JP2952262B2

JP2952262B2 - プレート式熱交換器

Info

Publication number: JP2952262B2
Application number: JP26195790A
Authority: JP
Inventors: 淳一中村
Original assignee: HISAKA SEISAKUSHO KK
Current assignee: HISAKA SEISAKUSHO KK
Priority date: 1990-09-29
Filing date: 1990-09-29
Publication date: 1999-09-20
Anticipated expiration: 2014-09-20
Also published as: JPH04139390A

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本発明は、プレートを多数枚積層してなるプレート式
熱交換器に関し、詳しくは、プレートに付着したスケー
ルを、容易に除去し、プレートを洗浄することができる
ようにしたプレート式熱交換器に関するものである。

〔従来の技術〕

プレート式熱交換器は、適切な凹凸模様を形成した伝
熱面を有するプレートをガスケットを介して多数枚積層
し、プレート間に、媒体通路を形成したものである。こ
の媒体通路に、熱交換されるべき異なる熱交換媒体を交
互に流通し、プレートを介して、両媒体間で熱交換を行
わせる。

このようなプレート式熱交換器の従来例を、第９図及
び第10図に示して説明する。熱交換器のプレート（１）
は、伝熱面（２）に凹凸模様（図示せず）を形成し、四
隅に媒体通路孔（３）を穿設したものである。このプレ
ート（１）には、伝熱面（２）及び一対の媒体通路孔
（３）（３）を囲繞し、かつ、他の一対の媒体通路孔
（３）（３）を閉鎖するガスケット（４）を装着する。
このようなプレート（１）を、第10図に示すように交互
に上下反転して多数枚積層し、これを第９図に示すよう
に、固定フレーム（５）と支え棒（６）との間に架設し
た上下２本のガイドロッド（７）（８）に装着する。そ
して、支え棒（６）側のプレート（１）に可動フレーム
（９）を装着し、この可動フレーム（９）と固定フレー
ム（５）とをボルト及びナット（10）によって締結す
る。プレート（１）は、交互に上下反転して、多数枚積
層されることにより、各プレート（１）（１）間に２つ
の媒体通路（Ａ）（Ｂ）が交互に形成される。固定フレ
ーム（５）の上側奥部には、媒体通路（Ａ）に熱交換媒
体を供給する入口部（5a）を設け、可動フレーム（９）
の下側奥部には、媒体通路（Ａ）に供給された熱交換媒
体を排出する出口部（図示せず）を設ける。また、可動
フレーム（９）の下側手前には、媒体通路（Ｂ）に熱交
換媒体を供給する入口部（9b）を設け、固定フレーム
（５）の上側手前には、媒体通路（Ｂ）に供給された熱
交換媒体を排出する出口部（5b）を設ける。異なる熱交
換媒体は、媒体通路（Ａ）（Ｂ）内を下向きと上向きと
に交互に流通し、熱交換が行われる。媒体通路（Ａ）内
を流通する熱交換媒体は、固定フレーム（５）から可動
フレーム（９）の方向へ進行する。また、媒体通路
（Ｂ）内を流通する熱交換媒体は、可動フレーム（９）
から固定フレーム（５）の方向へ進行する。

〔発明が解決しようとする課題〕

従来のプレート式熱交換器において、プレートの表面
にスケールが付着すると、所定量の熱交換媒体を流通さ
せることができなくなるため、洗浄液による薬品循環洗
浄を実施している。

しかし、スケールは、熱交換媒体の慣性力や媒体通路
孔の圧力差等によって、均一に付着しないため、薬品循
環洗浄によっては、スケールを容易に除去することがで
きなかった。即ち、洗浄液は、スケール付着が少なく、
低圧損の媒体通路を多量に流れ、多量にスケールが付着
して、略閉鎖された状態の媒体通路には、洗浄液が微量
しか流れず、当箇所でのスケールの除去が困難であっ
た。

スケールが付着した媒体通路を洗浄するには、洗浄液
の流速を速くする必要がある。このため、容量の大きな
ポンプ等が必要となり、設備費が上昇するといった不具
合が生ずる。

大きなポンプを使用せずに、スケールを除去するに
は、プレート式熱交換器を分解している。しかし、分解
及び組立作業には、多大の労力を要し、メンテナンス上
問題があるだけではなく、それだけ、装置を長時間停止
させなければならず、生産性が低下する。さらに、被熱
交換媒体が流通する媒体通路に、スケールが付着するこ
ともある。この熱交換媒体が食品であると、スケールは
食品の汚染の原因となり、衛生面で問題が生ずる。

以上のような種々の問題点に鑑み、本出願人は、スケ
ールがプレートに付着しないようにしたプレート式熱交
換器を、実願平１−102970号で出願している。しかし、
かかる熱交換器で、スケールが余儀なくプレートに付着
した場合、プレート式熱交換器を分解してスケールを除
去していた。

そこで本考案は、プレート式熱交換器を分解すること
なく、洗浄方式により、プレートに付着したスケール
を、容易に除去できるようにしたプレート式熱交換器を
提供することを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記目的を達成するため、波形形状を有する
プレートを、ガスケットを介して交互に反転して多数枚
積層し、プレート間に熱交換媒体の媒体通路を形成し、
媒体通路の入口部と出口部とを両端部に設け、媒体通路
に異なる熱交換媒体を、交互に流通させ、多数枚積層さ
れたプレートの一箇所、又は、複数箇所に隔壁板を介在
させて媒体通路を複数のセクションに分割し、隔壁板と
隣接する両側の媒体通路同士を、バルブを介して連通し
たものである。

〔作用〕

異なる熱交換媒体を熱交換するときは、バルブを開口
し、複数のセクションの媒体通路を連通させる。スケー
ルがプレートに付着して、プレートを洗浄するときは、
適宜バルブを選択的に閉鎖して、セクションごとに洗浄
液を流通させる。洗浄液は、１セクションの媒体通路し
か流通しないため、全セクションを流通する熱交換媒体
よりも流通断面積が減少する。従って、熱交換媒体を流
通させるポンプで、洗浄液を流通させても、洗浄液は熱
交換媒体よりも速く流通し、大きな力がスケールに加わ
り、スケールを確実に除去することができる。

〔実施例〕

本発明に係る一実施例を、第１図乃至第５図を参照し
て説明する。但し、従来と同一部分は同一符号を附し
て、その説明を省略する。

本実施例におけるプレート式熱交換器は、多数枚積層
されたプレート（１）（１）…の一箇所又は複数箇所
（図面では３箇所）に、隔壁板（20）（20）（20）…を
略等間隔に介在させ、媒体通路（Ａ）（Ｂ）を複数（図
面では４つ）のセクション（11）（12）（13）（14）に
分割する。隔壁板（20）の四隅には、プレート（１）の
媒体通路孔（３）を連通する管路（15）を接続し、管路
（15）の途中に第１乃至第６のバルブ（21）〜（26）
を、奥部（図面の裏面側）と手前（図面の表面側）と
に、一対介在させる。図示したバルブ（21）〜（26）
は、隔壁板（20）の外部に配管した管路（15）に介在さ
せたものであるが、隔壁板に、両側の媒体通路孔（３）
（３）と連続する開口部を設け、この開口部に、バルブ
として機能させることもできる。

他の部分は従来と同一であり、従来と同様に、２つの
熱交換媒体を熱交換させる。即ち、全てのバルブ（21）
〜（26）を開口し、隔壁板（20）によって、セクション
（11）（12）（13）（14）に分割された媒体通路（Ａ）
（Ｂ）を連通させることにより、媒体通路（Ａ）（Ｂ）
の全長に亘って、２つの熱交換媒体を交互に流通させ、
熱交換を行わせることができる。

熱交換により、プレート（１）にスケールが付着する
と、第２図乃至第５図に示す要領で、セクション毎にプ
レート（１）を洗浄する。即ち、第２図は、第１のセク
ション（11）の媒体通路（Ａ）にのみ洗浄液を流通させ
る場合を示し、第３図、第４図、第５図は、夫々第２、
第３、第４のセクション（12）（13）（14）の媒体通路
（Ａ）のみに洗浄液を流通させる場合を示す。そして、
第１乃至第４のセクション（11）（12）（13）（14）の
それぞれの媒体通路（Ａ）にのみ洗浄液を流通させるに
は、第１乃至第６のバルブを、次表のように選択的に開
閉する。

第１のセクション（11）の媒体通路（Ａ）にのみ洗浄
液を流通させるには、第２図に示すように、第１のバル
ブ（21）を閉鎖して入口部（5a）から流入した洗浄液が
第２、第３、第４のセクション（12）（13）（14）の上
側の媒体通路孔（３）（第１図参照）に流入しないよう
にし、第１のセクション（11）の媒体通路（Ａ）のみを
流通させ、第４、第５、第６のバルブ（24）（25）（2
6）を開口して、第１のセクション（11）の媒体通路
（Ａ）を流通した洗浄液を、第４、第５、第６のバルブ
（24）（25）（26）を通過して、出口部（9a）から排出
させるようにする。

第２のセクション（12）の媒体通路（Ａ）のみに洗浄
液を流通させるには、第３図に示すように、第１、第
５、第６のバルブ（21）（25）（26）を開口させ、第
２、第３、第４のバルブ（22）（23）（24）を閉口し
て、入口部（5a）から流入した洗浄液を、第１のバルブ
（21）を通過して、第２のセクション（12）の媒体通路
（Ａ）を流通し、開口されている第５、第６のバルブ
（25）（26）を通過して、出口部（9a）から排出させ
る。

このように、バルブ（21）〜（26）を表に示す要領で
開閉することにより、同様に、第３及び第４のセクショ
ン（13）（14）の媒体通路（Ａ）（Ａ）のみに洗浄液を
流通させことができる。

洗浄液は、小さく分割された一つのセクション（11）
（12）（13）（14）ごとの媒体通路（Ａ）にのみ流通す
るため、洗浄液の流通断面積が全セクション（11）〜
（14）の媒体通路（Ａ）を流通するときよりも縮小す
る。従って、洗浄液の流速が速くなる。洗浄液の流速が
速くなると、プレート（１）に付着したスケールに大き
な力が加わり、スケールは除去される。従って、既存の
ポンプによって、しかも、プレート式熱交換器を分解す
ることなく、スケールの除去及びプレートの洗浄を行う
ことができる。

媒体通路（Ｂ）についても、同様にしてプレート
（１）の洗浄を行うことができる。

尚、本発明に係るプレート式熱交換器は、スケールの
除去及びプレートの洗浄を容易にすることを目的とする
が、第６図乃至第８図に示すように、バルブ（21）〜
（26）を切換え、２つの熱交換媒体の伝熱面積を容易に
変更することもできる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、既存のポンプにより洗浄液を流通さ
せるため、新たな設備投資の必要がない。また、プレー
ト式熱交換器を分解して洗浄しないため、分解、組立に
労力を費やすことがなく、しかも、装置を長期間停止さ
せないことから、生産性が低下することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るプレート式熱交換器の概略正面
図、第２図乃至第５図は本発明の実施方法の説明図、第
６図乃至第８図は他の実施例の説明図である。第９図は従来のプレート式熱交換器の斜視図、第10図は
積層されたプレートの中間部分の分解斜視図である。（１）……プレート、（４）……ガスケット、（5a）
（9b）……入口部、（5b）（9a）……出口部、（11）
（12）（13）（14）……セクション、（21）（22）（2
3）（24）（25）（26）……バルブ、（Ａ）（Ｂ）……
媒体通路。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】波形形状を有するプレートを、ガスケット
を介して交互に反転して多数枚積層し、プレート間に熱
交換媒体の媒体通路を形成し、媒体通路の入口部と出口
部とを両端部に設け、媒体通路に異なる熱交換媒体を、
交互に流通させ、多数枚積層されたプレートの一箇所、又は、複数箇所に
隔壁板を介在させて媒体通路を複数のセクションに分割
し、隔壁板と隣接する両側の媒体通路同士を、バルブを
介して連通したことを特徴とするプレート式熱交換器。