JP2945905B1 - 型枠構造および型枠固定金物 - Google Patents

型枠構造および型枠固定金物

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JP2945905B1 JP21419998A JP21419998A JP2945905B1 JP 2945905 B1 JP2945905 B1 JP 2945905B1 JP 21419998 A JP21419998 A JP 21419998A JP 21419998 A JP21419998 A JP 21419998A JP 2945905 B1 JP2945905 B1 JP 2945905B1
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Abstract

【要約】 【課題】鉄筋コンクリート造建物の壁の開口部に正確か
つ容易に建込むことができ、脱型も容易で、枠材の反復
利用も可能な型枠構造を提供する。 【解決手段】開口部Wの内面に沿って矩形に建て込まれ
る枠材1の開口部W四隅近傍における内面に、それぞれ
枠材1の見込み幅全体にわたって壁厚方向に係止爪嵌合
溝14を形成し、該係止爪嵌合溝14にそれぞれ嵌合さ
れる一対の係止爪42と、それぞれに複数個のネジ孔が
形成されて互いに直交する2枚の連結板41とを備えた
型枠固定金物4を、係止爪嵌合溝14に係止爪42を嵌
合させて開口部W四隅の隅角部内側に取り付け、各連結
板41を各枠材1の内面にそれぞれ木ネジ止めして枠材
1を建て込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄筋コンクリート
造建物の壁の開口部に建て込まれる型枠構造と、その型
枠構造に使用される型枠固定金物に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄筋コンクリート造による建物の壁に
は、通常、窓などの開口部が設けられ、そこにアルミニ
ウムサッシュ等の建具枠が取り付けられる。そのため、
コンクリート打設用に建て込まれる壁の型枠には、開口
部の成型用鋳型となる枠材が取り付けられるが、この
際、一般には次のような工法が採られている。
【0003】第一は、いわゆる建具枠後付け工法と呼ば
れるもので、壁の型枠に開口部用の枠材を取り付けると
ともに、建具枠固定用のアンカーを開口部の内面から突
出するように枠材に埋設しておき、コンクリート打設後
に型枠および開口部用の枠材を脱型してアンカーに建具
枠を溶接する、というものである。
【0004】第二は、いわゆる建具枠先付け工法と呼ば
れるもので、建具枠を開口部用の枠材の一部として壁の
型枠の建て込みと同時に組み付けておき、そこにコンク
リートを打設して建具枠をコンクリートに一体的に定着
させる、というものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、建具枠
後付け工法においては、壁の型枠を建て込む際、開口部
用の枠材を壁の型枠に正確に固定した上で、その枠材に
アンカーを挿通させておかなければならず、アンカーの
取り付けに面倒な作業が必要であった。また、開口部用
の枠材は、通常、木材を用いて釘止めにより固定される
ため、コンクリート打設後の脱型時に釘を抜く作業が必
要となるだけでなく、コンクリートの圧力により開口面
内方向に押圧された四周の枠材を取り外すのに枠材を破
砕せざるをえない場合も多く、手間がかかると同時に建
材の浪費も生じていた。
【0006】一方、建具枠先付け工法においては、通
常、アルミ合金等の金属からなる重い建具枠を、壁が未
構築の段階で型枠内に正確に定置・保持しなければなら
ず、その作業が面倒であった。また、型枠工事の最中
に、建具業者や、建具枠を配筋等に接続するための溶接
工事業者などが現場に入らなければならず、工程上のロ
スを生じて工事の長期化を招くおそれも合った。さら
に、型枠工事やコンクリート打設工事の作業中に金属製
の建具枠を汚損したり錆びさせたりするおそれもあっ
た。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
ので、建具枠後付け工法に適し、建て込みおよび脱型が
容易で、枠材の反復利用も可能な型枠構造を提供するこ
とを目的としている。また、その型枠構造に使用される
型枠固定金物を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載の型枠構造は、鉄筋コンク
リート造建物の壁に設けられる矩形の開口部の予定位置
に枠材を建て込み、この枠材をコンクリート成型用の鋳
型として開口部の内面を成型する型枠構造において、前
記枠材は、開口部の下端面を成型する下枠材と、下枠材
の両端部上にそれぞれ立設されて開口部の縦の内面を成
型する一対の竪枠材と、竪枠材の上端部間に架設されて
開口部の上端面を成型する上枠材とから構成され、前記
各枠材の開口部四隅近傍における内面には、それぞれ枠
材の見込み幅全体にわたって壁厚方向に係止爪嵌合溝が
形成され、該係止爪嵌合溝にそれぞれ嵌合される一対の
係止爪と、それぞれに複数個のネジ孔が形成されて互い
に直交する2枚の連結板とを備えた型枠固定金物が、前
記係止爪嵌合溝に前記係止爪を嵌合させて開口部四隅の
隅角部内側に取り付けられ、各連結板が各枠材の内面に
それぞれ木ネジ止めされることにより枠材が互いに連結
されたことを特徴としている。
【0009】すなわち、開口部四隅の隅角部で直交する
枠材が、隅角部内側に取り付けられた型枠固定金物によ
り保持・連結されることにより、枠材の直交性や建て込
み精度が向上する。また、型枠固定金物は、枠材の隅角
部の一方には垂直方向に、他方には水平方向に、その2
枚の係止爪を枠材の係止爪嵌合溝に嵌合させて固定され
るため、枠材に確実に係合されて容易には脱落しない。
係止爪嵌合溝は、枠材の内面の見込み幅全体にわたって
壁厚方向に形成されているため、型枠固定金物を係止爪
嵌合溝に沿って屋内側または屋外側にスライドさせるこ
とにより、簡単に型枠固定金物を着脱することができ
る。
【0010】さらに、型枠固定金物は、その連結板を枠
材の内面に木ネジ止めして固定されるため、釘打ちで固
定される場合に比べて枠材の傷みが少なく、枠材の再利
用も図られやすくなる。
【0011】また、本発明の請求項2に記載の型枠構造
は、前記下枠材が、下方から順に、合板からなる下枠底
板と、破砕の容易な発泡プラスチックからなる下枠中間
材と、木材からなる下枠内材とが積層されて形成された
ことを特徴としている。
【0012】すなわち、下枠材を三層構造とし、下枠中
間材に破砕の容易な発泡プラスチックを用いることによ
り、脱型時に、まずこの下枠中間材を突き壊して除去す
るだけで、手早く枠材を解体することができる。なお、
発泡プラスチックとは、発泡スチロール(ポリスチレン
フォーム)、ポリウレタンフォーム、ポリプロピレンフ
ォーム、フェノール樹脂フォーム、ユリア樹脂フォーム
など、低密度で半硬質ないし硬質の各種発泡体を含む
が、経済性や取り扱いの容易性の面では発泡スチロール
が最適である。
【0013】さらに、本発明の請求項3に記載の型枠構
造は、前記下枠材の両端に、下枠材の厚さおよび見込み
幅に合わせてカットされた合板からなるスペーサーがあ
てがわれ、竪枠材が、その外面を該スペーサーの外面に
揃えて前記下枠材の両端部上に立設されたことを特徴と
している。
【0014】そのため、コンクリートの圧力等により竪
枠材にかかる垂直荷重が、その一部をスペーサーによっ
て支持されるので、前記のようにして下枠材を先に脱型
する場合でもその取り外しが容易になり、下枠材を脱型
時に傷めることも少なくなる。
【0015】さらに、本発明の請求項4に記載の型枠構
造は、前記竪枠材は、壁厚と同じ見込み幅を有して開口
部の内側に配置される竪枠内材と、この竪枠内材よりも
小さい見込み幅を有して開口部の外側に配置される竪枠
外材とが、屋内側の木端面を揃えて貼合されたことを特
徴としている。
【0016】また、本発明の請求項5に記載の型枠構造
は、前記上枠材は、壁厚と同じ見込み幅を有して開口部
の内側に配置される上枠内材と、この上枠内材よりも小
さい見込み幅を有して開口部の外側に配置される上枠外
材とが、屋内側の木端面を揃えて貼合されたことを特徴
としている。
【0017】すなわち、竪枠材、上枠材のいずれかまた
は双方を見込み幅の異なる2材の貼合体とすることによ
り、枠材の外面に段差が形成され、開口部の屋内側が屋
外側よりもひと回り大きく成型される。そして、この開
口部の屋内側の内面に沿って建具枠を取り付ると、建具
枠は、その屋外側の見付け面を段差に当接させて固定さ
れるので、台風などの際に外気による負圧を受けて建具
枠が屋外側に引っ張られるような場合でも、建具枠が躯
体から外れたり破損したりせず、安定した固定状態が維
持されることとなる。
【0018】また、本発明の請求項6に記載の型枠固定
金物は、断面L字の山形に直交し、それぞれに複数個の
ネジ孔が形成された2枚の矩形の連結板と、これら各連
結板の山側に、該山形の稜線と平行に、かつ各連結板に
それぞれ直交して延設または突設された2枚の係止爪と
を備えることを特徴としている。
【0019】そのため、直交する2枚の連結板が開口部
四隅の隅角部内側にそれぞれ密接して、2つの枠材を開
口部四隅で互いに直角に保持する。そして、各連結板の
山側にそれぞれ形成された係止爪が、2つの枠材の内面
にそれぞれ形成された係止爪嵌合溝にそれぞれ嵌合され
て、2つの枠材の一方には垂直方向に、他方には水平方
向に係止されるので、枠材をずれないように確実に保持
することができる。このように単純な構造でありなが
ら、一旦隅角部に取り付けられてしまえば容易には脱落
せず、また、枠材の脱型時における取り外しも簡単であ
る。
【0020】この型枠固定金物は、鋼板等の丈夫な金属
板からなる1枚の板体を、その中央で直角に折曲して2
枚の連結板を形成し、さらにそれら両連結板の端部をそ
れぞれ前記折曲方向の反対側に直角に折り返して両端に
係止爪を形成することにより、簡単かつ廉価に製作する
ことができる。ただし、各連結板および各係止爪を構成
する板片をそれぞれ別々に切り出し、それらを溶接等に
より接合して製作してもよい。また、両連結板の折曲部
または接合部の内側に、直交性を補強するためのリブ等
を付設してもよい。また、係止爪は、連結板の端部より
も多少中央側に寄った位置に突設させて設けてもよい。
【0021】なお、本明細書においては、開口部まわり
の各部の構造や部材の説明に際し、開口部の開口面内の
中心側を「内側」、開口面内の外縁方向を「外側」と定
め、壁を境にして壁厚方向の両側に規定される「屋内側
・屋外側」とは区別するものとする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照しつつ説明する。
【0023】図1は、本発明の型枠構造の全体構成を示
している。鉄筋コンクリート造による建物の壁に矩形の
開口部Wを開設する場合、この開口部Wには、その上下
左右の内面に沿って所定形状の枠材1が建て込まれ、こ
の枠材1が、壁の屋内側および屋外側にそれぞれ建て込
まれる壁面用堰板B1,B2(図2〜図4参照)ととも
に支持固定されて、コンクリートCの成型用鋳型とな
る。この枠材1は、開口部Wの下端面を成型する下枠材
11、開口部Wの左右両側の縦の端面を成型する竪枠材
12、および開口部Wの上端面を成型する上枠材13か
ら構成される。
【0024】下枠材11は、下から順に水平に積層され
た下枠底板11a、下枠中間材11bおよび下枠内材1
1cからなり、これらは全て壁厚(コンクリートC部分
のみの厚さ、以下同じ)と同じ見込み幅に形成されてい
る。そして、下枠材11は、図4に示すように木端(こ
ば)面を揃えて重ねられ、屋内側および屋外側の壁面を
成型する壁面用堰板B1,B2の間に建て込まれる。下
枠底板11aはベニヤ合板により形成され、下枠中間材
11bは発泡スチロールにより形成されている。
【0025】竪枠材12は、開口部Wの外側に配置され
る竪枠外材12aと、開口部Wの内側に配置される竪枠
内材12bとからなり、竪枠内材12bは壁厚と同じ見
込み幅に、竪枠外材12aは壁厚の略半分程度の見込み
幅に形成されている。竪枠外材12aの見込み幅は、後
で取り付けられる建具枠の見込み幅よりもやや大きい寸
法に設定されている。竪枠外材12aと竪枠内材12b
とは、一方の木端面を揃えて重ねられ、釘止めまたは接
着により貼合されている。そして、竪枠材12は、図3
に示すように、揃えられた木端面を屋内側の壁面用堰板
B1に当接させた状態で、両壁面用堰板B1,B2の間
に建て込まれる。左右両側の竪枠材12,12は、互い
に左右対称に配置されて対向する。
【0026】上枠材13も、竪枠材12と同様に、開口
部Wの外側に配置される上枠外材13aと、開口部Wの
内側に配置される上枠内材13bとからなり、上枠内材
13bは壁厚と同じ見込み幅に、上枠外材13aは前記
竪枠外材12aと同じ見込み幅に形成されている。これ
らも、一方の木端面を揃えて重ねられ、釘止めまたは接
着により貼合されている。そして、上枠材13も、図2
に示すように、揃えられた木端面を屋内側の壁面用堰板
B1に当接させた状態で、両壁面用堰板B1,B2の間
に建て込まれる。
【0027】これらの枠材1を鋳型として成型される開
口部Wは、その内面のうち下端面は水平面となるが、左
右両側の縦の端面および上端面には、屋外側と屋内側と
の間に段差が形成される。つまり、開口部Wの屋内側
が、屋外側よりも、竪枠外材12aおよび上枠外材13
aの厚さの分だけひと回り大きく成型される。そして、
開口部Wの屋内側の内面に沿って、後述のように建具枠
が取り付けられることとなる。
【0028】前記枠材1は、下枠材11の下枠底板11
aおよび下枠中間材11bを除き、すべて木材により形
成されている。ただし、竪枠材12および上枠材13
は、それぞれ内外2材の貼合体とせず、1本の木材に段
差部分を切り欠いて内外一体に製材することもできる。
また、枠材1のコンクリートCに直接接する面には、コ
ンクリートCの付着を防いで脱型を容易にするための剥
離剤が塗布処理されている。
【0029】この枠材1は、以下のような支持構造によ
り支持されて建て込まれる。土間または当該階の下層階
に打設されたコンクリートCの打ち継ぎ面Pの上に、下
枠材11支持用のサポート2Aが複数本立設され、それ
らの上に下枠材11が取り付けられる。サポート2A
は、金属製または樹脂製で、ターンバックル21により
長さを調節しうる支軸22と、その上下両端にそれぞれ
設けられた受け板23,23とからなり、下枠材11
を、開口部Wの開設予定位置に応じた所定の高さに支持
しうるようになされている。サポート2Aの下端の受け
板23は、土間または前記打ち継ぎ面Pに釘止めまたは
木ネジ止めされる。また、上端の受け板23には、下枠
材11の下枠底板11aが載置され、上方からの木ネジ
止めにより固定される。
【0030】下枠底板11aの上には、下枠中間材11
bおよび下枠内材11cが、木端面および木口面を揃え
て重合される。下枠材11の両端には、下枠材11の厚
さおよび見込み幅に合わせてカットされた合板からなる
スペーサー3が、ちょうど下枠材11の木口面全体を被
うようにあてがわれる。
【0031】竪枠材12は、下枠材11の両端部上に、
その外面を前記スペーサー3の外面に揃えて立設され
る。下枠材11と竪枠材12との接合部に形成される隅
角部内側には、下枠材11と竪枠材12との両方にわた
って型枠固定金物4が取り付けられ、これにより下枠材
11と竪枠材12とが連結される。
【0032】型枠固定金物4は、図5に示すように、鋼
板等からなる金属製板体をその略中央でL字形に折曲し
て直交する2枚の連結板41,41を形成し、これら連
結板41,41にそれぞれ複数個のネジ孔43,43…
を設けるとともに、両連結板41,41の両端部をそれ
ぞれ前記折曲方向の反対側に直角に折り返して両端に係
止爪42,42を形成したものである。係止爪42の長
さは、下枠内材11c、竪枠内材12bおよび上枠内材
13bの厚さよりも小さくなされている。
【0033】下枠材11の下枠内材11cおよび竪枠材
12の竪枠内材12bの内面には、前記隅角部から連結
板41の長さだけ離れた位置に、それぞれ係止爪嵌合溝
14,14が形成されている。この係止爪嵌合溝14,
14は、下枠内材11cおよび竪枠内材12bのそれぞ
れ見込み幅全体にわたって壁厚方向に形成され、その溝
幅および溝の深さは型枠固定金物4の係止爪42がちょ
うど嵌合される大きさとなされている。
【0034】下枠材11と竪枠材12との接合部に型枠
固定金物4を取り付けるには、竪枠材12を下枠材11
の端部に立設してから、型枠固定金物4の両係止爪4
2,42を下枠内材11cおよび竪枠内材12bの両係
止爪嵌合溝14,14に合わせ、開口部Wの屋内側また
は屋外側から壁厚方向に沿ってスライドさせるように押
し込むか、あるいは、竪枠内材12bの係止爪嵌合溝1
4に型枠固定金物4の一方の係止爪42を予め嵌合させ
ておき、そのまま竪枠材12と型枠固定金物4とを一緒
に上方から下枠材11の端部にあてがって、他方の係止
爪42を下枠内材11cの係止爪嵌合溝14に嵌合させ
る。
【0035】型枠固定金物4は、開口部Wの内側から下
枠内材11cおよび竪枠内材12bに対して両連結板4
1,41をそれぞれ木ネジ止めすることにより隅角部に
固定される。この木ネジ44には、脚部の長さが下枠内
材11cおよび竪枠内材12bの厚さよりも短いものが
用いられる。ここで、釘ではなく木ネジ44を使用する
ことにより、枠材1の建て込み時および脱型時における
枠材1の傷みが最小限に抑えられることとなる。
【0036】さらに、下枠材11と竪枠材12との接合
部の外側には防水シート5が貼設される。この防水シー
ト5は、開口部Wの隅角部外側に沿うように、下枠底板
11aの下面からスペーサー3および竪枠外材12aの
外面にわたって貼設され、接合部の各部材間にコンクリ
ートCや水分が浸入するのを防止する。この防水シート
5は、薄いテープ状のものでもよい。
【0037】開口部Wの左右両側に立設された竪枠材1
2,12の上端部間には、図1に示すように、上枠材1
3が架設される。竪枠材12と上枠材13との接合部に
形成される隅角部にも、前記した下枠材11と竪枠材1
2との接合部と同様にして型枠固定金物4が取り付けら
れ、竪枠内材12bおよび上枠内材13bに対して木ネ
ジ止めされる。そのため、竪枠材12の竪枠内材12b
および上枠材13の上枠内材13bの内面にも、隅角部
から連結板41の長さだけ離れた位置に、それぞれ係止
爪嵌合溝14,14が形成されている。ただし、上枠材
13は、両端の木口面を竪枠内材12bの内面に密接さ
せないように、若干の隙間15,15を設けて架設され
る。また、竪枠材12と上枠材13との接合部の外側に
も、竪枠外材12aの外面から上枠外材13aの上面に
わたって防水シート5が貼設される。
【0038】矩形に枠組みされたこの枠材1は、開口部
Wの開口面内に垂直および水平方向に複数本配設された
サポート2Bにより支持され、枠材1の位置や対向間隔
などが狂わないように固定される。これらのサポート2
Bは、前記した下枠材11を支持するサポート2Aと同
様にターンバックル21で支軸22の長さを調節しうる
もので、ジョイント25を介して垂直・水平方向に接合
される。各サポート2Bの上下または左右両端には受け
板23,23…が設けられ、これら各受け板23が枠材
1の内面に木ネジ止めされる。
【0039】こうして開口部Wの型枠構造が完成し、屋
内側および屋外側の壁面用堰板B1,B2の間にコンク
リートCが打設され、前記枠材1を鋳型とする開口部W
が壁に成型される。壁面用堰板B1,B2および枠材1
は、コンクリートCの硬化を待って脱型されるが、その
脱型作業は以下のような手順により行われる。
【0040】まず、壁面用堰板B1,B2を脱型し、開
口部Wの開口面内に配設されたサポート2Bの各受け板
23を枠材1に固定している木ネジを抜いて、サポート
2Bを取り外す。
【0041】次いで、開口部Wの四隅の型枠固定金物4
を枠材1に固定している木ネジ44を抜く。
【0042】次いで、上部二隅の型枠固定金物4を屋内
側または屋外側にスライドさせて抜き出し、上枠材13
を下方に脱型する。前記したように、上枠材13を建込
む際に、上枠材13の両端の木口面と竪枠内材12bの
内面との間にわずかに隙間15を設けておくことで、上
枠材13の脱型も無理なく行うことができる。
【0043】次いで、下部二隅の型枠固定金物4を屋内
側または屋外側にスライドさせて抜き出し、竪枠材1
2,12を開口部Wの内方に脱型する。
【0044】次いで、下枠材11の下枠内材11cおよ
び下枠中間材11bを上方に脱型する。さらに、下枠底
板11aをサポート2Aの受け板23に固定している木
ネジを抜いて、下枠底板11aを脱型し、併せてスペー
サー3も除去する。
【0045】なお、以上の手順において、型枠固定金物
4を屋内側または屋外側にスライドさせて抜き出すのが
困難な場合、あるいは、打設されたコンクリートCの圧
力により竪枠材12が垂直荷重を受けて脱型が困難な場
合などには、以下のようにして脱型することもできる。
【0046】すなわち、開口面内のサポート2Bを取り
外し、四隅の型枠固定金物4を枠材1に固定している木
ネジ44を抜いておいてから、下枠中間材11bを棒状
物で突き壊すなどして除去してしまう。下枠中間材11
bは発泡スチロール製なので、その破砕も容易である。
すると、下枠内材11cが自由になるので、これを下に
落として型枠固定金物4の係止爪42との係合を解き、
屋内側または屋外側に脱型する。併せて、下枠底板11
aも脱型することができる。
【0047】このとき、下枠材11の両端の木口面には
スペーサー3があてがわれているため、下枠材11が脱
型されても竪枠材12はスペーサー3上に支持されてい
る。このままで下部二隅の型枠固定金物4を取り除いて
から、スペーサー3を倒すか壊すかして除去すると、竪
枠材12が自由になる。そこで、この竪枠材12を下に
落としながら脱型する。上部二隅の型枠固定金物4は、
竪枠材12と一緒に上枠材13の係止爪嵌合溝14から
抜け落ちる。すると同時に上枠材13も自由になるの
で、これも脱型する。
【0048】こうして全ての枠材1を脱型し、最後に、
四隅の防水シート5も除去する。ただし、下枠材11を
支持していたサポート2Aは開口部Wの下側の腰壁内に
埋め殺しとなる。これで脱型作業が完了する。
【0049】その後、図6ないし図8に示すようにし
て、開口部Wの内面にサッシュ枠等の建具枠が取り付け
られる。サッシュ枠の四辺を構成するサッシュ下枠S
1、サッシュ竪枠S2およびサッシュ上枠S3のうち、
サッシュ竪枠S2とサッシュ上枠S3とは、それぞれ図
7および図6に示すように、屋外側よりもひと回り大き
く成型された屋内側の開口部Wの内面に沿って、下地と
なるサッシュ添え木Tを介してあてがわれ、開口部Wの
内側からコンクリート用のステンレス釘Nを打込んで固
定される。このサッシュ添え木Tは、開口部Wの内面に
形成されるコンクリートCの微小な凹凸になじんで、サ
ッシュ枠をがたつきなく固定するために使用される。ま
た、サッシュ下枠S1は、図8に示すように、位置決め
用の支持部品(図示略)等を介して開口部Wの下面に定
置され、サッシュ下枠S1と開口部W下面との間にモル
タルMを充填して固定される。
【0050】本発明の型枠構造は、以上に述べたように
して実施されるため、以下のような特長を有する。
【0051】第一に、建具枠後付け工法を採用している
ため、型枠の建て込み作業の最中に建具業者や溶接工事
業者などが現場に入る必要がなく、工程が効率化され
る。また、型枠の建て込み作業やコンクリート打設作業
中に建具枠を汚損したり錆びさせたりする心配も排除さ
れる。
【0052】第二に、サッシュ枠等の建具枠は開口部W
の内面にステンレス釘Nで固定されるため、開口部Wの
内面の枠材1に予め建具枠取り付け用のアンカーなどを
埋設しておく必要がなく、枠材1の建て込みが簡単にな
る。また、前記実施形態のように、開口部Wの左右両側
の縦の端面および上端面に段差を形成して開口部Wの屋
内側を屋外側よりもひと回り大きく成型し、屋内側の内
面に沿って建具枠を取り付けることにより、建具枠の屋
外側の見付け面が段差に当接するため、台風などの際に
建具枠が外気による負圧を受けて屋外側に引っ張られて
も、躯体から外れたり破損したりすることが防止され
る。
【0053】第三に、開口部Wの隅角部において直交す
る枠材1が、その隅角部に取り付けられた型枠固定金物
4により連結・保持されるため、枠材1の直交性が良く
なり、施工性および建て込み精度が向上する。また、型
枠固定金物4が、枠材1の隅角部の一方には垂直方向
に、他方には水平方向に、係止爪42,42を枠材1の
係止爪嵌合溝14,14に嵌合させて係止されるため、
枠材1が確実に固定されるとともに、型枠固定金物4も
容易には脱落しない。
【0054】第四に、型枠固定金物4は木ネジ44によ
って枠材1に固定されるため、脱型時の取り外しが簡単
であるとともに、枠材1を傷めず、枠材1の再利用を図
りやすくなる。したがって、開口部Wの寸法と壁厚を標
準化することにより、枠材1および建具枠の寸法・形状
をシステム化し、資材コストや製造コストの低減を図る
ことが可能になる。
【0055】第五に、係止爪嵌合溝14が、枠材1の内
面の見込み幅全体にわたって形成されているため、型枠
固定金物4を屋内側または屋外側にスライドさせること
により、いつでも枠材1との係合状態を解除し、枠材1
を解体することができる。上枠材13の両端の木口面と
竪枠内材12bの内面との間にわずかに隙間15を設け
ておけば、上枠材13の脱型も無理なく行うことができ
る。また、型枠固定金物4を屋内側または屋外側にスラ
イドさせて抜き出すのが困難な場合、あるいは、打設さ
れたコンクリートCの圧力により竪枠材12が垂直荷重
を受けて脱型困難な場合などには、発泡スチロール等の
発泡プラスチックからなる下枠中間材11bを突き壊し
て除去することで下枠内材11cが自由になり、下枠材
11、竪枠材12、上枠材13を順次手早く脱型するこ
ともできる。
【0056】
【発明の効果】本発明の型枠構造によれば、開口部の内
面の成型用鋳型となる枠材を、正確かつ容易に建込むこ
とができ、またその脱型も簡単になる。また、本発明の
型枠構造は、建具枠後付け工法を前提としているため、
型枠建て込み時における工程のロスや建具枠の汚損のお
それもない。
【0057】さらに、本発明の型枠固定金物を使用する
ことにより、枠材の隅角部が確実に保持され、型枠の建
て込み時および脱型時の作業性も向上する。また、脱型
時における枠材の傷みが少なくなって枠材の再利用も図
られやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の型枠構造の全体構成を示す開口部付近
の正面図である。
【図2】前記型枠構造の、開口部の上端面付近における
壁厚方向縦断面図である。
【図3】前記型枠構造の、開口部の縦の内面付近におけ
る壁厚方向横断面図である。
【図4】前記型枠構造の、開口部の下端面付近における
壁厚方向縦断面図である。
【図5】本発明の型枠固定金物の構成と使用状態を示
す、開口部の下側隅角部付近の部分斜視図である。
【図6】開口部への建具枠の取り付け状態を示す、開口
部の上端面付近における壁厚方向縦断面図である。
【図7】開口部への建具枠の取り付け状態を示す、開口
部の縦の内面付近における壁厚方向横断面図である。
【図8】開口部への建具枠の取り付け状態を示す、開口
部の下端面付近における壁厚方向縦断面図である。
【符号の説明】
W 開口部 C コンクリート 1 枠材 11 下枠材 11a 下枠底板 11b 下枠中間材 11c 下枠内材 12 竪枠材 12a 竪枠外材 12b 竪枠内材 13 上枠材 13a 上枠外材 13b 上枠内材 14 係止爪嵌合溝 3 スペーサー 4 型枠固定金物 41 連結板 42 係止爪 43 ネジ孔

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄筋コンクリート造建物の壁に設けられ
    る矩形の開口部の予定位置に枠材を建て込み、この枠材
    をコンクリート成型用の鋳型として開口部の内面を成型
    する型枠構造において、 前記枠材は、開口部の下端面を成型する下枠材と、下枠
    材の両端部上にそれぞれ立設されて開口部の縦の内面を
    成型する一対の竪枠材と、竪枠材の上端部間に架設され
    て開口部の上端面を成型する上枠材とから構成され、 前記各枠材の開口部四隅近傍における内面には、それぞ
    れ枠材の見込み幅全体にわたって壁厚方向に係止爪嵌合
    溝が形成され、 該係止爪嵌合溝にそれぞれ嵌合される一対の係止爪と、
    それぞれに複数個のネジ孔が形成されて互いに直交する
    2枚の連結板とを備えた型枠固定金物が、前記係止爪嵌
    合溝に前記係止爪を嵌合させて開口部四隅の隅角部内側
    に取り付けられ、各連結板が各枠材の内面にそれぞれ木
    ネジ止めされることにより枠材が互いに連結されたこと
    を特徴とする型枠構造。
  2. 【請求項2】 前記下枠材は、下方から順に、合板から
    なる下枠底板と、破砕の容易な発泡プラスチックからな
    る下枠中間材と、木材からなる下枠内材とが積層されて
    形成されたことを特徴とする請求項1に記載の型枠構
    造。
  3. 【請求項3】 前記下枠材の両端に、下枠材の厚さおよ
    び見込み幅に合わせてカットされた合板からなるスペー
    サーがあてがわれ、竪枠材が、その外面を該スペーサー
    の外面に揃えて前記下枠材の両端部上に立設されたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の型枠構
    造。
  4. 【請求項4】 前記竪枠材は、壁厚と同じ見込み幅を有
    して開口部の内側に配置される竪枠内材と、この竪枠内
    材よりも小さい見込み幅を有して開口部の外側に配置さ
    れる竪枠外材とが、屋内側の木端面を揃えて貼合された
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載の型枠構造。
  5. 【請求項5】 前記上枠材は、壁厚と同じ見込み幅を有
    して開口部の内側に配置される上枠内材と、この上枠内
    材よりも小さい見込み幅を有して開口部の外側に配置さ
    れる上枠外材とが、屋内側の木端面を揃えて貼合された
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに
    記載の型枠構造。
  6. 【請求項6】 断面L字の山形に直交し、それぞれに複
    数個のネジ孔が形成された2枚の矩形の連結板と、これ
    ら各連結板の山側に、該山形の稜線と平行に、かつ各連
    結板にそれぞれ直交して延設または突設された2枚の係
    止爪とを備えることを特徴とする型枠固定金物。
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