JP2953195B2 - 鋳造装置 - Google Patents

鋳造装置

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JP2953195B2
JP2953195B2 JP13762992A JP13762992A JP2953195B2 JP 2953195 B2 JP2953195 B2 JP 2953195B2 JP 13762992 A JP13762992 A JP 13762992A JP 13762992 A JP13762992 A JP 13762992A JP 2953195 B2 JP2953195 B2 JP 2953195B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャビティ内に注湯さ
れた溶湯を加圧することにより巣の発生を防止する鋳造
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金型鋳造においては、溶湯の凝固収縮に
起因する巣の発生を抑制するために、キャビティ内の溶
湯を加圧することが行なわれている。特開昭61−14
62号公報には、金型に摺動自在に嵌装された加圧ピン
により、キャビティ内に注湯された溶湯の加圧するよう
にした技術が開示されている。
【0003】金型鋳造においては、溶湯の凝固速度が金
型の温度や溶湯の注湯温度に大きく影響され、厳密には
鋳造ごとに溶湯の凝固速度が異なる。したがって、上記
公報のように、加圧ピンを時間管理により常に一定のタ
イミングで作動させる場合は、溶湯の凝固の進行に対し
て加圧ピンの作動タイミングがずれることになり、溶湯
を最適のタイミングで加圧することができない。そこ
で、溶湯の凝固速度に応じて最適のタイミングで溶湯を
加圧するようにした技術が提案されている(実開平2−
81748号公報)。
【0004】図9は、上述の実開平2−81748号公
報に開示された鋳造装置を示している。図9において、
1は金型を示している。金型1は、固定型2と可動型3
とから構成されている。可動型3は、固定型2に対して
進退可能となっている。金型1には、固定型2と可動型
3によってキャビティ4が形成されている。キャビティ
4には、スリーブ5を介して溶湯が注湯されるようにな
っている。可動型3には、先端がキャビティ4内に突出
する加圧ピン6が嵌装されており、加圧ピン6は、皿ば
ね7によってキャビティ4方向に付勢されている。
【0005】図9の鋳造装置においては、溶湯の凝固収
縮の進行に伴う溶湯圧の低下により加圧ピン6が皿ばね
7のばね力によってキャビティ4内に押し出され溶湯を
加圧する。このように、加圧ピン6をばね力によって付
勢することにより、凝固の進行に応じた溶湯の加圧が可
能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図9の鋳造装
置にはつぎの問題が存在する。図9の装置の場合は、皿
ばね7のばね力により加圧力を発生させているため、加
圧ピン6がキャビティ4内に押し込まれるほど、加圧力
は小さくなる。そのため、凝固が進行し半凝固状態の溶
湯を加圧するのには加圧力が不足し、十分な加圧ができ
なくなる。つまり、溶湯の凝固が進行すればするほど、
大きな加圧力が必要となるが、ばね力を利用した場合
は、これに対応できない。
【0007】本発明は、溶湯の凝固の進行に応じて最適
のタイミングでかつ十分な加圧力をもって溶湯を加圧
し、巣の発生を防止することが可能な鋳造装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明に係る鋳造装置は、つぎの通りである。溶湯が充填さ
れるキャビティを形成する金型と、前記キャビティに対
して進退可能に設けられ、キャビティ内への進入により
キャビティ内の溶湯を加圧する加圧ピンと、前記加圧ピ
ンと連結された加圧力可変手段と、を備え、 前記加圧力
可変手段は、シリンダと、前記加圧ピンと一体的に移動
する第1のピストンと、該第1のピストンの前記加圧ピ
ンと反対側面に前記第1のピストンに一体的に形成され
前記第1のピストンからキャビティと反対側に突出する
少なくとも1段のロッド状の突出部(以下の本発明実施
例で第2のピストン、第3のピストンに対応するもの)
と、を有し、 前記第1のピストンがキャビティと反対側
に移動して前記突出部の先端部が第1のピストンよりキ
ャビティから遠い側のシリンダ端壁に形成された凹部に
突入するかまたはシリンダ端壁に当接した時は、前記突
出部は前記加圧ピンに付与されるキャビティ側に向かう
液圧の受圧面積を減少させて溶湯への加圧力を低め、前
記第1のピストンがキャビティ側に移動して前記突出部
が前記シリンダ端壁に形成された凹部またはシリンダ端
壁から離れた時は、前記突出部は前記加圧ピンに付与さ
れるキャビティ側に向かう液圧の受圧面積を増大させ溶
湯への加圧力を高める、ことを特徴とする鋳造装置。
【0009】
【作用】上記本発明の鋳造装置においては、キャビティ
内に注湯された溶湯の凝固が開始されると、溶湯の凝固
収縮によってキャビティ内の溶湯圧が低下する。そのた
め、加圧ピンは液圧によってキャビティ内に進入し、加
圧ピンによる溶湯の加圧が行なわれる。溶湯の凝固がさ
らに進行すると、液圧によって付勢される加圧ピンはさ
らにキャビティ方向に移動する。
【0010】加圧ピンの移動量が増加すると、第1のピ
ストンに一体に形成された突出部(以下の本発明実施例
で第2のピストン、第3のピストンに対応するもの)シ
リンダ端壁に形成された凹部またはシリンダ端壁面から
離れて突出部の端面に液圧がかかるので、加圧ピンに付
与されるキャビティ側に向かう液圧の受圧面積が増大さ
、加圧ピンによる加圧力が増大される たがって、
半凝固状態となった溶湯であっても十分に加圧すること
ができ、溶湯内に存在する空洞部分が押しつぶされ、巣
の発生を防止することが可能となる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明の鋳造装置の望ましい実施例
を、図面を参照して説明する。
【0012】第1実施例図1ないし図6は、本発明の第
1実施例を示している。図1において、11は金型を示
している。金型11は、固定型12と可動型13を有し
ている。可動型13は、固定型12に対して進退可能と
なっている。固定型12には、固定型入子14が取付け
られている。可動型13には、可動型入子15が取付け
られている。
【0013】固定型12には、スリーブ16が設けられ
ている。金型11には、固定型入子14と可動型入子1
5によってキャビティ17が形成されている。キャビテ
ィ17は、固定型入子14と可動型入子とが結合された
ときに生じる空間部である。キャビティ17には、スリ
ーブ16を介して溶湯10が注湯されるようになってい
る。可動入子15には、加圧ピン18が摺動自在に保持
されている。加圧ピン18は、キャビティ17内に進入
可能となっており、キャビティ17内に加圧ピン18が
進入することによって、キャビティ17内に充填された
溶湯10が加圧されるようになっている。
【0014】可動入子15には、加圧力可変手段として
の油圧シリンダ20が設けられている。油圧シリンダ2
0は、シリンダ部21、第1のピストン23、第2のピ
ストン24を有している。シリンダ部21は、可動入子
15に形成された収納穴15aに嵌装されている。シリ
ンダ部21には、第1のピストン23が摺動可能に嵌装
されている。シリンダ部21内には、第1のピストン2
3によって区画される第1の油室25と第2の油室26
とが形成されている。
【0015】第1のピストン23の一には、第1のピ
ストン23の摺動方向に延びる加圧ピン18が連結され
ている。第1のピストン23の他には、加圧力を増大
させる加圧力可変手段の一部としての第2のピストン2
4がロッド状に突出形成されている。本実施例では、第
1のピストン23と加圧ピン18および第2のピストン
24は、一体に形成されている。シリンダ部21の端壁
には、ロッド状の第2のピストン24の先端部分を収納
する凹部からなる第3の油室27が形成されている。
【0016】第2のピストン24が第3の油室27に完
全に収納され、第2のピストン24の端面が第3の油室
27の端面に当接した状態では、加圧ピン18の先端面
がキャビティ17の内壁面と一致するようになってい
る。シリンダ部21には、第1の油室25と連通する第
1のポート25a、第2の油室26と連通する第2のポ
ート26a、第3の油室27と連通する第3のポート2
7aがそれぞれ形成されている。
【0017】各ポート25a、26a、27aには、油
圧制御手段31が接続されている。油圧制御手段31
は、油圧源32、減圧弁33、電磁切替弁34、電磁開
閉弁35、逆止弁36、37を有している。油圧源32
は、油タンク38内に貯溜される作動油40を汲上げる
オイルポンプから構成されている。油圧源32には、油
圧源32から吐出される作動油40の圧力を制御する減
圧弁33が油圧通路41を介して接続されている。
【0018】減圧弁33には、油圧通路42を介して電
磁切替弁34が接続されている。電磁切替弁34は、ソ
レノイド34aへの通電による吸引力、またはソレノイ
ド34aへの非通電によるスプリング34bの付勢力に
より油圧通路の切替動作を行なう機能を有している。電
磁切替弁34は、ソレノイド34aの非通電時には、ポ
ート34cとポート34dとが連通し、ポート34eと
ポート34fが連通するようになっている。電磁切替弁
34は、ソレノイド34aの通電時には、ポート34c
とポート34fが連通し、ポート34eとポート34d
が連通するようになっている。
【0019】電磁切替弁34のポート34dは、油圧通
路43を介して油圧シリンダ20の第1のポート25a
と接続されている。電磁切替弁34のポート34fは、
油圧通路44を介して油圧シリンダ20の第2のポート
26aと接続されている。油圧通路43は、逆止弁3
7、油圧通路45、電磁開閉弁35、油圧通路46を介
して油圧シリンダ20の第3のポート27aと接続され
ている。
【0020】油圧通路43と接続される逆止弁37は、
油圧通路43から電磁開閉弁35に向う作動油40の流
れのみを許容する機能を有している。電磁開閉弁35
は、ソレノイド35aの非通電時にはポート35cとポ
ート35dが非連通となり、ソレノイド35aの通電時
にはポート35cとポート35dが連通するようになっ
ている。
【0021】逆止弁37は、油圧通路45を介して電磁
開閉弁35のポート35cと接続されている。電磁開閉
弁35のポート35dは、油圧通路46を介して油圧シ
リンダ20の第3のポート27aと接続されている。油
圧通路44と油圧通路46は、逆止弁36を介して連通
可能となっている。逆止弁36は、油圧通路46から油
圧通路44へ向う作動油40の流れのみを許容する。
【0022】電磁切替弁34のソレノイド34aおよび
電磁開閉弁35のソレノイド35aは、電気制御手段5
0に接続されている。電気制御手段50は、鋳造過程に
おける溶湯のキャビティ17への充填完了信号等に基づ
き、ソレノイド34a、35aを励磁し、各電磁弁を切
替動作する機能を有している。
【0023】つぎに、第1実施例における作用について
説明する。図6は、鋳造作業開始前における金型の位置
関係を示している。図6に示すように、鋳造作業が開始
される前には、固定型12に対し可動型13は後退して
いる。可動型13を後退させているのは、完成した鋳造
品80を取り出すためである。鋳造品80の取出しが完
了すると、可動型13が固定型12に向って前進し、固
定型12と可動型13との結合が行なわれる。
【0024】固定型12と可動型13との結合が完了す
ると、スリーブ16を介してキャビティ17に溶湯10
が充填される。注湯時には、スリーブ16にはプランジ
ャ(図示略)が挿入され、プランジャの挿入により溶湯
10がキャビティ17内に押し込まれる。キャビティ1
7内に充填された溶湯10は、固定型入子14および可
動型入子15との接触によって冷却され、徐々に凝固さ
れる。スリーブ16のキャビティ17の入口部には、溶
湯10が凝固したビスケット80aが形成される。
【0025】溶湯10のキャビティ17内への充填が完
了すると、その旨の信号が電気制御手段50に出力され
る。電気制御手段50は、溶湯10の充填完了の信号に
基づき、電磁切替弁34のソレノイド34aと、電磁開
閉弁35のソレノイド35aがそれぞれ励磁される。各
電磁弁34、35を励磁すると、油圧通路は図2に示す
状態に切替えられる。
【0026】図2の状態では、油圧源32からの作動油
40が油圧通路44を介して、油圧シリンダ20の第2
の油室26に圧送される。また、油圧シリンダ20の第
1の油室25内の作動油は、油圧通路43、電磁切替弁
34を介して油タンク38に戻されるとともに、逆止弁
37、電磁開閉弁35、油圧通路46を介して第3の油
室27に送られる。
【0027】この状態では、油圧シリンダ20の第2の
油室26に作動油が圧送されると、第1のピストン23
に油圧が作用するが、キャビティ17内の溶湯圧力が高
い状態では、溶湯圧力による加圧ピン18に作用する力
MOが油圧による第1のピストン23に作用する力FPO
よりも大きいので、第1のピストン23は動くことはで
きない。
【0028】キャビティ17内の溶湯10の凝固収縮が
進むと、溶湯圧力が低下し、溶湯圧力による加圧ピン1
8への反力は徐々に低下する。そして、溶湯圧力による
加圧ピン18に作用する力が、第1のピストン23に作
用する力FPOよりも小さくなると、第1のピストン23
は油圧による付勢力によってキャビティ17側に向って
移動を開始する。
【0029】第1のピストン23がキャビティ17の方
向に移動されると、図3に示すように、第1のピストン
23と連結された加圧ピン18がキャビティ17内に進
入し、これにより、キャビティ17内の溶湯10が加圧
される。この状態では、溶湯10の厚肉部10aの金型
に接触する部分は凝固し、内部も半凝固状態になってお
り、このような状態にある溶湯10が加圧ピン18の進
入によって加圧される。これにより、溶湯10内に生じ
た空洞部分が確実に押しつぶされ、巣の発生が防止され
る。
【0030】第1のピストン23は、第2の油室26に
圧送される作動油10の圧力によりさらにキャビティ1
7側に向って移動すると、図4に示すように、第1のピ
ストン23と連結される第2のピストン24が第3の油
室27から抜け出し、油圧による加圧ピン18に作用す
る力が増大される。つまり、第2のピストン24が第3
の油室27から抜け出た状態では、第1ピストン23の
受圧面積S1 に第2のピストン24の端面の受圧面積S
2 が加算されることになり、油圧シリンダ20における
油圧が作用する面積が拡大される。
【0031】したがって、加圧ピン18によって溶湯1
0に付与される加圧力は増大し、溶湯10の凝固層およ
び半凝固層に存在する空洞部は確実に押しつぶされる。
これにより、溶湯10内の巣の発生が抑制される。
【0032】なお、図4の加圧状態においては、第3の
油室27と連通する油圧通路46にも油圧が作用する
が、この油圧は逆止弁37によってブロックされるの
で、加圧ピン18の推力が減少することはない。また、
第2のピストン24が第3の油室27から抜け出るため
の移動ストロークは、鋳造品の種類毎に最適値が求めら
れている。
【0033】加圧ピン18による溶湯10の加圧が完了
すると、電気制御手段50によって各電磁弁34、35
のソレノイド34a、35aへの通電が停止され、各電
磁弁34、35の切替動作によって各油圧通路は図5に
示す状態に切替えられる。油圧通路が切替えられると、
油圧シリンダ20の第1の油室25に作動油が圧送さ
れ、第2の油室26および第3の油室27内の作動油4
0は、油タンク38に戻される。
【0034】第1のピストン23が加圧前の位置まで戻
った状態では、第2のピストン24は第3の油室27に
収納され、第2のピストン24の端面と第3の油室27
の端面は当接される。これにより、加圧ピン18はキャ
ビティ17内から後退し、キャビティ17の内壁面と加
圧ピン18の端面とが一致される。加圧ピン18の後退
が完了すると、可動型13は固定型12から離れ、図6
に示すように、キャビティ17によって形成された鋳造
品80が露出される。可動型13の後退が完了すると、
鋳造品80の取出しが行なわれる。
【0035】このように、鋳造時にはキャビティ17内
に注湯され、金型との接触による冷却によって凝固が進
行する溶湯10に、凝固の進行状態に応じた2段階の加
圧力を付与することができるため、半凝固状態の溶湯1
0中に存在する空洞部を確実に押しつぶすことが可能と
なり、鋳造欠陥である巣の発生を防止することができ
る。
【0036】第2実施例図7は本発明の第2実施例を示
している。第2実施例が第1実施例と異なるところは、
加圧力可変手段の構成のみであり、その他の部分は第1
実施例に準じるので、準じる部分に第1実施例と同一の
符号を付すことにより準じる部分の説明を省略し、異な
る部分についてのみ説明する。後述する他の実施例も同
様とする。
【0037】第1実施例では、第1のピストン23と連
結される第2のピストン24が第3の油室27に収納さ
れるようになっていたが、本実施例では第3の油室27
は形成されず、第2ピストン24の端面は第2の油室2
6の端面(シリンダの端壁面)と当接するようになって
いる。本実施例では第3の油室27が形成されないの
で、短い時間で油圧の受圧面積が大に切替えられること
になる。したがって、溶湯10の厚肉部の容量が小さい
場合や、溶湯の充填完了から加圧ピン18の前進完了ま
での時間が長く凝固時間そのものが短かい鋳造の場合に
有利となる。
【0038】第3実施例図8は、本発明の第3実施例を
示している。第1実施例および第2実施例が油圧の受圧
面積が2段階に切替えられるようになっていたのに対
し、本実施例では、受圧面積が3段階に切替えられるよ
うになっている。本実施例では、油圧シリンダ20に第
4の油室61が形成されている。第4の油室61は、第
1の油室25と第2の油室26との間に位置している。
また、第1のピストン23と第2のピストン24との間
には、加圧力可変手段の一部としての第3のピストン6
2がロッド状に突出形成されている。
【0039】本実施例では、第1の油室25と電磁切替
弁34との間に位置する油圧通路43には、電磁開閉弁
35のポート35cが接続されている。電磁開閉弁35
の他方のポート35dは、逆止弁63、油圧通路64を
介して第4の油室61のポート61aと連通可能となっ
ている。また、第2の油室26と電磁切替弁35との間
に位置する油圧通路46は、逆止弁66、油圧通路64
を介して第4の油室65と連通可能となっている。第3
の油室27と電磁切替弁34との間に位置する油圧通路
46は、逆止弁67、油圧通路68を介して電磁開閉弁
35のポート35dと連通可能となっている。
【0040】このように構成された第3実施例において
は、まず、第2の油室26に作動油40が圧送され、第
3のピストン62の側面に油圧が作用する。これによ
り、加圧ピン18はキャビティ17方向に移動される。
つぎに、第2のピストン24が第3の油室27から抜け
出た時点では、第3のピストン62の側面と第2のピス
トン24の側面に油圧が作用する。さらに、第3のピス
トン62が第2の油室62と第4の油室61を連通する
ポート61aを通り過ぎた時点では、第2の油室26に
作用する油圧がポート61aを介して第4の油室61に
も伝わり、第1のピストン23、第2のピストン24、
第3のピストン62のそれぞれに油圧が作用する。
【0041】このように、本実施例ではキャビティ17
内の溶湯10の凝固の進行状態に応じて、加圧ピン18
による溶湯10への加圧力が3段階に変化される。した
がって、溶湯補給路が比較的早く断たれ、厚肉部の容量
が大きく溶湯の充填完了から比較的早い時期に加圧ピン
を作動させる場合には有効となる。
【0042】従来装置では、図9に示すように、加圧ピ
ン6をキャビティ4内に突出させているので、少なくと
も溶湯の充填が完了するまで加圧ピン6が溶湯と接触状
態にある。そのため、加圧ピン6の表面が荒れ、作動不
良の原因となる。また、溶湯のキャビティ4への充填中
には加圧ピン6が溶湯が鋳包まれた状態となるので、加
圧ピン6の外周面と接触する溶湯の部分は冷却によって
凝固し、凝固した溶湯の付着によって加圧ピン6の後退
動作が円滑に行なわれなくなる。
【0043】これに対し、本発明の各実施例では、加圧
ピン18は油圧によって付勢されるので、キャビティ1
7内への溶湯10の充填時には、加圧ピン18を加圧し
ておく必要がなく、加圧ピン18をキャビティ17内に
突出させなくとも対応可能となる。したがって、加圧ピ
ン18が凝固されていない溶湯10によって鋳包まれた
状態になることもなく、加圧ピン18の表面の荒れや、
溶湯10の付着が抑制され、加圧ピン18の動作を円滑
に保つことが可能となる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、つぎのような効果が得
られる。
【0045】(1)加圧力可変手段は、シリンダと、加
圧ピンと一体的に移動する第1のピストンと、第1のピ
ストンの加圧ピンと反対側面に第1のピストンに一体的
に形成され第1にピストンからキャビティと反対側に突
出する少なくとも1段のロッド状の突出部(本発明実施
例の第2のピストン、第3のピストンに対応するもの)
と、を有しており、第1のピストンがキャビティ側に移
動して突出部がシリンダ端壁に形成された凹部またはシ
リンダ端壁から離れた時は、突出部は加圧ピンに付与さ
れるキャビティ側に向かう液圧の受圧面積を増大させ溶
湯への加圧力を高めるので、溶湯の凝固の進行状態に適
した加圧力の付与が可能となる。したがって、溶湯内に
存在する空洞部分を確実に押しつぶすことができ、巣の
発生を防止することができる。
【0046】(2)その結果、厚肉部を有す鋳造品であ
っても巣の発生による品質低下を解消することが可能と
なり、生産性の向上および鋳造コストの低減を図ること
ができる。また、厚肉部を有する鋳造品の複合化が容易
となり、部品点数の削減によるコストの低減が可能とな
る。
【0047】(3)液圧を利用して加圧ピンに加圧力を
付与するようにしているので、加圧ピンをばね力によっ
て付勢する従来のように、溶湯の充填時に加圧ピンをキ
ャビティ内に突出させておく必要もなくなる。したがっ
て、加圧ピンが凝固されない溶湯に鋳包まれた状態を回
避することができ、加圧ピンの表面が荒れたり、溶湯が
付着することもなくなる。したがって、加圧ピンの金型
に対する動きを円滑なものとすることができ、装置の信
頼性が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る鋳造装置の概略構成
図であってキャビティへの溶湯の充填が完了した状態を
示す図である。
【図2】図1の装置における溶湯への加圧開始時の状態
を示す鋳造工程図である。
【図3】図1の装置における溶湯への加圧開始後の状態
を示す鋳造工程図である。
【図4】図1の装置における溶湯への加圧状態であって
加圧力が増加された状態を示す鋳造工程図である。
【図5】図1の装置における溶湯への加圧完了後の状態
を示す鋳造工程図である。
【図6】図1の装置におけるキャビティへの溶湯の充填
前の状態を示す鋳造工程図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る鋳造装置における金
型の断面図である。
【図8】本発明の第3実施例に係る鋳造装置の概略構成
図である。
【図9】加圧ピンを用いた従来の鋳造装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
10 溶湯 11 金型 12 固定型 13 可動型 17 キャビティ 18 加圧ピン 20 加圧力可変ピン(油圧シリンダ) 23 第1のピストン 24 第2のピストン 28 第3のピストン 31 油圧制御手段 32 油圧源 33 減圧弁 34 電磁切替弁 35 電磁開閉弁 50 電気制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 17/22 B29C 45/26 B29C 45/56

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯が充填されるキャビティを形成する
    金型と、 前記キャビティに対して進退可能に設けられ、キャビテ
    ィ内への進入によりキャビティ内の溶湯を加圧する加圧
    ピンと、 前記加圧ピンと連結された加圧力可変手段と、 を備え、 前記加圧力可変手段は、シリンダと、前記加圧ピンと一
    体的に移動する第1のピストンと、該第1のピストンの
    前記加圧ピンと反対側面に前記第1のピストンに一体的
    に形成され前記第1のピストンからキャビティと反対側
    に突出する少なくとも1段のロッド状の突出部と、を有
    し、 前記第1のピストンがキャビティと反対側に移動して前
    記突出部の先端部が第1のピストンよりキャビティから
    遠い側のシリンダ端壁に形成された凹部に突入するかま
    たはシリンダ端壁に当接した時は、前記突出部は前記加
    圧ピンに付与されるキャビティ側に向かう液圧の受圧面
    積を減少させて溶湯への加圧力を低め、前記第1のピス
    トンがキャビティ側に移動して前記突出部が前記シリン
    ダ端壁に形成された凹部またはシリンダ端壁から離れた
    時は、前記突出部は前記加圧ピンに付与されるキャビテ
    ィ側に向かう液圧の受圧面積を増大させ溶湯への加圧力
    を高める、 ことを特徴とする鋳造装置。
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