JP2937073B2 - 抵抗材料組成物、抵抗ペースト及び抵抗体 - Google Patents

抵抗材料組成物、抵抗ペースト及び抵抗体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、抵抗材料組成物、中
性あるいは還元性雰囲気中で焼付けを行うことが可能な
抵抗ペースト、及び該抵抗ペーストを用いて形成される
抵抗体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】アルミ
ナやジルコニアなどからなるセラミック基板には、通
常、種々の電子部品を搭載することができるように、電
極や抵抗などの回路パターンが形成されている。そし
て、電極(電極パターン)は、通常、銀、銀−パラジウ
ム合金などの貴金属ペーストをスクリーン印刷し、空気
中で焼き付けることにより形成されている。
【0003】また、製品の小型化を図るために、基板材
料を積層化して導体を内部に立体的に配置することによ
り高密度化を図る方法が検討されている。しかし、従来
のアルミナ基板(高温焼結基板)を用いて内層配線・積
層化を行う場合には、アルミナ焼結温度が高いため、導
体材料としてタングステン、モリブデンなどの高融点金
属が使用されているが、これらの材料の比抵抗が高いた
め、用途が制約され実用的ではないという問題点があ
る。そこでこのような問題点を解決する目的で、低温
(1000℃以下)で焼結することが可能で、銀、パラ
ジウム、銅などの電極材料を内層することが可能な基板
(例えば、セラミックとガラスからなる複合基板などの
低温焼結基板)が用いられるようになってきている。と
ころで、このような低温焼結基板に用いる電極材料とし
ては、上述した貴金属ペーストがあるが、これらの貴金
属ペーストは高価であるばかりでなく、耐マイグレーシ
ョン性などに問題があるため、貴金属ペーストに代えて
銅、ニッケル、アルミニウムなどの卑金属を導電成分と
する卑金属ペーストを基板上にスクリーン印刷し、これ
を中性あるいは還元性雰囲気中で焼き付けることにより
安価な電極パターンを形成する方向に移行してきてい
る。
【0004】そして、この場合、卑金属ペーストを焼き
付けた後の複数の卑金属電極間を連結するように基板上
に配設される抵抗体(抵抗パターン)を形成するための
抵抗ペーストもまた、中性あるいは還元性雰囲気中で焼
き付けることができるものであることが望ましい。
【0005】そこで、上述のような中性あるいは還元性
雰囲気中で焼付けを行うことが可能な抵抗ペーストとし
て、特公昭59−6481号公報に記載されたLaB6
系の抵抗ペースト、特開昭63−224301号公報に
記載されたNbB2系の抵抗ペースト、特開平2−24
9203号公報に記載されたNbxLa1-x6-4x固溶体
系の抵抗ペーストなどが提案されるに至っている。さら
に、本願出願人(及び発明者)は、特願平6−3398
78号(本願出願時には未公開)において、CaxSr
1-xRuO3系の抵抗材料及び抵抗ペーストを提案してい
る。
【0006】ところで、上述のCaxSr1-xRuO3
抵抗ペーストにおいては、導電材料とガラスフリットの
混合比を変えることにより、広範囲な抵抗値(面積抵抗
値)を得ることが行われるが、その場合に、セラミック
スとガラスの複合基板などの低温焼結基板に抵抗体を形
成したときに得られる抵抗値は、アルミナ基板(高温焼
結基板)上に抵抗体を形成したときに得られる抵抗値の
1/100〜1/1000程度にまで低下するととも
に、抵抗温度係数(TCR)などの特性が低下するとい
う問題点がある。特に10kΩ/□以上の高い面積抵抗
値を得ることができず、この点で、実用上必要とされる
特性を得ることができないという問題点がある。なお、
これらの問題点は、主として、基板とその上に形成され
る抵抗体との間でガラス成分の移動が生じることによる
ものである。
【0007】本願発明は、上記問題点を解決しようとす
るものであり、中性又は還元性雰囲気中で焼き付けるこ
とが可能で、低温焼結基板上にも、面積抵抗値が高く、
TCRの良好な抵抗体を形成することが可能な抵抗ペー
スト、該抵抗ペーストを構成する抵抗材料組成物、及び
本願発明の抵抗ペーストを用いて形成される実現可能な
面積抵抗値が高く、TCRの良好な抵抗体を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明の抵抗材料組成物は、一般式:CaxSr
1-xRuO3(x=0.25〜0.75モル)で表される
第1の抵抗材料と、一般式:LaySr1-yCoO3(y
=0.40〜0.60モル)で表される第2の抵抗材料
と、酸化チタン(TiO2)とを含有することを特徴と
している。
【0009】また、一般式:CaxSr1-xRuO3(x
=0.25〜0.75モル)で表される第1の抵抗材料
と、非還元性ガラスフリットと、一般式:LaySr1-y
CoO3(y=0.40〜0.60モル)で表される第
2の抵抗材料と前記第1及び第2の抵抗材料と非還元性
ガラスフリットの合計量100重量部に対して1〜15
重量部の割合で添加された酸化チタン(TiO2)とを
含有することを特徴としている。
【0010】また、前記第1の抵抗材料と前記非還元性
ガラスフリットの配合割合が、65〜5重量部(第1の
抵抗材料):35〜95重量部(非還元性ガラスフリッ
ト)の範囲にあることを特徴としている。
【0011】また、本願発明の抵抗ペーストは、上記抵
抗材料組成物に有機ビヒクルを添加、混練してなること
を特徴としている。
【0012】さらに、本願発明の抵抗ペーストは、上記
抵抗材料組成物を用いてなる抵抗ペーストであって、前
記第1の抵抗材料62〜4重量部と、前記第2の抵抗材
料5〜20重量部と、前記非還元性ガラスフリット28
〜90重量部と、前記酸化チタン(TiO2)1〜15
重量部とを含有する組成物に有機ビヒクルを添加、混練
してなることを特徴としている。
【0013】さらに、本願発明の抵抗ペーストは、Ba
O15〜75重量%、SiO225〜80重量%、Al2
330重量%以下、B231.5〜5重量%、CaO
1.5〜5重量%の組成を有する低温焼結基板上に抵抗
体を形成するために用いられるものであることを特徴と
している。
【0014】さらに、本願発明の抵抗体は、上記の抵抗
ペーストを塗布、焼付けすることにより形成されたもの
であることを特徴としている。
【0015】本願発明の抵抗材料組成物は、一般式:C
xSr1-xRuO3(x=0.25〜0.75モル)で
表される第1の抵抗材料と、一般式:LaySr1-yCo
3(y=0.40〜0.60モル)で表される第2の
抵抗材料と、酸化チタン(TiO2)とを含有している
ことから、この抵抗材料組成物に非還元性ガラスフリッ
トや有機ビヒクルを配合して抵抗ペーストを作成し、こ
れを塗布、焼付けすることにより、従来の抵抗ペースト
を用いて抵抗体を形成した場合には、高抵抗領域を実現
することが困難で、しかもTCRが0から(+)側ある
いは(−)側に大きく離れてしまうような低温焼結基板
上に、高抵抗で、しかもTCRが良好な(0に近い)抵
抗体を形成することが可能になる。
【0016】なお、本願発明の抵抗材料組成物を構成す
る第1の抵抗材料(CaxSr1-xRuO3)のxの値を
0.25〜0.75モルの範囲としたのは、xの値がこ
の範囲から外れると、抵抗体組成物(固形分)中の非還
元性ガラスフリット含有量増加にともなう抵抗値の急激
な増加を招き、抵抗値の再現性が劣化することによる。
【0017】また、本願発明の抵抗材料組成物において
は、第1の抵抗材料であるCaxSr1-xRuO3の粒子
径は、0.1〜5μmの範囲が好ましく、0.5〜3μm
の範囲がより好ましい。また、第2の抵抗材料であるL
ySr1-yCoO3の粒子径は、0.5〜5μmの範囲が
好ましく、1〜3μmの範囲がより好ましい。
【0018】また、非還元性ガラスフリットとしては、
BaやCa、あるいはさらに他のアルカリ土類金属の硼
珪酸ガラスや硼アルミノ珪酸ガラスなどが選ばれる。な
お、非還元性ガラスフリットの粒子径は、1〜10μm
の範囲が好ましく、1〜5μmの範囲がより好ましい。
【0019】また、本願発明の抵抗材料組成物におい
て、酸化チタン(TiO2)を、第1及び第2の抵抗材
料と非還元性ガラスフリットの合計量100重量部に対
して1〜15重量部の割合で添加するようにしたのは、
酸化チタンの添加量が1重量部未満になると、抵抗値及
びTCRの制御効果が不十分になり、また、15重量部
を越えると抵抗値が高くなり過ぎるばかりでなくTCR
の劣化が著しくなることによる。
【0020】また、本願発明の抵抗材料組成物において
は、第1の抵抗材料と非還元性ガラスフリットの配合割
合を、第1の抵抗材料65〜5重量部に対して、非還元
性ガラスフリット35〜95重量部の範囲とすることに
より、基板への密着性に優れ、かつ、ガラス成分の流れ
出しのない抵抗ペーストを得ることができるようにな
る。すなわち、非還元性ガラスフリットの割合が上記範
囲を下回ると、この抵抗材料組成物を用いて形成した抵
抗ペーストを基板に塗布、焼付けした場合の基板への密
着性が低下し、また、上記範囲を上回ると、ガラス成分
が流れ出して電極のはんだ付け性が劣化する。
【0021】また、本願発明の抵抗ペーストにおいて
は、第1及び第2の抵抗材料と非還元性ガラスフリット
の混合物(固形成分)に有機ビヒクルを添加して混練す
ることにより、必要な印刷特性が付与されているが、こ
の有機ビヒクルとしては、例えば、厚膜材料ペーストに
おいて使用されているエチルセルロース系樹脂やアクリ
ル系樹脂などをα−テルピネオールのようなテルペン系
やケロシン、ブチルカルビトール、カルビトールアセテ
ートなどの高沸点溶剤に溶解させたものなど、種々のも
のを用いることが可能であり、また、必要であればチキ
ソ性を付与する添加剤を添加することも可能である。
【0022】また、第1の抵抗材料62〜4重量部と、
第2の抵抗材料5〜20重量部と、非還元性ガラスフリ
ット28〜90重量部と、酸化チタン(TiO2)1〜
15重量部とを含有する組成物に有機ビヒクルを添加、
混練することにより得られた抵抗ペーストを用いること
により、低温焼結基板上に塗布、焼付けした場合にも、
高抵抗でしかもTCRが0に近い抵抗体を確実に形成す
ることが可能になり、本願発明をより実効あらしめるこ
とができる。
【0023】なお、本願発明の抵抗ペーストにおいて、
第1の抵抗材料、第2の抵抗材料、非還元性ガラスフリ
ット及び酸化チタン(TiO2)の配合割合を上記の範
囲としたのは、各成分の配合割合がこの範囲を外れると
抵抗値を増加させる効果が十分に発揮されなかったり、
抵抗値の急激な増加を招いたり、さらには、TCRが劣
化したりして好ましくないことによる。
【0024】また、本願発明の抵抗ペーストによれば、
具体的には、例えばBaO15〜75重量%、SiO2
25〜80重量%、Al2330重量%以下、B2
31.5〜5重量%、CaO1.5〜5重量%の組成を
有する低温焼結基板上に塗布、焼付けした場合にも、高
抵抗でしかもTCRが0に近い抵抗体を形成することが
できる。
【0025】また、本願発明の抵抗ペーストを塗布、焼
付けすることにより形成された抵抗体は、基板との密着
性が良好で、かつ、低温焼結基板上に形成された場合に
も、実現可能な面積抵抗値が高く、しかも、TCRが良
好であるという特徴を有している。
【0026】
【実施例】以下、本願発明の実施例を示してその特徴と
するところをさらに詳しく説明する。
【0027】[低温焼結基板の作成及び電極パターンの
形成]BaO,SiO2,Al23,CaO,B2
3を、重量比で30:60:5:2:3の割合で配合
し、これを粉砕混合した後、850〜950℃で仮焼
し、さらに粉砕した。そして、得られた粉体に有機バイ
ンダーを加えてドクターブレード法により厚さ128μ
mのシートに成形した。それから、このシートを乾燥し
た後、所定の大きさに切断して基材を得た。次に、この
基材を、窒素をキャリアガスとし、酸素及び水素を微量
含有させた窒素−水蒸気雰囲気(N299.7〜99.
8%)中、850〜1000℃の条件で電気炉により仮
焼、本焼を行い基板(低温焼結基板)を得た。そして、
この低温焼結基板上に銅ペーストをスクリーン印刷し、
窒素雰囲気中で焼き付けて電極(電極パターン)を形成
した。
【0028】[第1の抵抗材料の作成]第1の抵抗材料
の原料として、粉末状のRuO2、CaCO3、SrCO
3を、一般式CaxSrx-1RuO3で表され、かつ、xが
0.3,及び0.6となるような割合で配合し、空気中
において1100℃で2時間保持して合成熱処理し、固
溶体を得た。なお、この合成熱処理工程において、昇温
速度は3℃/minとした。それから、得られた固溶体
(合成物)を部分安定化ジルコニア製のポット及びメデ
ィアを用い、純水媒体中、振動ミルで平均粒径が2〜3
μmとなるまで粉砕した後、乾燥を行い、抵抗材料とし
た。
【0029】[非還元性ガラスフリットの作成]非還元
性ガラスフリットの原料として、B23、SiO2、B
aO、CaO、Al23を用意し、これらを36.0:
31.7:18.0:9.3:5.0のモル比で混合し
た後、1200〜1350℃にて溶融し、純水中に投入
して急冷した後、振動ミルを用いて平均粒径が5μm以
下になるまで粉砕し、非還元性ガラスフリットを得た。
なお、この実施例では、原料として上記の各酸化物を用
いたが、炭酸塩を原料として用いることも可能である。
【0030】[第2の抵抗材料の作成]粉末状のLa2
O、SrCO3、Co23を、LaySr1-yCoO3で表
され、かつ、yが0.5となるような割合で配合し、粉
砕混合した後るつぼに入れ、空気中1050℃でそれぞ
れ5時間保持することにより合成熱処理を行った。それ
から、得られた合成物を部分安定化ジルコニア製のポッ
ト及びメディアを用い、純水媒体中、振動ミルで平均粒
径が2〜3μmとなるまで粉砕した後、乾燥を行い、第
2の抵抗材料を得た。
【0031】[酸化チタン(TiO2)粉体の調製]市
販のTiO2を部分安定化ジルコニア製のポット及びメ
ディアを用い、純水媒体中、振動ミルで平均粒径が2〜
3μmとなるまで粉砕して粒径を調整した後、乾燥を行
い、酸化チタン(TiO2)粉体を得た。
【0032】[抵抗ペーストの作成]上述のようにして
作成した第1の抵抗材料(CaxSr1-xRuO3)、第
2の抵抗材料(LaySr1-yCoO3)、非還元性ガラ
スフリット、及び酸化チタン(TiO2)粉体を、表
1,表2に示すような割合で混合し、この混合物にアク
リル樹脂をα−テルピネオールに溶解してなる有機ビヒ
クルを添加し、3本ロールなどの混練機を用いて混練し
て抵抗ペーストを作成した。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】なお、このときの上記各原料の混合物と有
機ビヒクルの混合割合は、重量比で約70:30とし
た。
【0036】[抵抗体(パターン)の形成]次いで、得
られた抵抗ペーストを、上記手順にて作成した低温焼結
基板上にスクリーン印刷した。なお、抵抗ペーストの印
刷パターンは、長さ=1mm、幅=1mmとし、乾燥膜厚=
約20μmとした。そして、抵抗ペーストを印刷した低
温焼結基板を120℃で10分間乾燥した後、窒素雰囲
気としたトンネル炉にて、ピーク温度900℃で10分
間保持して焼付けを行うことにより抵抗体(抵抗パター
ン)を形成し、これを試料とした。
【0037】上記のようにして、得られた各試料(試料
番号1〜26)について、面積抵抗値及び抵抗温度係数
{TCR(H/TCR:25〜150℃間,C/TC
R:25〜−55℃間)}を測定した。その結果を表
1,表2に併せて示す。
【0038】なお、表1,表2において、試料番号に*
印を付したものは本願発明の範囲外の比較例である。す
なわち、試料番号1〜9は、酸化チタン(TiO2)を
添加していないもの、試料番号10,11は、酸化チタ
ン(TiO2)の添加量が0.5重量部と本願発明の範
囲を下回るもの、試料番号24〜26は、酸化チタン
(TiO2)の添加量が17重量部と本願発明の範囲を
上回るものである。
【0039】また、表1,表2において、面積抵抗値
は、25℃の温度条件で、デジタルボルトメータを用い
て測定した値である。
【0040】また、面積抵抗値に対するTCR(H/T
CR)の関係を図1に示す。なお、図1の各線に付した
符号(a〜h)と、条件(第1の抵抗材料(CaxSr
1-xRuO3)のモル比x、第1の抵抗材料、非還元性ガ
ラスフリット及び第2の抵抗材料の添加量)の関係は表
3に示す通りである。なお、表3において、符号(a〜
h)に*印を付したものは本願発明の範囲外の比較例で
ある。
【0041】
【表3】
【0042】図1に示すように、酸化チタン(Ti
2)を本願発明の範囲内で添加した実施例の試料
(d,e,f,g)の特性曲線は、いずれの抵抗材料組
成においても、酸化チタン(TiO2)を添加していな
いかまたは本願発明の範囲を外れている比較例の試料
(比較例)に比べて上方にシフトしているとともに、同
一抵抗値で比較した場合には、そのTCRレベルが±0
ppm/℃に近づいており、酸化チタン(TiO2)の添加
がTCRの改善に寄与していることがわかる。なお、酸
化チタン(TiO2)を添加したものであってもその添
加量が本願発明の範囲を外れている試料については、比
較例の試料と比べて有意性のあるTCR改善効果が得ら
れていないことがわかる。
【0043】また、表1,2より、酸化チタン(TiO
2)を添加した本願発明の実施例の試料については、酸
化チタン(TiO2)を添加していない比較例の試料に
比べて、高抵抗で、しかもTCRが0(ppm/℃)に近
い抵抗体が得られていることがわかる。
【0044】一方、酸化チタン(TiO2)が添加され
ている試料であっても、その添加量が0.5重量部と本
願発明の範囲を下回る試料(試料番号10,11)にお
いては、面積抵抗値、TCRとも、必ずしも十分な特性
が得られておらず、また、その添加量が17重量部と本
願発明の範囲を上回る試料(試料番号24,25,2
6)においては、面積抵抗値が不十分であるばかりでな
く、TCRが0から(−)側に大きく離れてしまうこと
がわかる。
【0045】これらの結果から、酸化チタン(Ti
2)の添加量は1〜15重量部の範囲が好ましいこと
がわかる。
【0046】なお、上記実施例では、非還元性ガラスフ
リットとして、B23、SiO2、BaO、CaO、A
23をそれぞれ、36.0:31.7:18.0:
9.3:5.0のモル比で含有するガラスフリットを用
いた場合について説明したが、非還元性ガラスフリット
の成分や組成比はこれに限定されるものではなく、他の
成分からなる非還元性ガラスフリットや組成比の異なる
非還元性ガラスフリットを用いることも可能である。
【0047】また、上記実施例では、BaO,Si
2,Al23,CaO,B23を重量比で30:6
0:5:2:3の割合で含有させた低温焼結基板上に抵
抗体を形成した場合を例にとって説明したが、抵抗体を
形成する対象である基板は上記組成の低温焼結基板に限
定されるものではなく、他の種々の材料からなる基板や
基体上に抵抗体を形成する場合に本願発明を適用するこ
とが可能である。
【0048】本願発明は、さらにその他の点においても
上記実施例に限定されるものではなく、第1及び第2の
抵抗材料と非還元性ガラスフリットの配合割合や酸化チ
タン(TiO2)の添加割合、焼付け時の温度条件や雰
囲気条件などに関し、発明の要旨の範囲内において、種
々の応用、変形を加えることが可能である。
【0049】
【発明の効果】上述のように、本願発明の抵抗材料組成
物は、一般式:CaxSr1-xRuO3(x=0.25〜
0.75モル)で表される第1の抵抗材料と、一般式:
LaySr1-yCoO3(y=0.40〜0.60モル)
で表される第2の抵抗材料と、酸化チタン(TiO2
とを含有していることから、これに非還元性ガラスフリ
ットや有機ビヒクルを配合してなる抵抗ペーストを用い
ることにより、従来の抵抗ペーストを用いて抵抗体を形
成した場合には、高抵抗領域を実現することが困難で、
しかもTCRが0から(+)側あるいは(−)側に大き
く離れてしまうような低温焼結基板上に、高抵抗でしか
もTCRが0に近い抵抗体を形成することが可能にな
る。
【0050】また、第1の抵抗材料と非還元性ガラスフ
リットの配合割合を、第1の抵抗材料65〜5重量部に
対して、非還元性ガラスフリット35〜95重量部の範
囲とすることにより、これに有機ビヒクルを配合してな
る抵抗ペーストを用いて低温焼結基板上に抵抗体を形成
した場合に、抵抗体の基板への密着性を向上させること
が可能になるとともに、ガラス成分が流れ出すことを抑
制、防止して、本願発明をさらに実効あらしめることが
できる。
【0051】また、具体的には、本願発明の抵抗ペース
トを用いることにより、例えば、BaO15〜75重量
%、SiO225〜80重量%、Al2330重量%以
下、B231.5〜5重量%、CaO1.5〜5重量%
の組成を有する低温焼結基板などのセラミックとガラス
の複合基板上に、高抵抗でしかもTCRが0に近い抵抗
体を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例及び比較例における、抵抗値
とTCR(H/TCR)の関係を示す線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01C 7/00 C01G 51/00 C01G 55/00 C03C 8/20 H01B 1/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式:CaxSr1-xRuO3(x=
    0.25〜0.75モル)で表される第1の抵抗材料
    と、 一般式:LaySr1-yCoO3(y=0.40〜0.6
    0モル)で表される第2の抵抗材料と、 酸化チタン(TiO2)とを含有することを特徴とする
    抵抗材料組成物。
  2. 【請求項2】 一般式:CaxSr1-xRuO3(x=
    0.25〜0.75モル)で表される第1の抵抗材料
    と、 非還元性ガラスフリットと、 一般式:LaySr1-yCoO3(y=0.40〜0.6
    0モル)で表される第2の抵抗材料と、 前記第1及び第2の抵抗材料と非還元性ガラスフリット
    の合計量100重量部に対して1〜15重量部の割合で
    添加された酸化チタン(TiO2)とを含有することを
    特徴とする抵抗材料組成物。
  3. 【請求項3】 前記第1の抵抗材料と前記非還元性ガラ
    スフリットの配合割合が、65〜5重量部(第1の抵抗
    材料):35〜95重量部(非還元性ガラスフリット)
    の範囲にあることを特徴とする請求項2記載の抵抗材料
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の抵抗材料組成物に
    有機ビヒクルを添加、混練してなることを特徴とする抵
    抗ペースト。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載の抵抗材料組成物を
    用いてなる抵抗ペーストであって、前記第1の抵抗材料
    62〜4重量部と、前記第2の抵抗材料5〜20重量部
    と、前記非還元性ガラスフリット28〜90重量部と、
    前記酸化チタン(TiO2)1〜15重量部とを含有す
    る組成物に有機ビヒクルを添加、混練してなることを特
    徴とする抵抗ペースト。
  6. 【請求項6】 BaO15〜75重量%、SiO225
    〜80重量%、Al2330重量%以下、B231.5
    〜5重量%、CaO1.5〜5重量%の組成を有する低
    温焼結基板上に抵抗体を形成するために用いられるもの
    であることを特徴とする請求項4又は5記載の抵抗ペー
    スト。
  7. 【請求項7】 請求項4,5又は6記載の抵抗ペースト
    を塗布、焼付けすることにより形成された抵抗体。
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