23上には1対
のAl電極24,25が対向して設けられており、ヒー
タ23及び電極24,25の上面は3層の保護膜26,
27,28で被膜されている。また、最上層のポリイミ
ドで構成された保護膜28には、電極24,25が対向
している位置に開口部28aが形成されており、保護膜
28の上部にはオリフィスプレート29が設けられてい
る。そして、オレフィスプレート29に形成された液室
30に、図示しないインク供給路からインク31が供給
される。
【0045】ここで図9に示すエッジシュータ型ヘッド
では、ヒータ23に平行の方向に液室30が開口してお
り、図11に示すサイドシュータ型ヘッドではヒータ2
3に直角の方向に液室30が開口していて、それぞれノ
ズル32,33を形成している。なお、サイドシュータ
型ヘッドでは2層の保護膜26,28となっている。
【0046】上記のように構成されたエッジシュータ型
熱インクジェットプリントヘッドにおいて、ヒータ23
に所定の電圧パルスを一定時間加えると、図10の
(a)に示すようにヒータ23の面上に核気泡41が発
生する。核気泡41は図10の(b)に示すように合体
して膜気泡42となり、さらに図10の(c)に示すよ
うに膜気泡42が断熱膨張により成長してバブル43と
なる。次に、ヒータ23に対する電圧の印加がなくなる
と、図10の(d)に示すように周囲のインク31に熱
を取られてバブル43は収縮し、図10の(e)に示す
ようにバブル43は消滅する。そして図10の(c),
(d),(e)の過程において生じる膜沸騰現象の吐出
力により、インク31はインク粒31aとなってノズル
32から外部に放出される。
【0047】図11に示すサイドシュータ型熱インクジ
ェットプリントヘッドにおいても、図12に示すように
同様の作用によりインク粒31aの吐出が行われる。な
お、図12では複数個の液室30がオリフィスプレート
29に並列に設けられており、共通のインク供給路44
からインク31が供給される。また、インク供給路44
には各液室30を仕切るバリヤ45が設けられている。
【0048】図13は、図11に示すサイドシュータ型
熱インクジェットプリントヘッドを2液混合室とした例
である。すなわち、図11に示す液室30を透明溶媒供
給室として透明溶媒2を充満し、オリフィスプレート2
9の上部にインク定量部5を設け、インク吐出孔13を
ノズル33の外周に開口させた。この実施の形態は図5
の(e)に示す混合ノズル部8をサイドシュータ型イン
クジェットプリントヘッドに応用したものである。
【0049】上記各インクジェットプリントヘッドで
は、シングルヘッドの場合について説明したが、ヘッド
を複数個設けた単色マルチヘッド、インク供給室を色数
に分割して多色化した多色カラーヘッド、又は単色マル
チヘッドを色数分だけ複数例設けた多色マルチヘッドの
場合に応用しても、同様の効果が得られる。
【0050】次に、上述のようなサイドシュータ型熱イ
ンクジェットプリントヘッド又はエッジシュータ型熱イ
ンクジェットプリントヘッドを複数個配置することによ
りマルチ化したインクジェットプリンタについて説明す
る。
【0051】図18乃至図20は、マルチ化されたサイ
ドシュータ型熱インクジェットプリントヘッドの概略的
な全体図,横断面図及び縦断面図である。
【0052】サイドシュータ型熱インクジェットプリン
トヘッドはインク導出部101,透明溶媒吐出部102
及びインク定量圧送部103より構成される。上記イン
ク定量圧送部103内の電気浸透膜113によって2つ
に仕切られたインク定量部112,112’内にはイン
ク4が満たされている。上記電気浸透膜113の表裏に
はインクを透過することができるメッシュ電極114,
114’が固定されている。
【0053】一方、上記透明溶媒吐出部102内では、
透明溶液2が図示しない透明溶液タンクより導かれて、
液室109及び共通液室109’内に満たされている。
また、ヒータ110が液室109の下に設けられてい
る。透明溶媒吐出孔111から押し出される透明溶媒2
と、インク吐出孔106から押し出されるインク4は、
インク導出部101内の混合インク吐出孔116におい
て混合される。
【0054】インク4をインク定量部112,112’
より定量圧送する電気浸透については、図1及び図2に
示したインクジェットプリントヘッドの場合と同様であ
るため、ここでの説明は省略する。
【0055】インク4の量を制御するのは、電気浸透に
よりメッシュ電極114,114’に印加する電圧パル
スのパルス幅であり、インク4を押し出す電圧パルスと
透明溶媒2を吐出する電圧パルスは、所定のタイミング
で与えられる。このとき、押し出されたインク4の量が
多いときには吐出する前に透明溶媒2に接触する場合が
ある。このときにインク4が透明溶媒2に拡散して混入
しないために、所定量のインク4が押し出されたら直ち
に透明溶媒2と共に吐出する。
【0056】電気浸透により、インク4を押し出すため
の電気浸透の電圧パルスと吐出の電圧パルスとが発生す
るタイミングは、図22に示すようである。電気浸透の
電圧パルス幅teiはインク4を混合させる量に応じてt
e1,te2,te3のように変化させる。インク4を吐出す
る間隔T,吐出の電圧パルスの幅tp 及び電気浸透の電
圧パルスが終了してから吐出の電圧パルスを発生するま
での時間td は一定である。したがって、印字ドットの
濃度、すなわちインク4の量は電気浸透の電圧パルスを
発生させるタイミングで調節する。
【0057】電気浸透の電圧パルスと実際のインク4の
動きは完全には同期せず、インク4の吐出の方が遅れ
る。この遅れ、すなわち応答性はヘッド及びインクの特
性によって変化する。上記時間td の値は上記遅れの時
間で決まり、遅れの時間よりも僅かに長くなるように設
定する。
【0058】吐出の電圧パルスが停止してから電気浸透
の電圧パルスが発生するまでの間隔tx は電気浸透の電
圧パルスが発生されるタイミングによって変化する。こ
の間に透明溶媒2の再充填が行われるが、透明溶媒2の
再充填にかかる時間はインク4の粘度や表面張力及び混
合インク吐出孔の径等に依存するため、上記間隔t
上記透明溶媒2の再充填時間よりも長くなるように設定
する。
【0059】サイドシュータ型熱インクジェットプリン
トヘッドの透明溶媒2及びインク4の吐出動作を図21
に示す。図21の(a)は吐出待機状態であり、電気浸
透によって定量されたインク4は、インク吐出孔106
から押し出されて盛り上がった状態にある。透明溶媒2
の表面張力と外圧とは平衡状態にあるため、透明溶媒吐
出孔111でメニスカス面115を形成している。上記
透明溶媒吐出孔111は混合インク吐出孔116よりも
径が小さく、この近傍にはポリテトラフルオロエチレン
等による撥液性処理が施されている。よって、上記待機
状態では、透明溶媒2が毛細管現象により混合インク吐
出孔116まで達することはない。
【0060】図21の(b)は、ヒータ110が加熱さ
れてその表面温度が急激に上昇したために、透明溶媒2
とヒータ110との界面で沸騰現象が始まり、微小が気
泡117が点在している状態である。
【0061】急激に加熱された透明溶媒2が瞬時に気化
すると、図21の(c)に示すように、いわゆる膜沸騰
現象を起こす。液室109内の圧力は気泡117が成長
した分だけ上昇するため、メニスカス面115での外力
との平衡状態が崩れて透明溶媒吐出孔111より透明溶
媒の柱が成長し始める。よって、インク吐出孔106か
ら押し出されていたインク4と上記成長し始めた透明溶
媒2が接触合体して混合インク柱118となり、成長を
続ける。
【0062】この後、図21の(d)に示すように気泡
117が最大に成長した状態になり、気泡117の体積
に相当する透明溶媒2に、定量混合されたインク4を足
した体積分の混合インクが、混合インク吐出孔116よ
り押し出される。このときには上記ヒータ110には電
流が流れておらず、ヒータ110の表面温度は降下しつ
つある。気泡117の体積は、ヒータ110への電気パ
ルスを切るタイミングからやや遅れて最大となる。
【0063】次に、図21の(e)に示すような気泡1
17が透明溶媒2等により冷却されて収縮を始めた状態
になる。混合インク柱118の先端部では押し出された
速度で前進し、後端部では気泡117が収縮して液室1
09の内圧が減少することにより、混合インク吐出孔1
16から透明溶媒吐出孔111へ透明溶媒2が逆流して
混合インク柱118にくびれが生じる。インク4のほぼ
全部が混合インク柱118の先端部に存在するため、後
端部はほぼ透明溶媒2のみとなる。したがって、液室1
09へインク4が逆流して、透明溶媒2と混合すること
はない。また、加熱されるのは透明溶媒2であり、透明
溶媒は染料を含まないため、従来のインクの膜沸騰現象
を混合インク滴の吐出に利用したインクジェットプリン
トヘッドのような、ヒータ110面での染料の熱分解に
よる異物の付着、いわゆる焦げ付きは生じない。
【0064】透明溶媒2に混合されたインク4の全ては
飛翔する混合インク滴に含まれて液室109内に引き込
まれる透明溶媒2内に残存せず、透明溶媒2が吐出され
る力によって押し出されたインク4と共に被印刷物まで
十分に飛翔できるために、混合するインク4の量に対
し、吐出する透明溶媒2の量はある一定以上の量とな
る。
【0065】また、インク4が液室109内の透明溶媒
2に混じらず、十分に飛翔できるための混合比は、透明
溶媒2に対して50%以下であるが、約30%とするこ
とが望ましい。したがって、十分な最大濃度を得るため
にはインク4が十分な濃さを持っているべきであり、混
合インクの印字濃度は反射濃度で2以上を得るように、
インク4に染料を含有させる。
【0066】上記混合インク滴の大きさは、混合される
インク4の量によって変化する。よって、印刷される画
像の階調は混合インク滴の濃度と印字ドットの面積とに
より制御される。例えば、最大濃度のときのインク4の
混合比が体積比で30%の場合、最小濃度、すなわちイ
ンク4を全く混合しないときと、最大濃度のときとの吐
出される混合インク滴の体積比は7:10である。ま
た、上記混合インク滴の体積と印字ドット径はほぼ比例
する。したがって、この印字ドット径の変化を考慮し
て、所望の印字濃度が得られるように、混合させるイン
ク4の量を制御する。
【0067】さらに、気泡117が収縮し、液室109
側のヒータ110面に透明溶媒2が接して冷却が進む
と、透明溶媒吐出孔111では外圧が液室109の内圧
よりも高い状態になるため、図21の(f)に示すよう
に、メニスカス面115が液室109内に入り込んでく
る。
【0068】その後、図21の(g)に示すように、透
明溶媒2が毛細管現象によって再充填され、透明溶媒吐
出孔111でメニスカス面115を形成する状態に戻
る。このとき、気泡117は完全に消滅している。
【0069】上記インク4には電気浸透膜113に対す
る電気浸透性をもつものを使用する。水系のものと非水
系のものが使用可能だが、水系のものは電気分解を起こ
すために分解電圧(1V前後)以下に駆動電圧を設定し
なければならず、これにより浸透速度がとれないため、
好ましくない。
【0070】透明溶媒2には、インクと相溶性をもつも
のを用いる。例えば、上記構成のインクに対しては、ク
ロロオクタン及びこれに湿潤剤やビヒクル剤等を加えた
ものが使用できる。相溶性を持つものを透明溶媒に用い
た場合には、インクが透明溶媒によく拡散するため、混
合インク滴の濃度が均一となる。よって、画像はドット
の濃淡で階調表現されたものとなり、より高画質な画像
が得られる。但し、混合インク滴の大きさがインク混合
量によって変化するため、これを考慮して階調制御を行
うことが必要である。
【0071】また、透明溶媒として水及びこれに湿潤剤
やビヒクル剤等を加えた相溶性を持たないものを用いる
こともできる。相溶性を持たないものを透明溶媒に用い
た場合には、透明溶媒中へのインクの拡散が不完全なた
め、透明溶媒はインクを非印刷物まで運ぶためのキャリ
ヤとなる。よって、画像はインクドットの大きさ、すな
わち面積の変化によって階調表現されたものに近くな
る。しかし、インクは透明溶媒に混ざらないため、イン
クを混合インク吐出孔に押し出す際にインクが液室へ混
入することは起こりにくくなる。
【0072】電気浸透膜113には、例えばマイクロポ
ーラスメンブレンフィルタを使用する。その材質として
は、ニトロセルロース,アセチルセルロース,再生セル
ロース等のセルロース類、ポリテトラフルオロエチレ
ン,ポリカーボネート,ポリアミド,ポリエチレン等の
プラスチックやガラス,アルミナ等のセラミック等が使
用可能であるが、使用するインクにより膨潤したり侵さ
れたりせずにインクを電気浸透させることが必要であ
る。例えば、電気浸透膜としてニトロセルロースを用い
た場合、例えばクロロオクタンを溶媒とし、電解質とし
てドデシルベンゼンスルホン酸の4級アンモニウム塩を
重量比で1〜5%溶解し、さらに、染料,湿潤剤,ビヒ
クル剤等を加えたインクを使用することができる。
【0073】その他に、メッシュ電極114,114’
は、インク中の物質と反応を起こさない不活性金属であ
ることが好ましく、例えば厚さ50μm、ピッチ100
μmの鉄のメッシュにニッケルメッキを施した後、白金
又は金をメッキしたもの等が適する。あるいは、電気浸
透膜113の表裏に直接に、例えば金を蒸着し、これを
電極として用いることも可能である。
【0074】ヘッド本体は、インクや透明溶媒に使用す
る溶剤に対して耐溶剤性を持つ必要があり、例えばポリ
エチレン,ポリプロピレン,ポリテトラフルオロエチレ
ン等のプラスチック、ガラス,アルミナ等のセラミック
材料、ステンレス及びニッケル等の金属で構成する。
【0075】図23乃至図25は、マルチ化されたエッ
ジシュータ型熱インクジェットプリントヘッドの概略的
な全体図、横断面図及び縦断面図である。
【0076】エッジシュータ型熱インクジェットプリン
トヘッドもサイドシュータ型熱インクジェットプリント
ヘッドと同様に、インク導出部101,透明溶媒吐出部
102及びインク定量圧送部103より構成される。上
記インク定量圧送部103内の電気浸透膜113によっ
て2つに仕切られたインク定量部112,112’内に
はインク4が満たされている。上記電気浸透膜113の
表裏にはインクを透過することができるメッシュ電極1
14,114’が固定されている。
【0077】一方、上記透明溶媒吐出部102内では、
透明溶液2が図示しない透明溶液タンクより透明溶媒供
給路108に導かれて、液室109内に満たされてい
る。また、インク4は図示しないインクタンクよりイン
ク供給路105に導かれて、インク定量部112,11
2’に送られる。液室109の下にはヒータ110が設
けられている。透明溶媒吐出孔111から押し出される
透明溶媒2と、インク吐出孔106から押し出されるイ
ンク4は、インク導出部101内の混合インク吐出孔1
16において混合される。上記液室109はバリア13
0によって分割されている。これにより、気泡が発生す
る際に隣合った液室109の干渉が防止され、上記気泡
の圧力は透明溶媒吐出孔111の方向に集中する。ま
た、バリア130はヒータ110から透明溶媒吐出孔1
11までの距離を一定に保つスペーサとしての役割も果
たす。
【0078】インク4をインク定量部112,112’
より定量圧送する電気浸透については、図1及び図2に
示したインクジェットプリントヘッドの場合と同様であ
るため、ここでの説明は省略する。
【0079】エッジシュータ型熱インクジェットプリン
トヘッドによるインク4の量は上述したような電気浸透
により制御され、吐出される。電気浸透により、インク
4を押し出すための電気浸透の電圧パルスと吐出の電圧
パルスとが発生するタイミングは、図22を用いたサイ
ドシュータ型熱インクジェットプリントヘッドの場合と
同様である。
【0080】エッジシュータ型熱インクジェットプリン
トヘッドの透明溶媒2及びインク4の吐出動作を図26
に示す。上記吐出動作は、熱インクジェット方式のサイ
ドシュータ型熱インクジェットプリントヘッドの透明溶
媒2及びインク4の吐出動作と同様であり、図26の
(a)は吐出待機状態であり、電気浸透によって定量さ
れたインク4は、インク吐出孔106から押し出されて
盛り上がった状態にある。
【0081】図26の(b)は、ヒータ110が加熱さ
れてその表面温度が急激に上昇したために、透明溶媒2
とヒータ110との界面で沸騰現象が始まり、微小な気
泡117が点在している状態である。
【0082】急激に加熱された透明溶媒2が瞬時に気化
すると、図26の(c)に示すように、いわゆる膜沸騰
現象を起こす。よって、インク吐出孔106から押し出
されていたインク4と上記成長し始めた透明溶媒2が接
触合体して混合インク柱118となり、成長を続ける。
【0083】この後、図26の(d)に示すように気泡
117が最大に成長した状態になり、気泡117の体積
に相当する透明溶媒2に定量混合されたインク4を足し
た体積分の混合インクが、混合インク吐出孔116より
押し出される。
【0084】次に、図26の(e)に示すような気泡1
17が透明溶媒2等により冷却されて収縮を始めた状態
になる。加熱されるのは透明溶媒2であり、透明溶媒は
染料を含まないため、従来のインクの膜沸騰現象を混合
インク滴の吐出に利用したインクジェットプリントヘッ
ドのように、ヒータ110面での染料の熱分解による異
物の付着、いわゆる焦げ付きが生じない。
【0085】さらに、気泡117が収縮して液室109
側のヒータ110面に透明溶媒2が接し、冷却が進む
と、透明溶媒吐出孔111では外圧が液室109の内圧
よりも高い状態になるため、図26の(f)に示すよう
に、メニスカス面115が液室109内に入り込んでく
る。
【0086】その後、図26の(g)に示すように、透
明溶媒2が毛細管現象によって再充填され、透明溶媒吐
出孔111でメニスカス面115を形成する状態に戻
る。このとき、気泡117は完全に消滅している。
【0087】上述したようなマルチ化したエッジシュー
タ型熱インクジェットプリントヘッド又はサイドシュー
タ型熱インクジェットプリントヘッドを備えたインクジ
ェットプリンタの構成とその印字及び制御系の説明は、
図14乃至図17を用いて説明した内容と同様であるた
め、ここでの説明は省略する。
【0088】また、上記マルチ化されたヘッドの制御方
法は、図27のブロック図で示すようになる。ディジタ
ル中間調データが図17内の信号処理制御回路72によ
りシリアル/パラレル変換回路121に供給され、ここ
から各々のインク定量部ドライバ123へ送られる。
【0089】印字タイミングにおいては、上記信号処理
制御回路72から印字トリガが出力され、タイミング制
御回路122がこれを検出し、所定のタイミングでイン
ク定量部Enable信号をインク定量部ドライバ12
3に、透明溶媒吐出部Enable信号を透明溶液吐出
部ドライバ124にそれぞれ出力する。上記それぞれの
Enable信号は、図22に示したようなタイミング
で出力される。
【0090】上記インク定量部Enable信号によ
り、各々のインク定量部ドライバ123はそれぞれに対
応するインク定量部125を制御し、これにより、複数
のヘッドのインク吐出孔106より所定量のインクが圧
送される。
【0091】一方、インク定量部Enable信号より
所定時間だけ遅れを持つ上記透明溶媒吐出部Enabl
e信号により、透明溶媒吐出部ドライバ124は各々の
透明溶媒吐出部126を制御する。これにより、透明溶
媒がインクと混合しながら吐出される。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェットプリンタの駆動方法によれば、インクを吐出
するインク吐出孔と溶媒を吐出する溶媒吐出孔とが近接
して配置され、前記インク吐出孔から押し出されたイン
クと前記溶媒吐出孔から吐出された溶媒とが前記各イン
ク吐出孔外で接触した後に、前記インクと前記溶媒とが
吐出されるインクジェットプリンタの駆動方法におい
て、インクを押し出すための電圧印加の終了後に溶媒を
吐出するための電圧印加が終了するので、前記インク吐
出孔から押し出されたインクを前記溶媒吐出孔から吐出
された溶媒に前記各インク吐出孔外で確実に接触させる
ことができ、2液の混合によりドット単位での濃度階調
を良好に得ることができる。また、ヘッドが動作してい
ないときの両液の混合を防止することができる。この結
果、長期的な両液の接触を防止できるので、両液の化学
的、物理的反応を完全に防ぐことができ、印字時におけ
る濃度制御を確実に行うことができて、画質の均一な中
間調印字を実現することができる。
【0093】本発明に係るインクジェットプリンタの駆
動方法によれば、インクを吐出するインク吐出孔と、溶
媒を吐出する溶媒吐出孔とが近接して配置され、前記イ
ンク吐出孔から押し出されたインクと前記溶媒吐出孔か
ら吐出された溶媒とが前記各インク吐出孔端面上で接触
した後に、前記インクと前記溶媒とが吐出されるインク
ジェットプリンタの駆動方法において、インクを押し出
すための電圧印加終了後に溶媒を吐出するための電圧印
加が終了するので、前記インク吐出孔から押し出された
インクを前記溶媒吐出孔から吐出された溶媒に前記各イ
ンク吐出孔外で確実に接触させることができ、2液の混
合によりドット単位での濃度階調を良好に得ることがで
きる。また、ヘッドが動作していないときの両液の混合
を防止することができる。この結果、長期的な両液の接
触を防止できるので、両液の化学的、物理的反応を完全
に防ぐことができ、印字時における濃度制御を確実に行
うことができて、画質の均一な中間調印字を実現するこ
とができる。
【0094】本発明に係るインクジェットプリンタの駆
動方法では、インクを押し出すための電圧印加の終了後
に溶媒を吐出するための電圧印加が開始することによ
り、インクが溶媒に拡散して混入することがなく、両液
の化学的、物理的反応を完全に防ぐことができる。ま
た、前記インクを押し出すための電圧印加が終了してか
ら溶媒を吐出するための電圧印加が開始するまでの時間
は、インク押し出し量に拘わらず一定とすることができ
る。さらに、溶媒を吐出するための電圧印加の終了後
に、次のインクを押し出すための電圧印加が開始するこ
とにより、インクが溶媒に拡散して混入することがな
く、両液の化学的、物理的反応を完全に防ぐことができ
る。
【0095】また、本発明に係るインクジェットプリン
タの駆動方法では、前記溶媒を吐出するための電圧印加
が終了してから次のインクを押し出すための電圧印加が
開始するまでの時間に、前記溶媒の再充填を行うことが
できる。さらに、前記溶媒を吐出するための電圧印加が
終了してから次のインクを押し出すための電圧印加が開
始するまでの時間が、前記溶媒の再充填に要する時間よ
りも長いことにより、前記溶媒の再充填を確実に行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するインクジェットプリンタに用
いられるインクジェットプリントヘッドの構成を示す縦
断面図である。
【図2】上記インクジェットプリントヘッドの混合ノズ
ル部の構成を示す拡大断面図である。
【図3】上記インクジェットプリントヘッドにおけるイ
ンク及び透明溶媒の吐出動作を示す説明図である。
【図4】上記インクジェットプリントヘッドの動作を説
明するフロー図である。
【図5】本発明を実施するインクジェットプリンタに用
いられるインクジェットプリントヘッドの混合ノズル部
の変形例の構成を示す説明図である。
【図6】図5に示す混合ノズル部のインク及び透明溶媒
の吐出動作を示す説明図である。
【図7】グルード型インクジェットプリントヘッドの一
例の概略構成を示す縦断面図である。
【図8】ステメ型インクジェットプリントヘッドの一例
の概略構成を示す縦断面図である。
【図9】エッジシュータ型熱インクジェットプリントヘ
ッドの一例の構成を示す縦断面図である。
【図10】図9に示すヘッドによる液滴形成過程を示す
説明図である。
【図11】サイドシュータ型熱インクジェットプリント
ヘッドの一例の構成を示すマルチ方向に対して直角方向
の縦断面図である。
【図12】図11のマルチ方向に沿った縦断面図であ
る。
【図13】2液混合方式のサイドシュータ型熱インクジ
ェットプリントヘッドの一例の構成を示す縦断面図であ
る。
【図14】ドラム回転型インクジェットプリンタの一例
の構成を示す説明図である。
【図15】シリアル型インクジェットプリンタの一例の
構成を示す説明図である。
【図16】ライン型インクジェットプリンタの一例の構
成を示す説明図である。
【図17】インクジェットプリンタの信号処理、制御系
の構成例を示すブロック図である。
【図18】マルチ化されたサイドシュータ型熱インクジ
ェットプリントヘッドの一例の構成を示す全体図であ
る。
【図19】図18に示すインクジェットプリントヘッド
のマルチ方向に沿った縦断面図である。
【図20】図18に示すインクジェットプリントヘッド
のマルチ方向に対して直角方向の縦断面図である。
【図21】図18に示すインクジェットプリントヘッド
のインク及び透明溶媒の吐出動作を示す説明図である。
【図22】図18に示すインクジェットプリントヘッド
の駆動電圧パルスのタイミングを示す図である。
【図23】マルチ化されたエッジシュータ型熱インクジ
ェットプリントヘッドの一例の構成を示す全体図であ
る。
【図24】図23に示すインクジェットプリントヘッド
のマルチ方向に対して直角方向の縦断面図である。
【図25】図23に示すインクジェットプリントヘッド
のマルチ方向に沿った縦断面図である。
【図26】図23に示すインクジェットプリントヘッド
のインク及び透明溶媒の吐出動作を示す説明図である。
【図27】熱インクジェットプリントヘッドの駆動動作
を概略的に示す図である。
【符号の説明】
1,51 プリントヘッド、2 透明溶媒、3,109
液室、4 インク、5,112,112’ インク定
量部、7,105 インク供給路、11 電歪振動子、
12,111 透明溶媒吐出孔、13,106 インク
吐出孔、16,113 電気浸透膜、18 物質、52
プリント紙(被印刷物)、53 ドラム、54 送り
ネジ(駆動部材)、58 モータ(駆動部材)、110
ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 正幸 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (72)発明者 新屋 正雄 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−71883(JP,A) 特開 平6−71887(JP,A) 特開 平6−87214(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41J 2/205

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するインク吐出孔と溶媒を
    吐出する溶媒吐出孔とが近接して配置され、前記インク
    吐出孔から押し出されたインクと前記溶媒吐出孔から吐
    出された溶媒とが前記各吐出孔外で接触した後に、前記
    インクと前記溶媒とが吐出されるインクジェットプリン
    タの駆動方法において、 インクを押し出すための電圧印加の終了後に溶媒を吐出
    するための電圧印加が終了することを特徴とするインク
    ジェットプリンタの駆動方法。
  2. 【請求項2】 インクを押し出すための電圧印加の終了
    後に溶媒を吐出するための電圧印加が開始することを特
    徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタの駆動
    方法。
  3. 【請求項3】 インクを押し出すための電圧印加が終了
    してから溶媒を吐出するための電圧印加が開始するまで
    の時間が、インク押し出し量に拘わらず一定であること
    を特徴とする請求項2記載のインクジェットプリンタの
    駆動方法。
  4. 【請求項4】 溶媒を吐出するための電圧印加の終了後
    に、次のインクを押し出すための電圧印加が開始するこ
    とを特徴とする請求項1記載のインクジェットプリンタ
    の駆動方法。
  5. 【請求項5】 溶媒を吐出するための電圧印加が終了し
    てから次のインクを押し出すための電圧印加が開始する
    までの時間が、インク押し出し量に応じて変化すること
    を特徴とする請求項4記載のインクジェットプリンタの
    駆動方法。
  6. 【請求項6】 溶媒を吐出するための電圧印加が終了し
    てから次のインクを押し出すための電圧印加が開始する
    までの時間に、前記溶媒の再充填が行われることを特徴
    とする請求項4記載のインクジェットプリンタの駆動方
    法。
  7. 【請求項7】 溶媒を吐出するための電圧印加が終了し
    てから次のインクを押し出すための電圧印加が開始する
    までの時間が、前記溶媒の再充填に要する時間よりも長
    いことを特徴とする請求項6記載のインクジェットプリ
    ンタの駆動方法。
  8. 【請求項8】 インクを吐出するインク吐出孔と、溶媒
    を吐出する溶媒吐出孔とが近接して配置され、前記イン
    ク吐出孔から押し出されたインクと前記溶媒吐出孔から
    吐出された溶媒とが前記各吐出孔端面上で接触した後
    に、前記インクと前記溶媒とが吐出されるインクジェッ
    トプリンタの駆動方法において、 インクを押し出すための電圧印加終了後に溶媒を吐出す
    るための電圧印加が終了することを特徴とするインクジ
    ェットプリンタの駆動方法。
  9. 【請求項9】 インクを押し出すための電圧印加の終了
    後に溶媒を吐出するための電圧印加が開始することを特
    徴とする請求項8記載のインクジェットプリンタの駆動
    方法。
  10. 【請求項10】 前記インクを押し出すための電圧印加
    が終了してから溶媒を吐出するための電圧印加が開始す
    るまでの時間が、インク押し出し量に拘わらず一定であ
    ることを特徴とする請求項9記載のインクジェットプリ
    ンタの駆動方法。
  11. 【請求項11】 溶媒を吐出するための電圧印加の終了
    後に、次のインクを押し出すための電圧印加が開始する
    ことを特徴とする請求項8記載のインクジェットプリン
    タの駆動方法。
  12. 【請求項12】 溶媒を吐出するための電圧印加が終了
    してから次のインクを押し出すための電圧印加が開始す
    るまでの時間が、インク押し出し量に応じて変化するこ
    とを特徴とする請求項11記載のインクジェットプリン
    タの駆動方法。
  13. 【請求項13】 溶媒を吐出するための電圧印加が終了
    してから次のインクを押し出すための電圧印加が開始す
    るまでの時間に、前記溶媒の再充填が行われることを特
    徴とする請求項11記載のインクジェットプリンタの駆
    動方法。
  14. 【請求項14】 溶媒を吐出するための電圧印加が終了
    してから次のインクを押し出すための電圧印加が開始す
    るまでの時間が、前記溶媒の再充填に要する時間よりも
    長いことを特徴とする請求項13記載のインクジェット
    プリンタの駆動方法。
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