JP2941911B2 - 反射型光走査トンネル顕微鏡 - Google Patents

反射型光走査トンネル顕微鏡

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JP2941911B2 JP22375490A JP22375490A JP2941911B2 JP 2941911 B2 JP2941911 B2 JP 2941911B2 JP 22375490 A JP22375490 A JP 22375490A JP 22375490 A JP22375490 A JP 22375490A JP 2941911 B2 JP2941911 B2 JP 2941911B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、試料表面に沿って近接走査されるピックア
ップの先端の全反射条件が試料表面の状態によって変化
することを利用した反射型光走査トンネル顕微鏡に関す
る。
〔従来の技術〕
LB膜(ラングミアブロジェット膜)等の有機薄膜は、
光エレクトロニクス、特に光交換機への応用のための高
速光変調器、光論理素子、波長変換素子として有望であ
り、近年その研究が世界的に急速に進められている。ま
た、バイオテクノロジーにおいて、生体細胞膜のゲート
機構の解明、バイオリアクターの研究等が精力的に進め
られている。さらに、半導体素子、光ディスク表面の光
の波長以下の溝、ピットの構造を観察する必要性も高ま
っている。これらの研究のためには、膜面に生じる10nm
程度の開口の受受、数等を非接触、非破壊で検出する技
術の確立が必要である。ところで、従来、試料に電流を
流してその表面に生じるトンネル電流を検出して試料を
電気的に高解像度で観察する走査トンネル顕微鏡は公知
である。しかし、この電気的な走査トンネル顕微鏡は試
料に電流を流すので、試料を非破壊で検出することはで
きない。特に、生体細胞等の観察においては、この点は
決定的に不利である。これとは別に、試料の内部におい
て光が全反射したときに試料表面に生じるエバネッセン
ト波をピックアップを走査することによって検出して、
試料を高解像度で非接触、非破壊で観察する超解像顕微
法又は光走査トンネル顕微鏡が、1980年代初頭に提案さ
れ、地道に研究が継続されてきた。しかしながら、現在
の分解能は100nm程度であり(例えば、Phys.Rev.B,Vol.
39,No.1,pp.767〜770参照)、上記のような10nm程度の
高解像度を得るためには、未だ不充分である。
そこで、本発明者は、特願平1−230210号において、
ピックアップ、微弱光検出システム等について工夫した
光走査トンネル顕微鏡を出願している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記の特願平1−230210号において提案した光走査ト
ンネル顕微鏡は、すでにそれ自体従来の顕微鏡に比べて
極めて優れた特徴を持っているが、試料の裏側から光を
当てて試料を透過して漏れた光を検出する透過型である
ために、例えば生体細胞膜測定の場合、試料台に載せる
際に生体から細胞膜を剥離せざるを得ない必要も生ず
る。剥離の段階で生体細胞膜機能の一部を破壊する可能
性があるので、これは真の非破壊測定評価とは言えない
場合がある。また、上記の先の出願の顕微鏡において
は、試料面内の分解能を向上させるために、光ファイバ
ーピックアップの先端開口径は光の波長より小さくなっ
ている。そのため、試料表面から漏れ出す低いパワーの
エバネッセント光をさらにわずかだけピックアップする
ことになるので、ピックアップされたパワーは小さく、
測定感度が低い。先の出願の顕微鏡では、ヘテロダイン
法、フォトンカウンティング法を使うことにより、信号
処理方法に工夫を加えて、上記の低いパワーの光の測定
感度を向上させる方法をとっており、これによりすでに
感度が著しく向上しているが、問題点としては、測定時
間が長くなること、したがって時々刻々変化する生体細
胞膜の動き等に追随できない可能性があること等があ
る。
したがって、本発明は、上記した従来の光走査トンネ
ル顕微鏡の問題点を解決して、高分解能、高感度で、例
えば生体細胞膜機能を破壊することなくその動的特性の
実時間測定ができる反射型光走査トンネル顕微鏡を提供
することを目的としている。
〔課題を解決するための手段〕 本発明による第1の反射型走査トンネル顕微鏡は、試
料表面に沿って近接走査されるピックアップを有し、ピ
ックアップ先端は光波長に比べて充分に小さい領域を除
いて金属コーテングされており、ピックアップ内を進み
ピックアップ先端で反射された光の試料表面との相互作
用による位相変化を測定することにより試料表面の凹凸
形状、屈折率分布、又は、吸収率分布を検出することを
特徴とするものである。
本発明による第2の反射型光走査トンネル顕微鏡は、
試料表面に沿って近接走査される光ファイバーからなる
ピックアップを有し、ピックアップ先端は光波長に比べ
て充分に小さい領域を除いて金属コーテングされてお
り、ピックアップの後端より単一周波数の光を入射させ
るように単一周波数光源を配置し、前記入射光のピック
アップ先端からの反射光の位相変化を検出いてその位相
が一定になるようにピックアップの試料に対する位置を
制御するように構成したことを特徴とするものである。
また、第3の反射型光走査トンネル顕微鏡は、試料表
面に沿って近接走査される半導体レーザからなるピック
アップを有し、ピックアップ先端は発光領域中に位置す
る光波長に比べて充分に小さい領域を除いて反射コーテ
ングされており、ピックアップの後端より発振される光
の周波数の変化を検出してその周波数が一定になるよう
にピックアップの試料に対する位置を制御するように構
成したことを特徴とするものである。
さらに、第3のものの変形である第4の反射型光走査
トンネル顕微鏡は、試料表面に沿って近接走査される半
導体レーザからなるピックアップを有し、ピックアップ
先端は発光領域中に位置する光波長に比べて充分に小さ
い領域を除いて反射コーテングされており、ピックアッ
プの後端より発振される光の周波数の変化を検出してそ
の周波数が一定になるように半導体レーザに注入する電
流を制御するように構成したことを特徴とするものであ
る。
また、本発明による第5の反射型光走査トンネル顕微
鏡は、試料表面に沿って近接走査される光ファイバーか
らなるピックアップを有し、ピックアップ先端、後端は
軸に垂直な平面からなり、その先端面は光波長に比べて
充分に小さい領域を除いて金属コーテングされ、その後
端面は部分透過反射膜がコーテングされていて、先端反
射面と後端反射面によりファブリ・ペロー干渉計を構成
しており、ピックアップの後端より単一周波数の光を入
射させるように単一周波数光源を配置し、前記ファブリ
・ペロー干渉計の共振周波数の変化を検出してその周波
数が一定になるようにピックアップの試料に対する位置
を制御するように構成したことを特徴とするものであ
る。
この場合、前記単一周波数光源を半導体レーザ構成で
し、前記半導体レーザの発振周波数を前記ファブリ・ペ
ロー干渉計の共振周波数に一致させるために、検出され
た共振周波数変化に基づいて前記半導体レーザの注入電
流を制御するように構成するか、前記ファブリ・ペロー
干渉計中で共振している光の一部を取り出して前記半導
体レーザへ直接帰還するように構成することが望まし
い。
さらに第5のものの変形である第6の反射型光走査ト
ンネル顕微鏡は、試料表面に沿って近接走査される透明
半球体からなるピックアップを有し、ピックアップ先端
を前記透明半球体の球面で構成し、その後端を前記透明
半球体の平面で構成し、その先端面は光波長に比べて充
分に小さい領域を除いて金属コーテングされ、その後端
面は部分透過反射膜がコーテングされていて、先端反射
面と後端反射面により多重反射干渉計を構成しており、
ピックアップの後端より単一数端数の光を入射させるよ
うに単一周波数光源を配置し、前記多重反射干渉計の共
振周波数の変化を検出してその周波数が一定になるよう
にピックアップの試料に対する位置を制御するように構
成したことを特徴とするものである。
この場合、前記単一周波数光源を半導体レーザで構成
営し、前記半導体レーザの発振周波数を前記多重反射干
渉計の共振周波数に一致させるために、検出された共振
周波数変化に基づいて前記半導体レーザの注入電流を制
御するように構成するか、前記多重反射干渉計中で共振
している光の一部を取り出して前記半導体レーザへ直接
帰還するように構成することが望ましい。
さらに、本発明による第7の反射型光走査トンネル顕
微鏡は、試料表面に沿って近接走査される光ファイバー
からなるピックアップを有し、ピックアップ先端、後端
は軸に垂直な平面からなり、その先端面は光波長に比べ
て充分に小さい領域を除いて金属コーテングされ、その
後端面は部分透過反射膜がコーテングされていて、先端
反射面と後端反射面により測定用ファブリ・ペロー干渉
計を構成しており、測定用ファブリ・ペロー干渉計と同
じ長さの光ファイバーを有し、その先端、後端は軸に垂
直な平面からなり、その先端面は全面が金属コーテング
され、その後端面は部分透過反射膜がコーテングされて
いて、先端反射面と後端反射面により参照用ファブリ・
ペロー干渉計を構成しており、測定用ファブリ・ペロー
干渉計と参照用ファブリ・ペロー干渉計とは同一の支持
台に近接して取り付けられており、測定用ファブリ・ペ
ロー干渉計、参照用ファブリ・ペロー干渉計それぞれの
光ファイバーの後端より単一周波数の光を入射させるよ
うに同一ケース内に同一構成の2個のレーザを配置し、
各レーザからの発振周波数がそれぞれ測定用ファブリ・
ペロー干渉計、参照用ファブリ・ペロー干渉計の共振周
波数と一致するように各ファブリ・ペロー干渉計からの
反射光を同期検波してその検波信号を各レーザに帰還す
るように構成し、各レーザからの発振光の一部を取り出
して両光の周波数の差を測定するように構成したことを
特徴とするものである。
また、第3のものの別の形態に属する第8の光走査ト
ンネル顕微鏡は、試料内部における光の全反射によって
その表面に生じるエバネッセント波を、半導体レーザか
らなるピックアップであってピックアップ先端の発光領
域中に位置する光波長に比べて充分に小さい領域を除い
て反射コーテングされているピックアップによって検出
し、ピックアップの後端より発射される光の強度の変化
を検出してその強度が一定になるようにピックアップの
試料に対する位置を制御するように構成したことを特徴
とするものである。
〔作用〕
第1の反射型光走査トンネル顕微鏡によると、ピック
アップ先端は光波長に比べて充分に小さい領域を除いて
金属コーテングされているので、ピックアップ内を進む
光は大部分反射されるが、ピックアップ先端のインピー
ダンスは試料表面形状、屈折率分布、吸収率分布によっ
て変化するので、反射される光の位相が変化する。した
がって、この反射光の位相変化を測定することにより、
試料の表面形状等を測定することができる。この顕微鏡
によると、透過型のように弱いエバネッセント光パワー
を検出するのではなく、高パワーの反射光を検出するも
のであり、特にその位相変化量を測定するので、感度が
向上すると共に分解能も向上する。また、反射型である
ので、例えば生体細胞膜機能を破壊することなくその動
的特性の実時間測定ができる。
第2の反射型光走査トンネル顕微鏡によると、光ファ
イバーからなるピックアップ先端は光波長に比べて充分
に小さい領域を除いて金属コーテングされているので、
ピックアップに後端より入射した光は大部分反射される
が、ピックアップ先端のインピーダンスは試料表面形状
等によって変化するので、反射される光の位相が変化す
る。したがって、この反射光の位相変化を検出してその
位相が一定になるようにピックアップの試料に対する位
置を制御することによって、試料の表面形状等を測定す
ることができる。この顕微鏡によると、透過型のように
弱いエバネッセント光パワーを検出するのではなく、高
パワーの反射光を検出するものであり、特にその位相変
化量を測定するので、感度が向上すると共に分解能も上
する。また、反射型であるので、例えば生体細胞膜機能
を破壊することなくその動的特性の実時間測定ができ
る。
第3の反射型光走査トンネル顕微鏡によると、第2の
もののピックアップの代わりに、半導体レーザからなる
ピックアップであって、ピックアップ先端が発光領域中
に位置する光波長に比べて充分に小さい領域を除いて反
射コーテングされているものを用いるので、試料表面形
状等に応じて変化するピックアップ先端のインピーダン
ス変化は、半導体レーザの発振周波数変化を引き起こ
す。したがって、この発振周波数の変化を検出してその
周波数が一定になるようにピックアップの試料に対する
位置を制御することによって、試料の表面形状等を測定
することができる。この顕微鏡によると、第2のものと
同様に透過型のように弱いエバネッセント光パワーが検
出するのではなく、高パワーの反射光を検出するもので
あり、特にその周波数変化量を測定するので、感度はさ
らに向上する。第4のものは、上記発振周波数の変化を
検出してその周波数が一定になるように半導体レーザに
注入する電流を制御するよう変形したものであり、注入
電流制御の方が上記の第3のものの位置制御よりも応答
速度が速いので、より高速の測定ができ、生体細胞膜の
動的特性の実時間測定により適している。
また、第5及び第6の反射型光走査トンネル顕微鏡に
よると、第2、第3、第4のもののピックアップの代わ
りに、光ファイバーから構成されたファブリ・ペロー干
渉計、又は、透明半球体から構成された多重反射干渉計
からなるピックアップであって、ピックアップ先端が発
光領域中に位置する光波長に比べて充分に小さい領域を
除いて反射コーテングされているものを用いるので、試
料表面形状に応じて変化するピックアップ先端のインピ
ーダンス変化は、干渉計の共振周波数変化を引き起こ
す。したがって、この共振周波数の変化を検出してその
周波数が一定になるようにピックアップの試料に対する
位置を制御することによって、試料の表面形状等を測定
することができる。この顕微鏡によると、第2のものと
同様に透過型のように弱いエバネッセント光パワーを検
出するのではなく、高パワーの反射光を検出するもので
あり、特にその周波数変化量を測定するので、感度はさ
らに向上する。
さらに、第7の光走査トンネル顕微鏡によると、同一
支持第に取り付けられたピックアップを構成する測定用
ファブリ・ペロー干渉計と参照用ファブリ・ペロー干渉
計を用い、これらに同一ケース内に配置された同一構成
の2個のレーザからの光を入射させ、各レーザの発振周
波数をこれらの干渉計の共振周波数と一致させるように
構成し、各レーザからの発振光の一部を取り出して両光
の周波数の差を測定するように構成されているので、レ
ーザとピックアップに加わる温度変動、振動等の環境変
化の影響は相互にキャンセルされ、より安定した測定が
できる。また、レーザとして半導体励起YAGレーザのよ
うな高安定、高出力のレーザが使用できるので、より高
感度の測定が可能となる。
第8の光走査トンネル顕微鏡によると、第3及び第4
の半導体レーザからなるピックアップを光増幅器として
作用させ、かつ、透過型光走査トンネル顕微鏡として用
いるので、ピックアップによってピックアップされかつ
増幅されるエバネッセント波の強度は試料形状等に応じ
て変化する。したがって、このピックアップされかつ増
幅された光の強度変化を検出してその強度が一定になる
ようにピックアップの試料に対する位置を制御すること
によって、試料の表面形状等を測定することができる。
先に出願したものに比較して一層の感度向上が図れる。
〔実施例〕
次に、図面を参照にしながら、本発明の反射型光走査
トンネル顕微鏡のいくつかの実施例について説明する。
第1図に第1実施例の基本構成を示す。装置は、単一
モード光ファイバーからなるピックアップ1、単一波長
光を出す半導体レーザ2、半導体レーザ2への戻り光を
防止する光アイソレータ3、半導体レーザ2からのレー
ザ光を2分して透過光をピックアップ1に入射させ、反
射光を反射面5に入射させるビームスプリッター4、ピ
ックアップ1の先端6によって反射されたビームスプリ
ッター4によって反射された光と、反射面5によって反
射されたビームスプリッター4を透過した光とを重ね合
わせて干渉させその強弱を検出する光検出器7、光検出
器7からの信号を増幅して基準値と比較し誤差信号を出
すフィードバック回路8、フィードバック回路8からの
誤差信号に基づいてピックアップ1の試料S面に垂直な
方向に位置を調節する圧電素子9、誤差信号に基づいて
試料S表面の凹凸形状等を演算表示するCPU、ディスプ
レー等10からなり、上記以外に、試料S表面に沿ってピ
ックアップ1をX−Y走査する走査装置が含まれる。こ
のような構成の光走査トンネル顕微鏡は、試料Sの表面
側から光を当て、試料Sから反射した光を検出する反射
型である。上記の単一モード光ファイーからなるピック
アップ1は、第2図にその先端を拡大して示してあるよ
うに、コア11とクラッド12からなる単一モード光ファイ
バーの先端を円錐形に研磨し、円錐の先端以外を金とク
ロムのコーティング13をしたものであり、先端の開口径
は光波長い比較して非常に小さい。このピックアップ1
は、本質的に上記した特願平1−230210号で提案したも
のと同じである。
このような反射型光走査トンネル顕微鏡においては、
半導体レーザ2から光アイソレータ3、ビームスプリッ
ター4を経てピックアップ1のコア11に入射した光は、
ファイバーの先端6から漏れ出て試料Sに当たり(ファ
イバー先端6と試料S面との距離≪光波長)、その反射
光はピックアップ1に再度入射することになるが、上記
したように、ファイバー先端6の開口径は光波長に比べ
非常に小さいので、ファイバー先端6から第2図にLで
示したように、漏れ出して試料Sに当たる光のパワーは
わずかであり、残りの光はファイバーの先端6で反射さ
れる。すなわち、上記した先端の出願の透過型の場合と
異なり、光の全反射はファイバー先端6で生じ、ファイ
バー中を往路とは逆方向に伝搬して行く。しかし、ここ
で最も重要なことは、試料Sがファイバー先端6に接近
していることにより、往路の光がファイバー先端部6を
見たとき、その先端部6のインピーダンスは変化し、反
射される光の位相が変化することである(試料Sの表面
形状、屈折率分布、吸収率分布により、往路の光の反射
のための境界条件が変化するため、反射光の位相が変化
すると考えてもよい。)。この位相変化量は試料の表面
形状、屈折率分布、吸収率分布によって決まる値を持つ
ので、この位相変化を、上記の反射光と基準光とを干渉
させて測定することにより、試料Sの表面形状、屈折率
分布、吸収率分布を測定することができる。つまり、上
記の反射型の光走査トンネル顕微鏡は、透過型のように
弱いエバネッセント光パワーを検出するのではなく、高
パワーの反射光を検出するものであり、特にその位相変
化量を測定するので、感度が向上する。言い換えると、
透過型のように信号処理方法の工夫ではなく、ピックア
ップする光パワーそのものを増加させ、かつその位相変
化を測定することにより感度を向上させている。
上記の位相変化測定は、第1図のように、半導体レー
ザ2とピックアップ1との間に配置したプリズムビーム
スプリッター4により光を予め2つに分けておき、一方
をピックアップ1に入れ、試料面形状等に依存する位相
変化量を持った反射光を得る。他方の光は、ビームスプ
リッター4の1つの面に設けて反射面5により反射さ
れ、上記の反射光とビームスプリッター4において再び
合成される。この合成された光は互いに干渉を起こす
が、干渉強度は両光の位相差に依存する。したがって、
その干渉強度を光検出器7によって測定することによ
り、位相変化量が測定できる。
なお、以上のようにして検出した位相が一定の値にな
るように、フィードバック回路8を経て誤差信号を圧電
素子9へ送り、ピックアップ1の試料S面に垂直な方向
に位置を調節し、また、この誤差信号と図示していない
ピックアップのX−Y走査装置の位置信号とから、CP
U、ディスプレー等10で試料の表面形状等を演算表示す
る点は、従来の走査トンネル顕微鏡と同様である。な
お、上記のようにフィードバックしないで、位相の変化
のみを検出して平面形状等を測定するようにすることも
できる。
以上のように、上記の反射型光走査トンネル顕微鏡に
おいては、位相測定に光ファイバーピックアップ1から
戻ってきた反射光を使うが、このパワーはピックアップ
1に送り込んだ光パワーとほとんど同一であるから測定
感度が高い。また、位相測定は従来より確立された干渉
法であり、1/100ラジアン程度の精度がある。さらに、
位相変化量を偏光面の回転、周波数シフトなどに変換し
て測定することができるので、より高精度が期待でき
る。
なお、ピックアップ1の先端形状としては、第2図の
ように単一モードファイバーの先端を円錐形に研磨し、
円錐の先端以外を金属でコーティングしたものに限ら
ず、例えば、単一モードファイバーの先端を軸に垂直に
切断し、その切断面に反射膜をコーティングを施し、コ
アに相当する部分に開口径≪光の波長となるように出射
開口を開いたものを用いてもよい。
次いで、第3図を参照にして、別の形態の反射型光走
査トンネル顕微鏡を説明する。高感度化のための第2の
ものは、第3図に示すように、第1図の光ファイバーピ
ックアップ1の代わりに、半導体レーザ15そのものを光
源かつピックアップとして使う反射型光走査トンネル顕
微鏡である。第1図のものと比較すると、この半導体レ
ーザ15は、第1図の半導体レーザ2と同様の光源として
働くのみでなく、ピックアップとしても働く。すなわ
ち、半導体レーザ15の試料S側の出射端には、出射開口
を有する反射膜21をコーティングし、出射開口径≪光の
波長となるように加工しておくと、第1図のピックアッ
プ1の先端6と同様、光は半導体レーザ15の出射開口か
らわずかしか漏れ出さず、半導体レーザ15反面で全反射
される。しかし、近接する試料Sにより半導体レーザ15
反面のインピーダンス、すなわち、端面の反射率と屈折
率が変化する。特に、後射の屈折率変化により端面から
反射される光の位相が変化するため、半導体レーザ15の
発振周波数が変化する。したがって、この発振周波数の
変化を測定することにより、試料表面の形状、屈折率分
布、吸収率分布が測定できる。ここでは、第1図の位相
変化測定の場合のような干渉計は最早必要ではなく、例
えば第3図に示したように、もう1台の周波数基準半導
体レーザ17を配置し、ハーフミラー18を介してこの周波
数基準半導体レーザ17からの基準光とビートをとるヘテ
ロダイン法を採用して、発振周波数の変化を検出すれば
よい。又は、より簡便な方法として、光検出器7の前に
安定なファブリ・ペロー干渉計を周波数弁別器として配
置すれば、周波数変化量は高感度に測定できる。この実
施例の場合には、機械的振動等による干渉計の光路長の
変動等の影響を除去することができる。また、周波数変
化量の測定は、全ての物理量測定の中で最も高精度に測
定できることが従来よりよく知られているので、第3図
の顕微鏡はより高精度に試料Sの表面形状等を測定でき
る。この顕微鏡の測定精度を向上させるには周波数安定
な(スペクトル幅の狭い)半導体レーザ15を使うのが有
利である。なお、第3図においては、このような発振周
波数変化の測定装置は、周波数変化測定システム16とし
て模式的に示してある。
第3図の顕微鏡の場合、試料Sの3次元的な形状等の
測定には2通りの方法が考えられる。第1の方法は、従
来のSTMと同様に、半導体レーザ15を圧電素子9に取り
付け、試料形状等によって決まる周波数変化を補償する
ように、半導体レーザ15の縦方向(試料面に対して垂直
方向)の位置を調節しながら、半導体レーザー15を試料
面内で2次元的に走査するものである。このためには、
スイッチ19をの端子に接続し、フィードバック回路8
からの誤差信号を圧電素子9へ与えるようにすればよ
い。なお、試料Sの3次元形状等のモニター用の信号と
しては、圧電素子9へ与える画素信号を用いる。第2の
方法では、半導体レーザ15を圧電素子9に取り付けてお
くが、スイッチ19をの端子に切り換え、半導体レーザ
15の縦方向位置は不変に保っておく。そして、周波数変
化を補償するように、半導体レーザ15の注入電流源20の
出力電流を自動制御しながら、半導体レーザ15を試料面
内で2次元的に走査するものである。注入電流制御の方
が第1の圧電素子制御よりも応答速度が速いので、より
高速の測定ができ、生体細胞膜の動的特性の実時間測定
により適している。特に、この第2の測定方法は、同調
形光増幅器をピックアップに使うことに対応する。すな
わち、半導体レーザ15の共振器の共振周波数が常にピッ
クアップ光周波数と同調(一致)するように注入電流を
制御しておくので、同調形共振器となっている。さら
に、この共振器の中には、半導体レーザ発振用半導体利
得媒質があるので、ピックアップ光に対する増幅器とし
て働く。すなわち、この半導体レーザ15は、ピックアッ
プ端面においてインピーダンス整合の成立した光増幅器
として働く。第1の方法でも、同様に、半導体レーザ15
は同調形光増幅器と見なしてよい。このとき、同調を実
現するのは圧電素子9の制御による。
第3図の反射型光走査トンネル顕微鏡は、第1図のも
のと同様、ピックアップ開口、すなわち、半導体レーザ
15の出射端で全反射する光を使うが、ここではさらに、
同調形光増幅器を行うので、光パワーの利用効率が高
い。さらに、前記した周波数変化測定システムと合わせ
ると、測定感度が非常に向上する。先の出願の透過型の
光走査トンネル顕微鏡では、ピックアップされる光パワ
ーは数〜数10pW程度まで小さくなる恐れもあるが、本発
明の反射型光走査トンネル顕微鏡では、数mWのレーザパ
ワーを利用することができる。すなわち、感度は約109
倍向上する。したがって、開口面積を先の出願のピック
アップよりさらに小さくすることができ、試料面内の分
解能(解像度)もさらに向上し、トンネル電流を使った
従来方式の走査トンネル顕微鏡(STM)に比べて遙かに
優れた性能のものになると期待される。
なお、本発明の光走査トンネル顕微鏡は、第4図に示
すように透過型にすることも可能である。その場合に
は、先の出願の発明と同様に、試料Sから透過して滲み
出してきたエバネッセント光を光ファイバーではなく、
第3図で示したものと同一の半導体レーザ15でピックア
ップする。ただし、この半導体レーザ15の発振周波数が
エバネッセント光の周波数と一致(同調)するように、
注入電流を調節しておく。すると、前記したように、こ
の半導体レーザ15は、ピックアップ端面でインピーダン
ス整合の成り立つ同調形光増幅器として働くから、エバ
ネッント光が端面で散乱することのなく、半導体レーザ
15に全てピックアップされ、かつ半導体レーザ15内で増
幅される。この透過型の場合は、光源とピックアップ用
半導体レーザ15とは別のものを使うが、後者の半導体レ
ーザ15を同調形光増幅器として使うことは、他種レーザ
においても古くから知られている「注入同期」と呼ばれ
る現象の応用である。半導体レーザをこのように光増幅
器として使う試みは、コヒーレント光通信システムで行
われている。なお、第4図の透過型の場合には、ピック
アップ用の半導体レーザ15からの出力パワーが一定にな
るように、半導体レーザ15を搭載している圧電素子9の
縦方向位置を自動制御しながら、試料面内を2次元適に
掃引する。
ところで、光走査トンネル顕微鏡においても、光走査
トンネル顕微鏡として試料Sの極微細形状を観察する前
に、事前にその観察視野を絞るために少し広い領域を見
ることが必要である。また、試料Sとの間の距離を一定
に制御する機構を設けることは、試料Sの位置決めのた
めに必要である。これらのために、第3図及び第4図の
光走査トンネル顕微鏡において、第5図に示すように、
半導体レーザ15の試料Sに対向する端面に金属性の突起
からなる探針(トンネルチップ)22を取り付け、電源23
から試料Sとの間に電圧を印加しておき、試料Sと探針
22の間に流れるトンネル電流を測定し、その値が所定の
電流値になるように圧電素子9(第3図、第4図)にフ
ィードバックするように構成して、従来の電気的な走査
トンネル顕微鏡として使用できるようにすることができ
る。ただし、この電気的な走査トンネル顕微鏡として使
用できるのは、試料Sが導電性の場合に限られる。
以上のように、第1図の光走査トンネル顕微鏡も第3
図及び第4図の光走査トンネル顕微鏡も、何れも上記し
た先の出願のように信号処理方法の工夫によって低パワ
ーの光の検出感度を向上させるのではなく、信号光パワ
ー自信を増加させるものである。本発明のものの方が、
横分解能の向上、測定時間の短縮に有効である。また、
第3図、第4図のものの一部は第1図の基本原理と重複
するが、半導体レーザ自信をピックアップに使う点、半
導体レーザを使って同調増幅をする点において異なり、
また、位相変化ではなく周波数変化を測定するので、精
度上有利である。半導体レーザ端面に小さい開口のつい
た反射膜をコーティングすることは、必ずしも容易な技
術ではないが、半導体レーザ素子製作技術の改良によ
り、可能である。
次に、本発明の別の形態の反射型光走査トンネル顕微
鏡について説明する。まず、第6図に示すものは、光フ
ァイバー24の両端をファイバ軸と垂直に研磨し、後端に
部分透過反射膜25を先端に第3図の場合と同様な出射開
口を有する反射膜21を蒸着して、高精度のファブリ・ペ
ロー干渉計を形成する。この場合も反射膜21の出口開口
は、出射開口径≪光の波長となるように加工したもので
あり、第3図の原理と同様に、試料Sからの距離に応じ
てファブリ・ペロー干渉計の共振周波数がずれる。この
ずれを計ることにより、試料Sの表面形状、屈折率分
布、吸収率分布を測定することができる。すなわち、第
3図の場合と同様に、共振形のピックアップを構成して
いる。この共振周波数のずれを測定するために、後端の
反射膜25を通して半導体レーザ2からの光をファブリ・
ペロー干渉計に入射させ、レーザ光周波数がファブリ・
ペロー干渉計の共振周波数に一致するように、半導体レ
ーザ2への注入電流を電子回路により自動制御する。こ
のために、高周波発振器26からの高周波で注入電源20か
らの電流を変調して半導体レーザ2に注入することによ
り、発振レーザ光の周波数を変調し、また、ファブリ・
ペロー干渉計からの光を検出している光検出器7の出力
を高周波発振器26からの高周波で同期をとっている同期
検波器27に加えて同期検波してファブリ・ペロー干渉計
の共振曲線の微分信号を得、その中心周波数にレーザ光
の発振周波数が安定化するように、同期検波器27の出力
を注入電流源20へ帰還して、半導体レーザ注入電流を制
御する。同時に、同期検波器27の出力を圧電素子9に印
加することにより、試料Sとファブリ・ペロー干渉計先
端との距離を制御する。この状態で、試料Sに対して光
ファイバー24を試料面内で掃引しながら、同期検掃器27
からの自動制御信号をCPU10に与えれば、試料S表面の
3次元的形状等が表示される。なお、この顕微鏡の面内
分解能は、ファブリ・ペロー干渉計先端の反射膜21の開
口径によって決まる。
ところで、上記の実施例のように電気的に自動制御す
るかわりに、第7図に示したように、光ファイバー24、
反射膜21、25からなるファブリ・ペロー干渉計中で共振
している光を直接半導体レーザ2に帰還させ、レーザ発
振周波数を自動的にファブリ・ペロー干渉計の共振周波
数に引き込み、固定するようにすることができる。その
ため、この場合は、第6図の場合のように半導体レーザ
2のレーザ周波数を変調する必要はない。このようにす
るためには、ファブリ・ペロー干渉計を構成する光ファ
イバー24とそれに近接して配置された補助光ファイバー
29とからなる光ファイバー方向性結合器28を構成し、こ
の方向性結合器28の補助光ファイバー29を介してフアブ
リ・ペロー干渉計中へ半導体レーザ2からの光を入れ、
また、それを介してその中で共振している光を取り出す
ようにする。ファブリ・ペロー干渉計中で共振している
光は、その端面の反射膜25を通しては殆ど取り出せない
ので、このような方向性結合器28を用いる構成を採用す
る。半導体レーザ2からのレーザ光は、ハーフミラー1
8′を介して、第3図の場合と同様に、もう1台の周波
数基準半導体レーザ17からの基準光と干渉させられて光
検出器7によって光電変換され、そのビート信号の周波
数(ヘテロダイン周波数)は周波数カンウンター30によ
って測定される。この測定値を用いて、圧電素子9を制
御して光ファイバー24と試料S間の距離を制御し、その
際の制御信号をCPU10に与えれば、以上のものと同様に
試料Sの3次元的形状等が表示できる。なお、補助光フ
ァイバー29の入射端及び出射端は、図示のように光軸に
対して傾斜してカットして補助光ファイバー29中で干渉
が起こらないようにするのが望ましい。
ところで、第7図のように光ファイバー24を共振器と
いて用いると、光ファイバーは温度変化、振動等により
変形を起こしやすいので、共振周波数が変化する恐れが
ある。そこで、第7図の場合よりより安定で、かつ、干
渉計の先端の反射膜に微小開口を作成するのが容易な形
態として、第8図に示した干渉計を用いることができ
る。これは、光ファイバーの代わりに小さな(直径数mm
程度)ガラス半球31を用い、その球面に出射開口径≪光
の波長となるような出射開口を有する反射膜32を蒸着
し、平面に部分透過反射膜33を蒸着する。球面上の反射
膜32に前記のような微小な出射開口を設けるには、例え
ば簡単なエレクトロ・エッチングの手法(Appl.Phys.Le
tt.55(22)27,p.2366,November 1989)を用いればよ
い。図において、符号34は光軸調整補助光ファイバーを
示しており、このファイバーにより、半導体レーザ2か
らのレーザ光がたえず干渉径の開口部に照射されるよう
に光軸調整をする。このように構成すると、ガラス半球
31、部分透過反射膜33及び反射膜32で構成される共振器
中の共振光は部分透過反射膜33を通して取り出せるの
で、第7図のような方向性結合器は必要ない。なお、第
8図においては、光検出回路、制御回路等は示してない
が、第7図と同様に構成する。ピックアップの構成をこ
のように変更した場合、半球31中のレーザビーム断面積
が第7図の光ファイバー24中のそれに比べて約106倍大
きいので、先端の反射膜32の開口から漏れ出す光パワー
が小さくなり、測定感度が第7図の場合に比較して下が
る。なお、第8図のガラス半球を用いた干渉計を第6図
のファブリ・ペロー干渉計の代わりに用いることもでき
る。
なお、第6図から第8図の場合も、ピックアップ先端
に第5図に示したような電気的走査トンネル顕微鏡とし
ても用いるための金属性の突起からなる探針(トンネル
チップ)22を取り付け、導電性試料Sとピックアップと
の間の距離を一定に制御するようにすることもできる。
以上の第6図から第8図に示した反射型光走査トンネ
ル顕微鏡も、第1図、第3図、第4図のものと同様、前
記した先の出願のように信号処理方法の工夫によって低
パワーの光の検出感度を向上させるのではなく、信号光
パワー自身を増加させるものであり、横分解能の向上、
測定時間の短縮に有効である。そして、これら第6図か
ら第8図に示したものは、第3図のものと同様、厚み方
向の分解能が非常に高い反射型光走査トンネル顕微鏡と
なり、また、光パワーが十分ある等の特徴を有する。な
お、第1図のものに比べると、干渉計を構成する反射面
を光ファイバーから離して別体に設ける必要がなくな
り、反射面の振動等に起因する測定誤差が除去できる、
光ファイバー端面の研磨、コーテイング、開口形成が容
易である等の特徴を有する。また、第3図、第4図のも
のに比較して、半導体レーザ端面よりも光ファイバー端
面の方がコーテイング、開口形成が容易である、ピック
アップとしての価格は半導体レーザよりも光ファイバー
の方が安い等の特徴がある。分解能に関しては、第6図
のものは、試料厚み方向の分解能は第3図のものより劣
る可能性があるが、第7図のものは第3図のものと同等
である。第8図のものは第6図のものと同程度の性能を
もつが、開口の作成がより容易であり、簡易型と言え
る。
ところで、以上の何れの形態のものにおいても、光フ
ァイバー、ガラス半球等の温度変動、振動等により干渉
計の共振周波数が変動する可能性が多少なりともある。
また、現在入手し得る単一モード半導体レーザのパワー
は数10mW以下であり、そのため、実際に光ファイバー・
ファブリ・ペロー干渉計等に入射する光パワーは数mW程
度となり、測定感度が低下する可能性がある。そこで、
第9図に示したような差動方式に構成し、レーザとして
半導体レーザ励起型の小型YAGレーザを用いることによ
り、温度変動、振動等の環境変化に対してより安定で、
より高感度の測定が可能な反射型光走査トンネル顕微鏡
を実現することができる。すなわち、第9図に示すよう
に、同種類のレーザ351、352を2つ用意し、共通の恒温
ケース36に収め、温度変動等の外部影響の受け方を同じ
にする。レーザ351、352としては、周波数安定化及び発
振線幅狭窄化した半導体レーザ、又は、半導体レーザ励
起小型YAGレーザを用いるのが有利である。特に、後者
の半導体レーザ励起小型YAGレーザは、非制御時でも低
雑音であり、発振線幅が狭い。その1例の斜視図を第10
図に示す(Optics Letters Vol.14,12,pp.618−620)。
YAG結晶41として0.7×1.0×2.0mm3を用い、この結晶41
にPZT42により応力を加えるようにして、この応力を調
節することにより発振波長を同調するようになってい
る。励起光は0.81μmの半導体レーザからの光を用い、
出力は1.3μmの赤外光である。なお、ヒートシンク43
は半導体レーザの場合と同程度のものが使われており、
非常に小型である。さて、第9図に戻ると、レーザ35
1、352からの光はそれぞれ光アイソレータ3、3、ハー
フミラー18、18′を経て、例えば電気光学結晶からなる
位相変調器又は周波数変調器361、362に入射し、位相又
は周波数変調を受け、それぞれ偏光ビームスプリッター
371、372、4分の1波長板381、382を経て円偏光となっ
て、部分透過反射膜25から光ファイバ・ファブリ・ペロ
ー干渉計F1、F2に入射する。測定用の光ファイバ・ファ
ブリ・ペロー干渉計F1は、第6図の場合と同様に、光フ
ァイバー24の両端をファイバ軸と垂直に研磨し、後端に
部分透過反射膜25を先端に開口径≪光の波長となる出射
開口を有する反射膜21を蒸着して形成したものであり、
また、参照用の光ファイバ・ファブリ・ペロー干渉計F2
は、F1と同じ周波数で共振するように調節されている
が、その先端に蒸着された反射膜39には何らの開口も設
けてないものである。そして、これら2つの光ファイバ
・ファブリ・ペロー干渉計F1、F2はまとめて同じ支持第
40に設置され、温度変動、振動等の影響を同時に同じよ
うに受けるようになっている。光ファイバ・ファブリ・
ペロー干渉計F1、F2から反射された光は反射方向に回る
円偏光になり、4分の1波長板381、382、偏光ビームス
プリッター371、372を介して光検出器71、72により光電
変換され、同期検掃器271、272において、位相変調器又
は周波数変調器361、362に印加した高周波で同期検波さ
れ、その検波信号はレーザ351、352に帰還され、レーザ
351、352の発振周波数を各々光ファイバ・ファブリ・ペ
ロー干渉計F1、F2の共振周波数に固定するように自動制
御している。この状態で、ピックアップを構成する光フ
ァイバ・ファブリ・ペロー干渉計F1を相対的に試料S表
面に沿って移動させることにより、試料Sの表面形状等
を測定する。測定法は、レーザ351、352の発振光をハー
フミラー18、18′を介して干渉させ、光検出器73により
その間のヘテロダイン周波数を検知し、周波数カウンタ
ー30によってヘテロダイン周波数の変化を測定すること
により、試料Sの表面形状等がわかる。このように、こ
の実施例は同等のレーザ、光ファイバを各々2つずつ用
いた差動法であり、ヘテロダイン周波数にはレーザ、光
ファイバの温度変動、振動等による変動の影響はキャン
セルされて現れてこない。また、半導体レーザ励起小型
YAGレーザを用いることができるので、高パワー化が可
能となり、光パワーが小さいことによる測定感度の低下
は防ぐことができる。
なお、波長1.3μmの半導体レーザ又は半導体レーザ
励起小型YAGレーザを用いる場合、光ファイバー24とし
てこの波長帯で実用化されている偏波面保存光ファイバ
ーを用いることができ、ファブリ・ペロー干渉計F1、F2
のフィネスを向上させることができる。また、光通信用
のマルチコア光ファイバーを使えば、ファブリ・ペロー
干渉計F1、F2を同じクラッド内の2つのコアにより実現
できる。さらに、半導体レーザ励起小型YAGのレーザの
パワーは大きいので、非線形光学結晶を挿脱して2種類
の波長で同じ試料の測定がで、試料の屈折率分布、吸収
率分布を測定することができる。なお、光ファイバー24
の変動が無視できる程度の大まかな測定をする場合に
は、ファブリ・ペロー干渉計F2を省略してもよい。ま
た、試料Sが反射率の低い有機超薄膜等である場合に
は、第9図に示すように、試料Sの下に金属平板Pを敷
き、試料Sを通って光路長が変化した反射光により試料
Sの形状、屈折率分布、吸収率分布を測定するようにす
るとよい。
〔発明の効果〕
第1の反射型光走査トンネル顕微鏡においては、ピッ
クアップ先端は光波長に比べて充分に小さい領域を除い
て金属コーテングされているので、ピックアップ内を進
む光は大部分反射されるが、ピックアップ先端のインピ
ーダンスは試料表面形状、屈折率分布、吸収率分布によ
って変化するので、反射される光の位相が変化する。し
たがって、この反射光の位相変化を測定することによ
り、試料の表面形状等を測定することができる。この顕
微鏡によると、透過型のように弱いエバネッセント光パ
ワーを検出するのではなく、高パワーの反射光を検出す
るものであり、特にその位相変化量を測定するので、感
度が向上すると共に分解能も向上する。また、反射型で
あるので、例えば生体細胞膜機能を破壊することなくそ
の動的特性の実時間測定ができる。
第2の反射型光走査トンネル顕微鏡においては、光フ
ァイバーからなるピックアップ先端は光波長に比べて充
分に小さい領域を除いて金属コーテングされているの
で、ピックアップに後端より入射した光は大部分反射さ
れるが、ピックアップ先端のインピーダンスは試料表面
形状等によって変化するので、反射される光の位相が変
化する。したがって、この反射光の位相変化を検出して
その位相が一定になるようにピックアップの試料に対す
る位置を制御することによって、試料の表面形状等を測
定することができる。この顕微鏡によると、透過型のよ
うに弱いエバネッセント光パワーを検出するのではな
く、高パワーの反射光を検出するものであり、特にその
位相変化量を測定するので、感度が向上すると共に分解
能も向上する。また、反射型であるので、例えば生体細
胞膜機能を破壊することなくその動的特性の実時間測定
ができる。
第3の反射型光走査トンネル顕微鏡においては、第2
のもののピックアップの代わりに、半導体レーザからな
るピックアップであって、ピックアップ先端が発光領域
中に位置する光波長に比べて充分に小さい領域を除いて
反射コーテングされているものを用いるので、試料表面
形状等に応じて変化するピックアップ先端のインピーダ
ンス変化は、半導体レーザの発振周波数変化を引き起こ
す。したがって、この発振周波数の変化を検出してその
周波数が一定になるようにピックアップの試料に対する
位置を制御することによって、試料の表面形状等を測定
することができる。この顕微鏡によると、第2のものと
同様に透過型のように弱いエバネッセント光パワーを検
出するのではなく、高パワーの反射光を検出するもので
あり、特にその周波数変化量を測定するので、感度はさ
らに向上する。第4のものは、上記発振周波数の変化を
検出してその周波数が一定になるように半導体レーザに
注入する電流を制御するように変形したものであり、注
入電流制御の方が上記の第3のものの位置制御よりも応
答速度が速いので、より高速の測定ができ、生体細胞膜
の動的特性の実時間測定により適している。
また、第5及び第6の反射型光走査トンネル顕微鏡に
おいては、第2、第3、第4のもののピックアップの代
わりに、光ファイバーから構成されたファブリ・ペロー
干渉計、又は、透明半球体から構成された多重反射干渉
計からなるピックアップであって、ピックアップ先端が
発光領域中に位置する光波長に比べて充分に小さい領域
を除いて反射コーテングされているものを用いるので、
試料表面形状に応じて変化するピックアップ先端のイン
ピーダンス変化は、干渉計の共振周波数変化を引き起こ
す。したがって、この共振周波数の変化を検出してその
周波数が一定になるようにピックアップの試料に対する
位置を制御することによって、試料の表面形状等を測定
することができる。この顕微鏡によると、第2のものと
同様に透過型のように弱いエバネッセント光パワーを検
出するのではなく、高パワーの反射光を検出するもので
あり、特にその周波数変化量を測定するので、感度はさ
らに向上する。
さらに、第7の光走査トンネル顕微鏡においては、同
一支持台に取り付けられたピックアップを構成する測定
用ファブリ・ペロー干渉計と参照用ファブリ・ペロー干
渉計を用い、これらに同一ケース内に配置された同一構
成の2個のレーザからの光を入射させ、各レーザの発振
周波数をこれらの干渉計の共振周波数と一致させるよう
に構成し、各レーザからの発振光の一部を取り出して両
光の周波数の差を測定するように構成されているので、
レーザとピックアップに加わる温度変動、振動等に環境
変化の影響は相互にキャンセルされ、より安定した測定
ができる。また、レーザとして半導体励起YAGレーザの
ような高安定、高出力のレーザが使用できるので、より
高感度の測定が可能となる。
第8の光走査トンネル顕微鏡においては、第3及び第
4の半導体レーザからなるピックアップを光増幅器とし
て作用させ、かつ、透過型光走査トンネル顕微鏡として
用いるので、ピックアップによってピックアップされか
つ増幅されるエバネッセント波の強度は試料形状等に応
じて変化する。したがって、このピックアップされかつ
増幅された光の強度変化を検出してその強度が一定にな
るようにピックアップの試料に対する位置を制御するこ
とによって、試料の表面形状等を測定することができ
る。先に出願したものに比較して一層の感度向上が図れ
る。
したがって、本発明の光走査トンネル顕微鏡は、高分
解能、高感度で、例えば生体細胞膜機能を破壊すること
なくその動的特性の実時間測定ができ、また、LB膜(R
ラングミアブロジェット膜)、半導体素子、光ディスク
等の表面の微細形状観察、生体細胞膜のゲート機構解
明、バイオリアクターの研究等のための高感度、高安
定、高速、高解像度、非接触、非破壊検出手段として、
極めて有効なものである。
さらには、本発明の光走査トンネル顕微鏡は、形状等
の測定のみではなく、ピックアップ先端の出射開口から
漏れ出た光を利用して、DNA等の操作や固定による分子
レベルの細胞手術、合成、単原子ごとの結晶成長等、加
工装置としての応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の反射型光走査トンネル顕微鏡の1つの
実施例の基本構成を示す図、第2図は第1図のもののピ
ックアップの先端を拡大して示した図、第3図は他の実
施例の構成を示す図、第4図は第3図のものを透過型に
変形したものの構成を示す図、第5図は第3図及び第4
図の光走査トンネル顕微鏡においてトンネル電流用探針
を取り付けた状態を示す図、第6図から第9図は本発明
の反射型光走査トンネル顕微鏡の他の実施例の構成を示
す図、第10図は半導体レーザ励起小型YAGレーザの1例
の斜視図である。 1……単一モード光ファイバーからなるピックアップ、
2……半導体レーザ、3……光アイソレータ、4……ビ
ームスプリッター、5……反射面、6……ピックアップ
先端、7……光検出器、8……フィードバック回路、9
……圧電素子、10……CPU、ディスプレー等、11……コ
ア、12……クラッド、13……金属コーティング、15……
半導体レーザ、16……周波数変化測定システム、17……
周波数基準半導体レーザ、18、18′……ハーフミラー、
19……スイッチ、20……注入電流源、21……出射開口を
有する反射膜、22……探針(トンネルチップ)、24……
光ファイバー、25……部分透過反射膜、26……高周波発
振器、27……同期検波器、28……光ファイバー方向性結
合器、29……補助光ファイバー、30……周波数カウンタ
ー、31……ガラス半球、32……出射開口を有する反射
膜、33……部分透過反射膜、34……光軸調整補助光ファ
イバー、36……恒温ケース、39……反射膜、40……支持
台、41……YAG結晶、42……PZT、43……ヒートシンク、
71、72、73……光検出器、271、272……同期検波器、35
1、352……レーザ、361、362……位相変調器又は周波数
変調器、371、372……偏光ビームスプリッター、381、3
82……4分の1波長板、S……試料、P……金属平板、
F1、F2……光ファイバ・ファブリ・ペロー干渉計

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料表面に沿って近接走査されるピックア
    ップを有し、ピックアップ先端は光波長に比べて充分に
    小さい領域を除いて金属コーテングされており、ピック
    アップ内を進みピックアップ先端で反射された光の試料
    表面との相互作用による位相変化を測定することにより
    試料表面の凹凸形状、屈折率分布、又は、吸収率分布を
    検出することを特徴とする反射型光走査トンネル顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】試料表面に沿って近接走査される光ファイ
    バーからなるピックアップを有し、ピックアップ先端は
    光波長に比べて充分に小さい領域を除いて金属コーテン
    グされており、ピックアップの後端より単一周波数の光
    を入射させるように単一周波数光源を配置し、前記入射
    光のピックアップ先端からの反射光の位相変化を検出し
    てその位相が一定になるようにピックアップの試料に対
    する位置を制御するように構成したことを特徴とする反
    射型光走査トンネル顕微鏡。
  3. 【請求項3】試料表面に沿って近接走査される半導体レ
    ーザからなるピックアップを有し、ピックアップ先端は
    発光領域中に位置する光波長に比べて充分に小さい領域
    を除いて反射コーテングされており、ピックアップの後
    端より発振される光の周波数の変化を検出してその周波
    数が一定になるようにピックアップの試料に対する位置
    を制御するように構成したことを特徴とする反射型光走
    査トンネル顕微鏡。
  4. 【請求項4】試料表面に沿って近接走査される半導体レ
    ーザからなるピックアップを有し、ピックアップ先端は
    発光領域中に位置する光波長に比べて充分に小さい領域
    を除いて反射コーテングされており、ピックアップの後
    端より発振される光の周波数の変化を検出してその周波
    数が一定になるように半導体レーザに注入する電流を制
    御するように構成したことを特徴とする反射型光走査ト
    ンネル顕微鏡。
  5. 【請求項5】試料表面に沿って近接走査される光ファイ
    バーからなるピックアップを有し、ピックアップ先端、
    後端は軸に垂直な平面からなり、その先端面は光波長に
    比べて充分に小さい領域を除いて金属コーテングされ、
    その後端面は部分透過反射膜がコーテングされていて、
    先端反射面と後端反射面によりファブリ・ペロー干渉計
    を構成しており、ピックアップの後端より単一周波数の
    光を入射させるように単一周波数光源を配置し、前記フ
    ァブリ・ペロー干渉計の共振周波数の変化を検出してそ
    の周波数が一定になるようにピックアップの試料に対す
    る位置を制御するように構成したことを特徴とする反射
    型光走査トンネル顕微鏡。
  6. 【請求項6】前記単一周波数光源を半導体レーザで構成
    し、前記半導体レーザの発振周波数を前記ファブリ・ペ
    ロー干渉計の共振周波数に一致させるために、検出され
    た共振周波数変化に基づいて前記半導体レーザの注入電
    流を制御するように構成したことを特徴とする請求項5
    記載の反射型光走査トンネル顕微鏡。
  7. 【請求項7】前記単一周波数光源を半導体レーザで構成
    し、前記半導体レーザの発振周波数を前記ファブリ・ペ
    ロー干渉計の共振周波数に一致させるために、前記ファ
    ブリ・ペロー干渉計中で共振している光の一部を取り出
    して前記半導体レーザへ直接帰還するように構成したこ
    とを特徴とする請求項5記載の反射型光走査トンネル顕
    微鏡。
  8. 【請求項8】試料表面に沿って近接走査される透明半球
    体からなるピックアップを有し、ピックアップ先端を前
    記透明半球体の球面で構成し、その後端を前記透明半球
    体の平面で構成し、その先端面は光波長に比べて充分に
    小さい領域を除いて金属コーテングされ、その後端面は
    部分透過反射膜がコーテングされていて、先端反射面と
    後端反射面により多重反射干渉計を構成しており、ピッ
    クアップの後端より単一周波数の光を入射させるように
    単一周波数光源を配置し、前記多重反射干渉計の共振周
    波数の変化を検出してその周波数が一定になるようにピ
    ックアップの試料に対する位置を制御するように構成し
    たことを特徴とする反射型光走査トンネル顕微鏡。
  9. 【請求項9】前記単一周波数光源を半導体レーザで構成
    し、前記半導体レーザの発振周波数を前記多重反射干渉
    計の共振周波数に一致させるために、検出された共振周
    波数変化に基づいて前記半導体レーザの注入電流を制御
    するように構成したことを特徴とする請求項8記載の反
    射型光走査トンネル顕微鏡。
  10. 【請求項10】前記単一周波数光源を半導体レーザで構
    成し、前記半導体レーザの発振周波数を前記多重反射干
    渉計の共振周波数に一致させるために、前記多重反射干
    渉計中で共振している光の一部を取り出して前記半導体
    レーザへ直接帰還するように構成したことを特徴とする
    請求項8記載の反射型光走査トンネル顕微鏡。
  11. 【請求項11】試料表面に沿って近接走査される光ファ
    イバーからなるピックアップを有し、ピックアップ先
    端、後端は軸に垂直な平面からなり、その先端面は光波
    長に比べて充分に小さい領域を除いて金属コーテングさ
    れ、その後端面は部分透過反射膜がコーテングされてい
    て、先端反射面と後端反射面により測定用ファブリ・ペ
    ロー干渉計を構成しており、測定用ファブリ・ペロー干
    渉計と同じ長さの光ファイバーを有し、その先端、後端
    は軸に垂直な平面からなり、その先端面は全面が金属コ
    ーテングされ、その後端面は部分透過反射膜がコーテン
    グされていて、先端反射面と後端反射面により参照用フ
    ァブリ・ペロー干渉計を構成しており、測定用ファブリ
    ・ペロー干渉計と参照用ファブリ・ペロー干渉計とは同
    一の支持台に近接して取り付けられており、測定用ファ
    ブリ・ペロー干渉計、参照用ファブリ・ペロー干渉計そ
    れぞれの光ファイバーの後端より単一周波数の光を入射
    させるように同一ケース内に同一構成の2個のレーザを
    配置し、各レーザからの発振周波数がそれぞれ測定用フ
    ァブリ・ペロー干渉計、参照用ファブリ・ペロー干渉計
    の共振周波数と一致するように各ファブリ・ペロー干渉
    計からの反射光を同期検波してその検波信号を各レーザ
    に帰還するように構成し、各レーザからの発振光の一部
    を取り出して両光の周波数の差を測定するように構成し
    たことを特徴とする反射型光走査トンネル顕微鏡。
  12. 【請求項12】試料内部における光の全反射によってそ
    の表面に生じるエバネッセント波を、半導体レーザから
    なるピックアップであってピックアップ先端の発光領域
    中に位置する光波長に比べて充分に小さい領域を除いて
    反射コーテングされているピックアップによって検出
    し、ピックアップの後端より発射される光の強度の変化
    を検出してその強度が一定になるようにピックアップの
    試料に対する位置を制御するように構成したことを特徴
    とする光走査トンネル顕微鏡。
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