JP2955557B1 - シース・コア型たばこフィルター - Google Patents

シース・コア型たばこフィルター

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JP2955557B1 JP12647798A JP12647798A JP2955557B1 JP 2955557 B1 JP2955557 B1 JP 2955557B1 JP 12647798 A JP12647798 A JP 12647798A JP 12647798 A JP12647798 A JP 12647798A JP 2955557 B1 JP2955557 B1 JP 2955557B1
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Abstract

【要約】 【課題】 香喫味、煙量感などの喫煙に対する満足感が
十分に得られるタール値3mg以下の低タールたばこ用
のたばこフィルターを提供する。 【解決手段】 中心に設けられたコア部2aとこの周囲
に設けられたシース部2bとを有するフィルター部2を
備え、前記コア部2aから喫煙されるニコチン濃度が前
記シース部2bから喫煙されるニコチン濃度の100〜
300倍であり、かつ、前記フィルター部2の断面積に
対する前記コア部2aの断面積の割合が5〜60%であ
ることを特徴とするシース・コア型たばこフィルターを
構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は喫煙用のたばこフィ
ルターに関し、特にたばこ1本当たりのタール値が3m
g以下となる低タールたばこ用のたばこフィルターにお
いて、喫味感を向上させたたばこフィルターに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の健康指向にともない、たばこ喫煙
者の嗜好が高タールたばこから中タールたばこヘ、また
中タールたばこから低タールたばこヘ、さらには超低タ
ールたばこへ移行する傾向がある。このような超低ター
ルたばことしては、タール3mg/本以下、さらには、
1mg/本程度のたばこが市販されている。初期の超低
タールたばこは、チップペーパーからの空気流入を増加
させたものであった。このため、のみごたえ感が得られ
ない場合が多かった。最近では、燃焼性を考慮した巻紙
を用いたり、また構造を工夫したフィルターを用いるこ
とによって、のみごたえ感を重視した超低タールたばこ
が開発されている。
【0003】フィルター構造を工夫したフィルターにつ
いては、以下のような提案がなされている。特開昭58
−198284号公報には、2重同心円フィルターであ
って、たばこの煙を濾過するコア部と、このコア部の周
囲に取り付けた内側スリーブと、この内側スリーブの周
囲に設けられた空気透過性材料からなるスリーブ本体か
ら構成されたフィルターが開示されている。このフィル
ターは、前記スリーブ本体の周囲に通気性外被を取り付
けて使用される。このフィルターを用いたたばこにおい
ては、喫煙時には、煙の大部分は、コア部を通って喫煙
者の口に送られ、前記通気性外被を透過した空気の大部
分は、この通気性外被とスリーブとの間の領域に沿って
喫煙者の口に送られる。このようにして、煙と空気と
を、フィルター内では別々に流し、喫煙者の口の中で混
合するようにすることによって、喫味感を向上さてい
る。しかしながら、このような煙と透過空気の単なる分
離によっては、香喫味や煙量感は十分ではなかった。
【0004】特開昭59−135879号公報には、デ
ュアル形たばこ用フイルターであって、その中心に香味
料を含有させた通気抵抗の小さい濾材が配置され、その
周囲に通気抵抗の大きい濾材が配置された同心円状に二
層構造とされた第1のフィルター部をたばこ側に設け、
フィルター濾材の外周面に、その長さ方向に沿って空気
が流通する複数の溝を設けた第2のフィルター部を吸口
側に設けたフィルターが開示されている。このフィルタ
ーを用いると、空気が流通する溝と、香味料を含有させ
た通気抵抗の小さい濾材との作用によって、低タール、
低ガスでありながら喫味の豊かなたばこを得ることがで
きる。しかしながら、香喫味は香味料によって得られる
ものであって、たばこ葉の燃焼による本来の香喫味とは
異なるものであった。
【0005】特開平6−269270号公報には、波状
に加工した紙芯を円筒状に収束させてなる中心部と、そ
の周囲に設けられたセルロースアセテートトウからなる
外周部を有する2重同心円フィルター部がプラグ包装紙
で包まれた構成のフィルターが開示されている。このフ
ィルターは低タールたばこ用のもので、通気抵抗の増大
を抑制しつつ、味覚を向上させることを目的としてい
る。しかしながら、高い濾過効率が期待できるものの、
喫煙時の味覚は十分に満足できるものではなかった。特
開平8−191682号公報には、波状に加工したコル
ゲート加工シートを収束させたコア部と、その周囲に設
けられた繊維トウの開繊収束物からなるシース部を備え
たシース・コア型のフィルターにおいて、コア部の通気
抵抗を500mmH20以上、シース部の通気抵抗に対
するコア部の通気抵抗の比率を2.5倍以上としたもの
が開示されている。この提案においては、喫味を判断す
る指標としてフィルター透過後の煙濃度を定義してい
る。そして、コア部を透過した後の煙濃度をシース部を
透過した後の煙濃度よりも大きくすることによって喫味
を向上させることが開示されている。しかしながらター
ル値が3mg以下のような低タールたばこに適用するこ
とは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように種々の提案
がなされているが、従来のタール3mg以下のような低
タールたばこにおいて、喫煙者が感じるたばこ本来の香
喫味や煙量感を十分に満足させることは困難であった。
そもそも、低タールたばこにおいては、フィルターの濾
過機能を高めることなどによって喫煙者が吸入するたば
この煙中のニコチン、タールなどの煙粒子成分の絶対量
を少なくしたり、外部空気を取り入れることよって煙を
薄めることなどによって低タール化を図るものであるか
ら、喫煙の満足感が減少するのは避け難かった。本発明
は前記事情に艦がみてなされたものであって、タール値
3mg以下の低タールたばこでありながら、香喫味、煙
量感などの喫煙に対する満足感が十分に得られるたばこ
フィルターを提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、喫煙者の
口中に喫煙される総タール量を、フィルターの濾過の高
効率化と、外部空気(ベンチレーション空気)の導入に
よって低減しても、煙の局在化とこの局在化された煙を
高濃度化することによって、香味の濃さ、煙量感などの
喫煙に対する満足感を向上させることができることを見
い出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】本発明は、中心に設けられたコア部とこの
周囲に設けられたシース部とを有するフィルター部を備
えた、タール値が3mg以下の低タールたばこ用のシー
ス・コア型たばこフィルターであって、前記コア部から
喫煙されるニコチン濃度が前記シース部から喫煙される
ニコチン濃度の100〜300倍であり、かつ、前記フ
ィルター部の断面積に対する前記コア部の断面積の割合
が5〜60%であることを特徴とするシース・コア型た
ばこフィルターである。前記フィルター部の断面積に対
する前記コア部の断面積の割合は10〜45%が好まし
い。また、ニコチン濾過率は55〜75%が好ましい。
前記フィルター部に対する前記コア部の重量比率は15
〜55%が好ましい。前記フィルター部の通気抵抗は1
00〜170mmH2Oが好ましい。前記コア部の通気
抵抗は450〜800mmH2Oが好ましい。また、フ
ィルターベンチレーション率は60〜80%が好まし
い。また、前記フィルター部の周囲に巻き付けられた巻
取紙と、この巻取紙の上に巻き付けられたチップペーパ
ーを備え、前記巻取紙の通気度が10000〜3000
0CUであり、前記チップペーパーの通気度が1600
〜3000CUであると好ましい。また、前記フィルタ
ー部の周囲に巻き付けられた巻取紙と、この巻取紙の上
に巻き付けられたチップペーパーを備え、前記チップペ
ーパーは、その外周にそって設けられたベンチレーショ
ン空気を導入するための開孔部を有し、前記開孔部前の
ニコチン濾過率に対する開孔部後のニコチン濾過率の割
合が30〜60%であると好ましい。前記シース部が、
繊維トウからなると好ましい。前記コア部が、コルゲー
ト加工シートが収束されてなると好ましい。前記コア部
と前記シース部の一方あるいは両方がセルロースアセテ
ート繊維からなると好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1、図2は、本発明のシース・
コア型たばこフィルター(以下フィルターと略記する)
の一例を示すもので、図1は軸芯方向と直交方向に切断
した断面図、図2は軸芯方向と平行に切断した側断面図
である。このフィルター1は、円筒形のフィルター部2
とこのフィルター部2の外周に巻き付けられた通気性の
巻取紙3とからなるフィルターチップと、この巻取紙3
の上に巻き付けられたチップペーパー4とから概略構成
されている。
【0010】前記フィルター部2は、その中心に設けら
れたコア部2aと、このコア部2aの周囲に設けられた
シース部2bを有している。前記巻取紙3は、フィルタ
ー部2の形状を安定に保つもので、フィルター部2と巻
取紙3とは軸芯方向の長さが等しくなっている。一方、
図2に示すように、チップペーパー4はフィルター部2
と巻取紙3よりも軸芯方向の長さが長くなっている。そ
して、チップペーパー4の一方の端部が、フィルター部
2と巻取紙3とが一体化されたフィルタチップの端部と
揃えられ、他方の端部がたばこ本体(たばこの巻部)5
aの端部に取り付けられることにより、フィルター1が
たばこ本体5aと一体化されて、たばこ5が構成される
ようになっている。
【0011】チップペーパー4には、その外周にそって
複数の開孔部(孔)4aが設けられている。そしてこの
開孔部4aから、必要に応じて外部空気(ベンチレーシ
ョン空気)がフィルター1内に取り込まれ、べンチレー
ション効果が得られるようになっている。フィルター部
2の外径は通常7.8mmとされる。また、通常フィル
ター部2と巻取紙3の軸芯方向の長さは例えば25m
m、チップペーパー4の軸芯方向の長さは通常32mm
とされる。また開孔部4aは、フィルター1の吸口端面
から通常12.5mmの位置に一列に設けられている。
【0012】前記コア部2aは、好ましくは図3に示し
たような、熱可塑性材料からなるシート状物を波状に加
工し、連続する複数の溝を形成してなるコルゲート加工
シート6を、例えば丸めたり、畳んだりすることによっ
て収束させたものである。コルゲート加工シート6の溝
の深さdは、例えば0.2〜2mmとされる。また、隣
接する溝どうしの間隔(溝間ピッチ)pは0.5〜3m
mとされる。前記dが0.2mm未満であったり、ある
いは、前記pが0.5mm未満である場合、波が細かす
ぎるので、シートをコルゲート加工することが困難とな
る。また、前記dが2mmをこえたり、あるいは、前記
pが3mmをこえると、コルゲート加工シート6を収束
してコア部2aを構成することが困難となる場合があ
る。また、コルゲート加工シート6のシート幅(溝と平
行方向の対向辺の間の距離)は、90〜240mmとさ
れる。この範囲外であると、コア部2aを構成すること
が困難となる場合がある。
【0013】コルゲート加工シート6を収束させて構成
したコア部2aには、コルゲート加工シート6が有する
溝によって適度な隙間が形成され、これにより煙を良好
に流通させる流路が形成される。そして、このコア部2
aを煙が透過する際に、煙内に分布するタール、ニコチ
ンなどの煙粒子成分とコルゲート加工シート6とが衝突
することによって、これらの煙粒子成分が捕捉される濾
過機能が得られる。フィルター1において、コア部2a
はコルゲート加工シート6を単に収束したものである。
例えば、その長軸直径Xは4〜7mm、短軸直径Yは2
〜4mmとされる。他の例として、コア部2aを、好ま
しくは開繊した繊維トウから形成することもできる。前
記トウとは、複数本のフィラメントを束ねて集合させた
ものである。例えばトウを開繊し、これを円筒状に収束
してコア部2aを構成することもできる。
【0014】また、シース部2bは、好ましくは開繊し
た繊維トウなどの繊維材料などから形成されている。例
えばシース部2bは、トウを開繊し、これを管状に収束
して構成されたものである。このシース部2bにおいて
も煙粒子成分が捕捉される濾過機能が得られるようにな
っている。巻取紙3は例えば、その厚さが30〜90μ
m、好ましくは55〜85μmのものである。また、チ
ップペーパー4は、例えばその厚さが33〜53μmの
ものである。
【0015】図4(a)は、本発明のフィルターの形状
の他の例を示すもので、例えばコルゲート加工シートを
収束してコア部2aを形成する際に、収束と同時に、あ
るいは収束後に、熱成形具などを透過させて、収束物の
外周面を溶融成形するなどして、コア部2aの形状を円
筒形にしたものである。このようにすると、その長さ方
向においてコア部2aの形状が均一になり、その形状安
定性を向上させることができる。このフィルター1Aの
ように、コア部2aの形状安定性を向上させたものは、
例えばシース部2bを構成するフィルター材の充填量を
増加させても、フィルター製造時に、コア部2aの形状
が変化しにくいため、製造の安定性を向上させることが
できる。このため、シース部2bの充填量の調整幅を広
げることが可能となり、最終フィルター設計の自由度が
広がる。また、美感の向上を図ることができる。さら
に、コア部2aの断面形状は特に限定するものではな
く、図5(a)〜(f)に示したような、星型、三角
形、四角形などの種々の形状とすることができる。
【0016】また、図4(b)に示すように、コア部2
aの周囲に通気性の巻取紙3’を巻き付けてコア部2a
の形状安定性を向上させて、フィルター1Bを構成する
こともできる。巻取紙3’は、例えばその厚さが30〜
90μm、好ましくは55〜85μmのものである。
【0017】コア部2aとシース部2bを形成するもの
としては、繊維材料が好適であり、なかでもセルロース
アセテート繊維が、喫味の点から好ましく用いられる。
シース部2bを構成するフィルター材としては、セルロ
ースアセテート製の繊維トウ(セルロースアセテートト
ウ)を用いると好ましい。さらに好ましくは、セルロー
スアセテート製の長繊維捲縮トウであり、このものを用
いることにより、煙粒子成分の濾過効率が高く、また香
喫味の良好なフィルター1,1A,1Bが得られる。コ
ア部2aを構成するフィルター材としては、開繊したセ
ルロースアセテートトウをコルゲート加工してなるコル
ゲート加工シートが好適である。あるいは、セルロース
アセテート繊維製のウェブ(織布、不織布などのシート
状物)をコルゲート加工してなるコルゲート加工シート
も好適である。これらは単独で用いることもできるし、
組み合わせて用いることもできる。
【0018】フィルター部2に対するコア部2aの重量
比率は、15〜55%が望ましい。コア部2aの重量比
率が15%未満の場合、コア部2aが粗になりすぎ、そ
の外周部をシース部2bで覆うことによってコア部2a
の形状を保つことが困難となる。55%をこえると、製
造時に、シース部2bを構成するフィルター材によっ
て、コア部2aを均一に包み込んで巻き上げることが困
難となる。
【0019】フィルター部2の断面積に対するコア部2
aの断面積の割合は、5〜60%、好ましくは10〜4
5%とされる。この範囲外の場合には、煙を効率的にコ
ア部2aに局在化させ、コア部2aから喫煙されるニコ
チン濃度を高めることができない場合がある。すなわち
5%未満の場合にはコア部2aから流出する煙の量が少
なく、十分な喫煙に対する満足感が得られない。60%
をこえるとフィルター1,1A,1B全体の濾過効率が
低下し、低タールたばこを構成することが困難となる場
合がある。
【0020】また、フィルター1,1A,1Bにおいて
は、コア部2aから喫煙されるニコチン濃度(以下コア
部2aのニコチン濃度という)が、シース部2bから喫
煙されるニコチン濃度(以下シース部2bのニコチン濃
度という)に対して100〜300倍になるように、コ
ア部2aとシース部2bのそれぞれの構成材料などが調
整される。100倍未満の場合は、喫煙者は喫煙による
満足感を得ることができず、300倍をこえると、フィ
ルター1,1A,1Bの濾過効率が低下し、低タールた
ばことしては不適当である。このようなコア部2aとシ
ース部2bにおけるニコチン濃度差を得るには、特に、
コア部2aとシース部2bのそれぞれの通気抵抗を調整
することが有効である。しかしながら、前記ニコチン濃
度は、前記通気抵抗のみに依存するものではなく、コア
部2aとシース部2bを構成する材料特性、製造方法な
どによって変化する。したがって、異なる構成のフィル
ターを作製するごとに、後述する方法によってコア部2
aとシース部2bのそれぞれのニコチン濃度を測定し、
ニコチン濃度比率が本発明の範囲内のものとする。
【0021】コア部2aとシース部2bのそれぞれのニ
コチン濃度は、本出願人が特開平9−304371号公
報において提案した、フィルターを透過する煙粒子成分
を、フィルターの各部分毎に測定するための装置を用い
て得られるニコチン喫煙量の値と、この装置を利用して
構成した流量測定装置によって測定する流量測定値とか
ら求めるものである。図8はサンプルホルダーの拡大断
面図、図9は喫煙量測定装置の概略構成図である。図1
0は、流量測定装置の概略構成図である。
【0022】図9に示した喫煙量測定装置は、サンプル
ホルダー30とケンブリッジフィルター44a,44b
と、図示しない吸引装置によって概略構成されている。
サンプルホルダー30は、第1の開口部31,第2の開
口部32,第3の開口部33を有している。第2の開口
部32には、円管状の流路分割部材34が挿入され、固
定されている。サンプルホルダー30の流路分割部材3
4と第1の開口部31には、チューブ41a,41bが
それぞれ接続されている。これらチューブ41a,41
bの途中には、それぞれケンブリッジフィルター44
a,44bが挿入されている。そしてこれらチューブ4
1a,41bは、吸引装置接続部42において合流し、
この吸引装置接続部42を介して吸引装置に接続されて
いる。
【0023】サンプルホルダー30の流路分割部材34
の先端34bは尖っており、第3の開口部33から挿入
される、たばこのフィルター部2の端面に差し込まれる
ようになっている。この結果、流路分割部材34の内部
と外部とに、フィルター部2の中心部を透過した煙の流
路と、その外周部を透過した煙の流路とが分割されるよ
うになっている。そして、流路分割部材34の先端34
bの内径Dは、前記中心部の外径に相当し、この内径D
を変更することによって、フィルター部2の中心部と外
周部の測定範囲を自由に変更して設定することができ
る。流路分割部材34の内部は、前記中心部を透過した
煙が流れる中心部透過気体流路34aであり、流路分割
部材34の外部には、第3の開口部33から第1の開口
部31にかけて、前記外周部を透過した煙が流れる外周
部透過気体流路31aが形成されている。
【0024】コア部2aとシース部2bのそれぞれのニ
コチン喫煙量を測定するにおいては、内径Dがコア部2
aの外径と等しい流路分割部材34を用い、サンプルホ
ルダー30に、フィルター1を用いて構成したたばこ巻
をセットし、喫煙操作を行った。
【0025】この喫煙操作により、コア部2aを透過し
た煙は、中心部透過気体流路34aからチューブ41a
に入り、ケンブリッジフィルター44aにおいて、煙粒
子成分が捕捉される。一方、シース部2bを透過した煙
は、外周部透過気体流路31aからチューブ41bに入
り、ケンブリッジフィルター44bにおいてその煙粒子
成分が捕捉される。そして、ケンブリッジフィルター4
4a,44bにおいて捕捉した煙粒子成分について、コ
レスタ法に基づいてガスクロ分析を行って、コア部2a
とシース部2bのそれぞれのニコチン喫煙量の測定値を
得る。一方、図10に示した流量測定装置は、図9に示
した装置において、ケンブリッジフィルター44a,4
4bを流量測定部43a,43bに変更して構成したも
のである。流量測定部43a,43bとしては、ダイナ
サイエンス社のラミナーフローメーターなどを用いるこ
とができる。この装置に、ニコチン喫煙量の測定時と同
様にしてフィルター1を用いて構成したたばこをセット
し、吸引速度17.5ml/secで吸引したときのコ
ア部2aとシース部2bをそれぞれ透過した気体の流量
を測定する。
【0026】このようにして求めたコア部2aとシース
部2bのそれぞれのニコチン喫煙量の測定値と流量測定
値から、以下の式にしたがって、コア部2aとシース部
2bのそれぞれのニコチン濃度の値を求める。
【0027】Nc=Nv/(M×Pt×Pn)×1000 ただし、Nc:ニコチン濃度(μg/ml) Nv:ニコチン喫煙量の測定値(mg) M :流量測定値(ml/sec) Pt:パフ時間(2sec) Pn:パフ回数
【0028】コア部2aとシース部2bにおける、それ
ぞれ単独の通気抵抗は以下のようにして測定するもので
ある。まず、フィルター部2をシース部2bとコア部2
aに分離する。コア部2aの通気抵抗は、分離したコア
部2aの外周にセロファンテープを巻き、コア部2aの
外径と同一の内径を有するチューブに差し込んで、コレ
スタ法で定義された方法にしたがって測定する。シース
部2bの通気抵抗は、分離したシース部2bの、コア部
2aに相当する箇所に、コア部2aの外径と同一の外径
を有する塩化ビニル樹脂製の棒を差し込み、コレスタ法
で定義された方法にしたがって測定する。この測定方法
によって得られる通気抵抗値の単位はmmH2Oであ
る。
【0029】本発明において、フィルター部2の通気抵
抗は100〜170mmH2Oが好適であり、コア部2
aの通気抵抗は450〜800mmH2Oが好ましい。
さらに好ましくは、フィルター部2の通気抵抗が140
〜160mmH2Oであり、コア部2aの通気抵抗は5
00〜600mmH2Oである。この範囲のフィルター
1,1A,1Bは、煙をコア部2aに局在化させ、コア
部2aのニコチン濃度を高める構成とすることが容易で
ある。
【0030】コア部2aの通気抵抗は、具体的には下記
の条件などを変更することによって、変えることができ
る。 1)コルゲート成形条件(温度、圧力、クリアランス、
速度) 2)コア部成形条件(温度、速度) 3)フィルター材特性(例えば、トウ品種*などの選
択) *トウ品種の特性は、繊度(dpf値)/トータルデニ
ールで表される。 4)シート開繊幅(開繊が必要な材料を用いる場合) 5)開繊後に付着させる可塑剤量 6)コア部の外径
【0031】フィルター部2の通気抵抗は、上述のコア
部2aの通気抵抗に影響する条件の他に、シース部2b
のフィルター材特性、フィルター材充填量、可塑剤量な
どの条件によって変更することができる。
【0032】また、チップペーパー4の開孔部4aから
フィルター1,1A,1B内部に外部空気を取り入れる
ベンチレーション効果は、喫煙者の口中に到達する吸入
量に対する、開孔部4aから入る外部空気量の割合(容
量%)であるフィルターベンチレーション率(以下ベン
チレーション率と記す)で表される。このベンチレーシ
ョン率は、巻取紙3とチップペーパー4の通気度や開孔
部4aの大きさや数などを変化させることによって調整
することができる。ベンチレーション率は、コレスタ法
NO.6にしたがって測定して得られる値である。
【0033】本発明において、ベンチレーション率は、
60〜80%が望ましい。この際、巻取紙3の通気度が
10000〜30000CUであり、チップペーパー4
の通気度が1600〜3000CUであると望ましい。
これらの通気度はコレスタ法NO.40にしたがって測
定して得られる値である。前記範囲のベンチレーション
率とすることにより、一度コア部2aに流入し、さらに
コア部2aからシース部2bに流れ出た煙も、シース部
2bの外部から流入するベンチレーション空気の流入圧
によってコア部2a中に押しやられる。この結果、コア
部2aに煙をさらに集中させて、局在化することができ
る。
【0034】また、本発明においては、フィルター1の
ニコチン濾過率が55〜75%であることが好ましい。
55%未満の場合、低タールのたばこを構成することが
困難となり、75%をこえると、喫味感の向上効果が不
十分となる場合がある。ニコチン濾過率は、コレスタ法
にしたがって求めた値である。ニコチン濾過率は、コア
部2aとシース部2bの材料、重量比率、断面積などの
構成、あるいはフィルター1,1A,1Bのベンチレー
ション率などによって調整することができる。また、た
ばこ本体5a側を前、フィルター部2側を後ろとしたと
き、チップペーパー4の開孔部4a前のフィルター部2
におけるニコチン濾過率よりも、前記開孔部4a後のフ
ィルター部2におけるニコチン濾過率は低くなってい
る。本発明においては、開孔部4a前のフィルター部2
におけるニコチン濾過率に対する、開孔部4a後のフィ
ルター部2におけるニコチン濾過率の割合が、30〜6
0%であると好ましい。この範囲とすることにより、ベ
ンチレーション空気が選択的にシース部2bを流れ、コ
ア部2aからニコチン濃度の高い煙が流出する。これら
のニコチン濾過率はコレスタ法にしたがって喫煙させた
フィルターを開孔部4aで切断し、開孔部4aの前後に
分けて測定した値である。
【0035】以下、フィルター1,1A,1Bの作用に
ついて説明する。フィルター部2においては、上述のよ
うにコア部2aのニコチン濃度が、シース部2bのニコ
チン濃度に対して100〜300倍であり、非常に大き
くなっている。具体的には、上述のようにコア部2aと
シース部2bのそれぞれの材料を適切に選択することに
より、例えばシース部2bよりもコア部2aを、気体が
透過しやすい構成とし、煙の流れをコア部2aに局在化
させることによって、本発明のコア部2aとシース部2
bのニコチン濃度差を得ることができる。すなわち、コ
ア部2aが気体を透過しやすい構成となっているため、
コア部2aに煙の流れが局在化する。すると、コア部2
aを透過する煙の流速は、シース部2bを透過する煙の
流速、あるいはチップペーパー4と巻取紙3を介してシ
ース部2bの側面から取り入れられるベンチレーション
空気の流速よりもかなり速くなる。この結果、コア部2
aを透過する煙は、コア部2a内で十分に濾過されない
まま、ニコチン、タールなどの煙粒子成分を高濃度に含
む煙として喫煙者の口中に到達する。一方、シース部2
bを通過する煙は、その速度が遅いため、シース部2b
において十分に濾過されるとともに、シース部2bの側
面側から取り入れられるベンチレーション空気によって
希釈され、低濃度の煙として前記高濃度の煙の後に、喫
煙者の口中に到達する。
【0036】このように、喫煙者は、先にコア部2aか
ら流出する、タール、ニコチンなどの煙粒子成分を高濃
度に含有する煙を味わうことができる。これと同時に、
シース部2b透過する煙は、十分に濾過されるとともに
ベンチレーション空気によって希釈され、低タール化さ
れる。この結果シース部2bからは低タール化されたニ
コチン濃度が小さい煙が得られる。このようにコア部2
aとシース部2bから流出する煙の特性の差によって、
香味の濃さ、煙量感などの喫煙に対する満足感を得るこ
とができるとともに、全体としてはタール量がタール値
3mg以下、好ましくは1mg以下の低タールたばこを
構成することができる。本発明のフィルターを用いたた
ばこのタール値は、コレスタ法にしたがって測定する値
であり、たばこ本体の構成、フィルターの構成などによ
って調整される。本発明のフィルターは、タール値が3
mg以下、好ましくは1mg以下の低タールたばこに好
適に用いられるものである。
【0037】図6は、本発明のフィルターの好適な製造
方法の第1の例に用いる装置の概略構成図である。以
下、製造操作にしたがって説明する。まずコア部の材料
として、トウのように開繊が必要な繊維素材を用いる場
合、べールから引き出したトウ状コア部材料10Aを、
開繊装置11Aに供給して、均一に開繊する。そして、
テリベリーロール12Aを通過させて、好ましくは、ト
リアセチンなどの可塑剤を均一に付着させてシート状コ
ア部材料10Bとする。そして、このシート状コア部材
料10Bをコルゲート熱成形装置14に供給する。一
方、コア部の材料として、不織布、フィルムなど開繊不
要なもの(ウェブ)を用いる場合には、このシート状コ
ア部材料10Bをガイド13を介して直接コルゲート熱
成形装置14に供給することができる。
【0038】コルゲート熱成形装置14は、多数の溝を
有する上下2本のニップロールを備えている。そして、
この上下のニップロールの溝が互いに噛合し、約1mm
以下の厚さでそのクリアランスを調整できる機能を有
し、所定の圧力で加圧する能力と、所定の温度で熱成形
する能カを備えているものであれば、いずれの装置をも
用いることができる。
【0039】コルゲート熱成形装置14のニップロール
間のクリアランス、圧力、温度、速度によって、フィル
ター特性が変化する。このため、これらの諸条件は目的
とするフィルターの特性に合わせて決定される。具体的
には、例えばコルゲート熱成形装置14のニップロール
間のクリアランスは0.5mm以下、ロール間圧力は
0.5〜6kg/cm2Gの範囲、温度は60〜180
℃の範囲とするのが好ましい。前記クリアランスが0.
5mmを越える場合、温度が60℃未満の場合には、コ
ルゲート加工が困難である。また、温度が180℃を越
える場合には、逆にシート化が進みすぎ、十分な通気抵
抗を保ったフィルター材とすることが困難になるととも
に、製造安定性が低下する。
【0040】ついで、コルゲート熱成形装置14におい
てコルゲート加工されたコルゲート加工シート6を、エ
キストラロール15から引き出す。さらに、第1のリン
グガイド16と第2のリングガイド17を通過させた
後、熱成形収束装置18を通過させて、収束させるとと
もに、その外周面を熱融着加工し、円筒型の収束物と
し、形状の安定化を図る。ついで、二重管19の内管内
に供給する。繊維トウなどをコルゲート加工せずに、そ
のまま用いてア部を構成する場合には、コルゲート熱成
形装置14を経ずに、開繊装置11Aとデリベリーロー
ル12Aを経たものを熱成形収束装置18に供給する。
【0041】熱成形収束装置18は、コルゲート加工シ
ート6を、加熱しながら収束させつつ通過させる収束路
を有している。この収束路の断面の面積は、入り口側か
ら出口にむかって徐々に小さくなっている。前記断面の
形状は、コア部の断面形状にあわせて、円形、楕円形、
角型、五角形、星型などに適宜変更できる。
【0042】熱成形収束装置18の温度と速度は、目的
とするフィルターの特性に合わせて決定すると好まし
い。具体的には、例えば熱成形収束装置18の温度は、
コルゲート加工シート6の材料にもよるが、60〜30
0℃の範囲とするのが好ましい。60℃未満の場合に
は、熱成形が困難となり、300℃をこえる場合には、
コルゲート加工シート6の溶融が進みすぎ、均一なコル
ゲート形状を保って収束物を形成することが困難とな
る。また熱成形収束装置18の出口の断面積は、通常コ
ア部2aの断面積とする。また、コルゲート加工シート
6の性質やシート幅によって、コア部2aの断面積と、
前記出口の断面積を調節することが好ましい。すなわち
前記出口の断面積が小さすぎると、収束路内の抵抗が大
きくなり、後の工程に、コルゲート加工シート6の収束
物を供給する速度が低下し、製造効率の低下を招くこと
がある。また、前記出口の断面積が大きすぎる場合に
は、前記収束物中の空隙が多くなって、剛直性が失わ
れ、均一な形状の収束物が得られない場合がある。
【0043】一方、長繊維捲縮トウなどのシース部材料
21を、開繊装置11Bに供給し、均一に開繊する。さ
らにデリベリーロール12Bを通過させて、好ましくは
トリアセチンなどの可塑剤を均一に付着させる。つい
で、第1のリングガイド16と第2のリングガイド17
を通過させて、開繊した繊維トウシートの断面形状を円
弧状に広げ、さらに筒状に成形しつつ、二重管19の外
管と内管との間に供給し、管状体に収束するとともに、
内管内に供給されるコア部となる円筒型の収束物と一体
化してフィルター部を形成する。これを、巻取紙3とと
もにフィルタープラグマシン20に供給する。
【0044】フィルタープラグマシン20においては、
巻取紙3を、その少なくとも一端縁に接着剤を塗工し、
フィルター部の外周に巻つけるとともに、前記端縁を接
着してフィルター部と一体化する。そして、カッターで
所定長に切断してフィルターチップとする。このように
して、図4(a)に示す断面形状のフィルター1Aを得
ることができる。この後、常法にしたがって、例えばた
ばこ本体と前記フィルターチップとを突き合わせて、フ
ィルターチップの周囲と、たばこ本体の前記フィルター
チップとの接合部の周囲に一体にチップペーパーを巻き
付けて接着し、フィルターを完成させる。
【0045】図7は本発明のフィルターの製造方法の第
2の例に用いる装置の例を示す概略構成図で、この装置
は、図4(b)に示すように、コア部2aの周囲に巻取
紙3’を設けた構成のフィルター1Bを製造するもので
ある。この装置においては、エキストラルロール15と
第1のリングガイド16との間に、コア部収束ガイド2
2とコア部巻管部23が設けられている点が、図6に示
した装置と異なっている。
【0046】すなわち、コア部収束ガイド22におい
て、エキストラルロール15から供給されたコルゲート
加工シート6の収束物を形成し、これを巻取紙3’とと
もにコア部巻管部23に供給する。そして、このコア部
巻管部23において、コルゲート加工シート6の収束物
の周囲に、その一端縁に接着剤を塗工した巻取紙3’を
巻き付け、前記接着剤にて前記端縁を接着し、前記収束
物と巻取紙3’を一体化する。このようにして、コア部
の断面積を所定の断面積とし、その長さ方向における形
状を安定させる。この収束物と巻取紙3’との一体化物
を、第1のリングガイド16,第2のリングガイド17
を経て熱成形収束装置18に供給し、シース部となる管
状体と一体化する以下の操作は、図6に示した第1の例
と同様である。
【0047】
【実施例】以下のようにして、フィルターを製造し、こ
れを用いてたばこを構成し、その特性を評価した。な
お、実施例における測定項目は、それぞれ以下に示す方
法によって測定したものである。 <通気抵抗>通気抵抗はコレスタ法に基づき、たばこの
通気抵抗、およびコア部、シース部のそれぞれ単独の通
気抵抗は、加藤工業製OTIC式吸引抵抗測定器を用い
て、前述した方法にしたがって測定した。測定結果は、
表1、表2中、「コア部通気抵抗」、「シース部通気抵
抗」、「たばこ通気抵抗」の項目に示した。 <コア部のニコチン濃度とシース部のニコチン濃度>図
8、9に示した装置と、ダイナサイエンス社のラミナー
フローメーター23を用いて構成した図8、10に示し
た装置を用い、上述の方法で測定した。サンプルホルダ
ーの流路分割部材の内径Dは、それぞれのコア部の直径
にあわせて、順次変更した。測定結果は、表2中、「コ
ア部ニコチン濃度」と「シース部ニコチン濃度」の項目
に示した。
【0048】<たばこの煙中のタール、ニコチンの測定
>喫煙による煙中のタールとニコチンの喫煙量を、ボル
グワルト社製回転型喫煙器RM20/CSを用い、コレ
スタ法に基づき実施した。測定結果は、表2中、「ター
ル/ニコチン喫煙量」の項目にそれぞれ示した。 <開孔部後ニコチン濾過率/開孔部前ニコチン濾過率>
ボルグワルト社製回転型喫煙器RM20/CSを用い、
コレスタ法に基づき実施し、開孔部後ニコチン濾過率/
開孔部前ニコチン濾過率の比率を求め、表2に結果を示
した。
【0049】(実施例1〜2)図6に示す装置を用いて
フィルターを製造し、図4(a)に示す断面形状を有す
るフィルターを形成した。コア部はセルロースアセテー
トトウからなるコルゲート加工シートから形成した。ま
た、シース部としては、セルロースアセテートトウから
なる管状のたばこフイルタープラグ(円周24.6m
m)を製造し、これを用いた。また、巻取紙は厚さ、ポ
ーラス紙、通気度30000CUを用いた。フィルター
チップの長さは25mmになるように切断した。表1に
コア部とシース部の構成を示した。表1中、「コアト
ウ」、「シーストウ」の項目には、コア部とシース部を
構成するそれぞれのセルロースアセテートトウの特性
を、繊度(dpf値)/トータルデニールの値で示し
た。
【0050】このようにして得られたフィルターチップ
に、チップペーパーを巻き付けて糊付けし、たばこ本体
と接続し、フィルターを完成させるとともに、たばこを
製造した。このときチップペーパーの開孔部には糊付け
しないようにした。たばこ本体は、日本たばこ産業
(株)製商品名「アルファ」のフィルター部分を除いた
ものと同様の構成のものを用いた。チップペーパーはレ
ーザー4列開孔、通気度1600CUを用いた。チップ
ペーパーの開孔部は、フィルター吸口端面から12.5
mmの位置に、チップペーパーの外周に沿って一列に設
けた。たばこの評価結果を表2に、フィルターの各部の
流速を表3に示した。
【0051】(比較例1)フィルター部をセルロースア
セテートトウからなる均一構造とした以外は、実施例1
と同様の構成のフィルターとたばこを製造した。表1に
フィルター部の構成を、表2にたばこの評価結果を示し
た。また、サンプルホルダーの流路分割部材の内径Dを
2〜6mm間で1mm刻みで変化させてたときの、中心
部(コア部流速の項目に記載)と外周部(シース部流速
の項目に記載)の流速を測定し、表3にそれぞれ示し
た。
【0052】(比較例2)実施例1〜2と同様にして、
フィルターを作製し、たばこを製造した。表1にフィル
ター部の構成を示した。また、たばこの評価結果を表2
に、フィルターの各部の流速を表3に示した。この比較
例2のフィルターは、コア部の径が5mmで、高いコア
部通気抵抗という構成にしたことにより、コア部の流速
がシース部の流速よりも遅いところが、実施例1〜2の
フィルターと大きく異なっていた。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】表2より、本発明に係る実施例1、2のフ
ィルターを用いたたばこにおいては、コア部のニコチン
濃度がシース部のニコチン濃度に対して非常に大きく、
かつタール値は1mgであり、非常に低くなっている。
このため実施例1、2のたばこは、コア部から喫煙され
るニコチン、タールによって香味の濃さ、煙量感などの
喫煙に対する満足感を得ることができるものであり、か
つタール値1mg以下の超低タールたばこである。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように本発明のフィルター
においては、上述のようにコア部のニコチン濃度がシー
ス部のニコチン濃度の100〜300倍という十分に大
きな値となっている。すなわちコア部を透過した煙は、
高濃度の煙として喫煙者の口中に到達し、喫煙者は、先
にコア部から流出するタール、ニコチンなどの煙粒子成
分を高濃度に含有する煙を味わうことができる。一方、
シース部を透過する煙は、シース部において十分に濾過
されるとともに、ベンチレーション空気によって希釈さ
れ、低濃度の煙として前記高濃度の煙の後に、喫煙者の
口中に到達する。この結果、コア部とシース部から流出
する煙の特性の差によって、香味の濃さ、煙量感などの
喫煙に対する満足感を得ることができるとともに、全体
としてタール値3mg以下、好ましくは1mg以下の低
タールたばこを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシース・コア型たばこフィルターの
一例の軸芯方向と直交方向に切断した断面図である。
【図2】 本発明のシース・コア型たばこフィルターの
一例の軸芯方向と平行に切断した側断面図である。
【図3】 コルゲート加工シートの構成を示す説明図で
ある。
【図4】 図4(a)は、コア部の形状を円筒形にした
フィルターの一例を示した軸芯方向と直交方向に切断し
た断面図である。図4(b)は、コア部の周囲に通気性
の巻取紙を巻き付けたフィルターの一例を示した軸芯方
向と直交方向に切断した断面図である。
【図5】 図5(a)〜(f)は、フィルターのコア部
の断面形状の種々の例を示した軸芯方向と直交方向に切
断した断面図である。
【図6】 本発明のフィルターの製造方法の第1の例に
用いる装置の概略構成図である。
【図7】 本発明のフィルターの製造方法の第2の例に
用いる装置の概略構成図である。
【図8】 図9、図10に示した装置の一例に用いるサ
ンプルホルダーの拡大断面図である。
【図9】 ニコチン喫煙量の測定装置を示す概略構成図
である。
【図10】 流量測定装置の一例の概略構成図である。
【符号の説明】
1,1A,1B…フィルター、2a…コア部、2b…シ
ース部、2…フィルター部、3,3’…巻取紙、4…チ
ップペーパー、4a…開孔部(孔)、5a…たばこ本体
(たばこの巻部)、5…たばこ、6…コルゲート加工シ
ート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 栄一 富山県富山市海岸通り3番地 三菱レイ ヨン株式会社内 (72)発明者 平木 信成 富山県富山市海岸通り3番地 三菱レイ ヨン株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−191682(JP,A) 特開 平7−8254(JP,A) 特開 平6−169744(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A24D 1/00 - 3/18

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心に設けられたコア部とこの周囲に設
    けられたシース部とを有するフィルター部を備えた、タ
    ール値が3mg以下の低タールたばこ用のシース・コア
    型たばこフィルターであって、 前記コア部から喫煙されるニコチン濃度が前記シース部
    から喫煙されるニコチン濃度の100〜300倍であ
    り、 かつ、前記フィルター部の断面積に対する前記コア部の
    断面積の割合が5〜60%であることを特徴とするシー
    ス・コア型たばこフィルター。
  2. 【請求項2】 前記フィルター部の断面積に対する前記
    コア部の断面積の割合が10〜45%であることを特徴
    とする請求項1記載のシース・コア型たばこフィルタ
    ー。
  3. 【請求項3】 ニコチン濾過率が55〜75%であるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のシース・コア型
    たばこフィルター。
  4. 【請求項4】 前記フィルター部に対する前記コア部の
    重量比率が15〜55%であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載のシース・コア型たばこフ
    ィルター。
  5. 【請求項5】 前記フィルター部の通気抵抗が100〜
    170mmH2Oであることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれか一項に記載のシース・コア型たばこフィルタ
    ー。
  6. 【請求項6】 前記コア部の通気抵抗が450〜800
    mmH2Oであることを特徴とする請求項1〜5のいず
    れか1項に記載のシース・コア型たばこフィルター。
  7. 【請求項7】 フィルターベンチレーション率が60〜
    80%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    1項に記載のシース・コア型たばこフィルター。
  8. 【請求項8】 前記フィルター部の周囲に巻き付けられ
    た巻取紙と、この巻取紙の上に巻き付けられたチップペ
    ーパーを備え、 前記巻取紙の通気度が10000〜30000CUであ
    り、前記チップペーパーの通気度が1600〜3000
    CUであることを特徴とする請求項1〜7いずれか一項
    に記載のシース・コア型たばこフィルター。
  9. 【請求項9】 前記フィルター部の周囲に巻き付けられ
    た巻取紙と、この巻取紙の上に巻き付けられたチップペ
    ーパーを備え、 前記チップペーパーは、その外周にそって設けられたベ
    ンチレーション空気を導入するための開孔部を有し、 前記開孔部前のニコチン濾過率に対する開孔部後のニコ
    チン濾過率の割合が30〜60%であることを特徴とす
    る請求項1〜8のいずれか一項に記載のシース・コア型
    たばこフィルター。
  10. 【請求項10】 前記シース部が、繊維トウからなるこ
    とを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のシ
    ース・コア型たばこフィルター。
  11. 【請求項11】 前記コア部が、コルゲート加工シート
    が収束されてなることを特徴とする請求項1〜10のい
    ずれか一項に記載のシース・コア型たばこフィルター。
  12. 【請求項12】 前記コア部と前記シース部の一方ある
    いは両方がセルロースアセテート繊維からなることを特
    徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のシース
    ・コア型たばこフィルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023226104A1 (zh) * 2022-05-24 2023-11-30 云南中烟工业有限责任公司 一种三角形间隔填充丝束的滤棒及其加工方法
JP7507956B1 (ja) 2022-05-24 2024-06-28 雲南中煙工業有限責任公司 トウが分離充填された三角形フィルタ及びその加工方法

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