JP2953956B2 - コンバイン - Google Patents

コンバイン

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JP2953956B2
JP2953956B2 JP17635694A JP17635694A JP2953956B2 JP 2953956 B2 JP2953956 B2 JP 2953956B2 JP 17635694 A JP17635694 A JP 17635694A JP 17635694 A JP17635694 A JP 17635694A JP 2953956 B2 JP2953956 B2 JP 2953956B2
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末蔵 上田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、脱穀後の処理物を選別
する揺動選別板と、選別風を送風する送風手段と、前記
揺動選別板上の処理物の層厚を検出する層厚検出手段
と、前記層厚検出手段の情報に基づいて前記層厚が目標
層厚になるように前記揺動選別板の漏下開度を変更調節
し、且つ、その揺動選別板の漏下開度に対応して設定さ
れた目標送風量になるように前記送風手段の送風量を変
更調節する選別制御手段とが設けられたコンバインに関
する。
【0002】
【従来の技術】上記コンバインにおいては、接触式の層
厚センサ等の層厚検出手段による揺動選別板上の処理物
の層厚検出情報に基づいて、例えば揺動選別板の漏下開
度変更調節用の操作量を設定してその操作量で揺動選別
板の漏下開度を変更調節するとともに、変更調節された
揺動選別板の漏下開度に対応した目標送風量になるよう
に送風手段の送風量を変更調節することにより、例え
ば、選別風の送風量を処理物の層厚検出情報に基づいて
直接設定した場合に、揺動選別板から漏下する処理物量
に対して必ずしも適切な送風量に調節されない状態が発
生するおそれを回避していた。即ち、揺動選別板の漏下
開度で決まる漏下処理物量に対して選別風量が少なすぎ
る場合における回収穀粒への藁屑等の混入増加や、漏下
処理物量に対して選別風量が多すぎる場合における機外
放出による穀粒損失の増加等の不具合を極力防止するよ
うにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術では、層厚センサ等の層厚検出手段が断線等のた
めに故障したり、外乱等のために誤検出したり、あるい
は、センサが取り付けられていない等に起因して適正な
層厚検出情報が得られない状態で、その層厚検出情報に
基づいてチャフ開度調節を行うと、適正な選別作動がな
されず、前述の回収穀粒への藁屑等の混入増加や機外放
出による穀粒損失の増加等の不具合を発生させるおそれ
があった。
【0004】本発明は、上記実情に鑑みて為されたもの
であって、その目的は、層厚検出情報に基づいて変更調
節される揺動選別板の漏下開度に対応させて選別風の送
風量を調節することで、揺動選別板での漏下処理物量に
対して適切な送風量を維持しながら、同時に、層厚検出
手段の故障等のために適正な層厚検出情報が得られない
場合においても、チャフ開度調節従ってこれに対応した
送風量調節を適正に行って、選別作動における前記従来
技術の不具合を解消させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のコンバインは、
脱穀後の処理物を選別する揺動選別板と、選別風を送風
する送風手段と、前記揺動選別板上の処理物の層厚を検
出する層厚検出手段と、前記層厚検出手段の情報に基づ
いて前記層厚が目標層厚になるように前記揺動選別板の
漏下開度を変更調節し、且つ、その揺動選別板の漏下開
度に対応して設定された目標送風量になるように前記送
風手段の送風量を変更調節する選別制御手段とが設けら
れたコンバインであって、その第1の特徴構成は、脱穀
装置への穀稈供給量を検出する穀稈供給量検出手段が設
けられ、前記選別制御手段は、前記層厚検出手段の検出
値が所定範囲内の値でないときは、前記層厚検出手段に
代えて前記穀稈供給量検出手段の情報に基づいて前記揺
動選別板の漏下開度を変更調節するように構成されてい
る点にある。
【0006】第2の特徴構成は、前記穀稈供給量検出手
段が、車速を検出する車速検出手段にて構成されている
点にある。
【0007】第3の特徴構成は、前記車速検出手段によ
って検出される車速が設定上限車速を超えない状態で、
負荷検出手段によって検出されるエンジンの負荷が目標
負荷範囲に維持されように、走行用の無段変速装置を変
速操作する車速制御手段が設けられている点にある。
【0008】
【作用】本発明の第1の特徴構成によれば、揺動選別板
上の処理物の層厚が目標層厚になるように揺動選別板の
漏下開度が層厚検出情報に基づいて変更調節され、且
つ、選別風の送風量が上記揺動選別板の漏下開度に対応
して設定された目標送風量になるように変更調節されて
いるときに、層厚検出情報が所定範囲内の値でなくなる
と、その層厚検出情報に代えて脱穀装置への穀稈供給量
検出情報に基づいて、例えば穀稈供給量が多いほど揺動
選別板の漏下開度を大きくするように、揺動選別板の漏
下開度が変更調節され、且つ、選別風の送風量が上記揺
動選別板の漏下開度に対応して設定された目標送風量に
なるように変更調節される。
【0009】又、第2の特徴構成によれば、上記第1の
特徴構成において、層厚検出情報に基づいて揺動選別板
の漏下開度が変更調節され、且つ、上記揺動選別板の漏
下開度に対応して選別風の送風量が変更調節されている
ときに、層厚検出情報が所定範囲内の値でなくなると、
その層厚検出情報に代えて車速検出情報に基づいて、例
えば車速が速いほど揺動選別板の漏下開度を大きくする
ように、揺動選別板の漏下開度が変更調節され、且つ、
選別風の送風量が上記揺動選別板の漏下開度に対応して
設定された目標送風量になるように変更調節される。
【0010】又、第3の特徴構成によれば、上記第2の
特徴構成において、エンジン負荷が目標負荷範囲よりも
大きくなると減速操作される一方、目標負荷範囲よりも
小さくなると、車速が設定上限車速を超えない状態で増
速操作されて、エンジン負荷が目標負荷範囲に維持され
るように車速制御される。
【0011】
【発明の効果】本発明の第1の特徴構成によれば、層厚
検出情報に基づいて変更調節される揺動選別板の漏下開
度に対応させて選別風の送風量を調節することで、揺動
選別板での漏下処理物量に対して適切な送風量を維持し
ながら、同時に、層厚検出手段の故障や外乱等のために
適正な層厚検出情報が得られない場合においては、その
層厚検出情報に代えて脱穀装置への穀稈供給量に基づい
て、揺動選別板の漏下開度調節従ってこれに対応した送
風量調節を適正に行うことができ、もって、選別作動に
おける前記従来技術の不具合を解消させて、コンバイン
の安全性及び信頼性を向上させることができるに至っ
た。
【0012】又、第2の特徴構成によれば、上記穀稈供
給量を車速によって検出するので、例えば、扱室Aに供
給搬送される刈取穀稈のわら厚さをフィードチェーン1
6に設けたポテンショメータ等の稈厚センサによって検
出した稈厚情報と、フィードチェーン16の搬送速度情
報とから穀稈供給量を求めるものでは装置構成が複雑に
なる欠点があるのに比べて、より簡素な構成で穀稈供給
量を検出することができ、もって、上記第1の特徴構成
を実施する際の好適な手段が得られる。
【0013】又、第3の特徴構成によれば、穀稈供給量
の検出用に設けた車速検出手段を、車速制御において兼
用使用して、車速が適正上限値よりも速くなることを的
確に防止することができ、もって、上記第2の特徴構成
を実施する際の好適な手段が得られる。
【0014】
【実施例】以下、本発明をコンバインの脱穀装置に適用
した場合の実施例を図面に基づいて説明する。図2〜図
4に示すように、コンバインは、左右一対のクローラ走
行装置1、脱穀装置2、操縦部3、刈取部4等を備え
る。
【0015】刈取部4には、分草具5、植立穀稈を引き
起こす引き起こし装置6、引き起こされた穀稈の株元を
切断する刈り刃7、及び、刈取穀稈を係止搬送して機体
後方側の脱穀装置2のフィードチェーン16に渡す縦搬
送装置9等が順次並ぶ状態で設けられている。尚、縦搬
送装置9の始端部には、刈取穀稈の有無を検出するため
に、刈取穀稈が有るときにオンし、無いときにオフする
スイッチからなる株元センサS4が設けられている。
【0016】脱穀装置2は、図4に示すように、扱胴1
5を収納する扱室A、刈取部4から供給される穀稈を扱
室Aに供給搬送するフィードチェーン16、排塵用の横
断流ファン17、脱穀後の処理物を選別するための選別
装置Bを備える。選別装置Bは、脱穀後の処理物を選別
する揺動選別板19、選別風を送風する送風手段として
のトウミ18、選別後の処理物を回収するための一番物
回収部(以下、一番口という)20及び二番物回収部
(以下、二番口という)21を備えている。
【0017】フィードチェーン16にて扱室Aに供給搬
送される穀稈は扱胴15の回転により脱穀される。扱室
Aの下部には受網22が設けられ、脱穀後の処理物のう
ち単粒化した穀粒は受網22から揺動選別板19に漏下
する。受網22から漏下できなかった処理物は受網22
の後端部より揺動選別板19に落下する。
【0018】揺動選別板19は、トウミ18の上方に位
置するグレンパン23、その後方に位置するチャフシー
ブ24、その下方に位置するグレンシーブ25等からな
り、一定周期の揺動により脱穀後の処理物を後方に移送
しながら比重選別する。一番口20及び二番口21は、
それぞれスクリューコンベアを備え、チャフシーブ24
及びグレンシーブ25から漏下した穀粒は一番口20か
ら回収されてタンク等に貯溜される。チャフシーブ24
の後端やグレンシーブ25の後端から落下した穀粒と藁
屑との混合物は、二番口21で回収されてから、所定の
2番還元時間(例えば、3秒程度)の後に揺動選別板1
9に還元される。
【0019】チャフシーブ24は、図5に示すように、
複数の板状部材24aが所定間隔毎に前後方向に並設さ
れたものである。各板状部材24aは左右軸芯周りに回
動自在に左右の側板に枢着され、下端部がリンク24b
にて枢支連結されている。従って、リンク24bを前後
方向に移動操作すると、各板状部材24aが同時に回動
し、各板状部材24aの隣接間隔tが変化する。この間
隔tが揺動選別板19における漏下開度(以下、チャフ
開度という)に相当し、このチャフ開度の変更は、シー
ブモータM1を正逆方向に回転駆動することによって行
われる。そのシーブモータM1の回転動作はギヤ式の連
係機構26、揺動アーム27、ワイヤ28によってリン
ク24bの前後移動動作に変換されて、上記の如くチャ
フ開度が変更される。尚、揺動アーム27の回動角度か
らチャフ開度を検出するポテンショメータ式のチャフ開
度センサS2が設けられている。
【0020】トウミ18の送風量の変更は、トウミ18
の回転数を変えることによって行われる。つまり、その
回転数を大きくするほど、選別風の送風量が多くなる。
トウミ回転数の変更は、後述の割りプーリ式のベルト変
速装置8(図3参照)をトウミモータM2によって変速
操作することによって行われる。尚、トウミ18の回転
軸18aには、トウミ18の出力回転数を検出するトウ
ミ回転数センサS3が設けられている。
【0021】上記揺動選別板19の構成において、シー
ブモータM1を駆動してチャフ開度を大きくするほど、
チャフシーブ24において下方側に漏下する穀粒量が増
加して、選別装置Bの処理能力が大きくなる。このと
き、一番口20にて回収される穀粒に藁屑が混入するの
を防止するために、チャフ開度の増加に応じてトウミ送
風量が多くなるつまりトウミ回転数を大きくするように
トウミモータM2を駆動する。
【0022】又、図6に示すように、チャフシーブ24
上の選別処理物(穀粒等)の層厚を検出する層厚センサ
S1が設けられている。層厚センサS1は、横軸芯周り
に揺動自在に垂下された板状部材T1,T2と、その板
状部材T1,T2の後方(処理物の搬送方向)への回動
角度Iを抵抗値に変換するポテンショメータPMからな
る。処理物の層厚が小さいときは板状部材T1が処理物
に接当して後方へ回動し、層厚が大きくなると板状部材
T2が処理物に接当して後方へ回動するように構成され
ている。
【0023】上記構成により、選別処理物の量が多くな
ってその層厚が厚くなるほどセンサバーT1,T2の回
動角度Iが大きくなるので、ポテンショメータPMの抵
抗値から処理物の層厚を検出することができる。従っ
て、揺動選別板19(実際はチャフシーブ24)上の処
理物の層厚を検出する層厚検出手段が、上記層厚センサ
S1によって構成されることになる。
【0024】動力伝達系は図3に示すように構成されて
いる。エンジンEから出力される回転駆動力は、脱穀ク
ラッチ10を介して脱穀装置2に伝達されると共に、走
行クラッチ11及び静油圧トランスミッション等を用い
た車速変速用の油圧式の無段変速装置12を介して、左
右一対のクローラ走行装置1のミッションケース13に
伝達され、刈取部4には、ミッションケース13から刈
取クラッチ14を介して動力が伝達される。脱穀装置2
に伝達された回転駆動力は、割りプーリ式のベルト変速
装置8にて変速されてから、トウミ18に供給される。
又、図示しないが、前記扱胴15、フィードチェーン1
6、揺動選別板19等の駆動力としても伝動される。エ
ンジンEには、その出力回転数を検出するエンジン回転
数センサS6が設けられ、ミッションケース13には、
クローラ走行装置1への駆動軸の回転数を検出して車速
を検出する車速検出手段としての車速センサS5が設け
られ、脱穀装置2が動作中か否かを検出するために、脱
穀クラッチ10の入切状態を検出する脱穀スイッチSW
1が設けられている。
【0025】図1に示すように、マイクロコンピュータ
等で構成される制御手段Hが設けられ、この制御手段H
には、前述の層厚センサS1、チャフ開度センサS2、
トウミ回転数センサS3、株元センサS4、車速センサ
S5、エンジン回転数センサS6、及び、脱穀スイッチ
SW1からの各検出情報が入力されている。又、前記操
縦部3の操縦パネルには、作物条件を麦、稲、濡れの3
条件の中から選択して切り換える作物切換スイッチSW
2と、トウミ調節ボリュームVRとが設けられ、これら
の情報も制御手段Hに入力されている。尚、上記センサ
等からの入力情報は、A/D変換されて0〜255の8
ビットデジタルデータになる。一方、制御手段Hから
は、前述のシーブモータM1、及び、トウミモータM2
に対する各駆動信号が出力されている。
【0026】前記制御手段Hを利用して、前記層厚セン
サS1の情報に基づいて、前記処理物の層厚が目標層厚
になるように前記揺動選別板19の漏下開度を変更調節
し、且つ、その揺動選別板19の漏下開度に対応して設
定された目標送風量になるように、前記トウミ18の送
風量を変更調節する選別制御手段100が構成されてい
る。ところで、脱穀装置2(つまり扱室A)への穀稈供
給量は、刈取速度が速くなるほど多くなり、車速と比例
関係にあることから、脱穀装置2への穀稈供給量を検出
する穀稈供給量検出手段が、前記車速センサS5にて構
成される。そして、前記選別制御手段100は、前記層
厚センサS1の検出値が所定範囲内の値でないときは、
その層厚センサS1に代えて前記車速センサS5の情報
(穀稈供給量検出情報)に基づいて前記揺動選別板19
の漏下開度を変更調節するように構成されている。つま
り、図15に示す車速感応型制御を行う。尚、層厚セン
サS1の検出値が所定範囲内の値でない状態とは、例え
ば、配線が断線しているか、あるいは、層厚センサS1
が取り付けられていない等のために検出値が0Vあるい
は電源電圧に相当する値のときを意味する。
【0027】又、前記エンジン回転数センサS6と制御
手段Hを利用して、エンジンEの負荷(エンジン負荷)
Lを検出する負荷検出手段S6,Hが構成される。つま
り、刈取・脱穀作業中において、エンジンEに対する負
荷の増大に応じてエンジン回転数が低下するので、エン
ジン回転数の低下量からエンジン負荷を求める。具体的
には、車速が0.1m/s未満のときのエンジン回転数
の最大値を基準回転数Rとして記憶しておき、その基準
回転数Rと現在のエンジン回転数rとの差R−rをエン
ジン負荷Lとして算出する。そして、前記制御手段Hを
利用して、前記車速センサS5によって検出される車速
が設定上限車速を超えない状態で、負荷検出手段S6,
Hによって検出されるエンジンEの負荷が目標負荷範囲
に維持されように、前記走行用の無段変速装置12を変
速操作する車速制御手段200が構成されている。尚、
上記設定上限車速は、例えば、それまでの検出車速の上
限値として記憶される車速上限値V1と、上限車速設定
ボリュームVR1(図1)から入力される補助車速上限
値V2とに基づいて設定される。
【0028】前記漏下開度及び送風量調節は、所定制御
周期(前述の2番還元時間に相当する3秒)で行われる
とともに、前記処理物の層厚が目標層厚から設定値以上
外れた場合、又は、処理物の層厚が設定率以上の変化率
で変化する場合には、前記所定制御周期よりも短い制御
周期、すなわち、基本的に連続制御とみなせる周期(後
述のように、250ms)で行われる。具体的には、図
27(イ)に示すように、目標層厚s0からの層厚検出
値の偏差が大小2段階の設定値のうちの大側の設定値s
2以上のとき(図の左側部分)、及び、上記層厚の偏差
が大側の設定値s2と小側の設定値s1との間にあって
その変化率が設定率Δs以上のとき(図の右側部分)
に、上記短い制御周期での制御を行う。尚、図27
(ロ)には、上記(イ)に示す漏下開度調節を行う前後
のチャフ開度の変化を例示する。
【0029】前記制御手段Hは、前記開度調節制御にお
いて、前記層厚センサS1の層厚検出値及びその変化率
に基づいて決定した操作量で前記シーブモータM1を作
動させて、前記チャフ開度の変更調節を行うように構成
されている。尚、後述のように、上記シーブモータM1
の作動量に応じてトウミモータM2も作動される。具体
的には、制御手段Hは、上記操作量をファジィ推論に基
づいて予め求めた操作量データを数値テーブルとして記
憶して、その操作量データに基づいて即ち上記数値テー
ブル内のデータを選択して前記操作量を決定するととも
に、そのファジィ推論において、揺動選別板19におけ
る漏下開度の大小に対応して設定した2つの制御規則
(2つの数値テーブル)のうちの1つを、前記チャフ開
度に基づいて選択して、前記操作量データを求めるよう
に構成されている。そして、制御手段Hは、上記決定し
た操作量からチャフ開度及びトウミ回転数の目標値を求
め、各目標値とチャフ開度センサS2又はトウミ回転数
センサS3の検出値との偏差をゼロにするように制御す
る。
【0030】前記ファジィ推論における制御規則につい
て説明する。図24に示すファジィマップの配列要素と
して、処理物の層厚目標値(後述のシーブ目標値)に対
する層厚検出値の偏差であるシーブ偏差と、所定時間内
での層厚検出値の変化量であるシーブ変化量(従って、
これが層厚検出値の変化率に対応する)とを求める。こ
こで、層厚検出値が層厚目標値よりも大きければシーブ
偏差は正の値になり、逆であれば、負の値になる。又、
層厚検出値が増加傾向にあればシーブ変化量は正の値に
なり、減少傾向にあれば負の値になる。次に、チャフ開
度が所定開度(例えば19mm)よりも小さい場合に
は、2つ用意されているファジィマップのうちの主マッ
プ(図24(イ))を選択し、所定開度よりも大きい場
合には、補助マップ(図24(ロ))を選択して、上記
シーブ偏差及びシーブ変化量を前件部のファジィ変数と
するファジィ推論により、チャフ開度の操作量即ちシー
ブモータM1に対する出力を求める。
【0031】つまり、シーブ偏差及びシーブ変化量のメ
ンバーシップ関数が、図23(イ)及び(ロ)に示さ
れ、又、図24に示すルールの後件部のファジィ変数で
あるチャフ開度に対する操作量のメンバーシップ関数
が、図23(ハ)に示すように、離散的なシングルトン
の集合として表される。そして、シーブ偏差及びシーブ
変化量の各メンバーシップ関数に対するグレード(適合
度ともいう)に応じて、図24の各マップに示す25個
のルールのうちの1個又は複数のルールからの出力が得
られ、適合するルールから得られる出力にシーブ偏差又
はシーブ変化量のグレードの小さい方の値を掛けた値が
そのルールから得られる出力となる。複数のルールから
複数の出力が得られる場合はそれらの平均値が最終的な
出力になる。尚、上記出力も正負の8ビットデジタル値
で表され、正の値はチャフ開度を大きくする方向に操作
することを表し、負の値はチャフ開度を小さくする方向
に操作することを表す。
【0032】上記制御ルール(図24)からも判るよう
に、チャフ開度が所定開度よりも小さい場合に選択され
る主マップ(図24(イ))では、チャフ開度が所定開
度よりも大きい場合に選択される補助マップ(図24
(ロ))に比べて、チャフ開度の操作量が大きくなる。
特に、シーブ偏差及びシーブ変化量が共に大きい条件に
おいて、チャフ開度の操作量が大きくなるように設定さ
れている。これにより、揺動選別板19における漏下開
度が小さいときの方が、揺動選別板19における漏下開
度が大きいときよりも、層厚センサS1の層厚検出値及
びその変化率に基づいて決定する操作量を大きくするよ
うに構成されることになる。
【0033】次に、図7〜図22及び図28に示すフロ
ーチャートに基づいて、制御手段Hによる脱穀制御、及
び車速制御の流れを説明する。脱穀制御(図7)では、
先ず、初期設定処理を行った後、層厚センサS1による
層厚検出データの処理を行うシーブ検出処理と、共通デ
ータの設定処理を行う。そして、脱穀スイッチSW1が
オフ状態のときは、各種制御用のフラグやカウンタをク
リアしてから、センサ類や各部の異常を調べる自己診断
処理を行う。一方、脱穀スイッチSW1がオフ状態から
オン状態に変化して脱穀作業が開始されると、所定の制
御周期(250ms)ごとに脱穀制御処理を行い、その
後、上記自己診断処理を行う。
【0034】初期設定処理(図8)では、メモリー(E
EPROM)内に記憶されているチャフシーブ24の全
開位置及び全閉位置のデータが正常かどうかを調べる。
正常であれば、それに基づいてチャフ開度調節の上限位
置を上記データの全開位置よりも少し閉じ側の位置とし
て、又、下限位置を上記データの全閉位置よりも少し開
き側の位置としてそれぞれ設定する。さらに、その上限
位置と下限位置の差が所定値(適正開度量)よりも大き
いときだけ、上限位置を下限位置にその所定値(適正開
度量)を加えた位置として再設定する。一方、メモリー
(EEPROM)内のチャフシーブ24の全開位置及び
全閉位置のデータが正常でなければ(例えば、共に
0)、異常として処理する。
【0035】シーブ検出処理(図9〜図11)では、層
厚センサS1の検出値を所定周期(5ms)でサンプリ
ングし、その最小値及び最大値検出用の処理時間(12
5msに設定)の最初のときだけ上記サンプリングデー
タを最小値及び最大値データとして記憶する。以後、順
次サンプリングする層厚センサS1の検出値が最小値デ
ータよりも小さいときにはその検出値で最小値データを
更新し、検出値が最大値データよりも大きいときにはそ
の検出値で最大値データを更新する処理を、上記処理時
間(125ms)が経過するまで続ける。上記処理時間
(125ms)が経過すると、最小値及び最大値データ
の平均値を求めるとともに、1つ前の処理時間での平均
値との和Wを求める。そして、上記処理を2回行うと
(つまり250ms経過後)、各処理時点での層厚デー
タ、即ち、最新のシーブ検出値、250ms前のシーブ
検出値、及び、500ms前のシーブ検出値を夫々記憶
するためにメモリー内に設けた250msデータ
(2)、250msデータ(1)及び250msデータ
(0)について、250msデータ(2)及び250m
sデータ(1)の記憶内容を、夫々250msデータ
(1)及び250msデータ(0)に移すとともに、上
記求めた和Wの1/2つまり最新のシーブ検出値を25
0msデータ(2)に記憶させる。
【0036】次に、シーブ偏差を、予め設定されている
シーブ目標値と最新のシーブ検出値(上記250msデ
ータ(2)の内容)との差として求め、シーブ微分値
(変化量)を、500ms前のシーブ検出値(上記25
0msデータ(0)の内容)と最新のシーブ検出値(上
記250msデータ(2)の内容)との差として求め
る。尚、上記シーブ目標値は、後述の麦及び稲の各作物
切換条件について異なる値が設定される。そして、前述
のように(図26参照)、シーブ偏差が大小2段階に設
定された設定値のうちの大側の設定値以上のとき、及
び、シーブ偏差が大側の設定値と小側の設定値との間に
あってシーブ微分値が設定値(設定率に対応)以上のと
きには、原則として3秒間隔で行う脱穀制御処理を連続
して(実際には、制御周期250msで)実行すること
を許可する連続制御許可フラグをオンする。一方、上記
以外のときは、連続制御許可フラグをオフする。
【0037】次に、最新のシーブ検出値(上記250m
sデータ(2)の内容)を5段階のシーブ値、つまり検
出値が小さい方から順番に、0,1,2,3,4のラン
クに分ける。そして、上記ランク分けしたシーブ値が、
以前のシーブ値を記憶しているメモリー内のシーブ値デ
ータと異なる状態が、250msの制御周期で連続して
5回(つまり、少なくとも250ms×4=1秒以上)
続いた場合だけ、新たに求めたシーブ値で上記シーブ値
データを更新する。
【0038】共通データ設定処理(図12)では、前記
トウミ調節ボリュームVRの検出値が、その検出データ
を記憶するメモリー内のトウミボリュームデータの値か
ら不感帯幅を超えて変化したときだけ、その検出値がト
ウミボリュームデータ内の値として更新される。次に、
前記作物切換スイッチSW2の状態を調べて、麦、稲、
及び濡れの各切換位置に応じて、モード(mode)値
を夫々0、1、2とし、更に、麦及び稲モード時におい
て、前記シーブ値が0及び1のときに、後述のように開
度設定用に使用するシーブ値0用及びシーブ値1用のチ
ャフ最低開度を夫々設定する。
【0039】脱穀制御処理(図13)では、先ず、モー
ド(mode)値より作物条件を判断し、濡れモードの
ときはヌレモード制御(図14)を実行する。一方、麦
及び稲モードのときは、株元センサS4の状態及び前記
シーブ値の内容に応じて、以下のように、層厚センサS
1が故障の場合に車速に応じてチャフ開度及びトウミ風
力を調節する車速感応型制御(図15)と、ファジィル
ールに基づいてチャフ開度調節を行うファジィ制御(図
16及び図17)のいずれかを実行する。そして、上記
各制御において設定された調節作動量で、実際にシーブ
モータM1及びトウミモータM2を作動させるチャフ出
力処理及びトウミ出力処理を行う。
【0040】つまり、麦及び稲モード時に、株元センサ
S4がオン状態のときは、それがオフからオンに変化後
所定時間(6秒)経過すると、6秒フラグをセットする
(尚、この6秒フラグは株元センサS4がオフ状態にな
るとリセットされる)一方、株元センサS4がオフ状態
のときは、それがオンからオフに変化後に、前記シーブ
値が0の状態が8秒継続したときにだけ8秒フラグをセ
ットする(尚、この8秒フラグは株元センサS4がオン
状態になるとリセットされる)。次に、層厚センサS1
の検出値が正常であるか否かを調べて、例えば、断線等
のために検出値が0Vあるいは電源電圧に相当する値で
ある等から、層厚センサS1の故障が判断されると、車
速感応型制御を行う。層厚センサS1が正常であれば、
所定の制御周期(3秒)が経過したとき、及び、制御周
期(3秒)は経過していないが前記連続制御許可フラグ
がオンしているときに、ファジィ制御を行う。
【0041】ヌレモード制御(図14)では、チャフ開
度の目標値を全開位置に設定し、前記トウミボリューム
データに基づいてトウミ回転数を算出する。つまり、ト
ウミ調節ボリュームVRが標準位置のときにトウミ回転
数が標準回転数(例えば、1300rpm)になり、ト
ウミ調節ボリュームVRが標準位置から強側又は弱側に
回されるに従って、トウミ回転数が上記標準回転数から
大側又は小側に変更される。そして、その算出したトウ
ミ回転数がトウミ最小回転数(例えば、1000rp
m)より小さいときはその最小回転数をトウミ目標回転
数とし、トウミ最大回転数(例えば、1500rpm)
より大きいときはその最大回転数をトウミ目標回転数と
し、上記トウミ最小回転数とトウミ最大回転数の間のと
きは算出したトウミ回転数をトウミ目標回転数とする。
【0042】車速感応型制御(図15)では、先ず、車
速を、例えば、0〜0.35m/s,0.35〜0.5
5m/s,0.55〜0.75m/s,0.75〜0.
95m/s,0.95m/s〜の5段階に分け、その車
速の各段階に対して予め用意した車速対チャフ開度の算
出マップに基づいて、図26に示すように、麦、稲モー
ド別にチャフ開度目標値を求める。そして、後述のトウ
ミ回転数設定処理(図18及び図19)により、チャフ
開度に対応してトウミ18の目標送風量を設定すべく、
上記チャフ開度目標値に基づいてトウミ目標回転数を算
出する。
【0043】ファジィ制御(図16及び図17)では、
ファジィマップの配列要素として、シーブ目標値に対す
るシーブ検出値(上記250msデータ(2)の内容)
の偏差であるシーブ偏差と、500ms前のシーブ検出
値(上記250msデータ(0)の内容)に対する最新
のシーブ検出値(上記250msデータ(2)の内容)
の変化量であるシーブ変化量とを求める。次に、前述の
ように、現在のチャフ開度が所定開度(19mm)より
も小さい場合には、主マップ(図24(イ))にて、
又、所定開度よりも大きい場合には、補助マップ(図2
4(ロ))にて、上記シーブ偏差及びシーブ変化量を前
件部のファジィ変数とするファジィ推論により、シーブ
モータM1に対する出力を求める。
【0044】次に、株元センサS4の状態を調べて、そ
れがオン状態のときは、現在のチャフ開度に上記求めた
操作量を加算してチャフ開度目標値とする。さらに、前
記6秒フラグがセットされている場合、即ち、株元セン
サS4のオン後6秒経過しているときは、前記車速感応
型制御と同様に車速を5段階分けして、各車速段階に対
するチャフ最低開度を予め用意したマップより求め、そ
のチャフ最低開度よりも上記チャフ開度目標値が小さい
ときはそのチャフ最低開度をチャフ開度目標値とする。
これにより、刈り始め時に、刈取穀稈が扱室Aに搬送さ
れるまでに要する時間(6秒程度)走行後に、車速つま
り穀稈供給量に応じてチャフの最低開度が設定されて、
チャフ開度の閉じ過ぎの場合の急激な層厚の増加や、チ
ャフ開度の開け過ぎの場合の選別精度の低下等の不具合
を防止できる。
【0045】一方、株元センサS4がオフ状態のとき
は、チャフ開度の開き側への変更を禁止するために、上
記求めた操作量が正かどうかを調べて、正の場合は操作
量をゼロにする。さらに、前記8秒フラグがセットされ
ている場合、即ち、株元センサS4がオンからオフに変
化後に前記シーブ値0の状態が8秒継続したときには、
チャフ開度目標値を前記設定したシーブ値0用のチャフ
最低開度とする。8秒フラグがリセット状態の場合につ
いては、シーブ値が1以下(0及び1)のときは、チャ
フ開度目標値を前記設定したシーブ値1用のチャフ最低
開度とし、シーブ値が2以上(2、3、4)のときは、
チャフ開度目標値を現在のチャフ開度とする。そして、
上記求めた各チャフ開度目標値に基づいて、後述のトウ
ミ回転数設定処理(図18及び図19)によりトウミ目
標回転数を算出する。
【0046】トウミ回転数設定処理(図18及び図1
9)では、チャフ開度値に対して直線変換式によってト
ウミ回転数を計算するが、この計算は、図25に示す、
前記トウミ調節ボリュームVRが標準位置のときの麦モ
ード及び稲モードについての変換式を用いる。尚、チャ
フ開度の全閉側及び全開側に対応して、トウミ回転数の
最小回転数tmin及び最大回転数tmaxが設定さ
れ、又、参考として、稲モードについて、トウミ調節ボ
リュームVRが標準位置よりも1目盛強側又は弱側に回
されたときの変換式が示されている。次に、上記計算し
たトウミ回転数が、前述のトウミ最小回転数(1000
rpm)より小さいときはその最小回転数をトウミ目標
回転数とし、トウミ最大回転数(1500rpm)より
大きいときはその最大回転数をトウミ目標回転数とす
る。その後、前記トウミ調節ボリュームVRの位置によ
るトウミ目標回転数の増減補正を行い、その補正後の回
転数がトウミ調節ボリュームVRで変更した変換式にお
ける上記最小回転数tminより小さいときはその最小
回転数tminをトウミ目標回転数とし、最大回転数t
maxより大きいときはその最大回転数tmaxをトウ
ミ目標回転数とする。以上より、トウミ調節ボリューム
VRが、チャフ開度に基づいて設定される前記トウミ1
8の目標送風量を変更する選別風量変更手段として機能
する。
【0047】次に、前記6秒フラグがオフ状態であるか
どうかにより、刈り終わりのトウミ回転数制御を行うか
どうかを判断するが、前記6秒フラグがオンのときは、
その時点での前記トウミ目標回転数を、刈り終わりのト
ウミ回転数制御で使用する刈り終わり時のトウミ回転数
として記憶しておく。株元センサS4がオフして6秒フ
ラグがオフ状態に変化すると、刈り終わりトウミ回転数
制御に入り、シーブ値に応じてトウミ回転数を次のよう
に設定する。つまり、シーブ値が3以上(3、4)のと
きは、上記刈り終わり時のトウミ回転数に設定し、シー
ブ値が2のときは、上記刈り終わり時のトウミ回転数か
ら所定回転数(例えば100rpm)少ない回転数に設
定し、シーブ値が1のときは、前記トウミ調節ボリュー
ムVRで変更した前記変換式における前記最小回転数t
min(図25参照)に設定し、シーブ値が0の状態が
8秒継続したとき(前記8秒フラグがオンしていると
き)は、前記最低回転数(1000rpm)に設定す
る。
【0048】チャフ出力処理(図20)では、今回のチ
ャフ開度目標値が前回のチャフ開度目標値と異なる場合
だけ、次回のために今回のチャフ開度目標値を前回のチ
ャフ開度目標値として記憶してから、上記チャフ開度目
標値と現在のチャフ開度を比較する。チャフ開度目標値
が現在のチャフ開度よりも大きいときは、シーブモータ
M1が閉じ側に出力中かどうか調べ、閉じ側に出力中の
ときはその閉じ側への出力を停止し、さらに、上記チャ
フ開度目標値と現在のチャフ開度との差が所定値よりも
大きいときだけ開き方向に出力する。尚、チャフ開度目
標値と現在のチャフ開度との差が所定値よりも小さいと
きは、所定期間(例えば、500ms程度)閉じ方向へ
の出力を停止する。一方、チャフ開度目標値が現在のチ
ャフ開度以下のときは、シーブモータM1が開き側に出
力中かどうか調べ、開き側に出力中のときはその開き側
への出力を停止し、さらに、上記チャフ開度目標値と現
在のチャフ開度との差が所定値よりも大きいときだけ閉
じ方向に出力する。尚、チャフ開度目標値と現在のチャ
フ開度との差が所定値よりも小さいときは、所定期間
(例えば、500ms程度)開き方向への出力を停止す
る。そして、最後に、チャフ開度変更制御用のタイマー
(3秒)をスタートさせる。
【0049】トウミ出力処理(図21及び図22)で
は、現在のトウミ回転数が500rpmを超えている状
態で、且つ、トウミモータM2のオンオフ駆動周期(5
00ms)におけるオフ時間の終了即ちモータ駆動周期
の終了を確認したときに、目標回転数から現在の回転数
を引いて求まるトウミ回転数偏差の値に基づいて、以下
の処理を行う。つまり、上記回転数偏差が−100rp
mよりも小さいときは、トウミモータM2が強方向に出
力中かどうか調べ、強方向に出力中のときはその強方向
への出力を停止した後、弱方向に連続出力する。具体的
には、弱方向へのモータオン時間を500ms(従って
モータオフ時間は0)にする。上記回転数偏差が100
rpmよりも大きいときは、トウミモータM2が弱方向
に出力中かどうか調べ、弱方向に出力中のときはその弱
方向への出力を停止した後、強方向に連続出力する。具
体的には、強方向へのモータオン時間を500ms(従
ってモータオフ時間は0)にする。上記回転数偏差が−
15rpmと15rpmの間にあるときは、不感帯内に
あるとして、モータ出力を停止する。具体的には、モー
タオン時間を0(従ってモータオフ時間は500ms)
にする。
【0050】一方、上記回転数偏差が−100rpmと
−15rpmの間、及び、15rpmと100rpmの
間にあるときは、モータを所定駆動周期(500ms)
毎に所定時間(モータオン時間Ton)駆動する。そし
て、そのモータオン時間Tonを、上記回転数偏差Hr
及び前記エンジン回転数センサS6によるエンジン回転
数Erに基づいて下式のように計算する。尚、a1は所
定のゲイン係数である。
【0051】
【数1】Ton=a1・Hr/Er
【0052】ここで、モータオン時間を、計算したオン
時間Tonが250msを超えるときは250msに、
80msより小さいときは80msに、250msと8
0msの間のときは計算したオン時間に夫々設定し、
又、モータオフ時間を500msから上記設定したモー
タオン時間を引いた時間として設定する。そして、上記
回転数偏差が正のときは、上記設定したモータオン時間
を強方向オン時間とする一方、上記回転数偏差が負のと
きは、上記設定したモータオン時間を弱方向オン時間と
する。最後に、上記設定したモータオン及びオフ時間で
トウミモータM2を駆動することになる。
【0053】車速制御(図28)では、車速オートスイ
ッチSW2(図1)がオン、車速が0.1m/s以上、
及び、株元センサS4がオンしていることで起動条件の
成立を確認すると、現在の車速と前記上限車速値V1及
び補助車速上限値V2とを比較し、そのいずれかよりも
高速であれば、両方よりも低速になるまで減速操作す
る。次に、現在のエンジン回転数rと予め記憶した基準
回転数Rとの差であるエンジン負荷Lを求め、その負荷
Lが目標負荷範囲(目標回転数)にあるかどうかを調べ
る。負荷Lが目標負荷範囲よりも大きい場合には、所定
量減速操作し、負荷Lが目標負荷範囲よりも小さい場合
には、現在の車速が前記上限車速値V1及び補助車速上
限値V2のいずれかよりも低速であるときだけ、所定量
増速操作し、負荷Lが目標負荷範囲即ち不感帯内にある
ときには、変速操作は行わない。
【0054】〔別実施例〕以下、別実施例を列記する。
上記実施例では、処理物の層厚が目標層厚になるように
揺動選別板19の漏下開度を変更調節するのに、層厚検
出手段(層厚センサS1)の層厚検出値及びその変化率
に基づいて決定した操作量で、上記漏下開度の変更調節
を行うようにしたが、これに限るものではなく、例え
ば、上記層厚検出値のみに基づいて決定した操作量で漏
下開度の変更調節を行うようにしてもよい。
【0055】又、処理物の層厚検出値及びその変化率に
基づいて上記漏下開度変更調節用の操作量を決定する場
合に、上記実施例のようなファジィ推論によるのではな
く、例えば、PID制御等によって行うようにしてもよ
い。
【0056】揺動選別板19上の処理物の層厚を検出す
る層厚検出手段は、上記実施例のような接触式の層厚セ
ンサS1に限らず、例えば、透過型の光センサや、超音
波センサ等の非接触式のセンサを利用する等、種々の手
段で構成できる。
【0057】上記実施例では、揺動選別板19において
漏下開度を変えながら処理物を漏下させる手段を、チャ
フシーブ24の開度を変更するように構成したが、これ
に限るものではない。上記チャフシーブ24に代えて、
例えば、網状又はスリット状の開口部をスライドグレン
パンといわれる遮蔽板で遮蔽し、そのスライドグレンパ
ンをスライドさせて上記開口部の面積つまり漏下開度を
変えるように構成してもよい。
【0058】上記実施例では、選別風を送風する送風手
段を、ファン式のトウミ18で構成し、その送風量を変
更するのに、ファンの回転数を増減変更するように構成
したが、これに限るものではない。例えば、上記トウミ
18のファンを覆うカバーの一部を開閉できるように構
成し、そのカバーの開閉度つまり開口面積を大きくして
送風量を減少させ、カバーの開口面積を小さくして送風
量を増加させるようにしてもよい。
【0059】穀稈供給量検出手段は、上記実施例のよう
に、車速検出手段(車速センサS5)にて構成するもの
に限らない。例えば、フィードチェーン16にて扱室A
に供給搬送される刈取穀稈のわら厚さを検出するポテン
ショメータ等の稈厚センサによる稈厚情報と、フィード
チェーン16の搬送速度情報とから穀稈供給量を検出し
てもよい。
【0060】負荷検出手段S6,Hは、上記実施例のよ
うに、エンジン回転数センサS6と制御手段Hを利用し
て構成するものに限らない。
【0061】走行用の無段変速装置は、上記実施例のよ
うに、静油圧トランスミッションを用いた無段変速装置
12に限らない。
【0062】車速検出手段は、上記実施例のように、ク
ローラ走行装置1への駆動軸の回転数を検出する回転数
センサS5に限らず、例えば、前記無段変速装置12か
らミッションケース13への入力軸の回転数を検出する
センサでもよい。
【0063】上記実施例では、刈取作業中かどうかを、
株元センサS4のオンオフ信号によって判断するように
したが、これに限るものではない。例えば、刈取部4の
縦搬送装置9等の回転軸に回転数センサを付設し、この
縦搬送装置9等の回転軸が所定回転数以上である信号と
上記株元センサS4のオン信号とから、刈取作業中と判
断するようにしたり、又、図29に示すように、刈取部
4の分草具5に付設した操向制御用の方向センサhが穀
稈に接当して出力電圧が所定電圧値以上になった信号
と、上記株元センサS4のオン信号とから刈取作業中と
判断するようにしてもよい。以上により、例えば、株元
センサS4がオン状態で停止したり、あるいは、刈取オ
ートクラッチ機構の作動等によって、刈取作業中以外に
株元センサS4がオンした場合に、刈取作業中であると
誤判断することが防止できる。
【0064】又、上記実施例では、刈り終わり時におい
て、株元センサS4がオフ状態になると、株元センサS
4がオンからオフに変化後にシーブ値0の状態が8秒継
続したときに、チャフ開度目標値を設定したシーブ値0
用のチャフ最低開度とする(このチャフ開度目標値に合
わせてトウミ風量も設定される)ようにしたが、このよ
うなチャフ開度及びトウミ風量調節に限るものではな
い。例えば、図30に示すように、株元センサS4のオ
フ後、シーブ値0の状態が例えば10秒継続したときに
は、チャフ開度目標値を全閉状態にする一方、トウミ風
量を最大値に設定して、この状態で所定時間作動させ、
その後、チャフ開度目標値を少し開き側(例えば、上記
シーブ値0用のチャフ最低開度)にし、又トウミ風量を
最低値に設定するようにしてもよい。このようにするこ
とにより、選別装置B内を循環する藁屑等を機外に排出
させて、その藁屑等が残存することによる選別精度の低
下を改善することができる。
【0065】本発明は、上記実施例のようなコンバイン
(自脱型コンバイン)に限らず、普通型コンバイン等の
他のコンバインに適用することもできる。
【0066】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るコンバインの制御構成の
ブロック図
【図2】自脱型コンバインの側面図
【図3】動力伝達機構の模式図
【図4】脱穀装置の側面透視図
【図5】チャフシーブとその開度変更手段を示す図
【図6】層厚センサの構造を示す側面図
【図7】制御作動のフローチャート
【図8】制御作動のフローチャート
【図9】制御作動のフローチャート
【図10】制御作動のフローチャート
【図11】制御作動のフローチャート
【図12】制御作動のフローチャート
【図13】制御作動のフローチャート
【図14】制御作動のフローチャート
【図15】制御作動のフローチャート
【図16】制御作動のフローチャート
【図17】制御作動のフローチャート
【図18】制御作動のフローチャート
【図19】制御作動のフローチャート
【図20】制御作動のフローチャート
【図21】制御作動のフローチャート
【図22】制御作動のフローチャート
【図23】ファジィ推論における各変数のメンバーシッ
プ関数を示す図
【図24】ファジィ推論におけるルールを示すテーブル
【図25】チャフ開度値からトウミ回転数を求める変換
式を示すグラフ
【図26】車速感応型制御における車速対チャフ開度値
を示すグラフ
【図27】補助開度制御についての説明図
【図28】制御作動のフローチャート
【図29】別実施例の説明図
【図30】別実施例の刈り終わり時の選別制御作動のフ
ローチャート
【符号の説明】
19 揺動選別板 18 送風手段 S1 層厚検出手段 100 選別制御手段 S5 穀稈供給量検出手段 S5 車速検出手段 S6,H 負荷検出手段 E エンジン 12 無段変速装置 200 車速制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 末蔵 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (72)発明者 富永 俊夫 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社ク ボタ 堺製造所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01F 12/32 A01F 12/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脱穀後の処理物を選別する揺動選別板
    (19)と、選別風を送風する送風手段(18)と、前
    記揺動選別板(19)上の処理物の層厚を検出する層厚
    検出手段(S1)と、前記層厚検出手段(S1)の情報
    に基づいて前記層厚が目標層厚になるように前記揺動選
    別板(19)の漏下開度を変更調節し、且つ、その揺動
    選別板(19)の漏下開度に対応して設定された目標送
    風量になるように前記送風手段(18)の送風量を変更
    調節する選別制御手段(100)とが設けられたコンバ
    インであって、 脱穀装置への穀稈供給量を検出する穀稈供給量検出手段
    (S5)が設けられ、 前記選別制御手段(100)は、前記層厚検出手段(S
    1)の検出値が所定範囲内の値でないときは、前記層厚
    検出手段(S1)に代えて前記穀稈供給量検出手段(S
    5)の情報に基づいて前記揺動選別板(19)の漏下開
    度を変更調節するように構成されているコンバイン。
  2. 【請求項2】 前記穀稈供給量検出手段(S5)が、車
    速を検出する車速検出手段(S5)にて構成されている
    請求項1記載のコンバイン。
  3. 【請求項3】 前記車速検出手段(S5)によって検出
    される車速が設定上限車速を超えない状態で、負荷検出
    手段(S6,H)によって検出されるエンジン(E)の
    負荷が目標負荷範囲に維持されように、走行用の無段変
    速装置(12)を変速操作する車速制御手段(200)
    が設けられている請求項2記載のコンバイン。
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