JP2952696B2 - 車両用特性検出装置 - Google Patents

車両用特性検出装置

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JP2952696B2 JP24737690A JP24737690A JP2952696B2 JP 2952696 B2 JP2952696 B2 JP 2952696B2 JP 24737690 A JP24737690 A JP 24737690A JP 24737690 A JP24737690 A JP 24737690A JP 2952696 B2 JP2952696 B2 JP 2952696B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は車両用特性検出装置に関するものであり、特
に後輪操舵機構を有する車両における走行状態に応じた
車両諸元を算出、検出する装置に関する。
(従来の技術) 本出願人は、先に、特願昭60−66612号(特開昭61−2
26368号公報)により、後輪操舵制御システムを搭載し
た車両における舵角制御装置についての提案を行ってい
る。これによれば、舵角制御のための演算に用いる車両
諸元を路面状態に対応して設定することにより車両の運
動性能を自在に制御することが可能である。
(発明が解決しようとする課題) 上記提案は、かように運動性能の自在性を高めるのに
効果を発揮するものであるところ、車両の走行状態に応
じた車両諸元としてのコーナリングパワーについては、
これを走行時の路面状態の如何によって決定することと
しており、そのため路面状態を検出する検出する検知機
構、即ちセンサを必要としている。該センサとしては、
例えばショックアブソーバ等の取付部分に圧電素子を介
在させて成る振動センサや、光、超音波等を用いる走査
式センサなどが挙げられている。
しかして、かような構造のセンサの使用は、いずれも
その分システムを高価なものとし、従ってより低廉なシ
ステムを望むときはコスト的な負担となる。
本発明の目的は、上記の如き要望に応え得て、車両の
走行状態に応じた車両諸元を測定する特別なセンサを不
要とすることのできる車両用特性検出装置を抵抗するこ
とにある。
(課題を解決するための手段) この目的のため本発明装置は、 車両の後輪を転舵させる後輪舵角可変機構の動作状態
を検出する後輪舵角センサと、 舵角指令信号に応じて後輪舵角可変機構を駆動する後
輪舵角制御部にして、後輪舵角センサの出力を用いる舵
角サーボ系を有する舵角制御部と、 舵角サーボ系に用いる外乱補償出力に基づき車両動作
状態としてのコーナリングフォースを検出するよう、後
輪舵角可変機構への入力信号と後輪舵角センサの出力か
らコーナリングフォース検出値を得るコーナリングフォ
ース検出部と、予め設定された車両諸元からコーナリン
グフォースを計算するコーナリングフォース計算部とを
含み、該コーナリングフォース検出部で得られるコーナ
リングフォース検出値を該コーナリングフォース計算部
により求まるコーナリングフォース計算値と比較して、
該車両の走行状態に応じた車両諸元としてのコーナリン
グパワーを算出する演算部とを有してなるものである
(請求項1)。
また、本発明装置は、 舵角指令信号に応じて車両の後輪を転舵させる後輪舵
角可変機構を駆動する後輪舵角制御部と、 後輪舵角可変機構の動作状態を検出する後輪舵角可変
機構動作状態検出用の検出手段と、 車速と操舵角と上記検出手段からの信号と車両諸元と
から車両の動作状態を推定する車両動作状態推定手段
と、 後輪舵角可変機構への入力信号と上記検出手段からの
信号から車両動作状態を検出する車両動作状態検出手段
とを備えて、 該推定手段からの信号と該車両動作状態検出手段から
の信号により該車両の走行状態に応じた車両諸元を算出
する装置であって、 該車両動作状態検出手段は、後輪舵角可変機構の伝達
関数の逆特性GP -1と、フィルタによる低域通過特性Hを
用いて、後輪舵角可変機構への入力信号をx、上記後輪
舵角可変機構動作状態検出用検出手段からの信号をy、
車両動作状態検出値をCとした場合に、 C=H・x−H・GP -1・y なる演算から車両動作状態の検出をすることを特徴とす
るものである(請求項2)。
(作用) 請求項1では、後輪舵角制御部は舵角指令信号に応じ
て車両の後輪を転舵せしめるように後輪舵角可変機構を
作動させる。斯く駆動される舵角可変機構の動作状態を
検出する後輪舵角センサの出力を用いて舵角サーボ系に
よる舵角制御がなされるが、演算手段は、この場合、舵
角サーボ系に用いる外乱補償出力からコーナリングフォ
ースを検出し、予め設定された車両諸元から求まるコー
ナリングフォース計算値と比較することによりコーナリ
ングパワーを算出する。
ここに、該演算手段に含まれる一方のコーナリングフ
ォース計算部は、コーナリングフォースを予め設定され
た車両諸元に基づいて計算するコーナリングフォース計
算部として構成されるものであるのに対し、該演算手段
に含まれるもう一方のコーナリングフォース検出部は、
コーナリングフォースについて、現に、後輪舵角可変機
構への入力信号と後輪実舵角からそのときの車両動作状
態としてのコーナリングフォースを検出できるコーナリ
ングフォース検出部である。しかも、そのコーナリング
フォース検出部は、舵角サーボ系に用いる外乱補償出力
からコーナリングフォースを検出してコーナリングフォ
ース検出値を得ようとするものである。かような舵角サ
ーボ系での外乱補償出力を利用してのコーナリングフォ
ース検出について、更に、付言すれば、後輪舵角可変機
構にモータ(アクチュエータ)を使用する本発明の好適
実施例にあっては、モータ電流指令値(IM)によるモー
タトルク外乱(コーナリングフォース(CR)による外
乱)と、アクチュエータ作動(モータ回転)とに着目
し、これらの差からコーナリングフォースを求めること
ができるもので、後記(2)式から(10)式に従い、コ
ーナリングフォースを求めることができるもので、後記
(2)式から(10)式に従い、コーナリングフォースの
検出が外乱電流(ICR)を利用して可能であり、後輪舵
角可変機構への入力信号と、その動作状態を検出できる
後輪舵角センサたる検出手段からの信号を用いて、その
外乱電流(ICR)、従ってコーナリングフォースを基本
的に検出可能である。
よって、本発明においては、後輪舵角サーボ系に用い
る外乱補償出力から車両動作状態としてのコーナリング
フォースを検出するべく、後輪舵角可変機構への入力信
号と後輪舵角センサの出力からコーナリングフォース検
出値を得、予め設定された車両諸元から求まるコーナリ
ングフォース計算値と比較することによって、そのとき
の車両の走行状態に応じた車両諸元としてのコーナリン
グパワーを算出することができる。
これにより、車両の走行状態に応じたコーナリングパ
ワーの測定するのに、特別なセンサの使用を不要とし
得、検知機構としては、舵角サーボ系で用いる後輪舵角
可変機構の動作状態検出用の検出手段たる後輪舵角セン
サで足り、既存のシステム構成であってもかかる測定を
可能ならしめると共に、かかるコーナリングフォース検
出、コーナリングフォース計算、及びコーナリングパワ
ー算出からなる演算処理は、コーナリングフォース検出
部側での外乱補償出力とコーナリングフォース計算部側
での車両諸元とからそれぞれから演算されるコーナリン
グフォースを比較してコーナリングパワーを算出するこ
とから、当該車両走行状態のそのときそのときのコーナ
リングフォース検出値が、コーナリングパワーの測定に
適切に反映するものとなる。
また、請求項2の場合は、該請求項2記載のごとくに
車両動作状態の検出にフィルタを適用すれば、予測値な
どの代替値を適用しないで車両動作状態の検出をするこ
とを可能ならしめる。
本発明の好適実施例の場合でいえば、後記(10)式以
降(15)式に基づき、後輪舵角可変機構への入力信号x
と後輪舵角可変機構動作状態検出用検出手段からの信号
yから車両動作状態としてのコーナリングフォースを検
出して車両の走行状態に応じた車両諸元としてのコーナ
リングパワーを算出する場合、予測値などの代替値を用
いるなどの処理をすることなく適切にその車両動作状態
検出値Cとしてのコーナリングフォース検出値を得るこ
とができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明す
る。
第1図は、本発明の一実施例に係る装置の原理構成を
示す。
図中100a,100b及び100cは、夫々4輪操舵車両(4WS)
における後輪舵角指令計算、後輪舵角サーボ、及びサー
ボ系に用いる外乱補償の各機能を示す。上記系におい
て、ステアリング操作による操舵角(ハンドル角)θと
車速Vに基づき後輪舵角指令値δrMを演算して求め、斯
く求めたδrM値に基づいて後輪舵角δを制御する。
上記基本制御系に、100d〜100fで示すコーナリングフ
ォース計算、コーナリングフォース検出、コーナリング
パワー計算の各機能が付加される。
上記はコーナリングパワーを測定するのに際し、格別
のセンサを別途新たに追加使用しなくてもその検出を可
能にするためのものであって、コーナリングパワー検出
に後輪舵角サーボ系の外乱補償器の出力を活用する。即
ち、後輪舵角サーボ系に用いる外乱補償出力からコーナ
リングフォースを検出してコーナリングフォース検出値
CRDを得、予め設定された車両諸元から求まるコーナリ
ングフォース演算値CRCとの比較を行うことによって、
コーナリングパワー(コーナリングパワー値KR)を算出
する。かかるコーナリングフォース検出、コーナリング
フォース計算、及びコーナリングパワー計算から成る手
法は、かように外乱補償器の出力と車両モデルから計算
されるコーナリングフォースを比較してコーナリングパ
ワーを検出するものであり、それ故、コーナリングパワ
ーを測定するために、通常後輪舵角サーボ系で用いる後
輪舵角センサの他に特別なセンサを用いなくても済み、
従って、この点で既存の機構のものでもコーナリングパ
ワー検出を行わせることができることになる。
更に、第2図及び第3図、並びに制御系のブロック線
図を含む第4図以下をも参照して具体的に説明する。
第2図は、上記原理に基づくコーナリングパワー検出
装置の構成を含めて示す後輪操舵システムの構成図で、
後輪舵角指令値計算部1、後輪舵角サーボ機構2、後輪
舵角可変機構3、後輪舵角センサ4、車両動作状態とし
てのコーナリングフォースを予め設定された車両諸元値
に基づいて計算するコーナリングフォース計算部5、同
じくコーナリングフォースCRについて舵角可変機構3へ
の入力信号と後輪舵角からそのときのコーナリングフォ
ースを検出するコーナリングフォース検出部6、及びコ
ーナリングパワー計算部7を備える。
なお、図中8は4輪操舵車両を示し、ここでは後輪舵
角可変機構3にモータ(アクチュエータ)を使用するモ
ータ式4WS車とする。また、操舵角及び車速についての
θ(K)、V(K)や、後輪舵角指令値δRM(K)な
ど、特に(K)の表記が付されたものは、ディジタル処
理での各要素の入出力値のサンプル値であることを意味
する。従って、操舵角θ(K)、車速V(K)、後輪舵
角指令値δRM(K)、モータ電流指令値IM(K)、後輪
実舵角δ(K)、モータ回転角φ(K)、コーナリン
グフォース計算値CRC(K)、コーナリングフォース検
出値CRD(K)は、夫々、該当サンプリング時点でのK
番目(k=1,2,3,……)のサンプル値であることを示
す。
上記システムにおいて、後輪操舵制御は、後輪舵角指
令値計算部1、後輪舵角サーボ機構2、後輪舵角可変機
構3、及び後輪舵角センサ4の制御系によって行われ
る。後輪舵角指令値計算部1は、操舵角θと車速Vから
後輪舵角指令値δRMを計算する計算値である。かかる計
算については、既知の通常のものであってもよい。
後輪舵角サーボ機構2は入力情報に基づきモータ電流
指令値IMを後輪舵角可変機構3に入力してこれを作動さ
せる。舵角指令信号に応じて後輪舵角可変機構3を駆動
するための後輪舵角制御部は、該サーボ機構2を含んで
構成される。また、サーボ機構2の制御特性の内容は、
入力を後輪舵角指令値δRM(K)とする後述の制御系ブ
ロック線図(第4図等)において示される。
後輪舵角可変機構3は、第3図に示すように、転舵駆
動源としてのモータを有する。即ち、後輪舵角サーボ系
の制御対称である後輪舵角可変機構3の構成の一例を示
す第3図において、41は電流制御アンプ、42はモータ、
43はギヤ、44はタイロッドで、電流制御アンプ41の出力
電流によりモータ42を駆動しギヤ43を介しタイロッド44
を図中右行または左行させることで車輪、従ってタイヤ
45を対応する方向に転舵させる。
第2図の後輪舵角センサ4は、上述のような後輪操舵
機構での後輪制御舵角量を検知するセンサとして設けら
れており、後輪舵角可変機構3の動作状態を検出する。
図示の場合、後輪舵角サーボ系に用いる該センサ4の出
力は、モータ回転角φを示すものとして、即ち後輪舵角
δ情報を示す信号として後輪舵角サーボ機構2に与え
られると共に、コーナリングフォース計算部5及びコー
ナリングフォース検出部6に入力情報として与えられ
る。
コーナリングフォース計算部5は、操舵角θと車速V
と後輪舵角センサ4の出力と車両諸元とから車両の動作
状態を推定する車両動作状態推定手段を構成する計算部
で、モデルとしての機能を果たす。該計算部5での計算
結果は、コーナリングフォース計算値CRCとしてコーナ
リングパワー計算部7に与えられる。
コーナリングフォース検出部6は、後輪舵角可変機構
3への入力信号と後輪舵角センサ4の出力から車両動作
状態としてのコーナリングフォースを検出し、その結果
をコーナリングパワー計算部7に与える。該検出部6で
のコーナリングフォース検出値CRDの演算についての詳
細は後述するが、基本的には、モータ電流指令値IMによ
るモータトルク外乱(コーナリングフォースCRによる外
乱)と、アクチュエータ作動(モータ回転)とに着目
し、これらの差からコーナリングフォースを求めること
ができるもので、この場合、かかる検出に関与するセン
サ出力としては後輪舵角センサ4の出力値である。従っ
て、コーナリングパワーを測定するために、後輪舵角サ
ーボ系に用いるセンサ以外に特別なセンサを用いること
が原因でシステムが高価になるようなことはなく、シス
テム中の使用センサの点について既存の構成のままでも
足り、図示の場合、センサは後輪舵角センサ4のみで済
む。
上記コーナリングフォース計算部5からの信号と、上
記コーナリングフォース検出部6からの信号により、車
両の走行状況に応じた車両諸元としてコーナリングパワ
ーを算出する場合、該検出部6を含んで構成される車両
動作状態検出手段には、ローパスフィルタ機能を具備せ
しめる。即ち、好ましくは、該検出手段は、後輪舵角可
変機構3の伝達関数GPとその逆特性GP -1と、低域通過特
性を持ったフィルタHから成り、後輪舵角可変機構3へ
の入力信号をx、後輪舵角センサ4からの信号をy、車
両動作状態検出値をCとすると、 C=H・x−H・GP -1・y なる演算から車両動作状態を検出するものとする。
以下、上述のコーナリングフォース計算、舵角サーボ
系での外乱補償出力を利用してのコーナリングフォース
検出、コーナリングパワー計算の各内容について、これ
らの順でその演算過程を更に具体的に説明する。
まず、後輪舵角指令値計算部1において操舵角θと車
速Vから後輪舵角指令値δRMが計算され、これに基づき
舵角サーボ系を通し後輪舵角可変機構3が駆動されるこ
とは既に述べた通りであるが、このとき、他方で、コー
ナリングフォース計算部5でコーナリングフォース計算
値CRCが求められる。
即ち、コーナリングフォース計算部5は、操舵角θと
車速V及び後輪舵角δを入力し、予め設定された車両
諸元を用いてコーナリング計算値CRCを計算する。該計
算には、後輪コーナリングパワー初期値が含められる。
以下に計算方法の一例を示す。
一般に、操舵角θを入力とした場合、後輪操舵機構を
有する車両のヨーイングと横運動の2自由度平面に関す
る運動方程式は、次式で表される。
ここで、以下は夫々次を内容とする。
Y=CRC (I):ヨーレイト推定値 Vr(I):横方向速度推定値 CRC:後輪コーナリングフォース計算値(推定値) M:車両質量 V:車速 Iz:ヨー慣性 LF:車両の前輪と重心間の距離 LR:車両の後輪と重心間の距離 eKF:前輪等価コーナリングパワー初期値 kR:後輪コーナリングパワー初期値 N:ステアリングギヤ比 以上の計算をディジタル計算機(マイクロコンピュー
タ)で計算するためには、(1)式を離散化しなければ
ならないが、その具体的な計算法は、既知のものと同様
であるからここでは省略する。
しかして、(1)式を離散化して計算した結果、得ら
れるコーナリング計算値をCRC(K)とする。
該CRC(K)値は、コーナリングフォース検出値との
比較のためのコーナリングパワー計算部7に入力情報と
して供給される。
コーナリングフォースの検出は、以下に述べる手法に
よりこれを行う。
まず、後輪舵角サーボ系の制御対象である後輪舵角可
変機構3の構成は前記第3図に示したものであるが、こ
の場合の連続時間系でのモデリングを考えると、これは
次のようになる。
即ち、同図において、電流制御アンプ41は、モータ42
に流す電流I(K)をモータ電流指令値IM(K)に追従
させるように動作するが、実用の周波数帯域でのその連
続系伝達特性GI(S)は、 とみなすことができる。
更に、モータ42と操舵機構の運動方程式については、
次のように表わすことができる。
ここに、 KT:モータトルク定数 φ:モータ回転角 Jn:モータ軸換算した後輪操舵機構の慣性 CR:第3図中のタイヤに働くコーナリングフォース ξ:第3図に示すトレール長 NR:モータ回転角−後輪舵角間ギア比 である。
なお、上記NRを用いて、モータ回転角と後輪舵角との
関係を表せば、両者の間には、 なる関係がある。
こうして、上記運動方程式については(3)式で表さ
れ、従って、モータ電流指令値IMに対するモータ回転角
φの伝達関数GP(S)は、コーナリングフォースCRを無
視すると、即ち、CRを完全に外乱として扱えば、次式の
如くになる。
次に、上記伝達関数を離散化したものを考える。即
ち、(4)式をゼロ次ホールダを用いて、サンプル周期
ΔTで離散化すると、次式(5)を得る。
但し、上記において、 であり、また、 である。
第4図は、上述のように制御対称である後輪舵角可変
機構3におけるモータ電流指令値IM(K)に対するモー
タ回転角φ(K)の伝達関数をとらえた場合の舵角サー
ボ系のブロック線図で、後輪舵角サーボ機構2の内容を
示すと共に、後輪舵角指令値δRM(K)から後輪舵角δ
(K)までの伝達特性をモデルGm(Z-1)に一致させ
るための制御系の内容を示している。図中、φ(K)
(=NR.δRM(K))はモータ回転角指令値を示し、Bm
(Z-1), F(Z-1)は補償要素を示す。補償要素Bm(Z-1)等につ
いての設計方法は、既知のものと同様であってもよい。
以上を背景として、本例では、下記のようにしてコー
ナリングフォースCRを検出することが可能である。即
ち、コーナリングフォースを検出する方法(コーナリン
グフォース検出部6での計算内容)については、これを
次のようにして説明することができる。
先に述べたように、後輪舵角サーボ系(第4図)での
制御対称となる後輪操舵機構の数学モデルGP(Z-1)で
は、コーナリングフォースCRの影響は考えておらず、CR
は完全に外乱として扱っている。従って、その場合は第
4図中破線内に示すような内容のものとなるが、これに
対し、CRを含んだ制御対象のブロック線図は第5図に示
すようなものとなり、式で表せば、次式(6)の如くに
なる。
φ(K)=GP -1(Z-1){IM(K)+ICR} ……(6) 但し、上記式において、ICRはコーナリングフォースC
Rによるモータへの外乱電流を意味する。即ち、ここで
は、CRの影響をモータ42への外乱電流ICRとして表して
いる。具体的にいえば、コーナリングフォースの影響を
考慮した場合、CRによってモータ42が受けるトルクTCR
は、 となるので、かかるトルクTCRをモータトルク定数KT
割れば、電流換算した上記ICR値が得られる。
よって、外乱電流ICRに着目すれば、これは、CRを含
む既述した可変機構3中の値KT,ξ,NRを用いて次式で表
されるものとなる。
従って、ICRが検出できれば、上記(8)式をCRにつ
いて整理した次式、即ち、 なる式でコーナリングフォースCRの検出をすることがで
きることになる。こうして、コーナリングフォースの検
出が外乱電流を利用して可能である。
更に、ここで上記ICRについて、該ICRを求めるため
に、前記(6)式を変形して、次式(10)が得られるこ
とから、前記のIM(K)、GP(Z-1)、φ(K)を用い
た演算式ICRを表わすことができる。
上記は、後輪舵角可変機構3への入力信号と、その動
作状態を検出できる後輪舵角センサ4たる検出手段から
の信号を用いてICR、従ってコーナリングフォースを基
本的に検出できることを意味している。
第6図は、上記(10)式の右辺をIC(O)(K)とした
場合でのこのケースでのブロック線図である。
ところで、上記(10)式を更に検討すると、該演算式
は次のような点で改善を加える余地がある。
即ち、(10)式の右辺第2項の の演算に未来のφ(K)を用いなければならず、よって
予測値などの代替値を適用しない限り、このままでは演
算は行えない。即ち、 であり、上記でφ(K+1)は未来の入力を表し、従っ
てこのままでは演算不可能ということになる。
そこで、上記対策として、本例では、第7図、第8図
に示す如く、更に低域通過フィルタ特性を導入するもの
である。
即ち、前記(10)式の両辺にローパスフィルタH(Z
-1)を施すことを考える。
今、仮に、H(Z-1)として、連続系一次のローパス
フィルタH(S)をゼロ次ホールドで離散化したもの
に、Q(Z-1)を乗じたものとすると、次式のようにな
る(但し、Q(Z-1)は、GP(Z-1)の不安定ゼロ点をキ
ャンセルするために乗ずる)。
ここに、 である。
上記のようになるから、H(Z-1)/GP(Z-1)は、 となり、 となって、現在の出力Y(K)は、現在の入力φ(K)
の過去の入出力で計算可能となる。
従って、 となって、ローパスフィルタH(Z-1)のカットオフ周
波数を上げれば、IC(K)はすばやくICRに一致する
(第7図)。よって、 の演算を行えば、コーナリングフォースの検出値C
RD(K)が求まる。
このようにして、コーナリングフォース検出値C
RD(K)を求めることができ、該CRD(K)値がコーナ
リングパワー計算部7に入力情報として供給される。
次に、コーナリングパワー計算部7では、予め設定さ
れた車両諸元から計算して得たコーナリングフォース計
算値CRC(K)と上記(15)式で得たCRD(K)を比較す
ることにより、コーナリングパワーを算出する。
これは、次のような計算による。
即ち、まず、実後輪コーナリングフォースCRと、後輪
コーナリングパワーKR(r)の関係式は、次式で表され
る。
CR=KR(r)・β =KR(r)・{δ−(Vy−LR・)/V} ……(16) 上記において、Vyは実横速度、は実ヨーレイトであ
る(但し、βの演算には、横速度Vyとヨーレイトの
推定値Vy(I),(I)を用いる)。
従って、予め設定された車両諸元から計算されるコー
ナリングフォースCRC(K)と、前記(15)式から得ら
れるコーナリングフォース検出値CRD(K)を比較すれ
ば、次式の関係に従い後輪コーナリングパワーの実際値
KR(r)が基まる。
(但し、ここにKRはコーナリングパワーの初期値) こうして、検出値CRD(K)と計算値CRC(K)との比
較によってコーナリングパワーを算出することができ
る。
第9図は、本コーナリングパワー検出のシュミレーシ
ョンを示す。シュミレーションは、時刻t=1.0(sec)
で所定のコーナリングパワーが半分になったと仮定した
条件の下でなされており、図に示す如く、コーナリング
時に時刻t=1.0(sec)でコーナリングパワーが所定値
の半分にステップ的に変化したとき、前記RK値(即ち、
コーナリングフォース検出値とコーナリングパワー計算
値との比)は図示のように変化している。上記シュミレ
ーション結果によれば、本コーナリングパワー検出に用
いるRKが50%(0.5)になることが分かる。
以上のように、本コーナリングパワー検出装置では、
後輪舵角サーボ系に用いる外乱補償出力からコーナリン
グフォースを検出でき、予め設定された車両諸元から求
まるコーナリングフォース計算値と比較することによっ
て、コーナリングパワーを算出することができて、コー
ナリングパワーを測定する特別なセンサの必要をなくす
ことができる。
また、舵角可変機構への入力信号と後輪実舵角からコ
ーナリングフォースを検出してコーナリングパワーを算
出する場合、第7図、第8図のようにフィルタを適用す
れば、予測値などの代替値を用いるなどの処理をするこ
となく適切なコーナリングフォース検出値を得ることが
でき、更に、第10図に示すように、IC(K)をIM(K)
の手前にフィードバックすれば、コーナリングフォース
の影響を受けないロバストな制御系と、コーナリングフ
ォースの検出が同時に可能な制御系が実現できる。
(発明の効果) 本発明の請求項1によれば、後輪舵角サーボ系に用い
る外乱補償出力から車両動作状態としてのコーナリング
フォースを検出するべく、後輪舵角可変機構への入力信
号と後輪舵角センサの出力からコーナリングフォース検
出値を得、予め設定された車両諸元から求まるコーナリ
ングフォース計算値と比較することによって、車両の走
行状態に応じた車両諸元としてのコーナリングパワーを
算出することができ、後輪舵角サーボ系で用いる後輪舵
角可変機構の動作状態検出用の検出手段たる後輪舵角セ
ンサの他に別途特別なセンサを追加、使用しなくて済
み、その分コストダウンが図れ、システムを低廉なもの
とすることができると共に、当該車両走行状態のそのと
きそのときの上記コーナリングフォース検出値を、コー
ナリングパワーの測定に適切に反映させることができ
る。
請求項2の場合には、該請求項2記載のごとくに車両
動作状態の検出にフィルタを適用すれば、予測値などの
代替値を適用しないで車両動作状態の検出をすることが
可能で、従って、後輪舵角可変機構への入力信号xと後
輪舵角可変機構動作状態検出用検出手段からの信号yか
ら車両動作状態を検出して車両の走行状態に応じた車両
諸元を算出する場合、予測値などの代替値を用いるなど
の処理をすることなく適切にその車両動作検出値Cを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る検出装置の原理構成
を示す機能図、 第2図はコーナリングパワー検出装置を含む後輪操舵シ
ステムの構成図、 第3図は同システムでの舵角サーボ系の制御対象となる
後輪舵角可変機構の一例を示す図、 第4図は舵角サーボ系の基本的な制御内容を示すブロッ
ク線図、 第5図はコーナリングフォース検出の説明に供する図に
して、コーナリングフォースを外乱として含んだ状態の
制御対象のブロック線図、 第6図は同じく外乱電流を求める場合の基本的な演算内
容を説明するための図、 第7図は第6図にローパスフィルタを導入した場合の例
を示す図、 第8図は第7図の内容を含めて示す制御系の全体的なブ
ロック線図、 第9図はコーナリングパワー検出の説明に供するシュミ
レーション結果を一例を示す図、 第10図は第8図の変形例を示す図である。 1……後輪舵角指令値計算部 2……後輪舵角サーボ機構 3……後輪舵角可変機構 4……後輪舵角センサ 5……コーナリングフォース計算部 6……コーナリングフォース検出部 7……コーナリングパワー計算部 8……車両、41……電流制御アンプ 42……モータ、43……ギヤ 44……タイロッド、45……タイヤ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の後輪を転舵させる後輪舵角可変機構
    の動作状態を検出する後輪舵角センサと、 舵角指令信号に応じて後輪舵角可変機構を駆動する後輪
    舵角制御部にして、後輪舵角センサの出力を用いる舵角
    サーボ系を有する舵角制御部と、 舵角サーボ系に用いる外乱補償出力に基づき車両動作状
    態としてのコーナリングフォースを検出するよう、後輪
    舵角可変機構への入力信号と後輪舵角センサの出力から
    コーナリングフォース検出値を得るコーナリングフォー
    ス検出部と、予め設定された車両諸元からコーナリング
    フォースを計算するコーナリングフォース計算部とを含
    み、該コーナリングフォース検出部で得られるコーナリ
    ングフォース検出値を該コーナリングフォース計算部に
    より求まるコーナリングフォース計算値と比較して、該
    車両の走行状態に応じた車両諸元としてのコーナリング
    パワーを算出する演算部とを有することを特徴とする車
    両用特性検出装置。
  2. 【請求項2】舵角指令信号に応じて車両の後輪を転舵さ
    せる後輪舵角可変機構を駆動する後輪舵角制御部と、 後輪舵角可変機構の動作状態を検出する後輪舵角可変機
    構動作状態検出用の検出手段と、 車速と操舵角と上記検出手段からの信号と車両諸元とか
    ら車両の動作状態を推定する車両動作状態推定手段と、 後輪舵角可変機構への入力信号と上記検出手段からの信
    号から車両動作状態を検出する車両動作状態検出手段と
    を備えて、 該推定手段からの信号と該車両動作状態検出手段からの
    信号により該車両の走行状態に応じた車両諸元を算出す
    る装置であって、 該車両動作状態検出手段は、後輪舵角可変機構の伝達関
    数の逆特性GP -1と、フィルタによる低域通過特性Hを用
    いて、後輪舵角可変機構への入力信号をx、上記後輪舵
    角可変機構動作状態検出用検出手段からの信号をy、車
    両動作状態検出値をCとした場合に、 C=H・x−H・GP -1・y なる演算から車両動作状態の検出をすることを特徴とす
    る車両用特性検出装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、 車両動作状態は、コーナリングフォースであることを特
    徴とする車両用特性検出装置。
  4. 【請求項4】請求項2において、 走行状態に応じた車両諸元は、タイヤのコーナリングパ
    ワーであることを特徴とする車両用特性検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006027302A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Fuji Heavy Ind Ltd 車輪の接地状態判定装置および車輪の接地状態判定方法、並びに車両運動制御装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006027302A (ja) * 2004-07-12 2006-02-02 Fuji Heavy Ind Ltd 車輪の接地状態判定装置および車輪の接地状態判定方法、並びに車両運動制御装置
JP4558395B2 (ja) * 2004-07-12 2010-10-06 富士重工業株式会社 車輪の接地状態判定装置および車輪の接地状態判定方法、並びに車両運動制御装置

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