JP2936923B2 - 管状部材内面の溶射方法 - Google Patents

管状部材内面の溶射方法

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JP2936923B2 JP4307824A JP30782492A JP2936923B2 JP 2936923 B2 JP2936923 B2 JP 2936923B2 JP 4307824 A JP4307824 A JP 4307824A JP 30782492 A JP30782492 A JP 30782492A JP 2936923 B2 JP2936923 B2 JP 2936923B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は管状部材の内面に金属、
セラミックなどの溶射材料を溶射する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】管状部材内面にステンレス、炭素綱、銅
系材料、フェロクロム合金、セラミックなどの溶射材料
の被膜を溶射によって形成させる場合には、溶射粒子の
はね返り、溶射粒子の付着や微粉の巻き込みを防止する
ため一方から圧縮空気を吹き込むことが知られている。
また、溶射の前処理としてショットブラスト処理を行な
って、基材を粗面化し、皮膜の密着性を確保することも
知られている(例えば特公昭54-42855号参照)。この文
献には、シリンダー(又はライナー)に白鉄化鋳鉄を溶
射するに際し、予じめ、シリンダー(又はライナー)の
内面にブラスト処理を行うことが開示されている。しか
しながら、管状内面に溶射層を形成するに際しては、管
状部材の口径の制約により溶射ガンから溶射部位までの
溶射距離を充分とれない場合が多い。このような場合に
は、溶射粒子が溶融する時間(フレーム中に渋留する時
間)が非常に短くなり、溶射粒子が十分に溶融しないで
基材表面に衝突するため、溶射粒子は基材によく濡れて
はね返るという問題がある。このために、管状部材内に
圧縮空気を吹き込んで、はね返り粒子を除去する方法が
とられているが、この方法ではブラスト処理により形成
された凸面にはね返り粒子がひっかかり、ここを起点と
しはね返り粒子が積層する現象がみられた。
【0003】更に特開平2-8357号公報にも減圧の無酸化
ガス雰囲気中で素材をある熱源で溶融せしめてその上に
溶射材料を溶射することにより溶射材料の混合層を形成
して被膜の密着性を向上させようとする技術が開示され
ているが、この方法は大気中での操作ではないため、そ
の操作性及びコストに問題があり、また管状部材内面を
処理する場合、レーザ等を曲げるミラーが溶射粒子等で
傷つくため、溶射が困難である、という問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の如く、例えば管
状部材内面をショットブラスト処理して管状部材内面
(基材)を粗面化した状態で溶射を行った場合には、圧
縮空気によるはね返り粒子や、微粉を完全に除去するこ
とは非常に難しい。すなわち、ショットブラストで基材
に凹凸を形成させるとその凸部にはね返り粒子がひっか
かり、そこを起点として、更に、粒子が積層され、ある
方向性をもった積層酸化物層が形成されてしまう。かか
る溶射層(溶射材料:FeCrC合金)の一例の金属組
織を示す顕微鏡写真(100倍)を図2(写真)に示
す。このような溶射層又は被膜は、はね返り粒子の部分
から亀裂や剥離を生じやすく、又基材との密着性も十分
ではないという問題がある。
【0005】従って、本発明は前記した従来技術の問題
点を解決して、管状部材内表面に、剥離や亀裂を生じる
おそれがなく、また基材との密着性に優れた溶射被膜を
形成することができる管状部材内面の溶射方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、管状部
材内面に軸方向に沿って溶射を行うに際し、溶射フレー
ム管状部材の内面に接触する部分で、かつ形成された溶
射層の直前部分をショットブラスト処理しながら、溶射
材料を管状部材の内面に溶射することからなる管状部材
内面の溶射方法が提供される。
【0007】
【作用】本発明によれば、形成された溶射層の直前部分
にショットブラスト処理を施すために、溶射層形成時に
生じたはね返り粒子の積層は除去され、皮膜の品質の劣
化が防止される。
【0008】
【実施例】以下、本発明に係る管状部材内面の溶射方法
の実施例を添付図面を参照しながら説明する。図1に示
すように、本発明に従えば、例えば、管状部材内面に溶
射するのに使用する溶射ガン1に、ショットブラストの
ノズル2を固定し、溶射粒子3を含む溶射フレームの当
たる基材(ライナー)4の表面部位のすぐ前方に、ブラ
ストのグリッド5(アルミナ)が当るように調整する。
一方、管状部材の他部位からは、例えば集じん機(図示
せず)により管状部材内部を吸引するように設備してあ
る。
【0009】次に図1の態様における溶射方法ついて説
明すると、まず、シリンダライナー4を所定の回転数
(例えば500〜1000rpm)で回転させ、続い
て、溶射ン1とそれに固定したブラストノズル2を管内
に移動させる。ライナー4の入口をショットブラストで
粗面化した後、直ちに溶射粒子3が粗面化されたライナ
ー4(基材)の表面に積層される。このように、基材表
面が活性な状態の時に溶射粒子を溶射することが基材と
の濡れが良好で、密着強さの高い皮膜を得るのに有効で
ある。
【0010】ここで、前述のようにライナーに当ったフ
レーム(溶融粒子)3は基材(ライナー)4に平行に流
れるが、前方のライナー4表面は未だブラストにより凹
凸が形成されていないので、はね返り粒子がひっかかり
がないために容易に管外へ吸引排出される。又、仮に粒
子が付着した場合でも、そこへ溶射被膜の形成直前にブ
ラストをかけるため、その粒子は取り除かれ、常に活性
な面上へ溶射粒子が積層されることになる。また、溶射
フレーム3により酸化された基材の酸化膜も取り除かれ
る。このようにして、本発明に従えば、基材と皮膜との
界面に、はね返り粒子(酸化された粒子7)や基材の酸
化膜もなく、基材と溶射被膜との十分な密着強さを確保
することができる。
【0011】次に、溶射ガン1が管状部材内を後退する
時は、ブラストは行わず、溶射のみを行い、第2層を形
成させる。この時、ライナー4の奥の方には徐々にはね
返り粒子7が付着していく。この付着粒子は、次に溶射
ガン1を再度前進させる際に、ブラストを行って除去す
ることができ、同時に第3層の溶射被膜を形成させる。
このサイクルを必要な回数だけ繰り返して所望の膜厚を
得ることができる。
【0012】本発明に従った溶射方法において使用する
溶射材料、ショットブラスト処理方法、更には溶射装置
などは従来から一般的に使用されているものを用いるこ
とができ、この点においては従来技術と何ら変わるとこ
ろはない。
【0013】以下、実施例1並びに比較例1及び2によ
って本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲を
この実施例に限定するものでないことは言うまでもな
い。 実施例1 本例においては管状部材として、Al合金製シリンダラ
イナー(内径80mm,肉厚5mm)を用い、ライナー回転
数500rpmで溶射被膜を形成された。溶射方法は、HVO
F法(高速燃焼方法)とし、溶射条件は次の通りとし
た。 (i)溶射角度 :45° (ii)燃焼条件 酸 素 :280リットル/分 プロピレン:70リットル/分 空 気 :600リットル/分 (iii) 溶射材料 (材質:FeCrC合金・Cr:5
5〜65%,C:1.0〜5.0%,残部供給量:50
g/min. (iv)ガン移動速度 :500mm/min.
【0014】一方、溶射直前に行うショットブラストの
条件は次の通りとした。 (i)グリッドの材質 :焼成アルミナ (ii)グリッドの大きさ :0.2mm〜0.5mm (iii) ブラスト噴出角度 :45° (iv)吹出し圧力 :4.2kgf/cm2 (v)移動速度 :500mm/min
【0015】上記条件にて、ショットブラスト処理及び
溶射を行ない、シリンダライナー表面膜厚0.3mmにな
るまで溶射皮膜を形成させた。この時のライナーの部位
による密着強さ、組織(酸化物量)表面粗さを測定し、
結果を表1に示す。得られた溶射被膜の金属組織を示す
顕微鏡写真(100倍)を図3に示す。
【0016】比較例1 予め上と同じ条件でショットブラスト処理を行い、次に
上と同じ条件で溶射することにより、実施例1と同様に
して、シリンダライナー表面に溶射被膜を形成させた。
結果を表1に示す、
【0017】比較例2 一方から圧縮空気を吹き込みながら溶射した以外は比較
例1と同様にしてシリンダライナー内面に溶射被膜を形
成させた結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1の結果より明らかなように、本発明の
実施例1の場合、溶射部位によらず、溶射の始めから終
りまで高い密着強さが得られている。これに対し、比較
例1及び2の場合には溶射の始めと終りとで密着強さが
著しく低下し、しかも、始め側においても実施例1に比
べて密着強さが低いのは、溶射するまでの間に管内表面
が酸化されることに起因するものと考えられる。又、実
施例1と比較例1及び2では表面粗さ及び酸化物面積率
ともに、溶射始め側では同等の結果が得られたが、溶射
終り側では、実施例1に比較して比較例1及び2では顕
著な差が認められた。
【0020】
【発明の効果】上に説明した通り、本発明に従えば、溶
射ガンと同期して溶射直前にブラスト処理を行うことに
より、溶射層の表面粗さが均一となり、後加工がホーニ
ングのみとすることができる。従来の方法では、ライナ
ーの奥の方が、表面粗さが粗く、管の入口から奥にかけ
て形成された溶射層がテーパ状となっていたため、ホー
ニングの前にボーリング加工が必要であった。このた
め、本発明によれば、溶射材料も少なくて済み、更に溶
射時間、加工時間も大幅に短縮され、大幅なコストダウ
ンを達成するとができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶射方法に用いる装置の一例の概要を
示す図面である。
【図2】本明細書の比較例に示したように、ショットブ
ラスト処理した後に溶射した場合(溶射材料:FeCr
C合金)に得られる溶射層の金属組織を示す顕微鏡写真
(100倍)であり、基材の凸部を起点として酸化物積
層が成長していることが観察される。
【図3】実施例1で得られた溶射被膜の金属組織を示す
顕微鏡写真(100倍)である。
【符号の説明】
1…溶射ガン 2…ブラストガン 3…溶射粒子又はフレーム 4…シリンダーライナー(基材) 5…グリッド(アルミナ) 6…グリッド 7…はね返り粒子 8、10…基材 9、11…溶射皮膜

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状部材内面に、軸方向に沿って溶射を
    行うに際し、溶射フレームが管状部材の内面に接触する
    部分でかつ形成された溶射層の直前部分をショットブラ
    スト処理しながら、溶射材料を管状部材の内面に溶射す
    ることを特徴とする管状部材内面の溶射方法。
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