JP2945477B2 - 像記録材料 - Google Patents

像記録材料

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JP2945477B2 JP6505387A JP50538794A JP2945477B2 JP 2945477 B2 JP2945477 B2 JP 2945477B2 JP 6505387 A JP6505387 A JP 6505387A JP 50538794 A JP50538794 A JP 50538794A JP 2945477 B2 JP2945477 B2 JP 2945477B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 1.技術分野 本発明は像形成材料、特に銀イオン及び/または可溶
性銀錯体の存在下に開裂反応し、二またはそれ以上の着
色提供部(color−providing moieties)を遊離する着
色提供化合物(color−providing material)に係わ
る。
2.関連技術の記載 米国特許第3,719,489号明細書には写真システムにお
いて有用な銀イオンを助剤とする開裂反応が開示されて
いる。そこで開示されているように、写真術において不
活性な化合物は、銀イオン類の像様分布に相当する像様
分布における、写真術において活性な試剤または染料の
様な試剤を遊離する銀ハライド乳剤の処理の間に像様に
得られる銀イオン類の存在下において開裂を受けること
ができる。そこで開示されている一の態様において、着
色像は、写真術において不活性な化合物類として、写真
処理組成物において実質的に非拡散性であるが、未現像
及び部分的に現像された銀ハライド乳剤の領域におい
て、銀イオン類及び錯体の像様分布に相当する像様分布
におけるより動き易く拡散性の着色提供部を遊離する現
像の機能として得られる銀イオン類及び/または可溶性
銀錯体の像様分布の存在下、開裂を受けることができる
着色提供化合物(color providing compounds)を用い
ることにより生じる。その結果起きる着色像の形成は、
親化合物と遊離した着色提供部との間の拡散率の差異の
結果であり、そのために未現像及び部分的に現像された
領域に放出されたより拡散性の大きい着色提供部の像様
分布は自由に移動する。
上記の方法において有用な着色提供化合物は、米国特
許第4,098,783号明細書の主題、上記米国特許第3,719,4
89号明細書の延長を形成する。そこで開示されている着
色提供化合物は一またはそれ以上の染料基、及び一また
はそれ以上の1,3−硫黄−窒素部(1,3−sulfur−nitrog
en moieties)を含有しても良い。例えば、それらは一
の完成した染料または染料の中間体、及び一の環状1,3
−硫黄−窒素部を含有しても良い。もしくは、着色提供
化合物は二またはそれ以上の環状部を各染料基または染
料中間体及びその逆のために含有していても良い。そこ
で開示されている特に有用な染料提供化合物は、1〜4
好ましくは1または2の環状1,3−硫黄−窒素基を含有
する染料から成り、それは式 D−[(L)m-1−Y]n (A) (式中、Dは染料基、即ち少なくとも1個の炭素原子を
有する有機染料基を表し、Lは少なくとも1個の炭素原
子を含有する2価の有機結合基であり、mは1または2
の正の整数であり、nは1〜4の正の整数であり、Yは
環状1,3−硫黄−窒素基である)により表される。
米国特許第4,468,448号明細書には、前述の米国特許
第3,719,489号明細書に記載されているような着色像を
形成する着色された親化合物と遊離した染料との間の拡
散率の差異に依存するのではなく、銀イオンを助剤とし
た開裂を受けて前もって形成された実質的に無色の像染
料前駆体から着色された像染料の像様分布を与える1,3
−硫黄−窒素化合物の能力を利用する、異なる種類の1,
3−硫黄−窒素化合物が開示されている。これは前記の
前駆体を前記の1,3−硫黄−窒素基が開裂を受けるまで
実質的に無色の形態のまま維持する、1,3−硫黄−窒素
基を用いることによって達成される。着色像は直接像染
料を与える1,3−硫黄−窒素基の像様開裂を用いること
により形成されても良く、または1,3−硫黄−窒素基の
像様開列は順に像染料を与えるその後の反応または一連
の反応を活性化するのに使用されても良い。
その現像は加熱により引き起こされる、着色は勿論、
熱現像黒色及び白色感光材料は公知である。それらはシ
ステムの内では着色像を与えるように設計されており、
そこでは拡散性染料が有機銀塩の熱現像の結果として放
出され、像受容層に移され、それにより着色像が得られ
る。
1984年10月13日に公開された日本の特開昭59−180548
には熱現像銀ハライド感光性像システムが開示されてお
り、そこでは染料提供材料は、銀イオン類の存在下拡散
性染料を放出する複素環が開裂を受け易い、窒素原子及
び硫黄またはセレン原子を含有する複素環を含有する。
適当な染料提供材料の例は前記の米国特許第4,098,783
号明細書に開示されているようなチアゾリジン(thiazo
lidine)染料である。その方法には、感光システムの光
への像様露光及び、その後にまたは同時に感光システム
を実質的に水の無い条件で、塩基または塩基前駆体の存
在下の加熱が含まれ、それにより露光された感光性銀ハ
ライドと還元剤との間の酸化−還元反応が起きる。露光
された領域では、ネガの銀像(negative silver imag
e)が形成される。未露光の領域では、銀像に対し反比
例して存在する銀イオンは、染料提供材料の複素環を開
裂して拡散性染料を放出させる。そして拡散性染料は像
受容層へ移動し、それによりポジの染料像(positive d
ye image)が形成される。
前記米国特許第3,719,489号明細書に記載されている
ように、親化合物と遊離した着色提供部との間の拡散率
の差異が、いくつかの条件下で着色像を得るのに有用で
あるときには、少量の親化合物も移動して良い。従っ
て、着色像染料提供部を含む親化合物がそれ自体着色さ
れている着色拡散移動フィルム生成物において、フィル
ムユニットの受容層への少量の親化合物の処理中の非像
様拡散は像の質、特にDmin、即ち像の領域で最も明るい
部分に逆影響を及ぼすことになる。これは熱現像銀ハラ
イド写真システムにおいて、特に深刻な問題であること
がわかった。
開裂していない染料提供材料の拡散を減らす一つの方
法は、追加のバラスト基(ballasting groups)を加え
ること、及び/またはバラスト基のサイズ(size)を増
やすことである。しかしながら、この方法は、同じ量の
放出された染料を得るのにより多くの重さの開裂してい
ない染料提供材料を必要とするので、あまり効果的では
ない。
追加の染料提供基をバラスト基として使用することに
より、開裂していない親化合物がフィルムユニットの受
容層へ拡散することを減らすことができ、同時に着色提
供材料の像形成効果を増加すること、即ち開裂していな
い着色提供材料1分子当たりより多くの染料提供部を放
出することが今日見いだされた。
発明の概要 本発明により、2またはそれ以上の環状1,3−硫黄−
窒素基、及び2またはそれ以上の着色提供部からなる着
色提供化合物が提供される。特に、本発明の着色提供化
合物は2〜4の、同一または異なる一般式 (式中、Yは着色提供部を表し;Lは少なくとも1個の炭
素原子を含有する2価の有機結合基を表し;mは0または
1であり;R1は水素、1価の有機基、またはmが1のと
きLと一緒になって環状1,3−硫黄−窒素基とのスピロ
結合を形成するのに必要な原子類を表し、またはmが0
のときYと一緒になって環状1,3−硫黄−窒素基とのス
ピロ結合を形成するのに必要な原子類を表し;そして、
式Iにより表される各基がN原子を通して、またはZに
より表されるC原子を通して基に接続する多価化学結合
により他の基に接続しているときには;Zは未置換または
置換された5または6員複素環系を形成するのに必要な
炭素原子を表す)によって表される基を含む。
本発明の着色提供化合物は銀ハライドを使用する写真
像システムにおいて有用であり、そこでは、処理方法は
前記米国特許第3,719,489号明細書に開示されているよ
うに像を発生させるために湿式処理、または加熱により
像を発生させる乾式処理のどちらかを使用する。乾式処
理による写真システムは、塩基または塩基前駆体、即ち
前記日本の特開昭59−180548に開示されているように、
処理条件下で塩基を発生する化合物の存在下に処理され
るものでも良いし、または塩基または塩基前駆体が存在
しない条件下に処理されるものでも良い。写真システム
において、本発明の化合物は、銀ハライド乳剤の処理の
間に得られる銀イオン類または銀塩錯体の像様分布の存
在下、銀イオン類の像様分布に相当する像様分布におい
て同一のまたは異なる2またはそれ以上の着色提供部を
放出することができる。着色提供化合物はサーモグラフ
ィー像システムにおいても有用であり、そこでは銀イオ
ン類または可溶性銀錯体の源が入手可能であり、像様に
加熱すると着色提供化合物を開裂する。ある像システム
において特定の着色提供化合物は有用であるかもしれな
いが、他の像システムにおいては適切でないことがあ
る。これは、とりわけ種々の像システムでの着色提供化
合物及び/または放出された着色提供部の溶解性及び/
または拡散性の差異のために違いない。しかしながら、
当業者は官能基を選ぶことによって、特定のシステムに
おいて所望の通りに機能するように着色提供化合物を修
飾することができるであろう。
本発明の化合物は、本発明による着色提供化合物を用
いて像様露光感光要素の熱現像の機能として形成された
銀イオン類及び/または可溶性銀錯体の像様分布によっ
て与えられる像様分布において、拡散性染料を放出する
熱現像写真像システムにおいて特に有用である。この様
な光熱システムにおいて、本発明の着色提供化合物は、
改良されたDmin、即ち前記の米国特許第4,098,783号明
細書に開示されているような1の染料部分及び1または
それ以上の環状1,3−硫黄−窒素基を含む着色提供化合
物を用いる類似のシステムと比較したとき、像のDmin領
域における着色提供化合物の蓄積の減少を提供する。さ
らに、本発明の着色提供化合物はより効果的であり、つ
まり、本発明の化合物は、1の着色提供部及び1または
それ以上の環状1,3−硫黄−窒素基を含有し、そして同
様のバラストポテンシャル(ballasting potential)、
即ち着色提供化合物が1,3−硫黄−窒素基を開裂する前
に移動することを妨げる類似の能力を持つ染料よりも分
子量のユニット当たりより多い着色提供部を提供する。
本発明は上記に記載の着色提供材料を用いる熱現像感
光材料(heat−developable photosensitive material
s)も提供する。
本発明の他の規定は一部分は明かであり、一部分は以
下に示される。
従って本発明は、いくつかの段階と関連し、及びそれ
ぞれに関する1またはそれ以上の段階の手順を含む工
程、及び以下の詳細な開示において例示される特徴、特
性及び要素の関連を有する生成物及び組成物からなり、
本願の範囲は請求の範囲に示されるであろう。
発明の性質と目的とを十分に理解するために、以下の
詳細な記載を参照するべきである。
発明の詳細な説明 本発明の着色提供化合物は、2〜4の、同一または異
なる上記式Iに表される基からなる化合物である。環に
含まれる基 を含有する環状部は、銀イオン類または可溶性銀錯体の
存在下、SとN原子に共通なS原子とC原子との間で、
及びN原子と共通のC原子との間で開裂を受けて着色提
供部を放出する。
ここで使用されている「着色提供部」という語は、完
成された染料または後続の反応で完成された染料を生じ
ることができる染料中間体を意味する。ここで使用され
ている「完成された染料」という語は、染料の発色団系
を含む染料基を意味する。
本発明の着色提供化合物の一の態様は、式II (式中、Y及びY′は同一または異なる着色提供部を表
し;L及びL′は同一または異なる、それぞれ少なくとも
1個の炭素原子を含有する2価の有機結合基を表し;m及
びm′は同一または異なって、0または1であり;XはZ
及びZ′により表されるN原子または炭素原子を通し
て、環状1,3−硫黄−窒素基に結合する多価化学結合を
表し;R1及びR2は同一または異なる、水素、1価の有機
基、またはmもしくはm′が1のときLまたはL′と一
緒になって環状1,3−硫黄−窒素基の一つとのスピロ結
合を形成するのに必要な原子類を表し、またはmもしく
はm′が0のときYまたはY′と一緒になって環状1,3
−硫黄−窒素基の一つとのスピロ結合を形成するのに必
要な原子類を表し;Z及びZ′は同一または異なる、未置
換または置換された5または6員複素環系を形成するの
に必要な原子を表し;そしてxは1〜3の正の整数を表
す)に示されるように表される。
本発明による着色提供部は、完成された染料または後
続の反応、例えば完成された染料を形成する適切なカプ
ラー(coupler)との反応で完成された染料を生じるこ
とができる染料中間体でも良い。カップリング反応は染
料中間体を遊離する環状1,3−硫黄−窒素基の開裂の直
後に起きても良いし、または染料中間体の、例えば像受
容層への拡散の後に起きても良い。
本発明で使用される完成された染料は、今までに当業
者に知られている全ての一般的な種類の染料であり、例
えば、ニトロ(nitro)、チアゾール(thiazole)、シ
アニン(cyanine)、ジ−及びトリフェニルメタン(di
−,triphenylmethane)、アントラピリドン(anthrapyr
idone)、アゾ(azo)、アントラキノン(anthraquinon
e)、フタロシアニン(phthalocyanine)及び金属錯体
アゾ(metal complexed azo)、アゾメチン(azomethin
e)、及びフタロシアニン(phthalocyanine)染料であ
る。使用できる特定の有機染料の基には、米国特許第3,
076,808号明細書、米国特許第3,076,820号明細書、米国
特許第3,134,762号明細書、米国特許第3,134,763号明細
書、米国特許第3,134,764号明細書、米国特許第3,134,7
65号明細書、米国特許第3,135,734号明細書、米国特許
第3,173,906号明細書、米国特許第3,186,982号明細書、
米国特許第3,201,384号明細書、米国特許第3,208,991号
明細書、米国特許第3,209,016号明細書、米国特許第3,2
18,312号明細書、米国特許第3,236,864号明細書、米国
特許第3,236,865号明細書、米国特許第3,246,016号明細
書、米国特許第3,252,969号明細書、米国特許第3,253,0
01号明細書、米国特許第3,255,206号明細書、米国特許
第3,262,924号明細書、米国特許第3,275,617号明細書、
米国特許第3,282,913号明細書、米国特許第3,288,778号
明細書、米国特許第3,299,041号明細書、米国特許第3,3
03,183号明細書、米国特許第3,306,891号明細書、米国
特許第3,337,524号明細書、米国特許第3,337,589号明細
書、米国特許第3,357,969号明細書、米国特許第3,365,4
41号明細書、米国特許第3,424,742号明細書、米国特許
第3,482,972号明細書、米国特許第3,491,127号明細書、
米国特許第3,544,545号明細書、米国特許第3,551,406号
明細書、米国特許第3,597,200号明細書、米国特許第3,7
52,836号明細書、米国特許第4,264,701号明細書、及び
米国特許第4,267,251号明細書に開示される染料顕色剤
の染料部からなる染料基がある。好ましい染料はアゾメ
チン(azomethine)、インドアニリン(indoanilin
e)、インダミン(indamine)、及びインドフェノール
(indophenol)染料、即ちフェニレンジアミンと着色カ
プラー(color coupler)との酸化的カップリングによ
り生成するカプラー染料である。
着色提供部として使用し得る染料中間体は、放出され
たときに他の分子と反応して染料を形成することができ
るいかなる分子をも含む。例えば、染料中間体及び/ま
たは着色形成剤(color−forming reagent)、例えば放
出されたときにメチレンカプラーのような着色形成剤と
反応して完成された染料を形成することができる無色の
アルデヒドまたはケトン染料中間体の像様分布を提供す
る1,3−硫黄−窒素化合物の使用を開示する米国特許第
3,719,488号明細書を参照されたい。
さらに上記に関し、有用な着色提供部は無色、または
特定のpHレベルの様なある環境で最終的に所望する色以
外の、しかし例えば酸からアルカリ条件へと変わるよう
な環境の変化において色が変化する化合物を含む。この
ような性質の着色提供材料には指示薬染料(indicator
dyes)やロイコ染料がある。処理の間または後に色がシ
フトしたり、スペクトル吸収特性が変化する染料が使用
され得ることも企図される。そのような染料類は「一次
的にシフトする」染料(temporarily shifted dyes)と
呼ばれる。一次的なシフトは、例えば、アシル化即ちア
ルカリ環境下における加水分解によりアシル基が転移す
ることにより起きる。例えば米国特許第4,535,051号明
細書を参照されたい。一次的なシフトは米国特許第4,46
8,451号明細書に開示されているように、分子内開裂を
して着色像染料を形成するアミド基により起きることが
あり;または、一次的なシフトは米国特許第4,468,449
号明細書に開示されているように無色の前駆体が環状1,
3−硫黄−窒素基の像様開裂に続きβ−脱離して像染料
を形成することにより起き、または無色の前駆体は米国
特許第4,468,450号明細書に開示されているように、分
子内促進求核置換反応をする事ができる部位を生じるβ
−脱離反応を受けて像染料を与える。金属錯体または金
属錯体となる染料を使用すること、及び実質的に無色で
あるが像の形成の間またはその後に続いて錯体を形成し
たときに所望の色になる非錯体の形態の染料を使用する
こともまた本発明の範囲に含まれる。
着色提供部の選択は主にスペクトルの特性により限ら
れ、染料基及び環状1,3−硫黄−窒素基からなる染料生
成物を用いるのが望ましい。
着色提供部は、m=0のときは式IIに記載される各1,
3−硫黄−窒素環系の炭素原子に共有単結合、イオン結
合またはスピロ結合を通して直接結合しても良いし、m
=1のときは式IIに記載される環系に適当な結合基、L
及びL′、非環状または環状またはそれらの組み合わせ
を通して間接的に結合しても良い。結合基Lは、共有単
結合またはスピロ結合で環状1,3−硫黄−窒素基に結合
するための少なくとも1個の炭素原子を持ついかなる2
価の有機基でも良い。
結合基は写真技術では公知のものであり、米国特許第
2,983,606号及び同3,255,001号において考察されてお
り、それら結合基は所望の予め決められた色の染料基と
現像機能の銀ハライドを有する基とを結び付け染料顕色
剤を得るのに使用される。通常結合基は染料の発色団系
を含む染料基から顕色基へ広がるいかなる共役または共
鳴系を妨げるまたは中断する遮断結合として機能する。
遮断または非遮断性の染料顕色剤の技術分野で使用され
る結合基は本発明においても染料基を環状硫黄−窒素基
と結び付けるのに有用であり、本発明において使用する
のに適切な2価の有機基は、米国特許第3,255,001号明
細書及び前に参照した有用な染料基を示す特許の開示の
中から選んでも良い。
好ましくは、着色提供部Y及びY′を環状1,3−硫黄
−窒素基に結合するために本発明の着色提供化合物にお
いて使用される結合基は、2価の炭化水素残基、例えば
シクロヘキシル;−CONH−;アルキレン−CONH−;アリ
レン−CONH−;エチレン、プロピレン、ブチレン、及び
フェニレンのようなアルキレン、アリレンまたはシクロ
アルキルを含有するシクロアルキレンからなる。アルキ
レン及びアリレン基は本発明において特に有用な結合基
であることがわかった。
式IIにおける化学結合Xは環状1,3−硫黄−窒素基を
互いに結合する。環状基は各窒素原子を通して、または
N及びS原子に共通な炭素原子以外のいかなる各炭素原
子を通して結合しても良く、または炭素原子がN及びS
原子に共通でないときには、環状部は環状基の一方のN
原子及び他方の炭素原子を通して結合しても良い。化学
結合は共有単結合で良く、そこでは各環状1,3−硫黄−
窒素基の原子は各々が電子対を共有することにより直接
結合しており、または多価の有機種、即ち異なる原子に
結合し、共有単結合によって各1,3−硫黄−窒素基の各
元素に結合した2、3または4の自由な原子価を持つ有
機基でも良い。好ましくは化学結合Xは多価の有機基で
ある。化学結合Xが各N原子を通して環状部に結合して
いるときには、化学結合がカルボニル、スルホニルまた
はその他のN原子に直接結合する強い電子吸引基を含有
できないことに注意することは重要である。その部位に
おける強い電子吸引基は1,3−硫黄−窒素環を不活性化
させ、銀イオン類及び/または可溶性銀錯体存在下の開
裂を不可能にする。
本発明の範囲に含まれる着色提供化合物を形成するの
に使用される適当な化学結合Xの例として、以下のもの
が挙げられる; −(共有電子対); −R−(式中、Rは例えば通常1〜20の炭素原子を含
有するアルキレンまたはアリレンである、2価の炭化水
素残基); −R−O−R−; −R−O−R′−(式中、R′はRと異なる、例えば
通常1〜20の炭素原子を含有するアルキレンまたはアリ
レンである、2価の炭化水素残基); −R−O−R′−O−R−; −R−O−R′−O−R″−(式中、R″はR及び
R′と異なる、例えば通常1〜20の炭素原子を含有する
アルキレンまたはアリレンである、2価の炭化水素残
基); −Ar−CO−NH−R−O−R′−O−R−NH−CO−Ar−
(式中、Arはアリールを表す); −R−CONH−R′−NH−CO−R−; −R−NH−SO2−R−SO2−NH−R−; −R−NH−SO2−R′−SO2−NH−R−; −R−NH−SO2−R′−SO2−NH−R″−; 上記に記載されたアリール、アルキレン及びアリレン
基は相当する置換された基を含むことを意図している。
前述したように、環状1,3−硫黄−窒素基は置換また
は未置換の5または6員複素環である。好ましくは、環
状基は以下の式 (式中、上記の式は相当する置換チアゾリジン類または
ベンゾチアゾリジン類を含むことを意図している)によ
り表されるチアゾリジン(III)またはベンゾチアゾリ
ジン(IX)である。
本発明の化合物の他の態様は式V (式中、R1,Z,X,L,Y,m及びxは全て前記と同じ意味であ
る)によって表される。
好ましい態様において、本発明の化合物は式VI (式中、R1,L及びmは前記と同じ意味であり、X′は2
価の有機基を表し、R3,R4,R5及びR6は各々水素、1価
の有機基または一緒になって、R3とR4またはR5とR6が置
換されたまたは未置換の炭素または複素環を表し、Dは
完成された染料、即ち有機染料の染料基を表す)によっ
て表される。特に有用な染料基はアゾメチン、インドア
ニリン、インダミン及びインドフェノール染料の発色系
を含むもの、例えばフェニレンジアミンと着色カプラー
との酸化的カップリングにより生成するカプラー染料で
ある。カプラー染料の例には米国特許第4,952,479号明
細書及びJ.ベイリー(J.Bailey)とL.A.ウィリアムズ
(L.A.Williams)の「合成染料の化学」(The Chemistr
y of Synthetic Dyes)第4巻、アカデミックプレス発
行、ニューヨーク、1971年、341〜387頁に記載されてい
るものがある。
本発明の範囲に含まれる着色提供化合物の特定の例は
以下の式によって詳説される。
本発明の着色提供化合物は、染料置換アルデヒド、即
ちDYE−CHOと、ビス(アミノエタンチオール)の塩、例
えば (式中、Xは二つのアミノエタンチオール部に結合する
化学結合である)との濃縮により合成される。このビス
(アミノエタンチオール)化合物は本願と同日に出願さ
れたD.メサースミス(D.Messersmith)とD.ウォーラー
(D.Waller)の出願(認識番号923,859)の主題を形成
している。合成の最終段階として環状1,3−硫黄−窒素
基を生成させるよりも、アルデヒド基を持つ2等量の中
間体を選ばれたビス(アミノエタンチオール)と濃縮し
て、濃縮生成物を適当な分子または分子群と反応させて
最終の染料生成物を得る方がよい。特にスピロ誘導体を
調製したいときに、染料置換ケトンをアルデヒドの変わ
りに使用することは認められるであろう。
上記で使用される染料置換アルデヒド及びケトンは相
当するアルコールの酸化により調製される。このアルコ
ールは当業界で周知の手法により合成される。例えば、
アルデヒドまたはケトン官能性を含有するアゾメチン染
料は、次に相当するカプラーと銀ハライド顕色剤部との
間の酸化的カップリング反応により作られる、相当する
アルコールの酸化によって調製される。カプラーと顕色
剤部は一般に商業的に入手可能である。もし、入手でき
ないときには、当業者に周知の手法により調製すること
ができる。
もしくは、着色提供化合物は、2等量の環状1,3−硫
黄−窒素基の窒素原子に反応部位を有する環状1,3−硫
黄−窒素基で置換された染料、即ち と2価の有機基、例えばH2N−(CH23−NH2とを反応さ
せて、着色提供化合物即ち を得ることにより調製される。環状1,3−硫黄−窒素基
で置換された染料は前述の米国特許第4,098,783号明細
書に記載される方法により調製される。
さらに、主題の化合物の調製手法及び上記で与えられ
た化合物の種々の変更は当業者にとって明らかであろ
う。
以下の詳細な実施例は本発明の範囲に含まれる化合物
の調製を詳説するが、何等それに制限されるものではな
い。
例1 式(i)の化合物の調製 なる構造を持つビス(アミノエタンチオール塩酸塩)1
6.7gの250mLエタノール中のスラリーに7.4gのトリエチ
ルアミンを加えた。数秒間撹拌した後、 なる構造を持つ染料アルデヒド30gを加えた。50mLのテ
トラヒドロフランの追加により再溶解する厚い沈澱を生
じた。反応混合物を室温で約65時間撹拌した。エタノー
ルを留去し、100mLの塩化メチレン(CH2Cl2)を加え
た。CH2Cl2層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
CH2Cl2を減圧下で取り除いた。生成した残渣を2%のメ
タノール/CH2Cl2を溶離剤として用いるカラムクロマト
グラフィー(SiO2)で精製し、11.4gの式(i)に示さ
れる構造を持つ標記の化合物が得られた。その構造は質
量分析により確認した。
ビス(アミノエタンチオール塩)は前記の米国特許出
願認識番号(C−923,859)に記載される手法に従って
調製した。
上記で使用される染料アルデヒドは以下のように調製
した: N2雰囲気下−70℃に冷却した、30mLのCH2Cl2中の1.4g
の塩化オキサリルの撹拌溶液に、数分間かけて約−70℃
の10mLのCH2Cl2中の1.72gの乾燥ジメチルスルホキシド
(DMSO)溶液を滴加した。生成した混合物を約−70℃で
2〜3分間撹拌し、約10分以上かけて約−70℃で25mLの
CH2Cl2中の なる構造を持つアルコール4.9gを滴加した。生成した混
合物を−70℃で更に15分間撹拌し、5.1gのトリエチルア
ミンを一部づつ加えた。−70℃で5分間撹拌した後、反
応混合物を15℃に暖めた。水を加え層を分離した。CH2C
l2層を食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
濾過して濃縮するとガラス状の残渣を得た。残渣を、溶
離液としてCH2Cl2を用いるシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーにより精製した。生成したゴム状の残渣を石油
エーテルとともに粉砕すると、3.41gの所望のアルデヒ
ドを得た。1HNMRと質量分析により構造を確認した。
上記で用いるアルコールは、 (両者とも商業的に入手可能である)とをカリウムフェ
リシアニド及びカリウムカーボネート存在下で当業界に
周知の手法で酸化的カップリングさせることにより調製
される。
例2 式(ii)の化合物は、染料と濃縮されるビス(アミノ
エタンチオール塩酸塩)が であり、トリエチルアミンの代わりに重炭酸ナトリウム
が使用されること以外は例1における染料の調製方法と
類似の方法で調製された。1HNMRと質量分析により構造
を確認した。
例3 式(iii)の化合物は、ビス(アミノエタンチオール
塩酸塩)と濃縮される染料が なる構造を持つこと以外は例1の化合物の方法と同じ方
法で調製された。染料アルデヒドは相当するアルコール
を出発原料として例1の染料アルデヒドの調製方と同様
な方法で調製された。赤外と質量分析により最終の染料
の構造を確認した。
例4 式(iv)の化合物の調製 (i)例1で調製したように、3.4gの染料アルデヒドと
2.0gの なる構造を持つアミノエタンチオール、0.5gの重炭酸ナ
トリウム及び50mLのベンゼンを化合させた。生成した混
合物をディーン−シュタークトラップ(Dean−Stark tr
ap)を用いて還流し、水と共沸させた。数回ベンゼンを
追加し、全ての水がなくなるまで混合物を共沸した。残
留するベンゼンを真空にして除去した。CH2Cl2を加え、
混合物を水と希塩酸とで洗浄した。CH2Cl2層を無水硫酸
ナトリウムで乾燥し、濾過、濃縮した。生成した残渣を
溶離液として5%メタノール/CH2Cl2を用いるシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーで精製し、780mgの なる構造を持つチアゾリジンを得た。NMRと質量分析に
より構造を確認した。
上記で使用するアミノエタンチオールは25.7gの6−
アミノヘキサン酸を19.5gのビス−イソブチルアルデヒ
ドジスルフィドと500mLのトルエンとの化合により調製
した。生成した混合物をディーン−シュタークトラップ
(Dean−Stark trap)を用いて数時間還流し、水と共沸
させた。トルエンを真空下で除去し油を得た。油を300m
Lのメタノールに溶かし、18gのホウ化水素ナトリウムを
1時間以上かけて少量ずつ加えた。生成した混合物を室
温で終夜撹拌した。1Nの塩酸100mLを加え、濃塩酸を滴
加してpHを1にした。メタノールを真空下で除去し、再
びメタノール100mLを加え、再び真空下で除去すると黄
色のペースト状の残渣を得た。この残渣を95%エタノー
ル250mLに溶かし、生じた白色沈澱を濾過した。黄色の
濾液に亜鉛粉末、濃塩酸を加えた。亜鉛粉末を濾過し、
酸を真空下で除去すると所望のアミノエタンチオールを
得た。NMR分析により構造を確認した。
(ii)段階(i)で調製したチアゾリジン染料780mg、
トリブチルアミン496mg、及び1,4−ビス(2−アミノエ
トキシ)ブタン135mgを10mLのCH2Cl2に溶解した。2−
ヨード−1−メチルピリジニウムクロリド414mgを加
え、窒素雰囲気下約3.5時間還流して反応させた。生成
した混合物を冷却し、0.5Nの塩酸で洗浄し、更に水で3
回洗浄した。反応生成物を濃縮し、標記の化合物を得
た。1HNMR,13CNMR及び質量分析により構造を確認し
た。
例5 式(vii)の化合物の調製 ビス(アミノエタンチオール塩酸塩)と濃縮される染
料アルデヒドが なる構造を持つ以外は例2の手法に従って化合物を調製
した。
例6 式(viii)の化合物の調製 染料アルデヒドと濃縮されるビス(アミノエタンチオ
ール塩酸塩)が である以外は例1の手法に従って化合物を調製した。NM
R及び質量分析により標記化合物の構造を確認した。
ビス(アミノエタンチオール塩酸塩)は前記の米国出
願認識番号(923,859)に記載する手法に従って調製さ
れた。
例7 式(ix)の化合物の調製 使用されるチアゾリジン染料前駆体が構造 を持ち、1,4−ビス(2−アミノエトキシ)ブタンに代
わり1,12−ジアミノドデカンである以外は例4で用いら
れた手法と類似の手法で化合物を調製した。13CNMR,1H
NMR及び質量分析により標記化合物の構造を確認した。
先に記したように、本発明に係わる着色提供材料は熱
現像感光像記録システムにおいて着色像を形成するのに
特に有用である。特に本発明は、 (a)一またはそれ以上の層の中に感光銀ハライド、還
元剤、熱溶媒、結合剤及び銀イオン類または可溶性銀錯
対の存在下に開裂して拡散性着色提供部を放出すること
ができる着色提供材料を持つ支持体、ここで着色提供化
合物は2〜4の、同一または異なる一般式 (式中、Yは拡散性着色提供部を表し;Lは少なくとも1
個の炭素原子を含有する2価の有機結合基を表し;mは0
または1であり;R1は水素、1価の有機基、またはmが
1のときLと一緒になって環状1,3−硫黄−窒素基との
スピロ結合を形成するのに必要な原子類を表し、または
mが0のときYと一緒になって環状1,3−硫黄−窒素基
とのスピロ結合を形成するのに必要な原子類を表し;そ
して、この式により表される各基がN原子を通して、ま
たはZにより表されるC原子を通して基に接続する多価
化学結合により他の基に接続しているときには;Zは未置
換または置換された5または6員複素環系を形成するの
に必要な炭素原子を表す)によって表される基を含み、
及び (b)同一のまたは第二の支持体上の、前記の着色提供
材料から放出された拡散性着色提供部を受容できる像受
容層 からなる熱現像着色感光像記録材料を提供する。
好ましくは、熱現像着色感光像記録材料が追加的に像
受容層以外の層に銀塩酸化剤を含有するのがよい。
更に、熱現像着色感光材料が好ましくは銀に対する補
助的な配位子を含有する。熱現像着色感光材料における
補助的な配位子の使用は、本願出願日に出願したJ.フリ
ードマン(J.Freedman)、S.ソフェン(S.Sofen)及び
K.ヤング(K.Young)米国特許出願認識番号(923,858)
の主題を形成する。
先に述べたように、本発明の着色提供剤は、熱現像写
真処理組成物において実質的に非拡散性であるが、未現
像及び部分的に現像された感光乳剤の領域において、銀
イオン類及び錯体の像様分布に相当する像様分布におけ
るより動き易く拡散性の着色提供部を遊離する現像の機
能として得られる銀イオン類及び/または可溶性銀錯体
の像様分布の存在下、開裂を受けることができる。
本発明の化合物を用いる熱現像着色感光像記録材料は
1978年6月に発行されたリサーチディスクロージャー
(Research Disclosure)17029中に開示されている手法
に従って調製することができる。
本発明において使用される感光銀ハライドは、塩化
銀、ヨウ化銀、臭化銀、銀イオドブロミド、銀クロロブ
ロミドなどの写真技術において使用されるいかなる感光
銀ハライドでも良く、または、系内または系外で、銀塩
酸化剤の一部において感光銀ハライドを形成するように
銀塩酸化剤材料の存在下感光銀ハライド形成成分を使用
することを含み、いかなる公知の方法によって調製され
ても良い。
本発明で使用される感光性銀ハライド乳剤は、銀ハラ
イドに吸収される以外の波長に対し写真感光度を拡張す
るためのいかなる公知の方法によりスペクトルに対し感
光性を与えられている。適当な感光剤の例には、シアニ
ン(cyanine)染料類、メロシアニン(merocyanine)、
スチリル(styryl)染料類、ヘミシアニン(hemicyanin
e)染料類、オキソノール(oxonole)染料類がある。
スペクトルによる感光に加えて、銀ハライド乳剤は写
真技術分野におけるいかなる公知の方法により化学的に
感光しても良い。しかしながら、化学的な感光がない方
が好ましい。
銀ハライド乳剤は一般に0.5〜8.0mmol/m2、好ましく
は0.5〜4.0mmol/m2の範囲の被覆範囲を与えるように計
算される量が各感光層に加えられる。
銀塩酸化材料は処理条件で光り及び熱に対し比較的安
定であるべきである。銀塩酸化材料は一般に当業界では
公知の、前述した有機銀塩または銀塩錯体である。有機
銀塩を形成するのに有用な写真技術において公知のいか
なる有機化合物を用いても良い。例えば、米国特許第4,
729,942号明細書の記載を参照されたい。有用な銀塩錯
体に付いては米国特許第4,260,677号明細書を参照され
たい。
適当な銀塩酸化材料の例にはカルボン酸、例えばベヘ
ン酸及びステアリン酸の銀塩及びイミノ基を持つ化合物
の銀塩がある。好ましい銀塩はイミノ基を持つ有機銀塩
である。ベンゾトリアゾール及びその誘導体の銀塩は本
発明の熱現像感光システムにおいて特に優れた結果を与
えることがわかった。
本発明で使用される銀塩酸化剤はいかなる公知の方法
により適当な結合剤中で調製することができ、単離する
こと無く速やかに使用される。もしくは、銀塩酸化剤は
単離して適当な結合剤中に分散しても良い。
銀塩酸化剤は一般に、0.5〜8.0mmol/m2、好ましくは
0.5〜4.0mmol/m2の範囲の量が使用される。
本発明で使用される還元剤は通常熱現像写真材料にお
いて使用されるものの中から選ばれる。本発明で有用な
還元剤を詳説すると、ヒドロキノン及びその誘導体、例
えば2−クロロヒドロキノン;アミノフェノール誘導
体、例えば4−アミノフェノール及び3,5−ジブロモフ
ェノール;カテコール及びその誘導体、例えば3−メト
キシカテコール;フェニレンジアミン誘導体、例えばN,
N−ジエチル−p−フェニレンジアミン;及び3−ピラ
ゾリドン誘導体、例えば1−フェニル−3−ピラゾリド
ン及び4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニ
ル−3−ピラゾリドンがある。好ましい還元剤は商品名
フェニドン(Phenidone)という名で商業的に入手可能
な1−フェニル−3−ピラゾリドン及び商品名ディメゾ
ン(Dimezone)−Sという名で商業的に入手可能な4−
ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3−ピ
ラゾリドンである。
還元剤は単独でまたは組み合わせて、一般に、0.5〜
8.0mmol/m2、好ましくは1.0〜4.0mmol/m2の範囲の量が
使用される。
熱溶媒は室温では固体であるが処理のために使用され
る温度で融解する化合物である。熱溶媒は熱現像感光材
料の種々の成分の溶媒として働き、熱現像の促進を助
け、銀イオン類及び/または錯体類、還元剤及び染料等
の種々の材料の拡散媒体を提供する。本発明で有用な還
元剤を詳説すると、米国特許第3,347,675号明細書に記
載されているポリグリコール類のような極性有機化合
物、及び米国特許第3,667,959号明細書に記載されてい
るような化合物がある。特に有用な化合物は尿素誘導
体、例えばジメチル尿素、ジエチル尿素及びフェニル尿
素;アミド誘導体、例えばアセトアミド、ベンズアミド
及びp−トルアミド;スルホンアミド誘導体、例えばベ
ンゼンスルホンアミド及びα−トルエンスルホンアミド
及びポリヒドロアルコール、例えば1,2−シクロヘキサ
ンジオール及びペンタエリトリトールである。
なる構造を持つTS−1という名の熱溶媒は本発明におい
て優れた結果を与えることがわかった。
熱溶媒は一般に像受容層の上にまたは中に、及び/ま
たは本発明の感光銀ハライド層の中に組み込まれる。し
かしながら、所望の結果を得るのに必要であれば、いか
なる中間層及び保護層を加えても良い。
熱溶媒は一般に、0.5〜10.0g/m2、好ましくは1.0〜
5..0g/m2の範囲の量が各層中に使用される。
熱現像感光像記録材料の感光銀ハライド乳剤層(複数
でも良い)及び他の層は種々の材料を結合剤として含有
しても良い。適当な結合剤には、ポリビニルアルコール
やポリビニルピロリドンのような水溶性合成高分子化合
物、及びゼラチン、ゼラチン誘導体、セルロース誘導
体、タンパク質類、澱粉類及びアラビアゴムのような合
成または天然高分子化合物がある。結合剤単独または結
合剤の混合物が使用できる。ゼラチンは各層で使用する
のに好ましい結合剤である。
各層で使用される結合剤の量は、一般に、0.5〜5.0g/
m2、好ましくは0.5〜3.0g/m2である。
架橋結合をするコロイド例えばゼラチンを結合剤とし
て含有する本発明による熱現像感光システムの層は、T.
H.ジェームズ(James)の「写真プロセスの理論」第4
版、マクミラン、1977、77〜87頁に記載されている種々
の有機または無機硬膜剤を使用することにより硬化す
る。硬膜剤は単独でまたは、組み合わせて使用すること
ができる。本発明による像記録材料は硬膜剤を感光銀ハ
ライド乳剤層に含有するのが好ましい。写真技術におい
て公知のいかなる適当な硬膜剤を使用しても良いが、ゼ
ラチンが結合剤として使用されるときには、アルデヒド
硬膜剤、例えばスクシンアルデヒド及びグリオキサール
が特に有用であることがわかった。
硬膜剤は一般に塗布されたゼラチンの総量の1〜10重
量%の範囲の量が使用される。
着色提供材料は感光銀ハライド/銀塩酸化剤乳剤層と
同じ層または感光乳剤層の一方の面の層に加えられる。
しかしながら、着色提供材料は染料を通して露光が起き
ないように配置されているのが一般に望ましい。もし露
光が染料を通して起きると、染料は銀ハライドを露光す
るのに必要な光を吸収してしまう。ある例では、間隔を
開けるためのスペーサー層によって、着色提供材料を乳
剤層から分離させることが望ましい。選ばれた特定の着
色提供材料が貯蔵及び/または熱現像感光システムの熱
現像の間に移動し易いときには、着色提供材料を分離し
た層中に存在させることが好ましく、像受容層から最も
離れた層中に存在させることがより好ましい。
使用される着色提供材料の量は選ばれる種類によって
変わるが、一般に0.25〜2.0mmol/m2が使用される。
着色提供材料はいかなる適当な方法によって熱現像感
光システムの写真層の中に組み込まれる。例えば、着色
提供材料は低沸点及び/または高沸点を持つ溶媒に溶解
し、結合剤中に分散し、ボールミルによって例えばゼラ
チンのような適当なポリマーの水溶液中に分散し、また
は例えばトリフルオロエタノールやジメチルスルホキシ
ド(DMSO)の様なゼラチンを溶解するいかなる有機溶媒
を用いて溶媒塗布(solvent coat)される。
本発明において使用される銀に対する補助配位子に
は、2,2′−ビピリミジン;1,2,4−トリアゾール及びそ
の誘導体、例えば3−フェニル−5−チエニル−1,2,4
−トリアゾール;ホスフィン類、例えばトリフェニルホ
スフィン;非環状チオ尿素、例えばN,N′−ジ−n−ブ
チルチオ尿素及びテトラメチルチオ尿素;3,6−ジチア−
1,8−オクタンジオール;6−置換プリン類、但し、6−
位がORまたは−NHR′で置換されており、Rは水素、ア
ルキルまたはアリールであり、R′はアルキルである、
例えば6−メトキシプリン及び6−ドデシルアミノプリ
ン;及び同じ銀原子に両方が配位子得る二個の窒素原子
を持つ二座窒素配位子、例えば4−アザベンズイミダゾ
ール及びその誘導体、2,2′−ジピリジル、4,4′−ジメ
チル−2,2′−ジピリジル及び4,4′−ジフェニル−2,
2′−ジピリジルを含む2,2′−ジピリジル類、及び1,10
−フェナントロリン、5−クロロ−1,10−フェナントロ
リン及び5−ニトロ−1,10−フェナントロリンを含む1,
10−フェナントロリン類がある。
補助配位子は像受容層を含む本発明の熱現像感光シス
テムのいかなる層中に存在しても良い。補助配位子は像
受容層上に存在しても良く、この場合、この層は好まし
くは配位子が溶解する熱溶媒と結合剤とを含有する。も
しくは、水溶性配位子はネガ、即ち感光銀ハライドから
なる層上にゲルの硬化が完了する前または後で塗布され
ても良い。もし銀が助剤として起きる特定の着色提供材
料の開裂が遅くなる傾向があるときには、像受容層以外
の層中に補助配位子を存在させるのが好ましい。
補助配位子は一般に乾燥後に1〜36mmol/m2、好まし
くは2〜24mmol/m2の被覆範囲を与える量が使用され
る。
本発明による像記録要素のための支持体は、像の処理
に必要な熱に必ず耐えられなくてはならなく、1978年6
月発行のリサーチディスクロージャーNo.17029に記載さ
れるようないかなる適当な支持体でも使用できる。適当
な支持体の特定の例にはポリエステルフィルム、ポリビ
ニルクロリドフィルムまたはポリイミドフィルムのよう
な合成プラスチックフィルム、写真未処理紙、印刷用
紙、バライタ紙及び樹脂被覆紙のような紙支持体があ
る。好ましくはポリエステルフィルムが使用される。
熱現像感光材料を担持する支持体の表面に粘着性を増
すために下塗りが加えられても良い。例えば、ゼラチン
と共に塗布したポリエステルベースの下塗りにより水溶
性ベースの層の粘着性を増強することがわかった。
本発明による熱現像感光像記録材料は白黒または多色
像を形成するために使用することができる。もしこの像
記録材料がフルカラーの像を発生させるのに使用される
ときには、一般に熱現像の結果、それぞれが異なる色の
染料を放出する3つの異なる熱現像感光層を持つ。
本発明の熱現像感光拡散移動材料は、始めに感光銀ハ
ライド乳剤層及び像受容層が露光の後または前に重ね合
わせられる別々の要素に含有されているものである。現
像後、2つの層は一つの要素、即ち完全なネガ−ポジフ
ィルムユニットの中に保持されるか、お互い剥されて離
れている。もしくは、別々な要素の中にあるよりも、感
光層及び像受容層は始めに一つの要素中に存在していて
も良く、そこではネガ及びポジの成分が一つの熱現像感
光薄層中に含まれるか、さもなければ一緒に一つの完成
された構造中に保持される。熱現像の後、2つの層は一
つの要素として一緒に保持されても良く、またはお互い
剥されて離れていても良い。感光銀ハライド乳剤層及び
像受容層が完成されたネガ−ポジフィルムユニットとし
て一緒に保持されているときには、例えば二酸化チタン
のようなマスク層が移動していない染料を最終像から隠
すのに必要である。
本発明の感光材料は、例えばタングステンランプ、水
銀蒸気ランプ、ハロゲンランプ、蛍光灯、キセノンフラ
ッシュランプまたは赤外線を放射するものを含む発行ダ
イオードの様な写真技術において使用されるいかなる方
法によって露光されても良い。
本発明の感光材料は像様露光の後熱現像される。これ
は一般にこの材料を80〜200℃、好ましくは100〜150℃
の温度で1〜720秒、好ましくは1.5〜360秒加熱するこ
とによって成される。放出された染料を像受容シートに
移動するために、熱と圧力とが同時に適用されなくては
ならない。従って、圧力はヒートロールまたはヒートプ
レートを用いて熱現像に必要な熱を加えるのと同時に適
用される。もしくは、熱と圧力とは放出された染料を移
動するために熱現像の後に適応されても良い。
熱現像感光システムにおいて使用される当業界で公知
の全ての加熱方法を本発明の熱現像写真材料に適用して
も良い。従って、例えば、ホットプレート、アイロン、
ヒートローラー、及びホットドラムによって加熱が成さ
れても良い。
熱現像の結果放出された染料を受容することができる
いかなる像受容層を本発明でで使用しても良い。使用す
ることができる典型的な像受容層は、支持材料を染料を
受容する適当なポリマーで被覆することにより調製され
る。もしくは、あるポリマーは支持体と染料受容材料と
の両方に使用できる。
像受容層は一般に露光の後感光ネガと重ね合わされ、
その後これら二つは加熱され、同時に像を現像し、染料
を移動させる。もしくは、ネガは露光され、熱処理さ
れ、受容シートを露光され現像された感光材料に重ね合
わせ、熱と圧力とを適用して染料を移動させる。像受容
層はそれから一般に剥されネガと離される。
染料を受容するために像受容支持体に塗布される適当
なポリマーには、ポリビニルクロリド、ポリ(メチルメ
タクリレート)、ポリエステル及びポリカーボネートが
ある。
像受容層に使用される支持材料は透明または不透明で
ある。適当な支持体の例は、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリビニルクロ
リド、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリイミドの
様なポリマーフィルムである。上記の支持体はその中に
二酸化チタン及び炭酸カルシウムのような顔料を組み込
むことにより不透明にすることができる。他の支持体に
はバライタ紙、着色された熱可塑性樹脂、織物、ガラス
及び金属とラミネートされた紙を有する樹脂被覆紙があ
る。
樹脂被覆紙は本発明による像受容層のための特に有用
な支持体材料であることがわかった。
さらに、本発明の熱現像感光像記録材料はこれまでに
当業界で示唆された他の材料を含むが、絶対的なもので
はない。それらには、限定するわけではないが、曇り止
め、帯電防止剤、被覆助剤、例えば界面活性剤、活性化
剤などがある。
また、感光要素は当業界で通常使用されている、スペ
ーサー層、ハレーション防止染料の層、及び/または異
なる着色感光乳剤層の間におかれるフィルター染料の層
のような追加の層を含有しても良い。保護層が本発明の
像記録材料中に存在しても良い。保護層は写真技術の分
野で通常使用される種々の添加剤を含有しても良い。適
当な添加剤には、艶消し剤、コロイダルシリカ、滑り
剤、有機フッ素化合物、UV吸収剤、促進剤、酸化防止剤
などがある。
本発明は以下の写真の実験により詳説される。
以下の例では、銀ヨードブロミド分散体は当業界で標
準的な技術により調製された0.25μmの体積の未感光の
ヨードブロミド(2%ヨウ化物)乳剤である。本例では
銀塩酸化剤、熱溶媒、染料提供材料及び還元剤が分散体
として被覆組成物に加えられた。記載されているよう
に、異なる試剤を使用して、上記の特定の手法または類
似の手法により種々の分散体を調製した。加えられると
きには、1,2,4−トリアゾール、グリオキサール及びス
クシンアルデヒドが水溶液として被覆組成物に加えられ
た。
(1)銀塩分散体 415gのベンゾトリアゾールを325mLの濃水酸化アンモ
ニウムに加えた。生成した溶液に450gのゼラチンを加
え、この混合物を水で総体積6リットルまで希釈した。
この混合物に、暗所40℃で550gの硝酸銀と500mLの濃水
酸化アンモニウムとを組み合わせて調製し、水で総体積
2.1リットルに希釈した混合物を加えた。添加が完了し
た後、この材料を標準的な乳剤洗浄手順に従って洗浄
し、pHを6、pAgを7.4に調整した。
(2)熱溶媒分散体 64gの上記TS−1という熱溶媒を8.8gの10%水性ポリ
ビニルピロリドン、10.8gの5%水性アルカノール(Alk
anol)XC(DuPont,Wilmington,DEより入手)及び160.4g
の水の混合物に分散した。生成した混合物をボールミル
で7時間粉砕した。100gの水を分散体の単離の間に洗浄
のために導入した。
(3)染料提供材料分散体 1.6gの式(i)の染料提供材料を5.0gの酢酸エチルに
溶解した。0.8gのトリクレシルホスフェートを加え、混
合物を撹拌し42℃に加熱した。42℃で混合物に21gの
水、4gの5%水性アルカノールXC及び8.5gの17.5%水性
ゼラチンを含有する溶液を加えた。分散体を形成するた
めに混合物を1分間超音波プローブで超音波処理した。
分散体を60℃で20分撹拌し、酢酸エチルを除去し、14.1
gの水を加えた。
(4)還元剤分散体 なる構造を持つ還元剤3.0gを4.0gの水と3.0gの5%水性
アルカノールXCに加えた。生成した混合物をボールミル
で16時間粉砕した。単離している間に分散体を水で希釈
した。
例8 熱現像感光材料を上記の分散体を使用して調製した。
ゼラチンを下塗りした4ミル(mil)のポリエステルフ
ィルム(DuPontより入手)を、#30メイアーロッド(Me
yer Rod)を使用して以下のような層1の各成分の乾燥
被覆範囲を得るために調製した水性組成物で被覆した: 層1 ゼラチン 3000mg/m2 (不活性、脱イオン化、骨ゼラチンより誘導、フランス
Rousselotより入手)染料提供材料 0.25mmol/m2 (式(i)の化合物) 空気で乾燥した後、層1を(#30メイアーロッドを適
用して)以下のような層2の各成分の被覆範囲を得るた
めに調製した組成物で更に被覆した: 層2 ゼラチン 3000mg/m2 熱溶媒(TS−1) 1500mg/m2 還元剤(Dimezone S) 4.0mmol/m2 銀ベンゾトリアゾール 2.0mmol/m2 銀ヨードブロミド 2.0mmol/m2 グリオキサール 100mg/m2 1,2,4−トリアゾール 24.0mmol/m2 熱現像感光材料は白色光に10-3露光した。ポリビニルク
ロリド(12g/m2)で更に被覆した樹脂被覆紙ベースから
成る像受容シートを露光された熱現像感光材料に重ね合
わせ、アセンブリーはヒートプレートを用いて35psiの
圧力で110℃で180秒処理した。
処理の約5秒後、熱溶媒の融点(104℃)以下に冷却
して、感光層と染料提供層とを像受容層から引き剥し離
した。生成した像の最大反射濃度(Dmax)と最小濃度
(Dmin)とを反射光濃度計(マクベス、モデルRD514)
を使用して測定した。測定した値を表1に報告する。
表1 Dmax Dmin 例8 0.89 0.68 例9 式(i)の染料提供材料の代わりに式(viii)の染料
提供材料を使用して例8を繰り返した。
測定したDmaxとDminとの値を表2に報告する。
表2 Dmax Dmin 例9 0.79 0.56 例8及び例9は本発明の染料提供材料は熱現像感光像
システムの着色像の提供において有用であることを示し
ている。
例10 感光銀ヨードブロミド、銀ベンゾトリアゾール及び還
元剤はそのままで、染料提供材料がそれぞれ異なる以外
は例8と同様な方法で3つの熱現像像材料を調製した。
層1及び層2の各成分の被覆範囲は以下の通りであっ
た: 層1 ゼラチン 2000mg/m2 染料提供材料 0.50mmol/m2 層2 ゼラチン 3000mg/m2 熱溶媒(TS−1) 3500mg/m2 スクシンアルデヒド 100mg/m2 使用した3つの染料提供材料は以下の式(i)の化合
物、化合物A及びBであった。
ポリビニルクロリド(12g/m2)で更に被覆した樹脂被
覆紙ベースから成る像受容シートを各熱現像材料に重ね
合わせ、生成したアセンブリーはヒートプレートを用い
て35psiの圧力で120℃で180秒加熱処理した。処理の約
5秒後、熱溶媒の融点(110℃)以下に冷却して、染料
提供層を像受容層から引き剥し離した。それぞれの光学
的反射濃度を測定し、その値を表3で報告する。
表3 濃度 例10 式(i)の化合物 0.19 化合物A 0.29 化合物B 0.45 上記のデータは、ただ一つの環状1,3−硫黄−窒素部
と一つの染料基を有する染料提供材料と比較して、本発
明の染料提供材料が熱現像像材料として使用されたとき
にあまり開裂しにくくない染料提供材料が移動すること
を示している。
上記例8、9及び10における調製及び処理による熱現
像感光材料は無塩基処理され、即ちそれらは全く追加の
塩基または塩基前駆体を含んでおらず、そしてそれらは
無水処理された、即ち現像または移動を助けるために全
く水が加えられなかった。例中で使用されるある補助配
位子は弱塩基として分類されるかもしれないが、そのよ
うな語句が日本の特開昭59−180548号明細書で使用され
ているが、そのような配位子が塩基または塩基前駆体で
あるとは考えられないことが認められている。しかしな
がら、先に述べたように、本発明の着色提供化合物は、
前述の日本の特開昭59−180548号明細書に開示されてい
る塩基または塩基前駆体を含有する熱現像像材料の分野
でも使用することができる。
ここに含まれる発明の精神及び範囲から離れること無
く上記の主題に変更を加えても良いので、上記の記載に
含まれる全ての事柄と詳説により解釈される例とは何等
限定を及ぼすものではない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マックゴーウォン,ドナルド エイ. アメリカ合衆国01730 マサチューセッ ツ州ベッドフォード,ヘリテッジ ドラ イブ 5 (72)発明者 ウォルラー,デビッド ピー. アメリカ合衆国02173 マサチューセッ ツ州レキシントン,クーリッジ アベニ ュー 31 (56)参考文献 特開 平6−51474(JP,A) 特開 昭59−180548(JP,A) 特開 昭58−111033(JP,A) 特表 平6−507259(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 57/00 B41M 5/26 - 5/40 G03C 8/00 - 8/56

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)一またはそれ以上の層の中に銀イオ
    ン類源、及びこの銀イオン類の存在下に開裂して拡散性
    着色提供部を放出することができる着色提供材料を持つ
    一またはそれ以上の支持体、ここで着色提供化合物は2
    〜4の、同一または異なる一般式 式中、Yは拡散性着色提供部を表し;Lは少なくとも1個
    の炭素原子を含有する2価の有機結合基を表し;mは0ま
    たは1であり;R1は水素、1価の有機基、またはmが1
    のときLと一緒になって環状1,3−硫黄−窒素基とのス
    ピロ結合を形成するのに必要な原子類を表し、またはm
    が0のときYと一緒になって環状1,3−硫黄−窒素基と
    のスピロ結合を形成するのに必要な原子類を表し;そし
    て、この式により表される各基がN原子を通して、また
    はZにより表されるC原子を通して基に接続する多価化
    学結合により他の基に接続しているときには;Zは未置換
    または置換された5または6員複素環系を形成するのに
    必要な炭素原子を表す、 によって表される基を含み、及び (b)同一のまたは第二の支持体上の、前記の着色提供
    材料から放出された拡散性着色提供部を受容できる像受
    容層 からなる拡散転写用像記録材料。
  2. 【請求項2】着色提供材料が、式 式中、Y及びY′は拡散着色提供部を表し;L及びL′は
    少なくとも1個の炭素原子を含有する2価の有機結合基
    を表し;m及びm′は同一または異なって0または1であ
    り;Xは環状1,3−硫黄−窒素基に結合する多価化学結合
    を表し;R1及びR2は水素、1価の有機基、またはmもし
    くはm′が1のときLまたはL′と一緒になって環状1,
    3−硫黄−窒素基の一つとのスピロ結合を形成するのに
    必要な原子類を表し、またはmもしくはm′が0のとき
    YまたはY′と一緒になって環状1,3−硫黄−窒素基の
    一つとのスピロ結合を形成するのに必要な原子類を表
    し;Z及びZ′は未置換または置換された5または6員複
    素環系を形成するのに必要な原子を表し;そしてxは1
    〜3の正の整数を表す、 により表される、請求の範囲第1項記載の像記録材料。
  3. 【請求項3】Y及びY′が完成された染料である、請求
    の範囲第2項記載の像記録材料。
  4. 【請求項4】着色提供材料が、式 式中、Yは着色提供部を表し;Lは少なくとも1個の炭素
    原子を含有する2価の有機結合基を表し;mは0または1
    であり;Xは環状1,3−硫黄−窒素基に結合する多価化学
    結合を表し;R1は水素、1価の有機基、またはmが1の
    ときLと一緒になって環状1,3−硫黄−窒素基の一つと
    のスピロ結合を形成するのに必要な原子類を表し、また
    はmが0のときYと一緒になって環状1,3−硫黄−窒素
    基の一つとのスピロ結合を形成するのに必要な原子類を
    表し;Zは未置換または置換された5または6員複素環系
    を形成するのに必要な原子を表し;そしてxは1〜3の
    正の整数を表す、 により表される、請求の範囲第1項記載の像記録材料。
  5. 【請求項5】着色提供材料が、式 式中、Lは少なくとも1個の炭素原子を含有する2価の
    有機結合基を表し;mは0または1であり;R1は水素、1
    価の有機基、またはmが1のときLと一緒になって環状
    1,3−硫黄−窒素基の一つとのスピロ結合を形成するの
    に必要な原子類を表し、またはmが0のときDと一緒に
    なって環状1,3−硫黄−窒素基の一つとのスピロ結合を
    形成するのに必要な原子類を表し;X′は2価の有機基を
    表し、R3,R4,R5及びR6は各々水素、1価の有機基また
    は一緒になって、R3とR4またはR5とR6が置換されたまた
    は未置換の炭素または複素環を表し、Dは完成された染
    料を表す、 により表される、請求の範囲第4項記載の像記録材料。
  6. 【請求項6】mは1であり、X′は−R−O−R′−O
    −R− 式中、R及びR′は同一または異なるアルキレンを表
    す、 により表される、請求の範囲第5項記載の像記録材料。
  7. 【請求項7】mは1であり、X′は−R− 式中、Rはアルキレンを表す、 により表される、請求の範囲第5項記載の像記録材料。
  8. 【請求項8】Dが である、請求の範囲第5項記載の像記録材料。
  9. 【請求項9】着色提供材料が式 を有する、請求の範囲第5項記載の像記録材料。
  10. 【請求項10】像記録材料が塩基及び塩基前駆体を全く
    含まない、請求の範囲第1項記載の像記録材料。
  11. 【請求項11】更に銀塩酸化物質を含む、請求の範囲第
    1項記載の熱現像像記録材料。
  12. 【請求項12】更に銀のための補助配位子を含む、請求
    の範囲第1項記載の像記録材料。
  13. 【請求項13】更に感光性銀ハライド、還元剤及び結合
    剤を含む、請求の範囲第1項記載の像記録材料。
  14. 【請求項14】結合剤がゼラチンである、請求の範囲第
    13項記載の像記録材料。
  15. 【請求項15】式 により表される化合物。
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