JP2946216B2 - 新規ハイブリドーマ,モノクローナル抗体および用途 - Google Patents

新規ハイブリドーマ,モノクローナル抗体および用途

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は新規ハイブリドーマ,モノクローナル抗体,
および該ハイブリドーマから産生されるモノクローナル
抗体の製造法,並びに該モノクローナル抗体を用いる肝
癌の診断法に関する。
従来の技術 ケーラーとミルシュタインにより開発され、近年盛ん
になってきたハイブリドーマを用いたモノクローナル抗
体(以下MoAbと略称することがある)の製造法は、各々
の抗原決定基に対し、単一特異性を示す抗体が得られる
ことや、必要に応じて自由に多量にしかも常に均質な標
品を再現性よく得られることなど多くの利点がある。こ
のような意味から、ハイブリドーマによるMoAb取得の方
法は多方面にわたってその有効性が高く評価されてい
る。またその利用法として単に抗原の検出だけでなく微
量成分の精製や診断等への応用が展開されており、さら
に予防薬,治療薬への応用も考えられている。
肝癌は、胃癌,肺癌等と同様、日本を含む各国で高い
死亡原因を占める悪性腫瘍である。今日、肝癌の治療は
切除術が大半を占めており、そのため肝癌と高い反応性
を示すMoAbの取得は肝癌の早期診断を可能にするばかり
か、予防,治療上においても極めて有効なものになると
考えられる。
これまで肝癌に対して反応性を示すマウスMoAbについ
ては、いくつかの報告が見られる〔インターナショナル
ジャーナル オブ キャンサー(Int.J.Cancer)41,3
09(1988);キャンサー イムノロジー イムノテラピ
ィー(Cancer Immunol.Lmmunother.)27,26(1988);
プロシーディングス オブ ザ ナショナル アカデミ
ィ オブ サイエンセス(Proc.Natl.Acad.Sci.)85,31
40(1988)〕。
通常、腫瘍に対するMoAbを取得するためには、目的と
する癌組織または目的とする癌の培養株化細胞,あるい
はまたは癌胎児性抗原等で動物を免疫し、目的とする抗
体産生細胞を細胞融合法で株化する方法がとられてい
る。肝癌に対するMoAbの場合にも、これまでこのような
方法でMoAbが取得されている。癌の抗原性は多様性に富
むといわれ、このようにして得た抗体は、一般的に目的
の癌、例えば肝癌抗体の場合、すべての肝癌と反応する
訳ではない。得られた抗体を診断あるいは治療の目的に
使用するためには、特にこの陽性率ができるだけ高い
か、これまでり抗体では検出できない癌組織と反応する
抗体であることが望ましい。そのためには、例えば膵
癌,胆道系癌を認識するといわれるCA19−9〔ソマティ
ク セル ジェネティクス(Somatic Cell Genet.)
,957(1979)〕,CA50〔インターナショナル アチー
ブス オブ アレルギー アンド アプライド イムノ
ロジー(Int.Arch.Allergy Appl.Immunol.)71,178(1
983)〕等の抗体は大腸癌細胞を、NCC−ST−439抗体
〔ガン(Gann)75,540(1984)〕は、胃低分化型腺癌を
マウスに免疫するというように、他種の癌細胞を免疫原
として目的とする抗体を取得されてきた。
発明が解決しようとする課題 公知の抗ヒト肝癌MoAbは、いずれも反応する肝癌が限
定され、また正常細胞あるいは他種の癌細胞と反応する
場合も多く、肝癌の診断薬等として用いるのに充分とは
いえない。例えば、α−フェトプロテインは原発性肝癌
の有力な腫瘍マーカーであるが、肝癌の約50%を捕捉す
るに過ぎず、また癌が相当進行してから陽性となる場合
が多い。したがって、より優れた診断薬としてのMoAbが
望まれている。
課題を解決するための手段 本発明者らはこれまでの抗ヒト肝癌MoAb取得法と異な
り、胃腺癌細胞HuG−1を免疫原として動物を免疫した
後、細胞融合法により得たマウスMoAbがヒト肝癌に反応
するが、α−フェトプロテインとの相関がないことを認
め、診断薬としての重要性が高いことを見出した。そこ
でさらに鋭意研究し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、(1)ヒト胃腺癌細胞およびヒ
ト肝癌患者血清に反応し、下記の性状を有するモノクロ
ーナル抗体: ヒト胃癌患者血清に反応しない, ヒト大腸癌患者血清に反応しない, (2)抗体のクラスがIgMである第(1)項記載のモノ
クローナル抗体, (3)FERM BP−2477で表示されるマウスハイブリドー
マD6が産生する第(1)項記載のモノクローナル抗体, (4)第(1)項記載のモノクローナル抗体を産生する
ハイブリドーマ, (5)FERM BP−2477で表示されるマウスハイブリドー
マD6である第(4)項記載のハイブリドーマ, (6)クローン化された第(4)項記載のハイブリドー
マを培養し、第(1)項記載のモノクローナル抗体を生
成,蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする該モ
ノクローナル抗体の製造法, (7)第(1)項記載のモノクローナル抗体と患者から
採取した試料とを反応させることを特徴とする免疫化学
的に該試料中に存在する該モノクローナル抗体と反応す
る物質を検出・測定する方法,および (8)試料が体液である第(7)項記載の方法である。
上記免疫原とする胃腺癌細胞は原発巣あるいは、他臓
器またはリンパ節に転移したものでもよく、またこれら
の組織からとり出され株化された細胞でもよい。
該胃腺癌細胞の例としては、たとえば胃腺癌細胞HuG
−1〔日本消化器病学会雑誌第85巻臨時増刊号第128頁
(1988年)〕,MKN−7,NKN−28,MKN−45〔新潟医学会雑
誌 第91巻第737頁(1977年)〕,MKN−75〔Motoyama他
アクタ・メディカ・エト・バイオロジカ第27巻49頁(19
79年)〕等が挙げられる。
免疫する哺乳動物として、例えばマウス,ラット,ハ
ムスターなど実験動物が有利に使用でき、とりわけマウ
スが好ましい。抗体産生細胞は免疫した動物の脾細胞が
有利に使用される。株化されたヒト脾細胞株でもよい。
免疫される動物の細胞ならびに融合相手となるリンパ
球様細胞株として各種の組合わせが可能であるが、細胞
融合実験で最も実績があり、細胞融合効率その他におい
て条件のよいマウス細胞間の融合、すなわち抗原で過免
疫したマウスの抗体産生細胞と細胞融合効率,増殖性等
のすぐれたマウスミエローマ細胞とくにヒポキサンチ
ン,グアニンホスホリポシルトランスフェラーゼ欠損株
(HGPRT-株)やチミジンキナーゼ欠損(TK-)のような
マーカーをもった適切な同種または異種(好ましくは同
種)のミエローマ〔例、P3−X63−Ag・8UI(市森他ジャ
ーナル・オブ・シムノロジカル・メソッド80 55(198
5)),P3−X63−Ag8−6.5.3(Shulman,M他ネイチャー第
276巻269頁(1978)),マウスミエローマ系細胞SP2/0
−Ag14(SP2)〔Nature,276,269(1978)〕などが挙げ
られる。
また、ヒトのリンパ球様細胞でもよく、この場合は、
ヒトからとり出され株化されたものが有利に用いられ
る。
本発明のハイブリドーマを得るためには、免疫原とし
て生細胞,細胞膜画分,細胞のホモジネートなどで免疫
することが可能であるが、例えば生細胞を生理食塩水等
に遊離させ接種する方法は、簡便で効率よい方法として
好都合に用いられる。投与量,投与ルート,投与間隔等
については可変度が高く、種々の方法が可能であるが、
一例として107個の生細胞をマウス腹腔内に数ケ月内に
複数回,好ましくは2週間隔で3回以上の投与を行う方
法が挙げられるが、種々の変法が可能でありこの方法に
限定されるものではない。
最終免疫の後、約2〜10日好ましくは約3〜5日のリ
ンパ球、好ましくは脾臓リンパ球を採取し、リンパ球様
細胞株、好ましくはミエローマ細胞と細胞融合を行い、
例えばヒポキサンチン,アミノプテリン,チミジンを含
む選択培地(HAT培地)を用いて融合細胞のみを選択的
に増殖させることができる。
細胞融合のためには、両細胞をセンダイウイルス,ポ
リエチレングリコール(PEG)(重合度の例:1000,4000,
6000)等の融合剤を用いたり、電気刺激等の方法で融合
させることができるが、PEGを用いる方法は最も操作が
簡単で効率も高いので有利に用いられる。
細胞融合によって選択培地で増殖してきた各ハイブリ
ドーマの上清について、まず免疫源として用いた胃腺癌
細胞に対する反応性が陽性で正常組織に対する反応性が
微弱ないし陰性の細胞を選ぶ。胃腺癌細胞に対する反応
性の検索は、蛍光抗体法,ラジオイムノアッセイ(RI
A)法,酵素免疫測定法(EIA)など各種の方法が可能で
あるが、細胞を用いたELISA法〔cell surface ELISA,
ジャーナル オブ イムノロジカル メソッド(J.Immu
nol.Methods)76,63(1985)〕は、細胞表面抗原を認識
する抗体の簡便で、感度のよい分法として有利に用いら
れる。
このようにして選択された胃腺癌細胞に対して反応性
を示すMoAb産生ハイブリドーマは、例えば限界希釈法な
どによってクローン化することができる。クローン化さ
れた各細胞の産生する抗体の胃腺癌細胞に対する反応性
は上述したと同様に調べることができ、このようにして
胃腺癌細胞反応性の代表的なクローンを得ることができ
る。
得られたクローンの産生する抗体の各種癌患者および
正常人血清に対する反応性は、サンドイッチEIAで非常
に感度よく調べることができる。
本発明の胃腺癌細胞に対するモノクローナル抗体は、
例えば上記した本発明のハイブリドーマを用いて該MoAb
を生成,蓄積せしめ、これを採取することにより製造す
ることができる。
該MoAbの生成,蓄積は、本発明のハイブリドーマをイ
ンキュベートすることにより行われる。インキュベーシ
ョンは、液体培地中または動物の腹腔内(通常マウスの
腹腔内)で行う。
培地としては、例えば動物細胞培養用基礎培地、例え
ばRPMI−1640培地などに牛胎児血清を例えば約0.1〜40
%加えたものなどが使用できる。培養は通常約5〜10日
間,約25℃〜45℃好ましくは37℃前後で行うことによ
り、培養液から該MoAbを得ることができるが、この他に
マウス等の適切な哺乳動物の腹腔内に接種し、細胞を増
殖させ、腹水を採取することにより、細胞培養上清より
も遥かに高力価の抗体を、多量に効率よく取得すること
ができる。このためには、例えばマウスの場合、ミネラ
ルオイル等を前もって接種したBALB/C等のマウスに約1
×104〜1×107個、好ましくは約5×105〜2×106個の
ハイブリドーマを腹腔内等に接種し、約7〜20日後、好
ましくは約10〜14日後に腹水液等を採取する。腹水に生
成蓄積した抗体は、例えばセファロースCL−6Bカラムク
ロマト(ファルマシア社製)等により、容易にモノクロ
ーナル抗体を純粋な免疫グロプリンとして単離すること
ができる。
本発明により製造される胃腺癌細胞に対するMoAbは下
記の性状を有する。
(1)ヒト胃腺癌細胞に対して反応性を有する。
(2)ヒト肝癌患者血清に高率に反応性を有する。これ
らの血清中にはα−フェトプロテインが検出できないも
のも存在し、α−フェトプロテインとの相関性は認めら
れない。
(3)ヒト胃癌,大腸癌患者血清には反応せず、わずか
に肺癌患者血清に反応する。
(4)上記以外では、肝硬変,慢性肝炎患者血清と一部
反応性を示す。
(5)抗体のクラスはIgMである。
後述の検出・測定に抗体を用いる際の抗体分子として
は、フラクションでもよく、該フラクションとしてはた
とえば、Fab,Fab′,F(ab′)2,Fab″が挙げられる。
本発明は免疫原として肝癌以外の組織である胃腺癌細
胞HuG−1を用いることにより、意外にも結果的に肝癌
に対して従来の抗体とは反応性の異なるMoAbが得られる
とともに本抗体が有力な肝癌の診断薬になるという新し
い方法論を提供するものである。
本発明により製造され、肝癌患者血清に対し高率に反
応性を示すMoAbは、EIA法,EL,ISA法,RIA法などを用いた
系での肝癌の早期診断に大変有利である。
上記の検出・測定に供せられる患者由来の試料として
は、たとえば血清,尿,脳脊髄液等の体液や時には組織
およびその抽出物などが挙げられる。
本発明の測定方法のEIAの例として、標識剤がペルオ
キシダーゼの場合について以下に具体的に説明するが、
ペルオキシダーゼに限定されるものではない。
まず、担体に保持された抗体に、被検試料を加えて
結合反応を起こさせ、これに、ペルオキシダーゼを結合
した抗体を加え反応させる。
: で得られた反応生成物にペルオキシダーゼの基
質を加え、生じた物質の吸光度もしくは蛍光強度を測定
することにより上記の反応生成物の酵素活性を知る。
: 上記〜の操作を既知量の該抗体反応物質の標
準溶液に対してあらかじめ行い、反応物質と吸光度もし
くは蛍光強度との関係を標準曲線として作成しておく。
: 未知量の分析対象物(被検試料)について得られ
た吸光度もしくは蛍光強度を標準曲線にあてはめ、分析
対象物中の当該モノクローナル抗体と反応する物質の量
を測定する。
本発明の測定方法のRIAの例として、標識剤が125Iの
場合について以下に具体的に説明するが、125Iに限定さ
れるものではない。
まず担体に保持された抗体に測定すべき被検試薬を
加えて結合反応を起こさせ、これに125I標識抗体を加え
反応させる。
で得られた反応生成物のγ−放射活性を測定す
る。
上記−の操作を既知量の該抗体反応物質の標準
液に対してあらかじめ行い反応物質とγ−放射活性の関
係を標準曲線として作成しておく。
未知量の分析対象物(被検試料)について得られた
γ−放射活性を標準曲線にあてはめ分析対象物中の該抗
体反応物質の量を測定する。
以上の測定分法により得られた値が例えば正常人より
得られた値の平均値+2SD以上の値を示すものを陽性と
して判断することが可能である。
後述の実施例で得られたハイブリドーマは、財団法人
発酵研究所(IFO)に寄託され、また、通商産業省工業
技術院微生物工業技術研究所(FRI)にブタペスト条約
に基づく寄託として寄託されている。受託日および受託
番号を第1表に示す。
実施例 以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1(ハイブリドーマの製造) 胃癌患者腹水より樹立された腺癌細胞HuG−1株〔日
本消化器病学会雑誌第85巻臨時増刊号第128頁(1988
年)〕は、浮遊性増殖を示し、倍加時間は38時間,平均
染色体は60本,抗CEA,CA19−9,TPA抗体により陽性に染
色され、また培養上清中に、これらの腫瘍マーカーが多
量に検出されるが、CA125,α−フェトプロテインは継代
中に産生されなくなったという特徴を有する。本細胞1
×107個を0.5mlのリン酸緩衝液−食塩水(PBS,pH7.2)
に浮遊し、2週間隔で3回BALB/cマウスの腹腔内に接種
した。最終免疫の3日後、免疫マウスの脾臓を採取し、
PEG4000を用いてマウスミエローマ系細胞SP2/0−Ag14
(SP2)〔ネイチャー(Nature),276,269(1978)〕と
細胞融合を行なった。得られたハイブリドーマの培養上
清のHuG−1細胞への反応性は以下のように行なった。
すなわちポリレリジン液(100μg/ml,PBS)を96ウエル
マイクロプレートの各ウエルに50μずつ分注し、1時
間室温で処理する。あらかじめ37℃に温めておいたPBS
で洗浄したHuG−1細胞をウエル当り1×106個入れ、室
温で15分間放置した後、プレートを1000rpm10分遠心す
る。次にグルタールアルデハイド液を最終濃度が0.025
%になるように入れ、5分間室温に置く。グルタールア
ルデハイド液を除き、PBSで3回洗浄した後、0.1%ウシ
血清アルブミン(BSA),0.2%ゼラチ100mMグリシン,0.0
5%アジ化ナトリウムを含有するPBSを加え、室温で1〜
2時間放置する。
以上のように調製したプレートにハイブリドーマ培養
上清100μを加え、24℃で3時間反応させた。反応
後、0.05%Tween20,PBSでよく洗浄し、ビオチン化した
ヤギ抗マウスイムノグロプリン抗体を各ウエルに100μ
加え、室温で3時間反応させた。反応後、各ウエルを
0.05%Tween20,PBSでよく洗浄し、ストレプトアビジンH
RPを100μ加え、室温で30分反応させた。反応終了
後、蒸留水5mlにアミノアンチピリン2.5mg,フェノール
(98%)87.5μを加えたものと、0.2MK2HPO4,0.2KH2P
O4溶液(pH7.0)5ml,H2O23.3μを合わせた酵素基質溶
液100μを各ウエルを加えて、酵素反応を室温で30分
行ない、イムノリーダーNJ−2000(インターメット社
製)を用いて波長490nmで発色色素量を測定し、抗体の
活性を判定した。
その結果256ウエル中75ウエルにHuG−1細胞に結合性
を示す抗体の存在を認め、この中から正常血清に対して
結合性の弱い3ウエルを選択し、HuG−1細胞に強い結
合性を示すハイブリドーマを限界希釈法によりクローニ
ングを行ないハイブリドーマD6(IFO50191,FERM BP−2
477)を得た。
実施例2(モノクローナル抗体の製造) クローニングによって得られたハイブリドーマD6細胞
2×106個を、あらかじめ0.5mlのミネラルオイルを腹腔
内に投与しておいたBALB/cマウスの腹腔内に接種するこ
とにより腹水化を行なった。ハイブリドーマを腹腔に投
与して10日後、腹水を採取した。得られた腹水5mlから
フィブリン様物質を10000回転15分間遠心操作により除
去した後、0.8μmのメンブランフィルターを通して得
られた腹水を500mlのセファロースCL−6Bカラムにか
け、0.5MNaCl 5mMEDTA 0.02%NaN3を含有する10mM T
ris.HCl溶液(pH7.4)で0.5ml/分の流出速度で溶離を行
ない精製IgMモノクローナル抗体D6を得た。
このようにして得られたモノクローナル抗体D6は、次
の性状を有する。
(1)ヒト胃腺癌細胞に対して反応性を有する。
(2)ヒト肝癌患者血清に反応性を有する。これらの血
清中にはα−フェトプロテインが検出できないものも存
在し、α−フェトプロテインとの相関性は認められな
い。
(3)ヒト胃癌,大腸癌患者血清には反応せず、わずか
に肺癌患者血清に反応する。
(4)上記以外では、肝硬変,慢性肝炎患者血清と一部
反応性を示す。
(5)抗体のクラスはIgMである。
実施例3(肝癌の診断) モノクローナル抗体D6の肝癌患者血清に対する反応性
を以下のように行なった。実施例2記載の方法で得たモ
トクローナル抗体を25μg/mlの濃度になるよう50mM炭酸
緩衝液pH9.6に浮遊させ、96ウエルマイクロプレートに1
00μずつ分注し、4℃で一晩放置した。PBSで洗浄
後、1%BSA,0.1%アジ化ナトリウム含有PBSを200μ
加え4℃で一晩放置した。
以上のように調製したプレートに種々の癌患者,肝疾
患患者等の血清を100μ加え、37℃で3時間反応させ
た。反応後、各ウエルを0.05%Tween20,PBSで洗浄し、
ビオチン化したD6抗体100μ加え、37℃で3時間反応
させた後、PBSで洗浄し、ストレプトアビジンHRPを加え
て室温で30分間反応させた。反応終了後、0.05%Tween2
0,PBSでよく洗浄し、実施例1記載と同様の方法で酵素
反応を行ない抗体の活性を判定した。結果を第1図に示
す。第1図に示すように、D6抗体は肝癌患者血清(第1
図の(4)に示す。)57検体中30検体,肝硬変患者血清
(第1図の(5)に示す。)29検体中13検体,慢性肝炎
患者血清(第1図の(6)に示す。)15検体中6検体,
肺癌患者血清(第1図の(3)に示す。)18検体中2検
体等に反応性を示し、胃癌患者血清(第1図の(1)に
示す。),大腸癌患者血清(第1図の(2)に示
す。),正常人血清(第1図の(8)に示す。)には反
応性を示さなかった。なお、第1図の(7)は、癌患者
以外の患者血清の結果を示す。
次にD6抗体がα−フェトプロテイン(AFP)と相関す
るかどうかを肝癌患者血清について検索したが、相関係
数γ=−0.11で両者に相関がないことが判った(第2図
参照)。
以上の結果から、D6抗体を用いることにより、AFPを
マーカーとして検出されない肝癌の診断に極めて有効に
使用することができ、またAFPとの併用により、かなり
の高い確率で肝癌の診断が可能であることが判明した。
発明の効果 本発明によって製造されるMoAbは肝癌患者血清と高率
に反応するので、肝癌の診断薬などとして有利に使用で
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例2で得られた、各種癌患者血清と抗体
との反応性を示す。 第2図は、実施例2で得られた、肝癌患者血清と抗体と
の反応性を示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−167699(JP,A) 特開 昭61−249999(JP,A) 特開 昭61−250000(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12P 21/08 C07K 16/30 C12N 5/00 BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ヒト胃腺癌細胞およびヒト肝癌患者血清に
    反応し、下記の性状を有するモノクローナル抗体: ヒト胃癌患者血清に反応しない。 ヒト大腸癌患者血清に反応しない。
  2. 【請求項2】抗体のクラスがIgMである請求項1記載の
    モノクローナル抗体。
  3. 【請求項3】FERM BP−2477で表示されるマウスハイブ
    リドーマD6が産生する請求項1記載のモノクローナル抗
    体。
  4. 【請求項4】請求項1記載のモノクローナル抗体を産生
    するハイブリドーマ。
  5. 【請求項5】FERM BP−2477で表示されるマウスハイブ
    リドーマD6である請求項4記載のハイブリドーマ。
  6. 【請求項6】クローン化された請求項4記載のハイブリ
    ドーマを培養し、請求項1記載のモノクローナル抗体を
    生成,蓄積せしめ、これを採取することを特徴とする該
    モノクローナル抗体の製造法。
  7. 【請求項7】請求項1記載のモノクローナル抗体と患者
    から採取した試料とを反応させることを特徴とする免疫
    化学的に該試料中に存在する該モノクローナル抗体と反
    応する物質を検出・測定する方法。
  8. 【請求項8】試料が体液である請求項7記載の方法。
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