JP2950921B2 - 軟磁性薄膜 - Google Patents

軟磁性薄膜

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、軟磁性薄膜、特に高密度記録に適した磁気
ヘッド、薄膜インダクタ等に用いられる軟磁性薄膜に関
する。
<従来の技術> 磁気ヘッドや薄膜インダクタ等の軟磁性薄膜の材料と
して、センダスト、パーマロイ等の各種軟磁性材料が知
られている。
この場合、例えば、磁気記録の分野では、磁気記録の
高密度化に伴ない、高い保磁磁力Hcを有する磁気記録媒
体が用いられる。この場合、高保磁力の磁気記録媒体に
良好な記録を行なうには、磁気ヘッドから密度の高い磁
束を発生させる必要がある。
このため、磁気ヘッド用の軟磁性薄膜として、飽和磁
束密度Bsが高いものが要求される。
加えて、高い記録・再生感度が得られる点で、軟磁性
薄膜の透磁率μが高いことが好ましい。
さらには、透磁率μの周波数特性が高い点で、電気抵
抗率ρが高いことが好ましい。
しかし、センダストやパーマロイでは、飽和磁束密度
Bsが不十分なため、保磁力Hcが1400Oe以上である高保磁
力の磁気記録媒体に十分な書き込みができない。
また、数種の軟磁性薄膜を交互に積層した高飽和磁束
密度および高透磁率の多層膜が知られているが、製造工
程が多く、複雑であり、しかも生産歩留りが低いため、
未だ実用化されていない。
<発明が解決しようとする課題> 本発明の目的は、飽和磁束密度Bsが高く、透磁率μが
高く、しかも電気抵抗率ρが高い軟磁性薄膜を提供する
ことにある。
<課題を解決するための手段> このような目的は下記(1)〜(3)の本発明によっ
て達成される。
(1)Co、M(Mは3A族元素、4A族元素および5A族元素
から選ばれる1種以上である)およびOを含有し、Mの
含有量が2〜15at%であり、Oの含有量が4〜35at%で
あり、 Coを主成分とする主磁性相を有し、前記主磁性相の結晶
粒子が全体の50体積%以上存在することを特徴とする軟
磁性薄膜。
(2)前記主磁性相の結晶粒子の平均結晶粒径Dが1000
Å以下である上記(1)に記載の軟磁性薄膜。
(3)電気抵抗率ρが150×10-6Ω・cm以上である上記
(1)または(2)に記載の軟磁性薄膜。
<作用> 本発明の軟磁性薄膜は、飽和磁束密度Bsが高く、透磁
率μが高く、しかも電気抵抗率ρが高い。
このため、本発明の軟磁性薄膜を例えば、磁気ヘッド
に適用する場合、高保磁力の磁気記録媒体に十分書き込
むことができ、しかも高い記録・再生感度が得られ、加
えて、高周波数特性が向上する。
<発明の具体的構成> 以下、本発明の具体的構成を詳細に説明する。
本発明の軟磁性薄膜は、下記式で示される原子比組成
を有する。
式 Co100-(a+b)MaOb 上式においてMは、3A族元素、4A族元素および5A族元
素から選ばれる1種以上である。
このうち、Y、La、Ce、Ti、Zr、Ta、NbおよびHfの1
種以上が好ましい。
より好ましくは、緻密性、密着強度および安定性が高
く、しかも内部応力が小さい等の膜質が良好な点で、
Y、Ta、HfおよびZrから選ばれる1種以上、特に好まし
くはこれらのうちで、Hcが低く、μが高く、磁気特性が
良好であり、ρが高く、高周波特性が良好な点でYが好
ましい。
また、aは2〜15、好ましくは3〜13、特に好ましく
は4〜11である。
前記範囲未満では、保磁力Hcが高く、十分な透磁率μ
が得られない。
前記範囲をこえると飽和磁束密度Bsが11kG以下に低下
する。
また、bは4〜35、好ましくは7〜28、特に好ましく
は9〜21である。
前記範囲未満では、保磁力Hcが高く、十分な軟磁気特
性が得られない。
前記範囲をこえると飽和磁束密度Bsが11kG以下に低下
し、また保磁力Hcも高くなり十分な軟磁気特性が得られ
ない。
なお、場合によっては、さらに炭素および/または窒
素が、酸素の飯部を置換して含有していてもよい。
この場合、酸素の含有量は、酸素、窒素および炭素の
合計に対して、50at%以上、より好ましくは80at%以
上、特に好ましくは90〜100at%であることが好まし
い。
これにより、特にρが向上し、高周波特性が向上す
る。
さらにまた、Coの一部はNi、Fe、Mnの一種以上の元素
で置換することもできる。
このような本発明の軟磁性薄膜の組成は、例えば、El
ectron Probe Micro Analysis(EPMA)法によりすれば
よい。
軟磁性薄膜の膜厚は、用途等に応じて適宜選択すれば
よいが、通常0.3〜5μm程度である。
このような本発明の軟磁性薄膜は、通常、Coを主成分
とする主磁性相と、Xの酸化物を主成分とする酸化物相
とを有する。ただし、酸化物相の粒子は微細なため、通
常のX線回折等では検出が困難である。
主磁性相は、通常、Coを主成分とする結晶粒子にて構
成される。そして、結晶粒子は、Coのみで構成されても
よく、あるいはCoにMまたは酸素が固溶したものであっ
てもよい。
また、酸化物相は、通常、Mの酸化物にて構成される
が、さらにMの窒化物やMの炭化物等が含まれていても
よい。この場合、Mの酸化物は、通常、最も安定な酸化
物の形で存在するが、化学量論の組成から多少ずれてい
てもよい。
主磁性相の結晶粒子の平均結晶粒径Dは、1000Å以下
であることが好ましい。
前記範囲をこえると異方性分散を小さくすることがで
きなくなると考えられ、結果として保磁力Hcが大きくな
り、軟磁気特性を得ることができない。
そして、平均結晶粒径Dは、より好ましくは300Å以
下、特に20〜300Åであることが好ましい。
前記範囲の場合、特に高い透磁率μが得られる。
なお、平均結晶粒径Dが1000Å以下、特に300Å以下
の場合、高い耐食性が得られる。そして、特にMとして
Yが含まれる場合はより一層高い耐食性が得られる。
結晶粒子の平均結晶粒径Dは、粉末法によるX線回折
線のCo(111)ピークの半値巾W50を測定し、下記のシェ
ラーの式から求めればよい。
式 D=0.9λ/W50cosθ 上式において、λは用いたX線の波長であり、θは回
折角である。
また、主磁性相の結晶粒子は全体の50体積%以上、特
に80体積%以上存在することが好ましい。
前記範囲未満では保磁力Hcが大きく、軟磁気特性が得
られず、しかも飽和磁束密度Bsも低い。
微結晶よりなる主磁性相の体積比率は、例えば透過型
電子顕微鏡を用いて、マトリックスの非結晶相と析出し
ている微結晶相の体積比にて求めればよい。
本発明の軟磁性薄膜を成膜するには、蒸着、スパッタ
リング,イオンブレーティング、CVD等の気相法を用い
ればよい。
成膜時には、通常、基板を水冷する。基板温度が高い
と成膜される軟磁性薄膜の主磁性相および酸化物相の結
晶粒が成長するため、基板温度は200℃以下が好まし
い。
基板の冷却法に特に制限はなく、例えば、水冷して成
膜すればよい。
軟磁性薄膜をスパッタ法により形成するには、例え
ば、以下のようにする。
ターゲットは、合金鋳造体や焼結体さらには複合ター
ゲット等を用いる。
酸素を膜中に混入するためには、酸素雰囲気中の反応
性スパッタでもよく、あるいは、ターゲットに酸化物を
用いてもよい。
スパッタリングは、Ar等不活性ガス雰囲気下で行なわ
れる。
そして、反応性スパッタの場合は、酸素を0.2〜2.5体
積%程度含有させればよい。
スパッタの方式には特に制限はなく、また、使用する
スパッタ装置にも制限はなく、通常のものを用いればよ
い。
なお、動作圧力は、通常、RFスパッタの場合には3〜
30×10-3Torr程度、イオンビームスパッタの場合には1.
5〜2.5×10-4Torr程度とすればよく、このほかの諸条件
は、スパッタ方式の種類等に応じ適宜決定する。
成膜直後の膜は、非晶質でも、あるいは結晶質すなわ
ち結晶粒子が存在してもよい。
なお、Mと酸素は親和力が強いため、成膜時にM酸化
物の生成熱により膜が自己熱処理され、良好な軟磁性特
性が得られる。
軟磁性薄膜の軟磁気遅性をより一層向上させるため熱
処理を行うことが好ましい。この場合、特に下記の条件
が好適である。
昇温速度:2〜10℃/分程度 保持温度:200〜650℃、特に300〜500℃程度 保持時間:5〜100分程度 冷却速度:2〜20℃/分程度 雰囲気:1×10-4Torr以下の真空中またはAr等の不活性
ガス中 なお、本発明の場合、微細に分散したM酸化物が、熱
処理による結晶粒子の粒成長を抑制するため、平均結晶
粒径Dは前記の範囲内となる。
得られた軟磁性薄膜の直流〜50Hz程度での保磁力Hc
は、40e以下、より好ましくは30e以下であることが好ま
しい。
また、5MHzでの初透磁率μiは、600以上、特に700以
上のものが得られる。
保磁力Hcが前記範囲をこえると、あるいは初透磁率μ
iが前記範囲未満であると、磁気ヘッドに適用したと
き、記録・再生感度が低下する傾向にある。
また、軟磁性薄膜の飽和磁束密度Bsは、11kG以上、特
に13kG以上のものが得られる。
前記範囲未満であるとオーバーライト特性が悪化し、
特に高保磁力の磁気記録媒体への記録が困難となる。
また、軟磁性膜の電気抵抗率ρは、150×10-6Ω・cm
以上、特に180×10-6Ω・cm以上のものが得られる。
このため、本発明の軟磁性薄膜は、例えば膜厚2μm
でμiが約2000の薄膜の場合、13MHz程度の周波数まで
はμiは低下せず、高周波でも高透磁率が得られる。
なお、Bs、Hc、μiおよびρは下記のとおり測定すれ
ばよい。
Bs:試料振動式磁力計(VSM)を用いて、10kOeの磁場中
で行なう。
Hc:薄膜ヒストロスコープを用いて行なう。
μi:インピーダンスアナライザーを用い、3mOeの磁場中
にて、測定周波数5MHzでインダクタンスを測定して求め
る。
ρ:四端子法でシート抵抗を測定して求める。
本発明の軟磁性薄膜は薄膜磁気ヘッド等の各種磁気ヘ
ッドに適用できる。
第1図に、本発明を適用した好適実施例である浮上型
の薄膜磁気ヘッドを示す。
第1図に示される薄膜磁気ヘッドは、スライタ7上
に、絶縁層81、下部磁極層91、ギャップ層10、絶縁層8
3、コイル層11、絶縁層85、上部磁極層95および保護層1
2を順次有する。
本発明においてスライダ7は、材料として従来公知の
種々のものを用いればよく、例えばセラミックス、フェ
ライト等により構成される。
この場合、セラミックス、特にA2O3−TiCを主成分
とするセラミックス、ZrO2を主成分とするセラミック
ス、SiCを主成分とするセラミックスまたはANを主
成分とするセラミックスが好適である。なお、これら
は、添加物としてMg、Y、ZrO2、TiO2等が含有されてい
てもよい。
スライダ7の形状やサイズ等の諸条件は公知の何れの
ものであってもよく、用途に応じ適宜選択される。
スライダ7上には、絶縁層81が形成される。
絶縁層81の材料としては従来公知のものは何れも使用
可能であり、例えば、薄膜作製をスパッタ法により行な
うときにはSiO2、ガラス、A2O3等を用いることがで
きる。
絶縁層81の膜厚やパターンは公知の何れのものであっ
てもよく、例えば膜厚は、5〜40μm程度とする。
磁極は、通常図示のように、下部磁極層91と、上部磁
極層95として設けられる。
本発明では、下部磁極層91および上部磁極層95に、前
記式で表わされる原子比組成の軟磁性薄膜を用いる。
このため、高保磁力の磁気記録媒体に対してもオーバ
ーライト特性に優れ、記録・再生感度、特に、高周波数
での記録・再生感度が高い磁気ヘッドが得られる。
下部および上部磁極層91、95のパターン、膜厚等は公
知のいずれのものであってもよい。例えば下部磁極層91
の膜厚は1〜5μm程度、上部磁極層95の膜厚は1〜5
μm程度とすればよい。
下部磁極層91および上部磁極層95の間にはギャップ層
10が形成される。
ギャップ層10には、A2O3、SiO2等公知の種々の材
料を用いればよい。
また、ギャップ層10のパターン、膜厚等は公知の何れ
のものであってもよい。例えば、ギャップ10の膜厚は0.
2〜1.0μm程度とすればよい。
コイル層11の材質には特に制限はなく、通常用いられ
るA、Cu等の金属を用いればよい。
コイルの巻回パターンや巻回密度についても制限はな
く、公知のものを適宜選択使用すればよい。例えば巻回
パターンについては、図示のスパイラル型の他、積層
型、ジグザグ型等何れであってもよい。
また、コイル層11の形成にはスパッタ法、めっき法等
の各種気相被着法を用いればよい。
図示例ではコイル層11は、いわゆるスパイラル型とし
てスパイラル状に上部および下部磁極層91、95間に配設
されており、コイル層11と上部および下部磁極層91、95
間には絶縁層83、85が設層されている。
絶縁層83、85の材料としては従来公知のものは何れも
使用可能であり、例えば、薄膜作製をスパッタ法により
行なうときには、SiO2、ガラス、A2O3等を用いるこ
とができる。
また、上部磁極層95上には保護層12が設層される。保
護層12の材料としては従来公知のものは何れも使用可能
であり、例えばA2O3等を用いることができる。
この場合、保護層12のパターンや膜厚等は従来公知の
ものはいずれも使用可能であり、例えば膜厚は10〜50μ
m程度とすればよい。
なお、本発明ではさらに各種樹脂コート層等を積層し
てもよい。
このような薄膜磁気ヘッドの製造工程は、通常、薄膜
作製とパターン形成とによって行なわれる。
各種の薄膜作製には、上記したように、従来公知の技
術である気相被着法、例えば真空蒸着法、スパッタ法、
あるいはめっき法等を用いればよい。
薄膜磁気ヘッドの各層のパターン形成は、従来公知の
技術である選択エッチングあるいは選択デポジションに
より行なうことができる。エッチングとしてはウェット
エッチングやドライエッチングにより行なうことができ
る。
本発明を適用した薄膜磁気ヘッドは、アーム等の従来
公知のアセンブリーと組み合わせて使用される。
また、前記の薄膜磁気ヘッドを用いて、種々の方式の
オーバーライト記録を行うことができる。
本発明の軟磁性薄膜は、このような薄膜磁気ヘッドの
ほかMIG(メタル・イン・ギャップ)ヘッド等の各種磁
気ヘッドに適用できる。
また、熱処理温度が比較定低い300℃程度で十分な磁
気特性が得られるので、ポリイミドなどの高分子フィル
ムの上に成膜することもできるので、薄膜インダクタ等
にも適用できる。
<実 施 例> 以下、本発明の具体的実施例を挙げ、本発明をさらに
詳細に説明する。
実施例1 RFスパッタ装置を用いて、表1に示される原子比組成
を有し、膜厚、約1μmのCo−Y−O軟磁性薄膜を基板
上に成膜した。
まず、純Co(コバルト)ターゲット上にYのチップを
対称性よく配置し、この復号ターゲットから55mmの位置
に基板を置き、ArとO2の混合ガスでスパッタリングを行
なった。
なお、基板には結晶化ガラス(コーニング社製フォト
セラム)を用い、間接水冷して、基板の温度を100℃以
下に保持した。
主な成膜条件は、下記のとおりである。
スパッタガス:Ar+0.1体積%O2〜Ar+2.5体積%O2 スパッタガス圧:5×10-3Torr 投入電力:2.4W/cm2 成膜速度:160Å/分 到達真空度:1×10-6Torr 次に、磁気特性を向上させるために真空度1×10-6To
rr、温度500℃、保持時間1時間にて熱処理を行なった
後に、以下の方法で諸特性を評価した。
(1) 膜組成 特別に純度99.85%のアルミニウム基板上に成膜した
膜を用いて、EPMA法により求めた。
(2) 初透磁率(μi) フェライトヨークを膜面に当て、インピーダンスアナ
ライザを用いて、3mOeの磁場、測定周波数5MHzでインダ
クタンスを測定することにより求めた。
(3) 保磁力(Hc) 薄膜ヒストロスコープにより求めた。
(4) 飽和磁束密度(Bs) VSMを用いて10kOeの磁場中で測定した。
(5) 電気抵抗率(ρ) 四端子法でシート抵抗を測定することにより求めた。
(6) 結晶粒子の平均結晶粒径(D) X線回折法を用いてCo(111)ピークの半値幅より求
めた。
(7) 結晶粒子の含有率 透過型電子顕微鏡を用いて、マトリックスの非晶質相
と析出している微結晶相の堆積比より求めた。
また、比較用に、Fe74Si18A(at%)の組成の合
金ターゲットを用いて、Ar中でスパッタリングを行なっ
たほかは、前記と同様とし、膜厚1μmのFe−Si−A
軟磁性薄膜をガラス基板上に成膜した。
そして、真空度1×10-6Torr、温度600℃、保持時間
1時間にて熱処理を行なった後、前記と同様に諸特性を
評価した。
結果は表1に示されるとおりである。
表1に示される結果から本発明の効果が明らかであ
る。
なお、1〜20MHzの周波数でμiを測定したところ、
サンプルNo.1、2では、それぞれ1〜10MHzにて一定の
μiが得られ、20MHzでもμiの低下量はわずかであっ
た。
加えて、耐食性も良好であった。
実施例2 Co−Ta−O軟磁性薄膜をイオンビームスパッタ装置を
用いて下記のように作製した。
まず、Coターゲット上にTaのチップを対称性よく配置
した複合ターゲットに対し、100mm径のバケット型イオ
ンガンをもつイオンビームスパッタ装置にてArイオンを
加速してターゲットに当て、ターゲットから所定の距離
に基板を置いて膜厚約1μmの膜を成膜した。
この場合、真空チャンバーの基板に近い所から微量の
酸素を流し、反応性スパッタを行なった。
また、基板には実施例1と同様、結晶化ガラスを用
い、間接水冷した。
主な成膜条件は下記の通りである。
加速電圧:1200V ビーム電流:130mA 成膜速度:160Å/分 到達真空度:1×10-7Torr 成膜中真空度:1.5〜2.5×10-4Torr 次に得られた薄膜の磁気特性を向上させるために真空
度1×10-6Torr、温度500℃、保持時間1時間にて熱処
理を行なった後に、実施例1と同様の方法で諸特性を評
価した。
結果は表2に示されるとおりである。
表2に示される結果から本発明の効果が明らかであ
る。
なお、このほか、3A族元素、4A族元素および5A族元素
から選ばれる種々の金属を用いてCo−M−O軟磁性薄膜
を成膜して前記と同様の評価を行なったところ同等の結
果が得られた。
また、本発明の軟磁性薄膜を磁気ヘッドに適用して、
薄膜磁気ヘッドを製造した。
そして、高保磁力の磁気記録媒体に対し、記録・再生
を行なったところ、十分なオバーライト特性と高周波数
での高い記録・再生感度等の優れた電磁変換特性が得ら
れた。
<発明の効果> 本発明の軟磁性薄膜は、飽和磁束密度Bsが高く、透磁
率μが高く、保磁力Hcが低い軟磁気特性を有し、しかも
電気抵抗率ρが高い。
加えて、耐食性が良い。
さらには、単層膜で前記の特性が得られるため、成膜
が容易であり、生産歩留りや量産性が高い。
また、本発明の軟磁性薄膜を例えば、磁気ヘッドに適
用する場合、高保磁力の磁気記録媒体へ十分な記録を行
なうことができ、十分なオーバーライト特性が得られ
る。
加えて、記録・再生感度、特に高周波数での記録・再
生感度が従来のものに比べ格段と向上にする。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の軟磁性薄膜を適用した薄膜磁気ヘッ
ドの1例が示される部分断面図である。 符号の説明 7……スライダ 81、83、85……絶縁層 91……下部磁極層 95……上部磁極層 10……ギャップ層 11……コイル層 12……保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 10/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Co、M(Mは3A族元素、4A族元素および5A
    族元素から選ばれる1種以上である)およびOを含有
    し、Mの含有量が2×15at%であり、Oの含有量が4〜
    35at%であり、 Coを主成分とする主磁性相を有し、前記主磁性相の結晶
    粒子が全体の50体積%以上存在することを特徴とする軟
    磁性薄膜。
  2. 【請求項2】前記主磁性相の結晶粒子の平均結晶粒径D
    が1000Å以下である請求項1に記載の軟磁性薄膜。
  3. 【請求項3】電気抵抗率ρが150×10-6Ω・cm以上であ
    る請求項1または2に記載の軟磁性薄膜。
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